JP2662503B2 - 記録・再生装置 - Google Patents

記録・再生装置

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JP2662503B2 JP21109894A JP21109894A JP2662503B2 JP 2662503 B2 JP2662503 B2 JP 2662503B2 JP 21109894 A JP21109894 A JP 21109894A JP 21109894 A JP21109894 A JP 21109894A JP 2662503 B2 JP2662503 B2 JP 2662503B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、プローブ電極で記録媒
体を走査することによって情報を記録または記録された
情報の再生を行う記録・再生装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年メモリ材料の用途は、コンピュータ
及びその関連機器、ビデオディスク、ディジタルオーデ
ィオディスク等のエレクトロニクス産業の中核をなすも
のであり、その材料開発も極めて活発に進んでいる。メ
モリ材料に要求される性能は用途により異なるが、一般
的には、 高密度で記録容量が大きい 記録再生の応答速度が速い 消費電力が少ない 生産性が高く価格が安い 等が挙げられる。 【0003】従来までは磁性体や半導体を素材とした半
導体メモリや磁気メモリが主であったが、近年レーザー
技術の進展にともない有機色素、フォトポリマーなどの
有機薄膜を用いた光メモリによる安価で高密度な記録媒
体が登場してきた。 【0004】一方、最近、導体の表面原子の電子構造を
直接観察できる走査型トンネル顕微鏡(以後STMと略
す)が開発され、 〔G.Binning et al.Helvetic
a Physica Acta,55,726(198
2)〕 単結晶、非晶質を問わず実空間像の高い分解能の測定が
できるようになり、しかも媒体に電流による損傷を与え
ずに低電力で観測できる利点をも有し、さらに大気中で
も動作し種々の材料に対して用いることができるため広
範囲な応用が期待されている。 【0005】STMは金属の探針(プローブ電極)と導
電性物質の間に電圧を加えて1nm程度の距離まで近づ
けるとトンネル電流が流れることを利用している。この
電流は両者の距離変化に非常に敏感であり、トンネル電
流を一定に保つように探針を走査することにより実空間
の表面構造を描くことができると同時に表面原子の全電
子雲に関する種々の情報をも読み取ることができる。こ
の際、面内方向の分解能は1Å程度である。従って、S
TMの原理を応用すれば十分に原子オーダー(数Å)で
の高密度記録再生を行うことが可能である。この際の記
録再生の方法としては、粒子線(電子線、イオン線)或
いはX線等の高エネルギー電磁波及び可視・紫外光等の
エネルギー線を用いて適当な記録層の表面状態を変化さ
せて記録を行い、STMで再生する方法や、記録層とし
て電圧電流のスイッチング特性に対してメモリ効果をも
つ材料、例えばπ電子系有機化合物やカルコゲン化物類
の薄膜層を用いて、記録・再生をSTMを用いて行う方
法等が提案されている。 【0006】これらの記録方法は、何れもSTMの特徴
を生かした高密度記録を可能ならしめる手法であること
に間違いはないが、係る高密度化は、記録面内方向(X
・Y方向)へのプローブ電極の走査精度並びに位置制御
精度に大きく依存する。現在プローブ電極の微小移動機
構(微動機構)は、圧電素子を用いた圧電アクチュエー
ターを利用したものであるが、圧電体のヒステリシスと
いう問題点があり、記録の高密度化に対する障害となっ
ている。更には、プローブ電極のX・Y方向への微動、
走査の機構は一般にX軸とY軸の直交度という点で必ず
しも十分ではない。即ち、記録・再生時に於けるプロー
ブ電極の微動或いは走査機構の位置再現性に問題点があ
る。係る問題点を解決する手段としては記録媒体上に位
置及び方向に対して基準となる目盛を作成しておき、係
る目盛から位置及び方向性に関する情報を検出し、検出
された位置情報に対応する位置で記録・再生を行うこと
が考えられる。この様な手法はVTRによる記録・再生
方式を始め、今日一般に高密度記録方式に分類される記
録方式、例えば、光ディスク或いは光カード等に於ても
採用されている。この際、記録の高密度・微細化に伴っ
て、当然より微細な位置情報が記入されかつ検出されね
ばならない。係る微少位置検出手段としては、光学式手
法、磁気式手法或いは静電容量式手法等を挙げることが
できるが、これらの内で最も高分解能が得られるのは格
子干渉の原理を用いた光学式手法である。これは単色光
を基準目盛としての回折格子に入射させ、回折された±
1次の回折光を半透鏡を用いて合成・干渉させ、得られ
た明暗の干渉光を光検出器で光電変換し、干渉光の明暗
から光学系と基準目盛の相対変位量を検知するものであ
る。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、上記従来例
に於いて、最も高分解能を有する格子干渉光学式位置検
出法の性能(分解能)は主に格子ピッチで決められ、こ
れをいかに精度よく微少間隔で刻み、かつそれを精度よ
く検出できるかが重要な点であり、現状の精密加工技術
(EB描画やイオンビーム加工)ではせいぜい0.01
μm(=100Å)の精度が限界であり、又検出技術
(光ヘテロダイン法)に於いても0.01μmの分解能
が限界である。従ってSTMを用いた記録・再生には著
しく精度に劣ると共に、格子作成の為に複雑な工程が必
要という問題があった。 【0008】本発明の目的は、プローブ電極を用いた電
気的な高密度記録・再生方法において、高精度な位置検
出機能並びに位置制御機能を導入し、記録・再生を高密
度かつ再現性よく実行せしむることができる記録・再生
装置を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、基
板上に所定方向に沿って基準点が規則的に配置された位
置座標軸及び記録層が設けられた記録媒体を用い、前記
記録層に対向して配置された第1のプローブと、前記第
1のプローブ電極と一定の間隔に保持され、前記位置座
標軸に対向して配置された第2のプローブ電極と、前記
第1及び第2のプローブ電極を互いに連動して記録媒体
に対して前記所定方向に相対的に移動する移動手段と、
前記第2のプローブ電極と記録媒体との間に電圧を印加
する手段と、電圧の印加によって第2のプローブ電極と
記録媒体との間に流れるトンネル電流を検出する検出手
段とを備え、前記移動手段で第1及び第2のプローブ電
極を所定方向に走査し、前記検出手段で検出されるトン
ネル電流の変化から前記基準点を検出し、検出された基
準点を位置の基準として記録層の所望の位置に第1のプ
ローブ電極によって情報を記録または記録された情報の
再生を行うことを特徴とする記録・再生装置によって達
成される。 【0010】 【実施例】本発明の位置検出装置は、情報の記録・再生
と同様、導電性探針(プローブ電極)と導電性物質との
間に電圧を印加しつつ両者の距離を1nm程度に迄近づ
けるとトンネル電流が流れることを利用している。トン
ネル電流が、導体表面での仕事関数に依存するため、種
々の表面電子状態についての情報を読みとることができ
る。これを応用して規則的原子配列、あるいは又、任意
に形成した基準となる原点を有する記録媒体に対し、係
る規則的原子配列、或いは又、基準原点を基に位置座標
系を導入し、係る位置座標系に対応する特徴的なトンネ
ル電流の変化を検出することにより位置検出を行うと共
に、係る位置検出結果を基に、係る位置座標系と相対的
な位置関係を示す記録媒体上の記録乃至は再生位置を特
定すると共に、係る記録・再生位置上へのプローブ電極
の位置制御を行うものである。 【0011】この時の座標軸と記録位置との位置関係を
示す模式図が図1である。即ち、座標軸上の目盛として
の位置情報(A〜I)は記録位置(A′〜I′)と常に
相対的な位置関係(A−A′など)にある。従って位置
情報A〜Iを検出することにより、必ずA′〜I′の記
録位置を特定できる訳である。この際、座標軸の各点
(目盛)と記録位置とは必ずしも一義的な相対配置をと
る必要はない(例えば位置情報Aに対応する記録位置が
A′の他にA′′、A′′′…などと複数以上存在す
る)が、一義的(1:1対応)である方が精度上望まし
い。又、座標軸は一本である必要はなく、必要に応じて
複数個使用される他、1次元である必要もなく、2次元
(網目状)であってもよい。この場合、2次元座標系の
各格子点に対応して、記録位置も2次元に配置される。 【0012】〈座標軸〉本発明に用いられる位置検出系
としての座標軸は規則的原子配列、及び又は任意に形成
した基準点を用いて形成される。係る規則的原子配列と
しては、予め格子間距離がわかっている導電性材料、即
ち各種金属やグラファイト単結晶等を利用することがで
きる他、本発明で利用されるトンネル電流はnA程度の
大きさである為、上記導電性材料は10-10 (Ω・c
m)-1以上の電導率を有していればよく、従ってシリコ
ン等のいわゆる半導体物の単結晶を用いることもでき
る。これらの内、代表例として金属試料を考える。今、
距離Zだけ離れたプローブ電極と上記金属試料との間
に、仕事関数φより低い電圧Vを印加すると、電子はポ
テンシャル障壁をトンネルすることが知られている。ト
ンネル電流密度JT を自由電子近似で求めると、 JT =(βV/2πλZ)exp(−2Z/λ)…(1) の様に表わすことができる。 【0013】 【外1】 【0014】式(1)に於いて、Z=Zcと一定の値と
すれば、トンネル電流密度JT は基準原子配列の仕事関
数φに応じ変化する。従ってプローブ電極を係る金属試
料面上、Z=Zcに保ちつつ任意の直線方向に走査させ
れば金属原子配列に従って周期的にトンネル電流が変化
する。ここで、格子定数が予めわかっている金属試料を
用いた場合、任意の結晶面上の或る格子点を基準とした
任意の方向の原子配列状態は自明であり、係る方向へプ
ローブ電極を走査させた場合に得られる周期的トンネル
電流の変化は十分に予測し得る。従って係るトンネル電
流変化の予測値と実際にプローブ電極を走査して得られ
たトンネル電流変化の測定値とが等しい値をとる様にプ
ローブ電極の走査方向を補正すれば、プローブ電極の動
きは、試料の原子配列に沿ったものになる。即ち、原子
配列を座標軸とみなせば、プローブ電極はこの座標軸上
を移動することになる。今、この座標軸上のプローブ電
極が一定の方向に一定の距離丈離れた位置に移動でき、
かつ移動先が記録・再生可能な領域であるとすると、座
標軸上の各点に1:1対応した位置で記録・再生が可能
となる。この場合、プローブ電極が座標軸と記録領域間
を移動する必要は必ずしもなく、例えば座標軸上を動く
プローブ電極(位置検出用プローブ電極)に対して、一
定の位置に記録・再生用プローブ電極を用意し、両者を
連動させる等の方法を用いてもよい。 【0015】何れにせよ、記録領域でのプローブ電極の
位置、即ち記録位置を金属試料の結晶格子を利用した座
標軸に対して一義的に定めることができる。 【0016】以上より、記録媒体表面の一部又はすべて
が規則的原子配列を有し、かつその配列状態が既知であ
る場合には、係る原子配列の結晶格子を利用した座標軸
に対して一義的な相対関係を示すX・Y座標系を持つ記
録領域を設定することができる。 【0017】位置検出用の座標軸としては、他に試料面
に凹凸を作ったり、他原子をイオン注入する等して人為
的に基準となる点を複数個作り、これらを位置座標とす
ることもできる。然し、座標軸としての精度は前記原子
配列を利用したものに比較すると劣る。 【0018】以上の様にして、記録媒体上に位置座標を
設定すると共に、位置座標に対応する各点での記録・再
生が可能であることを示したが、実際の記録・再生に当
ってはその開始点を明確にする必要がある。即ち、座標
軸に基準となる原点を設ける必要がある。基準原点とし
ては、座標軸上にエッチング等の手法により凹凸を設け
たり、イオン注入等を行って記録媒体の表面状態を改ざ
んすることによって導入することもできるが、既に述べ
た様に原子配列を用いた座標軸の原点として用いるには
その精度に欠ける。今図1に於いて座標軸上のA点を基
準原点として選ぶ場合、A点を識別するのとA点と一義
的な相対位置関係にある記録領域上のA′点を識別する
のとは同じことである。即ち、A′点が識別できれば座
標軸及び座標軸上の各点の位置は一義的に定まる。A′
点に基準原点を設定する手法としては、記録の書き込み
方法と同様の手法により、A′点に原点としての情報を
入力するのが精度的にも、又作成が容易である点に於い
ても優れる。なお係る基準原点は1点に限る必要はな
く、記録領域の拡大等必要に応じて複数個形成してもよ
い。 【0019】〈記録媒体〉本発明で用いられる記録媒体
としては、電流・電圧特性に於いて、メモリースイッチ
ング現象(電気メモリー効果)をもつ材料を利用でき
る。 【0020】例えば、 (1)酸化物ガラスやホウ酸塩ガラスあるいは周期律表
III、IV、V、VI族元素と化合したSe、Te、
Asを含んだカルコゲン化物ガラス等のアモルファス半
導体が挙げられる。それらは光学的バンドギャップEg
が0.6〜1.4eVあるいは電気的活性化エネルギー
ΔEが0.7〜1.6eV程度の真性半導体である。カ
ルコゲン化物ガラスの具体例としては、As−Se−T
e系、Ge−As−Se系、Si−Ge−As−Te
系、例えばSi16Ge14As5 Te65(添字は原子
%)、あるいはGe−Te−X系、Si−Te−X系
(X=少量のV、VI族元素)例えばGe15Te81Sb
22 が挙げられる。 【0021】更にはGe−Sb−Se系カルコゲン化物
ガラスも用いることができる。 【0022】上記化合物を電極上に堆積したアモルファ
ス半導体層において、膜面に垂直な方向にプローブ電極
を用いて電圧を印加することにより媒体の電気メモリー
効果を発現することができる。 【0023】係る材料の堆積法としては従来公知の薄膜
形成技術で充分本発明の目的を達成することができる。
例えば好適な成膜法としては、真空蒸着法やクラスター
イオンビーム法等を挙げることができる。一般的には、
係る材料の電気メモリー効果は数μm以下の膜厚で観測
されており、記録媒体としての記録分解能に関しては、
より薄い方が好ましいが、均一性、記録性の観点から1
00Å以上1μm以下の膜厚のものが良く、更に好適に
は1000Å以下の膜厚のものがよい。 【0024】(2)更にはテトラキノジメタン(TCN
Q)、TCNQ誘導体、例えばテトラフルオロテトラシ
アノキノジメタン(TCNQF4 )、テトラシアノエチ
レン(TCNE)及びテトラシアノナフトキノジメタン
(TNAP)などの電子受容性化合物と銅や銀などの還
元電位が比較的低い金属との塩を電極上に堆積した有機
半導体層も挙げることができる。 【0025】係る有機半導体層の形成法としては、銅あ
るいは銀の電極上に前記電子受容性化合物を真空蒸着す
る方法が用いられる。 【0026】係る有機半導体の電気メモリー効果は、数
十μm以下の膜厚のもので観測されているが、成膜性、
均一性の観点から100Å〜1μmの膜厚のものが好ま
しい。 【0027】(3)又更にアモルファスシリコンを材料
とした記録媒体を挙げることができる。例えば金属/A
−Si(p+ 層/n層/i層)あるいは金属/A−Si
(n+ 層/p層/i層)の層構成を有する記録媒体であ
り、A−Siの各層の堆積法は従来公知の方法によって
充分行うことが可能である。本発明では好適にはグロー
ディスチャージ法(GD)が用いられる。A−Siの膜
厚はn層としては2000Å〜8000Å、i,p+
は1000Å程度が好適であり、全膜厚は0.5μm〜
1μm程度のものが良い。 【0028】(4)又更にはπ電子準位をもつ群とσ電
子準位のみを有する群を併有する分子を電極上に積層し
た記録媒体を挙げることができる。 【0029】本発明に好適なπ電子系を有する色素の構
造としては例えば、フタロシアニン、テトラフェニルポ
ルフィン等のポルフィリン骨格を有する色素、スクアリ
リウム基及びクロコニックメチン基を結合鎖としてもつ
アズレン系色素及びキノリン、ベンソチアゾール、ベン
ゾオキサゾール等の2ケの含窒素複素環をスクアリリウ
ム基及びクロコニックメチン基により結合したシアニン
系類似の色素、又はシアニン色素、アントラセン及びピ
レン等の縮合多環芳香族、及び芳香環及び複素環化合物
が重合した鎖状化合物及びジアセチレン基の重合体、さ
らにはテトラキノジメタン又はテトラチアフルバレンの
誘導体及びその類縁体及びその電荷移動錯体又更にはフ
エロセン、トリスビピリジンルテニウム錯体等の金属錯
体化合物が挙げられる。 【0030】有機記録媒体の形成に関しては、具体的に
は蒸着法やクラスターイオンビーム法等の適用も可能で
あるが、制御性、容易性そして再現性から公知の従来技
術の中ではLB法が極めて好適である。 【0031】このLB法によれば、1分子中に疎水性部
位と親水性部位とを有する有機化合物の単分子膜又はそ
の累積膜を基板上に容易に形成することができ、分子オ
ーダの厚みを有し、かつ大面積にわたって均一、均質な
有機超薄膜を安定に供給することができる。 【0032】LB法は、分子内に親水性部位と疎水性部
位とを有する構造の分子において、両者のバランス(両
親媒性のバランス)が適度に保たれている時、分子は水
面上で親水性基を下に向けて単分子の層になることを利
用して単分子膜又はその累積膜を作成する方法である。 【0033】疎水性部位を構成する基としては、一般に
広く知られている飽和及び不飽和炭化水素基や縮合多環
芳香族基及び鎖状多環フェニル基等の各種疎水基が挙げ
られる。これらは各々単独又はその複数が組み合わされ
て疎水性部分を構成する。一方、親水性部分の構成要素
として最も代表的なものは、例えばカルボキシル基、エ
ステル基、酸アミド基、イミド基、ヒドロキシル基、更
にはアミノ基(1、2、3級及び4級)等の親水性基等
が挙げられる。これらも各々単独又はその複数が組み合
わされて上記分子の親水性部分を構成する。 【0034】これらの疎水性基と親水性基をバランス良
く併有し、かつ適度な大きさをもつπ電子系を有する色
素分子であれば、水面上で単分子膜を形成することが可
能である、本発明に対して極めて好適な材料となる。 【0035】具体例としては、例えば下記の如き分子等
が挙げられる。 【0036】 【外2】 【0037】 【外3】【0038】 【外4】 【0039】ここでR1 は前述のσ電子準位をもつ群に
相当したもので、しかも水面上で単分子膜を形成しやす
くするために導入された長鎖アルキル基で、その炭素数
nは530が好適である。 【0040】以上具体例として挙げた化合物は基本構造
のみであり、これら化合物の種々な置換体も本発明にお
いて好適であることは言うにおよばない。 【0041】〔II〕スクアリリウム色素 〔I〕で挙げた化合物のクロコニックメチン基を下記の
構造を持つスクアリリウム基で置き換えた化合物。 【0042】 【外5】【0043】 【外6】 【0044】Rは単分子膜を形成しやすくするために導
入されたもので、ここで挙げた置換基に限るものではな
い。又、R1 〜R4 、Rは前述したσ電子準位をもつ群
に相当している。 【0045】 【外7】Xは親水基で一般的には−COOHが用いられるが−O
H、−CONH2等も使用できる。 【0046】 【外8】【0047】 【外9】 【0048】尚、上記以外でもLB法に適している色素
材料であれば、本発明に好適なのは言うまでもない。例
えば、近年研究が盛んになりつつある生体材料(例えば
パクデリオロドプシンやチトクロームc)や合成ポリペ
プチド(PBLGなど)等も適用が可能である。 【0049】これらのπ電子準位を有する化合物の電気
メモリー効果は数十μm以下の膜厚のもので観測されて
いるが、成膜性、均一性の観点から15〜2000Åの
膜厚のものが好ましい。 【0050】以上(1)〜(4)項に渡って述べた電気
メモリー効果を有する材料を支持する基板としては、電
極としての性格を有する必要があるが、10-6(Ω・c
-1)以上の電導率を有する導電体であれば全て使用す
ることができる、即ちAu、Pt、Pd、Ag、Al、
In、Sn、Pb、W等の金属板やこれらの合金、或い
はこれら金属や合金を蒸着したガラス、セラミックス、
プラスチック材料、又はSi(結晶、アモルファス)や
グラファイト、又、更にはITO等の導電性酸化物を始
めとして数多くの材料が挙げられる。 【0051】これらの電気メモリー材料と、その支持基
板(電極との組み合わせにより本発明の記録媒体は構成
されるが、前述した座標軸として原子配列を用いる場
合、係る電気メモリー材料自体の原子配列はその規則性
に劣る場合が多く、座標軸としての利用は余り好ましく
ない。従って、基板に金属、結晶Si、グラファイト等
の規則的原子配列を有する材料を用いた上で、その一部
を電気メモリー材料未堆積とし、係る箇所の基板原子配
列を座標軸として利用することが望ましい。 【0052】〈プローブ電極〉本発明で用いられるプロ
ーブ電極の先端は記録/再生/消去の分解能を挙げるた
め出来るだけ尖らせる必要がある。本発明では1φの太
さのタングステンの先端を90°のコーンになるように
機械的に研磨し超高真空中で電界をかけて表面原子を蒸
発させたものを用いているが、プローブの形状や処理方
法は何らこれに限定するものではない。 【0053】更にはプローブ電極の本数も一本に限る必
要はなく、位置検出用と記録・再生用とを分ける等、複
数のプローブ電極を用いてもよい。 【0054】〈記録・再生装置の構成〉図2は本発明に
於いてプローブ電極が、位置検出用のものと記録・再生
用の2本有する場合の記録装置を示すブロック図であ
る。図2中、102及び103は各々記録・再生用及び
位置検出に用いられるプローブ電極であり、これら2本
のプローブ電極間の距離は、圧電素子を用いたプローブ
電極間隔微調節機構112により微調節可能であるが、
通常は一定の間隔に保たれる。106はプローブ電流増
巾器で、109はプローブ電流が一定になるように圧電
素子を用いた微動機構107、108を制御するサーボ
回路である。113は記録・再生用プローブ電極102
と基板電極104との間に記録/消去用のパルス電圧を
印加するための電源である。 【0055】パルス電圧を印加するときプローブ電流が
急激に変化するためサーボ回路109は、その間出力電
圧が一定になるように、HOLD回路をONにするよう
に制御している。 【0056】110はXY方向に一対のプローブ電極1
02、103を移動制御するための、XY走査駆動回路
である。114と115は、あらかじめ10-9A程度の
プローブ電流が得られるようにプローブ電極102、1
03と記録媒体1との距離を粗動制御したり、プローブ
電極と基板とのXY方向相対変位を大きくとる(微動制
御機構の範囲外)のに用いられる。 【0057】これらの各機器は、すべてマイクロコンピ
ュータ116により中央制御されている。また117は
表示機器を表わしている。 【0058】また、圧電素子を用いた移動制御における
機械的性能を下記に示す。 【0059】Z方向微動制御範囲:0.1nm〜1μm Z方向粗動制御範囲:10nm〜10mm XY方向走査範囲:0.1nm〜1μm XY方向粗動制御範囲:10nm〜10mm 計測、制御許容誤差:<0.1nm(微動制御時) 計測、制御許容誤差:<1nm(微動制御時) 以下、本発明の記録・再生方式について、実施例により
詳細な説明を行う。 【0060】〔実施例1〕図2に示す記録/再生装置を
用いた。プローブ電極102、102としてタングステ
ン製のプローブ電極を用いた。このプローブ電極10
2、103は記録媒体1の表面との距離(Z)を制御す
るためのもので、電流を一定に保つように圧電素子によ
り、その距離(Z)は、各々独立に微動制御されてい
る。更に微動制御機構は距離(Z)を一定に保ったまま
面内(X、Y)方向にも微動制御できる様に設計されて
いる。然し、これらは従来公知の技術である。 【0061】2本あるプローブ電極の内、位置検出用プ
ローブ電極103は基板105の位置座標としての原子
配列の検出に用いられる。他方記録・再生用プローブ電
極102は位置検出用プローブ電極103とX・Y方向
に関して一定の位置(プローブ電極間隔微調節機構11
2を用いてその間隔を調節することができる)に保持さ
れ、記録層101への記録・再生・消去に用いられる。 【0062】これら2本のプローブ電極は、互いに連動
して面内、(x、Y)方向へ微動制御できる様に設計さ
れているが、Z方向に対して各々独立に微動制御され
る。又、記録媒体1は高精度のX・Yステージ118上
に置かれ、任意の位置に移動させることができる(X・
Y粗動機構)。なお粗動機構のX・Y方向と微動機構の
X・Y方向とは、各移動制御機構の精度の差に起因する
誤差の範囲内で一致させることができる。 【0063】次に本実施例で用いた記録媒体の詳細につ
いて述べる。記録媒体の構成図を図3に示す。直径1/
2インチの(111)面を出したP型Siウエハー(B
ドープ0.3mm厚)を基板105として用いた。該基
板は記録・再生装置のX・Yステージ118上に設置す
る際の方向性をほぼ一定にする目的で、B−B′点で切
断されている。なおB−B′点はSi結晶の[211]
方向にほぼ平行である。次にB−B′の中点から基板中
心に向かって1mmの位置を1μm角、深さ0.2μm
にエッチングし、基準原点(粗)201を作成した。係
る基準原点(粗)の作成法を以下に示す。 【0064】先ず、Si基板上に電子線レジストである
ポリメタクリル酸メチル(PMMA;商品名OEBR−
1000東京応化工業(株)を1μmの厚さに塗布し、
電子線を加速電圧20keV、ビーム径0.1μmφで
1μm四方の大きさに描画した。その後、専用現像液を
使って電子線照射部を溶解させた。エッチングはCF4
とH2 の混合ガスを用いて圧力3Pa、放電電力100
Wで20分間スパッタエッチングした。その時のエッチ
ング深さは0.2μmであった。最後のメチルエチルケ
トンを使ってPMMAを溶解した。 【0065】次に係る基板上、基準原点(粗)201近
傍をマスキングした後、下引き層としてCrを真空蒸着
法により厚さ50Å堆積させ、更にAuを同法により4
00Å蒸着して基板電極104とした。 【0066】次に係るAu電極上にスクアリリユウム−
ビス−6−オクチルアズレン(以下SOAZと略す)の
LB膜(8層)を積層し、記録層101とした。以下、
記録層形成方法について述べる。先ずSOAZを濃度
0.2mg/mlで溶かしたベンゼン溶液を20℃の水
相上に展開し、水面上に単分子膜を形成した。溶媒の蒸
発を待ち、係る単分子膜の表面圧を20mN/mまで高
め、更にこれを一定に保ちながら、前記基板を水面を横
切る方向に速度3mm/分で静かに浸漬・引き上げを繰
り返し、SOAZ単分子膜の8層累積膜を基板電極10
4上に形成させた。 【0067】以上により作成された記録媒体1を用い
て、記録・再生の実験を行った。 【0068】以下その詳細を記す。 【0069】SOAZ8層を累積した記録層101を持
つ記録媒体1の基板の切り欠き、B−B′方向を所定の
方向に合わせて、X・Yステージ118の上に置いた。
次にB−B′から1mm程度基板内側の位置に位置検出
用プローブ電極102を動かし、位置検出量プローブ電
極とSi基板102を動かし、位置検出用プローブ電極
とSi基板105との間に0.6Vのプローブ電圧を印
加した上で、X・Y方向微動機構110、111のX方
向をB−B′にほぼ平行な方向に仮に合わせた後、長さ
1μmに渡って走査させた。次にY方向(X方向に直角
方向)にも1μmに渡り走査させた。この時X・Y座標
軸のとり方を種々変化させて表面状態の測定を繰り返
し、得られたSi原子の配列ピッチが各々6.65Å及
び3.84Åに最も近い値をとる様に調整した。係る調
整により、X・Y方向微動機構のX軸はSi基板の[2
11]方向にY軸は[011]方向に合致している。こ
の時同時に粗動機構のX・Y方向が、調整した微動機構
のX・Y方向と粗動機構の制御誤差範囲内で一致する様
に調整した。次にX・Y方向に関して粗動機構を用いて
位置検出用プローブ電極を走査し基準原点(粗)201
の位置を検出した。係る基準原点(粗)201の中心か
ら、2mmY軸方向に沿って基板中心部に向った位置
で、微少移動機構を用いて、Siの格子点を検出した。
係る格子点(図4のC点)を位置座標軸原点301と
し、X方向([211]方向)に位置検出用プローブ電
極103を走査した。この際Siの[211]方向に関
しての各格子点を確認することにより、方向制御補正及
び位置座標(格子ピッチ)の確認を行った。係る操作に
於いて、位置検出用プローブ電極103に連動して記録
・再生用プローブ電極102も記録層101上を移動し
ている。本実施例においては、両プローブ電極間距離は
Y軸方向に3mmであった。係る記録・再生用プローブ
電極102を用いて所望の情報の記録を行ったが、実際
の記録に先立って、位置座標軸原点301に対応する記
録位置(図4C′点)に基準原点(微)303を設け
た。係る基準原点(微)は記録層101の電気メモリー
効果を利用して形成される。即ち、記録・再生用プロー
ブ電極102とAu電極104との間に1.0Vのプロ
ーブ電圧を印加し、プローブ電流Ipが10-9Aになる
様にZ軸方向微動制御機構107を用いて、記録・再生
用プローブ電極102と記録層101表面との距離
(Z)を調整した。次に記録・再生用プローブ電極10
2を+側、Au電極104を−側にして、電気メモリー
材料(SOAZ、LB膜8層)が低抵抗状態(ON状
態)に変化する閾値電圧VthON以上の矩形パルス電圧
(18V、0.1μs)を印加し、ON状態を生じさせ
た。記録・再生用プローブ電極102と記録層101と
の距離(Z)を保持したまま、記録・再生用プローブ電
極102とAu電極間104との間に1.0Vのプロー
ブ電圧を印加してプローブ電流Ipを測定したところ
0.5mA程度の電流が流れ、ON状態となっているこ
とが確かめられた。以上の操作により、基準原点(微)
303とした。この時10nm角の記録層領域をON状
態にすることにより基準原点(微)303に関する原点
としての位置情報と、後に書き込まれる記録情報とが混
同して再生されない様にしたが(図4)、基準原点
(微)303の形状は何ら本実施例の形状に限られるも
のではない。 【0070】次に位置検出用プローブ電極103を格子
点を確認し乍ら[211]方向に走査させ、15ピッチ
毎(9.98nm)に同時に連動して動いている記録・
再生用プローブ電極103を用いて記録を行った。従っ
て記録点304のピッチも9.98nmであった(図
4)。係る記録は、基準原点(微)303の形成と同様
の手法に因り、記録層(SOAZ、LB膜8層)101
にON状態とOFF状態(記録前の高抵抗状態)とを作
ることにより行った。 【0071】上記の工程を経て形成された記録済み記録
媒体を一担記録・再生装置から取外した後、再度X・Y
ステージ118上に設置し、再生実験を行った。先ず記
録時と同じく、位置制御系のX・Y方向をSi格子を利
用して各々[211]及び[011]方向に合わせた
後、X・Y方向に関して粗動機構を用いて位置検出用プ
ローブ電極103を走査させ、基準原点(粗)201の
位置を検出した。係る基準原点(粗)201を基に、粗
動及び微動機構を用いて記録・再生用プローブ電極10
2を走査させ基準原点(微)303の位置を検出した。
この時同時に位置検出用プローブ電極103が、Si格
子点上(位置座標軸原点301)にあることを確認し
た。この際、ずれていれば微動機構を用いて、X・Y座
標系を補正し、位置検出用プローブ電極103とSi格
子点とが一致する様調整した。次に、位置検出用プロー
ブ電極103とAu電極104との間に0.6Vのプロ
ーブ電圧を印加し、Si格子点の位置を検出し乍ら[2
11]方向(X軸方向)に走査させた。この時同時に連
動している記録・再生用プローブ電極102とAu電極
104との間に1.0Vのプローブ電圧を印加し、各記
録点でのON状態、若しくはOFF状態に基づくプロー
ブ電流量の変化を直接読み取るか、或いはプローブ電流
Ipが一定になる様に記録・再生用プローブ電極102
を走査させた際の、該記録・再生用プローブ電極102
と記録層101表面との距離Zの変化をサーボ回路10
9を通して読み取ることにより、記録情報の再生を行っ
た。 【0072】以上の再生実験に於いて、ビットエラーレ
ートは2×10-6であった。 【0073】尚、プローブ電圧を電気メモリー材料がO
N状態からOFF状態に変化する閾値電圧VthOFF以
上の10Vに設定し、再び記録位置をトレースした結
果、全ての記録状態が消去されOFF状態に遷移したこ
とも確認した。 【0074】〔実施例2〕実施例1に於いて、SOAZ
4層LB膜の代わりに、CuTCNQF4 を用いて記録
層101を構成し、実施例1と同様の記録・再生実験を
行った。 【0075】尚、記録用印加電圧は、2Vmax、10
nsの矩形パルスを用い、再生用の印加電圧は0.1V
とした。又、消去用印加電圧は5Vmax、100ns
の矩形パルスを用いた。以上に於いて、記録ピッチは9
9.8nm(Si格子点150ピッチ)とし、基準原点
(微)303の大きさは0.1μm角に変更した。再生
実験の結果、ビットエラーレート1×10-9 であっ
た。つぎにCuTCNQF4 記録層101の作成法につ
いて述べる。Au電極104上に、CuとTCNQF4
を真空蒸着法により共蒸着してCu+TCNQF4 層を
2000Å堆積した(基板温度;室温)。このとき蒸着
速度をCu;5Å/s、TCNQF4 ;20Å/s程度
になるようにあらかじめ設定した電流値を流し加熱し
た。その結果、CuTCNQF4 生成による青い膜が堆
積することを確認した。 【0076】〔実施例3〕実施例1に於いて、X方向
([211]方向)丈でなく、Y方向([011]方
向)にもプローブ電極102、103を走査し、2次元
に記録を行った。この際、Y方向の記録ピッチは11.
5nm(Si格子点30ヶおき)であった。実施例1と
同様にして再生実験を行ったところ、ビットエラーレー
トは3×10-6であった。 【0077】〔実施例4〕実施例1の基板105をGa
−Asウエハーに、又、記録層101を塩化シリコンフ
タロシアニン(PcSiCl2 )のt−ブチル置換体の
8層LB膜に変更した他は実施例1とほぼ同様にして、
記録・再生実験を行った。以下、実施例1との相違点に
ついて述べる。記録媒体1の構成は図3に順ずる。ここ
で基板として直径1/2インチの(110)面を出した
P型Ga−Asウエハー(Znドープ、0.3mm厚)
を用いた。尚、基板の切り欠きB−B′方向はGa−A
s結晶の[001]方向にほぼ平行である。 【0078】次にB−B′の中点から基板中心に向かっ
て1μm角、深さ0.2μmにエッチングし、基準原点
(粗)を作成した。係る基準原点(粗)の作成法を以下
に示す。 【0079】先ず、Ga−As基板上に紫外線レジスト
(商品名AZ1350)を1μmの厚さに塗布しプリベ
イクを行ったのち、図3に対応するマスクを用いて紫外
線露光、現像、ポストベイクの処理を施し、Ga−As
基板上にマスクパターンを作成した。次にBCl3 ガス
を用いてガス圧1Pa、放電電圧100Wの基、3分間
スパッタエッチングを行い、深さ0.2μmに迄エッチ
ングした。マスクのAZ1350はアセトン洗浄により
除去した。 【0080】係る基板上に実施例1と同様にしてCr/
Au基板電極104を形成した後、係る基板電極104
上に塩化シリコンフタロシアニン(PcSiCl2 )の
t−ブチル置換体の8層LB膜を累積し、記録層101
とした。以下記録層作成条件を記す。 【0081】・溶媒 CH3 CCl3 ・溶液濃度 1mg/ml ・水相 pH8.2(純水をNaOHで調整) ・表面圧 25mN/m ・基板上下速度 5mm/分(但し累積はZ型) 【0082】以上により作成された記録媒体1を用いて
記録・再生の実験を行った。先ず、X・Y座標系の設定
に関して、X軸がGa−As結晶の[001]方向と、
又Y軸が[110]方向と一致する様に調整した。尚、
この際の座標軸ピッチはGa−Ga原子間距離を基とし
たので[001]方向に関して5.65Å、[110]
方向に関して400Åであった。記録はX方向に10.
17nmピッチ(Ga格子点18ヶおき)、Y方向には
12nmピッチ(Ga格子30ヶおき)に行った。又、
実施例1と同様にして、再生実験を行ったところ、ビッ
トエラーレートは3×10-6であった。 【0083】〔実施例5〕実施例2に於いて記録層10
1をSi16Ge14As5 Te65の原子組成比であらわさ
れるアモルファス半導体を従来公知の真空蒸着法により
2000Åの膜厚に蒸着したものに変更し、実施例2と
同様の記録・再生実験を行った。尚、記録用印加電圧は
20Vmax、0.1μsの矩形パルス、再生用印加電
圧は1.0V、消去用印加電圧は50Vmax、10μ
sの矩形パルスに各々変更した。又、記録ピッチはX方
向に96.05nm(Ga格子170ヶおき)、Y方向
に120nm(Ga格子300ヶおき)とし基準原点
(微)の大きさは各々0.1μm角に変更した。再生実
験の結果、ビットエラーレートは1×10-9であった。 【0084】以上述べてきた実施例中で種々の記録媒体
の作成法について述べてきたが、極めて均一な膜が作成
できる成膜法であれば良く、実施例の方法に限定される
ものではない。尚、本発明は基板材料やその形状及び表
面構造について何ら限定するものでもない。 【0085】又、基準原点等の数も記録面積の拡大に伴
って複数個作成してもよく、1点に限る必要はない。更
にはプローブ電極の構造も、本実施例に限定されるもの
ではなく、位置座標に対して記録位置が一義的に定まる
方法、構造であればよい。 【0086】 【発明の効果】 光記録に較べても、はるかに高密度な記録が可能な全
く新しい記録・再生方法を開示した。 【0087】上記の新規記録・再生方法を用いられる
新規な記録媒体を開示した。 【0088】再生に必要なエネルギーは小さく、消費
電力は少ない。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の座標軸と記録位置との位置関係を示し
た原理図である。 【図2】本発明の記録・再生装置を図解的に示すブロッ
ク図である。 【図3】本発明の記録媒体の一形態を示す平面図及びそ
のA−A′断面図である。 【図4】本発明の記録媒体表面上の座標軸と記録位置と
の位置関係の一形態を示した模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河出 一佐哲 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 森川 有子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 柳沢 芳浩 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 江口 健 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.基板上に所定方向に沿って基準点が規則的に配置さ
    れた位置座標軸及び記録層が設けられた記録媒体を用
    い、前記記録層に対向して配置された第1のプローブ
    と、前記第1のプローブ電極と一定の間隔に保持され、
    前記位置座標軸に対向して配置された第2のプローブ電
    極と、前記第1及び第2のプローブ電極を互いに連動し
    て記録媒体に対して前記所定方向に相対的に移動する移
    動手段と、前記第2のプローブ電極と記録媒体との間に
    電圧を印加する手段と、電圧の印加によって第2のプロ
    ーブ電極と記録媒体との間に流れるトンネル電流を検出
    する検出手段とを備え、前記移動手段で第1及び第2の
    プローブ電極を所定方向に走査し、前記検出手段で検出
    されるトンネル電流の変化から前記基準点を検出し、検
    出された基準点を位置の基準として記録層の所望の位置
    に第1のプローブ電極によって情報を記録または記録さ
    れた情報の再生を行うことを特徴とする記録・再生装
    置。
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