JP2661828B2 - 配管内除染装置 - Google Patents
配管内除染装置Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は原子力プラントの放射性
核種を含む酸化物が内面に付着した対象配管において、
付着酸化物を効率的に除去し、かつ対象配管内表面の平
滑化を可能としたものであり、詳細に言えば配管内面に
圧接した研磨材の回転により付着酸化物を除去し、対象
表面の平滑化を施し、再付着を緩和する除染装置に関す
るものである。
核種を含む酸化物が内面に付着した対象配管において、
付着酸化物を効率的に除去し、かつ対象配管内表面の平
滑化を可能としたものであり、詳細に言えば配管内面に
圧接した研磨材の回転により付着酸化物を除去し、対象
表面の平滑化を施し、再付着を緩和する除染装置に関す
るものである。
【０００２】
【従来の技術】原子力プラントでは、稼働時間の経過に
伴い一次系配管、機器に60Ｃｏ、54Ｍｎ等の放射性核種
を含む酸化物が形成され、配管、機器等の線量率が上昇
する傾向を示しており、原子力プラントの運転時並びに
定期点検時に作業者の受ける線量当量が増大する傾向と
なっている。対策の一つとして、配管・機器内表面に付
着した前記酸化物を除去する除染技術がある。除染技術
には、除染対象物、目的により分類され、化学除染、機
械除染及び電気化学的除染等に大別することができる。
伴い一次系配管、機器に60Ｃｏ、54Ｍｎ等の放射性核種
を含む酸化物が形成され、配管、機器等の線量率が上昇
する傾向を示しており、原子力プラントの運転時並びに
定期点検時に作業者の受ける線量当量が増大する傾向と
なっている。対策の一つとして、配管・機器内表面に付
着した前記酸化物を除去する除染技術がある。除染技術
には、除染対象物、目的により分類され、化学除染、機
械除染及び電気化学的除染等に大別することができる。
【０００３】化学除染は、特開昭５３−７３１号に代表
されるように、酸、還元剤及び錯化剤を主成分とする薬
品を使用し、化学的に表面の酸化物を溶解、除去するも
のである。また、電気化学的除染としては電解研磨法が
あり、つぎの二種類がある。
されるように、酸、還元剤及び錯化剤を主成分とする薬
品を使用し、化学的に表面の酸化物を溶解、除去するも
のである。また、電気化学的除染としては電解研磨法が
あり、つぎの二種類がある。
【０００４】一つは、アノード酸化法を利用したもので
あり、電解質溶液中で金属母材表面自体を溶解すること
により表面酸化物を除去するものである。もう一つは、
カソード還元を利用して表面酸化物を溶解しやすくする
方法である。
あり、電解質溶液中で金属母材表面自体を溶解すること
により表面酸化物を除去するものである。もう一つは、
カソード還元を利用して表面酸化物を溶解しやすくする
方法である。
【０００５】以上の化学除染及び電気化学的除染は、い
ずれも化学薬品を使用するため除染廃液の処理が必要と
なり、廃棄物が大量に発生する。
ずれも化学薬品を使用するため除染廃液の処理が必要と
なり、廃棄物が大量に発生する。
【０００６】一方、高圧ジェット及びブラシ法に代表さ
れる機械除染法は機械的に付着酸化物を剥離させるもの
であり、特に化学薬品を使用せず、廃棄物処理も容易で
かつ発生量も少ない利点がある高圧水ジェット法（特開
５３−１２２２６１）は、高圧水により除染対象物表面
を削除することにより除染するものであり、一般的方法
といえる。通常１００〜３００ｋｇ／ｃｍ2 の圧力で実
施しているが大きな除染効果を得るまでには至っていな
いのが現状である。ブラシ法は除染対象物表面をブラシ
でこすって除染する方法であるが、この方法も金属表面
上に固着した酸化物を除去することは難しく、除染効果
は低い。また、ブラシ法は酸化物をブラシで除去するた
め、除染効果を向上させるためには、ブラシを適宜交換
使用する必要があり、時間を要する。
れる機械除染法は機械的に付着酸化物を剥離させるもの
であり、特に化学薬品を使用せず、廃棄物処理も容易で
かつ発生量も少ない利点がある高圧水ジェット法（特開
５３−１２２２６１）は、高圧水により除染対象物表面
を削除することにより除染するものであり、一般的方法
といえる。通常１００〜３００ｋｇ／ｃｍ2 の圧力で実
施しているが大きな除染効果を得るまでには至っていな
いのが現状である。ブラシ法は除染対象物表面をブラシ
でこすって除染する方法であるが、この方法も金属表面
上に固着した酸化物を除去することは難しく、除染効果
は低い。また、ブラシ法は酸化物をブラシで除去するた
め、除染効果を向上させるためには、ブラシを適宜交換
使用する必要があり、時間を要する。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の化学除
染及び電気化学的除染は、機械除染に比べ高い除染効果
を得ることができるが、大量の化学薬品廃棄物が生ずる
等の問題がある。一方、高圧ジェット法、ブラシ法等の
機械除染は、化学薬品廃棄物が生ずる問題はなく、廃棄
物処理は容易で、かつ発生量は少ない。しかし、高い除
染効果を得るには至っておらず、高い除染効果を得るに
は現状の技術を改良する必要がある。
染及び電気化学的除染は、機械除染に比べ高い除染効果
を得ることができるが、大量の化学薬品廃棄物が生ずる
等の問題がある。一方、高圧ジェット法、ブラシ法等の
機械除染は、化学薬品廃棄物が生ずる問題はなく、廃棄
物処理は容易で、かつ発生量は少ない。しかし、高い除
染効果を得るには至っておらず、高い除染効果を得るに
は現状の技術を改良する必要がある。
【０００８】また、いずれの除染方法も除染後の再付着
の点について配慮がされておらず、除染後、急速な放射
性核種を含む酸化物の付着・形成が生じ、除染前の線量
率に戻ってしまうか、除染の仕方によっては最悪の場
合、除染前の線量率より高くなる等の問題があった。即
ちいずれの除染も除染後の放射性物質の再付着が問題と
なり、除染後１〜２年で元の状態に戻ってしまう傾向に
ある。場合によっては、除染前に比べ急速な再付着が生
じ付着物量が増加する現象も見られる。これらの現象は
いずれも除染後の除染対象物表面状態及び原子炉水の環
境により異なるが、除染後、対象物表面が粗い場合には
急速な再付着を生じやすい傾向にある。
の点について配慮がされておらず、除染後、急速な放射
性核種を含む酸化物の付着・形成が生じ、除染前の線量
率に戻ってしまうか、除染の仕方によっては最悪の場
合、除染前の線量率より高くなる等の問題があった。即
ちいずれの除染も除染後の放射性物質の再付着が問題と
なり、除染後１〜２年で元の状態に戻ってしまう傾向に
ある。場合によっては、除染前に比べ急速な再付着が生
じ付着物量が増加する現象も見られる。これらの現象は
いずれも除染後の除染対象物表面状態及び原子炉水の環
境により異なるが、除染後、対象物表面が粗い場合には
急速な再付着を生じやすい傾向にある。
【０００９】本発明の目的は、原子力プラントの一次系
冷却水の接する配管に付着・形成した放射性核種を含ん
だ酸化物を対象物表面より除去する除染装置において、
効率的に酸化物を除去し、廃棄物量が少なく、かつ再付
着が抑制できる除染装置を提供することにある。
冷却水の接する配管に付着・形成した放射性核種を含ん
だ酸化物を対象物表面より除去する除染装置において、
効率的に酸化物を除去し、廃棄物量が少なく、かつ再付
着が抑制できる除染装置を提供することにある。
【００１０】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の配管内除染装置は、原子力プラントの一次
系配管内面に付着した放射性物質を含む酸化物を機械的
に除去する装置において、配管内面に当接して該内面を
研磨する研磨部及び当該研磨部を伸縮アームを介して回
転する駆動部を有する研磨機構部と、回転式の高圧水後
方噴射ノズルと、該後方噴射ノズルへ高圧水を供給する
フレキシブルホースと、配管内面に接する車輪、該車輪
を支持する伸縮アーム及び該車輪を回転するモータ部を
有し、前記研磨機構部及び後方噴射ノズルを除染部位へ
移動させる走行機構部とからなるものとした。
に、本発明の配管内除染装置は、原子力プラントの一次
系配管内面に付着した放射性物質を含む酸化物を機械的
に除去する装置において、配管内面に当接して該内面を
研磨する研磨部及び当該研磨部を伸縮アームを介して回
転する駆動部を有する研磨機構部と、回転式の高圧水後
方噴射ノズルと、該後方噴射ノズルへ高圧水を供給する
フレキシブルホースと、配管内面に接する車輪、該車輪
を支持する伸縮アーム及び該車輪を回転するモータ部を
有し、前記研磨機構部及び後方噴射ノズルを除染部位へ
移動させる走行機構部とからなるものとした。
【００１１】
【作用】本発明によれば、配管内除染装置を、配管内面
に当接して該内面を研磨する研磨部及び当該研磨部を伸
縮アーム介して回転する駆動部を有する研磨機構部と、
回転式の高圧水後方噴射ノズルと、該後方噴射ノズルへ
高圧水を供給するフレキシブルホースと、配管内面に接
する車輪、該車輪を支持する伸縮アーム及び該車輪を回
転するモータ部を有し、前記研磨機構部及び後方噴射ノ
ズルを除染部位へ移動させる走行機構部とからなるもの
としたので、配管内面の酸化物を効率的に除去すると共
に配管内面を平滑に研磨処理し、この平滑仕上げにより
除染後の酸化物の再付着を抑制する。
に当接して該内面を研磨する研磨部及び当該研磨部を伸
縮アーム介して回転する駆動部を有する研磨機構部と、
回転式の高圧水後方噴射ノズルと、該後方噴射ノズルへ
高圧水を供給するフレキシブルホースと、配管内面に接
する車輪、該車輪を支持する伸縮アーム及び該車輪を回
転するモータ部を有し、前記研磨機構部及び後方噴射ノ
ズルを除染部位へ移動させる走行機構部とからなるもの
としたので、配管内面の酸化物を効率的に除去すると共
に配管内面を平滑に研磨処理し、この平滑仕上げにより
除染後の酸化物の再付着を抑制する。
【００１２】
【実施例】図１及び図２に本発明の配管除染装置の一実
施例を示す。これらの図において、実機プラントの除染
対象配管１に対し、弁ボンネット開放部２から配管除染
装置は挿入される。除染装置は先端の回転式の高圧水後
方噴射ノズル３と、該噴射ノズル３の高圧水を供給する
フレキシブルホース４と、対象内面の酸化物の除去、研
磨を行なう研磨機構部Ｂと、後方噴射ノズル３及び研磨
機構部Ｂを除染部位へ移動させる走行機構部Ａとからな
る。
施例を示す。これらの図において、実機プラントの除染
対象配管１に対し、弁ボンネット開放部２から配管除染
装置は挿入される。除染装置は先端の回転式の高圧水後
方噴射ノズル３と、該噴射ノズル３の高圧水を供給する
フレキシブルホース４と、対象内面の酸化物の除去、研
磨を行なう研磨機構部Ｂと、後方噴射ノズル３及び研磨
機構部Ｂを除染部位へ移動させる走行機構部Ａとからな
る。
【００１３】研磨機構部Ｂは、配管１の内面の酸化物等
の付着物を除去したり該内面の研磨を行なう研磨部５を
有する。研磨部５の一部又は全部に研磨材が含有されて
おり、その研磨材としては、炭化ケイ素、ボロンカーバ
イト又は硬質紙を球状又は平板状としたもので、研磨後
の配管内面粗さを３μｍ以下にするものを使用する。研
磨部５は、ばねや圧油等を内蔵した伸縮アーム７を介し
て、研磨機構部Ｂの駆動部６に支持されている。研磨部
５は複数個周方向に等間隔に配置することが好ましい。
駆動部６は内部にモータを収めた固定枠と、この固定枠
に対して回転自在であって前記モータにより回転される
回転枠からなり、この回転枠は伸縮アーム７を介して研
磨部５に回転を伝える。走行機構部Ａは、モータ部９に
伸縮アーム８ａを介して支持され、配管１の内面に沿っ
て転動する車輪８を有する。車輪８は、複数個周方向に
等間隔をおいて配置されるとともに、モータ９の回転が
適宜伝達機構を介して伝達される。
の付着物を除去したり該内面の研磨を行なう研磨部５を
有する。研磨部５の一部又は全部に研磨材が含有されて
おり、その研磨材としては、炭化ケイ素、ボロンカーバ
イト又は硬質紙を球状又は平板状としたもので、研磨後
の配管内面粗さを３μｍ以下にするものを使用する。研
磨部５は、ばねや圧油等を内蔵した伸縮アーム７を介し
て、研磨機構部Ｂの駆動部６に支持されている。研磨部
５は複数個周方向に等間隔に配置することが好ましい。
駆動部６は内部にモータを収めた固定枠と、この固定枠
に対して回転自在であって前記モータにより回転される
回転枠からなり、この回転枠は伸縮アーム７を介して研
磨部５に回転を伝える。走行機構部Ａは、モータ部９に
伸縮アーム８ａを介して支持され、配管１の内面に沿っ
て転動する車輪８を有する。車輪８は、複数個周方向に
等間隔をおいて配置されるとともに、モータ９の回転が
適宜伝達機構を介して伝達される。
【００１４】純水系配管１０には、弁１１、高圧ポンプ
１２、フレキシブルホース４が順次連結され、フレキシ
ブルホース４の一端はホース巻取装置１３に巻取り巻戻
し自在に連結され、他端はモータ部９及びフレキシブル
接続具１６を介して、回転する高圧水後方噴射ノズル３
に接続されているが、モータ部９及び接続具１６を介さ
ず直接ノズル３に接続してもよい。
１２、フレキシブルホース４が順次連結され、フレキシ
ブルホース４の一端はホース巻取装置１３に巻取り巻戻
し自在に連結され、他端はモータ部９及びフレキシブル
接続具１６を介して、回転する高圧水後方噴射ノズル３
に接続されているが、モータ部９及び接続具１６を介さ
ず直接ノズル３に接続してもよい。
【００１５】走行機構部Ａ及び研磨機構部Ｂは、制御ケ
ーブル１４を介して制御操作盤１５が接続されており、
該制御操作盤によって遠隔操作される。動力線も制御ケ
ーブル１４と同様に、配管外から走行機構部Ａ及び研磨
機構部Ｂに接続される。廃液を排出するために配管１に
は、ドレン配管１７、吸引ポンプ１８、フィルター１
９、配管２０が順次接続されている。
ーブル１４を介して制御操作盤１５が接続されており、
該制御操作盤によって遠隔操作される。動力線も制御ケ
ーブル１４と同様に、配管外から走行機構部Ａ及び研磨
機構部Ｂに接続される。廃液を排出するために配管１に
は、ドレン配管１７、吸引ポンプ１８、フィルター１
９、配管２０が順次接続されている。
【００１６】以上のように構成された配管内除染装置
は、その使用に当たり、配管１内の水を排除した上で、
弁ボンネット開放部２から配管１内に挿入し、次いで研
磨部５を配管内面に当接して回転することにより、研磨
部の回転とノズル３からの高圧水の効果が加味され、配
管内面の付着物を除去するとともに、配管内面を平滑に
研磨する。その際、後方噴射ノズル３から高圧水が噴射
され、剥離された酸化物を、除染進行方向に対し、後方
へ移送する。高圧水は、除染装置の先端部に設置された
ノズルから連続的又は、間欠的に噴射され、剥離酸化物
の後方移送のみならず、配管内面付着酸化物の除去効果
もあり、更に高い除染効果を得ることができる。後方へ
移送した剥離付着物即ち剥離酸化物は、ドレン配管１
７、吸引ポンプ１８を介してフィルター１９に導かれ、
そこで回収処理される。フィルターを透過した処理水
は、排出管２０を介してドレン系に排出される。このた
め、化学除染のような除染廃液の発生はなく廃棄物とし
てフィルターが発生するだけである。
は、その使用に当たり、配管１内の水を排除した上で、
弁ボンネット開放部２から配管１内に挿入し、次いで研
磨部５を配管内面に当接して回転することにより、研磨
部の回転とノズル３からの高圧水の効果が加味され、配
管内面の付着物を除去するとともに、配管内面を平滑に
研磨する。その際、後方噴射ノズル３から高圧水が噴射
され、剥離された酸化物を、除染進行方向に対し、後方
へ移送する。高圧水は、除染装置の先端部に設置された
ノズルから連続的又は、間欠的に噴射され、剥離酸化物
の後方移送のみならず、配管内面付着酸化物の除去効果
もあり、更に高い除染効果を得ることができる。後方へ
移送した剥離付着物即ち剥離酸化物は、ドレン配管１
７、吸引ポンプ１８を介してフィルター１９に導かれ、
そこで回収処理される。フィルターを透過した処理水
は、排出管２０を介してドレン系に排出される。このた
め、化学除染のような除染廃液の発生はなく廃棄物とし
てフィルターが発生するだけである。
【００１７】以上のようにして、配管１の内面は、面粗
さ３μｍ以下に研磨される。研磨の状況に応じて、走行
機構部Ａは、ノズル３及び研磨機構部Ｂを前進させる。
その際、走行機構部Ａと研磨機構部Ｂはフレキシブル接
続具１６で連結されているので、配管１の曲り部等を容
易に通過することができる。また伸縮アーム７，８ａの
採用により、走行機構部Ａ及び研磨機構部Ｂは、対象配
管より小さい開口部から挿入可能であるとともに、対象
配管の内径が異なる配管に対しても連続操作で除染する
ことができる。
さ３μｍ以下に研磨される。研磨の状況に応じて、走行
機構部Ａは、ノズル３及び研磨機構部Ｂを前進させる。
その際、走行機構部Ａと研磨機構部Ｂはフレキシブル接
続具１６で連結されているので、配管１の曲り部等を容
易に通過することができる。また伸縮アーム７，８ａの
採用により、走行機構部Ａ及び研磨機構部Ｂは、対象配
管より小さい開口部から挿入可能であるとともに、対象
配管の内径が異なる配管に対しても連続操作で除染する
ことができる。
【００１８】上記実施例において、高圧水後方噴射ノズ
ル３及び研磨機構部Ｂは、走行機構部Ａの前方に配置し
たが、必ずしもこのような配置にすることなく、走行機
構部Ａの後方に配置することもできる。
ル３及び研磨機構部Ｂは、走行機構部Ａの前方に配置し
たが、必ずしもこのような配置にすることなく、走行機
構部Ａの後方に配置することもできる。
【００１９】次に本発明の別の実施例を図３について説
明する。当該実施例においては、前記走行機構部と同様
の走行機構部Ａに、小型テレビカメラ２１及び照明ライ
ト２２が搭載される。これらの走行機構部Ａ、テレビカ
メラ２１及び照明ライト２２は、操作盤１５から遠隔操
作される。
明する。当該実施例においては、前記走行機構部と同様
の走行機構部Ａに、小型テレビカメラ２１及び照明ライ
ト２２が搭載される。これらの走行機構部Ａ、テレビカ
メラ２１及び照明ライト２２は、操作盤１５から遠隔操
作される。
【００２０】斯くすることにより、小型テレビカメラ２
１は、除染時又は除染後の配管内面の除染状況並びに除
染部品類の置き忘れ等を確認することができ、除染の信
頼性を高めることができる。また、走行機構部Ａには、
配管内面粗さを測定する面粗さ測定器も搭載することが
でき、除染状況並びに表面の平滑化状態を把握すること
ができる。
１は、除染時又は除染後の配管内面の除染状況並びに除
染部品類の置き忘れ等を確認することができ、除染の信
頼性を高めることができる。また、走行機構部Ａには、
配管内面粗さを測定する面粗さ測定器も搭載することが
でき、除染状況並びに表面の平滑化状態を把握すること
ができる。
【００２１】上記の除染効果及び表面粗さによる除染後
の再付着量比較を以下に示す。
の再付着量比較を以下に示す。
【００２２】図４は、本発明にあたる機械研磨の除染効
果を他の除染技術と比較したものであり、一般的なジェ
ット洗浄（１５０〜３００ｋｇ／ｃｍ2）の除染効果を
１とした相対値で表わしている。除染効果は、実機より
採取した試験片を用い評価した。化学除染の場合、構成
材料への影響が少ない希薄除染液を選定すると共にＥＤ
ＴＡ（錯化剤）を主成分とする除染液Ａを使用し、除染
時間１５ｈｒ、液温９０℃で実施した。また、機械研磨
は研磨材として球状の炭化ケイ素を用い除染を行った。
この結果、ジェット洗浄１に対し、化学除染で約５、機
械研磨で約８となり、機械研磨の除染効果が大きいこと
がわかる。
果を他の除染技術と比較したものであり、一般的なジェ
ット洗浄（１５０〜３００ｋｇ／ｃｍ2）の除染効果を
１とした相対値で表わしている。除染効果は、実機より
採取した試験片を用い評価した。化学除染の場合、構成
材料への影響が少ない希薄除染液を選定すると共にＥＤ
ＴＡ（錯化剤）を主成分とする除染液Ａを使用し、除染
時間１５ｈｒ、液温９０℃で実施した。また、機械研磨
は研磨材として球状の炭化ケイ素を用い除染を行った。
この結果、ジェット洗浄１に対し、化学除染で約５、機
械研磨で約８となり、機械研磨の除染効果が大きいこと
がわかる。
【００２３】図５は、ステンレス鋼（ＳＵＳ３１６）へ
のＣｏ付着に及ぼす表面粗さの影響を示したものであ
る。表面粗さを変えた試験片を実機条件下のオートクレ
ープ内に設置し、１０００時間後の付着量を測定した。
表面粗さが６μｍ程度の場合には、表面粗さ１．５μｍ
及び約３μｍ以下の場合に比べ、Ｃｏ付着量は多くなっ
ていると共に３μｍ以下においては、Ｃｏ付着量に大き
な差は見られない。すなわち、除染後、表面粗さを３μ
ｍ以下にしておけば、Ｃｏ付着量、言い換えれば放射性
核種の再付着を低く抑制することができ、除染効果の長
期間の維持が可能である。一方、従来のジェット洗浄、
化学除染等においては、除染後の再付着を低減すること
をあまり考慮していないのが現状である。
のＣｏ付着に及ぼす表面粗さの影響を示したものであ
る。表面粗さを変えた試験片を実機条件下のオートクレ
ープ内に設置し、１０００時間後の付着量を測定した。
表面粗さが６μｍ程度の場合には、表面粗さ１．５μｍ
及び約３μｍ以下の場合に比べ、Ｃｏ付着量は多くなっ
ていると共に３μｍ以下においては、Ｃｏ付着量に大き
な差は見られない。すなわち、除染後、表面粗さを３μ
ｍ以下にしておけば、Ｃｏ付着量、言い換えれば放射性
核種の再付着を低く抑制することができ、除染効果の長
期間の維持が可能である。一方、従来のジェット洗浄、
化学除染等においては、除染後の再付着を低減すること
をあまり考慮していないのが現状である。
【００２４】以上の本発明を原子力プラントの配管除染
に適用することにより高効率的に除染が行なわれると共
に、除染後の再付着を緩和することができ、機器・配管
等の補修並びに検査時の作業者の受ける線量当量を低減
することができる。
に適用することにより高効率的に除染が行なわれると共
に、除染後の再付着を緩和することができ、機器・配管
等の補修並びに検査時の作業者の受ける線量当量を低減
することができる。
【００２５】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
原子力プラントの一次系配管内面に付着した放射性物質
を含む酸化物を機械的に除去する装置において、配管内
面に当接して該内面を研磨する研磨部及び当該研磨部を
伸縮アームを介して回転する駆動部を有する研磨機構部
と、回転式の高圧水後方噴射ノズルと、該後方噴射ノズ
ルへ高圧水を供給するフレキシブルホースと、配管内面
に接する車輪、該車輪を支持する伸縮アーム及び該車輪
を回転するモータ部を有し、前記研磨機構部及び後方噴
射ノズルを除染部位へ移動させる走行機構部とからなる
ものとしたので、原子力プラントの配管内面に付着した
酸化物を効率的かつ容易に除去することができ、かつ除
染対象物の表面を平滑化処理出来る。
原子力プラントの一次系配管内面に付着した放射性物質
を含む酸化物を機械的に除去する装置において、配管内
面に当接して該内面を研磨する研磨部及び当該研磨部を
伸縮アームを介して回転する駆動部を有する研磨機構部
と、回転式の高圧水後方噴射ノズルと、該後方噴射ノズ
ルへ高圧水を供給するフレキシブルホースと、配管内面
に接する車輪、該車輪を支持する伸縮アーム及び該車輪
を回転するモータ部を有し、前記研磨機構部及び後方噴
射ノズルを除染部位へ移動させる走行機構部とからなる
ものとしたので、原子力プラントの配管内面に付着した
酸化物を効率的かつ容易に除去することができ、かつ除
染対象物の表面を平滑化処理出来る。
【００２６】また、除染後、そのままの状態でプラント
運転を再開した場合、除染対象物において急速な再付着
が生ずる場合がある。これを抑制するためには、除染
後、新たに炉水が接する前に表面に酸化皮膜を形成させ
ておく方法があるが、実機配管を酸化処理することは操
作上、難しい状況にある。これに対し、本発明では、表
面を平滑化することにより、同様な再付着を抑制できる
ことが見出された。本発明は、研磨により表面を平滑化
処理する機能を有し、表面粗さを３μｍ以下とすること
を特徴としている。また、除染時及び除染後の対象系の
検査を行なう機器類も装着可能であり、除染作業の信頼
性も増すことができる。以上の除染は全て遠隔操作によ
り行い、除染作業時に受ける線量当量を軽減することが
できる。
運転を再開した場合、除染対象物において急速な再付着
が生ずる場合がある。これを抑制するためには、除染
後、新たに炉水が接する前に表面に酸化皮膜を形成させ
ておく方法があるが、実機配管を酸化処理することは操
作上、難しい状況にある。これに対し、本発明では、表
面を平滑化することにより、同様な再付着を抑制できる
ことが見出された。本発明は、研磨により表面を平滑化
処理する機能を有し、表面粗さを３μｍ以下とすること
を特徴としている。また、除染時及び除染後の対象系の
検査を行なう機器類も装着可能であり、除染作業の信頼
性も増すことができる。以上の除染は全て遠隔操作によ
り行い、除染作業時に受ける線量当量を軽減することが
できる。
【図１】本発明の除染装置の一実施例を示す概略側面図
である。
である。
【図２】図１に示す除染装置の正面図である。
【図３】本発明の除染装置の別の実施例を示す概略側面
図である。
図である。
【図４】各種除染技術に対する本発明の除染装置による
除染効果の比較図である。
除染効果の比較図である。
【図５】ステンレス鋼へのＣｏ付着に及ぼす表面粗さの
影響を説明する図である。
影響を説明する図である。
Ａ…走行機構部 Ｂ…研磨機構部 １…配管 ３…高圧水後方噴射ノ
ズル ４…フレキシブルホース ５…研磨部 ６…駆動部 ７、８ａ…伸縮アーム ８…車輪部 ９…モータ部 １２…高圧ポンプ １３…巻き取り装置 ２１…小型テレビカメラ ２２…照明ライト
ズル ４…フレキシブルホース ５…研磨部 ６…駆動部 ７、８ａ…伸縮アーム ８…車輪部 ９…モータ部 １２…高圧ポンプ １３…巻き取り装置 ２１…小型テレビカメラ ２２…照明ライト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大角克己 茨城県日立市幸町３丁目１番１号 株式 会社日立製作所日立工場内 (72)発明者 志村孝夫 茨城県日立市幸町３丁目１番１号 株式 会社日立製作所日立工場内 (72)発明者 大森信哉 茨城県日立市幸町３丁目１番１号 株式 会社日立製作所日立工場内 (56)参考文献 特開 昭63−137789（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−95187（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−78462（ＪＰ，Ａ) 実開 平２−8591（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭53−731（ＪＰ，Ｂ２)
Claims (4)
- 【請求項１】 原子力プラントの一次系配管内面に付着
した放射性物質を含む酸化物を機械的に除去する装置に
おいて、配管内面に当接して該内面を研磨する研磨部及
び当該研磨部を伸縮アームを介して回転する駆動部を有
する研磨機構部と、回転式の高圧水後方噴射ノズルと、
該後方噴射ノズルへ高圧水を供給するフレキシブルホー
スと、配管内面に接する車輪、該車輪を支持する伸縮ア
ーム及び該車輪を回転するモータ部を有し、前記研磨機
構部及び後方噴射ノズルを除染部位へ移動させる走行機
構部とからなり、配管内面の酸化物を除去するとともに
配管内面を平滑化処理することを特徴とする配管内除染
装置。 - 【請求項２】 研磨部の研磨材は、炭化ケイ素、ボロン
カーバイト又は硬質紙の球状あるいは平板状の１種より
成ると共に、研磨部は円周方向に複数個配設されている
ことを特徴とする請求項１記載の配管内除染装置。 - 【請求項３】 前記走行機構部には研磨機構部及び後方
噴射ノズルを当該走行機構部の前方あるいは後方に接続
でき、かつ除染状況を検査する小型テレビカメラ及び配
管内面の表面粗さを測定する測定器を搭載可能であるこ
とを特徴とする請求項１記載の配管内除染装置。 - 【請求項４】 前記研磨材は、研磨後の配管内面粗さを
３μｍ以下とするような研磨材であることを特徴とする
請求項１記載の配管内除染装置。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP3330343A JP2661828B2 (ja) | 1991-12-13 | 1991-12-13 | 配管内除染装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3330343A JP2661828B2 (ja) | 1991-12-13 | 1991-12-13 | 配管内除染装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05161885A JPH05161885A (ja) | 1993-06-29 |
| JP2661828B2 true JP2661828B2 (ja) | 1997-10-08 |
Family
ID=18231561
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3330343A Expired - Fee Related JP2661828B2 (ja) | 1991-12-13 | 1991-12-13 | 配管内除染装置 |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2661828B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102319708A (zh) * | 2011-07-25 | 2012-01-18 | 南京大学 | 一种被污染后加速管去除杂质氧化层的方法 |
| CN108825456A (zh) * | 2018-07-26 | 2018-11-16 | 王洁 | 一种利用地热能发电的具有防堵塞功能的发电装置 |
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| CN103506351A (zh) * | 2012-06-29 | 2014-01-15 | 沈阳铝镁设计研究院有限公司 | 管道清灰装置 |
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-
1991
- 1991-12-13 JP JP3330343A patent/JP2661828B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| CN102319708B (zh) * | 2011-07-25 | 2013-04-17 | 南京大学 | 一种被污染后加速管去除杂质氧化层的方法 |
| CN108825456A (zh) * | 2018-07-26 | 2018-11-16 | 王洁 | 一种利用地热能发电的具有防堵塞功能的发电装置 |
| CN108825456B (zh) * | 2018-07-26 | 2020-07-31 | 嘉兴市永泰五金塑料有限责任公司 | 一种利用地热能发电的具有防堵塞功能的发电装置 |
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|---|---|
| JPH05161885A (ja) | 1993-06-29 |
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