JP2006133033A - 放射性汚染物の除染装置及び除染方法 - Google Patents

放射性汚染物の除染装置及び除染方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 放射性汚染物の表面汚染を効果的に除染する使い勝手に優れた除染装置及び方法を実現する。
【解決手段】 本発明の放射性汚染物の除染装置は、中空円盤状の電極1と、該電極の一方の面に取り付けられたセラミックス製の円盤状の研磨材2と、前記電極に同軸に固定された導電性の回転軸3と、該回転軸を絶縁物13を介して保持すると共に回転駆動する駆動手段4と、前記回転軸の内部に形成された中空部に連通させて回転自在継手7を介して設けられた電解液の供給ノズル8と、前記回転軸に回転自在に設けられた電流供給端子11とを備え、前記電極は前記研磨材が取り付けられる面に電極内部の中空部に連通する複数の孔5を有し、前記回転軸の中空部と前記電極の中空部とを連通して形成されてなることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、放射性汚染物の除染装置及び除染方法に係り、具体的には、放射性物質により表面が汚染された廃棄物又は建屋の壁等の汚染物の表面の放射性物質を除去する技術に関する。
原子力関連施設では、メンテナンス作業あるいは解体作業において表面が放射性物質に汚染された金属材料等の廃棄物が発生する。このような放射性汚染廃棄物の保管及び管理の負担を低減するため、例えば廃棄物の表面汚染を除去(除染)する方法が考えられる。また、メンテナンスや解体で発生した放射性汚染物の除染作業では、建屋の床面、壁面、天井面等、除染対象物の部位に様々な姿勢で作業できるように、手で持って作業できる軽量で小型の除染装置が望ましい。
一方、放射性汚染物の除染の方法として表面を研磨することが考えられる。この表面研磨の技術は、例えば、研磨材による機械研磨、酸等を用いた表面溶解による化学研磨、陽極酸化を用いた電解研磨等がある。しかし、機械研磨は、荷重をかけることにより研磨速度の向上が可能である半面、微細な凹凸が残るので放射性物質を完全に除去するのが難しい。また、電解研磨は、微細な凹凸まで研磨できる反面、電解により表面酸化膜が成長すると研磨速度が落ちるという課題がある。また、化学研磨については廃液発生量が多く、廃液の二次処理が負担になるという課題がある。
一方、放射性汚染部の除染に関する方法ではないが、特許文献1に、ステンレス鋼の表面処理を機械研磨と電解研磨の複合方式による研磨(以下、複合研磨という。)が提案されている。この複合研磨は、軸に沿って回転する円筒状の金属電極の下面に不織布のパットを固定し、パットを被研磨材と接触させつつ、パットに電解液を含浸させながら金属電極と被研磨材の間に20〜30A/dmの電流を流し、パットとの摩擦による機械研磨と電解研磨とを実施し、被研磨材表面に残る付着物(研磨くず)を除去する方法である。この複合研磨によれば、電解による金属の酸化と、機械研磨による生成した酸化膜層の剥離を同時に実施できるため、研磨速度を向上させることができる。
特許第3044249号公報
しかしながら、特許文献1では、放射性汚染物の除染に複合研磨を適用することについては配慮されていないから、次のような課題がある。
つまり、放射性汚染物の除染に用いる除染装置は、使い勝手の点から、手で持って作業できる軽量で小型のものが望ましい。したがって、作業者の安全を考慮すると、大電流を用いる電解研磨の絶縁を確保して、作業者の感電防止に十分に配慮する必要がある。
また、不織布のパットを放射性汚染物の研磨材として用いる場合、通常、微細な凹凸の研磨が可能である反面、研磨材が柔らかすぎるため寿命が短くなる。その使用済の研磨材は放射性廃棄物となるから、二次廃棄物の発生量が増大するという問題がある。
また、放射性汚染物の除染作業の場合、下向きの姿勢で研磨を行う床面等の場合は電解液が重力により下向きに流れるので問題はない。しかし、壁面や天井面等の場合のように、研磨面の向きによって電解液の流量が不安定になるという問題がある。例えば、電解液が流れにくい状態に合わせて電解液量を決定すると、電解液が流れやすい状態の研磨では必要量を大きく超える量の電解液を消費し、二次廃棄物となる放射性廃液の発生を増大させる。
さらに、被研磨材である放射性汚染物の表面に、付着物と共に電解液による濡れが残り、その電解液に付着物から溶出した放射性物質の一部が溶け込む可能性があるから、付着物を除去するだけでは、研磨面の乾燥後に放射性物質が再付着することがあり、除染効率が低下するおそれがある。
本発明は、放射性汚染物の表面汚染を効果的に除染する使い勝手に優れた除染装置及び方法を実現することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の放射性汚染物の除染装置は、中空円盤状の電極と、該電極の一方の面に取り付けられたセラミックス製の円盤状の研磨材と、前記電極に同軸に固定された導電性の回転軸と、該回転軸を絶縁物を介して保持すると共に回転駆動する駆動手段と、前記回転軸の内部に形成された中空部に連通させて回転自在継手を介して設けられた電解液の供給ノズルと、前記回転軸に回転自在に設けられた電気の供給端子とを備え、前記電極は前記研磨材が取り付けられる面に電極内部の中空部に連通する複数の孔を有し、前記回転軸の中空部と前記電極の中空部とを連通して形成されてなることを特徴とする。
このように本発明によれば、研磨材を耐摩耗性で耐久性の高いセラミックスにより形成したことから、研磨材の交換頻度を低減して、放射性廃棄物の二次発生量の増大を抑制できる。また、電解研磨の電気が印加される回転軸を絶縁物を介して回転駆動手段に保持させるようにしたから、回転駆動手段の部分を手で持って作業することにより、感電のおそれを軽減して、安全に放射性汚染物の除染作業を行うことができる。
特に、駆動手段を、回転軸を絶縁物を介して把持するチャックと、このチャックに固定された回転円筒と、この回転円筒を回転駆動するモータと、これらを収納するケースと、このケースに設けられた把持部とを有して形成することにより、作業者はケースの把持部を手で持って装置の姿勢を自由に操作できる。円盤状の電極及び研磨材を直径を、例えば20〜25cm程度にすれば、装置の全体を小型軽量にすることができるから、手で持って簡単に装置の姿勢を操作できる。なお、本発明は、手で持って操作することに限るものではなく、例えばケースの把持部を把持する固定部を有し、ケースを3軸方向に移動自在に移動する走行手段を備えて構成することができる。
また、回転円盤状の研磨材の中心部の周速は周辺部に比べて遅いから、また電解液の流れを考慮して、円盤の外面中心部に凹部を設けることが好ましい。また、電解液の流量を制御する制御手段を備えて構成することが好ましい。これによれば、電解液の流量調整を行うことにより、研磨面の向きによって電解液の流動性が変化しても、必要量の電解液を供給できるので二次廃液の発生量を低減できる。なお、必要に応じて、電解液の吐出圧を制御するようにすることができる。
また、本発明の除染方法は、上記本発明の除染装置を用い、研磨材を除染対象物の表面に押し当て、電解液を供給して研磨材中に電解液を浸透させて除染対象物の表面を濡らし、電極と除染対象物の間に電流を流しながら、回転軸を回転して電極及び研磨材を回転させて、除染対象物の表面を機械的及び電解的に研磨した後、除染対象物の表面の電解液を拭き取ってから放射線計測を行うことを特徴とする。これにより、電解液中に溶出した放射性物質を除去できるから、除染効率を高めることができる。
放射性汚染物の表面汚染を効果的に除染する使い勝手に優れた除染装置及び方法を実現できる。
以下、本発明を実施形態に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1に、本発明の一実施形態の放射性汚染物の除染装置の構成図を示す。同図に示すように、中空円盤状の電極1と、電極1の一方の円盤面に取り付けられた円盤状の研磨材2と、電極2に同軸に固定された導電性の回転軸3と、回転軸3を絶縁物を介して保持すると共に回転駆動する駆動手段4とを備えて、複合研磨装置として構成されている。電極1の研磨材2が取り付けられる面には、電極1の内部の中空部に連通する複数の孔5が穿設されている。この孔5は、電解液を研磨材2に浸透させるものであり、必要に応じて1〜複数個設ける。研磨材2としては、セラミックス製の研磨材が用いられ、研磨材2の下面の研磨面の中心部には凹部が形成されている。また、回転軸3の一方の端は電極1の内部に挿通して設けれ、回転軸3の中空部と電極1の中空部は孔6で連通されている。
また、回転軸3の他方の端に回転自在継手7を介して電解液の供給ノズル8が着脱可能に取付けられ、電解液供給装置9からフレキシブルチューブ10を介して回転軸3の中空部に電解液が供給されるようになっている。電解液供給装置9は、図示していないが、電解液の吐出圧及び吐出量を制御する制御手段が備えられ、これによって電解液の流量を設定量に制御するようになっている。また、回転軸3には、ブラシなどの電流供給端子11が回転軸3に対して回転自在に設けられ、電流供給端子11は配線により直流電源12の陰極に接続可能になっている。なお、直流電源12に代えて交流電源を用いることができる。
一方、駆動手段4は、回転軸3を絶縁物13を介して把持するチャック14と、チャック14を支持する回転円筒状のスピンドル15と、スピンドル15を回転駆動するモータ16と、これらを収納するケース17を備えて構成される。モータ16は、モータ電源21により駆動されるようになっている。モータ電源21は、直流、交流のいずれでもよい。スピンドル15は、ベルト18を介してモータ軸19に固定されたプーリ20により回転される。ケース17には、手で把持できる把持部23が設けられている。このようにして、電極1と研磨材2と回転軸3とからなる回転体は、駆動手段4に回転可能に支持されている。
ここで、電極1及び回転軸3は、同種の金属材料で製作されたものが望ましく、特にチタン等の電気化学的に貴な金属で製作するのが望ましい。その場合、電解液としては硫酸ナトリウム等の中性塩の水溶液が望ましく、特に濃度1〜3Mのものが望ましい。それ以外の金属、例えばアルミを用いる場合には、電解液の電解質として、特に硝酸リチウム等の中性の可溶性リチウム塩が望ましい。これは電解により電極近傍で水の電気分解で水素が発生する際、水酸化物イオンが生成しアルミがアルカリ腐食する減少を抑制するためである。可溶性リチウム塩の電解液を使用すると、リチウムイオン、水酸化物イオン、及びアルミ表面の水酸化アルミニウム層が反応してアルミン酸リチウム複塩の保護皮膜が生成することが知られており、これによりアルカリ腐食を抑制することができる。円柱状の電極1は中空状に作成して、内部を電解液タンクとして用いることが望ましい。また、電解液は電極1の回転により遠心力を受けるため、孔5は電極1の中心部分近傍に配置するのが望ましい。
電解液供給装置9から回転軸3を介して電解液を連続的に電極1の中空部の電解液タンクに供給するようにする場合は、図1のように、回転軸3の中空部と電極1の中空部を孔6で連通することが望ましいが、電解液供給装置9に電解液タンクと供給ポンプとを設け、電解液を電解液供給装置9から断続的に供給する場合は、回転軸3は中空形状である必要はない。
また、研磨材2の研磨面は、回転軸近傍が凹んだ形状とすることが望ましい。これは、研磨材2の各部における研磨速度は半径に比例するため、回転軸近傍は外周部近傍と比べて研磨効率が小さくなるからである。また、その凹み部において、研磨材2は固定ねじで電極1に固定することができる。研磨材2のセラミックスとしては、硬さの点からアルミナ、シリカ、ジルコニア等の酸化物が望ましい。また、セラミックスの粒径は10〜100μmが望ましく、50μm程度が特に望ましい。これは粒径が小さすぎると粒間の接着が弱くなり研磨材の減肉が激しくなる一方、大き過ぎると研磨が粗くなるためである。また、これ以上大きくなると粒間の接着は強くなるため減肉しなくなるが、電解研磨より生成した金属酸化物の沈殿が研磨材の空隙を埋めて電解液の流通を悪化させる場合がある。その場合、電解研磨の効率が落ちるため、研磨材2は最小限の減肉が起こる粒径が望ましい。なお、研磨材2の固定の安定性を向上するため、研磨材2の上面に金属円盤を接着剤で貼り付け、その上に電極1を設置するのが望ましい。
電流供給端子11は、回転軸3を介して電極1に電解電流を流すものであり、例えばブラシを回転軸3に接触させて形成される。ブラシは、例えばグラファイトでできているものが望ましい。回転軸3を回転させる機構は、スピンドル15に設けたチャック14により回転軸3を固定する機構が望ましい。これにより、除染装置の分解及びメンテナンスが可能である。また、チャック14と回転軸3の間に挟む絶縁物13は、シート状に形成することができる。この絶縁物13により、大電流が流れる回転軸3とスピンドル15は電気的に絶縁されるから、作業者がスピンドル15を含む駆動手段4の部分を手にして作業することにより、感電のリスクを回避することができる。なお、絶縁シートの代わりに、絶縁物の蒸着層や絶縁性の酸化物被膜を回転軸3の表面又はチャック14の部分に生成させることでも同様の効果が得られる。特に、アルミニウム製の回転軸3を用いる場合は、表面にアルマイト加工による酸化物皮膜を生成させることが望ましい。
このように構成される図1実施形態の除染装置を用いた除染方法について説明する。まず、ケース17の把持部(グリップ)23を手で持ち、研磨材2の研磨面を被研磨材22(例えば、SUS材の表面に放射性物質が付着した汚染物)の表面に押し当てる。次いで、電解液供給装置9を運転することにより、電解液が回転軸3の内部を流れ孔6を通って電極1の内部に供給される。ここで、電解液の供給は連続的な場合、断続的な場合、いずれも可能である。電極1の内部に供給された電解液は孔5を通って研磨材2に浸透する。研磨材2内部を浸透して下面に到達した電解液は被研磨材22を濡らす。次いで、陽極が被研磨材22に接続された直流電源12から電流供給端子11を介して被研磨材22に電圧が印加される。これにより、被研磨材22は研磨面から順にイオン化(酸化)し、生成した電子は直流電源12、電流供給端子11、回転軸3に流れて電極1に到達する。電極1の電解液との接触面において、水の還元反応が起こり、水素が発生する。これに伴い残る水酸化物イオンは研磨材2内部に浸透している電解液中を移動し、被研磨材22の研磨面で金属イオンと反応し、酸化物、水酸化物の皮膜を生成する。その際に、研磨面に付着する放射性物質の一部は電解液中に溶け出す場合がある。
そして、スピンドル15を回転することにより、回転軸3はチャック14と絶縁物13を介して回転し、これに伴って電極1と研磨材2が回転する。研磨材2の回転に伴い被研磨材22との接触面(研磨面)で摩擦が発生する。この摩擦により、電解反応で生成された酸化物及び水酸化物の皮膜が剥離する。皮膜が剥離すると電解液中のイオン流れによる電流に対する電気抵抗が小さくなるので、電解による被研磨材22の酸化効率が向上する。
このようにして、作業者は機械研磨と電解研磨を行いながらケース17を手に持って、除染装置を被研磨材22の面に沿って移動させる。この面上の移動を均一に行うことにより、研磨を均一に行うことができる。この除染作業の際、ケース17は絶縁物13により絶縁されているから、作業者には感電の恐れはない。
このようにして、研磨作業を終了した後、被研磨材22の研磨面の電解液による濡れをウェス等で拭き取ると共に研磨くずを回収する。これにより、研磨くず及び研磨面を濡らす電解液に含まれる放射性核種を被研磨材22から除去することができる。
研磨作業の後に被研磨材22の表面に付着した放射性核種を除去する方法としては、放射性核種が表面を濡らしている電解液中の溶解物、沈殿物として存在することから、ウェス等により濡れをふき取ることで被研磨材22の表面から除去する。なお、必要に応じて、さらに濡れを拭き取った表面を再洗浄しても良く、これにより除染効果が向上する場合がある。再洗浄は、濡れたウェスによる再拭き取りを行う方法、シャワーによる水洗を行った後に再拭き取りを行う方法等、様々な方法を適用できる。また、再洗浄で用いる濡れウェスやシャワー水に界面活性剤を添加しておくと、さらに除染効果が向上する場合がある。
いずれにしても、最終的な拭き取りを行って被研磨材22の表面から濡れを除去した後、放射線計測を行うことが好ましい。放射線計測はGM管、ZnSシンチレーションカウンターなどの計測器を用いて行う。これにより、放射性核種の表面密度を評価し、所定値以下であることを確認する。所定値を越えている部分がある場合は、そこの部分を再び除染する。放射性核種の表面密度が所定値以下であることが確認された被研磨材22については、低レベル放射性廃棄物として地層処分される場合、一般廃棄物として処分、再利用される場合等がある。
ここで、図1の実施形態の除染装置を用いた具体的な除染方法の実施例について説明する。研磨材2の回転による平均速度0.5m/s、研磨材2により被研磨材22の研磨面にかけられた圧力2.5kPa、電流密度0.1A/cmの条件で複合研磨による除染を実施した。このとき、炭素鋼の研磨速度は26μm/分であり、被研磨材22の研磨面1mにおける放射性核種の密度は研磨開始30分後には1/1000以下に低下した。また、その際の研磨材2の減肉量は3mmであった。
(実施形態2)
図2に、本発明の他の実施形態の放射性汚染物の除染装置の構成図を示す。図において、図1実施形態と同一の部品には、同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態が、図1実施形態と異なる点は、除染装置の移動操作を手動ではなく、機械により行うようにしたことにある。なお、図2は、建屋の壁面を除染する場合を例に示している。
図示のように、図1の把持部23に代えて、ケース17に除染装置の装置支持棒30が設置されている。研磨装置支持棒30には、ばね31がかけられており、先端は除染装置高さ方向移動装置37に設置されている。したがって、ケース17は装置支持棒31に沿って奥行き方向(除染面に進退する方向)に移動することができる。研除染装置高さ方向移動装置37は、除染装置押し込み方向移動装置33に上から差し込まれた状態となっており、除染装置押し込み方向移動装置33に沿って高さ方向に移動することができる。除染装置高さ方向移動装置37には高さ方向移動用モータ38が設置されており、そのロータの先端にはギア39が設置されている。一方、除染装置押し込み方向移動装置33の側面にはレール36が設置されており、ギア39によるレール36への噛みこみにより、除染装置高さ方向移動装置37の高さ位置を固定している。また、高さ方向移動用モータ38の稼動により、高さを変化させることができる。除染装置押し込み方向移動装置33の下部には押し込み方向移動用モータ34が設置されている。押し込み方向移動用モータ34のロータ先端にはギア35が設置されている。一方、研磨機移動装置40の上面にはレール32が設置されており、ギア35によるレール32への噛みこみにより、除染装置押し込み方向移動装置33の奥行き位置を固定する。また、押し込み方向移動用モータ34の稼動により、奥行き位置を変化させることができる。研磨機移動装置40はタイヤ42を介して水平方向を自由に移動することができる。また、必要に応じて除染装置押し込み方向移動装置33の奥行き位置を被研磨材22に移動することで、ばね31を通して、被研磨材22への研磨材2の押し付け圧が大きくでき、これにより被研磨材22の表面皮膜の剥離性能、及び電解による酸化効率を向上させることができる。
作業者は機械研磨と電解研磨を行いながら研磨機移動装置40を操作し、除染装置を被研磨材22の面に沿って移動させる。面上の移動を均一に行うことで、研磨を均一に行うことができる。研磨作業の終了後、被研磨材22の研磨面における電解液による濡れをウェス等でふき取ると共に研磨くずを回収する。これにより、研磨くず及び研磨面を濡らす電解液に含まれる放射性核種を被研磨材22から除去することができる。一連の作業の後、作業者は研磨機移動装置40を操作して、次の除染対象となる放射線汚染物に移動する。作業の際、研磨機移動装置40、除染装置押し込み方向移動装置33、除染装置高さ方向移動装置37、ケース17はいずれも絶縁物13により電極1と絶縁されており、作業者には感電の恐れはない。
ここで、図2の実施形態の除染装置を用いた具体的な除染方法の実施例について説明する。研磨材2の回転による平均速度0.5m/s、研磨材2により被研磨材22の研磨面にかけられた圧力20kPa、電流密度0.1A/cmの条件で複合研磨による除染を実施した。このとき、炭素鋼の研磨速度は100μm/分であり、被研磨材22の研磨面1mにおける放射性核種の密度は研磨開始10分後には1/1000以下に低下した。また、その際の研磨材2の減肉量は3mmであった。
本発明の一実施形態の放射性汚染物の除染装置の構成図である。 本発明の他の実施形態の放射性汚染物の除染装置の構成図である。
符号の説明
1 電極
2 研磨材
3 回転軸
4 駆動手段
5、6 孔
7 回転継手
8 電解液の供給ノズル
9 電解液供給装置
11 電流供給端子
12 直流電源
13 絶縁物
14 チャック
15 スピンドル
16 モータ
17 ケース
22 被研磨材
23 把持部

Claims (7)

  1. 中空円盤状の電極と、該電極の一方の面に取り付けられたセラミックス製の円盤状の研磨材と、前記電極に同軸に固定された導電性の回転軸と、該回転軸を絶縁物を介して保持すると共に回転駆動する駆動手段と、前記回転軸の内部に形成された中空部に連通させて回転自在継手を介して設けられた電解液の供給ノズルと、前記回転軸に回転自在に設けられた電気の供給端子とを備え、前記電極は前記研磨材が取り付けられる面に電極内部の中空部に連通する複数の孔を有し、前記回転軸の中空部と前記電極の中空部とを連通して形成されてなる放射性汚染物の除染装置。
  2. 前記研磨材は、円盤の外面中心部に凹部が設けられてなることを特徴とする請求項1に記載の放射性汚染物の除染装置。
  3. 前記駆動手段は、前記回転軸を絶縁物を介して把持するチャックと、該チャックに固定された回転円筒と、該回転円筒を回転駆動するモータと、これらを収納するケースと、該ケースに設けられた把持部とを有してなることを特徴とする請求項1乃至2に記載の放射性汚染物の除染装置。
  4. 前記把持部を把持する固定部を有し、前記ケースを3軸方向に移動自在に移動する走行手段を備えてなる請求項3に記載の放射性汚染物の除染装置。
  5. 前記電解液の流量を制御する制御手段を備えてなる請求項1乃至4のいずれか1項に記載の放射性汚染物の除染装置。
  6. 前記電極と前記回転軸がアルミニウムで形成され、前記電解液が水に可溶なリチウム塩であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の放射性汚染物の除染装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の除染装置を用いた放射性汚染物の除染方法であって、前記研磨材を除染対象物の表面に押し当て、前記電解液を供給して前記研磨材中に前記電解液を浸透させて除染対象物の表面を濡らし、前記電極と前記除染対象物の間に電流を流しながら、前記回転軸を回転して前記電極及び前記研磨材を回転させて前記除染対象物の表面を機械的及び電解的に研磨した後、前記除染対象物の表面の電解液を拭き取ってから放射線計測を行うことを特徴とする放射性汚染物の除染方法。
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