JP2660346B2 - セラミックス複合材料 - Google Patents

セラミックス複合材料

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    • C04B41/5062Borides, Nitrides or Silicides
    • C04B41/5066Silicon nitride

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ガスタービンエンジン部品等の高温性能が
要求される製品に適用でき、かつ耐酸化性が向上した炭
化珪素質のセラミックス複合材料に関するものである。
〔従来の技術〕
炭化珪素は高温で優れた機械的および化学的性質を示
すため、高温機械部品への応用が試みられており、例え
ば、炭化珪素焼結体は、1500℃以上の温度でも強度低下
を示さず、ガスタービンエンジン用材料として有望視さ
れている。
しかしながら、その最大の欠点は破壊靱性値(K
IC値)が低いことであり、タービンロータを始めとする
部品に炭化珪素焼結体を応用した場合、運転中に飛来す
る異物の衝突により、部品の破損が容易に生じた。
この炭化珪素質材料の破壊靱性を改善するため、他の
物質の粒子を炭化珪素質材料に分散させることが試みら
れている。その一つの試みとして、炭化珪素質材料に二
硼化チタン(TiB2)を分散させることがある(特開昭57
−27975号,Am.Ceram.Soc.Bull.,vol.66,No.2,1987,P322
〜P324及びP325〜P329)。あるいは炭化珪素質材料に二
硼化ジルコニウム(ZrB2)を分散させる試みもある(窯
業協会誌、第93巻、1985年、P123〜P129)。
このTiB2、ZrB2等の金属硼化物粒子を分散させた炭化
珪素質材料は、高い破壊靱性を示すものの、高温、特に
1200℃を越える温度での耐酸化性が低下してしまう。こ
れは、炭化珪素質材料中に分散した金属硼化物が次の反
応式(TiB2を例示する。)に示すように、酸化されやす
く、表面に凹凸が生じ、凹面内部は時間と共にさらに酸
化が進み、大きな欠陥となるためである。
SiO2+B2O3→B2O3−SiO2(glass) この酸化腐食の度合は、金属硼化物の含有量が多いほ
ど顕著である。例えば、10体積%のTiB2を含むSiC質材
料は1400℃を越える温度で、20体積%のTiB2を含むSiC
質材料は1300℃を越える温度で、また、30体積%のTiB2
を含むSiC質材料は1200℃を越える温度で酸化腐食が激
しくなる。
本発明者らは、上記の金属硼化物を分散させた炭化珪
素質材料の耐酸化性を改善することを種々検討し、材料
表面に金属硼化物がない状態にして金属硼化物と酸素と
の反応が起こるのを防ぐようにすればよいと考えた。そ
のため、炭化珪素質材料の表面を耐酸化性に優れた被覆
層を形成することによって耐酸化性の向上を図った。
炭化珪素質材料の表面に被覆層を形成する方法として
気相反応法あるいは有機珪素化合物の焼成による炭化珪
素被膜を形成させようとする発明がある(特公昭61−28
626号)。
しかしながらこの発明は、炭化珪素焼結体表面に生じ
た焼結時の治具の食い込み、機械加工による傷等の欠陥
を被覆によって無くし、機械強度を再現よく向上させる
ことを目的としており、酸化防止を目的としたものでは
なく、このため、被覆層を形成した材料は本質的に炭化
珪素焼結体と何等変わりがないため、破壊靱性値は極め
て低い。
本発明者らは、さらに検討を進めて、本発明を完成さ
せたのである。
〔発明の目的〕
本発明は、高靱性、高温強度のみならず、耐酸化性を
も具備し、酸化雰囲気中で長時間保持しても強度低下を
示さない炭化珪素質のセラミックス複合材料を提供する
ことを目的とする。
〔発明の構成〕
本発明のセラミックス複合材料は、金属硼化物を含有
する炭化珪素質材料と、該材料の表面に形成されてな
り、金属硼化物を含有しない炭化珪素または窒化珪素の
うちの少なくとも1種からなる被覆層とからなり、上記
被覆層は、化学的気相蒸着法あるいは有機珪素高分子熱
分解法により形成されてなることを特徴とするものであ
る。
〔発明の効果〕
本発明にかかるセラミックス複合材料は、靱性および
強度、特に高温強度に優れており、しかも耐酸化性にも
優れている。
この優れた効果を奏するのは、次の理由による。
母材である炭化珪素質材料は、その中に金属硼化物が
分散しているので、本来的に高靱性で、しかも高温強度
にも優れる。さらに、金属硼化物が分散していることに
より炭化珪素材料が酸化されやすいという欠点を、その
表面に被覆されてなる炭化珪素または炭化珪素のうちの
少なくとも1種からなる層が排除している。すなわち、
この被覆層が高温酸化雰囲気においてもその表面部がわ
ずかにSiO2に変化するのみで、酸素を金属硼化物が分散
している炭化珪素材料の内部まで拡散させない。
このように、本発明のセラミックス複合材料は、高靱
性および高温強度を保持しながら耐酸化性を向上してい
る。
従って、本発明にかかるセラミックス材料は、酸化雰
囲気で使用する高温機械部品に好適である。例えば、自
動車用ガスタービン部品、発電用ガスタービンの翼、排
熱回収用ファン、高温試験機の治具等が挙げられる。
〔発明の実施態様〕
以下、本発明の実施態様を説明する。
母材となる炭化珪素質材料は、炭化珪素(SiC)中に
金属硼化物が分散したものである。
上記金属硼化物の形態としては、粒子状でも繊維状で
もよい。また、金属硼化物としては、硼化チタン、硼化
ジルコニウム、硼化ハフニウム、硼化バナジウム、硼化
ニオブ、硼化タンタル、硼化クロム、硼化ニッケル、硼
化鉄、硼化タングステン、硼化モリブデン、硼化マンガ
ン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を
用いる。なお、2種以上の場合、それらの固溶体でもよ
い。上記金属硼化物の金属としては周期律表の第IV a〜
VI a族元素が望ましい。また、上記金属硼化物の中でも
TiB2、ZrB2、HfB2、VB2、NbB2、TaB2、CrB2、MoB2、WB2
等の二硼化物、あるいはMo2B5、W2B5が望ましく、その
中でもTiB2、ZrB2、HfB2の3種類のものおよびそれらの
間の固溶体は熱伝導率が比較的高いために特に望まし
い。
この母材中の金属硼化物と炭化珪素との体積比は、金
属硼化物:炭化珪素=5:95〜50:50の範囲内が望まし
い。この範囲よりも金属硼化物の量が少ないと、通常の
炭化珪素焼結体に比べて破壊靱性値の改善効果が小さ
く、この範囲より多いと、焼結体の熱膨張率が被覆した
炭化珪素に比べ大きくなりすぎ、被覆層の剥離が生じる
おそれがある。
また、金属硼化物が粒子の場合、その粒径としては、
複合材料の強度を害さないよう20μm以下が望ましい。
また、上記母材である炭化珪素質材料の表面に形成す
る被覆層は、炭化珪素または窒化珪素のうちの少なくと
も1種である。セラミックス複合材料が1300℃以上の高
温で保持されても、この被覆層が、母材の金属硼化物の
分散した炭化珪素質材料を酸化させることを防止する。
すなわち、1300℃以上の高温下、大気中で長時間曝し
ても、被覆層のごく表層部のみがSiO2となるのみで、酸
素は母材である金属硼化物を含む炭化珪素質材料まで拡
散しない。従って、例えば、大気中1300℃で100時間加
熱しても重量変化はなく、強度低下をほとんど示さな
い。
この炭化珪素または窒化珪素のうちの少なくとも1種
からなる被覆層は、高温下での使用時に酸素と反応し、
その表面はシリカ(SiO2)膜で覆われる。この表面から
のSiO2の生成は、使用温度が高く、時間が長くなるほど
内部へと進行するので、被覆層は厚いほど望ましい。例
えば、本発明にかかる炭化珪素質材料をガスタービンエ
ンジン部品として用いた場合、ガスタービンエンジ入口
温度と言われる1400℃、大気中100〜1000hr保持した状
態でSiO2の生成はほぼ5μmまでに達する。従って、こ
の場合には、被覆層は5μm以上とするのが望ましい。
該被覆層は、炭化珪素または窒化珪素のうちの少なく
とも1種のみで構成されていてもよいが、該層中に炭化
珪素または窒化珪素のウィスカーまたは粒子のうちの少
なくとも1種を配合してもよい。この場合、被覆層自体
の靱性も向上し、母材の優れた靱性とあいまって非常に
優れた靱性を有することになる。これは、材料にクラッ
クが発生しても、材料内部に分散している金属硼化物と
被覆中に含有する上記ウイスカー等とがクラックを分岐
あるいは屈折させるためである(実施例1参照)。この
炭化珪素または窒化珪素のウィスカーまたは粒子のうち
の少なくとも1種を配合する場合の配合量としては、被
覆層に対して50体積%までの範囲内が望ましい。これよ
り多く配合すると、被覆層は多孔質になりやすく、強度
および耐酸化性が低下する。
本発明のセラミックス複合材料は、金属硼化物が分散
してなる炭化珪素質材料の表面に炭化珪素または窒化珪
素のうちの少なくとも1種からなる被覆層が形成してな
るものである。
なお、本発明における炭化珪素、窒化珪素の結晶形態
は、α、β等いかなるものでもよい。
本発明のセラミックス複合材料の製造方法としては、
母材となる炭化珪素質材料を形成した後、該材料の表面
に上記被覆層を形成する方法がある。
母材となる、金属硼化物が分散してなる炭化珪素質材
料を形成する方法としては、原料である炭化珪素粉末と
金属硼化物とを焼結助剤と共に機械的に混合し、成形、
焼結する方法があるが、上記原料として金属硼化物では
なく、そのさらに原料である金属酸化物、金属炭化物、
金属窒化物のうちの少なくとも1種と硼素含有物質とを
使用するのが望ましい。この場合、焼結に至る途中で金
属酸化物、金属炭化物、金属窒化物の少なくとも1種と
硼素含有物質とが反応して金属硼化物が生成し、該金属
硼化物が炭化珪素中に分散・析出する。また、この場合
には、形成された母材である炭化珪素質材料の靱性が高
く、しかも高温での強度が低下しない。また、金属硼化
物を生成した後の余剰の硼素含有物質が焼結助剤として
作用して母相である炭化珪素を緻密化させる。焼結助剤
としては、硼素含有物質、炭素または熱分解後に炭素と
なる有機物質、Al、Al4C3、AlN等のアルミニウム含有物
質等が挙げられる。特に、アルミニウム含有物質は、焼
結温度を下げる効果がある。なお、焼結をホットプレス
で行う場合には、焼結助剤としての炭素は必要としな
い。
また、金属酸化物を用いる場合には、該金属酸化物を
還元するために炭素を必要とする場合がある。この場合
には、炭素または熱分解後に炭素となる有機物質を添加
しておくのがよい。
金属炭化物、金属酸化物、金属窒化物のうちの少なく
とも1種と、硼素含有物質と、必要に応じて炭素または
熱分解後に炭素となる有機物質とを用いて金属硼化物を
生成する反応は、例えば次のような例が挙げられる。
TiC+B2O3+2C→TiB2+3CO↑ ZrO2+2BN+2C→ZrB2+N2↑+2CO↑ HfC+2B→HfB2+C これらの反応が生じる温度は、反応により異なるが、
いずれも真空中または非酸化性雰囲気中で生じる。従っ
て、炭化珪素と、金属炭化物、金属酸化物、金属窒化物
の少なくとも1種と、硼素含有物質と必要に応じて炭素
または熱分解後に炭素となる有機物質との混合物を、金
型成形、静水圧成形、押出成形、射出成形、湿式プレス
成形、スリップキャンスティング、ドクターブレードな
どの成形法で望みの形状にした後、真空または非酸化性
雰囲気中1900〜2300℃で焼結する。ホットプレスの場合
は1800〜2300℃で加圧焼結する。また、ポストHIP法あ
るいは直接HIP法を利用することもできる。
このようにして得た炭化珪素質材料はそのまま、ある
いは必要に応じて機械加工、放電加工等により望みの形
状にするか、あるいはショットブラスト、バレル研磨等
により材料表面の凹凸を小さくした後、表面に炭化珪素
または窒化珪素のうちの少なくとも1種の被覆層を形成
させる。
被覆層の形成方法としては、化学的気相蒸着(CVD)
法、あるいは有機珪素高分子熱分解法がある。このCVD
法と有機珪素高分子熱分解法を以下に説明する。
(A)CVD法 炭化珪素の被覆層を形成する場合、前記の金属硼化物
を含む炭化珪素材料を反応炉内に置き、これに反応ガス
としてのSiCl4、SiHCl3またはSiH4等からなるSi源ガス
と炭化水素等からなるC源ガスとを共に流すか、あるい
はSi源であると共にC源でもあるCH3SiCl3または(C
H34Si等のガスを流し、必要に応じてH2や不活性ガス
を加え、1000〜1500℃の温度で炭化珪素質材料を加熱す
ることにより、炭化珪素質材料の表面にSiC被覆層を形
成せしめる。被覆層を構成する原子比はSi/C=1に近い
ほど望ましく、Cが過剰な場合にも、Siが過剰な場合に
も、共に耐酸化性が低下する。また、プラズマCVD法に
よって600〜800℃の低温で、上記反応ガスを用いてSiC
層を形成せしめることもできるが、この層はアモルファ
ス状であり、しかも塩素等を含んでいることが多く、12
00℃以上の高温で使用した場合に、層からガスが発生し
たり、層が結晶化してβ−SiCとなる際に層に割れや剥
離を生じることがあるので、前述の1000〜1500℃で行う
熱CVDがより望ましい。
また、炭化珪素の被覆層を形成する場合、前記しSi源
ガスとNH3またはN2等のN源ガスとを用い、上記炭化珪
素質材料を1000〜1500℃に加熱することにより、材料表
面に窒化珪素被覆層を形成せしめる。
なお、SiC被覆層中に炭化珪素または窒化珪素のウイ
スカーまたは粒子のうちの少なくとも1種(以下、フィ
ラーと称する)を配合する場合には、金属硼化物を含む
炭化珪素質材料の表面に予めフィラーを付着させてお
き、その後CVD法により被覆層を形成する。炭化珪素質
材料表面にフィラーを付着させる方法としては、フィラ
ーが必要に応じてバインダーや界面活性剤が溶解した水
または有機溶媒に分散したスラリーに炭化珪素質材料を
浸漬した後取り出して乾燥させてもよいし、また、フィ
ラーに有機化合物、あるいはさらに有機溶媒を添加し、
射出成形、塗布、吹き付け等により付着せしめた後、加
熱により上記有機化合物、有機溶媒を熱分解・除去して
もよい。
(B)有機珪素高分子熱分解法 金属硼化物を含む炭化珪素質材料の表面にポリメチル
カルボシラン、ポリシラスチレン等のポリカルボシラン
類あるいはポリシラザン等の有機珪素高分子を溶解した
有機溶媒を塗布し乾燥後、真空中、あるいはAr、N2等非
酸化性雰囲気中において600〜1500℃の温度で熱分解に
より、表面に被覆層を生じせしめる。
なお、被覆層中にフィラーを配合する場合には、炭化
珪素質材料の表面にフィラーを付着せしめて、該フィラ
ーに上記有機珪素高分子を溶解した有機溶媒を含浸させ
てもよく、あるいは上記有機珪素高分子を溶解した有機
溶媒に予めフィラーを分散させておき、これを炭化珪素
質材料表面に塗布してもよい。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を説明する。
実施例1 SiC(α型、粉末の平均粒径0.4μm)にTiO2(ルチル
型、0.4μm)、TiC(1.5μm)、B4C(1.5μm)、C
(カーボンブラック、0.02μm)を添加し、混合、成形
した後、Ar中2150℃で常圧焼結することにより得られ
た、SiC:TiB2=80:20(体積比)のTiB2析出強化炭化珪
素質材料から3×4×40mmのJIS規格抗折試験片を製作
し、次に示すような表面処理を行った。
(試料No.1)上記炭化珪素質材料からなる試験片表面を
研磨した後、ギャリアガスとしてH2ガスを毎分5cc、CH3
SiCl3を毎分20g供給しながら1400℃の温度に加熱し、焼
結体試料の表面に厚さ約20μmのβ−SiC層を形成し
た。
(試料No.2)上記試験片を、SiCウイスカーを分散させ
たポリビニルアルコール(PVA)溶液に浸漬した後、窒
素中400℃で脱脂することにより、試験片表面にSiCウイ
スカーを付着させた。この試験片を試料No.1と同様に処
理して、その表面にSiCウイスカーを含む厚さ約30μm
のβ−SiC被覆層を形成した。
(試料No.3)上記試験片を研磨した後、キシレンに溶解
したポリメチルカルボシランを塗布し、乾燥した後、Ar
雰囲気中1200℃で加熱し、熱分解を行った。熱分解後に
はβ−SiCの被覆の形成が確認されたが、一部に層の剥
離もあった。この試料に対し、〔ポリメチルカルボシラ
ン塗布→乾燥→熱分解〕さらに3回、計4回繰り返した
ところ、厚さ20〜50μmのβ−SiC層が形成された。
(試料No.4)試料No.2と同様の方法で表面にSiCウイス
カーを付着せしめた上記試験片を、キシレンに溶解した
ポリメチルカルボシラン中に浸し、この容器全体を真空
排気することによりポリメチルカルボシランを試料表面
に含浸した。この試験片に、試料No.3と同様にして、
〔ポリメチルカルボシラン含浸→乾燥→Ar中1200℃で熱
分解〕の処理を4回繰り返して、SiCウイスカーを含む
厚さ30〜70μmのβ−SiC被覆層を試験片表面に形成し
た。
(試料No.5)試験片の表面を研磨した後、SiC粒子(α
型、平均粒径0.65μm)を分散させた、ポリカルボシラ
ン−キシレン溶液を塗布し、乾燥した後、Ar雰囲気中12
00℃で熱分解した。〔塗布→乾燥→熱分解〕の処理を計
3回繰り返すことにより、SiC粒子を約30体積%含む厚
さ20〜60μmのSiC被覆層を試験片表面に形成した。
(試料No.6)試験片の表面を研磨した後、キャリアガス
として水素を毎分5cc、SiCl4を毎分15g、およびNH3を毎
分50cc供給しながら1350℃に加熱し、試験片の表面に厚
さ約15μmのα−Si3N4被覆層を形成した。
(比較試料No.C1、C2)上記試験片にSiC被覆処理を施さ
ない試料を比較試料No.C1とした。また、金属硼化物が
分散していない密度3.1g/cm3のSiC常圧焼結体に試料No.
1と同様の方法にしてSiC被覆処理を行い、表面に厚さ20
μmのβ−SiC被覆層を形成した試料を比較試料No.C2と
した。
(評価)上記8種類の試料について、IM(インデンテー
ション・マイクロフラクチャー)法により靱性値(KIC
値)を測定し、さらに大気中1300℃×100hrの酸化処理
後の強度および酸化による重量変化を測定した。なお、
強度はJIS規格R1601に準拠した4点曲げ試験により評価
した。その結果を第1表に示す。
第1表より明らかなように、本実施例の試料は、比較
例(C1)の試料に比べて、酸化による重量増加が少な
く、酸化されにくく、酸化後の強度低下が実質的にない
ことがわかる。また、比較例 (C2)の試料に比べてKIC値が高いことがわかる。従っ
て、優れた耐酸化性と高靱性を合わせ持つ材料であるこ
とがわかる。
実施例2 SiC(β型、0.3μm)に対し、それぞれ第2表に示す
ような原料粉末を添加し、混合、成形した後、Ar雰囲気
中2100℃でホットプレスすることにより、種々の金属硼
化物を含む炭化珪素質焼結体を得た。いずれの焼結体も
SiC:金属硼化物=80:20(体積比)となるように設定し
た。これらの焼結体の表面を研磨し、実施例1の試料N
o.2と同様な方法で、焼結体表面にSiCウイスカーを含む
厚さ約20〜40μmのβ−SiC被覆層を形成した。
また、比較のため、上記の金属硼化物を含む炭化珪素
質焼結体に被覆処理をせずに比較試料とした。
上記試料について、実施例1と同様にして、KIC値、
4点曲げ強度、および酸化処理による重量変化を測定し
た。その結果を第2表に示す。
第2表より明らかなように、本実施例の試料は、比較
例の試料に比べて、酸化による重量増加が少なく、酸化
されにくく、酸化後の強度低下が実質的にないことがわ
かる。また、KIC値、4点曲げ強度とも大きく、高靱
性、高強度(特に高い高温強度)であることがわかる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属硼化物を含有する炭化珪素質材料と、
    該材料の表面に形成されてなり、金属硼化物を含有しな
    い炭化珪素または窒化珪素のうちの少なくとも1種から
    なる被覆層とからなり、上記被覆層は、化学的気相蒸着
    法あるいは有機珪素高分子熱分解法により形成されてな
    ることを特徴とするセラミックス複合材料。
  2. 【請求項2】上記被覆層は、炭化珪素または窒化珪素の
    ウイスカーまたは粒子のうちの少なくとも1種を含有し
    てなる特許請求の範囲第(1)項記載のセラミックス複
    合材料。
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