JP2657583B2 - 神経系変性疾患の治療に対するニコチン類似体の利用 - Google Patents

神経系変性疾患の治療に対するニコチン類似体の利用

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本出願は1991年3月1日に提出され、ここに引用して
編入されているU.S.通し番号07/662,867の一部継続出願
である。
技術分野 本発明は、アナバセイン、DMAB−アナバセインとアナ
バシン、及び、これらの物質の神経系変性疾患治療のた
めの利用に関する。
背景技術 神経系疾患を分類するに当たり、それを変性的という
分類に纏め、それによってこれらの疾病が徐々に展開し
て容赦なく進行する神経死を特徴とすることを示唆する
ことが長い間の慣例であった。科学の示すところでは、
変性的と分類される疾患のかなりの部分が、遺伝的素質
に関連し、優性、または劣性遺伝型質のパターンを取る
結果となっている。しかしながら、他の疾患は、基本的
には遺伝的疾患と異ならないものの、ある家族内の隔絶
した病例として突発的にのみ発現することもあり得る。
それ故、定義によって、変性疾患の分類は、その原因
または病原に関する正確な知識に基づいてすることが出
来ないので、これらの疾患の個々の症候への細分類は、
大いに病理解剖と臨床的症状の考慮に頼ることになる。
その結果、このグループの疾患は、いくつかの臨床的症
状の形をとって現れる。しかしながら、ある症状の他と
の区別を可能にする一般的な差異は別として、この部類
の疾患全体に特徴的な一定の一般的特質がある。
神経系の変性疾患は、いくつか名前を挙げると、典型
的に、以下のように分別することが出来る:他の著明な
神経学的徴候の無い進行性痴呆によって特徴づけられる
疾患(例、アルツハイマー病、老人性痴呆とピック
病)、進行性痴呆と他の著明な神経学的異常を合せ持つ
症候群(例、ハンチントン病、ハルホンデン−スパツ及
び進行性家族性間代性筋痙攣性癲癇)、徐々に進行する
姿勢と運動の異常(例、パーキンソン病、線条体黒質変
性、捻転失調、ジル・ド・ラ・ツレット症候群)、進行
性運動失調症候群(例、小脳皮質変性、オリブ橋小脳皮
質萎縮、及びフリードライヒ家族性遺伝性運動失調症)
と運動ニューロンの病気を伴わない筋薄弱と筋消耗症候
群(例、筋萎縮性側索硬化症、脊髄筋萎縮症、及び遺伝
性強直性対麻痺)。
上に挙げられた病気の中で、恐らく最も有名なのはア
ルツハイマー病とパーキンソン病であらう。これらの病
気は加令と特徴的に関連している進行性神経疾患であ
る。アルツハイマー病は記憶と他の認識機能の深刻な喪
失が特徴であり、一方、パーキンソン病は錘体外路型系
関与の運動の失調である。両者とも常に致命的である。
アルツハイマー病に対する効果的な治療は無いが、脳の
コリン作動性伝達を増大する数種の薬物を用いて臨床試
験が進行中である。パーキンソン病においては、いくつ
かの治療法、特に黒質線条体路におけるドパミンを補充
するL−DOPA関連の治療が一時的に有効である。しかし
ながら、パーキンソン病においては最良の薬物でさえ、
その治療効果はせいぜい一時的である。
アルツハイマー病の後期におけるニューロンの喪失は
深甚であるけれども、その極く初期の段階においてほん
の少しのニューロン路が影響を受けるに過ぎない。これ
らには、下オリブ核から大脳皮質、及び中隔から海馬に
至るコリン作動性投射繊維、青斑から大脳皮質に至るノ
ルアドレナリン作動性投射繊維、及び大脳皮質に恐らく
本来備わっているいくつかのペプチド性ニューロンが含
まれる。上述のコリン作動性路の喪失は、特に初期の記
憶喪失の基礎になっていると信じられている。それらは
これらの経路は記憶と認識に重要であることが知られて
いるからである。この関連がアルツハイマー病に対す
る、少なくともその初期段階における新しいコリン作動
性治療に大いに重点を置く所以である。
最近のアルツハイマー病の研究は、ラットにおいて、
下オリブ核から大脳皮質にいたるコリン作動性投射繊維
の喪失は、長期間に亘って、シナプス横断性ニューロン
の喪失を引き起こすに十分なことを証明した。このよう
にして、アルツハイマー病において類似のコリン作動性
ニューロンの初期の喪失は、深刻なカスケード現象を起
こし、何年にも亙って多くのニューロンを喪失する結果
になり得ると考えられる。もしそうであれば、次に、補
充治療はこれらニューロンの生存を改善するだけでな
く、多分さらに大切なことは、他の脳細胞を死から守る
ことになるかも知れないことである。
このような治療が可能であれば、記憶を改善し、ある
いは/及び、脳ニューロンを死滅から守る見込みの最も
高いコリン作動性試薬のタイプを決めることがず第一に
重要である。この問題に取り組むためには、脳に於ける
コリン作動性伝達の2つの一般的なタイプを考慮するこ
とが必要である。一つはムスカリン性、他はニコチン性
である。これらの術語は、アセチルコリンがその神経伝
達物質効果を顕現するために結合するレセプターのタイ
プに基づくものである。脳の記憶に連繋する領域に、両
タイプは共存するものの、ムスカリン性レセプターはニ
コチン性レセプターを量的に凌駕している。この理由か
ら、大抵の研究者は、記憶関連の行動を改善するために
伝統的にムスカリン性作動薬の開発に焦点を置いて来
た。これらの試薬は、ラットにおいて下オリブ核の病変
に緩和な効果を持つが、深刻なアルツハイマー病患者に
はあまり効果の無いことが見出だされている。
しかしながら、ニコチン性伝達もまたアルツハイマー
病の治療に重要かも知れないと信じる理由がある。これ
は、この病気の間、大脳皮質のニコチン性レセプターは
著しく減少するが、一方、シナプス後膜のムスカリン性
レセプター量はしばしば変化しないという事実によって
支持されている。これらの観察は、ニコチン性レセプタ
ーを発現しているニューロンがこの病気において喪失す
るという仮説と一致している。これらの観察と下オリブ
核から上流のコリン作動性ニューロンの病変は皮質にお
けるシナプス横断性ニューロンの喪失を引き起こすとい
う発明者の観察とを合わせると、シナプス横断的に(そ
してアルツハイマー病において)死ぬ皮質のニューロン
は、十分なニコチン性刺激を受けないから死滅するので
あるという仮説が立てられる。かかる理由から、発明者
は、ニコチン性試薬は、アルツハイマー病において、さ
もなくばニコチン性伝達の欠如から死亡するであろう脳
ニューロンの生存を継続するための補充療法として有効
であるかも知れないと信じるものである。類似の状況は
以下のようないくつかの他の系にも存在している:
(a)ニコチン性活性化の欠如で萎縮する筋肉細胞、
(b)培養系で生存するために、神経成長因子、あるい
はニコチン性伝達(カルシウムイオンの存在下)を必要
とする交感神経節、及び、(c)黒質の病変後、ニコチ
ンによって部分的に死滅を免れると思われる黒質線条体
ドパミンニューロンなど。また、脳にはいくつかのタイ
プのニコチン性レセプターがあり、一定のニコチン性部
位を薬物の標的とする際、相当な潜在的選択性を可能に
していることに注目することが重要である。
ニコチン治療がパーキンソン病の動物モデルにおいて
黒質線条体のドパミンニューロンを保護することが出来
るという観察は、この病気の発病率がシガレット喫煙者
において低いという(喫煙により誘発される死亡率の増
加に対する調整をした後でさえ)疫学的証拠と一致す
る。ニコチンが、これらニューロンを保護出来る機構は
不明であるが、これらニューロンは、このタイプのコリ
ン作動性レセプターを持っているので、ニコチン性伝達
のドパミンニューロン自体に対する効果が含まれている
ように思われる。この特許申請の後半はニコチン性レセ
プター試薬によるアルツハイマー病の可能性のある治療
に焦点を合わせているが、これらの薬物は、パーキンソ
ン病において消失するドパミン作動性ニューロンに対し
ては、僅かばかりか、あるいは、それよりもう少し効果
的であるに過ぎないことに注目すべきである。
ニコチンは、アルツハイマー病の治療のためのいくつ
かの臨床検査において、主として、その潜在的記憶向上
効果のため(長期のシナプス横断性細胞喪失を阻害する
能力のためでなく)、割合短い間隔で使用されている。
ある最近の研究において、ニコチンは、記憶に対して僅
かばかりの肯定的効果を、そして、患者の気分改善には
より大きな効果を示した。しかしながら、これらの肯定
的結果は、長期の結果による追跡はされていない。不幸
にして、ニコチンは、ヒト及び動物において記憶関連行
動を改善するという歴史があるものの、その潜在的毒
性、低有効用量範囲、及び末梢における副作用は、アル
ツハイマー病の治療に対してこの薬物を基本的に受入れ
にくくしてきた。
かくして、コリン作動性伝達を促進するが、ニコチン
とは異なり、比較的毒性のない試薬に対する要請が相当
にある。本発明は、この様な可能性を持つ試薬の使用法
を提供する。
発明の開示 本発明は、アナバセイン、DMAB−アナバセイン、及び
アナバシンが、脳の神経皮質コリン作動性活性全般を改
善するために利用出来るという発見から発生した。これ
らの試薬のニコチン性レセプターとの相互作用は、ニコ
チンに比べ、毒性レベルを低下させた。
ニコチン若しくはその同類体の、アルツハイマー病あ
るいはパーキンソン病のような変性神経病に対する臨床
的有効性についての長期に亘る研究が無かったので、本
発明は下オリブ核病変ラットを、上向ニューロン喪失に
よって惹起されるシナプス横断性ニューロン変性のモデ
ルとして開発した。下オリブ核におけるコリン作動性ニ
ューロンの両側の病変はイボテン酸で誘発し、新皮質の
コリン・アセチルトランスフェラーゼ、即ちコリン作動
性ニューロンに対して選択的な酵素、の活性に長期の、
本質的には不可逆的な欠損を引き起こした。しかしなが
ら、受け身の回避行動、特に下オリブ核の病変に敏感な
学習と記憶の典型は、病変後、2−8ケ月間にいつか、
正常レベルに回復すると報告されている。
本発明の種々の他の局面や付随する利点は、次の詳細
な説明を付随する実施と合わせて理解することによって
十分に評価されるであろう。
図面の簡単な説明 図1 マイネルト基底核病変のアナバセインによって誘
導される受け身回避行動改善に対する影響 図2 マイネルト基底核病変のDMAB−アナバセインによ
って誘導される受け身回避行動改善に対する影響 図3 アナバシンの受け身回避行動に対する効果 図4 DMAB−アナバセインの17放射迷路における老齢ラ
ットの行動に対する効果 図5 DMAB−アナバセインのラシュレイIII迷路におけ
る老齢ラットの行動に対する効果 図6 アナバセインで処理した脳組織からのアスパラギ
ン酸の放出 図7 DMAB−アナバセインで処理した脳組織からアスパ
ラギン酸の放出 発明の詳細な説明 アナバセイン、2−(3−ピリジル)−3,4,5,6−テ
トラヒドロピリジン、はある種の海産の虫に生じ、これ
らの虫はこの物質を餌食の麻痺や捕食動物の阻止に利用
している(Kem,et al.,Toxicon,9:23,1971)。アナバセ
インは脊椎動物の神経筋のニコチン性アセチルコリンレ
セプターの強力な活性化物質である(Kem,Amer.Zoologi
st,25:99,1985)。ニコチンとアナバセインは共にピリ
ジン環の3位に結合した非芳香環を持つ。アナバセイン
の非芳香属テトラヒドロピリヂン環のイミン二重結合は
3−ピリジン環のπ電子と共役している。イミンの窒素
はニコチンのピロリジン窒素よりも遥かに弱い塩基であ
る(Yamamoto,et al.,Agr.Biol.Chem.,26:709,1962)。
ニコチンの非芳香族環の窒素は、骨格筋のニコチン性レ
セプターに貧欲に結合し、そのチャンネルの開口を活発
にするために、プロトンを付加されている(陽イオン
化)に違いないと証拠(Barlow and Hamilton,Brit.J.P
harmacol.,18:543,1962)が相当にある。生理的pHにお
いて、アナバセインは、また、環状イミン(非イオン化
の)、及び環状イミニウム(一価陽イオンの)型だけで
なく、加水分解されたアンモニウム−ケトン型としても
存在する。本発明者は、アセバセインは、主としてその
環状イミニウム型によって中枢のニコチン性レセプター
の作動薬として作用すると決定した。
アナバセインの合成は最初1936年に発表された(Spat
h,et al.,Chem.Ber.,69:1082,1936)。あいにく、この
方法は、蒸留やピクリン酸塩調製を含む念入りな分離計
画を使用した。医薬として、ピクリン酸塩は利用価値が
無い。実際、ピクリン酸塩は有毒であり、爆発の可能性
があるので、その存在は、この方法で製造された時、ア
ナバセインの生理的な系での直接使用を妨げてる。
最初に合成されたアナバセインの類似体は3−[p−
(ジメチルアミノ)ベンジリデン]−3,4,5,6−テトラ
ヒドロ−2,3−ビピリジン、またはDMAB−アナバセイン
とも呼ばれる、であった(Kem,et al.,Toxicon,:23,1
971)。この化合物は、アナバセインに対するエールリ
ッヒ試薬の求電子的攻撃から生じ、安定なオレンジ色の
化合物である。
本発明は、以前に開示された合成法に伴う諸問題を克
服するアナバセイン合成の改良法を提供する。
アナバセインの改良合成の第一部、ニコチン酸の活性
化誘導体と修飾された2−ピペリドンの結合は混合クラ
イゼン縮合を用いて行われる。合成の第2部は、縮合産
物の加水分解と脱炭酸反応を含む。全般の反応順序を下
に示す。
ここに示された図式には、一定の保護と活性化のグル
ープが特に図示してある。しかしながら、専門家は他の
保護と活性化のグループも使用し得ることに気付くであ
ろう。例えば、多様なアミノ基保護グループを2−ピペ
リドン(1)の窒素 の保護に用いることが出来る。代表的なアミノ基保護グ
ループはC1−C4アルカノイル、ベンジルと、トリメチル
シリルとブチルジメチルシリルのようなトリアルキルシ
リル誘導体である。好適なアミノ基保護グループはトリ
メチルシリル(TMS)である。TMSで保護された2−ピペ
リドン(2)は脱プロトン化とそれに続くトリメチルク
ロロシランとの反応によって作られる。代表的なシリル
化の条件はテトラヒドロフラン(THF)のような不活性
溶媒中、−72℃でリチウムジイソプロピルアミド(LD
A)を用いることである。各1モルの2−ピペリドン当
たり、少なくとも1モルのLDA、望ましくは、11/2モル
を完全なシリル化を確実にするために使用すべきであ
る。温度を−70℃に維持する間に、少なくとも1モル当
量のTMSがLDAを加えた混合物と混ぜられる。普通、シリ
ル化は反応温度を周辺の温度にまで上げることによって
数時間で完了する。
保護された2−ピペリドン(2)は次の塩基によって
エノール化されてエノラートとなる。便宜上、このエノ
ール化は、単に追加のLDAを化合物(2)を含む反応混
合物に加えることによって行うことが出来る。これは好
適な過程の1つであるが、使用し得る他の適当な塩基に
は、NaNH2あるいはKNH2のような金属アミド、NaHあるい
はKHのような水素化金属、及びNaあるいはKのような金
属が含まれる。実際には、反応混合物を−70℃に冷却
し、この時点で少なくとも1モル当量のLDAを加える。
エノール化は普通1時間内に完了し、結果として生じる
アミドエノラート(3)は直接、次の縮合反応に使用出
来る。
2−ピペリドンエノラートとニコチン酸誘導体間の重
要なクライゼン縮合は、例えば、リチウムアミドエノラ
ート(3)を、THFのような不活性溶媒中、約1モル当
量のニコチン酸エチルと合わせることによって遂行する
ことが出来る。反応温度は変えてもよいが、縮合を−70
℃で始め、温度は周辺温度に上昇するのに任せるのが望
ましい。反応完了には数時間から24時間を要する。
ニコチン酸のエチルエステル型(4)がここに図示さ
れているが、縮合を促進するためのカルボキシル基の活
性化は、この分野で知られている他の活性化グループに
よっても達成することが出来る。無水物、特に環状無水
物、酸ハロゲン化物、及び、N−ヒドロキシこはく酸イ
ミドとN−ヒドロキシフタルイミドから誘導されるよう
な活性化エステルは、ここに述べられている縮合に有用
である。エチルエステル以外のC5までのアルキルエステ
ルもまた使用出来る。
縮合生成物(5)は加水分解によってTMSグループを
除去した後、分離される。生成物(5)は、通常、さら
に精製すること無く、加水分解と脱炭酸反応にかけられ
る。
化合物(5)の最後のアナバセイン(6)への転換
は、先ず、化合物(5)を濃塩酸のような強酸で加水分
解し、次に中間体β−ケト酸(上記の反応順序には示さ
れていない)を脱炭酸して達成される。加水分解と脱炭
酸段階は両方共、都合のよいことに、1つの容器中、濃
塩酸の存在下、高温で、例えば、還流下で行う事が出来
る。アラバセイン(6)は、このようにして、その二塩
酸塩として得られる。
アナバシンは、Aldrich Chemical co.から市販品とし
て購入することが出来る。アナバシンのもう1つの入手
法はアナバセインの還元である。
アナバセインのアナバシンへの還元はいくつかの方法
によって達成することが出来る:(1)E.Spath et a
l.,Chem.Ber.69,1082(1936)に記載されているように
パラジウム黒上、水素による水素化、(2)E.Leate.J.
Org.Chem.44,165(1979)に記載されているようにシア
ノ水素化ほう素ナトリウム、あるいは、水素化ほう素ナ
トリウムによる水素化ほう素による還元、及び、(3)
熱ぎ酸による還元。
次の構造式を持つアナバシンはピペリジン環の2−炭
素に不斉中心を含む。
このように、アナバシンは光学的活性型として存在す
ることが出来る。本発明はこのような光学的に純品のア
ナバシン、その鏡像(異性)体、及びそのラセミ体を包
含する。
アナバセインとアナバシンの遊離の塩基型は、酸付加
塩を形成し、これらの酸付加塩は無毒で、医薬として治
療に用いることが許容される。酸付加塩は標準の方法、
例えば、アナバセインあるいはアナバシン(塩基)を適
当な溶媒(例、水、酢酸エチル、アセトン、メタノー
ル、エタノール、あるいはブタノール)に溶かした溶液
を、化学量論的に当量の適当な酸を含む溶液と合わせる
ことによって作られる。もし、塩が沈澱すれば、濾過に
よって回収される。その代わりに、塩は溶媒を蒸発させ
て、あるいは水溶液の場合には凍結乾燥によって回収す
ることも出来る。特に有用なのは硫酸塩、塩酸塩、臭酸
塩、硝酸塩、りん酸塩、くえん酸塩、酒石酸塩、pamoat
e,過塩素酸塩、スルホサルチル酸塩、ベンゼンスルホン
酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、及び、2−ナフタレ
ンスルホン酸塩である。これらの酸付加塩は本発明の範
囲と視野内にあるものと考える。
アナバセインの合成に上記の方法を用いた結果、
(1)その化学は一層すっきりとして簡単となり、
(2)より高得量のアナバセインが得られ、また、
(3)ピクリン酸は存在せず、そのようなわけで、さら
に直接に医薬として有用な形のアナバセインが生成され
るようになった。
“治療上効果的”という用語は、用いられたニコチン
性レセプター試薬の総量が脳のコリン作動性伝達を増大
するに十分な量であることを意味する。本発明の試薬を
適用するための薬用量の範囲は、ニコチン性レセプター
がある程度の刺激を示す期待の効果を生ずるに十分に大
きなものである。薬用量は望ましくない交叉反応、アナ
フィラキシー反応等のような有害な副作用を引き起こす
程に大きくてはならない。一般的に、薬用量は患者の年
齢、状態、性別、及び、病気の程度と共に変化する。薬
用量は何か矛盾のある際には個々の医師によって調整す
ることが出来る。薬用量は、1日から数日の間、毎日1
回からそれ以上の適用において、約1μg/kg/服用量か
ら約1000μg/kg/服用量まで、望ましいのは約10μg/kg/
服用量から約500μg/kg/服用量まで、最も望ましいの
は、約30/kg/服用量から約100μg/kg/服用量まで変化す
ることが出来る。代わりに、認識機能喪失の再発を防止
するために無期限に、例えば試薬を徐放型にして用いる
ことにより、適用することが出来る。
本発明のニコチン性レセプター試薬は、腸溶的に、注
射で、あるいは時間をかけて緩徐な潅流によって適用す
ることが出来る。本発明のニコチン性レセプター試薬
は、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、窩洞内、経皮的、
あるいは経口的に適用することが出来る。
非経口適用の製剤には、滅菌した水溶液、あるいは非
水溶液、懸濁剤、及び乳剤が含まれる。非水溶媒の例
は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、
オリブ油のような植物油、及びオレイン酸エチルのよう
な注射可能の有機エステルである。水性の担体には、
水、アルコール/水の溶液、乳液、あるいは懸濁液が含
まれる。非経口のビヒクルには、塩化ナトリウム溶液、
リンゲルのデキストロース、デキストロース、塩化ナト
リウム、加乳酸リンゲル液、あるいは凝固オイルが含ま
れる。静脈内適用のビヒクルには、液体と栄養物補液、
電解質補液(リンゲルのデキストロースに基づいた補液
のような)等が含まれる。保存剤や他の添加物、例え
ば、抗微生物剤、抗酸化剤、キレート剤、及び不活性ガ
ス等が存在することもある。効果的適用に適した製剤と
して容認される組成を形成するために、これらの組成に
は、ビヒクルの適量と共にニコチン性レセプター試薬の
有効量を含む。
追加の製剤法が作用の持続性を制御するために用いら
れることがある。放出を制御された製剤はニコチン性レ
セプター試薬と複合し、あるいは吸収するポリマーを用
いて作ることが出来る。制御された放出は、適当な巨大
分子(例、ポリエステル、ポリアミノ酸、ポリビニルピ
ロリドン、エチレンビニル酢酸、メチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、及びポリタミン硫酸)と、
放出を制御するための組み込み方法のみならず巨大分子
の濃度を選ぶことによって果たすことが出来るかも知れ
ない。放出制御製剤によって作用持続時間をコントロー
ルする他の可能な方法は、ニコチン性レセプター試薬
を、ポリエステル、ポリアミノ酸、ヒドロゲル、ポリ
(乳酸)、あるいはエチレンビニル酢酸コポリマーのよ
うなポリマー素材の粒子に組み入れることである。それ
ともまた、ニコチン性レセプター試薬をこれらの粒子に
組み込む代わりに、ニコチン性レセプター試薬を、例え
ば、コアセルベーション法、あるいは界面ポリマー化に
よって作られたミクロカプセルに、夫々、例えば、ヒド
ロキシメチルセルロース、あるいはゼラチン−ミクロカ
プセル、及びポリ(メチルメタアクリル酸)ミクロカプ
セルに、あるいは、コロイド薬物輸送系、例えば、リポ
ソーム、アルブミンミクロ球、ミクロ乳剤、ナノ粒子、
及びナノカプセル、あるいは、マクロ乳剤に封入するこ
とが可能である。このような技法は、RemingtonのPharm
aceutical Sciences(17版、A.Oslo編集、Mack,Easton,
PA,1985)に記されている。
本発明は、また、本発明のニコチン性レセプター試薬
を含む薬剤、あるいは製剤組成を作る方法に関する。こ
の薬剤は脳のコリン作動性伝達を刺激する治療に用いら
れている。
上記の開示は本発明の全般的な記述である。一層完全
な理解が以下の特例を参照することによって得られるで
あろう。これらの例は例示の目的のためにのみここに提
供されたものであり、本発明の範囲を限定することを意
図したものではない。
例1 アナバセインの合成 二塩酸塩で結晶型のアナバセインは、始めの3−ニコ
チノイル−2−ピペリドンエノラートの合成を経て、こ
れを次いで加水分解し、脱炭酸してアナバセインを生成
することによって調製される。
1) 3−ニコチノイル−2−ピペリドン エノラート
の調製 a) 反応 窒素導入管を取り付けら250ml容のフラスコを火炎で
乾燥し窒素で充満した。乾燥THF(40ml)をこのフラス
コに入れ、ドライアイス/アセトン槽で−70℃に冷却し
てから、38ml(57mmol,1.5当量)の1.5M LDAのシクロ
ヘキサン溶液(Aldrichより購入)を加えた。5.68g(5
7.3mmol,1.5当量)の2−ピペリドン(予め乾燥)を15
−20mlのTHF(乾燥するためナトリウムとベンゾフェノ
ンから蒸留)に溶かしたものをカニューレを通じ、20分
かけて撹拌中のLDA溶液に−70℃で加え、脱プロトン化
されたアミドを作った。反応混合物を−70℃で撹拌の間
に、72ml(56.7mmol,1.5当量)のトリメチルシリルクロ
リドをオーブンで乾燥した注射器によって一度に加え
た。その結果出来た溶液を−70℃で15分、室温で2時間
撹拌して、TMSで保護されたピペリドンを形成した。溶
液は乳色となり、−70℃で数分後に、固体の沈澱物(Li
Clと思われる)を形成した。室温で沈澱は溶解し、溶液
は透明な黄色であった。反応混合物を−70℃に下げ、さ
らに38ml(57mmol,1.5当量)の1.5M LDAを撹拌下に加
えてアミドエノラートを形成した。反応混合物を−70℃
で20分間撹拌後、5.2ml(38mmol,1当量)のニコチン酸
エチルを加えた。反応混合物を−70℃で20分間、ついで
室温で17時間激しく撹拌した。室温で30分間撹拌後、反
応混合物は濁り、90分後には沈澱物を含んで来た。も
し、保護された2−ピペリドンエノラートを1.5当量の
代りに2当量用いれば、得量を上げることが出来る。
室温で17時間撹拌後、反応混合物はクリーム色の沈澱
(生成物)によって濃厚となった。水(50ml)を加え、
反応混合物を15分間撹拌してTMS保護基を加水分解し
た。濃厚な糊状の沈殿を反応混合物から濾別した。沈殿
は放置すると水を取り込むように見えたが、やがて安定
な淡黄色の固体となった。固体をピストル型乾燥器で乾
燥すると、8.060gの淡黄色粉末状の固体(mp>250℃)
が得られた。この固体はさらに精製することなく使用さ
れた。
反応混合物からの残りの相(水と有機)は、硝酸鉄
(Fe(NO3)を用いて生成物に対するチェックをす
ることが出来る。硝酸鉄の水溶液は、化合物が存在する
と暗青色から紫色に変わる。追加の生成物のチェックの
ため、反応混合物からの水相あるいは有機相を中和した
サンプルに硝酸鉄溶液を数適加えてみよ。
2)3−ニコチノイル−2−ピペリドン エノラートの
アナバセインへの加水分解/脱炭酸 a) 反応 第一段階の3−ニコチノイル−2−ピペリドンのリチ
ウムエノラートを、氷槽で冷却し撹拌されている濃塩酸
30mlを含む丸底フラスコに徐々に加えた。エノラートは
容易には溶けなかった。反応混合物は、加水分解と脱炭
酸を達成するために窒素気流中、還流下に一晩加熱し
た。生成物のアナバセイン二塩酸塩は、水に極めて易溶
であった。反応は、余り大量の酸水溶液で稀釈すべきで
ない、さもないと、生成物は仕上げ操作の間に結晶化し
ないであろう。
次ぎに、反応混合物を室温に冷却し、イソプロピルア
ルコールで徐々に稀釈して容量約350mlにした。イソプ
ロピルアルコール溶液を冷蔵庫で冷却すると、生成物は
徐々に結晶化した。溶液は放置して室温にまで暖めてか
ら、3.88gの白色針状結晶性の固体(mp 173−178℃、
分解)を濾取した。濾液を冷蔵庫で冷やして、生成物の
2番手の収量0.209gを得た。
最初に収穫した固体は、それを200mlの熱イソプロピ
ルアルコールに加え、すべての固体が溶解するまで6M
HClを沸騰混液に徐々に加えることによって再結晶した
(約5mlのHClが加えられた)。溶液を冷蔵庫で冷却後、
3.26gのアナバセイン二塩酸塩が集められた(mp 175−
180℃、分解)。アナバセイン二塩酸塩は、用いられた
ニコチン酸エチルのモル数に基づいて計算すると、56%
の全般的得量で生成された。乾燥した結晶性の固体産物
は吸湿性ではないが、湿った固体は濾過後、水を吸収す
る可能性があるので、濾過は、例えば、窒素気流中で行
うべきである。
例 2 アナバセイン DMBA−アナバセイン及びアナバシンの記
憶関連行動に対する効果 A.受け身回避行動 全ての研究に、雄のSprague Dawley種の白ラットが使
用され、NIHの動物飼育ガイドラインを用いて学部の動
物施設で維持された。病変動物が試験される場所で、病
変は、麻酔された動物にイボテン酸(1μl中に5μ
g)、または、りん酸緩衝生理食塩液(PBS)の下オリ
ブ核領域への両側注入によって誘発された。
受け身回避行動に対して、動物は暗室に入った後、適
度な強さのショック(0.8mAmp)を1秒間受けた。24時
間後、動物は暗室の外に止まることを記憶出来たか否か
を決めるため、再び試験された。動物は、彼等が選択を
決めるのに5分の猶予が与えられただけで、その時点で
明るい室から取り出された。病変を受けていない動物に
おける薬物の効果を調べるために、ショックは強さ0.5m
Ampのみとし、動物は、訓練後試験されるまで72時間与
えらた。すべての薬物治療研究において、薬物は食塩水
でうすめて試験の5分前と試験期間の5分前に腹腔内に
注射された。
図1と2に示すように、アナバセインとDMAB−アナバ
セインは、夫々、非病変動物よりも病変動物においてよ
り効力があった。ニコチンについては、非病変動物では
0.05mg/kgが、一方、病変動物では0.02mg/kgが有効であ
った。アナバセインについては、同様の2.5倍の変動が
認められた。これら両方の薬物に対して、動物もまた病
変後には一層過敏となり、0.2mg/kgの用量は、訓練ある
いは行動を妨害した。DMAB−アナバセインについては、
効力は病変化によって2−2.5倍の間で増大した。
(−)アナバシンの受け身回避行動に対する効果もま
た非病変動物を用いて測定された(図3)。これらの実
験において、(−)アナバシンは、受け身回避試験装置
内の訓練と試験の5分前に腹腔内に注射された。最初、
300秒以内に訓練された動物(即ち、暗室に入り、緩和
なショックを足に受けた動物)のみを使用した。
これらの結果は、アナバセイン、DMAB−アナバセイ
ン、及びアナバシンは、ニコチン性伝達に結合し、活性
化することによって、新皮質のコリン作動性活性の低下
した動物においてさえ、このタイプの記憶関連行動を改
善出来ることを示唆している。この後者の状態は、アル
ツハイマー病で見られる状態によく似ている。
B.放射迷路試験 17放射迷路は、動物に17の放射路のうち、餌のある8
つの放射路のセットを記憶することを要求する。各毎日
の試験の初めに、ラットは迷路の中央に置かれ、すべて
の8つの餌の報酬が取られるか、あるいは、15分が経過
するまで、17放射路の中から選択することを許される。
最初の14日の試験の間に、連続2日の試験において、17
放射路選択のある成績基準に達した動物は、さらに30日
間引き続き試験された。このような動物に対して、第14
日後に集められたデータのみが統計的解析に用いられ
た。統計的解析は、3セットのデータについて行われ
た。第一は、一般学習の測定である:最初の8放射路の
選択に対する正しい選択(餌のある放射路へ入ること)
のパーセント。第二は、最初の12放射路の選択から計算
された短期記憶(作業記憶)の測定:餌のあるセット内
で、選択の総数に対する餌のある放射路(食物を含ん
だ)への選択のパーセント。作業記憶、即ち短期記憶の
内房間測定は、餌のあるセットの中のどの放射路が既に
入られ、食物報酬が取られたかを記憶するラットの能力
を測定した。第三セットのデータは、長期あるいは参考
記憶を測定するもで、やはり最初の12放射路選択から計
算された。参考記憶、試験間の測定と定義される、は、
放射路選択の総数に対する餌のあるセット内での正しい
選択のパーセントである。
2グループの老齢ラットが17放射迷路で試験された。
1つのグループは、0.2mg/kgのニコチンを(n=5),
他のグループは2mg/kgのDMAB−アナバセイン(n=5)
を、各毎日の試験の15分前に与えられた。これらの注射
の目的は、ニコチン性レセプターの活性化(ニコチンあ
るいはDMAB−アナバセインによる)が、この仕事におけ
る老齢ラットの貧弱な学習能力と長期記憶を高めること
が出来るか否かを決定することにあった。
図4に示すように、DMABは動物の短期の記憶に影響す
ること無く、長期の記憶の測定を改善した。この選択的
効果は、時には、ニコチンや他の記憶/学習例に特徴的
である。
C.ラシュレイIII迷路試験 ラシュレイIII迷路は、一連の左右交互の方向転換を
学習する動物の能力を検査する。いずれの日々の試験に
対しても6つの交互エラーが可能である:危険行動レベ
ルは1検査当たり3である。これまでの研究により、偽
装手術を施した若い成熟動物は、急速に学習して試験期
間の終りには、その交互エラーの数をほぼ0に減らすこ
とが判明している。対照的に、偽装手術を施した23月
(老齢)動物は、25日の試験期間中、大幅にもっと多く
のエラーをした。その上、老齢ラットに両側の下オリブ
核病変を施すと、老齢偽装病変動物と比べて、さらに大
きな学習欠損をもたらした。従って、老齢と病変に誘発
された両方の欠損が観察された。それにも拘らず、すべ
てのグループで、時間が経つと行動の改善が見られた。
生理食塩水、あるいはDMAB−アナバセインを注射され
た老齢ラットがラシュレイIII迷路で評価された。訓練
前に2mg/kgの用量で注射されると、DMABは、老齢ラット
がこの迷路で最初の2組の試験中にエラーの数を減少し
た。これは、ニコチン作動薬によるもう一つの記憶関連
行動における改善を反映した。
例3 アナバセインとDMAB−アナバセインの神経伝達物質の放
出に対する効果 神経伝達物質の放出は異なったタイプの神経末端にお
けるレセプター活性の有力なマーカーである。損傷のな
い切片、あるいは微塵切(ミンス)からの神経伝達物質
の放出はニューロンの多くのサイトにおけるレセプター
活性のマーカーを提供する。シナプトソームと切片とを
対比して、ニコチンと他の薬物の効果を比較すると、異
なったタイプの大脳皮質ニューロンにおけるニコチン性
レセプターの位置、ならびにその細胞における位置に関
する概念が得られる。
これらの異なったタイプの大脳皮質伝達物質系が試験
されて来た。その第一はコリン作動性である。コリン作
動性ニューロン、あるいは切片に新たに合成された
3H]ACh(アセチルコリン)を負荷するのに用いられ
た操作は以前に記述されている(Meyer,et al.,198
7)。第二は、アスパラギン酸で、グルタミン酸のよう
に、記憶(長期強化)と神経病理学(卒中)に関連する
興奮性アミノ酸である。第三はGABA(γ−アミノ酪酸)
で、大脳皮質における支配的な伝達物質であり、従っ
て、コリン作動性神経支配を受ける可能性が非常に高
い。
アスパラギン酸、あるいはGABAの放出を測定するため
に、組織を100nM[3H]アスパラギン酸、あるいは250nM
3H]GABAとクレーブスリンゲル緩衝液中、37℃で30分
間インキュベートし、ついで氷冷緩衝液中で洗浄した。
すべての放出インキュベーションは、50nMKCl(脱分
極)の存在、あるいは非存在下に37℃で15分間であっ
た。放射物の蓄積は、伝達物質の放出レベルを総伝達物
質のパーセントとして表現するために、切片においても
測定された。これは切片は放射標識の蓄積に関して幾分
変わりやすいからである。
K+で誘発された伝達物質の放出は、基底放出値を、高
められたK+の存在下の値から差し引き、増大した放出の
みが放出されるようにして決められた。
神経伝達物質のレベル(アスパラギン酸、グルタミン
酸)と酵素のレベルは、Arendash et al.,Science,23
8:952,1987によって記述されているようにしてアッセイ
された。ニコチン、アナバセインとDMAB−アナバセイン
は、シナプトソームからの新規合成[3H]Achの基底放
出、あるいは50mMKClで誘発された放出には何等効果の
無いことが見出だされた。また、分離された神経末端か
らの[3H]アスパラギン酸の放出に対しても何の効果も
見られ無かった。その結果、大脳皮質には、ニコチン性
レセプター、あるいはアスパラギン酸末端(あるいはグ
ルタミン酸末端。アスパラギン酸が、グルタミン酸末端
から取り込まれて、放出されるかも知れないので)が無
いように思われる。
脳組織切片についての研究において、ニコチン(100n
M)は、K1で誘発された切片からのアスパラギン酸の放
出を伝達物質の同時放出に影響すること無く増大した
(図6)。ニコチンがK1誘発放出のみならず基底放出の
増大すること無くアスパラギン酸作動性ニューロンを直
接脱分極する事実は驚くべきことである。一つの仮説
は、ニコチンが他のタイプのニューロン(恐らく興奮
性)を刺激してアスパラギン酸の放出を脱抑制するとい
うものである:この脱抑制は、アスパラギン酸作動性ニ
ューロン自体が脱分極によって活性化されている時以外
は見られないであろう。
興味あることに、アナバセインとDMAB−アナバセイン
(一低濃度を除き)は、用量関連的にはアスパラギン酸
放出を増大しなかった(図6と7)。このように、脱分
極の誘発するアスパラギン酸放出に対する効果は、高親
和性[3H]ニコチン結合の阻害に関連したが、[3H]ア
セチルコリン、あるいは[3H]メトカルバコール結合の
阻害には関連しなかった。
このパターンは、また、皮質切片からの[3H]アセチ
ルコリン放出と[3H]γ−アミノ酪酸の放出についても
観察された。ニコチン(100nM)は、切片からのK+誘発
のアセチルコリンの放出を増大し、K+誘発のγ−アミノ
酪酸の放出は低下させたが、一方、アナバセイン(1μ
M)は、いずれの過程にも効果が無かった。ニコチン
は、また、アセチルコリンの基底放出を増大し、内在性
コリン作動性細胞体(末端ではない、上述のシナプトソ
ームの研究から)に対する直接の興奮効果を示唆した。
かくして、ニコチンタイプの化合物の神経伝達物質放出
を修飾する能力は、アナバセイン、あるいはDMAB−アナ
バセインに対して高親和性を持つレセプターを介するも
ではないと思われる。
本発明はここに十分に記述された。種々の変更や修飾
が本発明の思想と権利範囲から逸脱すること無くされ得
ることは、通常の当業者に明白であろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07D 401/04 211 C07D 401/04 211 401/06 211 401/06 211 (72)発明者 ケム ウィリアム アール アメリカ合衆国 フロリダ州 ゲインズ バイル エヌダブリュー フィフティー ファーストテラス 837 (72)発明者 メイヤー エドウィン エム アメリカ合衆国 フロリダ州 ゲインズ バイル エヌダブリュー フィフティー セカンドテラス 1130

Claims (25)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ニコチン性レセプター試薬として、アナバ
    セイン、DMAB−アナバセイン及びアナバシンからなる群
    から選ばれる試薬を治療的に有効な量含むことを特徴と
    する変性神経疾患の治療薬。
  2. 【請求項2】非経口性治療薬であることを特徴とする請
    求項1に記載の治療薬。
  3. 【請求項3】この非経口性治療薬が、皮下、筋肉内、腹
    腔内、経皮、あるいは静脈内注射用の注射液であること
    を特徴とする請求項2に記載の非経口性治療薬。
  4. 【請求項4】腸溶性治療薬であることを特徴とする請求
    項1に記載の治療薬。
  5. 【請求項5】前記ニコチン性レセプター試薬を1μg/用
    量から1000μg用量含有することを特徴とする請求項1
    に記載の治療薬。
  6. 【請求項6】ヒトに対するものであることを特徴とする
    請求項1に記載の治療薬。
  7. 【請求項7】痴呆に対するものであることを特徴とする
    請求項1に記載の治療薬。
  8. 【請求項8】アルツハイマー病及びパーキンソン病から
    なる群から選ばれるものに対するものであることを特徴
    とする請求項1に記載の治療薬。
  9. 【請求項9】有効量のニコチン性レセプター試薬の他
    に、製剤的に不活性な賦型剤を含むことを特徴とする請
    求項1に記載の治療薬。
  10. 【請求項10】前記ニコチン性レセプター試薬を10μg/
    用量から500μg/用量含有することを特徴とする請求項
    1に記載の治療薬。
  11. 【請求項11】前記ニコチン性レセプター試薬を30μg/
    用量から100μg/用量含有することを特徴とする請求項
    1に記載の治療薬。
  12. 【請求項12】3−ニコチノイル−2−ピペリドンを加
    水分解し、脱炭酸してアナバセインを得、次いで得られ
    たアナバセインを製剤的に不活性な賦型剤に添加して製
    剤組成物にすることを特徴とする、アナバセインを有効
    成分とする請求項1に記載の治療薬の製造方法。
  13. 【請求項13】3−ニコチノイル−2−ピペリドンがエ
    ノラート型であることを特徴とする請求項12に記載の製
    造法。
  14. 【請求項14】エノラート型がリチウム3−ニコチノイ
    ル−2−ピペリドンであることを特徴とする請求項13に
    記載の製造法。
  15. 【請求項15】加水分解と脱炭酸が酸性溶媒中、酸性溶
    媒の還流温度で、加水分解と脱炭酸が十分に完了するま
    で行われることを特徴とする請求項12に記載の製造法。
  16. 【請求項16】酸性溶媒が濃塩酸であることを特徴とす
    る請求項15に記載の製造法。
  17. 【請求項17】2−ピペリドンとニコチン酸の活性化誘
    導体を、強塩基の存在下、不活性反応溶媒中、反応が十
    分に完全で、3−ニコチノイル−2−ピペリドンが生成
    されるまで反応させる工程と、 この3−ニコチノイル−2−ピペリドンを、反応溶媒
    中、本質的にすべての3−ニコチノイル−2−ピペリド
    ンが加水分解、脱炭酸されてアナバセインを生成するま
    で、強酸と高温で接触させる工程と、 生成してきたアナバセインを、製剤的に不活性な賦型剤
    に添加して製剤組成物に加工する工程と、 を含むことを特徴とするアナバセインを有効成分とする
    請求項1に記載の治療薬の製造方法。
  18. 【請求項18】前記ニコチン酸の活性化誘導体が、ハロ
    ゲン化ニコチノイル、ニコチン酸エステル、及びニコチ
    ン酸無水物からなる群から選ばれるものであることを特
    徴とする請求項17に記載の製造方法。
  19. 【請求項19】前記ニコチン酸の活性化誘導体が、アル
    キル基に1個〜5個の炭素原子を有するニコチン酸アル
    キルエステルであることを特徴とする請求項18に記載の
    製造方法。
  20. 【請求項20】前記ニコチン酸アルキルエステルがニコ
    チン酸エチルであることを特徴とする請求項19に記載の
    製造方法。
  21. 【請求項21】前記強塩基がリチウムジイソプロピルア
    ミドで、前記不活性反応溶媒がテトラヒドロフランであ
    ることを特徴とする請求項17に記載の製造方法。
  22. 【請求項22】前記2−ピペリドンがその窒素に窒素保
    護基を備えることを特徴とする請求項17に記載の製造方
    法。
  23. 【請求項23】前記窒素保護基がトリメチルシリル基で
    あることを特徴とする請求項22に記載の製造方法。
  24. 【請求項24】前記3−ニコチノイル−2−ピペリドン
    がリチウム3−ニコチノイル−2−ピペリドンの形で存
    在することを特徴とする請求項17に記載の製造方法。
  25. 【請求項25】前記強酸が濃塩酸で反応溶媒が水である
    ことを特徴とする請求項24に記載の製造方法。
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