JP2656837B2 - 光パルスの発生法、発生装置および伝送方式 - Google Patents

光パルスの発生法、発生装置および伝送方式

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JP2656837B2 JP1294258A JP29425889A JP2656837B2 JP 2656837 B2 JP2656837 B2 JP 2656837B2 JP 1294258 A JP1294258 A JP 1294258A JP 29425889 A JP29425889 A JP 29425889A JP 2656837 B2 JP2656837 B2 JP 2656837B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、大容量光通信に適用し得る光パルスの発
生法、発生装置および伝送方式に係り、詳しくは半導体
レーザから射出される光パルスを、トランスフォームリ
ミットで高出力の光パルスに変換する光パルスの発生
法、発生装置および伝送方式に関するものである。
[従来の技術] 大容量かつ遠距離光通信を実現するには、超短、超高
周波(高繰り返し)、高出力であると共に、トランスフ
ォームリミット(後述)な光パルスを得ることが必要で
ある。
第9図に示すように、近年、超短光パルスの発生技術
には大きな進展があった(参考文献:中沢正隆、応用
物理総合報告第56巻10号、1265〜1288頁“光ファイバ中
の非線形光学”、レーザ研究、解説第15巻11号、869-
886頁“光パルスの圧縮とソリトンレーザー”)。
これらの中で、特筆すべきことは、色素レーザにより
フェムト秒(1fs=10-15sec)領域の光パルスの発生が
可能になった点である。
第10図(a)および(b)は、各々別異の色素レーザ
の構成を示す図である。これらの色素レーザは、いずれ
も、レーザ共振器を構成する複数のミラー1,1,・・・
と、レーザ媒質である色素2と、パルス幅を狭くするた
めの過飽和吸収色素3と、レーザ共振器内の分散を補償
し、光パルスの広がりを抑制するための複数のプリズム
4,4,・・・とから構成されているが、同図(a)に示す
色素レーザは、直線形構成の共振器からなっており、同
図(b)に示す色素レーザは、リング形構成の共振器か
らなっている。そして、これらの色素レーザ(同図
(a),(b))によって、波長0.6μm付近の可視光
で30fs程度のパルス幅が実現されている。
上述の光パルス発生技術をさらに発展させたものとし
て、10fs以下の超短光パルスを得ることができるフェム
ト秒光パルス発生装置が開発されている。
第11図は、このフェムト秒光パルス発生装置の構成を
示し、この図において、符号5は第10図(a)または
(b)に示した色素レーザ、6は色素レーザから射出さ
れた光パルスを増幅するための色素増幅器、7は自己位
相変調効果を効率良く発生させるためのコア径の極めて
小さな光ファイバ、8,8は光ファイバ7の両端面に結合
した結合レンズ、9,9は光ファイバ7から射出した光パ
ルスを圧縮するためのパルス圧縮用回折格子である。
このような構成において、色素レーザ5から射出され
た(パルス幅100fsの)光パルスは、色素増幅器6によ
り増幅され、光ファイバ7において自己位相変調し、圧
縮用回折格子9,9で圧縮されて、(パルス幅10fsの)超
短光パルスとなって出力される(参考文献:レーザ研
究、解説第15巻11号、869-886頁“光パルスの圧縮とソ
リトンレーザー”)。
しかしながら、第10図および第11図に示す構成におい
ては、超短光パルスが出力されるものの、パルスの繰り
返し(発振周波数)は100MHz程度と大変遅く、GHz帯の
高繰り返しパルス列が得られないという欠点があった。
一方、GHz帯の高い繰り返しパルス列を得ることがで
きる光パルス発生装置として、第12図(a),(b),
(c)に示す構成のものが知られている。
第12図に示す3種類の発生装置は、いずれも、レーザ
の共振器長(数100μm)が短い半導体レーザ(たとえ
ば、波長1.3μm帯もしくは1.5μm帯のInGaAsP半導体
レーザ)を用いて構成されるため、高繰り返し(数GH
z)のパルス列を得ることが可能となっている。ただ
し、そのパルス幅は数10ps〜数100psと比較的広い。
個々について説明すると、まず、第同図(a)に示す
光パルス発生装置は“外部変調器法”と呼ばれる方法を
適用した装置であり、10は半導体レーザ、11は半導体レ
ーザ10の励起用直流電源、12は半導体レーザ(装置)10
の外部に付加された超高速光強度変調器、13はそのドラ
イバである。ここで、超高速光強度変調器12は、LiNbo3
(ニオブ酸リチウム)もしくは多層量子井戸(MQW[Mul
ti Quantum Well])構造の半導体のシュタルク効果を
利用した変調器であり、これにより5〜10GHzの繰り返
しのパルス列を得ることができる。この装置による出力
光は、パルス幅とスペクトル幅との積がトランスフォー
ムリミットで与えられるという特長を有するものの、パ
ルス幅が広い(100ps)のが欠点である。
次に、第同図(b)に示す光パルス発生装置は“正弦
波直接変調法”と呼ばれる方法を適用した装置であり、
同図(b)において、14は正弦波電流を発生する正弦波
発生器、15は上記正弦波電流を増幅するための電気増幅
器である。同図(b)の構成においては、半導体レーザ
10を励振するための電流を直接正弦波変調するものであ
り、10GHz程度のパルス列が得られる。また、第同図
(c)に示す光パルス発生装置は、“パルス直接変調
法”と呼ばれる方法を適用したもので、コムジェネレー
タ(Comb Generator)16で発生するくし形パルスを半導
体レーザ10に入力することにより、直接変調するもので
ある。同図(c)の構成によっても、同図(b)の構成
による場合と同様に10GHz程度のパルス列が得られる。
同図(b),(c)の装置によれば、容易に10〜50ps
程度の短パルスが高繰り返しで得られるものの、スペク
トル幅が広がってしまうため、トランスフォームリミッ
トな光パルスは得られない。すなわち、スペクトル幅Δ
νとパルス幅Δτの積がΔν・Δτ=1〜3程度になっ
てしまうため、長距離にわたって光ファイバ中を伝搬さ
せるとパルスが群速度分散により広がって情報が伝えら
れないという大きな欠点がある。
[発明が解決しようとする課題] 上記したように、従来の光パルス発生技術において
は、超短光パルスは得られるものの高い繰り返しパル
ス列は得られない、トランスフォームリミットな光パ
ルスは得られるものの、パルス幅が広すぎる、超短で
かつ高い繰り返しのパルス列が得られるものの、トラン
スフォームリミットなパルスが得られないなど、いずれ
かの点で欠けていた。このことが、大容量かつ遠距離光
通信の信頼性を阻害する原因となっていた。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、超
短、高い繰り返し、高出力であると共に、完全にトラン
スフォームリミットな光パルスを得ることができる光パ
ルスの発生法、発生装置を提供することを目的としてい
る。
さらに、超高速高密度遠距離通信に好適な光パルスの
伝送方式を提供することを目的としている。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、
半導体レーザから出射される中心波長λの変調光パルス
において、パルス幅Δτのトランスフォームリミットな
変調光パルスを得るために、その帯域Δλを、0.32λ2
/(C・Δτ)≦Δλ≦0.50λ2/(C・Δτ)(Cは
光の速さ)の範囲内に制限し、該帯域を制限した光パル
スを増幅することを特徴としている。
請求項2記載の発明は、半導体レーザから出射される
中心波長λの変調光パルスにおいて、パルス幅Δτのト
ランスフォームリミットな変調光パルスを得るために、
その帯域Δλを、0.32λ2/(C・Δτ)≦Δλ≦0.50
λ2/(C・Δτ)(Cは光の速さ)の範囲内に制限
し、該帯域を制限した光パルスを時分割処理した後、増
幅することを特徴としている。
請求項3記載の発明は、中心波長λの光を出射する半
導体レーザと、該半導体レーザの出力光を光パルスに変
換する変調器と、該変調器によって変換された前記光パ
ルスのパルス幅をΔτとするために、その帯域Δλを、
0.32λ2/(C・Δτ)≦Δλ≦0.50λ2/(C・Δτ)
(Cは光の速さ)の範囲内に制限する狭帯域フィルタと
して機能するファブリペロー干渉計またはマッハツェン
ダ干渉計と、前記干渉計からの出射光を光増幅する光増
幅器とからなることを特徴としている。
請求項4記載の発明は、中心波長λの光を出射する半
導体レーザと、該半導体レーザの出力光を光パルスに変
換する変調器と、該変調器によって変換された前記光パ
ルスのパルス幅をΔτとするために、その帯域Δλを、
0.32λ2/(C・Δτ)≦Δλ≦0.50λ2/(C・Δτ)
(Cは光の速さ)の範囲内に制限する狭帯域フィルタと
して機能するファブリペロー干渉計またはマッハツェン
ダ干渉計と、前記干渉計からの出射光を時分割多重処理
する複数個の3dB光カップラと、前記3dB光カップラから
出射された出射光を光増幅する光増幅器とからなること
を特徴としている。
請求項5記載の発明は、請求項3または4記載の光パ
ルス発生装置において、前記光増幅器は、ネオジムファ
イバ、エルビウムファイバ、または半導体レーザ増幅器
であることを特徴としている。
請求項6記載の発明は、請求項3、4、または5記載
の光パルス発生装置を用いて、コード化された光パルス
の列を発生させ、該光パルスの列を長尺の単一モードフ
ァイバに、その一端から入射させ、前記単一モードファ
イバの他端から出射した前記光パルスの列を光検出器に
より検出することにより光通信を行うことを特徴として
いる。
請求項7記載の請求項3、4、または5記載の光パル
ス発生装置の後に光変調器を挿入させ、それをコード化
された電気パルス列で駆動することにより、コード化さ
れた光パルスの列を発生させ、該光パルスの列を長尺の
単一モードファイバに、その一端から入射させ、前記単
一モードファイバの他端から出射した前記光パルスの列
を光検出器により検出することにより光通信を行うこと
を特徴としている。
[作用] 上記構成において、半導体レーザの直接変調によっ
て、中心波長λの高繰り返しパルス列が発生し、このパ
ルス列のパルス幅をΔτとするために、その帯域Δλを
0.32λ2/(C・Δτ)≦Δλ≦0.50λ2/(C・Δτ)
(Cは光の速さ)の範囲内に制限すると、完全にトラン
スフォームリミットなパルスが得られる。そして、この
トランスフォームリミットなパルスは、光増幅器により
増幅される。
上記構成によれば、超短、高い繰り返し、高出力であ
ると共に、完全にトランスフォームリミットな光パルス
を得ることができる。
したがって、信頼性の極めて高い高密度遠距離光伝送
が可能となる。
[実施例] 以下、図面を参照して、この発明の実施例について説
明する。
(第1実施例) 第1図は、この発明の第一実施例である光パルス発生
装置の構成を示す図である。この例の光パルス発生装置
は、第12図(b)に示した光パルス発生装置に所定の構
成要件を付加したものである。
すなわち、第1図において、正弦波発振器14、電気増
幅器15、半導体レーザ10からなる構成部分は、第12図
(b)に示した従来の構成と同一である。したがって、
これらの構成各部については、第12図(b)の各部と同
一の符号を付して説明を省略する。この例において、新
たに付加された構成要素は17〜22であり、17は2枚の高
反射率の平行平面ガラスからなり、狭帯域フィルタとし
て機能するファブリペロー干渉計、18はファブリペロー
干渉計を制御する干渉計制御装置、19はファイバもしく
は誘電体多層膜ミラーを用いた光カップラ、20はエルビ
ウムファイバである。このエルビウムファイバ20は、コ
ア領域に光増幅機能を有するエルビウムをドーピングし
てなり、光増幅器として用いられる。また、21は、光カ
ップラ20を介して、エルビウムファイバ20に注入される
励起光を発生する励起用光源である。22は、上記エルビ
ウムファイバ20内での増幅過程において発生する自然放
出雑音や励起光の残を取り除くための光フィルタであ
る。なお、23は上記光パルス発生装置から出力される光
パルスを検出するための光検出器である。
半導体レーザの出力特性 半導体レーザ10は、正弦波発振器14,電気増幅器15を
用いて利得スイツチすることにより、動作し、第2図に
示すパルス列を出力する。第2(a)は波長のスペクト
ル波形、同図(b)はパルスの時間波形を示す図であ
る。同図(a),(b)に示すように、周波数のスペク
トル幅Δλ=1.5nm、パルスの時間幅Δτ=24psが得ら
れている。半導体レーザ10は、電子が注入されると屈折
率が下がるという特性を有している。このため半導体レ
ーザ10の発振周波数は第3図に示すように、一度長波長
側にチャープしてもとに戻る。これを負またはダウンチ
ャープと呼ぶ。
トランスフォームリミットなパルス トランスフォームリミットなパルスとは、パルスのフ
ーリエ変換によって得られる幅だけのスペクトルを有す
るパルスのことであり、余分なスペクトルを含まないパ
ルスのことである。トランスフォームリミットなパルス
を数値的に表現すれば、パルス幅Δτとその周波数スペ
クトル幅Δνとの積がΔν・Δτ=0.32〜0.44の範囲に
あるパルスであるといことができるが、この明細書にお
いては、実用的見地から、Δν・Δτ=0.32〜0.50の範
囲にあるパルスをトランスフォームリミットなパルスと
いう。かかるトランスフォームリミットなパルスは、遠
距離伝送後でも、波形が広がらず(くずれず)、したが
って情報を正確に伝送することができる。ところで、一
般に半導体レーザでは波形がガウス形であり、スペクト
ル幅Δνとパルス幅Δτの間には の関係がある。
ここで、λは中心波長、Δλは中心波長のスペクトル
幅、Cは光の速さである。
そこで、第2図に示すパルスのΔν・Δτ積を計算す
ると、 となり、第(1)式の結果と比べると約10倍の大きさ
(Δν・Δτ)をもっていることがわかる。したがっ
て、直接変調によって得られるパルスはトランスフォー
ムリミットからは程遠い。これが半導体レーザ10の直接
変調のもつ本質的な欠点であった。
ファブリペロー干渉計によるトランスフォームリミット
化 この実施例では、半導体レーザ10のチャープ特性(第
3図)に着目し、ファブリペロー干渉計17を用いてスペ
クトルをトランスフォームリミット化する。実験では、
ファブリペロー干渉計17の透過帯域を0.22nmに設定し
て、挿入したところ約17psのパルスにファブリペロー出
力として変換できた。この出力のΔν・Δτ積を見積る
この値は第(1)式の値に非常に近く、トランスフォー
ムリミットなパルスが得られていることを示している。
もともとチャープパルスであるから0.22nmの幅でも原理
的には僅かなチャープがある。このチャープを完全に補
償するにはファブリペロー干渉計17と光カップラ19の間
に負のチャープ補償用の正常分散をもつファイバを挿入
すれば良い。たとえば0.2nmの帯域で2psのチャープが存
在すると10ps/nmであるが、これは零分散波長を1.6〜1.
8μm帯にシフトしたファイバの分散量が50ps/km/nmで
あることから、上記補償用ファイバを200mの長さにして
良い。
このようにしてファブリペロー干渉計17を挿入すると
透過出力は約5〜10dB低下してしまう。これは1つには
スペクトル幅を制限することによる損失、2つ目は、フ
ァブリペロー干渉計の透過損失のためである。実験にお
いてはファブリペロー干渉計17のフリースペクトルレン
ジが約6nmになるように設定した。すなわち、フリース
ペクトルレンジをΔλfRとすると、L=200μmのとき である。したがって、分布帰還型レーザ(Distributed
Feedback Laser(DFB))の場合は、単一スペクトル発
振(チャープは含む)であり、その幅は広くとも2nm程
度であるから、6nmのフォルター間隔があれば充分であ
る。すなわち、他のフィルター成分が入ってこない。フ
ァブリペロー干渉計17の帯域に関してはファブリペロー
干渉計17を構成する鏡の反射率を適当に設定することに
よりフィネスを調整し、0.1〜1nm程度の帯域に設定すれ
ば良い。
エルビウムファイバおよびその励起用光源 エルビウムファイバ20については、「光学(第18巻第
6号、291〜296頁“光ファイバによる光増幅”、中沢正
隆)」に詳述されている。エルビウムファイバ20の励起
用光源21としては0.5μm帯、0.6μm帯、0.8μm帯、
0.98μm帯、1.48μm帯などがある。第4図において、
出力波長1.48μmのInGaAsP半導体レーザを励起用光源2
1とした場合の、長さ100mのエルビウムファイバ20の利
得特性を示す。この図に示すように、数10mWの低い励起
入力で容易に20dB以上の利得が得られる。このためファ
ブリペロー干渉計17の挿入損失を完全に補償することが
できる。したがって、ファブリペロー干渉計17の出力を
エルビウムファイバ20を用いて光増幅することにより、
高出力でかつトランスフォームリミットな高繰り返しパ
ルスを、半導体レーザ10の直接変調によって得ることが
できる。
実験結果 さて、このようにして得られたトランスフォームリミ
ットなパルスを長さ22kmの単一モードファイバ24(第5
図)内を通過させ、光検出器23で測定した。また、比較
のために、第5図に示すように、半導体レーザ10からの
直接パルスを単一モードファイバ24内を通過(従来法)
させて同様の測定を行った。これらの結果を第6図に示
す。すなわち、従来法によれば、半導体レーザ10の出力
は同図(a)に示すように、24psのパルス出力である
が、22kmのファイバを通過後、同図(b)に示すよう
に、もはやパルスではなくなる。すなわちトランスフォ
ームリミットではないためにパルス拡がりが発生してい
る。これに比べて、この例の光パルス発生装置および方
法によれば、ファブリペロー干渉計17の出力は22km通過
後でも入力の時とほとんど変わらないパルスである(同
図(c))。
このようにこの例の構成によれば、トランスフォーム
リミットなパルスを得ることができる。しかも、ファブ
リペロー干渉計17による挿入損失(5〜10dB)、エルビ
ウムファイバ20の光増幅作用により、補償あるいは半導
体レーザ10の出力以上に最終的に上げることができる。
(第2実施例) 第7図はこの発明の第2実施例である光パルス発生装
置の構成を示す図である。
この第2実施例においては、2本の分岐ファイバに、
光出力のパワーを等分する3dB光カップラ25,25,・・・
を複数個(N個)用いた点が上記第1実施例と異なると
ころである。
すなわち、第2実施例は、光パルスをもとの半導体レ
ーザ10の繰り返しの2N-1倍に時間軸上で多重化する方法
および装置に関する。
N個の3dB光カップラ25,25,・・・は、第7図に示す
ように、ファブリペロー干渉計17と光カップラ19との間
に挿入するのが適当である。また時間遅延を発生させパ
ルスの多重化を図るために、接続した3dB光カップラ25,
25,・・・の2つのうでの長さの片方を変化させてい
る。3dB光カップラ25,25,・・・のうでの長さの差は、
半導体レーザ10の繰返し周期をTとすると時間遅延がT/
2i,(i=1,2,…,N−1)となる組合わせに設定する。
たとえば50psの時間遅延を与えるためには長さとしては
1cmのずれを与えればよい。このようにして容易にパル
スの多重化が可能となる。N個の3dBカップラ25,25,・
・・を通すことによりパルスのピーク強度は1/2Nに低下
するが、これは光増幅器を用いることによって補償する
ことが可能である。
(第3実施例) 第8図は、この発明の第3実施例である光パルス発生
装置の構成、およびこの装置を適用した伝送方式を説明
するための図である。
この例の光パルス発生装置が第1実施例のそれと異な
るところは、第1実施例の正弦波発生器14に代えてパル
スパターン発生器26を用いた点である。パルスパターン
発生器26により構成したのは、実際の信号をのせて伝送
させるためである。従来のGb/S帯光パルス通信において
は半導体レーザのチェープにより光パルスは光ファイバ
中を長距離にわたって伝搬することができなかった。第
8図(a)を説明すると、情報をのせたパルス列は広帯
域電気増幅器15によって増幅され、半導体レーザ10の出
力光を直接変調する。パルス変調された出力光は、ファ
ブリペロー干渉計17〜光フィルタ22を通過して、トラン
スフォームリミットな信号パルスとして伝搬用の長尺フ
ァイバ27に導かれる。伝搬用光ファイバ27はその零分散
波長をレーザパルスの発振波長に一致させておく。この
ようにしておくと10Gb/s程度のパルス列でも200km伝搬
できる。すなわち、18PSのパルス幅の10Gb/sのパルス列
はスペクトル幅が約0.2mm(トランスフォームリミッ
ト)であるから、1ps/km/mmの分散シフトファイバ中を2
00km伝搬しても40PSしか広がらない。10Gb/sのパルスの
繰り返しは100PSであるから完全に情報が伝搬できるこ
とになる。
この方式はたとえ30〜100GHz程の超高繰り返しになっ
ても、半導体レーザ10の直接変調がその周波数帯におい
て可能な限り、トランスフォームリミットなパルスが実
現できるため、大変有効な方法と言える。
また、この方法では完全にトランスフォームリミット
なパルスが直接変調によって得られるため、従来用いら
れてきた、LiNbO3やMQWの半導体などによる光強度変調
器は必要ではなくなる。
もしも、パルスコード化した信号で直接変調した場合
に、トランスフォームリミットなパルスからずれる場合
には、パルスパターン発生器26の代わりに、第1図に示
した正弦波発生器14を用いて、まず、トランスフォーム
リミットなパルス列を発生させ、ファブリペロー干渉計
17と光カップラ19との間に上記の光強度変調器12を挿入
し、パルスパターン発生器26で駆動すれば、信号伝送が
可能となる。この様子を第8図(b)に示す。
なお、上述の実施例においては、狭帯域フィルタとし
てファブリペロー干渉計17を用いた場合について述べた
が、これに代えて、たとえばマッハツェンダ干渉計を用
いるようにしても上記と同様の効果を得ることができ
る。
また、上述の実施例においては、光増幅器としてエル
ビウムファイバ20を用いた場合について述べたが、これ
に限定するものではなく、たとえば、ネオジムをドーピ
ングしたネオジムファイバや半導体レーザ増幅器などを
用いても同様の効果を得ることができる。
[発明の効果] 以上説明してきたように、従来不可能とされてきた半
導体レーザからトランスフォームリミットな高出力パル
スの発生を、ファブリペロー干渉計等を用いて、直接変
調により上記半導体レーザから出射される光パルスの帯
域Δλを、0.32λ2/(C・Δτ)≦Δλ≦0.50λ2
(C・Δτ)(λは光パルスの中心波長,Δτは光パル
スのパルス幅,Cは光の速さ)の範囲内に制限することに
よって実現できるため、光の強度変調を用いる通信に幅
広く用いることができる利点がある。すなわち、従来高
速の光通信には不可欠であったLiNbO3、もしくはMQWの
半導体による高速光変調器が不必要になり、単に半導体
レーザを高速に直接変調すれば良い。
このため光伝送システムが非常に簡便なものとなる利
点がある。
もしも、パルスコードで直接変調した場合、パルス波
形が乱れるならば、高速光変調器を挿入すれば良い。た
とえ、従来通り光変調器を用いても、パルスがトランス
フォームリミットであるため、光伝送の大容量化および
長距離化を達成することができる。
また、伝送信頼性の向上を図ることができる。
また、この発明が採用する直接変調方式は光ソリトン
伝送にも応用できる可能性があると共に、0.8μm帯、
1.3μm帯、および1.5μmおよびのGaAsやInGaAsPなど
の半導体材料の緩和時間、光増幅特性、光検出器の特性
などの評価に用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の第1実施例である光パルス発生装置
の構成を示す図、第2図は同実施例の半導体レーザの出
力パルスのスペクトル波形および時間波形を示す図、第
3図は同半導体レーザのチャープ特性を示す図、第4図
はエルビウムファイバの光増幅特性を示す図、第5図は
光パルス発生装置を適用した光伝送実験の構成を示す
図、第6図は従来法とこの発明の実施例との比較実験の
結果を示す図、第7図はこの発明の第2実施例である光
パルス発生装置の構成を示す図、第8図はパルスパター
ン発生器を用いて実際に光伝送を行なった第3の実施例
の構成を示す図、第9図は光パルスの発生の歴史を示す
図、第10図は色素レーザの構成を示す図、第11図はフェ
ムト秒パルス発生装置の構成を示す図、第12図は半導体
レーザを用いた光パルス発生装置の構成およびその出力
波形を示す図である。 1,1,・・・……レーザ共振器構成用ミラー、2……レー
ザ媒質色素、3……過飽和吸収色素、4,4,・・・……プ
リズム、5……色素レーザ、6……パルス増幅用の色素
増幅器、7……結合レンズ、8……自己位相変調効果発
生用の光ファイバ、9……パルス圧縮用の回折格子、10
……半導体レーザ、11……半導体レーザの励起用直流電
源、12……超高速光強度光変調器、13……光変調器用ド
ライバ、14……正弦波発生器、15……電気信号増幅器、
16……コムジェネレータ、17……ファブリペロー干渉
計、18……ファブリペロ干渉計制御装置、19……光カッ
プラ、20……エルビウムファイバ、21……エルビウムフ
ァイバ励起用光源、22……光フィルタ、23……光検出
器、24……長さ22kmの単一モードファイバ、25……3db
光カップラ、26……パルスパターン発生器、27……分散
シフト形の長尺単一モードファイバ。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体レーザから出射される中心波長λの
    変調光パルスから中心波長λ、パルス幅Δτのトランス
    フォームリミットな変調光パルスを得る光パルス発生法
    であって、該半導体レーザ出射変調光パルスを入力し、
    その帯域Δλを、 0.32λ2/(C・Δτ)≦Δλ≦0.50λ2/(C・Δτ) (Cは光の速さ)の範囲内に制限し、該帯域を制限した
    光パルスを増幅することを特徴とする光パルス発生法。
  2. 【請求項2】半導体レーザから出射される中心波長λの
    変調光パルスから中心波長λ、パルス幅Δτのトランス
    フォームリミットな変調光パルスを得る光パルス発生法
    であって、該半導体レーザ出射変調光パルスを入力し、
    その帯域Δλを、 0.32λ2/(C・Δτ)≦Δλ≦0.50λ2/(C・Δτ) (Cは光の速さ)の範囲内に制限し、該帯域を制限した
    光パルスを時分割処理した後、増幅することを特徴とす
    る光パルス発生法。
  3. 【請求項3】中心波長λの光を出射する半導体レーザ
    と、 該半導体レーザの出力光を光パルスに変換する変調器
    と、 該変調器によって変換された前記光パルスのパルス幅を
    Δτとするために、その帯域Δλを、0.32λ2/(C・
    Δτ)≦Δλ≦0.50λ2/(C・Δτ)(Cは光の速
    さ)の範囲内に制限する狭帯域フィルタとして機能する
    ファブリペロー干渉計またはマッハツェンダ干渉計と、 前記干渉計からの出射光を光増幅する光増幅器と からなることを特徴とする光パルス発生装置。
  4. 【請求項4】中心波長λの光を出射する半導体レーザ
    と、 該半導体レーザの出力光を光パルスに変換する変調器
    と、 該変調器によって変換された前記光パルスのパルス幅を
    Δτとするために、その帯域Δλを、0.32λ2/(C・
    Δτ)≦Δλ≦0.50λ2/(C・Δτ)(Cは光の速
    さ)の範囲内に制限する狭帯域フィルタとして機能する
    ファブリペロー干渉計またはマッハツェンダ干渉計と、 前記干渉計からの出射光を時分割多重処理する複数個の
    3dB光カップラと、 前記3dB光カップラから出射された出射光を光増幅する
    光増幅器と からなることを特徴とする光パルス発生装置。
  5. 【請求項5】請求項3または4記載の光パルス発生装置
    において、前記光増幅器は、ネオジムファイバ、エルビ
    ウムファイバ、または半導体レーザ増幅器であることを
    特徴とする光パルス発生装置。
  6. 【請求項6】請求項3、4、または5記載の光パルス発
    生装置を用いて、コード化された光パルスの列を長尺の
    単一モードファイバに、その一端から入射させ、前記単
    一モードファイバの他端から出射された前記光パルスの
    列を光検出器により検出することにより光通信を行うこ
    とを特徴とする光パルスの伝送方法。
  7. 【請求項7】請求項3、4、または5記載の光パルス発
    生装置の後に光変調器を挿入させ、それをコード化され
    た電気パルス列で駆動することにより、コード化された
    光パルスの列を発生させ、該光パルスの列を長尺の単一
    モードファイバに、その一端から入射させ、前記単一モ
    ードファイバの他端から出射された前記光パルスの列を
    光検出器により検出することにより光通信を行うことを
    特徴とする光パルスの伝送方法。
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