JP2656699B2 - 置換ベンジルアミノキヌクリジン - Google Patents

置換ベンジルアミノキヌクリジン

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JP2656699B2
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    • C07D453/02Heterocyclic compounds containing quinuclidine or iso-quinuclidine ring systems, e.g. quinine alkaloids containing not further condensed quinuclidine ring systems

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、医化学および化学療法の
分野の人々に興味を持たれる新規かつ有用な置換ベンジ
ルアミノキヌクリジン誘導体に関するものである。より
詳細には、本発明はP物質に対する拮抗作用の点で特に
有用な置換3−アミノキヌクリジンおよびその薬剤学的
に許容される塩さらにそれらからなる薬剤組成物に関す
るものである。そのため、これらの化合物は胃腸障害、
中枢神経系障害、炎症性疾患、喘息、疼痛および偏頭痛
の治療に用いることができる。本発明はまた、その範囲
内での新規な治療方法も含むものである。
【0002】
【従来の技術】ワラワ(E.J.Warawa)は、米
国特許第3560510号において、ある種の3−アミ
ノ−2−ベンズヒドリルキヌクリジンは、その中間体で
ある無置換3−ベンジルアミノ体と共に利尿剤として有
効であることを開示している。また、ワラワら(E.
J.Warawa et al)は、ジャーナル・オブ
・メディシナル・ケミストリー(Journal of
Medicinal Chemistry)第18
巻、587頁、1975年において、この研究を同系列
の他のもの、すなわち、3−アミノ部分がエチルアミ
ノ、β−フェニルエチルアミノ、β−イソプロピルアミ
ノ、2−フルフリルアミノのいずれかであって、いかな
る場合にもフェニル基自体は置換されてないものにも拡
大している。
【0003】しかし、上記文献ではこれらの化合物のい
ずれかでもP物質拮抗体として有効であることを教示ま
たは示唆しているものはない。
【0004】P物質は、タキキニンに属するペプチドで
あって、天然に存在するウンデカペプチドである。タキ
キニンの名称がついたのは、平滑筋組織に対する刺激作
用が速効性であるためである。より具体的に述べると、
P物質は哺乳動物において生成される薬理学的に活性な
ニューロペプチドであり(消化管から最初に単離され
た)、ベバーら(D.F.Veber et al)の
米国特許第4680283号に示されているように、特
徴的なアミノ酸配列を有する。多くの疾病に関する病理
において、P物質その他のタキキニンが広範囲に関わっ
ていることは、十分判明している。例えば、最近では、
サンドバーグら(B.E.B.Sandberg et
al)が、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミス
トリー(Journal of Medicinal
Chemistry)第25巻、1009頁、1982
年において、P物質が疼痛または偏頭痛の伝達に関係す
ることを、また、レゴリ(D.Regoli)は、トレ
ンズ・イン・クラスター・ヘッドエイク(Trends
in Cluster Headache)、85−
95頁、1987年発行(エルセヴィール)において、
不安症や精神分裂症のような中枢神経系障害、喘息等の
呼吸器疾患およびリウマチ性関節炎等の炎症性疾患、潰
瘍性大腸炎およびクローン病のような胃腸障害および胃
腸管の疾病などにも関係することを報告している。
【0005】ここ数年来、上記のような障害や疾病をよ
り有効に治療することを目的に、P物質を初めとするタ
キキニンペプチドに対する拮抗体となるペプチド様物質
を開発する努力がなされてきた。このような物質はペプ
チド様の性質があるために代謝されやすく、実際的な治
療薬として疾病の治療に用いるには安定性を欠くという
問題がある。これに対して非ペプチド性拮抗体である本
発明の置換ベンジルアミノキヌクリジンにはこのような
問題がなく、上で述べた従来のものに比べて代謝的には
るかに安定している。
【0006】一方、本発明の目的化合物と類似の化学構
造および同様の薬理活性を有する化合物は、PCT出願
(米国)90/05729号、日本特許出願平3−32
5237号および日本特許出願平4−065337号に
開示されている。特に、PCT出願(米国)90/05
729号においては、一連のシス−3−〔(環状基)メ
チルアミノ〕−2−〔(α−置換)アリルメチル〕キヌ
クリジンが開示されており、その2位に置換される置換
基としてベンズヒドリル基、置換ベンズヒドリル基(そ
の置換基としてはアルキル基、アルコキシ基およびハロ
ゲン等)およびビス−(2−チエニル)メチル基等があ
る。さらに、PCT出願(米国)90/05729号
は、開示されている化合物群がP物質拮抗剤としての活
性、抗炎症活性および抗精神病活性を持つことを示して
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、P物質の拮
抗剤として有用な化合物を提供することを目的とするも
ので、本発明者らはかかる目的を達成するために広範囲
にわたって調査、研究を行なった結果、以下に詳細に開
示するような一連の化合物の合成に成功した。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の式Iで
示されるような、新規な置換ベンジルアミノキヌクリジ
ン誘導体と、その薬剤学的に許容される塩を提供するも
のである。
【0009】
【化2】
【0010】〔式中、Ar1 およびAr2 はそれぞれ個
々にアリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基ま
たは置換ヘテロアリール基であり; R1 は炭素数が1ないし6のアルキル基であり; R2 は水素または炭素数が1ないし6のアルキル基であ
り; XおよびYはそれぞれ独立に水素、炭素数が1ないし6
のアルキル基、炭素数が2ないし6のアルケニル基また
は炭素数が2ないし6のアルキニル基であり; またはXおよびYはベンゼン環上の隣りあう位置に結合
し、一方の炭素鎖の先端が他方の炭素鎖の任意の位置で
結合して飽和または不飽和の炭素環(環上の水素原子が
酸素、水酸基または炭素数が1ないし6のアルキル基で
置換されてもよい(それら3つの置換基を組み合せた複
数置換を含む)5員環、6員環または7員環)を形成す
るものであり、XおよびYはベンゼン環上の可能などの
位置に結合してもよく; 但し、XまたはYのどちらか一方が水素である場合、他
方はアルケニル基またはアルキニル基でなければならな
い〕。
【0011】なお上記一般式中において、「アルキル」
とは、一価の直鎖状炭化水素、または分枝鎖状炭化水素
のラジカルを意味するもので、メチル、エチル、n−プ
ロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−
ブチル等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0012】「アルケニル」は二重結合を持つ一価の直
鎖状炭化水素及び分枝鎖状炭化水素の基を表す用語とし
て用いられており、エテニル、1−及び2−プロペニ
ル、2−メチル−1−プロペニル、1−及び2−ブテニ
ル等を包含するが、これらに限定されるものではない。
【0013】「アルキニル」は三重結合を持つ一価の直
鎖状炭化水素及び分枝鎖状炭化水素の基を表す用語とし
て用いられており、エチニル、プロピニル、ブチニル等
を包含するが、これらに限定されるものではない。
【0014】「アリール」及び「ヘテロアリール」は、
フェニル、ナフチル、ピリジル、キノリル、チエニル、
フリル、オキサゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、イ
ミダゾリル、ピラゾリルを意味し、これに限定されるも
のとする。また、上記アリール基又はヘテロアリール基
上の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アル
キルチオ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、フェノキ
シ基、モノ−またはジアルキルアミノ基があり、これに
限定されるものとする。
【0015】「アルコキシ」は−OR3 (R3 はアルキ
ル基)を表す用語として用いられており、メトキシ、エ
トキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、
イソブトキシ、t−ブトキシ等を包含するが、これらに
限定されるものではない。
【0016】「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素お
よびヨウ素由来のラジカルを意味するものである。
【0017】「アルキルチオ」は−SR4 (R4 はアル
キル基)を表す用語として用いられており、メチルチ
オ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチ
オ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、t−ブチルチオ
等を包含するが、これらに限定されるものではない。
【0018】本発明の好ましい化合物としては、 (2S,3S)−N−(5−イソプロペニル−2−メト
キシフェニル)メチル−2−ジフェニルメチル−1−ア
ザビシクロ〔2.2.2〕オクタン−3−アミン、(2
S,3S)−N−(2−メトキシ−5−ビニルフェニ
ル)メチル−2−ジフェニルメチル−1−アザビシクロ
〔2.2.2〕オクタン−3−アミン、(2S,3S)
−N−(2−メトキシ−4,5−ジメチルフェニル)メ
チル−2−ジフェニルメチル−1−アザビシクロ〔2.
2.2〕オクタン−3−アミン、(2S,3S)−N−
(5,6,7,8−テトラヒドロ−3−メトキシ−2−
ナフチル)メチル−2−ジフェニルメチル−1−アザビ
シクロ〔2.2.2〕オクタン−3−アミンおよび(2
S,3S)−N−(5−メトキシインダン−6−イル)
メチル−6−ジフェニルメチル−1−アザビシクロ
〔2.2.2〕オクタン−3−アミン等があげられる。
【0019】上記一般式の化合物のあるものは、酸塩の
形であってもよい。薬剤学的に許容される酸塩は、非毒
性の塩を形成することのできる酸の塩である。
【0020】本発明は、ヒトを含めた哺乳動物の炎症性
疾患(関節炎、乾癬、喘息および炎症性大腸炎)、不安
症、抑鬱症、精神病、疼痛、逆流性胃食道炎、各種アレ
ルギー症状(湿疹および鼻炎)、慢性気道閉鎖症、各種
過敏症(たとえばツタウルシ過敏症)、各種血管痙攣症
状〔アンギナ、偏頭痛およびレイノード(Reynau
d)病〕、繊維病および膠原病(たとえば強皮症および
好酸性肝蛭病)、各種反射交感神経異栄養症(たとえば
頸腕症候群)、各種耽溺(依存)症(たとえばアルコー
ル中毒)、ストレス性染色体異常、末梢神経疾患、神経
痛、各種神経病理学的異常(アルツハイマー病、エイズ
性痴呆、糖尿病性神経痛および多発性硬化症)、免疫増
強および免疫抑制に関する諸症状(たとえば全身性紅斑
性狼瘡)、リウマチ病(たとえば繊維組織炎)の治療お
よび予防に用いられる薬剤組成物を包含するものであっ
て、上記一般式の化合物またはその薬剤学的に許容され
る塩と、薬剤学的に許容される担体または希釈剤とから
なるものである。
【0021】本発明はまた、哺乳動物のP物質拮抗剤と
して用いられる薬剤組成物を包含するものであって、上
記一般式の化合物またはその薬剤学的に許容される塩
と、薬剤学的に許容される担体または希釈剤とからなる
ものである。
【0022】本発明は、ヒトを含めた哺乳動物の炎症性
疾患(関節炎、乾癬、喘息および炎症性大腸炎)、不安
症、抑鬱症、精神病、疼痛、逆流性胃食道炎、各種アレ
ルギー症状(湿疹および鼻炎)、慢性気道閉鎖症、各種
過敏症(たとえばツタウルシ過敏症)、各種血管痙攣症
状〔アンギナ、偏頭痛およびレイノード(Reynau
d)病〕、繊維病および膠原病(たとえば強皮症および
好酸性肝蛭病)、各種反射交感神経異栄養症(たとえば
頸腕症候群)、各種耽溺(依存)症(たとえばアルコー
ル中毒)、ストレス性染色体異常、末梢神経疾患、神経
痛、各種神経病理学的異常(アルツハイマー病、エイズ
性痴呆、糖尿病性神経痛および多発性硬化症)、免疫増
強および免疫抑制に関する諸症状(たとえば全身性紅斑
性狼瘡)、リウマチ病(たとえば繊維組織炎)の治療お
よび予防のために、上記一般式の化合物またはその薬剤
学的に許容される塩の治療有効量をヒトを含めた哺乳動
物に投与することからなる治療方法に関するものであ
る。
【0023】本発明の新規な化合物は、下記の方法によ
って製造することができる。
【0024】
【一般的な合成方法】請求項1の化合物は、当業者によ
く知られた種々の方法で製造できる。例えば、キヌクリ
ジンを出発原料とした合成経路、および合成法は、PC
T出願(米国)90/05729号に開示されている。
すなはち、下記の式に示す1および2の経路が本発明の
目的物質を製造するために利用できる。
【0025】式1
【0026】
【化3】
【0027】式2
【0028】
【化4】
【0029】(ここで全ての記号は請求項1で定義した
通りである)。
【0030】式1で示す第一の経路は、2-ジアリルメチ
ルキヌクリジン−3−オン(i)と置換ベンジルアミン
を縮合した後、得られた中間体であるイミンを還元する
ことを経由するものである。これらのキヌクリジン−3
−オン誘導体(i)は、既知の方法〔例えば、米国特許
第3560510号、ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル
ソサイエティー(Journal of the Chemical Society, 1
241 (1939)およびPCT出願(米国)90/05729
号〕と同様にして得ることができる。
【0031】キヌクリジン−3−オン誘導体(i)の3
位にベンジルアミノ基を直接導入する過程では、始めは
それらからイミンを生成することになるが、ここでは熱
トルエン中で酸触媒(例えばカンファースルホン酸)が
脱水条件下で用いられることが多い。得られたイミン化
合物中のC=N二重結合の還元は、適当な水素源により
達成できる。例えば、触媒を用いた水素添加、アルミニ
ウム系還元剤、ボラン類、水素化ホウ素類、トリアルキ
ルシラン類などが利用できる。トリアルキルボラン(た
とえば9−BBN)やNaBH(OAc)3 との反応
は、THFまたは塩化メチレン等の溶媒中で、反応温度
は室温で、30分から数日の反応時間で行うと良い結果
が得られることが多い。
【0032】式1に示された置換ベンジルアミンは、後
述される置換ベンズアルデヒドより当業者に良く知られ
た技術、例えばアンモニアとの還元的アミノ化により変
換できる。
【0033】式2で示す第二の経路は、3-アミノ−2 −
ジアリルメチルキヌクリジン(ii)と置換ベンズアルデヒ
ドを縮合した後、還元することを経由するものである。
これらの3−アミノキヌクリジン誘導体は、既知の方法
〔例えば、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミスト
リー(Journal of MedicinalCh
emistry)第18巻、587頁、1975年〕と
同様にして得ることができる。
【0034】置換ベンズアルデヒドを得る為には、次に
挙げる文献に掲載された当業者によく知られた標準的な
方法(置換アルコキシベンゼンのホルミル化)により製
造できる。:(A) ダフ反応(Duff’s reaction)(テト
ラメチレンテトラミン/トリフルオロ酢酸),Syntheti
c Communication, 15, 61 (1985),(B) TiCl4 /ジクロ
ロメチルエーテル,Journal of Organic Chemistry, 5
1, 4073 (1986) , (C)二段階の反応(塩酸/HCHOの後
2−ニトロプロパン/NaOMe ),JP-58-501127,(D) Jou
rnal of the American Chemical Society, 2466, (195
5)。
【0035】また、様々な置換アルコキシベンゼンは、
ハロゲン置換アルコキシベンゼンを原料とし、次に挙げ
る文献に掲載されたパラジウム触媒を使ったカップリン
グ反応で合成できる。:(E) Angewandte Chemie. Inter
national Edition in English, 25, 508 (1986) by J.
K. Stille et al, (F) Journal of Organic Chemistry,
53, 1170 (1988) by J. K. Stille et al, (G) Tetrah
edron Letters, 4467(1975) by K. Sonogashira et al,
(H) Synthesis, 627 (1980) by N. Hagiharaet al.. 例えば、本発明に関連する5−アルケニル−2−アルコ
キシベンズアルデヒドまたは5−アルキニル−2−アル
コキシベンズアルデヒドを合成する場合には、相当する
アルケニルティン化合物またはアルキン化合物を非反応
性溶媒中で、適当なパラジウム触媒の存在下、2−アル
コキシ−5−ブロモ(または5−ヨード)ベンズアルデ
ヒドと反応させる。この反応において、好適なパラジウ
ム触媒はPd(PPh3 4 またはPdCl2 (PPh
3 2 であり、好適な温度範囲は室温から還流温度の範
囲であり、反応時間は1時間から48時間が好ましい。
好適な溶媒は5−アルケニル−2−アルコキシベンズア
ルデヒドを得るためには、DMF、THF、トルエン等
が用いられ、5−アルキニル−2−アルコキシアルデヒ
ドを得るためには、ジエチルアミン、ピペリジン、トリ
エチルアミン等が用いられる。
【0036】式2で示す第二の経路では、還元的アミノ
化反応〔例えばメタノール溶媒中でシアノ水素化ホウ素
ナトリウムの存在する反応条件:Journal of the Ameri
canChemical Society, 93, 2897 (1971) 〕を利用する
直接的なアリールメチル化も可能である。
【0037】XおよびYが互いに結合して飽和または不
飽和の炭素環を形成している場合の本発明の化合物も第
二の経路で合成できる。この場合の詳しい合成経路(合
成経路Aおよび合成経路B)を以下に示す。
【0038】
【化5】
【0039】すなわち、原料となるアルデヒド類は当業
者に良く知られた置換基の変換法によって得ることがで
きる。例えば、市販されている5−メトキシインダノン
(1)を出発原料とした種々の該アルデヒド類は合成経
路Aに従って合成される。
【0040】すなわち、(1)のカルボニル基をメチル
基に変換したアルデヒド(4)は、(1)のグリニヤー
ル反応の後、水素化分解することにより生成した5−メ
トキシ−1−メチルインダン(3)のホルミル化によっ
て得られる。ホルミル化の方法は先に挙げた種々の反応
が適用できる。また(3)は(1)のオレフィン化の
後、還元することによっても得られる。オレフィン化に
は例えば、ウィッティヒ反応(Wittig reac
tion)〔オーガニック・リアクション(Organ
ic Reaction),14,270 (196
5)〕やテッベ試薬(Tebbe’sreagent)
〔Journal of the American Chemical Society, 100, 3
611 (1978)〕が利用できる。ウィッティヒ反応において
は、所望によりCeCl3 を加えることもできる〔Jour
nal of the American Chemical Society, 111, 4392 (1
989)〕。また、(1)を直接ホルミル化すれば、炭素環
部分にカルボニル基を有するアルデヒド(6)が得られ
る。
【0041】(6)のカルボニル基を水酸基に変換した
アルデヒド(8)は、(1)の直接ホルミル化で得られ
る(6)を適当に保護(7)した後、NaBH4 等で還
元し、最後に脱保護して得られる。保護基およびその脱
保護に関してはグリーンおよびウッツ(T.W.Green and
P.G.M.Wuts)による「有機合成における保護基(Protec
tive Groups in Organic Synthesis)」に記載されたも
のが使用できる。
【0042】(7)は先に述べたオレフィン化の後、脱
保護することにより、エキソメチレン基を有するアルデ
ヒド(9)に変換できる。(7)はまた、グリニヤール
反応生成物(10)の脱水によりメチレン鎖内に二重結
合を有するアルデヒド(11)に導くこともできる。
(10)はそのまま脱保護を行えば水酸基とメチル基を
有する(12)が合成される。
【0043】一方、合成経路Bに示すように(1)はL
DA/ハロゲン化アルキルの条件下にカルボン酸の隣接
位にアルキル基を有する(13)に、また、HBr等に
より脱メチル化後に再びアルキル化することによって
(14)に導くことができる。このようにして得られた
(13)、(14)を出発原料として合成経路Aと同様
のルートによりさらに多くの目的とするアルデヒドを得
ることができる。
【0044】尚、ウィッティヒ反応、オレフィン化反
応、アルキル化反応においては、試薬の炭素数の増減に
よって任意の長さの置換されたメチレン基を有するベン
ズアルデヒド類が合成でき、これらもまた式2に示す第
二の経路に従って本発明の化合物の合成に利用できる。
【0045】以上メチレン鎖部分の炭素数が3である5
−メトキシインダノン(1)を出発原料とした合成例を
中心に記載したが、6−メトキシインダノン(市販)や
メトキシテトラロン(メチレン鎖部分の炭素数が4)に
も同様の方法が適用できることは言うまでもない。
【0046】以上、前記の方法により合成された本発明
の目的化合物である置換ベンジルアミノキヌクリジン
は、再結晶、カラムクロマトグラフィ−等の常法によっ
て単離精製される。
【0047】本発明のキヌクリジン化合物は、すべて少
なくとも4個の不斉中心を持っているため、種々の立体
異性体または配位のものが存在し得る。したがって、本
発明の化合物は、(+)および(−)の別々の光学活性
体として、およびラセミ体または(±)混合物として存
在し得る。本発明は、これらすべての型をその範囲に包
含するものである。たとえば、ジアステレオマーは、当
業者によく知られた方法、たとえば分別結晶法等によっ
て分離することができ、また、光学活性体は、ラセミ体
を単に分割するのみの、よく知られた有機化学的手法に
よって得ることができる。
【0048】本発明のキヌクリジン化合物の大部分は塩
基性の化合物であるから、有機または無機の種々の酸と
種々の塩を形成することができる。
【0049】このような塩は、動物に投与するためには
薬剤学的に許容されるものでなければならないが、実際
には、単離した時に薬剤学的に許容されない塩であって
も、アルカリ性試薬で処理して遊離の塩基に戻した後、
この遊離塩基を薬剤学的に許容される酸付加塩にするこ
ともできる。本発明の塩基性キヌクリジンの酸付加塩
は、実質的に当量の好適な無機酸または有機酸と、水溶
性溶媒中またはメタノール、エタノール等の適当な有機
溶媒中で処理することによって容易に製造することがで
きる。溶媒を注意深く蒸発させると所望の固体塩が容易
に得られる。
【0050】上記のような本発明の塩基性キヌクリジン
の薬剤学的に許容される酸付加塩の製造に使用する酸と
しては、非毒性の酸付加塩である塩酸塩、臭化水素酸
塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩もしくは重硫酸
塩、燐酸塩もしくは酸性燐酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエ
ン酸塩もしくは酸性クエン酸塩、酒石酸もしくは重酒石
酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、グルコ
ン酸塩、サッカラート、安息香酸塩、メタンスルホン酸
塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−
トルエンスルホン酸塩、パモ酸塩(1,1’−メチレン
−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸塩))等の
ような薬剤学的に許容される陰イオンを含む塩を形成す
る酸が挙げられる。
【0051】酸性の性質も有する本発明のキヌクリジン
は、種々の薬剤学的に許容される陽イオンと塩基塩を形
成することもできる。このような塩の中には、アルカリ
金属塩やアルカリ土類金属塩が含まれるが、特にナトリ
ウム塩およびカリウム塩を挙げることができる。これら
の塩は、いずれも従来技術で製造できるものである。本
発明の薬剤学的に許容される塩基塩の製造に使用する塩
基は、上述の酸性キヌクリジン誘導体と共に非毒性の塩
基塩を形成するものである。このような非毒性塩基塩に
は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム
のような薬剤学的に許容される陽イオンから製造される
ものが包含される。これらの塩は上記酸性キヌクリジン
を所望の薬剤学的に許容される陽イオン水溶液で処理し
た後、得られた溶液を蒸発乾固させることによって製造
できる。また、別の方法として、酸性キヌクリジンの低
級アルカノール溶液と所望のアルカリ金属アルコキシド
を混合し、得られた溶液を上の場合と同じように蒸発乾
固させる方法で製造してもよい。いずれの場合でも化学
量論的な量の試薬を用いて、反応を完全に行わせると共
に、最終製品の収率を最大にできるようにするのが望ま
しい。
【0052】
【発明の効果】本発明の活性キヌクリジンは、優れたP
物質受容体結合作用を示すため、前記P物質の作用が過
剰にあることを特徴とする前記の様々な病状の治療に有
効である。このような病状の中には潰瘍および大腸炎の
ような胃腸障害およびその他の胃腸病、不安症、精神病
等の中枢神経系障害、リュウマチ性関節炎、炎症性腸炎
のような炎症性疾患の他、偏頭痛も含めて上記のような
病状に伴う疼痛が含まれる。したがって、本発明の化合
物はヒトを含めた哺乳動物の上記のような病状の抑制お
よび/または治療を行う目的で、P物質拮抗剤として使
用できるものである。
【0053】本発明の化合物を抗炎症剤として試験する
と、ラットの足におけるマスタードオイル誘導血漿漏出
試験〔レンベックら(F.Lembeck et a
l)のブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ファーマコ
ロジー(British Journal of Ph
armacology)第105巻、第527頁、19
92年における報告を参照〕およびモルモットの輸尿管
におけるカプセイシン誘導血漿漏出試験〔ナガヒサら
(A.Nagahisa et al)のヨーロピアン
・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(Europe
an Journal of Pharmacolog
y)第217巻、第191頁、1992年における報告
を参照〕において優れた作用を示す。
【0054】放射性に標識した上記式の化合物は、薬物
代謝速度の研究において、また、ヒトおよび動物の体内
における薬物のバインディング・アッセイにおいて、研
究用および診断用の手段として有用である。研究の分野
では、特に放射性リガンドのバインディング・アッセ
イ、オートラジオグラフィーおよびインビボでのバイン
ディングの研究に用いられ、また、診断の分野では、特
に人間の脳の中のP物質受容体の研究、たとえば病気の
状態での上昇/下降調整、および炎症に関係している組
織、たとえば免疫型の細胞や炎症性大腸炎等に直接関係
している細胞におけるバインディングの研究に用いられ
る。特に、本発明のキヌクリジン化合物の放射性標識形
としては、置換3−アミノキヌクリジンのトリチウムお
よび14C−異性体が用いられる。
【0055】以上に述べた活性キヌクリジン化合物は、
経口、非経口、局所のいずれの経路で投与してもよい。
一般にこれらの化合物の最も望ましい投与量は、1日あ
たり約0.3mgから約300mgの間であるが、患者の体
重および症状や個々の投与経路によって当然変動する。
しかし、体重1kgにつき1日に約0.06mgから約6mg
の投与量が最も望ましいと言える。しかしながら治療す
る動物の種類およびその動物の前記薬物に対する感受性
の差異、さらに薬剤の処方の仕方、投与期間および投与
間隔によっても投与量に変動が生じてくる。場合によっ
ては前記範囲の下限より低い投与量が適当なこともある
し、前記範囲より投与量を多くしてもそれを1日に何回
にも分けて少量ずつ投与すれば有害な副作用を生じない
場合もある。
【0056】本発明の化合物は、前記3つの投与経路の
いずれをとっても単独または薬剤学的に許容される担体
または希釈剤と共に投与することができ、またその投与
は1回または数回に分けて行うことができる。より具体
的に述べると、本発明の新規な治療剤は、様々な種類の
投与形態で投与することができ、たとえば各種の薬剤学
的に許容される不活性担体と併用して錠剤、カプセル、
薬用ドロップ、トローチ、硬質キャンディ、粉末剤、噴
霧剤、クリーム、膏薬、座薬、ゼリー、ジェル、ペース
ト、ローション、軟膏、水性懸濁液、注射液、エリキシ
ル、シロップ等の形態とすることができる。これらの担
体には、固体希釈剤または賦形剤、無菌水性媒体、各種
の非毒性有機溶媒等が含まれる。また経口投与用の薬剤
の場合適宜に甘味付けおよび/または香味付けを行って
も良い。一般に本発明の治療上有効な化合物は、上記の
ような形態で約5.0重量%から70重量%の濃度範囲
で投与される。
【0057】経口投与の場合、微晶質セルロース、クエ
ン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、燐酸ジカリウム、グ
リシンのような種々の賦形剤を、澱粉、好適にはとうも
ろこし、じゃがいもまたはタピオカの澱粉、およびアル
ギン酸やある種のケイ酸複塩のような種々の崩壊剤、お
よびポリビニルピロリドン、蔗糖、ゼラチン、アラビア
ゴムのような顆粒形成結合剤と共に使用することができ
る。また、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナ
トリウム、タルク等の滑沢剤も錠剤形成に非常に有効で
あることが多い。同種の固体組成物をゼラチンカプセル
に充填して使用することもできる。これに関連して好適
な物質としてラクトースまたは乳糖の他、高分子量のポ
リエチレングリコールを挙げることができる。経口投与
用として水性懸濁液および/またはエリキシルにしたい
場合、活性成分を各種の甘味料または香味料、着色料ま
たは染料と併用する他、必要であれば乳化剤および/ま
たは懸濁化剤も併用し、水、エタノール、プロピレング
リコール、グリセリン等、およびそれらを組み合わせた
希釈剤と共に使用することができる。
【0058】非経口投与の場合、本発明の化合物をゴマ
油または落花生油のいずれかに溶解するか、あるいはプ
ロピレングリコール水溶液に溶解した溶液を使用するこ
とができる。水溶液は必要に応じて適宜に緩衝し(好適
にはpH8以上)、液体希釈剤をまず等張にする必要が
ある。このような水溶液は静脈内注射に適し、油性溶液
は関節内注射、筋肉注射および皮下注射に適する。これ
らすべての溶液を無菌状態で製造するには、当業者に周
知の標準的な製薬技術で容易に達成することができる。
さらに、本発明の化合物を皮膚の炎症の治療に使用する
場合、局所的に投与することも可能である。この場合は
標準的な医薬慣行によりクリーム、ゼリー、ペースト、
軟膏の形で局所投与するのが望ましい。
【0059】P物質拮抗剤としての本発明の化合物の作
用を測定するためには、牛尾組織またはIM−9細胞の
P物質受容部位においてP物質の結合を阻止する能力
を、放射性リガンドを用いて測定する。上述のキヌクリ
ジン化合物のP物質拮抗作用は、カシエリら(M.A.
Cascieri et al)のジャ−ナル・オブ・
バイオロジカル・ケミストリー(Journal of
BiologicalChemistry)第258
巻、第5158頁、1983年に記載されている標準検
定法を用いて評価する。この方法は本質的に、前記の単
離した牛尾組織またはIM−9細胞のP物質受容部位に
おける放射性に標識したP物質リガンドの量を50%低
減するのに必要な個々の化合物の濃度を測定することに
よって、被験化合物毎に特徴的なIC50値を求めるも
のである。この試験で、いくつかの好ましい化合物は、
P物質の受容部位結合阻害に関して0.1nM(ナノモ
ル)以下の低IC50値を示した。
【0060】本発明の化合物の抗炎症作用については上
述のラットの足におけるマスタードオイル誘導血漿漏出
試験で証明されている。この試験は、マスタードオイル
の足甲塗布に応答して雌のSD系ラット(体重100〜
150g)の後足に生じる血漿の漏出を抑制する割合に
より抗炎症作用を測定するものである。本発明の化合物
は、0.1%のメチルセルロースを含む水溶液に溶解
し、マスタードオイルを塗布する1時間前に経口投与す
る。エバンスブルー注射液(50mg/kgを0.02
%の牛血清アルブミンを含む生理食塩水に溶解したも
の)を静注後、流動パラフィンにより5%濃度に希釈し
たマスタードオイルをラットの後足に塗布する。20分
後、足を切断し凍結する。該足を粉砕後エバンスブルー
を抽出し比色定量する。
【0061】また、もう一つの試験方法であるモルモッ
トの輸尿管におけるカプセイシン誘導血漿漏出試験で
も、その抗炎症作用が証明されている。この試験は、カ
プセイシンの腹腔内注射に応答して雄のハートレー系モ
ルモット(体重450〜500g)の輸尿管に生じる血
漿の漏出を抑制する割合により抗炎症作用を測定するも
のである。本発明の化合物は、0.1%のメチルセルロ
ースを含む水溶液に溶解し、カプセイシンを注射する1
時間前に経口投与する。エバンスブルー注射液(30m
g/kg)をカプセイシンを注射する5分前に静脈注射
する。カプセイシンを注射から10分後、モルモットを
屠殺して左右の輸尿管を取り出す。得られた組織中のエ
バンスブルーを抽出し比色定量する。上記2つの試験に
おいて、本発明の化合物で処置した群と非処置群との応
答の相違が、統計学的に有意のものであれば、活性化合
物と判断される。
【0062】各種精神障害の治療に用いる神経弛緩剤と
しての本発明の化合物の抗精神病作用の測定は、主とし
てそれらの化合物がラットのP物質誘導亢進症を抑制す
る能力を調べる方法で行う。この調査は、まずラットに
対照化合物または適当な本発明の被験化合物を投与した
後、P物質をカニューレにより脳内注射し、個々のラッ
トの前記刺激に対する運動応答を測定する方法で行う。
【0063】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて説明するが、
本発明はこれらの実施例において細部にわたって特定さ
れた事項に限定されるものではない。実施例で用いられ
る融点はヤナコ製ミクロ融点測定器(未補正)、赤外吸
収スペクトルは島津製赤外分光光度計( IR-470 )で測
定した。また、プロトン核磁気共鳴スペクトル(NM
R)は、特に指示がないかぎり重クロロホルム(CDCl3
)の溶液で、日本電子製核磁気共鳴装置(JNM −GX270
、 270 MHz)により測定されたものである。また、ピ
ーク位置はテトラメチルシランからダウンフィールドへ
100万分の1単位(ppm )で表現する。ピーク形状は
次のように表す。s:シングレット、d:ダブレット、
t:トリプレット、m:マルチプレット、br:ブロー
ド。
【0064】実施例1:(2S,3S)−N−(5−イ
ソプロペニル−2−メトキシフェニル)メチル−2−ジ
フェニルメチル−1−アザビシクロ〔2.2.2〕オク
タン−3−アミン 5−イソプロペニル−o−アニスアルデヒド 5−イソプロペニル−o−アニスアルデヒドは、スティ
レ(J. K. Stille)の方法〔ジャーナル・オブ・オーガ
ニック・ケミストリー(Journal of Organic Chemistr
y)、第52巻、第422頁、1987年を参照〕に従
って合成された。
【0065】トリ−n−ブチル−イソプロペニルすず
(12.1 g, 36.6 mmol )のトルエン(10 ml )溶液を5
−ブロモ−o−アニスアルデヒド(6.00 g, 27.9 mmol
)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム(1.21 g, 1.05mmol)および2,6−t−ブチル−4
−メチルフェノール(10 mg )の混合トルエン(50 ml
)溶液に室温で窒素雰囲気下添加し、7時間還流加熱
した。その反応混合溶液にエーテルとフッ化カリウム水
溶液(80 ml )を加えて、3時間攪拌した。不溶物をセ
ライトで濾去し、濾液をエーテルで抽出した。得られた
有機層を1N−NaHSO4 水溶液、重曹水および食塩
水で洗浄した。その抽出液をNa2 SO4 で乾燥した後
に、減圧濃縮した。得られた油状物をシリカゲルクロマ
トグラフィー(シリカ140g、5%酢酸エチル/ヘキ
サン)で精製することによって黄色油状物の化合物
(2.49g,収率51%)を得た。
【0066】1H−NMR(CDCl3 )δ:10.47 (s,
1H), 7.93 (d, J=2.6Hz, 1H), 7.69(dd, J=8.8, 2.6H
z, 1H), 6.96 (d, J=8.8Hz, 1H), 5.35 (br. s, 1H),
5.07 (m, 1H), 3.94 (s, 3H), 2.15 (m, 3H)。
【0067】前記トリ−n−ブチル−イソプロペニルす
ずはセイファース(D.Seyferth) の方法〔ジャーナル・
オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(Jo
urnal of the American Chemical Society)第79巻、
第515頁、1957年〕にしたがって合成された。
【0068】(2S,3S)−N−(5−イソプロペニ
ル−2−メトキシフェニル)メチル−2−ジフェニルメ
チル−1−アザビシクロ〔2.2.2〕オクタン−3−
アミン 5−イソプロペニル−o−アニスアルデヒド(717 mg,
4.07 mmol )、(−)−(2S,3S)−シス−2−ジ
フェニルメチル−1−アザビシクロ〔2.2.2〕オク
タン−3−アミン(1.00 g, 3.42 mmol )およびNaB
H(OAc)3(1.01 g, 4.76 mmol )の混合塩化メチ
レン溶液を室温で5時間攪拌した。その反応混合溶液を
炭酸カリウム水溶液(20 ml )で塩基性化した後、塩化
メチレンで抽出し、さらに抽出液をNa2 SO4 で乾燥
し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマト
グラフィー(シリカ2.0g、0−5%メタノール/イ
ソプロピルエーテル)で精製し、さらにイソプロピルエ
ーテルから再結晶することによって標題化合物(820 m
g,収率53%)を得た。
【0069】その結果、得られた化合物の化学構造式お
よび物理化学的特性は、以下の通りである。
【0070】構造式:
【0071】
【化6】
【0072】融点:99.0−103.0℃ IR(ヌジョール)ν:1605, 1500, 125
0, 1030cm-1 1 H−NMR(CDCl3 )δ:7. 32−7. 03
(m, 11H), 6. 94(d,J=2.2Hz,1
H),6.66(d,J=8.5Hz,1H),5.2
2(m, 1H), 4.99(m,2H),4. 49
(d,J=12Hz, 1H), 3. 67(dd, J=1
2,8Hz,1H), 3. 58(d,J=13Hz,1
H), 3.54(s,3H),3. 20(m, 1H),
3. 18(d,J=13Hz, 1H), 2. 93(d
d, J=8,4Hz,1H), 2.75(br.t,J
=8Hz,2H),2.60(br.t,J=12H
z,1H),2.14−2.04(m,1H),2.1
0(d,J=0.5Hz,3H),1.98−1.85
(m,1H),1.72−1.45(m,2H),1.
26(m,1H)。
【0073】実施例2:(2S,3S)−N−(2−メ
トキシ−5−ビニルフェニル)メチル−2−ジフェニル
メチル−1−アザビシクロ〔2.2.2〕オクタン−3
−アミン 5−ビニル−o−アニスアルデヒドは、スティレ(J.
K. Stille)の方法〔ジャーナル・オブ・オーガニック
・ケミストリー(Journal of Organic Chemistry)、第
52巻、第420頁、1987年を参照〕に従って5−
ブロモ−o−アニスアルデヒドおよびビニルトリブチル
すずから合成された。
【0074】1H−NMR(CDCl3 )δ:10.46 (s,
1H), 7.88 (d, J=2.6Hz, 1H), 7.60(dd, J=9.0, 2.6H
z, 1H), 6.97 (d, J=9.0Hz, 1H), 6.67 (dd, J=17.6, 1
0.6Hz, 1H), 5.70 (d, J=17.6Hz, 1H), 5.12 (d, J=10.
6Hz, 1H), 3.94 (s, 3H) 。
【0075】(2S,3S)−N−(2−メトキシ−5
−ビニルフェニル)メチル−2−ジフェニルメチル−1
−アザビシクロ〔2.2.2〕オクタン−3−アミン
は、実施例1の方法に従って、5−ビニル−o−アニス
アルデヒドおよび(−)−(2S,3S)−シス−2−
ジフェニルメチル−1−アザビシクロ〔2.2.2〕オ
クタン−3−アミンから合成された。得られた粗生成物
は常法によりモノメタンスルホン酸塩に変換され、それ
をアセトンから再結晶することによって標題化合物
(0.45g,収率33.7%)を得た。
【0076】その結果、得られた化合物の化学構造式お
よび物理化学的特性は、以下の通りである。
【0077】構造式:
【0078】
【化7】
【0079】融点:225−232℃ IR(KBr)ν:3410(br.), 1502
(s), 1454(m), 1300−1100(br,
m),898(s),821(s),753(s),7
09(s)cm-1 1 H−NMR(CDCl3 )δ:7. 34−7. 03
(m, 11H), 6. 75(d,J=2.0Hz,1
H),6.66(d,J=8.4Hz,1H),6.5
9(dd, J=17.8,10.9Hz,1H), 5.
55(dd, J=17.8,1.0Hz,1H), 5.
12(dd, J=10.9,1.0Hz,1H), 4.
49(d,J=12.4Hz,1H), 3.68(d
d, J=12.4,8.0Hz,1H), 3.57
(d,J=13.0Hz,1H),3. 56(s, 3
H),3. 22(d,J=13Hz, 1H), 3.29
−3.15(m,1H),2.92(dd, J=8.
0,4.0Hz,1H),2.76(m,2H),2.
60(m,1H),2.09(m,1H),1.93
(m,1H),1.71−1.46(m,2H),1.
32−1.21(m,1H)。
【0080】実施例3:(2S,3S) −N−(2−メトキシ
−4,5 −ジメチルフェニルメチル)−2−ジフェニルメ
チル−1−アザビシクロ[2.2.2] オクタン−3−アミン 2−メトキシ−4, 5−ジメチルベンズアルデヒドの製
本アルデヒドは、本明細書内の一般合成の箇所に記載し
た方法に従って合成できた。
【0081】1H NMR: 10.38(1H, s), 7.58(1H, s), 6.7
7(1H, s), 3.89(3H, s), 2.31(3H,s), 2.21(3H, s)。
【0082】(2S,3S) −N−(2−メトキシ−4,5 −ジ
メチルフェニル)メチル−2−ジフェニルメチル−1−
アザビシクロ[2.2.2] オクタン−3−アミンの製造 2−メトキシ−4, 5−ジメチルベンズアルデヒド (0.
26 g, 1.57 mmol)、 (-)-(2S,3S)−シス−2−ジフェニ
ルメチル−1−アザビシクロ[2.2.2] オクタン−3−ア
ミン (0.40 g, 1.57 mmol)、および NaBH(OAc)3 (0.41
g, 1.92 mmol)をジクロロメタン中、室温で5時間攪拌
した。反応混合物を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで
乾燥後、溶媒を留去した。残渣をエタノ−ルから再結晶
して標題化合物を得た(0.4 g) 。
【0083】その結果、得られた化合物の化学構造式お
よび物理化学的特性は、以下の通りである。
【0084】構造式:
【0085】
【化8】
【0086】融点:218−225℃。
【0087】IR (KBr): 3400, 3200, 1620, 1510, 1455
cm-1
【0088】1H NMR (遊離型):7.36-7.00(10H, m),
6.51(1H, s), 6.34(1H,s), 4.48(1H,d, J= 12.1 Hz),
3.63(1H, dd, J= 12.1, 8.4 Hz), 3.52(3H, s), 3.50(1
H, d,J= 12.8 Hz), 3.20(1H, d, J= 12.8 Hz), 2.90(1
H, dd, J= 8.4, 4.0 Hz), 2.81-2.73(2H, m), 2.66-2.5
5(1H, m), 2.20(3H, s), 2.11(3H, s), 2.10-2.04(1H,
m), 2.00-1.85(1H, m), 1.65-1.45(3H, m), 1.30-1.18
(1H, m) 。
【0089】実施例4: (2S,3S)−N−(5, 6, 7,
8−テトラヒドロ−3−メトキシ−2−ナフチル)メチ
ル−2−ジフェニルメチル−1−アザビシクロ[2.2.2]
オクタン−3−アミン 二塩酸塩 3−メチル−5, 6, 7, 8−テトラヒドロ−2−ナフ
トアルデヒド (0.913g, 4.8 mmol)、 (-)-(2S,3S)−シ
ス−2−ジフェニルメチル−1−アザビシクロ[2.2.2]
オクタン−3−アミン (1.170 g, 4 mmol)、および NaB
H(OAc)3 (0.933g, 4.4 mmol) をジクロロメタン中、室
温で攪拌した。反応終了後、反応混合物を飽和の重曹水
(20 ml)で弱塩基性にした。有機層を水洗、硫酸ナトリ
ウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラ
ムで精製し、得られた粗生成物を塩酸/エーテルにより
塩酸塩とした。
【0090】その結果、得られた化合物の化学構造式お
よび物理化学的特性は、以下の通りである。
【0091】構造式:
【0092】
【化9】
【0093】融点:231℃。
【0094】IR (KBr): 3420, 2900, 1620, 1505, 144
5, 1260, 1105, 750, 710cm-1
【0095】1H NMR (遊離型):8.40(1H, br), 7.92
(2H, m), 7.67(2H, m), 7.43-7.18(6H, m), 6.73(1H,
s), 6.42(1H, m), 6.10(1H, m), 5.57(1H, d, J= 12.5
Hz), 5.53(1H, m), 4.48(1H, m), 4.34(1H, m), 4.16(1
H, m), 3.83(2H, m), 3.71-3.42(4H, m), 3.31(3H, s),
3.29(2H, m), 2.77-2.56(5H, m), 2.40-1.95(4H, m),
1.78(4H, m) 。
【0096】実施例5: (2S,3S)−N−(5−メトキシ
インダン−6−イルメチル)−2−ジフェニルメチル−
1−アザビシクロ[2.2.2] オクタン−3−アミン 二塩酸塩標題化合物は、実施例2と同様の操作により製
造できた。
【0097】その結果、得られた化合物の化学構造式お
よび物理化学的特性は、以下の通りである。
【0098】構造式:
【0099】
【化10】
【0100】融点:160−163℃。
【0101】IR (KBr): 3420, 1495, 1460cm-1
【0102】1H NMR (遊離型): 7.41-7.12(9H, m),
7.12-7.02(1H, m), 6.61(1H, s), 6.37(1H, s), 4.50(1
H, d, J= 12.1 Hz), 3.66(1H, dd, J= 12.1, 7.7 Hz),
3.60-3.48(1H, m), 3.54(3H, s), 3.26(1H, d, J= 13.2
Hz), 3.28-3.15(1H, m), 2.97-2.70(7H, m), 2.81-2.7
3(2H, m), 2.60(1H, t, J= 11.0 Hz), 2.14-1.87(4H,
m), 1.73-1.44(2H, m), 1.35-1.20(1H, m)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/435 ACJ A61K 31/435 ACJ

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の化学式で表される化合物: 【化1】 〔式中、Ar1 およびAr2 はそれぞれ個々にアリール
    基、置換アリール基、ヘテロアリール基または置換ヘテ
    ロアリール基であり; R1 は炭素数が1ないし6のアルキル基であり; R2 は水素または炭素数が1ないし6のアルキル基であ
    り; XおよびYはそれぞれ独立に水素、炭素数が1ないし6
    のアルキル基、炭素数が2ないし6のアルケニル基また
    は炭素数が2ないし6のアルキニル基であり; またはXおよびYはベンゼン環上の隣りあう位置に結合
    し、一方の炭素鎖の先端が他方の炭素鎖の任意の位置で
    結合して飽和または不飽和の炭素環(環上の水素原子が
    酸素、水酸基または炭素数が1ないし6のアルキル基で
    置換されてもよい(それら3つの置換基を組み合せた複
    数置換を含む)5員環、6員環または7員環)を形成す
    るものであり、XおよびYはベンゼン環上の可能などの
    位置に結合してもよく; 但し、XまたはYのどちらか一方が水素である場合、他
    方はアルケニル基またはアルキニル基でなければならな
    い。〕および、その薬剤学的に許容される塩。
  2. 【請求項2】 Ar1 およびAr2 はそれぞれ独立にチ
    エニル、フェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル
    またはブロモフェニルである請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 Xが炭素数が2ないし6のアルケニル基
    または炭素数が2ないし6のアルキニル基であり、Yが
    水素である請求項2に記載の化合物。
  4. 【請求項4】 R1 がメチルであり、R2 が水素、Xが
    炭素数が2ないし4のアルケニル基およびYが水素であ
    る請求項3に記載の化合物。
  5. 【請求項5】 Ar1 およびAr2 がフェニルである請
    求項3に記載の化合物。
  6. 【請求項6】 Ar1 およびAr2 がフルオロフェニル
    である請求項4に記載の化合物。
  7. 【請求項7】 Xがビニルである請求項5に記載の化合
    物。
  8. 【請求項8】 Xがイソプロペニルである請求項5に記
    載の化合物。
  9. 【請求項9】 (2S,3S)−N−(5−イソプロペ
    ニル−2−メトキシフェニル)メチル−2−ジフェニル
    メチル−1−アザビシクロ〔2.2.2〕オクタン−3
    −アミンである請求項1に記載の化合物。
  10. 【請求項10】 (2S,3S)−N−(2−メトキシ
    −5−ビニルフェニル)メチル−2−ジフェニルメチル
    −1−アザビシクロ〔2.2.2〕オクタン−3−アミ
    ンである請求項1に記載の化合物。
  11. 【請求項11】 XおよびYがそれぞれ独立に炭素数が
    1ないし6のアルキル基、炭素数が2ないし6のアルケ
    ニル基または炭素数が2ないし6のアルキニル基である
    請求項2に記載の化合物。
  12. 【請求項12】 XおよびYがベンゼン環上の隣りあう
    位置に結合し、一方の炭素鎖の先端が他方の炭素鎖の任
    意の位置で結合して飽和または不飽和の炭素環(環上の
    水素原子が酸素、水酸基または炭素数が1ないし6のア
    ルキル基で置換されてもよい5員環、6員環または7員
    環)を形成するものである請求項2に記載の化合物。
  13. 【請求項13】 X、YおよびR1 がそれぞれメチルで
    あり、R2 が水素であり、Ar1 およびAr2 がフェニ
    ルである請求項2に記載の化合物。
  14. 【請求項14】 XおよびYがベンゼン環上の2個の炭
    素原子を共有して形成された飽和炭素環(5員環または
    6員環)であり、R1 がメチルであり、R2が水素であ
    り、Ar1 およびAr2 がフェニルである請求項2に記
    載の化合物。
  15. 【請求項15】 (2S,3S)−N−(2−メトキシ
    −4,5−ジメチルフェニル)メチル−2−ジフェニル
    メチル−1−アザビシクロ〔2.2.2〕オクタン−3
    −アミンである請求項1に記載の化合物。
  16. 【請求項16】 (2S,3S)−N−(5,6,7,
    8−テトラヒドロ−3−メトキシ−2−ナフチル)メチ
    ル−2−ジフェニルメチル−1−アザビシクロ〔2.
    2.2〕オクタン−3−アミンである請求項1に記載の
    化合物。
  17. 【請求項17】 (2S,3S)−N−(5−メトキシ
    インダン−6−イル)メチル−6−ジフェニルメチル−
    1−アザビシクロ〔2.2.2〕オクタン−3−アミン
    である請求項1に記載の化合物。
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