JP2656301B2

JP2656301B2 - 手指殺菌消毒用洗浄剤

Info

Publication number: JP2656301B2
Application number: JP63098229A
Authority: JP
Inventors: 秀樹鈴木; 要酒井; 山田　　晃
Original assignee: Asahi Denka Kogyo KK
Current assignee: Adeka Corp
Priority date: 1988-04-22
Filing date: 1988-04-22
Publication date: 1997-09-24
Anticipated expiration: 2012-09-24
Also published as: JPH01272503A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、手指殺菌消毒用洗浄剤に関するものであ
る。とくに単一の液剤中に殺菌消毒剤を含有し、簡便な
手指の洗浄処理で、効果的に洗浄と消毒を行うことがで
きる、手指殺菌消毒用洗浄剤を提供するものである。

〔従来の技術および課題〕

食肉、魚介の加工やレストランの調理場等、食品関連
業界における従業員や、病院、保健所等の医師、看護
婦、介護人、患者等の手指の洗浄・殺菌については、従
来より様々な方法がとられている。最も一般的な方法
は、まず石鹸等で手指を良く洗浄したのちに、何等かの
殺菌処理を経るというものであり、この殺菌方法として
は、手指の消毒薬への浸漬あるいは噴霧などがあげられ
る。

これらの方法は、その洗浄、殺菌マニュアルどおりに
忠実に行われた場合には、効果的な方法であるといえ
る。しかし、処理手順が手指の洗浄と殺菌の２段階に分
かれるため、手間、時間がかかり、操作が不確実になり
易く、しかも洗浄、殺菌のどちらかが一方でも不完全に
行われた場合は、効力が極端に低下するなどの欠点があ
る。したがって、実際の使用状況では、必ずしも効果的
な方法であるとはいえない。

また、現在では、石鹸あるいは他の界面活性剤に殺菌
剤を配合することにより、洗浄と殺菌を同時に行おうと
する試みもなされているが、それらは殺菌力の点でなお
不十分なものであった。

したがって、本発明の目的は、殺菌力と洗浄力に優
れ、しかも使用が簡便であり、殺菌効果と洗浄効果を容
易に得ることができる、手指殺菌消毒用洗浄剤を得るこ
とにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明者等は、手指に付着した汚れを落とす効果が優
れ、殺菌力も強く、しかも使用が簡便である、手指殺菌
消毒用洗浄剤を鋭意検討した結果、本発明を完成するに
至ったものである。

すなわち、本発明の手指殺菌消毒用洗浄剤の発明は、
アニオン性界面活性剤単独、またはアニオン性界面活性
剤とノニオン性界面活性剤および／または両性界面活性
剤からなる界面活性剤３〜30重量％と、エタノールおよ
び／またはイソプロパノール40〜96.9重量％、殺菌剤0.
1〜10重量％ならびに水０〜56.9重量％を含有する手指
殺菌消毒用洗浄剤であり、洗浄と殺菌が単一処理で容易
に行ことができるばかりでなく、殺菌、洗浄効果の点で
も優れているものである。

以下、本発明についてさらに詳細に説明する。界面活
性剤のうち、アニオン界面活性剤としては、石鹸類、ア
ルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンやポリオ
キシプロピレン等のポリオキシアルキレンアルキルエー
テル硫酸エステル塩類、αオレフィンスルフォン酸塩
類、アシルグルタミン酸塩類、モノアルキルリン酸塩類
等が好ましく、その中でも石鹸が使用感、泡立ちなどの
点からとくに好ましい。石鹸としては、構成脂肪酸が炭
素数12〜18の飽和脂肪酸および／または不飽和脂肪酸
で、そのカリウム塩、アンモニウム塩、エタノールアミ
ン塩、イソプロパノールアミン塩であることが、皮膚に
対する低刺激性、溶解性などの点から好ましい。ノニオ
ン界面活性剤としては、脂肪酸アルキロールアミド類、
アルキルポリオキシエチレンやアルキルポリオキシプロ
ピレン等のアルキルポリオキシアルキレンエーテル類、
アミンオキサイド類等が使用でき、さらに両性界面活性
剤としては、ベタイン型、イミダゾリン型、アラニン
型、グリシン型等の両性界面活性剤が、泡立ちの安定、
皮膚刺激性の緩和などの点から好ましい。

これらのアニオン、ノニオン、両性界面活性剤等は、
単独で配合しても、或はさらに好ましい性能を得るため
に、２種以上を組合わせて配合してもよいが、好ましく
は、アニオン界面活性剤とノニオンおよび／または両性
界面活性剤を併用することが、泡立ち、使用感の点で好
ましい。

この場合、アニオン界面活性剤：ノニオンおよび／または両性界面
活性剤＝1:0.05〜10（重量比）、好ましくは、1:0.1〜
２（重量比）である。

本発明の手指殺菌消毒用洗浄剤の配合は、前記のとお
りであるが、界面活性剤が３重量部以下の配合では、手
指に付着した汚れの除去が不十分となり、泡立ちも少な
く、使用感が悪くなる。30重量部以上では、皮膚に対す
る刺激性が強くなり好ましくなく、また洗浄性の向上も
見られず、経済的にも意味がない。

エタノールおよび／またはイソプロパノールは、本発
明の手指殺菌消毒用洗浄剤全量に対し、40〜96.9重量
％、好ましくは40〜92重量％、さらに好ましくは60〜80
重量％配合される。エタノールおよび／またはイソプロ
パノール濃度が上記の範囲外であると殺菌効果が低下す
る。

殺菌剤は、手指殺菌用に使用可能なものであればとく
に限定されず、例えばトリクロサン、トリクロロカルバ
ニリド、オルトベンジルパラクロロフェノール、ハロカ
ルバン、イソプロピルメチルフェノール、クロルヘキシ
ジン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ウ
ンデシレン酸モノエタノールアミド、塩酸アルキルポリ
アミノグリシン、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸
塩等が用いられ、これらは単独あるいは２種以上の併用
からなり、いずれも市販品として入手可能なものであ
る。これらの殺菌剤の配合量は、各々の有効濃度、安全
性などにより異なるが、概ね0.1〜10重量部配合され
る。0.1重量部以下では、殺菌力が不十分であり、10重
量部以上では殺菌力の向上は見られず、意味がなく、ま
た安全性の点からも好ましくない。

本発明の手指殺菌消毒用洗浄剤は、本発明の目的の範
囲内でさらに過脂剤、保湿剤として、ラノリン、還元ラ
ノリン、ピロリドンカルボン酸ソーダ、ペプタイド、ア
シル化ペプタイド等を、また色素、香料等も必要に応じ
て加えることができる。本発明の手指殺菌消毒用洗浄剤
は、使用時には、本発明の手指殺菌消毒用洗浄剤中のエ
タノール、および／またはイソプロパノール濃度が40〜
92、好ましくは60〜80重量％となるようにして使用する
ことが殺菌洗浄効果、とくに殺菌効果の点で好ましく、
例えばエタノールおよび／またはイソプロパノール濃度
が40〜92重量％のときは、本発明の手指殺菌消毒用洗浄
剤を直接手に、概ね３〜5gとり、手指に良くすりこみ、
エタノールおよび／またはイソプロパノールが蒸発した
ら小量の水を加えて良く揉み洗いすると、一層効果的で
ある。

また、エタノールおよび／またはイソプロパノール濃
度が92重量％以上の場合は、使用時に本発明の手指殺菌
消毒用洗浄剤を水でうすめて、エタノールおよび／また
はイソプロパノール濃度を40〜92重量％として、上記操
作を繰り返すのが好ましい。

〔作用〕

本発明の手指殺菌消毒用洗浄剤は、以上のような構成
からなるので、簡便な処理操作で、手指の洗浄と殺菌を
同時におこなうことができ、しかも安定な泡立ち、少な
い残存臭、使用感等も良好である。

〔実施例〕

（手指殺菌消毒用洗浄剤の調製）各種組成の手指殺菌消毒用洗浄剤を、次の表−１の配
合により調製した。

使用した主な化学品の商品名および入手元は、次のと
おりであった。

ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩・・アデカ
ホープDES−3025（旭電化工業）ヤシ油ジエタノールアミド・・アデカソールCOA（旭電
化工業）ノニルフェノールエトキシレート・・アデカトールNP−
700（旭電化工業）塩化ベンザルコニウム・・カチナールCB−50（東邦化
学）塩酸アルキルジアミノグリシン・・TEGO 51（GOLD SCHM
IDT）（殺菌力の評価）表−１の配合により調製された、各種手指殺菌消毒用
洗浄剤について、殺菌力の測定および使用感、泡立ち、
洗浄後の残存臭についての試験を行った。殺菌力の測定
法としては、実際の使用状況に最も即したテスト方法と
して、拭き取り法を採用した。すなわち、まず被験者の
片方の手のひら（指、爪の間も含む）を、被験者とは別
の者（以下、試験者という）が、生理食塩水で湿らせた
滅菌ガーゼで１〜２分間拭き取る。次に、試験者が各手
指殺菌消毒用洗浄剤（実施例品No.1〜No.5および比較例
品No.1〜No.5）5gをとってやり、被験者は両手を用いて
手指全体にこの洗浄剤をひろげた後に、水をつけて泡立
たせて洗浄する。流水で良くすすいだ後、試験者は被験
者の洗浄前に拭き取った方の手とは別の手のひらを同様
に拭き取る。

拭き取りの終わった各ガーゼを、それぞれ滅菌生理食
塩水中に加えて良く振盪し、これを菌液として混釈平板
法により、37℃、48時間培養後の菌数を測定する。ここ
で得られた洗浄前と洗浄後の手指の菌数を比較して、殺
菌率を算出し、各手指殺菌消毒用洗浄剤の殺菌力の指標
とした。なお、評価試験は、被験者10人で行った。結果
を表−２に示す。

上記の表−２より、殺菌剤が同濃度の場合、エタノー
ルの量の増大ともに殺菌力が向上していることがわかる
（実施例１、比較例１および２）。エタノールを含まな
いもの（比較例１および４）、エタノールを30重量％し
か含まないもの（比較例２）、殺菌剤を含まないもの
（比較例５）、については、殺菌効果をあまり示してい
ない。

また、界面活性剤濃度が低いもの（比較例３）は、洗
浄性、泡立ち、使用感が悪く、さらに界面活性剤による
除菌効果が損なわれるために、殺菌力も低いものであっ
た。

〔発明の効果〕本発明の手指殺菌消毒用洗浄剤は、殺菌力と洗浄力に
優れ、簡便な処理操作で手指の洗浄と殺菌を同時におこ
なうことができ、しかも泡立ちも安定しており、残存臭
は少なく、洗浄時の使用感やすすぎ性にも優れたもので
ある。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開昭55−102699（ＪＰ，Ａ) 特開昭48−8920（ＪＰ，Ａ) 特開昭56−32598（ＪＰ，Ａ) 特表昭62−500240（ＪＰ，Ａ)

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】アニオン性界面活性剤単独、またはアニオ
ン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤および／または
両性界面活性剤からなる界面活性剤３〜30重量％と、エ
タノールおよび／またはイソプロパノール40〜96.9重量
％、殺菌剤0.1〜10重量％ならびに水０〜56.9重量％を
含有する手指殺菌消毒用洗浄剤。