JP2656056B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、冷蔵室内に独立して冷気を流通させる解凍
室を設けた冷蔵庫に関するものである。

従来の技術 従来例を第５図に基づいて説明する。

１は冷蔵庫本体であり、外箱2,内箱3,及びこれら両箱
間に充填された発泡断熱材４で構成され、区画壁５によ
り上部が冷凍室6,下部が冷蔵室７に区画形成されてい
る。冷却器８及び送風機９は区画壁５内に配置されてお
り、低温容器10は区画壁５の直下に設けられ、温度調節
装置11に奥面を相対している。温度調節装置11は、ダン
パー開閉装置12、冷蔵室７への吐出通路13及び吐出口1
4、低温容器10への吐出通路15及び吐出口16を一体に備
えている。

17a,17bは夫々冷凍室通風ダクト，冷蔵室通風ダクト
であり、一端を前記送風機９の吐出側に開口し、他端を
夫々冷凍室６、冷蔵室７に連通させている。18は区画壁
５内に形成した冷凍室吸込通路、19は区画壁５の断熱材
20を貫通して形成した冷蔵室吸込通路であり、夫々冷却
器８に相対して開口している。21,22は夫々冷凍室吸込
口，冷蔵室吸込口である。

以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動
作について説明する。

まず冷却器８で冷却された空気は送風機９によって、
冷凍室通風ダクト17aを介して冷凍室６に送風され冷凍
室６を冷却した後、冷凍室吸込口21,冷凍室吸込通路18
を介して冷却器８に戻される。これと同時に一方では、
冷蔵室通風ダクト17bを通じて温度調節装置11に達し、
ダンパー開閉装置12によって適量に制御された後、吐出
通路13,吐出口14を介して冷蔵室７へ、また、吐出通路1
5,吐出口16を介して低温容器10へ配分されて供給された
夫々冷却を行う。その後、冷蔵室７を循環冷却した空気
も、低温容器10を冷却した空気も同時に冷蔵室吸込口22
より吸込まれ、冷蔵室吸込通路19を通じて冷却器８に戻
され、以後同様の作用を続けて通常の冷却が行なわれる
ものである。

発明が解決しようとする課題 しかしながら上記のような低温容器10の構成では、肉
類貯蔵のために低温容器10を０℃付近に設定は出来て
も、冷凍食品（冷凍肉等）を解凍する場合には時間がか
かりすぎるため、冷蔵庫外に放置しなければならず、そ
の場合、解凍後そのまましておくと、腐敗するという問
題点があった。

本発明は上記従来の課題に鑑み、独立して安定した温
度帯を設定、維持出来る簡便な解凍室を提供することを
目的とするものである。

課題を解決するための手段 上記課題を解決するために本発明の冷蔵庫は、区画壁
にて庫内を上下に区画して形成した冷凍室及び冷蔵室
と、前記冷蔵室上部奥側に設けられ前記冷蔵室内に吐出
する冷気量を調節する温度調節装置と、前記冷蔵室の上
部に設けられ前記温度調節装置からの冷気を内部に流入
させる解凍室とを有する冷蔵庫において、前記温度調節
装置の前面に幅方向に渡って複数個形成された冷気流出
口と、前記温度調整装置の前面に対向して設けられた前
記解凍室の奥面を形成するケースと、前記冷気流出口に
相対して前記ケースに設けられた吐出穴と、前記吐出穴
を開閉するシャッターと、前記シャッターに突出して形
成され前記冷気流出口からの冷気を前記吐出穴へ導くガ
イド部と、前記解凍室前面に設けられ前記シャッターを
操作する調節ボタンと、一端を前記シャッターに連結し
他端を前記調節ボタンに固定したリンク機構とを有し、
前記ガイド部は、前記冷気流出口からの冷気が前記リン
ク機構に直接当たらないように設けたものである。

作用 本発明は、シャッターにより解凍室の吐出穴を開放
し、解凍室を低温室として使用する時には、吐出穴が幅
方向に複数個設けられているので、解凍室内の均温化が
図れ、また、シャッターにより解凍室の吐出穴を閉鎖し
た時には、冷気流出口が幅方向に複数個設けられている
ので、冷蔵室内に冷気が幅広く流入することとなり、冷
蔵室内の均温化が図れ、しかも、シャッターにガイド部
を設けているので、冷気流出口からの冷気により、シャ
ッターのリンク機構が凍結し、シャッターが操作不能に
なり、解凍室，低温室の切換使用ができなくなることを
防止できるものである。

実施例 以下本発明の一実施例の冷蔵庫について、第１図から
第４図を参照しながら説明する。尚、従来と同一構成に
おいては、同一符号を付してその詳細な説明を省略す
る。

23は解凍室であり、底面を引出し可能な解凍皿24,前
面を解凍室扉25で形成し、天面と奥面はケース26、側面
は内箱３によって冷蔵室７と略密閉して区画されてい
る。ケース26の前後側壁部にはビス孔26aが数ヶ所設け
てあり、ビス（図示せず）によって内箱３に固定され
る。

解凍室扉25の両側にはボス25aが設けてあり、ケース2
6のボス穴26bに挿入し解凍室扉25を装着させている。解
凍皿24の前部はケース26の前部両側壁支持部26c,後部は
内箱３の両側壁より内側へ突出させたレール部（図示せ
ず）により支持されている。

温度調節装置27は内部に冷蔵室用のダンパー開閉装置
28と、冷蔵室７への冷気流出通路29,冷気流出口30及び
解凍室23への冷気流出通路31、冷気流出口32を一体に設
けている。

ケース26の前面部に調節ボタン33を設け、連接板34の
端部と嵌着し、連接板34はケース26のボス26dに嵌入さ
れている。ケース26の奥面部には温度調節装置27の冷気
流出口32に相対し吐出穴26eが設けられ、その間にシャ
ッター35,36がケース26のリブ26fに装着されている。シ
ャッター35,36には支持片35a,36aを有しリンク37と連接
されている。リンク37はケース26のボス26gに嵌入さ
れ、片端のボス37aが連接板34の端部穴34aに挿入され、
連動する構造となっている。

35b,36bはそれぞれシャッター35,36に設けられたガイ
ド部であり、シャッター35,36から後方の温度調節装置2
7側へ突出してＬ字状に形成されている。

以上のように構成された冷蔵庫について、その動作を
説明する。

まず、調節ボタン33を左側に切替えるとシャッター3
5,36は連動し外側にスライドし吐出穴26eは閉となり、
温度調節装置27の冷気流出口32を出た冷気は第３図に示
す如くシャッター35,36に遮断され冷蔵室７へ流れる。

よって、解凍室23には、冷気が流入しないためプラス
温度３〜５℃となり、冷凍食品を早く解凍出来そのまま
貯蔵しても腐ることはない。

この時、ガイド部35b,36bが壁となり冷気を押し戻す
ので、冷気は、リンク37及び連接板34に、直接吹き付け
られない。

次に、調節ボタン33を右側に切替えると、シャッター
35,36は連動し内側へスライドし吐出穴26eは開となり、
冷気流出口32を出た冷気は、第４図に示す如く、ガイド
部35b,36に導かれて吐出穴26eを通り、解凍室23に送り
込まれ、解凍室23内が０〜−１℃の低温に冷却維持され
るため、解凍室23を肉類貯蔵等の低温室として利用する
ことも出来る。

発明の効果 以上のように、本発明は、解凍室内の冷凍食品を従来
より早く解凍出来るとともに、シャッターを開閉するこ
とにより、解凍室を低温室としても使用出来るという効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例における冷蔵庫の断面図、第
２図は同第１図の構造を適用した冷蔵庫の要部分解斜視
図、第３図は同ケースの斜視図、第４図は同ケースの要
部斜視図、第５図は従来の冷蔵庫の断面図である。 23……解凍室、26……ケース、27……温度調節装置、32
……冷気流出口、33……調節ボタン、35,36……シャッ
ター。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】区画壁５にて庫内を上下に区画して形成し
   た冷凍室６及び冷蔵室７と、前記冷蔵室７内上部奥側に
   設けられ前記冷蔵室７内に流出する冷気量を調節する温
   度調節装置27と、前記冷蔵室７の上部に設けられ前記温
   度調節装置27からの冷気を内部に流入させる解凍室23と
   を有する冷蔵庫において、前記温度調節装置27の前面に
   幅方向に渡って複数個形成された冷気流出口32と、前記
   温度調節装置27の前面に対向して設けられた前記解凍室
   23の奥面を形成するケース26と、前記冷気流出口32に相
   対して前記ケース26に設けられた吐出穴26eと、前記吐
   出穴26eを開閉するシャッター35,36と、前記シャッター
   35,36に突出して形成され前記冷気流出口32からの冷気
   を前記吐出穴26eへ導くガイド部35b,36bと、前記解凍室
   23前面部に設けられ前記シャッター35,36を操作する調
   節ボタン33と、一端を前記シャッター35,36に連結し他
   端を前記調節ボタン33に固定したリンク機構34,37とを
   有し、前記ガイド部35b,36bは、前記冷気流出口32から
   の冷気が前記リンク機構34,37に直接当たらないように
   設けられたことを特徴とする冷蔵庫。