JP2653903B2 - セルロース系成形用組成物及びその製造方法 - Google Patents

セルロース系成形用組成物及びその製造方法

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JP2653903B2 JP19930090A JP19930090A JP2653903B2 JP 2653903 B2 JP2653903 B2 JP 2653903B2 JP 19930090 A JP19930090 A JP 19930090A JP 19930090 A JP19930090 A JP 19930090A JP 2653903 B2 JP2653903 B2 JP 2653903B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は優れた成形性と物性を有する、新規な架橋性
を有するセルロース系成形用組成物、及びその製造方法
に関するものである。
(従来の技術) 天然繊維素としてのセルロースは、その分子中に活性
な水酸基を有していることから、その水酸基を利用した
セルロース誘導体に関する研究が進められて来た。それ
らのセルロース誘導体のうちでも、硝酸セルロース、酢
酸セルロースはその優れた成形性、着色性から成形品や
フィルム等に、多量に用いられている。しかしながら、
酢酸セルロースを押出成形や射出成形するに当たっては
可塑剤を併用することが必要となっており、この様にし
て得られた成形品は長期に渡って使用した場合には、可
塑剤が蒸発したり、溶出したり、ブリードして来て脆く
なってしまうと言う欠点があった。これらの欠点を解決
する目的で、可塑剤の使用量を低減させることが出来る
より可塑性の高い酢酸酪酸セルロース等が開発されると
共に、セルロースの水酸基を多種多様の置換基で修飾し
た可塑剤を必要としないセルロース誘導体も開発されて
来ている。しかしながら、本質的に熱可塑性を有するセ
ルロース誘導体は成形性には優れるが耐熱性、その他機
械的性質等についてはかならずしも充分とは言えず、お
のずからその使用用途が限定されたものとなっていた。
従って、成形性と耐熱性及び機械的性質の優れた、可塑
剤の蒸発や、溶出や、ブリードの少ないセルロース誘導
体からなる成形品を容易に工業的に製造することが各方
面から望まれていた。
(本発明が解決しようとする問題点) 本発明は天然繊維素として豊富に供給されるセルロー
スから製造される、成形性、着色性、耐熱性、及び機械
的性質に優れ可塑剤の蒸発や溶出やブリードのない架橋
構造を有するセルロース系成形品が得られる成形用組成
物を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、上記の如き実情に鑑み研究を重ねた結
果、重合性二重結合を有するセルロース誘導体と重合性
二重結合を有する可塑剤からなるセルロース系成形用組
成物、特にエステル結合によって重合性二重結合が側鎖
に導入されたオリゴエステル化セルロースと主として二
塩基酸又は/及びその無水物と重合性二重結合を有する
モノエポキサイドの反応によって得られる重合性二重結
合を有するオリゴマーからなるセルロース系成形用組成
物が、上記目的を達成するセルロース系成形品を与える
ことを見い出したのである。
更に、セルロースもしくは水酸基含有セルロース誘導
体中の水酸基に二塩基酸無水物と重合性二重結合を有す
るモノエポキサイドとを付加エステル化反応させるか、
又はカルボキシル基含有セルロース誘導体に重合性二重
結合を有するモノエポキサイドを付加エステル化反応さ
せるか、又はカルボキシル基含有セルロース誘導体に重
合性二重結合を有するモノエポキサイドと二塩基酸無水
物を付加エステル化反応させる際に、活性水素を含有す
る化合物を存在させた場合、先に述べた重合性二重結合
を有するオリゴエステル化セルロースと重合性二重結合
を有するオリゴマーからなるセルロース系成形用組成物
が容易に製造出来る事を見い出したのである。
即ち、本発明の重合性二重結合が導入されたセルロー
ス誘導体と重合性二重結合を有する可塑剤からなるセル
ロース系成形用組成物は成形時には重合性二重結合を有
する可塑剤が、可塑剤として作用して、従来のセルロー
ス誘導体と同様に、容易に成形加工出来ると共に、成形
時の熱により該セルロース誘導体中の二重結合と、可塑
剤中の重合性二重結合がラジカル重合して一体化する。
特にセルロース系成形用組成物としてエステル結合によ
って重合性二重結合が側鎖に導入されたオリゴエステル
化セルロースと主として二塩基酸又は/及びその無水物
と重合性二重結合を有するモノエポキサイドとの反応に
よって得られる重合性二重結合を有するオリゴマーから
なる組成物を用いた場合、該組成物中のオリゴエステル
化セルロースとオリゴマー間の相溶性、共重合性が優れ
ている。
従って、本発明で得られたセルロース系成形品を長期
間使用しても、可塑剤が蒸発したり、溶出したり、プリ
ードして来ることはないのである。しかも、得られた成
形品は架橋構造を有している為、高温に於いても塑性変
形することがなく機械的性質も優れており、従来のセル
ロース誘導体からなる成形品では使用することが出来な
かった用途にも利用が可能となったのである。
更に、セルロースもしくは水酸基含有セルロース誘導
体中の水酸基に二塩基酸無水物と重合性二重結合を有す
るモノエポキサイドとを付加エステル化反応させるか、
又はカルボキシル基含有セルロース誘導体に重合性二重
結合を有するモノエポキサイドを付加エステル化反応さ
せるか、又はカルボキシル基含有セルロース誘導体に重
合性二重結合を有するモノエポキサイドと二塩基酸無水
物を付加エステル化反応させると、(1)水酸基に二塩
基酸無水物が反応しカルボキシル基が生成する反応、及
び(2)カルボキシル基に重合性二重結合を有するモノ
エポキサイドが付加エステル化して水酸基を生成する反
応が起こり重合性二重結合を有するオリゴエステル化セ
ルロースが生成する。同時に活性水素を含有する化合物
と二塩基酸無水物と重合性二重結合を有するモノエポキ
サイドが反応するか、又は二塩基酸の如き活性水素を含
有する化合物と重合性二重結合を有するモノエポキサイ
ドが反応してセルロースに直接結合していない200〜100
0程度の分子量を有する重合性二重結合を有するオリゴ
マーが生成する。このオリゴマーは重合性二重結合を有
するオリゴエステル化セルロースと共重合することがで
きるのみならず、重合性二重結合を有するオリゴエステ
ル化セルロースの可塑剤としても作用するものである。
しかも、この反応に於いては溶媒を使用する必要がない
ので、反応終了後も溶媒を除去する必要がないばかり
か、反応系内の未反応物や副反応生成物を特別に除去精
製することがなく、そのまま本発明のセルロース系成形
用組成物として使用出来るので工業的にも極めて有利な
方法と言えるのである。
本発明で用いられるセルロースとは、木材の三大成分
であるセルロース、ヘミセルロース、リグニンのうちの
セルロースそのものを言い、セルロース含有物質一般の
ことではない。この様なセルロースは通常、製紙用パル
プ、溶解バルプから得られるが、綿、亜麻、大麻等から
得られたものでもよい。特に、非晶領域の多い、反応性
に富んだセルロースが好ましい。又、水酸基含有セルロ
ース誘導体とはヒドロキシエチルセルロースや部分的に
アセチル基で置換された活性な水酸基を有するセルロー
ス系化合物を意味する。更に、カルボキシル基含有セル
ロース誘導体とはマレイン酸セルロース、フタル酸セル
ロース、コハク酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース
等のカルボキシル基含有エステル化セルロースやカルボ
キシメチルセルロース等を意味する。
本発明の重合性二重結合を有するセルロース誘導体と
してはどの様なものでも使用できるが、例えば、セルロ
ースもしくは水酸基含有セルロース誘導体の水酸基に
(1)二塩基酸無水物と重合性二重結合を有するモノエ
ポキサイドとを交互に付加エステル化反応させたもの、
(2)メタクリル酸クロライド等の重合性二重結合を有
する酸クロライドを反応させたもの、(3)重合性二重
結合を有するエポキシ化合物やカルボン酸を反応させた
もの等が挙げられる。又、カルボキシル基含有セルロー
ス誘導体に重合性二重結合を有するモノエポキサイド等
の重合性二重結合を有する化合物を反応させたものも用
いられる。
これらの中で、特にエステル結合によって重合性二重
結合が側鎖に導入されたオリゴエステル化セルロースが
成形性もよく、又後述する本発明の重合性二重結合を有
する可塑剤との親和性も良いので好ましい。
本発明の重合性二重結合を有する可塑剤としては、本
発明の重合性二重結合を有するセルロース誘導体を製造
する際に存在させた活性水素を含有する化合物と二塩基
酸無水物と重合性二重結合を有するモノエポキサイドと
が反応するか、又は、二塩基酸のような活性水素を含有
する化合物と重合性二重結合を有するモノエポキサイド
の反応によって生成する重合性二重結合を有するオリゴ
マーのような主として二塩基酸又は/及びその無水物と
重合性二重結合を有するモノエポキサイドの反応によっ
て得られる重合性二重結合を有するオリゴマーが最も好
適に用いられる他、市販のフタル酸ジアリル、不飽和ポ
リエステル樹脂の様に、重合性二重結合を有し、且つ内
部にエステル結合を有するものが本発明の重合性二重結
合を有するセルロース誘導体の置換基と新和性が優れて
いて可塑化効果も優れているのでよく用いられる。
本発明に於いて、重合性二重結合を有する可塑剤は、
上記の重合性二重結合を有するセルロース誘導体の置換
基の種類や量によっても異なるが、通常、置換基がセル
ロース100重量部に対し15重量部〜30重量部の場合、該
セルロース誘導体100重量部に対し、15重量部〜100重量
部添加することが望ましく、添加量が15重量部未満で
は、充分な可塑化効果が期待できない。一方、置換基が
セルロース100重量部に対し30重量部を越えるセルロー
ス誘導体を用いた場合は、自身の可塑性が高いのでセル
ロース誘導体100重量部に対し、重合性二重結合を有す
る可塑剤の添加量が30重量部未満でも十分可塑化する。
又、重合性二重結合を有する可塑剤の添加量が100重量
部を越えると得られた成形品のセルロース含量が小さく
なりセルロースの本来持っている性質が発揮出来なくな
るので好ましくない。
本発明のセルロース系成形用組成物は、次の様な方法
で容易に得ることが出来る。即ち、活性水素を含有する
化合物の存在化でセルロースもしくは水酸基含有セルロ
ース誘導体中の水酸基に二塩基酸無水物と重合性二重結
合を有するモノエポキサイドを付加エステル化反応する
か、又は、カルボキシル基含有セルロース誘導体に重合
性二重結合を有するモノエポキサイドを付加エステル化
反応するか、又は、カルボキシル基含有セルロース誘導
体に重合性二重結合を有するモノエポキサイドと二塩基
酸無水物を付加エステル化反応させることにより重合性
二重結合が導入されたオリゴエステル化セルロースが生
成すると同時に、重合性二重結合を有するオリゴマーも
生成するので本発明のセルロース系成形用組成物が得ら
れるのである。
本発明のセルロース系成形用組成物の製造には先に述
べたセルロース、水酸基含有セルロース誘導体、カルボ
キシル基含有セルロース誘導体等が用いられる。
二塩基酸無水物としては、無水マレイン酸、無水コハ
ク酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水
ヘキサヒドロフタル酸、無水イタコン酸、無水ヘット酸
等が挙げられる。特に、工業的に有利で低兼な無水マレ
イン酸、無水コハク酸、無水フタル酸が好ましい。
重合性二重結合を有するモノエポキサイドとしては、
アリルグリシジルエーテル、メタリルグリシジルエーテ
ル、グリシジルメタアクリレート、グリシジルアクリレ
ート、ビニルシクロヘキサンモノエポキサイド等が挙げ
られる。特に、工業的に有利なアリルグリシジルエーテ
ル、グリシジルメタアクリレートが好ましい。
活性水素を有する化合物としては、水、カルボキシル
基含有化合物、アミン化合物、水酸基を有する化合物等
が挙げられるが、工業的には、マレイン酸、フタル酸、
コハク酸等の二塩基酸等で例示されるカルボキシル基含
有化合物が好ましい。又、二塩基酸無水物を反応に使用
する場合は反応系に予め活性水素含有化合物として水を
存在させると、反応で使用する二塩基酸無水物が開環
し、カルボキシル基含有化合物となるので同様の効果が
得られる。本来、セルロース中にも活性水素が存在する
が、セルロースに結合していない重合性二重結合を有す
るオリゴマーを生成させる為に、活性水素含有化合物を
新たに加えることが特に工業的に有効な手段である。
次いで本発明のセルロース系成形用組成物の製造方法
の一例を手順を追って説明する。まず、セルロース(又
は水酸基含有セルロース誘導体)、二塩基酸無水物、重
合性二重結合を有するモノエポキサイド及び活性水素含
有化合物を反応釜に仕込むものである。仕込む順序はセ
ルロース(又は水酸基含有セルロース誘導体)、二塩基
酸無水物、重合性二重結合を有するモノエポキサイド及
び活性水素含有化合物を同時に仕込んでも良いし、まず
セルロース(又は水酸基含有セルロース誘導体)、二塩
基酸無水物、活性水素含有化合物を仕込み一部反応させ
てから重合性二重結合を有するモノエポキサイドを添加
反応させても良い。この際、二塩基酸無水物の仕込み量
は二塩基酸無水物の分子量によっても異なるが、通常セ
ルロース100重量部に対して10重量部以上、好ましくは2
5重量部以上用いられる。二塩基酸無水物の使用量が10
重量部未満になると、生成するオリゴエステル化セルロ
ースの置換基量が少なくなり成形性が悪くなるので好ま
しくない。又、重合性二重結合を有するモノエポキサイ
ドの仕込み量は二塩基酸無水物1モルに対して1モル〜
2モルが適当である。活性水素を含有する化合物の使用
料が多くなると、重合性二重結合を有するオリゴマーの
生成量が多くなる。従って、活性水素を含有する化合物
の使用量は種類や分子量によっても大きく異なるが、通
常重合性二重結合を有するオリゴマーの生成量が重合性
二重結合を有するオリゴエステル化セルロースの生成量
100重量部に対して15重量部以上、100重量部未満になる
よう選択するのが好ましい。
ついで、反応釜を60℃〜180℃、好ましくは105℃〜13
5℃で、30分〜3時間撹拌反応させるのである。反応温
度が180℃を越えると、生成したオリゴエステル化セル
ロースが熱分解したり、熱重合するので好ましくない。
反応生成物中には本発明で言う重合性二重結合を有する
オリゴエステル化セルロースと重合性二重結合を有する
オリゴマー以外に少量の未反応物が存在するが、特に精
製しなくてもそのまま、本発明のセルロース系成形用組
成物として使用出来る。
出発物質がカルボキシル基含有セルロース誘導体の場
合も同様の温度、反応時間で反応させることが出来る
が、この場合はまず、カルボキシル基含有セルロース誘
導体中のカルボキシル基にモノエポキサイドが反応して
水酸基が出来るとともに重合性二重結合が導入される。
反応系に二塩基酸無水物を存在させた場合は、更に生成
した水酸基と二塩基酸無水物が反応してカルボキシル基
が生成するので上記反応が繰り返される。この反応によ
っても本発明の重合性二重結合を有するオリゴエステル
化セルロースが生成するのである。同時に活性水素を含
有する化合物に二塩基酸無水物と重合性二重結合を有す
るモノエポキサイド又は、活性水素を含有する化合物と
重合性二重結合を有するモノエポキサイドとの反応が起
こり、重合性二重結合を有するオリゴマーも生成する。
このようにして得られる本発明のセルロース系成形用
組成物は通常の方法によって成形することができる。代
表的な熱圧成形の方法を例示すれば次の通りである。ま
ず、重合開始剤をセルロース系成形用組成物100重量部
当たり0.1重量部〜5.0重量部添加するのである、その
際、重合性二重結合の種類がアクリル基の様に重合しや
すい場合は特に重合開始剤は必要ない。ここで用いられ
るラジカル重合開始剤は一般の有機過酸化物が用いられ
るが、特に分解温度が100℃以上のジクミルパーオキサ
イド、クメンハイドロパーオキサイド等が好ましい。次
いで成形用の金型等に仕込み80℃〜180℃、10kg/cm2
上の圧力で熱圧成形するのである。この場合成形温度は
80℃未満では可塑化しにくいので好ましくなく、180℃
を越えるとラジカル重合が急激に起こって、発泡や変色
の原因となるので好ましくない。熱圧時間は可塑化と二
重結合の重合が可能な範囲で選択されるが、0.5分〜30
分が好ましい。成形時には重合性二重結合を含有する可
塑剤が存在するので、重合性二重結合を有するセルロー
ス誘導体が可塑化して成形可能となると同時に二重結合
のラジカル重合も起こり架橋結合を有する不溶不融のセ
ルロース系成形品が得られるのである。
この様にして得られたセルロース系成形品は従来のセ
ルロース系成形品が本来持っている着色性、肌触りはも
ちろん機械的性質も優れているうえに、耐熱性も架橋構
造を取ることによって改善されるので理想的な性質を示
すのである。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例及び比較例によって更に具体的
に説明する。
実施例1 セルロース100重量部に無水マレイン酸15.7重量部と
アリルグリシジルエーテル18.3重量部が付加エステル化
した重合性二重結合を有するセルロース誘導体134重量
部と重合性二重結合を有する可塑剤として市販の不飽和
ポリエステル樹脂(日本触媒化学工業(株)製 エポラ
ック N−340HV)25.0重量部からなるセルロース系成
形用組成物100重量部に重合開始剤としてジクミルパー
オキサイド1.5重量部を混合して150℃、160kg/cm2で30
分熱圧成形すると可塑化流動すると同時に二重結合の重
合による架橋反応が起こり淡黄色、半透明の不溶不融の
セルロース系成形品が得られた。
実施例2 セルロース100重量部に無水マレイン酸15.7重量部と
アリルグリシジルエーテル18.3重量部が付加エステル化
した重合性二重結合を有するセルロース誘導体134重量
部と重合性二重結合を有する可塑剤としてジアリルフタ
レート25.0重量部からなるセルロース系成形用組成物10
0重量部に重合開始剤としてジクミルパーオキサイド1.5
重量部を混合して150℃、160kg/cm2で30分熱圧成形する
と可塑化流動すると同時に二重結合の重合による架橋反
応が起こり淡黄色、半透明の不溶不融のセルロース系成
形品が得られた。
実施例3 セルロース100重量部、二塩基酸無水物としての無水
マレイン酸39.8重量部、重合性二重結合を有するモノエ
ポキサイドとしてのアリルグリシジルエーテル60.2重量
部及び活性水素含有化合物としてのマレイン酸6重量部
をニーダー反応容器中に仕込み、115℃で2時間の付加
エステル化反応を行った結果、重合性二重結合を有する
オリゴエステル化セルロース160.8重量部と重合性二重
結合を有するオリゴマー45.2重量部からなるセルロース
系成形用組成物を得た。
次いで、該組成物100重量部にラジカル重合開始剤と
してジクミルパーオキサイド1.5重量部を加えて温度150
℃、時間25分、圧力160kg/cm2の成形条件で成形する
と、この成形用組成物は可塑化流動すると同時に二重結
合の重合による架橋反応が起こり淡黄色、半透明の不溶
不融のセルロース系成形品が得られた。
実施例4 活性水素含有化合物としての水を3%含んだセルロー
ス103重量部、二塩基酸無水物としての無水マレイン酸3
9.8重量部、重合性二重結合を有するモノエポキサイド
としてのアリルグリシジルエーテル60.2重量部をニーダ
ー反応容器中に仕込み、115℃で2時間の付加エステル
化反応を行った結果、重合性二重結合を有するオリゴエ
ステル化セルロース131.0重量部と重合性二重結合を有
するオリゴマー69.0重量部からなるセルロース系成形用
組成物を得た。次いで、該組成物100重量部にラジカル
重合開始剤としてジクミルパーオキサイド1.5重量部を
加えて温度150℃、時間25分、圧力160kg/cm2の成形条件
で成形すると、この成形用組成物は可塑化流動すると同
時に二重結合の重合による架橋反応が起こり淡黄色、半
透明の不溶不融のセルロース系成形品が得られた。得ら
れた成形品の物性を表1に示す。
実施例5 活性水素含有化合物としての水を3%含んだセルロー
ス103重量部、二塩基酸無水物としての無水マレイン酸4
0.0重量部、重合性二重結合を有するモノエポキサイド
としてのグリシジルメタアクリレート75.0重量部をニー
ダー反応容器中に仕込み、115℃で2時間で付加エステ
ル化反応を行った結果、重合性二重結合を有するオリゴ
エステル化セルロース206.0重量部と重合性二重結合を
有するオリゴマー12.0重量部からなるセルロース系成形
用組成物を得た。次いで、該組成物100重量部にラジカ
ル重合開始剤としてジクミルパーオキサイド1.5重量部
を加えて温度150℃、時間25分、圧力160kg/cm2の成形条
件で成形すると、この成形用組成物は可塑化流動すると
同時に二重結合の重合による架橋反応が起こり淡黄色、
半透明の不溶不融のセルロース系成形品が得られた。
実施例6 活性水素含有化合物としての水を3%含んだカルボキ
シメチルセルロース(ダイセル化学工業(株)製 CMC
ダイセル(H−CMC))103重量部、二塩基酸無水物とし
ての無水マレイン酸28.7重量部、重合性二重結合を有す
るモノエポキサイドとしてのグリシジルメタアクリレー
ト71.3重量部をセパラプルフラスコ中に仕込み、120
℃、2時間付加エステル化を行った結果、重合性二重結
合を有するオリゴエステル化セルロース165.5重量部と
重合性二重結合を有するオリゴマー34.5重量部からなる
セルロース系成形用組成物を得た。次いで、該組成物10
0重量部にラジカル重合開始剤としてジクミルパーオキ
サイド1.5重量部を加えて温度150℃、時間25分、圧力16
0kg/cm2の成形条件で成形すると、この成形用組成物は
可塑化流動すると同時に二重結合の重合による架橋反応
が起こり淡黄色、半透明の不溶不融のセルロース系成形
品が得られた。
実施例7 カルボキシル基含有エステル化セルロースとしてのマ
レイン酸セルロース120.7重量部(セルロース100重量部
に対して置換基としてのマレイン酸20.7重量部)と重合
性二重結合を有するモノエポキサイドとしてのアリルグ
リシジルエーテル60.2重量部とを活性水素を含有する化
合物としてのマレイン酸8.0重量部の存在化で付加エス
テル化反応を行った結果、重合性二重結合を有するオリ
ゴエステル化セルロース183.0重量部と重合性二重結合
を有するオリゴマー17.0重量部からなるセルロース系成
形用組成物を得た。次いで、該組成物100重量部にラジ
カル重合開始剤としてジクミルパーオキサイド1.5重量
部を加えて温度150℃、時間25分、圧力180kg/cm2の成形
条件で成形すると、この成形用組成物は可塑化流動する
と同時に二重結合の重合による架橋反応が起こり淡黄
色、半透明の不溶不融のセルロース系成形品が得られ
た。
実施例8 カルボキシル基含有エステル化セルロースとしてのマ
レイン酸セルロース120.7重量部(セルロース100重量部
に対して置換基としてのマレイン酸20.7重量部)と二塩
基酸無水物としての無水マレイン酸19.1重量部、及び重
合性二重結合を有するモノエポキサイドとしてのアリル
グリシジルエーテル60.2重量部とを活性水素を含有する
化合物としての水3.0重量部の存在下で付加エステル化
反応を行った結果、重合性二重結合を有するオリゴエス
テル化セルロース187.0重量部と重合性二重結合を有す
るオリゴマー16.0重量部からなるセルロース系成形用組
成物を得た。次いで、該組成物100重量部にラジカル重
合開始剤としてジクミルパーオキサイド1.5重量部を加
えて温度150℃、時間25分、圧力160kg/cm2の成形条件で
成形すると、この成形用組成物は可塑化流動すると同時
に二重結合の重合による架橋反応が起こり淡黄色、半透
明の不溶不融のセルロース系成形品が得られた。
実施例9 カルボキシル基含有エステル化セルロースとしての酢
酸フタル酸セルロース(和光純薬(株)製試薬)100.0
重量部と重合性二重結合を有するモノエポキサイドとし
てのアリルグリシジルエーテル54.4重量部とを活性水素
を含有する化合物としてのマレイン酸8.7重量部の存在
下で付加エステル化反応を行って重合性二重結合を有す
るオリゴエステル化セルロースと重合性二重結合を有す
るオリゴマーからなるセルロース系用組成物を得た。次
いで、該組成物100.0重量部にラジカル重合開始剤とし
てジクミルパーオキサイド1.5重量部を加えて温度150
℃、時間25分、圧力160kg/cm2の成形条件で成形する
と、この成形用組成物は可塑化流動すると同時に二重結
合の重合による架橋反応が起こり淡黄色、半透明の不溶
不融のセルロース系成形品が得られた。
比較例1 活性水素含有化合物を共存させずにセルロース100重
量部と無水マレイン酸39.8重量部およびアリルグリシジ
ルエーテル60.2重量部をニーダー反応容器中に仕込み、
115℃で2時間の撹拌反応を行った結果、重合性二重結
合を有するオリゴエステル化セルロースを含むアセトン
不溶部107.6重量部とアセトン可溶部93.4重量部(ほと
んどが未反応の二塩基酸無水物と重合性二重結合を有す
るモノエポキサイドであり重合性二重結合を有するオリ
ゴマーはほとんど生成していなかった)からなる反応生
成物を得た。
次いで、該組成物100重量部にラジカル重合開始剤と
してジクミルパーオキサイド1.5重量部を加えて温度150
℃、時間40分、圧力160kg/cm2の成形条件で成形操作を
行ったが、可塑化せずセルロースの白色そのままの状態
の脆い圧縮成形物となった。
比較例2 実施例4で作成したセルロース系成形用組成物からソ
ックスレー抽出器でアセトン可溶部(重合性二重結合を
有するオリゴマー)を除去して得られた重合性二重結合
を有するオリゴエステル化セルロース100.0重量部に重
合開始剤としてジクミルパーオキサイド1.5重量部を加
えて温度150℃、時間40分、圧力160kg/cm2の成形条件で
成形操作を行った結果、可塑化せず、白色の脆い圧縮成
形物となった。
〔発明の効果〕
本発明の重合性二重結合を有するセルロース誘導体と
重合性二重結合を有する可塑剤からなるセルロース系成
形用組成物は従来の酢酸セルロースで代表される成形用
セルロース誘導体と通常の可塑剤からなる成形用組成物
に比例してほぼ同等の成形性を有しているのみならず、
該成形用組成物を熱圧成形して得られた成形物は架橋構
造を有しているため熱変形温度等の熱的性質に特に優れ
ているほか曲げ強度、硬度等にも優れた値を示した。
又、重合性二重結合を有する可塑剤は成形性を良好に
する働きをすると同時に、成形時にセルロース誘導体と
化合結合するので本発明で得られた成形品は可塑剤が長
期間の使用においても蒸発や、溶出、プリードすること
がないので安定した性質を継続的に発揮する事ができ
る。
又、この様な優れた性質を与えるセルロース系成形用
組成物を本発明の方法で容易に製造できるので、今後セ
ルロース系の成形品の使用用途を更に広げるのに寄与す
るものである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合性二重結合を有するセルロース誘導体
    と重合性二重結合を有する可塑剤からなるセルロース系
    成形用組成物。
  2. 【請求項2】エステル結合によって重合性二重結合が側
    鎖に導入されたオリゴエステル化セルロースと主として
    二塩基酸又は/及びその無水物と重合性二重結合を有す
    るモノエポキサイドの反応によって得られる重合性二重
    結合を有するオリゴマーからなるセルロース系成形用組
    成物。
  3. 【請求項3】セルロースもしくは水酸基含有セルロース
    誘導体中の水酸基に二塩基酸無水物と重合性二重結合を
    有するモノエポキサイドとを付加エステル化反応させる
    か、又はカルボキシル基含有セルロース誘導体に重合性
    二重結合を有するモノエポキサイドを付加エステル化反
    応させるか、又はカルボキシル基含有セルロース誘導体
    に重合性二重結合を有するモノエポキサイドと二塩基酸
    無水物を付加エステル化反応させる際に、活性水素を含
    有する化合物を存在させることを特徴とする重合性二重
    結合を有するオリゴエステル化セルロースと重合性二重
    結合を有するオリゴマーからなるセルロース系成形用組
    成物の製造方法。
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