JP5981216B2 - セルロース化合物含有繊維強化樹脂組成物、繊維強化樹脂成形体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)セルロース化合物含有繊維強化樹脂の製造に用いられる組成物であって、
(A)水酸基を有するセルロース化合物含有繊維の前記水酸基に、多塩基酸無水物と不飽和結合を有するモノエポキシ化合物とを交互に付加させて得られる重合性二重結合を有するオリゴエステル化セルロース化合物含有繊維と、
(B)エポキシ樹脂プレポリマーまたはエポキシ(メタ)アクリレート樹脂プレポリマーと、
(C)硬化剤と
を含有してなり、前記(A)と(B)との質量比〔(A)/(B)〕が7/93〜80/20であることを特徴とするセルロース化合物含有繊維強化樹脂組成物、
(2)前記水酸基を有するセルロース化合物含有繊維が植物繊維である前記(1)に記載のセルロース化合物含有繊維強化樹脂組成物、
(3)前記植物繊維が竹繊維である前記(2)に記載のセルロース化合物含有繊維強化樹脂組成物、
(4)前記水酸基を有するセルロース化合物含有繊維が式(I):
で表わされる化合物からなる繊維である前記(1)に記載のセルロース化合物含有繊維強化樹脂組成物。
(5)前記多塩基酸無水物が式(II):
で表わされる化合物である前記(1)〜(4)のいずれかに記載のセルロース化合物含有繊維強化樹脂組成物、
(6)前記多塩基酸無水物が無水フタル酸である前記(1)〜(5)のいずれかに記載のセルロース化合物含有繊維強化樹脂組成物、
(7)前記不飽和結合を有するモノエポキシ化合物が式(III):
で表わされる化合物である前記(1)〜(6)のいずれかに記載のセルロース化合物含有繊維強化樹脂組成物
(8)前記不飽和結合を有するモノエポキシ化合物がメタクリル酸グリシジルである前記(1)〜(7)のいずれかに記載のセルロース化合物含有繊維強化樹脂組成物、
(9)(a)前記(A)水酸基を有するセルロース化合物含有繊維の前記水酸基に、多塩基酸無水物と不飽和結合を有するモノエポキシ化合物とを交互に付加させて得られる重合性二重結合を有するオリゴエステル化セルロース化合物含有繊維および前記(B)エポキシ樹脂プレポリマーまたはエポキシ(メタ)アクリレート樹脂プレポリマーを含有してなる第I液と、
(b)前記(C)硬化剤を含有してなる第II液と
からなる前記(1)〜(8)のいずれかに記載のセルロース化合物含有繊維強化樹脂組成物、
(10)前記(1)〜(9)のいずれかに記載のセルロース化合物含有繊維強化樹脂組成物を成形してなる繊維強化樹脂成形体、
(11)前記(10)に記載の繊維強化樹脂成形体を製造する方法であって、
前記(1)〜(9)のいずれかに記載のセルロース化合物含有繊維強化樹脂組成物を成形することを特徴とする繊維強化樹脂成形体の製造方法
に関する。
(A)水酸基を有するセルロース化合物含有繊維の前記水酸基に、多塩基酸無水物と不飽和結合を有するモノエポキシ化合物とを交互に付加させて得られる重合性二重結合を有するオリゴエステル化セルロース化合物含有繊維と、
(B)エポキシ樹脂プレポリマーまたはエポキシ(メタ)アクリレート樹脂プレポリマーと、
(C)硬化剤と
を含有してなり、前記(A)と(B)との質量比〔(A)/(B)〕が7/93〜80/20であることを特徴とする。本発明のセルロース化合物含有繊維強化樹脂組成物(以下、単に「繊維強化樹脂組成物」ともいう)は、前記オリゴエステル化セルロース化合物含有繊維とエポキシ樹脂プレポリマーまたはエポキシ(メタ)アクリレート樹脂プレポリマーとが前記質量比で併用されているので、優れた機械的性質をバランスよく有する成形体を製造することができる。また、本発明の繊維強化樹脂組成物は、前記オリゴエステル化セルロース化合物含有繊維が用いられていることから、ガラス繊維または炭素繊維が用いられている場合と比べて、人体への負荷が少なく、しかも容易に焼却することができ、環境への負担も少なく、取り扱いやすいという優れた性質を有する。本発明の繊維強化樹脂組成物は、前記オリゴエステル化セルロース化合物含有繊維が用いられていることから、ガラス繊維または炭素繊維が用いられている場合と比べて、軽量の成形体を製造することができる。本発明の繊維強化樹脂組成物は、前記(A)重合性二重結合を有するオリゴエステル化セルロース化合物含有繊維と、前記(B)エポキシ樹脂プレポリマーまたはエポキシ(メタ)アクリレート樹脂プレポリマーと、前記(C)硬化剤とを配合することによって得られる組成物である。
で表わされる化合物からなる繊維などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。なお、前記植物繊維は、式(I)で表わされる化合物からなる繊維を含有していてもよい。
で表わされる化合物、無水安息香酸などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。。これらの多塩基酸無水物のなかでは、式(II)で表わされる化合物が好ましい。
で表わされる化合物などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
で表わされる化合物が生成する。つぎに、式(IV)で表わされる化合物と式(III)で表わされる化合物とが反応して式(IV)で表わされる化合物のカルボキシル基に式(III)で表わされる化合物が付加し、式(V):
で表わされる化合物が生成する。
密閉式加圧型ニーダー中において、竹繊維〔増本建設(株)製〕90gと無水マレイン酸4.17gとを50min-1で撹拌しながら120℃で20分間加熱して反応させた後、得られた反応生成物にアリルグリシジルエーテル5.83gを添加し、得られた混合物を50min-1で撹拌しながら前記反応生成物とアリルグリシジルエーテルとを120℃で20分間加熱することにより、オリゴエステル化反応を行なった。なお、原料として用いられた竹繊維の繊維長を光学顕微鏡で測定し、竹繊維200本の繊維長の分布を調べたところ、図1に示されるように、繊維長1〜6mmの竹繊維が存在しており、平均繊維長が2.87mmであった。
セルロース繊維〔繊維長300μm、レッテンマイヤー(株)製、商品名:ARBOCEL(登録商標)BC200〕を乾燥させ、含水率4.5質量%の乾燥セルロース繊維を得た。
密閉式加圧型ニーダー中において、製造例2で得られた乾燥セルロース繊維90gと無水マレイン酸4.17gとを50min-1で撹拌しながら120℃で20分間加熱して反応させた後、得られた反応生成物にアリルグリシジルエーテル5.83gを添加し、得られた混合物を50min-1で撹拌しながら前記反応生成物とアリルグリシジルエーテルとを120℃で20分間加熱することにより、オリゴエステル化反応を行なった。
密閉式加圧型ニーダー中において、製造例2で得られた乾燥セルロース繊維90gと無水フタル酸4.44gとを50min-1で撹拌しながら150℃で20分間加熱した後、得られた反応生成物にメタクリル酸グリシジル5.56gを添加し、得られた混合物を50min-1で撹拌しながら前記反応生成物とメタクリル酸グリシジルとを90℃で20分間加熱することにより、オリゴエステル化反応を行なった。
繊維として製造例1で得られたオリゴエステル化竹繊維と、マトリックス樹脂プレポリマーとしてエポキシアクリレート樹脂プレポリマー〔変性エポキシ樹脂プレポリマー、粘度0.9〜2.3dPa・s/25℃、昭和電工(株)製、商品名:RIPOXY(登録商標)R−806〕とを、オリゴエステル化竹繊維/エポキシアクリレート樹脂プレポリマー(質量比)が35/65となるように混合し、均一な組成になるまで撹拌して混合物を得た。得られた混合物に、当該混合物中に含まれるエポキシアクリレート樹脂プレポリマー100質量部あたりスチレン5質量部、脱泡剤〔ビックケミー・ジャパン(株)製、商品名:BYK(登録商標)−A560〕0.3質量部、硬化促進剤〔ナフテン酸コバルト(金属6質量%)、化薬アクゾ(株)製、商品名:コバルト(登録商標)N〕0.5質量部およびMEKPO硬化剤〔55質量%メチルエチルケトンパーオキサイド(MEKPO)、化薬アクゾ(株)製、商品名:カヤメック(登録商標)M〕1.5質量部を添加し、均一な組成になるまで撹拌して、樹脂組成物を得た。
繊維として製造例3で得られたオリゴエステル化セルロース繊維と、マトリックス樹脂プレポリマーとして不飽和ポリエステル樹脂プレポリマー〔昭和電工(株)製、商品名:リゴラック(登録商標)R1−105S〕とを、オリゴエステル化セルロース繊維/不飽和ポリエステル樹脂プレポリマー(質量比)が35/65となるように混合し、均一な組成になるまで撹拌して混合物を得た。得られた混合物に、当該混合物中に含まれる不飽和ポリエステル樹脂プレポリマー100質量部あたりスチレン5質量部、脱泡剤〔ビックケミー・ジャパン(株)製、商品名:BYK(登録商標)−A560〕0.3質量部、硬化促進剤0.5質量部、MEKPO硬化剤〔55質量%メチルエチルケトンパーオキサイド(MEKPO)、化薬アクゾ(株)製、商品名:カヤメック(登録商標)M〕1.0質量部を添加し、均一な組成になるまで撹拌して樹脂組成物を得た。
比較例1において、オリゴエステル化セルロース繊維を用いる代わりに炭素繊維〔繊維長90μm、(株)クレハ製、商品名:クレカチョップ(登録商標)M−1009S〕を用いたことを除き、比較例1と同様の操作を行ない、板状の成形体を得た。得られた成形体を用い、JIS K 6911に定める試験片を得た。
比較例1において、オリゴエステル化セルロース繊維を用いる代わりにガラス繊維〔繊維長90μm 、日東紡(株)製、商品名:カットファイバー(登録商標)PF80E−401〕を用いたことを除き、比較例1と同様の操作を行ない、板状の成形体を得た。得られた成形体を用い、JIS K 6911に定める試験片を得た。
比較例1において、オリゴエステル化セルロース繊維と不飽和ポリエステル樹脂プレポリマーとの混合物を用いる代わりに不飽和ポリエステル樹脂プレポリマー〔昭和電工(株)製、商品名:リゴラック(登録商標)R1−105S〕を用いたことを除き、比較例1と同様の操作を行ない、板状の成形体を得た。得られた成形体を用い、JIS K 6911に定める試験片を得た。
実施例1において、オリゴエステル化竹繊維を用いる代わりに炭素繊維〔繊維長90μm、(株)クレハ製、商品名:クレカチョップ(登録商標)M−1009S〕を用いたことを除き、実施例1と同様の操作を行ない、板状の成形体を得た。得られた成形体は、硬化不良のため、柔らかかった。
実施例1において、オリゴエステル化竹繊維を用いる代わりにエポキシアクリレート樹脂プレポリマー〔変性エポキシ樹脂プレポリマー、粘度0.9〜2.3dPa・s/25℃、昭和電工(株)製、商品名:RIPOXY(登録商標)R−806〕を用いたことを除き、実施例1と同様の操作を行ない、板状の成形体を得た。得られた成形体を用い、JIS K 6911に定める試験片を得た。
繊維として製造例4で得られたオリゴエステル化セルロース繊維と、マトリックス樹脂プレポリマーとしてエポキシ樹脂プレポリマー[ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、エポキシ当量:184〜194g/mol、三菱化学(株)製、商品名:jER(登録商標)828〕と、アミン硬化剤〔鎖状脂肪族ポリアミン、アミン価:515〜575KOHmg/g、三菱化学(株)製、商品名:jERキュア(登録商標)LV11〕とを、オリゴエステル化セルロース繊維/エポキシ樹脂プレポリマー/アミン硬化剤(質量比)が35/48.9/16.1となるように混合し、均一な組成になるまで撹拌して混合物を得た。得られた混合物に、当該混合物中に含まれるエポキシ樹脂プレポリマーとアミン硬化剤の合計量100質量部あたり脱泡剤〔ビックケミー・ジャパン(株)製、商品名:BYK(登録商標)−A560〕0.3質量部を添加し、均一な組成になるまで撹拌して樹脂組成物を得た。
実施例2において、オリゴエステル化セルロース繊維を用いる代わりにセルロース繊維〔繊維長300μm、レッテンマイヤー(株)製、商品名:ARBOCEL(登録商標)BC200〕を用いたことを除き、実施例2と同様の操作を行ない、板状の成形体を得た。得られた成形体は、硬化不良のため、柔らかかった。
実施例2において、オリゴエステル化セルロース繊維とエポキシ樹脂プレポリマーとアミン硬化剤との混合物を用いる代わりにエポキシ樹脂プレポリマーを用いたことを除き、実施例2と同様に操作を行ない、板状の成形体を得た。得られた成形体を用い、JIS K 6911に定める試験片を得た。
繊維として製造例4で得られたオリゴエステル化セルロース繊維と、マトリックス樹脂プレポリマーとしてエポキシアクリレート樹脂プレポリマー〔変性エポキシ樹脂プレポリマー、粘度0.9〜2.3dPa・s(25℃)、昭和電工(株)製、商品名:RIPOXY(登録商標)〕とを、オリゴエステル化セルロース繊維/エポキシアクリレート樹脂プレポリマー(質量比)が35/65となるように混合し、均一な組成になるまで撹拌して混合物を得た。得られた混合物に、当該混合物中に含まれるエポキシアクリレート樹脂プレポリマー100質量部あたり脱泡剤〔ビックケミー・ジャパン(株)製、商品名:BYK(登録商標)−A560〕0.3質量部、硬化促進剤〔ナフテン酸コバルト(金属6質量%)、化薬アクゾ(株)製、商品名:コバルト(登録商標)N〕0.5質量部、MEKPO硬化剤〔55質量%メチルエチルケトンパーオキサイド(MEKPO)、化薬アクゾ(株)製、商品名:カヤメック(登録商標)M〕1.5質量部を添加し、均一な組成になるまで撹拌して樹脂組成物を得た。
実施例3において、製造例4で得られたオリゴエステル化セルロース繊維を用いる代わりに、製造例4で得られたオリゴエステル化セルロース繊維を篩にかけて得られた繊維長約70〜110μmのオリゴエステル化セルロース繊維を用いたことを除き、実施例3と同様の操作を行ない、板状の成形体を得た。得られた成形体を用い、JIS K 6911に定める試験片を得た。
実施例3において、オリゴエステル化セルロース繊維を用いる代わりにガラス繊維〔繊維長90μm、日東紡(株)製、商品名:カットファイバー(登録商標)PF80E−401〕を用いたことを除き、実施例3と同様の操作を行ない、板状の成形体を得た。得られた成形体を用い、JIS K 6911に定める試験片を得た。
実施例1〜4および比較例1〜9それぞれで得られた試験片を用い、JIS K 6911にしたがって引張試験を行なうことにより、引張強度および引張弾性率を測定した。また、実施例1〜4および比較例1〜9それぞれで得られた試験片を用い、JIS K 6911にしたがって曲げ試験を行なうことにより、曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。表1に示される評価基準に基づき、実施例1〜4および比較例1〜9それぞれで得られた成形体の引張強度、引張弾性率、曲げ強度および曲げ弾性率を評価した。
A 平均得点が1.5点以上
B 平均得点が1点以上1.5点未満
C 平均得点が1点未満
密閉式加圧型ニーダー中において、竹繊維〔平均繊維長2.87mm、増本建設(株)製〕90gと無水フタル酸4.44gとを50min-1で撹拌しながら150℃で20分間加熱して反応させた後、得られた反応生成物にメタクリル酸グリシジル5.56gを添加し、得られた混合物を50min-1で撹拌しながら前記反応生成物とメタクリル酸グリシジルとを90℃で20分間加熱することにより、オリゴエステル化反応を行なった。
繊維として製造例5で得られたオリゴエステル化竹繊維と、マトリックス樹脂プレポリマーとしてエポキシ樹脂プレポリマー〔ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、エポキシ当量:184〜194g/mol、三菱化学(株)製、商品名:jER(登録商標)828〕と、アミン硬化剤〔鎖状脂肪族ポリアミン、アミン価:515〜575KOHmg/g、三菱化学(株)製、商品名:jERキュア(登録商標)LV11〕とを、オリゴエステル化竹繊維/エポキシ樹脂プレポリマー/アミン硬化剤(質量比)が30/52.5/17.5となるように混合し、均一な組成になるまで撹拌して混合物を得た。得られた混合物に、当該混合物中に含まれるエポキシ樹脂プレポリマーとアミン硬化剤との合計量100質量部あたり脱泡剤〔ビックケミー・ジャパン(株)製、商品名:BYK(登録商標)−A560〕0.3質量%を添加し、均一な組成になるまで撹拌して樹脂組成物を得た。
繊維として製造例5で得られたオリゴエステル化竹繊維と、マトリックス樹脂プレポリマーとしてエポキシ樹脂プレポリマー〔ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、エポキシ当量:184〜194g/mol、三菱化学(株)製、商品名:jER(登録商標)828〕と、アミン硬化剤〔鎖状脂肪族ポリアミン、アミン価:515〜575KOHmg/g、三菱化学(株)製、商品名:jERキュア(登録商標)LV11〕とを、オリゴエステル化竹繊維/エポキシ樹脂プレポリマー/アミン硬化剤(質量比)が40/45/15となるように混合し、均一な組成になるまで撹拌して混合物を得た。得られた混合物に、当該混合物中に含まれるエポキシ樹脂プレポリマーとアミン硬化剤との合計量100質量部あたり脱泡剤〔ビックケミー・ジャパン(株)製、商品名:BYK(登録商標)−A560〕0.3質量%を添加し、均一な組成になるまで撹拌して樹脂組成物を得た。
試験例1において、実施例1〜4および比較例1〜9それぞれで得られた試験片を用いる代わりに実施例5および6それぞれで得られた試験片を用いたことを除き、試験例1と同様の操作を行ない、実施例5および6それぞれで得られた成形体の引張弾性率および曲げ弾性率を測定した。その結果を表7に示す。
繊維として製造例4で得られたオリゴエステル化セルロース繊維と、マトリックス樹脂プレポリマーとしてエポキシアクリレート樹脂プレポリマーとを、オリゴエステル化セルロース繊維/エポキシアクリレート樹脂プレポリマー(質量比)が10/90となるように混合し、均一な組成になるまで撹拌して混合物を得た。得られた混合物に、当該混合物中に含まれるエポキシアクリレート樹脂プレポリマー100質量部あたり脱泡剤〔ビックケミー・ジャパン(株)製、商品名:BYK(登録商標)−A560〕0.3質量部、硬化促進剤〔ナフテン酸コバルト(金属6質量%)、化薬アクゾ(株)製、商品名:コバルト(登録商標)N〕0.5質量部、MEKPO硬化剤〔55質量%メチルエチルケトンパーオキサイド(MEKPO)、化薬アクゾ(株)製、商品名:カヤメック(登録商標)M〕1.5質量部を添加し、均一な組成になるまで撹拌して樹脂組成物を得た。
実施例7において、製造例4で得られたオリゴエステル化セルロース繊維と、マトリックス樹脂プレポリマーとしてエポキシアクリレート樹脂プレポリマーとを、オリゴエステル化セルロース繊維/エポキシアクリレート樹脂プレポリマー(質量比)が10/90となるように混合する代わりにオリゴエステル化セルロース繊維/エポキシアクリレート樹脂プレポリマー(質量比)が30/70となるように混合したことを除き、実施例7と同様の操作を行ない、板状の成形体を得た。得られた成形体を用い、JIS K 6911に定める試験片を得た。
繊維として製造例4で得られたオリゴエステル化セルロース繊維と、マトリックス樹脂プレポリマーとしてエポキシアクリレート樹脂プレポリマーとを、オリゴエステル化セルロース繊維/エポキシアクリレート樹脂プレポリマー(質量比)が30/70となるように混合し、均一な組成になるまで撹拌して混合物を得た。得られた混合物に、当該混合物中に含まれるエポキシアクリレート樹脂プレポリマー100質量部あたり脱泡剤〔ビックケミー・ジャパン(株)製、商品名:BYK(登録商標)−A560〕0.3質量部、硬化促進剤〔ナフテン酸コバルト(金属6質量%)、化薬アクゾ(株)製、商品名:コバルト(登録商標)N〕0.5質量部、MEKPO硬化剤〔55質量%メチルエチルケトンパーオキサイド(MEKPO)、化薬アクゾ(株)製、商品名:カヤメック(登録商標)M〕1.5質量部を添加し、均一な組成になるまで撹拌して樹脂組成物を得た。
実施例9において、製造例4で得られたオリゴエステル化セルロース繊維と、マトリックス樹脂プレポリマーとしてエポキシアクリレート樹脂プレポリマーとを、オリゴエステル化セルロース繊維/エポキシアクリレート樹脂プレポリマー(質量比)が10/90となるように混合する代わりにオリゴエステル化セルロース繊維/エポキシアクリレート樹脂プレポリマー(質量比)が85/15となるように混合したことを除き、実施例9と同様の操作を行ない、板状の成形体を得た。得られた成形体は、硬化不良のため、柔らかかった。
試験例1において、実施例1〜4および比較例1〜9それぞれで得られた試験片を用いる代わりに実施例7〜9および比較例10それぞれで得られた試験片を用いたことを除き、試験例1と同様の操作を行ない、前記評価基準に基づき、実施例7〜9および比較例10それぞれで得られた成形体の機械的強度の総合評価を行なった。その結果を表8に示す。
繊維として製造例4で得られたオリゴエステル化セルロース繊維と、マトリックス樹脂プレポリマーとしてエポキシアクリレート樹脂プレポリマーとを、オリゴエステル化セルロース繊維/エポキシアクリレート樹脂プレポリマー(質量比)が表9に示される質量比となるように混合し、均一な組成になるまで撹拌して混合物を得た。得られた混合物に、当該混合物中に含まれるエポキシアクリレート樹脂プレポリマー100質量部あたり脱泡剤〔ビックケミー・ジャパン(株)製、商品名:BYK(登録商標)−A560〕0.3質量部、硬化促進剤〔ナフテン酸コバルト(金属6質量%)、化薬アクゾ(株)製、商品名:コバルト(登録商標)N〕0.5質量部、MEKPO硬化剤〔55質量%メチルエチルケトンパーオキサイド(MEKPO)、化薬アクゾ(株)製、商品名:カヤメック(登録商標)M〕1.5質量部を添加し、均一な組成になるまで撹拌して樹脂組成物を得た。
実施例1において、繊維として製造例3で得られたオリゴエステル化竹繊維と、マトリックス樹脂プレポリマーとしてポリプロピレン樹脂〔日本ポリプロ(株)製、商品名:ウインテックWSX02〕とを、オリゴエステル化竹繊維/ポリプロピレン樹脂(質量比)が35/65となるように混合し、均一な組成になるまで撹拌して混合物を得た。得られた混合物に、当該混合物中に含まれるポリプロピレン樹脂100質量部あたり相溶化剤〔三洋化成(株)製、商品名:ユーメックス1001〕3質量部、目ヤニ防止剤〔三協化学(株)製、商品名:PEM24900〕0.3質量部を添加し、均一な組成になるまで撹拌して樹脂組成物を得た。
実施例1で得られた成形体および比較例11で得られた成形体を沸騰水中で300時間静置させた。その結果、実施例1で得られた成形体では、変形または膨れが見られなかったのに対して、比較例11で得られた成形体では、沸騰水中に入れてから50時間経過時点で変形および膨れが見られた。かかる結果から、実施例1で得られた成形体は、耐煮沸性に優れることがわかる。
式(I)で表わされるセルロース化合物含有繊維のうち、実施例1〜9で用いられたセルロース化合物含有繊維以外のセルロース化合物含有繊維と、式(II)で表わされる多塩基酸無水物のうち、実施例1〜9で用いられた多塩基酸無水物以外の多塩基酸無水物と、式(III)で表わされるモノエポキシ化合物のうち、実施例1〜9で用いられたモノエポキシ化合物以外のモノエポキシ化合物と、実施例1〜9で用いられたもの以外のエポキシ樹脂プレポリマーまたはエポキシ(メタ)アクリレート樹脂と、実施例1〜9で用いられたもの以外の硬化剤とを用いた場合にも、実施例1〜9で得られた成形体と同様の結果が得られる。
Claims (9)
- セルロース化合物含有繊維強化樹脂の製造に用いられる組成物であって、
(A)水酸基を有するセルロース化合物含有繊維である植物繊維または式(I):
で表わされる化合物からなる繊維の前記水酸基に、多塩基酸無水物と不飽和結合を有するモノエポキシ化合物とが交互に付加された重合性二重結合を有するオリゴエステル化セルロース化合物含有繊維と、
(B)エポキシ樹脂プレポリマーまたはエポキシ(メタ)アクリレート樹脂プレポリマーと、
(C)硬化剤と
を含有してなり、前記(A)と(B)との質量比〔(A)/(B)〕が7/93〜80/20であることを特徴とするセルロース化合物含有繊維強化樹脂組成物。 - 前記植物繊維が竹繊維である請求項1に記載のセルロース化合物含有繊維強化樹脂組成物。
- 前記多塩基酸無水物が式(II):
で表わされる化合物である請求項1または2のいずれかに記載のセルロース化合物含有繊維強化樹脂組成物。 - 前記多塩基酸無水物が無水フタル酸である請求項1〜3のいずれかに記載のセルロース化合物含有繊維強化樹脂組成物。
- 前記不飽和結合を有するモノエポキシ化合物が式(III):
で表わされる化合物である請求項1〜4のいずれかに記載のセルロース化合物含有繊維強化樹脂組成物。 - 前記不飽和結合を有するモノエポキシ化合物がメタクリル酸グリシジルである請求項1〜5のいずれかに記載のセルロース化合物含有繊維強化樹脂組成物。
- (a)前記(A)水酸基を有するセルロース化合物含有繊維の前記水酸基に、多塩基酸無水物と不飽和結合を有するモノエポキシ化合物とが交互に付加された重合性二重結合を有するオリゴエステル化セルロース化合物含有繊維および前記(B)エポキシ樹脂プレポリマーまたはエポキシ(メタ)アクリレート樹脂プレポリマーを含有してなる第I液と、
(b)前記(C)硬化剤を含有してなる第II液と
からなる請求項1〜6のいずれかに記載のセルロース化合物含有繊維強化樹脂組成物。 - 請求項1〜7のいずれかに記載のセルロース化合物含有繊維強化樹脂組成物を硬化した繊維強化樹脂成形体。
- 請求項8に記載の繊維強化樹脂成形体を製造する方法であって、
請求項1〜7のいずれかに記載のセルロース化合物含有繊維強化樹脂組成物を硬化させるとともに成形することを特徴とする繊維強化樹脂成形体の製造方法。
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