JP2636072B2 - 熱流動性に優れた熱可塑性木質材組成物の製造方法 - Google Patents

熱流動性に優れた熱可塑性木質材組成物の製造方法

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JP2636072B2 JP28058590A JP28058590A JP2636072B2 JP 2636072 B2 JP2636072 B2 JP 2636072B2 JP 28058590 A JP28058590 A JP 28058590A JP 28058590 A JP28058590 A JP 28058590A JP 2636072 B2 JP2636072 B2 JP 2636072B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、押出し成形用材料として使用可能な熱流動
性に優れた熱可塑性木質材組成物の製造方法に関するも
のである。
〔従来の技術〕
石油や石炭等の化石資源より得られる合成樹脂類は、
安価で且つ熱圧成形等の加工方法で容易に加工できるた
め、工業用原料として大量に用いられているが、その埋
蔵量には限界があり、それら資源の枯渇が世界的な問題
となっている。一方、木材を代表とする木質材料は、再
生産可能な資源として最近注目を集めている。しかしな
がら、木材を粉砕しただけの木質材料は、熱圧成形がで
きないため、任意の形状、特に任意の曲面に加工するの
は容易ではない。
また、従来、木質材料は、その優れた特徴を生かして
建築材料を始め、その他種々の用途に使用されてきてい
るが、小径木や間伐材、或いは木材工場から排出される
オガクズ等は、大部分が焼却等の方法で廃棄されてお
り、有効な利用方法の開発が望まれている。
これら木質材料を熱圧成形可能な材料とするため、本
発明者等は、先に、改質木材小片の製造方法(特開昭60
−83806)を提案した。この改質木材小片は、木材小片
に二塩基酸無水物とモノエポキシ化合物とを付加エステ
ル化反応させたものであり、熱圧加工が可能で、耐湿、
耐水性に優れた表面の固いシートまたはボードとするこ
とができるものである。
また、特開昭62−77903では、脂肪酸のカリウム塩の
存在下、木材小片とエポキシ化合物を常圧下かつ無溶媒
中で反応させ、木材にエーテル結合を介して有機基を結
合させた化学修飾木質材の製造方法を提案した。
しかしながら、これら改質木材小片および化学修飾木
質材(以下、これらを総称して化学修飾木質材と略記す
る)は、成形品とするのに、180〜200℃、300kg/cm2
上と相当な高温高圧で熱圧成形する必要があり、生産性
およびエネルギー効率の点からも好ましくない。
上記の他にも、木質材を熱可塑性とすべく研究が進め
られており、木質材に熱流動性を付与するには、木質材
中のセルロースの結晶構造を崩すことが重要であると言
われている。
一方、爆砕処理した木材は、現在、家畜の粗飼料とし
て応用が検討され、従来の粗飼料と遜色ないことが確認
されている。また、爆砕処理による木材の構造変化につ
いての研究もなされており、爆砕処理により、木材中の
セルロースは結晶化度が上昇し、リグニンはアリルエー
テル結合が解裂して低分子化すると報告されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者等は、比較的高い木質材含量を有しながら
も、熱流動性が優れ、通常の押出し成形条件で成形可能
な熱可塑性木質材組成物を得るべく検討を行った。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は、上記の問題点に鑑み鋭意研究を重ねた
結果、驚くべきことに、爆砕処理した木質材は、爆砕処
理により結晶化度が上昇するにも拘らず、該爆砕処理し
た木質材にモノエポキシ化合物、あるいは、モノエポキ
シ化合物および多塩基酸無水物を反応させて得られる木
質材組成物は、通常の木質材を用いた場合に比べて著し
く優れた熱流動性を有することを見出し、本発明を完成
するに至ったものである。
即ち、本発明は、爆砕処理した木質材100重量部と、
モノエポキシ化合物50〜300重量部、あるいは、該爆砕
処理した木質材100重量部とモノエポキシ化合物および
多塩基酸無水物を合計で50〜300重量部とを反応させる
ことを特徴とする熱流動性に優れた熱可塑性木質材組成
物の製造方法を提供するものである。
本発明の熱可塑性木質材組成物の製造方法は、木質材
成分として爆砕処理した木質材100重量部にモノエポキ
シ化合物50〜300重量部、あるいはモノエポキシ化合物
と多塩基酸無水物を合計で50〜300重量部とを反応させ
るのであるが、例えば、爆砕処理した木質材の水酸基
に、触媒として脂肪酸のカリウム塩の存在下、エーテル
結合を介して爆砕処理した木質材に水酸基のモノエポキ
シ化合物を付加させる方法、木質材の水酸基に多塩基酸
無水物とモノエポキシ化合物を交互に付加エステル化反
応させる方法等が挙げられる。これらの方法において、
爆砕処理した木質材100重量部に対し、モノエポキシ化
合物、あるいはモノエポキシ化合物および多塩基酸無水
物の合計が50重量部より少ない場合は、得られた熱可塑
性木質材組成物は熱流動性が乏しく、例えば、熱流動性
の一つの指標であるメルトインデックス(MI)の測定が
不可能である。逆に、爆砕処理した木質材100重量部に
対し、モノエポキシ化合物、あるいはモノエポキシ化合
物および多塩基酸無水物の合計が300重量部より多い場
合は、熱流動性は優れるものの、木質材含量が低くなり
すぎ、本発明の目的に反するばかりでなく、経済的にも
好ましくない。
本発明の熱可塑性木質材組成物の製造に用いられる爆
砕処理した木質材成分としては、原木や樹種には特に制
限はなく、木粉、木材繊維、木材チップ等の木材、未利
用のまま大量に廃棄される麦ワラ、稲ワラ、モミガラ、
故紙、リンター、バカス等の植物繊維、その他のセルロ
ースやリグニンを主成分とするリグノセルロース材料を
爆砕処理後粉砕したものが挙げられる。さらに、木材を
使用する工業において工業廃棄物として副生る木材小
片、オガクズを爆砕処理後粉砕したもの、パーティクル
ボード、ファイバーボード等の製造工程中に排出される
サンダー粉等を爆砕処理したものも用いることができ
る。また逆に、上記の木質材成分を粉砕機、ヘンシェル
ミキサー等によって木材チップ、木材繊維、微細化した
木粉等とした後に、爆砕処理して用いることができる。
爆砕処理は、3〜50kg/cm2の飽和水蒸気中で0.1〜30分
間蒸煮後、急激に解圧することによって行うことができ
る。このようにして爆砕処理して得られた木質材成分の
含水率が高い場合は、熱風乾燥機や真空乾燥機等により
乾燥して水分を10%以下に除去して用いるのが好まし
い。木質材成分中に水分が多く残存すると、この水分が
多塩基酸無水物の無水酸基と反応して多価カルボン酸を
副生したり、モノエポキシ化合物のエポキシ基を開環さ
せたりするので好ましくない。
モノエポキシ化合物としては、分子中に1個のエポキ
シ基を含む化合物であればよく、例えば、フェニルグリ
シジルエーテル、アリルグリルシジルエーテル、スチレ
ンオキサイド、オクチレンオキサイド、メチルグリシジ
ルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、クレジルグリ
シジルエーテル、エピクロルヒドリン等があげられる。
多塩基酸無水物としては、無水マレイン酸、無水コハ
ク酸、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水
テトラヒドロフタル酸、無水ジクロロマレイン酸、無水
イタコン酸、無水テトラブロモフタル酸、無水ヘット
酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げ
られるが、特に工業的に有利で安価な無水マレイン酸、
無水コハク酸、無水フタル酸が好ましい。
爆砕処理した木質材にモノエポキシ化合物および多塩
基酸無水物を反応させる場合のモノエポキシ化合物と多
塩基酸無水物との仕込み比は、モノエポキシ化合物のエ
ポキシ基1当量に対し、多塩基酸無水物中の無水酸基1.
5当量以下が好ましい。これより多塩基酸無水物中の無
水酸基が多い場合は、木質材の水酸基に付加したカルボ
キシル基を末端に有する多塩基酸無水物の半エステルが
多くなり、得られた熱可塑性木質材組成物の耐水性が低
下するので好ましくない。
爆砕処理した木質材にモノエポキシ化合物および多塩
基酸無水物を反応させる場合は、無触媒下でも充分に進
行するが、反応を促進させるために炭酸ナトリウム、ジ
メチルベンジルアミン、ピリジン、テトラチルアンモニ
ウムクロライドあるいは脂肪酸のカリウム塩等の触媒を
用いてもよく、爆砕処理した木質材にモノエポキシ化合
物を付加エーテル化反応させる場合は、触媒として脂肪
酸のカリウム塩、ジメチルベンジルアミンあるいはテト
ラメチルアンモニウムクロライド等の触媒を用いるのが
好ましい。
上記の方法においては、反応に供したモノエポキシ化
合物、あるいは多塩基酸無水物とモノエポキシ化合物の
合計量のうち約10〜80重量%程度は各々が反応して木質
材成分に結合していないオリゴマーとして副生する。本
発明では、このオリゴマーも溶剤による抽出等により除
去することなく熱可塑性木質材組成物の一成分として用
いられる。
また、上記の爆砕処理した木質材とモノエポキシ化合
物、あるいはモノエポキシ化合物および多塩基酸無水物
との反応においては、爆砕処理した木質材とモノエポキ
シ化合物、あるいはモノエポキシ化合物および多塩基酸
無水物とが反応してアセトンに可溶となった木質材も一
部生成する。
さらに、本発明の製造方法においては、少量の未反応
物が残存する。その残存量は、モノエポキシ化合物と多
塩基酸無水物の仕込み比率、反応温度あるいは反応時間
等によっても変化させることができるが、反応生成物全
体の20重量%以下にするのが好ましい。
本発明の製造方法で製造された熱可塑性木質材組成物
は、その原料である爆砕処理した木質材の結晶化度が爆
砕処理していない木質材よりも高いので、熱流動性がか
えって低下するのではないかと予想されるにも拘らず、
優れた熱流動性を有するのは予想外のことである。その
原因は明らかではないが、木質材中でバインダーとして
作用しているリグニンが、木質材を爆砕処理することに
より分解し、その分解したリグニンとモノエポキシ化合
物、あるいはモノエポキシ化合物および多塩基酸無水物
が反応して生成した反応生成物や上記のオリゴマーが熱
可塑性木質材の可塑剤として作用するため、従来の熱可
塑性木質材よりも熱流動性が著しく向上するものと考え
られる。
以上の如く、本発明の製造方法で得られた熱可塑性木
質材組成物は、従来の化学修飾木質材に比べ熱流動性が
著しく向上しているばかりでなく、その製造時に副生す
るオリゴマーおよび未反応物を溶剤による抽出等の操作
によって除去する必要がないという利点も有している。
さらに、小径木や間伐材、さらには木材工業より副生す
る木材小片、木粉等も爆砕処理することにより用いるこ
とができ、これらの有効利用の面からも極めて有用であ
る。
本発明の製造方法で得られた熱可塑性木質材組成物を
成形品とするため成形加工する場合は、そのままプレス
成形は勿論、押出し成形、射出成形等により通常の熱可
塑性樹脂を成形加工する加工条件で成形加工することが
できるが、その前にブレンダー、ニーダー、ミキシンク
ロール、バンバリーミキサー等の混練機を用いて均一に
混練後、上記の成形加工方法によって成形することがで
きる。このようにして得られた成形品は、多くの分野に
おいて、工業部品材料、建築材料等として好適なもので
ある。
〔実施例〕
以下、本発明を、実施例および比較例によって更に具
体的に説明するが、これらに使用される爆砕処理した木
粉は、それぞれ含水率を5%以下に乾燥したものであ
る。また、本発明はこれら実施例に制限されるものでは
ない。
尚、生成物の無水酸価は水系酸価と非水系酸価との差
より求めた。
水系酸価は、精秤した試料約0.3gをアセトン30mlおよ
びイオン交換水10mlの混合溶媒中に分散し、20分間室内
に放置後、0.1NKOH−H2Oで滴定して得た値より求めた。
非水系酸価は、精秤した試料約0.3gアセトン30mlに分
散後、0.1N KOH−メタノールで滴定して得た値より求
めた。
エポキシ価は、精秤した試料約0.3gに0.1N HBr−酢
酸溶液7mlを加え20分間室内に放置後、0.1Nフェニルグ
リシジルエーテル−クロルベンゼン溶液10mlを加え、更
に20分間室内に放置した後、0.1N HBr−酢酸溶液で滴
定して得た値より求めた。
アセトン可溶部は木質材成分に結合していないオリゴ
マーおよびアセトンに可溶となった木質材を意味してお
り、試料の重量(X)、アセトンによるソックスレー抽
出で溶出した重量(Y)および未反応のモノエポキシ化
合物および多塩基酸無水物の合計の重量(Z)より次式
によって求めた。
アセトン可溶部(重量%)=100(Y−Z)/X メルトインデックス(MI)は、JIS K 7210に従い、15
0℃、試験荷重10kg、あるいは190℃、試験荷重10kgで測
定した値より求めた。
実施例 1. 木質材として30kg/cm2で5分間蒸煮後爆砕処理したメ
ラノキシロンの乾燥木粉20.0g、無水コハク酸6.52gを50
0mlの四ツ口セパブルフラスコに仕込み、130℃で2時間
攪拌下に反応後、スチレンオキサイド23.48gを加え150
℃で1時間、さらに、200℃で4時間反応させた。その
後、エーテル化反応の触媒としての酢酸カリウム0.26g
を加え150℃で3時間、200℃で1時間加熱して、残存し
ている過剰のスチレンオキサイドを木質材の水酸基にエ
ーテル化反応で付加させて、本発明の熱可塑性木質材組
成物を得た。この熱可塑性木質材組成物の無水酸価、エ
ポキシ価、ソックスレー抽出によるアセトン可溶部の重
量%およびミキシングロール後のMIの値を表1に示す。
実施例 2. 木質材として20kg/cm2で6分間蒸煮後爆砕処理したメ
ラノキシロンの乾燥木粉を用いた以外は実施例1と同様
にして、本発明の熱可塑性木質材組成物を得た。この熱
可塑性木質材組成物の無水酸価、エポキシ価、ソックス
レー抽出によるアセトン可溶部の重量%およびミキシン
グロール後のMIの値の表1に示す。
比較例 1. 木質材として乾燥木粉(商品名:LIGNOCEL S150 TR;J.
Rettenmaier & Soehne 社製;繊維 長:30−60 μ)
を用いた以外は実施例1と同様にして、木質材組成物を
得た。この木質材組成物の無水酸価、エポキシ価、ソッ
クスレー抽出によるアセトン可溶部の重量%およびミキ
シングロール後のMIの値を表1に示す。
比較例 2. 木質材として乾燥木粉(商品名:LIGNOCEL S150 TR;J.
Rettenmaier & Soehne 社製; 120メッシュ全適)を
用いた以外は実施例1と同様にして、木質材組成物を得
た。この木質材組成物の無水酸価、エポキシ価、ソック
スレー抽出によるアセトン可溶部の重量%およびミキシ
ングロール後のMIの値を表1に示す。
比較例 3. 木質材として蒸煮処理をした乾燥赤松木粉を用いた以
外は実施例1と同様にして、木質材組成物を得た。この
木質材組成物の無水酸価、エポキシ価、ソックスレー抽
出によるアセトン可溶部の重量%およびミキシングロー
ル後のMIの値を表1に示す。
実施例1および2は、爆砕処理した木質材を用い、木
質材成分100重量部に対しモノエポキシ化合物を含む反
応性物資を150重量部反応させているため、得られた木
質材組成物は熱流動性が優れていることがMIの測定結果
からも確認された。一方、比較例1ないし3は、木質材
成分100重量部に対しモノエポキシ化合物を含む反応性
物質を150重量部反応させているが、木質材成分として
爆砕処理した木質材を用いていないため、熱流動性に乏
しい。
実施例 3. 木質材として30kg/cm2で5分間蒸煮後爆砕処理したメ
ラノキシロンの乾燥木粉20.0g、無水コハク酸11.71g、
およびスチレンオキサイド18.29gを500mlのセパラブル
フラスコに入れ、120℃で7時間反応させ、無水酸価0eq
/kg、エポキシ価0.16eq/kg、ソックスレー抽出における
アセトン可溶部67重量%、木質材含量40重量%の熱可塑
性木質材組成物を得た。この熱可塑性木質材組成物のミ
キシンクロール後のMIの値は、150℃、荷重10kgの場合
0.2、190℃、荷重10kgの場合0.9であった。
実施例 4. 木質材として20kg/cm2で6分間蒸煮後爆砕処理したメ
ラノキシロンの乾燥木粉40.0gおよびフェニルグリシジ
ルエーテル49.10gを500mlの四ツ口セパラブルフラスコ
に仕込み、220℃で4時間攪拌下に加熱後、無水コハク
酸10.90gを加え150℃で4時間、さらに、未反応のフェ
ニルグリシジルエーテルをエーテル化反応で木質材の水
酸基に付加させるため、エーテル化反応の触媒である酢
酸カリウム0.42gを加え150℃で5時間反応させて、木質
材含量40重量%の熱可塑性木質材組成物を得た。この熱
可塑性木質材組成物の無水酸価、エポキシ価、ソックス
レー抽出によるアセトン可溶部の重量%およびミキシン
グロール後のMIの値を表2に示す。
比較例 4. 木質材として乾燥木粉(商品名:LIGNOCEL S150 TR;J,
Rettenmeier & Soehne 社製;120メッシュ全通)を用い
た以外は実施例4と同様にして、木質材含量40重量%の
木質材組成物を得た。この木質材組成物の無水酸価、エ
ポキシ価、ソックスレー抽出によるアセトン可溶部の重
量%およびミキシングロール後のMIの値を表2に示す。
実施例4は、爆砕処理した木質材を用い、木質材成分
100重量部に対しモノエポキシ化合物を含む反応性物質
を150重量部反応させているため、得られた木質材組成
物は熱流動性が優れている。一方、比較例4は、木質材
成分100重量部に対しモノエポキシ化合物を含む反応性
物質を150重量部反応させているが、木質材成分として
爆砕処理した木質材を用いていないための熱流動性に乏
しい。
実施例 5. 木質材として20kg/cm2で6分間蒸煮後爆砕処理したメ
ラノキシロンの乾燥木粉20.0gおよびフェニルグリシジ
ルエーテル22.58gを500mlの四ツ口セパラブルフラスコ
に仕込み、220℃で4時間攪拌下に加熱後、無水フタル
酸7.42gを加え150℃で4時間、さらに、未反応のフェニ
ルグリシジルエーテルを木質材の水酸基にエーテル化反
応で付加させるため、エーテル化反応の触媒である酢酸
カリウム0.20gを加え150℃で5時間反応させて、木質材
含量40重量%の熱可塑性木質材組成物を得た。分析の結
果、この熱可塑性木質材組成物は、無水酸価0.13eq/k
g、エポキシ価0eq/kg、ソックスレー抽出によるアセト
ン可溶部68重量%であった。この熱可塑性木質材組成物
のミキシングロール後のMIの値は、150℃、荷重10kgの
場合0.6、190℃、荷重10kgの場合2.0であった。
実施例 6. 木質材として30kg/cm2で6分間蒸煮後爆砕処理したラ
ワンの乾燥木粉17.5gおよびスチレンオキサイド32.5を5
00mlの四ツ口セパラプルフラスコに仕込み、220℃で4
時間攪拌下に加熱後、エーテル化反応の触媒である酢酸
カリウム0.49を加え150℃で6時間反応させて、木質材
含量35重量%の熱可塑性木質材組成物を得た。分析の結
果、この熱可塑性木質材組成物は、エポキシ価0.25eq/k
g、ソックスレー抽出によるアセトン可溶部69重量%で
あった。この熱可塑性木質材組成物のミキシングロール
後のMIの値は、190℃、荷重10kgの場合20であった。
実施例 7〜9. 木質材として30kg/cm2で5分間蒸煮後爆砕処理したラ
ワンの乾燥木粉を用い、モノエポキシ化合物と共に500m
lの四ツ口セパラブルフラスコに仕込み、220℃で4時間
攪拌下に加熱後、無水コハク酸を加え150℃で4時間、
さらに、未反応のモノエポキシ化合物をエーテル化反応
で木質材の水酸基に付加させるため、エーテル化反応の
触媒である酢酸カリウムを加え150℃で5時間反応させ
て、本発明の熱可塑性木質材組成物を得た。得られた熱
可塑性木質材組成物の無水酸価、エポキシ価、ソックス
レー抽出によるアセトン可溶部の重量%およびMIの値を
表3に示す。
比較例 5. 木質材として30kg/cm2で5分間蒸煮後爆砕処理したラ
ワンの乾燥木粉を用い、モノエポキシ化合物であるブチ
ルグリシジルエーテルと共に500mlの四ツ口セパラブル
フラスコに仕込み、220℃で4時間攪拌下に加熱後、無
水コハク酸を加え150℃で4時間、さらに、木質材の水
酸基に未反応のブチルグリシジルエーテルをエーテル化
反応で付加させるため、エーテル化反応の触媒として酢
酸カリウムを加え150℃で5時間反応させて、木質材含
量70重量%の木質材組成物を得た。得られた木質材組成
物の無水酸価、エポキシ価、ソックスレー抽出によるア
セトン可溶部の重量%およびMIの値を表3に併せて示
す。
実施例7〜9の木質材組成物は、木質材として爆砕処
理した木質材を用いているためMIの測定においても優れ
た熱流動性を示したが、比較例5の木質材組成物は、爆
砕処理した木質材を用いたにも拘らず、木質材含量が多
過ぎるため、MIの測定は不可能で熱流動性に乏しかっ
た。
実施例 10. 木質材として30kg/cm2で5分間蒸煮後爆砕処理したラ
ワンの乾燥木粉40gをブチルグリシジルエーテル47.96g
と共に500mlの四ツ口セパラブルフラスコに仕込み、220
℃で4時間攪拌下に加熱後、無水マレイン酸12.04gを加
え150℃で4時間、さらに、木質材の水酸基に未反応の
ブチルグリシジルエーテルをエーテル化反応で付加させ
るため、エーテル化反応の触媒として酢酸カリウム0.48
gを加え150で5時間反応させて、本発明の木質材含量40
重量%の熱可塑性木質材組成物を得た。得られた熱可塑
性木質材組成物は、無水酸価0.03eq/kg、エポキシ価0.0
6eq/kg、ソックスレー抽出によるアセトン可溶部58重量
%であった。この熱可塑性木質材組成物のエポキシのミ
キシングロール後のMIの値は、150℃、荷重10kgの場
合、183であった。
〔効果〕
以上の如く、本発明の製造方法で得られた熱可塑性木
質材組成物は、従来の化学修飾木質材に比べ、熱流動性
が著しく向上しているため、熱圧成形は勿論、押出し成
形、射出成形等の通常の成形方法で成形加工できるた
め、産業上有用であるばかりでなく、小径木や間伐材、
さらには木材工業より副生する木材小片、木粉等も爆砕
処理することにより用いることができ、これらの有効利
用の面からも極めて有用である。また、該熱可塑性木質
材組成物は、反応後、溶剤による抽出等の後処理が不要
で、そのまま押出成形等に用いることができるため、工
業的に極めて有用である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】爆砕処理した木質材100重量部と、モノエ
    ポキシ化合物50〜300重量部、あるいは、該爆砕処理し
    た木質材100重量部とモノエポキシ化合物および多塩基
    酸無水物を合計で50〜300重量部とを反応させることを
    特徴とする熱流動性に優れた熱可塑性木質材組成物の製
    造方法。
JP28058590A 1990-10-20 1990-10-20 熱流動性に優れた熱可塑性木質材組成物の製造方法 Expired - Lifetime JP2636072B2 (ja)

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