JP2653501B2 - ポリウレタンレンズの製造方法 - Google Patents
ポリウレタンレンズの製造方法Info
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- JP2653501B2 JP2653501B2 JP30072988A JP30072988A JP2653501B2 JP 2653501 B2 JP2653501 B2 JP 2653501B2 JP 30072988 A JP30072988 A JP 30072988A JP 30072988 A JP30072988 A JP 30072988A JP 2653501 B2 JP2653501 B2 JP 2653501B2
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- polyol
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、眼鏡用レンズ、カメラ用レンズ等の各種光
学用レンズなどに用いられる耐熱性に優れたポリウレタ
ンレンズの製造方法に関する。
学用レンズなどに用いられる耐熱性に優れたポリウレタ
ンレンズの製造方法に関する。
<従来の技術> 近年国内外において、例えば、眼鏡用レンズとしてプ
ラスチック製レンズの需要が高まっている。近年用いら
れているプラスチックレンズとしては、ジエチレングリ
コールビスアリルカオーボネート(以下DACと略称す
る。)を注型重合したDAC樹脂からなるものが一般に使
用されている。DAC樹脂の特徴として、ガラスに比べ軽
く、割れにくく、染色性が優れているといったメリット
があり、現在の大型フレームにカラーレンズを組合せる
というファッション性の豊かなニーズに対応できるもの
である。しかしながら、DAC樹脂は屈折率(以下NDと略
称する。)が1.500であり、ガラス製眼鏡レンズのND1.
523に比べ低い為、特にレンズ度数が強い場合、レンズ
を厚くせざるを得なくユーザからあまり好まれていな
い。
ラスチック製レンズの需要が高まっている。近年用いら
れているプラスチックレンズとしては、ジエチレングリ
コールビスアリルカオーボネート(以下DACと略称す
る。)を注型重合したDAC樹脂からなるものが一般に使
用されている。DAC樹脂の特徴として、ガラスに比べ軽
く、割れにくく、染色性が優れているといったメリット
があり、現在の大型フレームにカラーレンズを組合せる
というファッション性の豊かなニーズに対応できるもの
である。しかしながら、DAC樹脂は屈折率(以下NDと略
称する。)が1.500であり、ガラス製眼鏡レンズのND1.
523に比べ低い為、特にレンズ度数が強い場合、レンズ
を厚くせざるを得なくユーザからあまり好まれていな
い。
したがって、DAC樹脂レンズよりもNDが1.56〜1.64と
比較的屈折率が高いプラスチックレンズとしてポリウレ
タンレンズが知られている。そして、このポリウレタン
レンズの製造方法として例えば、特開昭60−217229号公
報においては、ポリイソシアネートとS原子含有ポリオ
ールとを同時に混合し、均一に撹拌して注型重合を行な
い、ポリウレタンレンズを得る方法が提案されている。
また特開昭60−199016号公報においては、ポリイソシア
ネートとポリオールの水酸基の全てをメルカプト基に置
換したポリチオールとを同時に混合し、均一に撹拌して
注型重合を行ないポリウレタンレンズを得る方法が提案
されている。
比較的屈折率が高いプラスチックレンズとしてポリウレ
タンレンズが知られている。そして、このポリウレタン
レンズの製造方法として例えば、特開昭60−217229号公
報においては、ポリイソシアネートとS原子含有ポリオ
ールとを同時に混合し、均一に撹拌して注型重合を行な
い、ポリウレタンレンズを得る方法が提案されている。
また特開昭60−199016号公報においては、ポリイソシア
ネートとポリオールの水酸基の全てをメルカプト基に置
換したポリチオールとを同時に混合し、均一に撹拌して
注型重合を行ないポリウレタンレンズを得る方法が提案
されている。
<発明が解決しようとする課題> しかしながら、特開昭60−217229号公報及び特開昭60
−199016号公報に提案されている方法によって得られる
ポリウレタンレンズは、一般にオレフィン基のラジカル
重合型の樹脂、例えば、DAC樹脂に比べて耐熱性が劣る
ため、通常60〜90℃程度の熱加工を必要とする、レンズ
の染色や表面コートなどの後加工の際に変形が起こりや
すく、熱加工温度を低く保たなければならない欠点があ
る。
−199016号公報に提案されている方法によって得られる
ポリウレタンレンズは、一般にオレフィン基のラジカル
重合型の樹脂、例えば、DAC樹脂に比べて耐熱性が劣る
ため、通常60〜90℃程度の熱加工を必要とする、レンズ
の染色や表面コートなどの後加工の際に変形が起こりや
すく、熱加工温度を低く保たなければならない欠点があ
る。
従って本発明の目的は、染色や表面コートなどの後加
工における熱的条件選択の自由度を高めるため、ポリイ
ソシアネートとポリオール(OH基の1以上をSH基に置換
したものを含む。以下同様。)よりなる種々のポリウレ
タンレンズをそれぞれ相対的に耐熱性を向上させる製造
方法を提供することにある。
工における熱的条件選択の自由度を高めるため、ポリイ
ソシアネートとポリオール(OH基の1以上をSH基に置換
したものを含む。以下同様。)よりなる種々のポリウレ
タンレンズをそれぞれ相対的に耐熱性を向上させる製造
方法を提供することにある。
<課題を解決するための手段> このような状況に鑑み、本発明は、ポリイソシアネー
トと、ポリオールとを含む単量体混合物をレンズ製造用
成形型内で注型重合させてポリウレタンレンズを製造す
る方法において、下記の3つの工程を含むことを特徴と
するポリウレタンレンズの製造方法にある。
トと、ポリオールとを含む単量体混合物をレンズ製造用
成形型内で注型重合させてポリウレタンレンズを製造す
る方法において、下記の3つの工程を含むことを特徴と
するポリウレタンレンズの製造方法にある。
(イ) 前記ポリオールと前記ポリオール1当量に対し
て0.001〜0.3当量の割合でポリイソシアネートとを反応
させて反応生成物を得る第1工程。
て0.001〜0.3当量の割合でポリイソシアネートとを反応
させて反応生成物を得る第1工程。
(ロ) 前記反応生成物にポリイソシアネートを加え混
合液を得る第2工程。
合液を得る第2工程。
(ハ) 前記混合液をレンズ製造用成形型内で注型重合
させてポリウレタンレンズを得る第3工程。
させてポリウレタンレンズを得る第3工程。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においてポリウレタンレンズを製造するための
単量体として用いられるポリイソシアネートは、特に限
定はないが、トリレンジイソシアネート、キシリレンジ
イソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、
ポリメリック型ジフェニルメタンジイソシアネート、ナ
フチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、リジ
ンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシア
ネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォス
フェート、トランスーシクロヘキサレン1、4−ジイソ
シアネート、P−フェニレンジイソシアネート、1,8−
ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタ
ン、リジンエステルトリイソシアネート、1,3,6−ヘキ
サメチレントリイソシアネート、ビシクロペプタントリ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のポリ
イソシアネート化合物及びそれらの化合物の、アロファ
ネート変性体、ビュレット変性体、イソシアヌレート変
性体、ポリオール又は、ポリチオールとのアダクト変性
体等が挙げられ、単独又は2種以上の混合物としてもよ
い。その他2以上の官能基を有するイソシアネート化合
物を用いることができ、さらに芳香族イソシアネート化
合物(官能基は2以上)にCl又はBr等のハロゲン原子を
導入してもよい。
単量体として用いられるポリイソシアネートは、特に限
定はないが、トリレンジイソシアネート、キシリレンジ
イソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、
ポリメリック型ジフェニルメタンジイソシアネート、ナ
フチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、リジ
ンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシア
ネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォス
フェート、トランスーシクロヘキサレン1、4−ジイソ
シアネート、P−フェニレンジイソシアネート、1,8−
ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタ
ン、リジンエステルトリイソシアネート、1,3,6−ヘキ
サメチレントリイソシアネート、ビシクロペプタントリ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のポリ
イソシアネート化合物及びそれらの化合物の、アロファ
ネート変性体、ビュレット変性体、イソシアヌレート変
性体、ポリオール又は、ポリチオールとのアダクト変性
体等が挙げられ、単独又は2種以上の混合物としてもよ
い。その他2以上の官能基を有するイソシアネート化合
物を用いることができ、さらに芳香族イソシアネート化
合物(官能基は2以上)にCl又はBr等のハロゲン原子を
導入してもよい。
特に好ましいイソシアネート化合物としては、キシリ
レンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネートで代表される無黄変型
イソシアネート化合物が挙げられる。
レンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネートで代表される無黄変型
イソシアネート化合物が挙げられる。
本発明において、ポリウレタンレンズ製造のためにポ
リイソシアネートとの反応に供せられるポリオールも特
に限定されるものではない。例えば、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グ
リセロブタンジオール、グリセロール、ペンタンジオー
ル、ペンタントリオール、ヘキサンジオール、ヘキサン
トリオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン
トリオール等が挙げられるが、これらのポリオールの水
酸基の一部またはべてをメルカプト基に置き換えたもの
が、注型重合における反応性及びレンズ用樹脂としての
屈折率の点から好んで用いられ、ペンタエリスリトール
テトラキス3−メルカプトプロピオネート、ペンタエリ
スリトールテトラキスチオグルコネート等のペンタエリ
スリトールの誘導体が特に好ましい。これらのポリオー
ルは当然のことながら単独または2種以上の混合物とし
て使用することも可能である。
リイソシアネートとの反応に供せられるポリオールも特
に限定されるものではない。例えば、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グ
リセロブタンジオール、グリセロール、ペンタンジオー
ル、ペンタントリオール、ヘキサンジオール、ヘキサン
トリオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン
トリオール等が挙げられるが、これらのポリオールの水
酸基の一部またはべてをメルカプト基に置き換えたもの
が、注型重合における反応性及びレンズ用樹脂としての
屈折率の点から好んで用いられ、ペンタエリスリトール
テトラキス3−メルカプトプロピオネート、ペンタエリ
スリトールテトラキスチオグルコネート等のペンタエリ
スリトールの誘導体が特に好ましい。これらのポリオー
ルは当然のことながら単独または2種以上の混合物とし
て使用することも可能である。
次に前記ポリオールと前記ポリオール1当量に対して
0.001〜0.3当量の割合でポリイソシアネートとを反応さ
せて反応生成物を得る第1工程について説明する。
0.001〜0.3当量の割合でポリイソシアネートとを反応さ
せて反応生成物を得る第1工程について説明する。
ポリイソシアネートの量は0.3当量の割合を越えると
耐熱性向上効果が少なくまた光学歪も生じやすくなり、
一方、0.001当量の割合未満の場合は耐熱性向上効果が
ほとんどなくなるので好ましくない。
耐熱性向上効果が少なくまた光学歪も生じやすくなり、
一方、0.001当量の割合未満の場合は耐熱性向上効果が
ほとんどなくなるので好ましくない。
この反応は、使用したポリイソシアネートの残量が10
重量%以下となるまで行なうことが望ましい。使用した
ポリイソシアネートの残量が10重量%を越えると耐熱性
向上効果が少なくなり好ましくない。
重量%以下となるまで行なうことが望ましい。使用した
ポリイソシアネートの残量が10重量%を越えると耐熱性
向上効果が少なくなり好ましくない。
本反応の条件は通常のウレタン生成反応と特に異なる
ことはなく、反応温度は、使用するモノマーの種類等に
よって異なるが、一般的には−20℃〜150℃で0.5〜72時
間撹拌下に実施される。反応温度が150℃を越えると、
得られたレンズが着色したり、光学歪や不均質が生じや
すいため好ましくない。
ことはなく、反応温度は、使用するモノマーの種類等に
よって異なるが、一般的には−20℃〜150℃で0.5〜72時
間撹拌下に実施される。反応温度が150℃を越えると、
得られたレンズが着色したり、光学歪や不均質が生じや
すいため好ましくない。
また第1工程において公知の添加剤を必要に応じ添加
することができる。例えば光安定剤、紫外線吸収剤、酸
化防止剤、重合触媒、消泡剤などが挙げられる。
することができる。例えば光安定剤、紫外線吸収剤、酸
化防止剤、重合触媒、消泡剤などが挙げられる。
さらに前記反応生成物にポリイソシアネートを加え混
合液を得る第2工程について説明する。
合液を得る第2工程について説明する。
第2工程で混合するポリイソシアネートの量は、第1
工程で使用されたポリイソシアネートの量を含めた合量
にて、ポリイソシアネートとポリオールの当量比が0.5
〜3.0の範囲内にある量が好ましい。使用するポリイソ
シアネートとポリオールの当量比が0.5未満あるいは3.0
を越えると、本発明の目的である耐熱性のみならず光学
歪の点で良好な特性を有するレンズを得にくくなり好ま
しくない。
工程で使用されたポリイソシアネートの量を含めた合量
にて、ポリイソシアネートとポリオールの当量比が0.5
〜3.0の範囲内にある量が好ましい。使用するポリイソ
シアネートとポリオールの当量比が0.5未満あるいは3.0
を越えると、本発明の目的である耐熱性のみならず光学
歪の点で良好な特性を有するレンズを得にくくなり好ま
しくない。
また添加剤を必要に応じ、混合液中に添加することが
できる。例えば、光安定剤,紫外線吸収剤,酸化防止
剤,重合触媒,離型剤,消泡剤などが挙げられる。
できる。例えば、光安定剤,紫外線吸収剤,酸化防止
剤,重合触媒,離型剤,消泡剤などが挙げられる。
第2工程で用いるポリシアネートは、第1工程で用い
る同じポリイソシアネートを用いても、また異なるポリ
イソシアネートを用いてもよい。
る同じポリイソシアネートを用いても、また異なるポリ
イソシアネートを用いてもよい。
さらに前記混合液をレンズ製造用成型内で注型重合さ
せてポリウレタンレンズを得る第3工程について説明す
る。
せてポリウレタンレンズを得る第3工程について説明す
る。
注型重合における重合温度としては、初期温度は5〜
40℃の範囲が好ましく10〜70時間をかけ100〜130℃に昇
温すると良い。初期温度が5℃より低いと不必要に重合
時間が長くなり、又初期温度が40℃より高いと得られた
レンズは光学的に不均質になりやすい。さらに最終温度
が100℃未満であると未反応物が残りやすく重合度も低
くなり、屈折率、表面硬度などの諸物性が低下し、最終
温度が130℃を越えると得られたレンズが黄変する。
40℃の範囲が好ましく10〜70時間をかけ100〜130℃に昇
温すると良い。初期温度が5℃より低いと不必要に重合
時間が長くなり、又初期温度が40℃より高いと得られた
レンズは光学的に不均質になりやすい。さらに最終温度
が100℃未満であると未反応物が残りやすく重合度も低
くなり、屈折率、表面硬度などの諸物性が低下し、最終
温度が130℃を越えると得られたレンズが黄変する。
またレンズ製造用成形型は、ガラス製のモールド、金
属性のモールド及びセラミック製のモールドと、テフロ
ン製のガスケットとの組み合わせたものが挙げられる。
属性のモールド及びセラミック製のモールドと、テフロ
ン製のガスケットとの組み合わせたものが挙げられる。
得られたポリウレタンレンズに対しては染色、研磨な
らびに耐摩耗性を有する、シリコン含有又アクリル系薄
膜や無機又は有機物質による反射防止膜を施すことがで
き、さらに防曇処理、撥水撥油処理を施しても良い。
らびに耐摩耗性を有する、シリコン含有又アクリル系薄
膜や無機又は有機物質による反射防止膜を施すことがで
き、さらに防曇処理、撥水撥油処理を施しても良い。
<実施例> 以下、本願発明を実施例により具体的に説明する。実
施例で得られたレンズ用樹脂の屈折率、アッベ数、耐衝
撃性、光学歪、耐熱性は次の方法に依って行なった。
施例で得られたレンズ用樹脂の屈折率、アッベ数、耐衝
撃性、光学歪、耐熱性は次の方法に依って行なった。
屈折率、アッベ数:エルマ光学(株)製アッベ屈折計に
より測定した。
より測定した。
耐衝撃性:米国FDAの眼鏡レンズに関する安全基準を満
足したものを良好とし、そうでないものを不良とした。
足したものを良好とし、そうでないものを不良とした。
光学歪:歪計によって評価した。
耐熱性:理学電気(株)TMA8140を用いて厚さ3.0mmに切
削加工した試験片を押し込み法(ピン径0.5mm,荷重10
g)にて、毎分10℃で昇温し、熱変形開始温度を測定し
た。
削加工した試験片を押し込み法(ピン径0.5mm,荷重10
g)にて、毎分10℃で昇温し、熱変形開始温度を測定し
た。
実施例1 [第1工程] m−キシレンジイソシアネート(m−XDI)11.8重量
部に重合触媒としてジブチルチンジラウレート(DBTL)
0.1重量部を溶解して溶液にペンタエリスリトールテト
ラキス3−メルカプトプロピオネート(PETMP)122.0重
量部(ポリオールとポリイソシアネートの当量比は0.12
6となる。)を加え均一に溶解した後、80℃で24時間加
熱して、m−XDIとPETMPとを反応させ反応生成物を得
た。この得られた反応生成物の赤外吸収スペクトルを測
定したところm−XDIのイソシアネート基に基づく吸収
はまったく検出されなかった。
部に重合触媒としてジブチルチンジラウレート(DBTL)
0.1重量部を溶解して溶液にペンタエリスリトールテト
ラキス3−メルカプトプロピオネート(PETMP)122.0重
量部(ポリオールとポリイソシアネートの当量比は0.12
6となる。)を加え均一に溶解した後、80℃で24時間加
熱して、m−XDIとPETMPとを反応させ反応生成物を得
た。この得られた反応生成物の赤外吸収スペクトルを測
定したところm−XDIのイソシアネート基に基づく吸収
はまったく検出されなかった。
[第2工程] 第1工程で得られた反応生成物を20℃に冷却して、m
−XDIを、91.6重量部加え、均一になるまで十分撹拌を
行ない反応生成物とm−XDIとの混合液(m−XDIとPETM
Pとの当量比は1.10となる。)を得た。
−XDIを、91.6重量部加え、均一になるまで十分撹拌を
行ない反応生成物とm−XDIとの混合液(m−XDIとPETM
Pとの当量比は1.10となる。)を得た。
[第3工程] 第2工程で得た混合液の撹拌を停止し、静止状態で脱
泡した後、シリコン系離型剤処理を施したガラス製モー
ルドとテフロン製ガスケットよりなるレンズ製造用成形
型中に混合液を注入し、初期温度25℃で5時間保持し、
40℃で5時間、60℃で7時間、80℃で3時間及び120℃
で2時間と順次昇温保持して重合してポリウレタンレン
ズを得た。得られたポリウレタンレンズNDは1.592、ν
Dは36、耐熱性を示す熱変形開始温度は95.5℃で、光学
歪がなく、耐衝撃性も良好であった。
泡した後、シリコン系離型剤処理を施したガラス製モー
ルドとテフロン製ガスケットよりなるレンズ製造用成形
型中に混合液を注入し、初期温度25℃で5時間保持し、
40℃で5時間、60℃で7時間、80℃で3時間及び120℃
で2時間と順次昇温保持して重合してポリウレタンレン
ズを得た。得られたポリウレタンレンズNDは1.592、ν
Dは36、耐熱性を示す熱変形開始温度は95.5℃で、光学
歪がなく、耐衝撃性も良好であった。
実施例2−6 実施例1と製造条件を同様にして表−1の各組成でレ
ンズを作成し、その結果を表−1に示した。
ンズを作成し、その結果を表−1に示した。
比較例1 ポリオールとポリイソシアネートとをあらかじめ反応
させずに、ポリオールとポリイソシアネートとを一度に
混合し、均一に撹拌して注型重合を行なって得たポリウ
レタンレンズの諸物性を調べた。比較例1において用い
るm−XDI量、PETMP量は実施例2の第2工程までで用い
る量と同じにして、実施例2で得たポリウレタンレンズ
との物性を比較した。
させずに、ポリオールとポリイソシアネートとを一度に
混合し、均一に撹拌して注型重合を行なって得たポリウ
レタンレンズの諸物性を調べた。比較例1において用い
るm−XDI量、PETMP量は実施例2の第2工程までで用い
る量と同じにして、実施例2で得たポリウレタンレンズ
との物性を比較した。
まず、m−XDI103.4重量部にDBTL0.1重量部を溶解し
た溶液に、PETMP122.0重量部(ポリオールとポリイソシ
アネートとの当量比は、実施例2の第2工程での当量比
と同様の1.10となる。)を加え均一に溶解し、以後実施
例1の第3工程と同条件でポリウレタンレンズを得た。
得られたレンズのνDは36で光学歪がなく耐衝撃性も良
好であったが、熱変形会期温度85.8℃で実施例2におけ
る熱変形開始温度92.4℃に比べ劣るものであった。
た溶液に、PETMP122.0重量部(ポリオールとポリイソシ
アネートとの当量比は、実施例2の第2工程での当量比
と同様の1.10となる。)を加え均一に溶解し、以後実施
例1の第3工程と同条件でポリウレタンレンズを得た。
得られたレンズのνDは36で光学歪がなく耐衝撃性も良
好であったが、熱変形会期温度85.8℃で実施例2におけ
る熱変形開始温度92.4℃に比べ劣るものであった。
比較例2 比較例1に同様に、ポリオールとポリイソシアネート
とをあらかじめ反応させずに、ポリオールとポリイソシ
アネーシトとを一度に混合し、均一に撹拌して、注型重
合を行なって得たポリウレタンレンズの諸物性を調べ
た。比較例2において用いるm−XDI量,トリレンジイ
ソシアネート(TDI)量,PETEMP量は実施例4の第2工程
までで用いると同じにして、実施例4で得たポリウレタ
ンレンズとの物性を比較した。
とをあらかじめ反応させずに、ポリオールとポリイソシ
アネーシトとを一度に混合し、均一に撹拌して、注型重
合を行なって得たポリウレタンレンズの諸物性を調べ
た。比較例2において用いるm−XDI量,トリレンジイ
ソシアネート(TDI)量,PETEMP量は実施例4の第2工程
までで用いると同じにして、実施例4で得たポリウレタ
ンレンズとの物性を比較した。
まず、m−XDI87.0重量部と、TDI10.9重量部に(ポリ
オールとポリイソシアネートとの当量比は、実施例4の
第2工程での当量比と同様の1.05となる。)、DBTL0.1
重量部を加え均一に溶解して、以後実施例1の第3工程
と同条件でポリウレタンレンズを得た。
オールとポリイソシアネートとの当量比は、実施例4の
第2工程での当量比と同様の1.05となる。)、DBTL0.1
重量部を加え均一に溶解して、以後実施例1の第3工程
と同条件でポリウレタンレンズを得た。
得られたレンズのNDは1.600、νDは33で光学歪がな
く耐衝撃性も良好であったが、熱変形開始温度は90.2℃
で実施例4における熱変形開始温度99.4℃に比べ劣るも
のであった。
く耐衝撃性も良好であったが、熱変形開始温度は90.2℃
で実施例4における熱変形開始温度99.4℃に比べ劣るも
のであった。
比較例3 本発明の第1工程における、ポリオールとポリイソシ
アネートとの当量比が0.3を越える条件にてポリウレタ
ンレンズを作成し諸物性を調べた。
アネートとの当量比が0.3を越える条件にてポリウレタ
ンレンズを作成し諸物性を調べた。
[第1工程] m−XDI32.9重量部に、PETMP122.0重量部(ポリオー
ルとポリイソシアネートとの当量比は0.350となる。)
を加え均一に溶解した後、80℃で24時間加熱して、m−
XDIとPETMPとを反応させ反応生成物を赤外吸収スペクト
ルにて測定したところ、m−XDIのイソシアネート基に
基づく吸収はまったく検出されなかった。
ルとポリイソシアネートとの当量比は0.350となる。)
を加え均一に溶解した後、80℃で24時間加熱して、m−
XDIとPETMPとを反応させ反応生成物を赤外吸収スペクト
ルにて測定したところ、m−XDIのイソシアネート基に
基づく吸収はまったく検出されなかった。
[第2工程] 第1工程で得られた反応生成物を20℃に冷却して、m
−XDIを70.5重量部加え、均一になるまで十分撹拌を行
ない反応生成物とm−XDIとの混合液(ポリオールとポ
リイソシアネートとの当量比は1.10となる。)を得た。
−XDIを70.5重量部加え、均一になるまで十分撹拌を行
ない反応生成物とm−XDIとの混合液(ポリオールとポ
リイソシアネートとの当量比は1.10となる。)を得た。
[第3工程] 第2工程で得た混合液を実施例1の第3工程と同条件
でポリウレタンレンズを得た。
でポリウレタンレンズを得た。
得られたレンズのNDは1.592、νDは36、熱変形開始
温度は90.3℃であり、かつ耐衝撃性は良好であったが、
眼鏡レンズ、カメラレンズ等に使用できないほどの悪い
光学歪が見られた。
温度は90.3℃であり、かつ耐衝撃性は良好であったが、
眼鏡レンズ、カメラレンズ等に使用できないほどの悪い
光学歪が見られた。
比較例4 本発明の第1工程における、ポリオールとポリイソシ
アネートとの当量比が0.001未満の条件にて、ポリウレ
タンレンズを作成し諸物性を調べた。
アネートとの当量比が0.001未満の条件にて、ポリウレ
タンレンズを作成し諸物性を調べた。
[第1工程] m−XDI0.2重量部にDBTL0.1重量部添加した後、PETMP
366.0重量部(ポリオールとポリイソシアネートとの当
量比は0.0007となる。)を加え均一に溶解した後、80℃
で24時間加熱し反応生成物を得た。
366.0重量部(ポリオールとポリイソシアネートとの当
量比は0.0007となる。)を加え均一に溶解した後、80℃
で24時間加熱し反応生成物を得た。
この得られた反応生成物の赤外吸収スペクトルを測定
したところm−XDIのイソシアネート基に基づく吸収は
まったく検出されなかった。
したところm−XDIのイソシアネート基に基づく吸収は
まったく検出されなかった。
[第2工程] 第1工程で得られた反応生成物を20℃に冷却して、m
−XDIを310.0重量部加え、均一になるまで十分撹拌を行
ない反応生成物とm−XDIとの混合液(ポリオールとポ
リイソシアネートとの当量比は1.10となる。)を得た。
−XDIを310.0重量部加え、均一になるまで十分撹拌を行
ない反応生成物とm−XDIとの混合液(ポリオールとポ
リイソシアネートとの当量比は1.10となる。)を得た。
[第3工程] 第2工程で得た混合液を実施例1の第3工程と同条件
でポリウレタンレンズを得た。得られたレンズのNDは
1.592.νDは36で光学歪は見られず良好であったが、熱
変形開始温度は86.0℃と比較例1で得られたレンズと同
程度の耐熱性を有するレンズであった。
でポリウレタンレンズを得た。得られたレンズのNDは
1.592.νDは36で光学歪は見られず良好であったが、熱
変形開始温度は86.0℃と比較例1で得られたレンズと同
程度の耐熱性を有するレンズであった。
(注)表−1において略号で示す化合物はつぎの通りで
ある。
ある。
m−XDI m−キシレンジイソシアネート PETMP ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプ
ロピオネート TDI トリレンジイソシアネート <発明の効果> ポリイソシアネートと、ポリオールとを含む単量体混
合物をレンズ製造用成形型内で注型重合させてポリウレ
タンレンズを製造する方法において、 (イ) 前記ポリオールと、前記ポリオール1当量に対
して0.001当量〜0.3当量の割合でポリイソシアネートと
を反応させて反応生成物を得る第1工程。
ロピオネート TDI トリレンジイソシアネート <発明の効果> ポリイソシアネートと、ポリオールとを含む単量体混
合物をレンズ製造用成形型内で注型重合させてポリウレ
タンレンズを製造する方法において、 (イ) 前記ポリオールと、前記ポリオール1当量に対
して0.001当量〜0.3当量の割合でポリイソシアネートと
を反応させて反応生成物を得る第1工程。
(ロ) 前記反応生成物にポリイソシアネートを加え混
合液を得る第2工程。
合液を得る第2工程。
(ハ) 前記混合液をレンズ製造用成形型内で注型重合
させてポリウレタンレンズを得る第3工程。
させてポリウレタンレンズを得る第3工程。
以上、上記の3つの工程を含むポリウレタンレンズの
製造方法により、種々のポリウレタンレンズをそれぞれ
相対的に耐熱性を向上させ、染色や表面コートーなどの
後加工における熱的条件選択の自由度を高めることが可
能になった。
製造方法により、種々のポリウレタンレンズをそれぞれ
相対的に耐熱性を向上させ、染色や表面コートーなどの
後加工における熱的条件選択の自由度を高めることが可
能になった。
Claims (1)
- 【請求項1】ポリイソシアネートと、ポリオール(OH基
の1以上をSH基に置換したものを含む。)とを含む単量
体混合物をレンズ製造用成形用型内で注型重合させてポ
リウレタンレンズを製造する方法において、下記の3つ
の工程を含むことを特徴とするポリウレタンレンズの製
造方法。 (イ) 前記ポリオールと、前記ポリオール1当量に対
して0.001当量〜0.3当量の割合でポリイソシアネートと
を反応させて反応生成物を得る第1工程。 (ロ) 前記反応生成物にポリイソシアネートを加え混
合液を得る第2工程。 (ハ) 前記混合液をレンズ製造用成形型内で注型重合
させてポリウレタンレンズを得る第3工程。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30072988A JP2653501B2 (ja) | 1988-11-30 | 1988-11-30 | ポリウレタンレンズの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30072988A JP2653501B2 (ja) | 1988-11-30 | 1988-11-30 | ポリウレタンレンズの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02147308A JPH02147308A (ja) | 1990-06-06 |
JP2653501B2 true JP2653501B2 (ja) | 1997-09-17 |
Family
ID=17888397
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30072988A Expired - Lifetime JP2653501B2 (ja) | 1988-11-30 | 1988-11-30 | ポリウレタンレンズの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2653501B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05212732A (ja) * | 1992-02-06 | 1993-08-24 | Seiko Epson Corp | ポリウレタンレンズの製造方法 |
JPH08290491A (ja) * | 1995-04-24 | 1996-11-05 | Bando Chem Ind Ltd | 電子写真装置用クリーニングブレード |
US6274694B1 (en) | 1995-11-20 | 2001-08-14 | Hoya Corporation | Process for the production of polyurethane lens |
US5679756A (en) * | 1995-12-22 | 1997-10-21 | Optima Inc. | Optical thermoplastic thiourethane-urethane copolymers |
JPH09254267A (ja) * | 1996-03-21 | 1997-09-30 | Nasu Nikon:Kk | プラスチックレンズの製造方法 |
-
1988
- 1988-11-30 JP JP30072988A patent/JP2653501B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02147308A (ja) | 1990-06-06 |
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