JPH0620752B2 - ポリウレタンレンズの製造方法 - Google Patents

ポリウレタンレンズの製造方法

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JPH0620752B2
JPH0620752B2 JP8382990A JP8382990A JPH0620752B2 JP H0620752 B2 JPH0620752 B2 JP H0620752B2 JP 8382990 A JP8382990 A JP 8382990A JP 8382990 A JP8382990 A JP 8382990A JP H0620752 B2 JPH0620752 B2 JP H0620752B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はポリウレタンレンズの製造方法に関する。本発
明の方法により得られたポリウレタンレンズは眼鏡用レ
ンズ、カメラ用レンズ等の各種光学用レンズとして用い
られる。
[従来技術] 近年国内外において、眼鏡用レンズとしてプラスチック
製のものの受要が高まっている。近年用いられているプ
ラスチックレンズ材料としては、ジエチレングリコール
ビスアリルカーボネート(以下DACと略称する)を注
型重合したものが一般に使用されている他、ポリメチル
メタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート等を
射出成形したものが一部に使用されている。
DAC樹脂製レンズの特徴として、ガラスに比べ軽く、
割れにくく、染色性が優れているといったメリットがあ
り、現在の大型フレームにカラーレンズを組合せるとい
うファッション性豊かなニーズに対応できるものであ
る。
しかしながら、DAC樹脂は屈折率(以下Nと略称す
る)が、1.500であり、クラウンガラスのN1.
523に比べ低い為、強度レンズになると、レンズの厚
みが大きくなり、特に強度レンズ必要とするユーザーか
らはあまり好まれていない。
DAC樹脂レンズの上記の欠点を改良する試みとして、
例えば特開昭60−217229号公報には、ポリイソ
シアネートと硫黄原子含有ポリオールの共重合体が、ま
た特開昭60−199016号公報には、ポリイソシア
ネートとポリチオールとの共重合体が提案されている。
これらのポリウレタンレンズはNが1.56〜1.6
4と高く、比重が1.22〜1.44と小さいので特に
薄くて軽い眼鏡用レンズとしては好適である。またこれ
らのポリウレタンレンズは本来耐衝撃性及び染色性にも
優れている。
しかしながら、これらのポリウレタンレンズを注型重合
により製造する際に、レンズの離型性を良くするために
注型用のガラス型や金属型にシリコン系又はフッ素系離
型剤を塗布する為、レンズ表面に離型剤が移行し、染色
時の色ムラ、コーティング膜の膜ハゲを生じるという問
題があり、工程的にも成形型の離型処理を要し、使用後
の成形型の洗浄が長時間を要し好ましい方法ではない。
成形型に離型剤を塗布する上述の離型方法の欠点を解消
するために、離型剤を成形型に塗布せずに単量体混合物
に添加した後、注型重合することも試みられている。
このような単量体混合物に添加される離型剤として、特
開平1−163012号公報及び特開昭64−4561
1号公報にはジイソプロピルアシッドホスフェート、ジ
ブチルアシッドホスフェート、ジエチルアシッドホスフ
ェート、ブチルアシッドホスフェートなどの酸性リン酸
アルキルエステルが開示されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、特開平1−163012号公報及び特開
昭64−45611号公報に開示されているジイソプロ
ピルアシットホスフェート、ジブチルアシッドホスフェ
ート、ジエチルアシッドホスフェート、ブチルアシッド
ホスフェートなどの酸性リン酸アルキルエステルを、ポ
リイソシアネートとポリチオールとを含む単量体混合物
に添加し、ポリウレタンレンズを製造した場合、得られ
たポリウレタンレンズは、時間とともに吸水し、吸水量
が多くなると、ポリウレタンレンズ内部に白化が生じた
り、ポリウレタンレンズ面が変形しやすくなるなどの問
題を生じていた。
従って本発明の目的は、吸水性が少なく、経時変化によ
る白濁、くもり、レンズ面の変形を生じにくく、しか
も、コーティング膜の膜ハゲ等の欠点がないポリウレタ
ンレンズを得ることができる新規なポリウレタンレンズ
の製造方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上述の目的を達成するためになされたもので
あり、ポリイソシアネートとポリチオールとを含む単量
体混合物をプラスチックレンズ製造用成形型内で注型重
合させてポリウレタンレンズを製造する方法において、
上記単量体混合物に一般式(I) (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基であり、n
は1又は2である。) で示される1種または2種以上のリン酸モノエステル
と、 一般式(II) (式中、R,Rは同一又は異なる、炭素数1〜10
のアルキル基であり、n,nは1又は2である。) で示される1種または2種以上のリン酸ジエステルと を添加することを特徴とするポリウレタンレンズの製造
方法である。
上記一般式(I)のリン酸モノエステルにおいてR
炭素数1〜10のアルキル基に、またnを1又は2に
限定したのは、得られるポリウレタンレンズが白濁しな
いようにするためである。
このような上記一般式(I)のリン酸モノエステルとし
て、 メトキシエチルアシッドホスフェート エトキシエチルアシッドホスフェート プロポキシエチルアシッドホスフェート ブトキシエチルアシッドホスフェート ペンチルオキシエチルアシッドホスフェート ヘキシルオキシエチルアシッドホスフェート オクチルオキシエチルアシッドホスフェート などが挙げられる。
また上記一般式(II)のリン酸ジエステルにおいてR
およびRを炭素数1〜10のアルキル基に、またn
およびnを1又は2に限定したのは、得られるポリウ
レタンレンズが白濁しないようにするためである。
このような上記一般式(II)のリン酸ジエステルとし
て、 メトキシエチル−エトキシエチルアシッドホスフェート メトキシエチル−プロポキシエチルアシッドホスフェー
ト エトキシエチル−プロポキシエチルアシッドホスフェー
ト エトキシエチル−ブトキシエチルアシッドホスフェート プロポキシエチル−ブトキシエチルアシッドホスフェー
ト ジ(メトキシエチル)アシッドホスフェート ジ(エトキシエチル)アシッドホスフェート ジ(プロポキシエチル)アシッドホスフェート ジ(ブトキシエチル)アシッドホスフェート ジ(ペンチルオキシエチル)アシッドホスフェート ジ(ブトキシエトキシエチル)アシッドホスフェート などが挙げられる。
本発明では、1種または2種以上の一般式(I)のリン
酸モノエステルと1種または2種以上の一般式(II)の
リン酸ジエステルとを、ポリイソシアネートとポリチオ
ールとを含む単量体混合物に添加するものである。
その理由は一般式(I)のリン酸モノエステルのみをポ
リイソシアネートとポリチオールとを含む単量体混合物
に添加し、注型重合させてポリウレタンレンズを製造し
た場合は、一般式(I)のリン酸モノエステルとポリイ
ソシアネートとの反応が起こりやすく、重合中に発泡し
たり、調合時に不透明物質を生成するためであり、また
一般式(II)のリン酸ジエステルのみを、ポリイソシア
ネートとポリチオールとを含む単量体混合物に添加し、
注型重合させてポリウレタンレンズの製造した場合は、
得られるポリウレタンレンズ中に白濁が生じるため好ま
しくないからである。
これら一般式(I)のリン酸モノエステルと一般式(I
I)のリン酸ジエステルの混合比は、重合中に発泡する
のを防ぎ調合時に不透明物質を生成しにくくするために
2:8〜6:4が好ましく、また時間とともにポリウレ
タンレンズ内部に白化を生じにくくするために3:7〜
5:5が特に好ましい。また一般式(I)、(II)で示
されるリン酸エステルの添加量は、使用するポリイソシ
アネート及びポリチオールにより異なるが、ポリイソシ
アネートとポリチオールを含む混合系の合計に対し、
0.01〜3重量%が好ましく、特に好ましくは0.0
5〜1.5重量%である。リン酸エステルの添加量が
0.01重量%未満の場合は重合後のレンズをガラス型
又は金属型から離型するのが困難であり、またリン酸エ
ステルの添加量が3重量%を超えるとレンズの白濁又は
調合中の発泡又はゲル化を生じ、またポリウレタンレン
ズの吸水性が増加し、加水分解などの反応により、ポリ
ウレタンレンズの透明性が低下することがあるからであ
る。
しかしながら、他の重合条件等を考慮することにより、
リン酸エステルの添加量が0.01重量%未満の場合や
3重量%を超える場合でも問題なく重合を行ない、得ら
れたレンズを成形型から首尾良く離型することができる
可能性もあるので、上述のリン酸エステルの添加量範囲
0.01〜3重量%は決定的なものではない。
尚一般式 (式中、Rはアルキル基を示し、nは0〜3の整数を
示す) で示される亜リン酸エステルの場合には、亜リン酸エス
テルの添加量及び分子構造に関係なくポリウレタンレン
ズを成形型から離型することができないため用いること
は好ましくない。
また一般式 (式中、R,RRは同一又は異なる、炭素数1〜8
のアルキル基である) で示されるリン酸エステルの場合には前述したように時
間とともに得られたポリウレタンレンズが吸水すること
により、ポリウレタンレンズ内部に白化が生じたり、ポ
リウレタンレンズ面が変形しやすくなるため用いること
は好ましくない。
本発明においてポリウレタンレンズを製造するための単
量体として用いられるポリイソシアネートとしては特に
限定はないが、トリレンジイソシアネート、ジフェニル
メタンジイソシアネート、ポリメリック型ジフェニルメ
タンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、キシレンジイソシアネート、水添キシレンジ
イソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス
(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、トラ
ンス−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、p
−フェニレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソ
シアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネ
ート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネート
メチルオクタン、リジンエステルトリイソシアネート、
1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシ
クロヘプタントリイソシアネート等のポリイソシアネー
ト化合物及びそれらの化合物のアロファネート変性体、
ビュレット変性体、イソシアヌレート変性体、ポリオー
ル又はポリチオールとのアダクト変性体等があげられ、
単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上の混合物
としてもよい。その他公知のイソシアネート化合物を用
いることができるが、主成分となるイソシアネート化合
物は2官能以上のものでなければならない。公知の芳香
族イソシアネート化合物にCl又はBr等のハロゲン原
子を導入しても良い。特に好ましいイソシアネート化合
物としては、キシレンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートで代
表される無黄変型イソシアネート化合物があげられる。
本発明において、ポリウレタンレンズの製造のためにポ
リイソシアネートとの反応に供せられるポリチオールも
特に限定されるものではなく公知のものを用いることが
できる。例えば、エタンジチオール、プロパンジチオー
ル、プロパントリチオール、ブタンジチオール、ペンタ
ンジチオール、ヘキサンジチオール、ヘプタンジチオー
ル、オクタンジチオール、シクロヘキサンジチオール、
シクロヘプタンジチオール、2,5−ジクロロベンゼン
−1,3−ジチオール、ペンタエリスルトールテトラキ
ス3−メルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトー
ルテトラキスチオグリコレート等があげられるが、ペン
タエリスリトール誘導体が特に好ましい。
また他のポリチオールとして、一般式(II) (式中、R,R及びRは同一又は異なる、炭素数
1〜8のアルキル基である) で示される、トリアジン環を有するポリチオールを用い
ることができる。このようなトリアジン環を有するポリ
チオールとして、トリス(2-メルカプトエチル)イソシ
アヌレート,トリス(3-メルカプト−n−プロピル)イ
ソシアヌレート,トリス(2-メチル−3−メルカプト−
n−プロピル)イソシアヌレート,トリス(メルカプト
メチル)イソシアヌレート,トリス(2-ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌル酸のメルカプトプロピオン酸エステ
ル,トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のメ
ルカプト酢酸エステル,トリス(ヒドロキシメチル)イ
ソシアヌル酸のメルカプトプロピオン酸エステル,トリ
ス(ヒドロキシメチル)イソシアヌル酸のメルカプト酢
酸エステル等があげられる。
また分散率などの物性向上のためにポリイソシアネート
とポリチオールとの混合物にポリオールを加えることも
可能である。ポリオールの例として、例えば、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ブタンジオール、グリセロール、ペンタンジオー
ル、ペンタントリオール、ヘキサンジオール、ヘキサン
トリオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン
トリオールなどが挙げられる。
またポリウレタンレンズの耐熱性などの物性を向上させ
るために、モノチオグリセロール、ジメルカプトプロパ
ノール、1−メルカプトメチル−1、1−ジヒドロキシ
メチルプロパン、1,4−ジメルカプト−2、3−ヒド
ロシブタン、ペンタエリスリトールのメルカプト置換
体、ソルビトールのメルカプト置換体等の単量体を任意
的に加えることもできる。
ポリイソシアネートとポリチオールの混合割合はNCO
/SH(モル比)で0.5〜1.5の範囲が好ましく、
特に好ましくは0.8〜1.2の範囲である。NCO/
SH比が0.5〜1.5の範囲外にあると著しい重合度
の低下を招き、耐熱性、耐衝撃性、表面硬度、面精度等
重要な諸物性が低下する。
用いる重合触媒としては、ジブチルチンジラウレート、
ジブチルチンジマレエート、ジブチルチンジクロライ
ド、ジメチルチンジクロライド等スズ系化合物が好まし
く用いられる。アミン系の触媒としは、トリエチレンジ
アミン、ペンタメチルジプロピレントリアミンなどが挙
げられるが、着色、耐候性などを考慮すると、レンズ成
形用触媒としては好ましくない。スズ系化合物を触媒し
て用いる場合、使用するポリイソシアネート及びポリチ
オールにより異なるが、その添加量はポリイソシアネー
トとポリチオールにおよびポリオールとの合計に対し、
0.01〜0.8重量%の範囲が好ましく、特に好まし
くは0.02〜0.4重量%である。
用いる単量体の反応性及び触媒活性によりその範囲内で
触媒の添加量を定めることが望ましい。スズ系触媒の添
加量が0.01重量%未満の場合は著しい重合度の低下
を招き、耐熱性、耐衝撃性、表面硬度、面精度等重要な
諸物性が低下し、0.8重量%を超えると発泡を生じや
すく、調合液のポットライフが著しく短くなり好ましく
ない。
重合温度としては、初期温度は5〜40℃の範囲が好ま
しく10〜70時間をかけ100〜130℃に昇温する
と良い。初期温度が5℃より低いと不必要に重合時間が
長くなり、又初期温度が40℃より高いと得られたレン
ズは光学的に不均一となりやすい。さらに最終温度が1
00℃未満であると未反応物が残りやすく重合度も低く
なり諸物性が低下し、最終温度が130℃を超えると得
られたレンズが黄変してしまう。
ポリイソシアネートとポリチオールを含む単量体混合物
には公知の添加剤を必要に応じ添加することができる。
例えば光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止
剤、消泡剤などがあげられる。さらに物性改良の目的で
ラジカル重合性モノマーとの共重合も可能である。上述
のように、場合によりポリオールなどの水酸基含有単量
体を少量用いることができるが、その場合NCO/SH
+OH(モル比)が0.5〜1.5の範囲でなければな
らない。
得られたポリウレタンレンズに対しては、公知の方法で
染色、研磨ならびにシリコン系又はアクリル系ハードコ
ート、無機又は有機物質による反射防止コートなどを施
すことができ、さらに防曇処理、撥水撥油処理等を施し
ても良い。
[実施例] 以下実施例により本発明を更に説明する。
実施例1 ・m−キシリレンジイソシアネート (以下m−XDI)と略す 100重量部 ・ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオ
ネート(以下PETMPと略す) 130重量部 ・モノブトキシエチルアシッドホスフェート(前記一般
式(I)の化合物)と、 ジ(ブトキシエチル)アシッドホスフェート(前記一般
式(II)の化合物)との混合物(1) 0.35重量部(2) ・ジブチルチンジラウレート(重合触媒、以下DBTL
と略す 0.11重量部 ・2(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール(紫外線吸収剤、以下HOPB
Tと略す) 0.23重量部 注(1) :一般式(I)の化合物/一般式(II)の化合
物の混合比=4/6 注(2) :0.35重量部は(m−XDI+PETM
P)に対して0.15重量%に相当する。
上記混合物を十分攪拌混合し、5mmHg下で60分脱気し
たものをガラス型とポリエチレン系ガスケットよりなる
成形型中にて25℃にて5時間、40℃にて5時間、6
0℃にて7時間、80℃にて3時間、120℃にて2時
間重合した後、成形型からポリウレタンレンズを取り出
した。離型性は良好であり、レンズ及び成形型の破損は
なかった。得られたポリウレタンレンズ内部には、くも
りがなく、耐水性も優れていた。後加工においても、コ
ート膜の膜ハゲもなく、またシリコンハードコード、無
機物質による反射防止コートを施したものは米国FDA
規格に合格する耐襲撃性を有するものであった(詳細は
表−1を参照されたい)。
実施例2 ・m−XDI 100重量部 ・PETMP 65重量部 ・1−チオグリセロール(以下TGと略す) 19重量部 ・モノブトキシエチルアシッドホスフェートとジ(ブト
キシエチル)アシッドホスフェートとの混合物(1)
1.47重量部(2) ・DBTL 0.02重量部 ・HOPBT 0.18重量部 注(1) :モノブトキシ体/ジブトキシ体の混合比=4
/6 注(2) :1.47重量部は(m−XDI+PETMP
+TG)に対して0.8重量%に相当する。
とした他は実施例1と同様に行なった。その結果、表−
1に示すように実施例1と同様の優れたポリウレタンレ
ンズを得た。
実施例3 ・イソホロンジソシアネート(以下IPDIと略す)
100重量部 ・PETMP 109重量部 ・モノブトキシエチルアシッドホスフェートとジ(ブト
キシエチル)アシッドホスフェートとの混合物(1)
0.42重量部(2) ・ジメチルチンジクロシイド 0.42重量部 注(1) :モノブトキシ体/ジブトキシ体の混合比=4
/6 注(2) :0.42重量部は(IPDI+PETMP)
に対して0.20重量%に相当する。
とした以外は実施例1と同様に行なったその結果、表−
1に示すように、実施例1と同様の優れたポリウレタン
レンズを得た。
実施例4 ・m−XDI 95重量部 ・トリレンジイソシアネート(以下TDIと略す) 5重量部 ・PETMP 130重量部 ・モノブトキシエチルアシッドホスフェートとジ(ブト
キシエチル)アシッドホスフェートと混合物(1)
0.35重量部(2) ・DBTL 0.11重量部 ・HOPBT 0.46重量部 注(1) :モノブトキシ体/ジブトキシ体の混合比=4
/6 注(2) :0.35重量部は(m−XDI+TDI+P
ETMP)に対して0.15重量%に相当する。
とした他の実施例1と同様に行なった。その結果、表−
1に示すように、実施例1と同様の優れたポリウレタン
レンズを得た。
実施例5 一般式(I)の化合物(モノブトキシ体)/一般式(I
I)の化合物(ジブトキシ体)の混合比を1:9とした
他は、実施例1と同様に行なった。その結果、表−1に
示すように、透明性がわずかに劣るものの、その他の物
性は実施例1と同様のポリウレタンレンズを得た。
実施例6 一般式(I)の化合物(モノブトキシ体)/一般式(I
I)の化合物(ジブトキシ体)の混合比を7:3とした
他は、実施例1と同様に行なった。その結果、表−1に
示すように離型性および透明性はわずかに劣るものの、
その他の物性は実施例1と同様のポリウレタンレンズを
得た。
比較例1 一般式(I)、一般式(II)の範囲に含まれないリン酸
エステルとして酸性リン酸アルキルエステルであるジブ
チルアシッドホスフェートを離型剤として用い、ポリウ
レタンレンズの製造を行なった。すなわち、 ・m−XDI 100重量部 ・PETMP 130重量部 ・ジブチルアシッドホスフェート 2.3重量部 ・DBTL 0.11重量部 ・HOPBT 0.23重量部 を用い、実施例1と同様に重合を行なった。その結果、
表−1に示すように、得られたポリウレタンレンズは眼
鏡レンズとしての透明性は有するものの、耐水性が悪
く、耐水性試験後、レンズ面の変形、白化が生じ、レン
ズとしての機能を損なうものであった。
比較例2 一般式(I)のリン酸エステルと一般式(II)リン酸エ
ステルとを併用せずに一般式(I)のリン酸エステルで
あるブトキシエチルアシッドホスフェートのみを用いた
以外は実施例1と同様に行なった。その結果、表−1に
示すように得られたポリウレタンレンズに不透明物質が
生成し、透明性において満足のいくものではなかった。
比較例3 一般式(I)のリン酸エステルと一般式(II)リン酸エ
ステルとを併用せずに一般式(II)のリン酸エステルで
あるジ(ブトキシエチル)アシッドホスフェートのみを
用いた以外は実施例1と同様に行なった。その結果、表
−1に示すように得られたポリウレタンレンズにはくも
りが生じており、透明性において満足のいくものではな
かった。
比較例4 本発明のリン酸エステルの代りに亜リン酸エステルであ
るジブチルアシッドホスファイトを用いた以外は実施例
1と同様に行なった。その結果、表−1に示すように離
型性が悪くレンズをガラス型から離型できなかった。
なお表−1中の膜ハゲ、透明性、耐衝撃性、N及びν
欄において、評価が与えられていない箇所は、測定不
能であることを示す。
[発明の効果] 以上の様に本発明のポリウレタンレンズの製造方法によ
れば、経時変化によるポリウレタンレンズの白濁、くも
り、レンズ面の変形を生じにくくし、さらに染色後の色
ムラ、コーティング膜の膜ハゲを生じることなく、
、ν値が高いレンズを得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリイソシアネートとポリチオールとを含
    む単量体混合物をプラスチックレンズ製造用成形型内で
    注型重合させてポリウレタンレンズを製造する方法にお
    いて、上記単量体混合物に 一般式(I) (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基であり、n
    は1又は2である。) で示される1種または2種以上のリン酸モノエステル
    と、 一般式(II) (式中、R,Rは同一又は異なる、炭素数1〜10
    のアルキル基であり、n,nは1又は2である。) で示される1種または2種以上のリン酸ジエステルと を添加することを特徴とするポリウレタンレンズの製造
    方法。
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