JP2652636B2 - 耐熱難燃布用転写箔 - Google Patents

耐熱難燃布用転写箔

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JP2652636B2 JP62105683A JP10568387A JP2652636B2 JP 2652636 B2 JP2652636 B2 JP 2652636B2 JP 62105683 A JP62105683 A JP 62105683A JP 10568387 A JP10568387 A JP 10568387A JP 2652636 B2 JP2652636 B2 JP 2652636B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [技術分野] 本発明は、耐熱難燃布用転写箔に関し、更に詳しく
は、転写対象物である耐熱難燃布の特性を損なうことな
く、熱プレスにより平易に生布の表面にメタリック加工
を施すことを可能ならしめた耐熱性、難燃性などが著し
く改善された耐熱難燃布用転写箔に関する。
[従来の技術] 従来より、メタリック加工を施した耐熱難燃布には、
例えば 9〜18μm厚さ程度のプラスチックフイルムの上に直
接またはプライマーコート層を介して金属蒸着層を形成
した金属蒸着フイルムを生布の表面に接着剤層を介して
貼合わせたものや、 金属粉ペーストを生布の表面に塗布したものや、 生布の表面に直接に金属蒸着層を蒸着形成したものが
知られている。
しかしながら、上記のようなメタリック加工を施した
耐熱難燃布は、それぞれ問題があった。例えばのもの
にあっては光輝性は良いがプラスチックフイルムを用い
るために風合いが硬く、生布の伸縮性に追従しないため
に衣服などに用いた場合に着心地が悪く、表面に貼合わ
せた金属蒸着フイルムが破れた場合に補修が困難である
などの問題がある。またのものにあっては塗膜はげな
どの補修は比較的簡易にできるが、光輝性が悪く、重量
がかさみ、表面耐性をもたすためには塗布厚みを厚くす
る必要があり、風合いも硬くなり伸縮性にも限度がある
などの問題がある。またのものにあっては最も軽量
で、風合い伸縮性共に生布の特性をそのまま維持できる
が、光輝性が悪く、表面耐性が極めて弱く実用に耐えな
いなどの問題がある。
[発明の目的] 本発明は上記従来の問題点に鑑み、生布の軽量性、伸
縮性、風合いなどを損なうことなく、メタリック加工を
施すことを可能ならしめた耐熱性、難燃性などが著しく
改善された耐熱難燃布用転写箔を提供することにある。
[発明の構成] 即ち本発明は、ベースフイルムの上に直接または離型
剤層を介して、少なくとも金属蒸着層、プライマーコー
ト層、接着剤層を順次形成してなることを特徴とする耐
熱難燃布用転写箔に関するものである。
即ち本発明の耐熱難燃布用転写箔においては、従来転
写箔の少なくとも金属蒸着層と接着剤層との間に特定の
プライマーコート層を、また接着剤層には特定の接着剤
を用いることによって、生布の軽量性、伸縮性、風合い
などを損なうことなく、メタリック加工を施すことを可
能ならしめた耐熱性、難燃性などが著しく改善された耐
熱難燃布用転写箔を完成したものである。
即ち本発明は、ベースフイルム(1)の上に直接また
は離型剤層(2)を介して、金属蒸着層(3)、プライ
マーコート層(4)、接着剤層(5)を順次形成したこ
とにより、生布の軽量性、伸縮性、風合いなどを損なう
ことなく、メタリック加工を施すことを可能ならしめた
耐熱性、難燃性などが著しく改善された耐熱難燃布用転
写箔を提供することを可能としたものである。
本発明の耐熱難燃布用転写箔におけるベースフイルム
(1)としては充分な自己保持性を有するものであれば
いずれも用いられるが、例えばポリエステル、ポリアミ
ド、ポリアミドイミド、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、セルロースアセテート、ポリカーボネート、ポリ塩
化ビニル、フッ素樹脂などの樹脂類またはセロハン紙、
グラシン紙などのフイルム状物またはシート状物や剥離
紙または剥離フイルムなどが適宜用いられる。特にベー
スフイルム(1)としては前記樹脂類のフイルム状物で
厚さが6〜100μm程度のものを用いるのが、しわや亀
裂などのない耐熱難燃布用転写箔の製造が連続的に大量
生産できる点から好ましい。
尚、ベースフイルム(1)が金属蒸着層(3)との剥
離性が良くない場合には例えばパラフィンワックス、シ
リコーン、フッ素樹脂、界面活性剤などを塗布して離型
剤層(2)を形成しておいてもよい。
本発明の耐熱難燃布用転写箔の金属蒸着層(3)とし
ては、前記ベースフイルム(1)の上に直接または前記
離型剤層(2)を介して、公知の真空蒸着法、スパッタ
リング法、イオンプレイティング法などの通常の金属
(合金化合物も含む、以下同様)の薄膜形成方法によ
り、例えば亜鉛、アルミニウム、ガリウム、インジウ
ム、錫、ニッケル、銀、金、銅、珪素、クロム、チタ
ン、白金、パラジウムなどの蒸着が可能な単体または混
合物あるいは合金等が厚さ10〜100nm程度に蒸着形成さ
れる。厚さが10nm程度以下の場合には金属光沢が殆ど認
められず金属蒸着層を設けた価値が無く、また100nm程
度以上に形成しても金属光沢に変化がなく経済的でな
い。なお、金属蒸着層は一層とせず、複数層としても良
く、その場合には層毎に金属の種類をかえてもよい。ま
たその場合転写後に表面側に位置する金属蒸着層を無機
金属化合物からなる金属蒸着層とすることによって金属
蒸着層の表面耐性を向上させるようにしてもよい。
無機化合物層を構成する無機化合物材料としては、例
えば酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化珪素、酸化ジ
ルコニウム、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化ジル
コニウム、フッ化マグネシウム、酸化錫、酸化ビスマ
ス、硫化亜鉛などのあるいはそれらの混合物などの薄膜
が用いられる。
無機化合物層は真空蒸着法、スパッタリング法、イオ
ンプレイティング法などの物理的蒸着(PVD)法、ある
いは化学蒸着(CVD)法などの直接薄膜形成方法、また
は金属あるいは金属の有機もしくは無機化合物の薄膜を
形成後酸化あるいは加水分解等の反応により酸化物等の
化合物薄膜とする方法などが適宜用いられる。
本発明の耐熱難燃布用転写箔の前記プライマーコート
層(4)としては、前記金属蒸着層(3)の上に常法に
より塗布形成される。プライマーコート層(4)を構成
するコート材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂樹脂、紫外線
硬化性樹脂のいずれもが用いられ、シロキサン系プライ
マーコート剤、すなわちSi−O−Si鎖(または網)から
なるかまたは基本的にはSi−O−Si鎖(または網)を基
剤にして若干の変性をした化学成分が薄膜を形成するも
のをはじめ、通常のプライマーコート層を塗布形成する
のに用いられるものもたとえばアクリル系樹脂、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポ
リカーボネート、ニトロセルロース、セルロースアセテ
ート、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、
尿素−メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、アルキッド系
樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ロジン変性マレイン酸
樹脂などの単独または混合物が好ましく用いられる。と
りわけ金属蒸着層と接着剤層との接着性を良くし、かつ
転写層にストレッチ性を与える目的で設けるものであっ
て、ストレッチ性の点で、主成分にはポリウレタン樹脂
が最も好ましい。ポリウレタン樹脂としては、一液型ま
たは二液型のものが知られており、優れたストレッチ性
を発揮するためには、100%伸張力で10〜1000kg/cm2
範囲が好ましい。10kg/cm2以下では軟らかすぎて伸縮時
に蒸着層を支持しきれず、光輝性が損なわれる。また10
00kg/cm2以上では硬すぎて風合いが良くない。2層以上
の積層としてもよいが、その時には金属蒸着層に近い層
(転写表面に近い層)ほど伸張力値を高くすることが光
輝性と風合いを良好に保つ上で好ましい。
その厚さには制限はないが通常プライマーコート層の
厚みは1〜50μmの範囲、好ましくは10〜30μmの範囲
から選ばれる。1μmより薄いと伸縮による金属蒸着層
の光輝性の低下が目立ち、50μmより厚いと風合いが悪
くなり経済性の点から好ましくない。なお自己消火性を
完全にするために、難燃添加剤を配合することが望まし
い。なお、本発明で用いる難燃添加剤としては例えばリ
ン酸エステル(トリクレシルホスフェート、トリブチル
ホスフェート、2ビフェニルホスフェート、ジフェニル
クレシルホスフェート、ジフェニルオクチルホスフェー
ト、ベータクロロエチルホスフェート、トリフェニルホ
スフェート)、塩化物(塩化パラフィン、塩化ジフェニ
ル)や酸化アンチモンなどが使用できる。
プライマーコート層の形成は、前記プライマーコート
層を形成するための樹脂の有機溶剤溶液、水溶液などを
ロールコーティング法、グラビアコーティング法、リバ
ースコーティング法、スプレイコーティング法などの通
常のコーティング法により塗布し、乾燥(熱硬化性樹
脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂などの場合は
硬化)することによって行われる。
本発明の耐熱難燃布用転写箔の接着剤層(5)を形成
するための接着剤としては、前記プライマーコート層お
よび生布にたいしても密着性に優れていることが要求さ
れるほか耐熱性と自己消火性とを兼備する必要がある。
かかる要求を満たす接着剤としては、例えばアクリル
系、酢酸ビニル系、塩化ビニル系、ポリエチレン系、ス
チレン−ブタジエン系などのエマルジョン接着剤の単独
またはブレンド物、エチレン−酢酸ビニル系、塩素化ポ
リプロピレン系、塩化ビニル−酢酸ビニル系、アクリル
系、アクリル−塩化ビニル−酢酸ビニル系、フェノール
系、キシレン系、石油樹脂系、ユリア系、メラミン系、
不飽和ポリエステル系、アルキド系、エポキシ系、ウレ
タン系、シリコン系、フラン系などのの有機溶剤型接着
剤の単独またはブレンド物に要すれば難燃添加剤を配合
したものがあげられる。とりわけ熱可塑性樹脂に熱硬化
性樹脂および難燃剤とを配合したものが好ましい。熱可
塑性樹脂と熱硬化性樹脂の配合比は生布の有する伸縮性
により決定される。すなわち良く伸びる生布に対しては
熱可塑性分を多くして転写後も伸縮性と風合いを保持
し、比較的伸びない生布に対しては熱硬化性分を多くし
て耐熱性と密着性を向上させることができる。接着剤層
(5)はこれら接着剤のエマルジョンや有機溶剤溶液な
どをロールコーティング法、グラビアコーティング法、
リバースコーティング法、スプレイコーティング法など
の通常のコーティングにより塗布し、乾燥することによ
って行われる。接着剤層の厚さは通常1〜50μmの範
囲、より好ましくは10〜30μmの範囲から選ばれる。接
着剤の厚さが1μm未満では充分な転写強度が得られず
好ましくない。一方50μmを越えると転写時に接着剤層
の流動化にともない金属蒸着層が変形し白化するなどし
て金属光輝性が低下し風合いも損ない経済性の点からも
好ましくない。尚、接着剤面上にはブロッキング防止等
の目的で離型紙、リリースフイルム等を仮貼合しておい
てもよい。
つぎに実施例をあげて本発明を説明する。
[実施例] 実施例1 厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフイルム
上にジメチルポリシロキサン5部、トルエン95部からな
る離型剤塗液をロールコーターで厚さ0.1μmに塗布乾
燥した後、アルミニウムを厚さ0.1μmに真空蒸着し、
さらに100%伸張力値が30kg/cm2、抗張力600kg/cm2、伸
び900%の二液型ポリエステルウレタン樹脂50部、トリ
クレシルホスフェート5部、メチルエチルケトン45部か
らなるプライマー塗液をロールコーターで厚さ20μmに
塗布乾燥した後、ニトリルブタジエンラバー50部、フェ
ノール樹脂10部、トリクレシルホスフェート5部、トル
エン35部からなる接着剤塗液をロールコーターで厚さ20
μmに塗布乾燥して本発明の耐熱難燃布用転写箔を得
た。
[発明の効果] 実施例1で得られた耐熱難燃布用転写箔を用いてポリ
ベンゾイミダゾールを主成分とするニット状の布帛に温
度180℃、時間3秒、圧力5kg/cm2で熱プレスし、接着
完了後ベースフイルムを剥し、ニット状布帛の表面にメ
タリック加工を施した。最終的に得られたメタリック加
工を施した布帛は優れた光輝性を有し、また生布帛の風
合い、伸縮性は何ら損なわれていなかった。また他の諸
物性は下記の通りであった。
耐熱性:JIS K 6328 異常なし 防炎性:JIS L 1091 A2法 (45°メッケルバーナ法) 残じん時間 0秒 残炎時間 0秒 炭化面積 10cm2以下 耐水圧:JIS L 1092 1000mm以上
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の耐熱難燃布用転写箔の基本構成を示す
断面図である。 (図面の符号) (1):ベースフイルム (2):離型剤層 (3):金属蒸着層 (4):プライマーコート層 (5):接着剤層

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベースフイルムの上に直接または離型剤層
    を介して、少なくとも金属蒸着層、プライマーコート
    層、接着剤層を順次形成してなり、該プライマーコート
    層、接着剤層が共に難燃添加剤を含有していることを特
    徴とする耐熱難燃布用転写箔。
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