JP2652599B2 - 微細多孔質重合体並びにその製造方法 - Google Patents

微細多孔質重合体並びにその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、逆浸透圧法、限外濾過
法、微細多孔膜分離法に用いる高分子分離膜の製造方法
と、これ等高分子分離膜を用いた分離装置並びに濾過装
置に関するものである。最近の化学工業技術の発展は、
濾過分別操作に対しても従来の単に”濾し分ける”と云
う概念より大きく進展し高度な機能を要求するものとな
り、 逆浸透圧法とイオン交換を組合せた海水や地下かん水
からの脱塩による水の製造、精密工業に供給する超純水
の製造、海水からウランの濃縮等、 逆浸透圧法と限外濾過法を組合せた食品工業に於ける
果汁の濃縮や、排水からの蛋白や糖の回収(例えばチー
ズホエー、大豆ホエーの回収と分画)メッキ工業の排水
から無機塩の回収除去等、 限外濾過法を適用した水溶性電着塗装に於ける塗料粒
子の濾別回収、圧延や機械加工に於けるオイル−水エマ
ルジョンからの油分の分離回収、プールの水の浄化、等
に用いる高性能分離・濾過材、分離・濾過装置及び分離
・濾過システムの開発と機能向上要望が極めて高く、 精密工業用超清浄空気供給用フィルターや、 高性能の電池セパレーター用濾材、等の高性能濾材開
発要望や、 自動車用ガソリンフィルター、オイルフィルター等の
高性能濾材の開発並びに、その生産システムと製品生産
工程をも合理化し改革出来る濾材、の開発を求める声も
大きく、上記要望に答え得る分離材・濾材の供給は関連
工業の発展の面からも極めて要望が強く、その寄与効果
が大きい。又本発明は微細多孔質高分子膜の透気性(透
湿性)を利用した透気性衣料他の透気性被覆物質並びに
合成皮革及び、その製造方法にも関するものでもある。
靴などの皮革製品の他、衣料分野に於いても皮革の如く
空気は透すが水は透さないと云う機能を要求される製品
例えば、コート、ジャンパー、雨ガッパ等極めて多くの
商品があり、産業資材としても空気は透すが水は透さな
いと云う機能を要求されるハウスラッピング材等の多く
の資材があり、高機能のこれ等商品の供給とそれを高生
産性で製造する方法の開発が望まれて居る。本発明は、
上記の如く各種濾材分野及び透気性被覆物商品分野に於
ける要望に答え、又それに関連する工業の発展に寄与す
る発明である。
【0002】
【従来の技術】逆浸透圧法、限外濾過法、微細多孔膜分
離法に用いる微細多孔質高分子分離膜は、膜構成物質の
化学構造、結晶構造、結晶化度、微細構造、微細多孔材
に於ける孔の大きさとその分布状態、孔の密度と分布状
態、孔の型などにより、その機能が決定付けられるた
め、より高性能の濾材を得るために最適の濾材を選定し
最適の製造方法と条件を選定して、孔径分布が整い、よ
り小さい孔径を持ち、それらが均等に分散分布した濾材
を開発する事に努力が払われた結果、下記の如き方法が
開発され製造されて来た。 即ち、膜構成ポリマーに不溶性の微粒子体を混合し製
膜後、膜構成ポリマーの非溶剤で且つ微粒子体の溶剤で
微粒子体を抽出するか、微粒子体を化学反応を用いて可
溶化する事により除去し微細多孔質化する方法、例えば
古典的例としてビスコースドープに微細澱粉粒子を混合
し製膜し、膜中に存在する澱粉粒子を酵素の力を借り可
溶化し除去し微細多孔質化する方法が挙げられる。 水溶性高分子物質の水溶液内で疎水性単量体を乳化重
合し、この重合体皮膜から疎水性ポリマーの微粒子を抽
出する事による、親水性ポリマーに疎水性ポリマーがグ
ラフト重合或いはブロック共重合された微細多孔質重合
体を得る方法、 ポリエステル或いはポリカーボナートに放射線照射
し、次いでアルカリエッチングを行う事により微細多孔
質重合体を得る方法、 ポリプロピレンの如き結晶化速度が速く結晶性の高い
ポリマーを、高結晶化条件下で製膜或いは製糸し、次い
でこれに延伸を施す事によりマイクロボイドを発生せし
めて微細多孔質重合体を得る方法、 熱可塑性高分子物質に発泡性物質を混合し溶融押し出
しを行い製膜或いは製糸するとともに発泡させ微細多孔
質重合体を得る方法、 高分子物質をその高分子物質の良溶媒と膨潤剤或いは
非溶媒の混合溶液に溶解し安定なゾルを形成せしめ、製
膜し、次いでこのゾルより良溶媒の一部を蒸発せしめゲ
ル化させ、良溶媒の蒸発除去或いは非溶媒内への浸漬に
より更にゲル化を進行させ良溶媒を抽出除去する事によ
る、所謂コアセルベーション法に基く微細多孔質重合体
製造方法等がある。法は現在最も広範に行われる製造
法の一つで、高分子物質−溶媒系の組み合わせ、製膜−
ゲル化−多孔質化条件等に工夫を凝らし、多くの具体的
方法が開発され実施されて居るが、その一例を挙げる
と、セルローズトリアセテートを過塩素酸マグネシウ
ム、水、アセトンからなる混合溶媒に溶かし冷却調整
し、このドープを冷却されたガラス板上に流延し製膜
し、数分間アセトンの蒸発を許し次いで冷水中に浸漬し
残存するアセトンと過塩素酸マグネシウムを抽出除去
し、使用前に熱水で数分間熱処理する事により逆浸透法
用膜を製造する方法がある。又、透湿性を有する被覆物
や合成皮革製造に於いても前記に類する組成物を基材
に塗布し微粒子体を溶解除去し微細多孔化する方法や
に類した発泡剤を包含したポリウレタンなどの組成物を
基材に塗布し細多孔化する方法が用いられ製造されてき
た。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】然しながら、 従来から行われて居た方法の内前記の〜に示され
る方法では、逆浸透圧法、限外濾過法に用いられる濾材
が必要とする、微細な孔径の細孔を狭い細孔径分布を持
ち、濾材に均等に分散分布させて穿孔された微細多孔質
体を製造する事が困難である難点があった。 前記のないしに示される方法は何れも工程数が多
く、又各工程の条件設定を極めて厳密に行う事が必須
で、高生産性にて再現性よく高度の品質管理下で生産を
行う事が難しい製造方法で、高生産性の工業的製造法と
は云い難いものであった。又、前記の製造方法からも明
らかな如く透湿性の微細多孔質被覆材並びに合成皮革の
製造法に於いても共通の問題点を有して居た。
【0006】発明者は斯かる問題点を解決し微細な孔径
の細孔を狭い細孔径分布を持ち、濾材に均等に分散分布
させて穿孔した微細多孔質体を製造する方法として、以
前に特公昭41−19910号公報に示す方法「熱時に
均一且つ安定なゾルを形成し、成型過程で冷却されて安
定なゲルを形成する熱可塑性重合体−溶剤系若しくは可
塑剤系の加熱溶液又はゾルを膜状ないし板状物に成形
し、その成形過程に於いて空冷によりゲル化させ、この
ゲル中から溶剤又は可塑剤を抽出することを特徴とす
る、微細多孔質重合体成型物の製法」を発明し開示し
た。この方法は、安定した微細な孔径の細孔を狭い細孔
径分布を持ち、濾材に微細孔を均等に分散分布させて穿
孔した微細多孔質体を作製すると云う事に限れば極めて
優れた方法であり、従来の方法の如く煩雑且つ厳密な条
件設定と、厳密な条件管理を必要とせず、工程数も少な
くして熱可塑性重合体−溶剤系の組み合わせ並びに熱可
塑性重合体/溶剤比により微細孔の孔径と開孔率等の微
細多孔体の基本的性能を決定出来る画期的方法であった
が、製造方法としては下記の致命的欠陥を有し生産性悪
く、工業的規模で安定した品質の製品の製造を行うには
不適で実用化され難かった。 即ち、熱可塑性重合体を熱時に均一且つ安定なゾルを
形成し、成型過程で冷却されて安定なゲルを形成する溶
剤系若しくは可塑剤に溶解する作業は極めて困難で、迅
速に均一な溶液を得る事が出来ず溶解に長時間を要する
事、 溶解困難で溶解に長時間を要するため多量の溶解液を
調製し貯蔵して使用する事が必須と成り、溶解された調
合液が高温下長時間にわたり熱履歴を受ける事が避け難
く、この間の熱可塑性重合体の酸化劣化、解重合、熱可
塑性重合体−溶剤間の相互作用、例えばエステル交換反
応やエステル−アマイド交換反応等による品質低下が避
け難く、しかもこれ等が経時と伴に進行し経時的品質変
化を持たらすためため、単に分解変質による製品物性低
下のみならず品質の経時変化が著しく、一定の品質の製
品を製造出来ないと云う致命的欠陥があった。 又更に、機械的物性の優秀な微細多孔質重合体を得る
に充分な重合度を有する重合体では、溶解がより困難と
なる上に得られる溶液粘度が極めて高く溶解作業時に空
気を巻き込み溶液から脱泡作業が必須となり、この困難
な作業間に重合体の劣化が更に進み不完全脱泡により製
品に欠陥が生じ、脱泡の完全度が高く要求される製品
(例えば中空糸、フィルム等)の成型は不可能で対称外
であった。 更に、特公昭41−19910号公報に開示された方
法に於いては微細多孔質構造体への成型プロセスを念頭
に置き成型プロセス構成に適したプロセスとして何等の
配慮もされて居ななかったため、せいぜいコーティング
法によりシート状物を得る方法を想定出来るのが限界で
あり、中空糸状分離膜や微細多孔質成型体等の分離濾過
装置エレメント製造等の応用展開が困難であった。以上
の特にの理由より、特公昭41−19910号公報
にて開示された方法は、均一に微細孔が分布した微細多
孔性重合体を生産する極めて優れた基本技術(プリンシ
プル)を開示しながら、一定の品質の製品を安定に工業
生産する方法としては成り立たず、実生産プロセスとし
て成立させるには項の基本的対策実施が必須であっ
た。
【0007】本発明は、これ等従来の問題点を解消し安
易な製造方法及び条件下で、高生産性にて高度に品質管
理された、逆浸透圧法、限外濾過法、微細多孔膜分離法
に用いる、微細な孔径の細孔を狭い細孔径分布を持ち、
濾材に均等に分散分布させて穿孔された所定形状に成型
された微細多孔質高分子分離膜の製造方法と、これ等高
分子分離膜を用いた分離装置並びに濾過装置の製造方法
を提供し開示するものであり、又高生産性の透湿性の微
細多孔質被覆材並びに合成皮革の製造法を提供するもの
である。
【問題を解決する手段】
【0008】本発明は、先に発明し特公昭41−199
10号公報に開示した基本原理を基礎として、実生産プ
ロセスとして成立させるために排除し解決すべき前記課
題ないし項を根本的に排除し改革した発明であり、
熱可塑性重合体と高温時に均一且つ安定な溶融溶液又は
ゾルを形成し、成型過程で冷却された時固化し安定なゲ
ルを形成せしめる化合物(以下溶媒と称す)との熱可塑
性重合体−溶媒系混合物を、所定の配合比率で迅速且つ
連続的に又均一に変質・劣化を伴わずに溶解させる方策
とし混練スクリュウ押出機構を用いて該基本原理を実現
実用化する製造プロセスを発明し、更に所定形状の製品
成型プロセスまでをも一括包含した製造システムを発明
し、高生産性で安定した品質の微細な孔径の細孔を狭い
細孔径分布を持ち、濾材に均等に分散分布させて穿孔し
た微細多孔質体を製造するプロセスを発明開発したので
ある。
【0009】即ち、本発明の基本構成は特許請求項に記
載した通り、 高温時に熱可塑性重合体と相溶し、均一且つ安定な溶
融溶液又はゾルを形成し成型過程で冷却された時固化し
安定な所定形状の固形体(ゲル)を形成せしめる溶媒と
の熱可塑性重合体−溶媒系の組合せである事、 該熱可塑性重合体−溶媒系の組合せに於いて熱可塑性
重合体/溶媒の構成比率が、熱可塑性重合体75ないし
20部/該溶媒25ないし80部である事、 該熱可塑性重合体−溶媒系の組合せの均一な溶融構成
体(ゾル)を迅速且つ連続的に一定配合比を保ちながら
定常的に形成させる方法として、混練機能を有するスク
リュウ混練押出機構を用いて行う事、即ち実施態様例と
して a.先ず該熱可塑性重合体を混練機能を有する加熱され
たスクリュウ混練押出機(又はスクリュウ式射出成型
機)に連続的且つ定量的に供給して溶融し、 b.次いで該溶媒を該スクリュウ混練押出機(又はスク
リュウ式射出成型機)の計量部分(メータリングゾー
ン)に設けた供給孔より連続的且つ定量的に供給する
か、或いは又該スクリュウ押出機に接続した混練用スク
リュウ押出機の該溶媒供給孔より連続的且つ定量的に供
給するかして両者を合し混練し均一に混和し溶解せしめ
る事、 続いて、該スクリュウ混練押出機に接続した成型用口
金(例えば中空糸紡出用口金又はT−ダイやインフレー
ション法フィルム押出し口金等)より押出し中空糸又は
フィルム・シート成型するか、又は該スクリュウ式射出
成型機に接続した成型金型内に混練溶解された該溶融物
を射出し冷却固化し(ゲル化)成型物を製作するか、或
いは又該スクリュウ混練押出機を射出成型機のプランジ
ャー部に接続し成型金型内に射出し冷却固化し所定の形
状の成型体を製作する事、 そして得られる該成型物から、包含される溶媒を重合
体の非溶剤で且つ該溶媒の溶剤にて抽出して微細多孔質
化させる事、よりなる中空糸状又はフィルム・シート状
或いは又所定形状の微細多孔質重合体の製造法である。
以上本発明の構成の概要を示したが、以下に本発明を構
成する各構成要素の実施態様を具体的に又詳細に説明す
る。
【0010】本発明に於ける重合体の微細多孔質化は先
に記載した通り、熱可塑性重合体と高温時に相溶し均一
且つ安定な溶融溶液又はゾルを形成し低温では固化しゲ
ルを形成せしめる溶媒との熱可塑性重合体/溶媒系の組
合せを、混練用スクリュウ押出機構を用いて加熱混合溶
融して均一な溶融流体を形成せしめ、この溶融流体を成
型用口金を通して押出しその融解点以下に冷却して、所
定の形状の成型物に固化成型し、熱可塑性重合体に該溶
媒が均一に包合された所定形状の成型物を得て、これか
ら包含される溶媒を抽出除去する事により微細多孔質物
質を得んとする方法であり、該溶媒の抽出除去あとが微
細孔を形成するため用いる溶媒の種類と量により微細孔
の孔径並びに穿孔量が調整でき、又本発明の原理に基づ
き極めて狭い微細孔径分布と極めて均等な穿孔分布が保
証される故、従来の方法では得られなかった極めて優秀
な微細多孔質体を与える事が出来るのである。本発明の
熱可塑性重合体−溶媒系に於ける溶媒とは、熱可塑性重
合体と熱時に於いてのみ相溶性があり混合され加熱され
た時均一な融体を形成し、融点降下を示し均一な熱可塑
性重合体−溶媒の混合系を形成し、又その融点以下に於
いては安定且つ均一な熱可塑性重合体−溶媒の混合系の
固相(ゲル)を形成せしめる化合物で、、単に熱可塑性
重合体を溶解する溶剤ではなく低温では溶解性を持たず
高温時に於いてのみ溶解性を持つ化合物であり、ここで
は便宜的に溶媒と記載して居る。斯かる本発明を実施す
るための要件を満足する熱可塑性重合体−溶媒系の組合
せは、後に例示する如く多くの適切な組合せがあるが、
溶媒選定に際しては前記の溶媒に要求される基本的要件
以外にも、溶媒が安定である事、沸点が高い事、毒性が
少ない事、易燃性でない事、反応性が高くない事、抽出
除去が容易である事などの条件を満足するものを選定す
る事が必要である。又本発明の方法に従えば従来の方法
と異なり熱可塑性重合体−溶媒系の溶融融体の成型物
は、単なる冷却固化と言う状態変化のみで所望の形状の
成型体が設定された形状通り忠実に成型され、何ら溶媒
の蒸発や抽出等による体積収縮・形態変化や流動による
形態変化が一切生じないため、忠実度の高い微細多孔質
重合体体成型物を通常の成型プロセスを適用して容易に
製造できる特徴を有する。
【0011】本発明に於ける要件を満足する実用上有意
義な熱可塑性重合体−溶媒系の組合せの代表的具体例を
下記に示す。 ポリアマイド−溶媒系の組合せ例としては、ナイロン
6、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610等の
汎用ナイロン及びこれ等ナイロンを母体とするコポリア
ミド(例えばナイロン6/66共重合体やナイロン66
/610共重合体等)に対しε−カプロラクタム、カプ
リルラクタム、ラウリンラクタム等のラクタム類、ベン
ジールアルコール、及びエチレングリコール、ヂエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレン
グリコール(例えばPEG200,400,600,1
000,……… 4000,…… 20000)プロピ
レングリコール、ポリプロピレングリコール(例えば
PPG400,700等)等のグリコール類及びそのエ
ーテル等の溶媒が発明の要件を満足する化合物(溶媒と
称する)として挙げられる。 ポリエステル−溶媒系の組合せ例としては、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及び
これ等ポリエステルを母体とするコーポリエステル
(例えばポリエチレンテレフタレート/イソフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレート/アジペート等の共重
合エステル)に対しε−カプロラクタム、ベンジールア
ルコール、及びエチレングリコール、ヂエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル(例えばPEG200,400,600,1000,
……… 4000,…… 20000)プロピレングリ
コール、ポリプロピレングリコール(例えば PPG4
00,700等)等のグリコール類及びそのエーテル等
の溶媒やε−カプロラクトン、カプリロラクトン、エナ
ントラクトン等のラクトン類が発明の要件を満足する化
合物(溶媒と称する)として挙げられる。 エチレン−ヴィニールアルコール共重合体−溶媒系の
組合せ例としては、エチレン/ヴィニールアルコール共
重合比20/80〜45/65の範囲の共重合体に対し
てエチレングリコール、ヂエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、ベンジールアルコール、プロピレン
グリコール、等の溶媒が発明の要件を満足する化合物
(溶媒と称する)として挙げられる。この他、微細多孔
質重合体を製造するために本発明が適用可能な多くの汎
用ポリマーに対する熱可塑性重合体−溶媒系の組合せの
代表例を表1.に示した。
【0012】
【表1】
【0013】本発明の熱可塑性重合体−溶媒系の均一溶
融溶液は、前記の通り高温下で調整し使用するため酸化
劣化や熱分解を受けたり、又重合体−溶媒間の相互作用
により例えば解重合、エステル交換反応、エステル−ア
マイド交換反応等を受けたり、又溶媒が水分を含む場合
加水分解を受け劣化させる等品質を著しく低下させる可
能性を有するため、この対応策を講じることが必須であ
る。本発明の熱可塑性重合体−溶媒系の溶融溶液に生じ
る熱分解や酸化劣化等の共通の劣化反応以外に特に注意
すべき劣化反応の例を示すと下記の通りである。 例えば、ポリエステルとエチレングリコール、ナイロ
ン6とε−カプロラクタムなどの組合せに於いては重合
平衡に基づく逆向きの反応即ち、解重合反応による重合
度低下をおこし、 ポリアマイド類(ナイロン6、ナイロン66、ナイロ
ン610・・・・・等)とエチレングリコール、ジエチ
レングリコール、・・・・、の組合せ間や、ポリウレタ
ン類とエチレングリコール、ジエチレングリコール、・
・・・、の組合せ間や、ポリエステル類(ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレー・・・等)
ε−カプロラクタムの組合せ間などではエステル交換
反応(エステル−アマイド交換反応)により主鎖切断が
おこり重合体の分子量低下を生じ、 ポリエステル類(ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレー・・・等)とポリエチレングリコ
ール類の組合せ間、弾性ポリエステルとポリエチレング
リコール類の組合せ間等ではエステル交換反応による分
子量低下が生じ、 ポリエステル類(ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレー・・・等)とラクトン類の組合せ
間、弾性ポリエステルとラクトン類の組合せ間等では共
重合反応による共重合体の生成やエステル交換反応によ
る分子量低下が生じ、 溶媒が水分を包含する場合、ポリエステル類、弾性ポ
リエステル類、ポリアマイド類は加水分解を受け重合度
低下をおこすなど、重合体の劣化を進行させ物性低下を
おこす多くの相互作用を存在する。従ってこの対策のた
めに溶融溶液調合を迅速に行い、調整された溶融溶液の
滞留時間を出来るだけ短くして使用する事が必須で、そ
の対策を講じた製造方式を開発し重合体に劣化を生じし
めない製造条件を厳選する事が必須である。即ち単純に
ペレットを溶媒内に入れ加熱攪拌して溶融溶液を調整す
るが如き方法では調整に長時間を要し重合体の劣化が避
け難く、又調整した溶液が使用中に時々刻々重合体の劣
化を進行させるため、安定した品質の製品を製造する事
が出来ず、本発明の混練用スクリュウ押出し機構を用い
溶融ポリマー中に溶媒を供給して高温高圧下で混練し迅
速に溶融溶液を調整し直ちに所定形状に成型する製造プ
ロセスにより、始めて従来の課題を解決し特公昭41−
19910号公報に開示した製造原理の実用化を可能と
なし得るのである。
【0014】本発明を実施する製造プロセスの概要を典
型的な実施態様例の模式的表示にてフローシートに記し
説明する。典型的な実施態様のフローシートは図1.に
示す通りである。 即ち、 フローシートの左列は、熱可塑性重合体を混練機能
を有するスクリュウ押出機に供給し溶融し一定の押出し
速度(量)にて、それに接続した混練用スクリュウ押出
機に供給し、この混練用スクリュウ押出機の別個に穿た
れた供給孔より一定の供給速度(量)で熱可塑性重合体
と熱時に均一且つ安定な溶融体(ゾル)を形成し冷却さ
れた時固化しゲルを形成せしめる溶媒を供給し混練し
て、一定配合比を保った均一且つ安定な溶融構成体(ゾ
ル)を迅速且つ連続的定常的に形成させる方法を示し、 フローシート左列には、該熱可塑性重合体を溶融し
一定量を定常供給させる混練機能を有するスクリュウ押
出機の計量部分(メータリングゾーン)に穿った孔よ
り、該溶媒を一定速度(量)で定常的に供給し、該スク
リュウ押出機の混練ゾーンにて混練し、一定配合比を保
った安定な溶融構成体(ゾル)を迅速且つ連続的定常的
に形成させる方法を示して居り、 フローシート左列には、該熱可塑性重合体−溶媒系
の組合せの一定配合比を保った安定な溶融構成体(ゾ
ル)を迅速且つ連続的定常的に形成させる方法として、
前記の実施態様に於いて用いた混練用単軸スクリュウ
押出機に換え、2軸スクリュウ混練機を用いる例を示し
て居る。以上の例は典型的な実施態様の一例を示したも
のであり、混練機能を有するスクリュウ混練押出機に一
定配合比の熱可塑性重合体−溶媒系の組合せを連続的に
且つ定常的に供給し、安定な溶融構成体(ゾル)を迅速
且つ連続的定常的に形成させると言う本発明に開示され
る技術思想に基づく方法は、何れも本発明の範疇に属
し、何ら上記実施態様例に限定されるものでない事は勿
論である。そしてフローシートの右列には、,或い
はに示した溶融構成体供給装置(該混練機能を有する
スクリュウ押出し機構)の何れかを中空糸、フィルム、
押出しラミネート、又は所定形状の成型用装置(aない
しd)の何れかに接続し、該熱可塑性重合体−溶媒系の
組合せの一定配合比を保った安定な溶融構成体よりなり
所定形状に冷却固化成型された溶媒を包含した中空糸、
フィルム、押出しラミネート品、又は所定形状の成型品
等を押出(射出)成型する生産システムの実施態様を図
示して居る。そして図示しては居ないが本発明の製造プ
ロセスに於いては、斯くして得られる溶媒を包含し所定
形状に固化成型された重合体を、溶媒は溶かすが重合体
の非溶剤である溶剤の洗浄層に浸漬し洗浄除去するか、
溶剤の飽和蒸気中に曝し溶媒を抽出除去する事により微
細多孔質重合体を製造する事が出来る。
【0015】本発明に於ける熱可塑性重合体−溶媒系の
混和−溶解機構の代表的実施態様の具体例をより詳細に
図示したのが図2ないし図5である。図2.ないし図
4.に於いては混和溶解機構に続く成型装置が接続して
記載されて居るが、これ等成型装置は目的に応じて何れ
の混和溶解機構にも接続可能であり図示された組合せに
固有の物ではない。図2.はフローシートに於ける混和
−溶解機構を用い押出しラミネートにて微細多孔質体
をラミネートされた製品を製造する具体的製造装置例を
図示したものである。本製造装置に於ける混和−溶解機
構は図示される通り、熱可塑性重合体を通常の合成繊維
やフィルムの製造に用いられるスクリュウ押出機に、定
量的に所定量供給し融解し押出し、それに接続した混練
用スクリュウ押出機に供給し、この混練用スクリュウ押
出機のもう一方の供給孔より所定温度に予熱した溶媒を
プランジャーポンプ等の高圧定量ポンプを用いて定量的
に所定量供給し、定温高圧下で連続的に所定混合比率で
混練し迅速に均一な溶融溶液を形成せしめギアーポンプ
を通して定量的にTダイに供給して押出し成型する混和
−溶解装置を図示している。本装置に於いては、第一の
熱可塑性重合体のスクリュウ押出機には定量ポンプを図
示して居ないが、混和される溶媒は定量ポンプを通して
混練用押出機に供給され混練用押出機出口には定量ポン
プが設置されて居るため、熱可塑性重合体/溶媒の比率
を定常的に所定比率に保つ事が可能である。混練用押出
機は計量部と混練部よりなりスクリュウの混練ゾーンは
混練効果を与えるために、ダルメージ型、ニーダー型或
いはピン型等として用いる事が好ましい。又混練用スク
リュウ押出機への溶媒の供給孔を熱可塑性重合体融体の
供給孔より下部に設けて供給すれば、溶媒は前方に移送
されて居る粘稠な重合体融体内へ供給され混和溶解され
るため、混練用押出機軸受け部へ逆流する恐れがなくな
り、軸封装置を特別に設ける必要がなくなるため、この
ように設計する事が望ましい。又、溶媒供給ラインには
逆止弁を設けて溶融ポリマーの逆流防止策を講じて置く
事が望ましい。図3.図4.は、フローシートに於ける
混和−溶解機構を用いて微細多孔質重合体を製造する
具体的生産設備を示す図面である。この装置に於いて
は、混練用に別のスクリュウ混練機を設けずに熱可塑性
重合体を溶融し押出す混練機能を有するスクリュウ押出
機だけを用いて一気に熱可塑性重合体−溶媒系の混和−
溶解を行う方法を示して居り、図示する如く熱可塑性重
合体をスクリュウ押出機のホッパーより供給し、定量的
に該押出機の固体輸送部(ソリッドコンベンゾーン)→
圧縮部(コンプレッションゾーン)→溶融溶解部(メル
ティングゾーン)→計量部(メータリングゾーン)へと
押し込み溶融し押出すと共に、一方このスクリュウ押出
機の計量部に設けた溶媒供給孔より所定温度に加温した
溶媒をプランジャーポンプなどの高圧の定量ポンプを用
いて定量的に圧入し熱可塑性重合体と合流させ混練し、
更に混練部にて混練を完全なものとし、スクリュウ押出
機の出口部に設置したギアーポンプを経て定量的定常的
に一定配合比の熱可塑性重合体/溶媒の均一混和溶融溶
液を調製し、接続された中空糸及びフィルム製造用成型
装置に押出し供給し微細多孔質重合体を製造する様子を
示してある。この装置に於いても溶媒供給孔をスクリュ
ウ押出機の計量ゾーンの2ないし3山目に設ければ、溶
媒はスクリュウ押出機の圧縮部・溶融溶解部で圧縮され
溶融されて移送されて来る粘稠な重合体融体流中に供給
されるため、スクリュウ押出機の固体輸送部方向に逆流
する恐れがなく安定な混合混練を行う事が出来る。溶媒
供給ラインへの逆止弁の設置は溶融ポリマーの溶媒供給
ラインへの逆流防止のために有意義である。又、溶媒合
流部のスクリュウ溝深さを必要に応じ若干深くする事も
溶媒圧入を容易にし好都合である。又更に、混練ゾーン
のスクリュー形状は混練効果向上のためにダルメージ
型、ニーダー型或いはピン型等として用いる事が好まし
い。斯かる熱可塑性重合体−溶媒系の混和−溶解機構を
採用すれば、所定の混合比率を保ち定量的且つ定常的に
溶融ポリマー中に溶媒が混入され高圧下で強力な剪断力
をもって混練が行はれるため、高重合度高粘度で常圧下
での単なる攪拌操作では溶解し難い重合体−溶媒の組合
せも、迅速な溶融溶解が可能となり重合体の劣化を伴は
ずに(或いは最低限に止めて)均一な溶融溶液を作成す
る事が出来るのである。斯くして、微細多孔質重合体よ
りなるフィルム、シート、或いはチューブ状のフィルタ
ー及び分離膜や、微細多孔質重合体が補強基材上にラミ
ネートされるか、或いは補強基材が微細多孔質重合体中
に包埋され補強された、フィルター及び分離膜や合成皮
革並びに透湿性シート類を極めて高生産性にて、所望の
微細孔を均一な細孔分布と狭く整った細孔径分布を持た
しめて製造出来るのである。
【0016】本発明の製造プロセスを適用し微細多孔質
重合体を射出成型する代表的な具体例を以下に示す。そ
の一例は図2.図3.に示した混練・押出し機構を用い
混練用押出機の先端を射出成型用プランジャーに接続し
た製造プロセスで、所謂スクリュウプリプラ式射出成型
システムに該当する製造システムであり、フローシート
図1.d.及び2.d.に示したものである。又、図
5.にはスクリュウ・イン・ライン式射出成型装置(ス
クリュウ式射出成型装置)を用いる製造システムの例を
図示して有る。図5.に示す製造システムはサーボモー
ター駆動のスクリュウ・イン・ライン射出成型機のスク
リュウの計量部に溶媒供給孔を設け、所定温度に予熱し
た溶媒をプランジャーポンプを用いて定量的に供給可能
として本発明の製造システムに対応させた以外は何等特
別のものではなく通常の射出成型システムである。この
製造システムに於いても射出成型機は混練用スクリュウ
による混練押出し機構を有して居り、図2.図3.に示
した熱可塑性重合体/溶媒の溶解・混練・押出し機構と
基本的には何等変わる処はないため溶媒供給や混練溶解
に対する設備設計上・機構上の基本的な相違点はない。
ただ留意すべき点は図2.図3.に於ける如き連続的押
出しでなく、スクリュウの前進後退・駆動停止を伴う材
料の可塑化・混練・計量・予圧・射出・保圧の一連の工
程をサイクルとする断続的工程より構成されるため、製
造装置の制御機構構成は元来の射出成型の制御のみなら
ず溶媒の供給機構をも一体として組み込み、一定の熱可
塑性重合体/溶媒比を確保した供給と均一な混練状態を
確保するべくシステム制御するようプログラミングする
必要があり、斯かる観点からもサーボモーター駆動射出
成型機の適用がより好適である。斯かる方法に依れば、
微細多孔質重合体よりなる図6.(a)に例示する如き
フィルターエレメントが射出成型にて高生産性にて製造
でき、更にこれをケーシング内に装着して図6.(b)
に例示する如きイン−アウト型フィルターを構成せしめ
る事により、自動車用エンジンオイルフィルターやガソ
リンフィルター始め多くのフィルター類を低工数且つ高
生産性で供給する生産システムを提供でき るのである。
又バッテリーに於いても微細多孔質重合体よりなる隔壁
を射出成型にて製造し、これを電極と共にケーシング内
に装着する生産方式を工夫すれば、同様に低工数且つ高
生産性の生産システムを提供できるのである。
【0017】所定の形状の成型体を製造するための成型
装置並びに成型工程関連の設備は何ら特別の仕様の物を
必要とせず、従来より用いられる公知の設備をそのまま
本発明の熱可塑性重合体−溶媒混練混和機構に接続して
用いる事ができる。即ち、フィルム・シート状物の製造
に於いては、従来より用いられるTダイ或いはインフレ
ーション法フィルム押出し口金を付した、フィルム・シ
ートの製造ラインがそのまま適用可能であり、製造され
るフィルム・シート状成型物をそのまま直ちに、或いは
一旦巻き取った後溶媒抽出装置に供給し包含される溶媒
を抽出除去して微細多孔質フィルム・シートが製造で
き、押出しラミネート法による補強体にフィルム・シー
ト状物をラミネートした物或いは、補強材をフィルム・
シート状物内に包埋した微細多孔質シートも同様に、既
存の押出しラミネート製造プロセスに適用して製造する
事が出来る。又、中空糸状物の製造に於いては周知の中
空糸製造用紡糸口金(例えば英国特許第843179号
等に示されるC型ノズルや、特許公報昭和39−166
886号公報等に示されるガス導入用毛細管を中央部に
挿入された紡糸ノズル等)を付して常法通り紡糸し巻き
取るか、数千メーター/分の紡速で高速紡糸し細化延伸
・配向結晶化も同時に行い巻き取り、次ぎなる抽出工程
で紡出糸中に包含される溶媒を抽出除去して微細多孔質
中空糸を製造する事が出来る。射出成型物の製造に於い
ても通常の射出成型物を製造する場合と同様の成型金型
並びに成型装置を該混練融解押出し機構に接続して成型
物を得、抽出工程で包含される溶媒を抽出除去する事に
より成型金型に忠実な形状の微細多孔質成型物が製造で
きる。本発明の方法に於いては、混練溶解機構にて混練
混和され均一な熱可塑性重合体−溶媒の溶融融体として
成型装置(工程)に供給されて冷却され固化される成型
物は、もはや流動したり溶媒の蒸発除去に伴う形態変化
は一切受ける事がないため、付与された形状の再現性は
極めて高く所望の微細多孔質成型体を精度よく容易に製
造する事が出来る特徴を有する。
【0018】溶媒抽出装置も何ら特別なものを必要とせ
ず従来より用いられる抽出装置を用い成型体中に包含さ
れる溶媒の除去を行えばよい。最も単純な普遍的代表例
としては向流連続式抽出槽の適用がある。ただ、精密濾
過分離膜の製造に於いては洗浄工程中の微細塵等による
汚染も避ける事が必要であるので、図7.に示した如き
溶剤の飽和蒸気中に被抽出物を曝し抽出する方法を採用
する事がより望ましい。
【0019】以下に本発明による微細多孔質重合体より
なる分離膜・濾過材製品の製造方法を具体的実施例を持
って説明する。
【実施例】[実施例1]図3.に示す混練機能を有する
スクリュウ押出機のホッパーよりポリエチレンテレフタ
レート(フェノール/テトラクロールエタン=3/2の
混合溶媒に溶解し30℃で測定した固定粘度:0.65
0)を供給し押出し、該スクリュウ押出機の計量部に設
けた溶媒供給孔から160℃に加熱したポリエチレング
リコール(PEG1000)を、プランジャーポンプを
用い圧入し混練ゾーンで混練し徐々に融体温度を230
℃に下げ、プレフィルター部を通しギアーポンプを介し
てポリエチレンテレフタレート/PEG1000の重量
混合比率が65/35よりなる均一混合融体を定常的
に、ノズル中空率65%のC型スリット状オリフィス
(オリフィス外径1.6mm)50ホールを穿ったノズ
ルを有する紡糸ヘッドに送り、紡糸温度210℃、単孔
当りの吐出量10g/分で押出し、5,000m/分の
引き取り速度で高速紡糸し一旦ボビンに巻き取る。この
中空糸をメタノール蒸気還流抽出塔(図7.)に通し、
包含されるPEG1000を抽出除去して微細多孔質ポ
リエチレンテレフタレートよりなる中空糸を得た。この
中空ポリエチレンテレフタレート繊維の微細孔と孔径分
布状態を測定するため[CARLO ERBA社製水銀
圧入微細孔測定装置:ポロメーター]を用い所謂水銀圧
入法により測定を行ったところ、細孔径:円換算直径
0.1〜0.4μの範囲に孔径分布し、空孔容積率は4
5%である事がわかった。又顕微鏡観察の結果この繊維
は繊維軸に沿い繊維中央に貫通する空洞を有する中空糸
である事が確認され、微細孔は中空糸を形成する周壁を
貫通してあいて居る事が確認できた。又得られた微細多
孔質中空ポリエチレンテレフタレート糸の破断強度は
2.5g/d,破断伸度は20%、沸水収縮率は3%で
あった。 [実施例2]図4.に示すフィルム製造装置の混練機能
を有するスクリュウ押出機のホッパーよりナイロン6
(相対粘度:2.40)を供給し、該スクリュウ押出機
の計量部に設けた溶媒供給孔より120℃に加熱し溶融
状態にしたε−カプロラクタムを、プランジャーポンプ
を用いて圧入し混練ゾーンで混練し徐々に温度を230
℃に下げプレフィルター部を通し、ギアープンプを介し
てナイロン6/ε−カプロラクタムの混合比率が70/
30,60/40,50/50重量%の均一融体を定常
的にTダイより押出し厚み30μのフィルムを得、図
7.に示す如きメタノール蒸気還流抽出塔に通し包含さ
れるε−カプロラクタムを抽出除去し乾燥して巻き取り
微細多孔質重合体膜を得た。得られた微細多孔性ナイロ
ン6フィルムの細孔径と孔径分布状態を水銀圧入法にて
測定した結果は、 混合比70/30の場合:円換算孔径:0.03〜0.
3μに分布し、平均円換算孔径: 0.1μ,空孔容積
率は30%、 混合比60/40の場合:円換算孔径:0.1〜0.6
μに分布し、平均円換算孔径:0.4μ,空孔容積率は
40%、 混合比50/50の場合:円換算孔径:0.4〜1.0
μに分布し、平均円換算孔径:0.7μ,空孔容積率は
50%、 又、微細多孔質膜の主要物性は、 混合比70/30の場合:破断強度;18Kg/
破断伸度;40%,沸水収縮率;1.5%、 混合比60/40の場合:破断強度;14Kg/
破断伸度;40%,沸水収縮率;1.5%、 混合比50/50の場合:破断強度;10Kg/
破断伸度;30%,沸水収縮率;1.5%であっ
た。 [実施例3]図2.に示す押し出しラミネート装置のホ
ッパーよりスクリュウ押出機に顔料にてベージュ色に着
色された弾性ポリエステル樹脂(商品名:東洋紡(株)
製ペルプレン)を供給して、それに接続された混練用押
出機に押出し、更に該混練用スクリュウ押出機に設けら
れたもう一方の溶媒供給孔よりプランジャーポンプを用
い150℃に余熱したポリエチレングリコール(PEG
600)を供給し両者を合し混練し、ギアープンプを介
して弾性ポリエステル/PEG600の混合比50/5
0重量%の均一な融体となしTダイより押出し、ポリエ
チレンテレフタレート−ポリスチレンよりなる海島型複
合繊維よりなる非織性ウエッブをニードルパンチ機で交
絡し、ポリスチレンを抽出除去して得た微細繊維よりな
る不織性ウエッブをポバールで仮接着し、ポリウレタン
樹脂を含浸し湿式凝固法を適用して製造した人工皮革基
布上(目付け:550g/m)に60μの厚みに押出
しラミネートし、向流連続式抽出槽に通して60℃の温
水で包含されるPEG600を抽出除去し、エンボスカ
レンダーにて所定の表層模様を付与し微細多孔質の透気
性銀面を持った人工皮革を得た。斯くして得た人工皮革
の代表的性状は、 引張り強さ : 35(タテ)×25(ヨコ)(Kg/in.), 伸び : 50(タテ)×65(ヨコ)% 表皮層剥離強さ(T−peel試験剥離強度) : 5.0(Kg/in.) ガレー剛軟度 : 3,000(mg) 透湿度 : 1,250(g/m/24hr.) と優れた湿気透過性を有する皮革を与えた。 [実施例4]図5.に示すスクリュウ式射出成型装置の
ポリマー供給用ホッパーよりポリエチレンテレフタレー
ト(フェノール/テトラクロールエタン=3/2の混合
溶媒に溶解し30℃で測定した固有粘度:0.650)
を該スクリュウ式射出成型装置に供給し290℃で溶融
して押出し、該スクリュウ式射出成型装置の計量部に設
けた溶媒供給孔から、160℃に加熱したポリエチレン
グリコール(PEG1000)をプランジャーポンプを
用いて圧入し、ポリエチレンテレフタレート/PEG1
000の重量混合比率が45/55よりなる均一な混合
融体を混練ゾーンで定常的に混練し形成せしめ、230
℃の均一な融体となる如く温度設定し、金型内に射出し
図6.(a)に示す形状の次記寸法のフィルターエレメ
ンとを製作た。即ち、 フィルターエレメントチュウーブ本数 : 45本 フィルターエレメントチュウーブ菅径 : 10mmφ フィルターエレメントチュウーブ菅長 : 100mm 最外フィルターエレメントチュウーブ配置外周(R3):100mmφ フィルターエレメントフランジ内周(R4):105mmφ フィルターエレメントフランジ外周(R5):120mmφ フィルターエレメントチュウーブ厚み:0.5mm フィルター有効面積 : 1,450cm 又このフィルターエレメントの水銀圧入法により測定し
た 円換算細孔径分布 : 0.6〜1.4μ に分布し 平均円換算孔径 : 1.0μ, 空孔容積率 : 55% で これをケーシングに装着する事により図6.(b)に示
す濾過面積が大きく濾過性能優秀で且つ濾過性能が一定
均質の対油・耐熱性優秀なフィルターを極めて低工数で
供給できた。(必要ならこの寸法でフィルターエレメン
トチュウーブ本数を増やし、フィルター有効面積2,0
00mのフィルターエレメントを得る事が可能であ
る) [実施例5]実施例4に於けるフィルターエレメン
ト微細多孔質重合体製造原料のポリエチレンテレフタレ
ート−PEG1000の組合せのみを、エチレンヴィニ
ールアルコール共重合体(商品名:日本合成化学工業
(株)製ソアライトM)−ジエチレングリコールの組合
せに置き換えてフィルターエレメントを製作した。フィ
ルターエレメント寸法並びにフィルターエレメントの微
細孔径及び微細孔径分布などフィルター性能は[実施例
4]と同一であるが、本フィルターは構成素材の耐薬品
性及び耐溶剤性が極めて優秀であるため、特に強アルカ
リ溶液や強酸性溶液用フィルターとして最適であった。
【0020】
【発明の効果】 本発明は以上説明した如く、「高温時
に熱可塑性重合体と相溶し、均一且つ安定な溶融溶液又
はゾルを形成し成型過程で冷却された時固化し安定なゲ
ルを形成せしめる、熱可塑性重合体−溶媒系の熱可塑性
重合体と溶媒の混合比が[熱可塑性重合体75ないし2
0部]/[溶媒25ないし80部]となる如く、混練機
能を有するスクリュウ混練押出機又はスクリュウ式射出
成型機に定常的に供給して溶融混練し、該配合組成の均
一な溶融構成物を迅速に形成せしめ、該スクリュウ混練
押出機に接続した中空糸紡出用口金又はフィルム形成用
口金を通して押出し、中空又はフィルム・シート状に
成型冷却固化せしめたる後、又はスクリュウ式射出成型
機に接続した金型内に射出成型冷却固化後、これら成型
物に包含される溶媒を重合体の非溶剤で且つ該溶媒の溶
剤により抽出して製造する事を特徴とする微細多孔質重
合体」の製造方法並びに微細多孔質重合体分離膜・フィ
ルター及びフィルム・シートである故、以下に記載する
如き特徴と効果を有する。
【0021】微細多孔質体に於ける微細孔分布は極め
て均等であり、微細孔孔径分布も狭くシャープである。 微細孔径は、熱可塑性重合体−溶媒の組合せの組成・
配合比を選定する事により容易に任意に調整し決定出来
る。又斯かる微細孔形成機構に基づき微細孔が形成され
るため、逆浸透法分離膜を対とした分離膜から精密フ
ィルター等を対とする多孔質体まで、連続的に任意に
製造できる。 スクリュウ混練押出(射出)機構により、所定の熱可
塑性重合体−溶媒系の所定の配合組成の均一な溶融構成
物を定常的且つ迅速に形成せしめるため、熱可塑性重合
体−溶媒間の相互作用により生じる重合体の解重合反応
・エステル交換反応・エステルアマイド交換反応・酸化
劣化・加水分解などの劣化反応が、極限的に抑制できる
のみならず、劣化反応進行度の差異による品質変動のな
い品質一定の優秀な物性を有する微細多孔質重合体を定
常的に得ることが出来る。 強力な混練機構により高温高圧下で熱可塑性重合体−
溶媒系の均一な溶融構成物を形成せしめるため、溶媒に
重合体を加え攪拌する操作程度では溶解し難い熱可塑性
重合体−溶媒の組合せや、製品物性を確保するために必
要な高重合度重合体の溶解も迅速に容易に行え、必要な
所望の熱可塑性重合体−溶媒組合せの選定が障害なく容
易に行える。 又、強力な混練機構により高温高圧下で熱可塑性重合
体−溶媒系の均一な溶融構成物を形成せしめるため、熱
可塑性重合体−溶媒系溶融構成物中に泡を巻き込む事が
ないため脱泡操作に悩まされる事なく、又包含する泡に
よる製品品質に於ける欠陥の心配が不要である。 所定の熱可塑性重合体−溶媒系溶融構成物を構成せし
める混練溶解機構に、所望成型体製造用口金や成型金型
が接続された製造プロセスから構成されるため、所望の
中空糸・フィルム・シート状微細多孔質重合体や、所望
形状の微細多孔質成型物を連続的に高生産性にて製造す
る事が出来る。等、従来の方法で得られなかった品質と
卓越した生産性を提供すると共に、微細多孔質体分離膜
・フィルターの生産システム自体の改革を実施可能とし
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施態様例のフローシート 本図は本発明のプロセスがフローシート左列と右列の組
合せより構成される事を図示する。 フローシート左列:熱可塑性重合体−溶媒混練溶解機構
例 :熱可塑性重合体用スクリュウ押出機+熱可塑性重合
体−溶媒混練用スクリュウ押出機による混練溶解機構
(詳細は図2参照のこと) :単独のスクリュウ混練押出機を用いて混練する機構
例 ホッパー部より熱可塑性重合体を供給し、溶媒を計量部
より圧入し混練する方式例(詳細は図3.図4.参照の
こと) :2軸混練押出機を用いる混練方式例 フローシート右列:混練押出機構に接続される成型装置
例 a:中空糸紡出装置想定図 b:フィルム製膜装置想定図 c:押出しラミネート設備想定図 d:射出成型設備想定図
【図2】熱可塑性重合体用スクリュウ押出機+熱可塑性
重合体−溶媒混練用スクリュウ押出機による混練溶解機
構を用いた微細多孔質重合体押出ラミネート製造装置
図例 :熱可塑性重合体押出用スクリュウ押出機 :熱可塑性重合体−溶媒混練用スクリュウ押出機 :熱可塑性重合体用ホッパー :溶媒用タンク :溶媒供給用ポンプ :熱可塑性重合体−溶媒混練融体吐出用ギアーポンプ :T−ダイ :フィルム状吐出物 :補強布 A:スクリュウ押出機固体輸送部(ソリッドコンベンゾ
ーン) B:スクリュウ押出機圧縮溶解部(コンプレッション−
メルティングゾーン) C:スクリュウ押出機計量部(メタリングゾーン) D:プレフィルター E:紡出ヘッド部 F:ラミネート装置 G:補強布供給装置
【図3】単独のスクリュウ混練押出機を用いて微細多孔
質中空糸を混練押出し製造する装置図例 :熱可塑性重合体用ホッパー :溶媒用タンク :スクリュウ式混練押出機 :溶媒供給用ポンプ :熱可塑性重合体−溶媒混練融体吐出用ギアーポンプ :中空糸紡出ノズル :サーキュラークエンチ装置 :吐出糸条 :引き取り装置 A:スクリュウ押出機固体輸送部(ソリッドコンベンゾ
ーン) B:スクリュウ押出機圧縮溶解部(コンプレッション−
メルティングゾーン) C:スクリュウ押出機計量部(メタリングゾーン) D:プレフィルター E:紡糸ヘッド部
【図4】単独のスクリュウ混練押出機を用いて微細多孔
質フィルムを混練押出し製造する装置図例 :熱可塑性重合体用ホッパー :溶媒用タンク :スクリュウ式混練押出機 :溶媒供給用ポンプ :熱可塑性重合体−溶媒混練融体吐出用ギアーポンプ :T−ダイ :フィルム状吐出物 :洗浄装置(洗浄槽) A:スクリュウ押出機固体輸送部(ソリッドコンベンゾ
ーン) B:スクリュウ押出機圧縮溶解部(コンプレッション−
メルティングゾーン) C:スクリュウ押出機計量部(メタリングゾーン) D:プレフィルター E:紡出ヘッド部
【図5】スクリュウインライン式射出成型機を用いて微
細多孔質成型体を製造する装置図例 :熱可塑性重合体用ホッパー :溶媒用タンク :スクリュウ式混練押出機 :溶媒供給用ポンプ :金型 :逆止弁 A:スクリュウ押出機固体輸送部(ソリッドコンベンゾ
ーン) B:スクリュウ押出機圧縮溶解部(コンプレッション−
メルティングゾーン) C:スクリュウ押出機計量部(メタリングゾーン) D:サーボモーター E:金型締付け用駆動装置部
【図6】(a)微細多孔質フィルターエレメント(X−
X’断面図) (b)フィルター(上記エレメントをケーシングに組み
付けた状態図)
【図7】熱可塑性重合体−溶媒混練吐出体より溶媒を抽
出し微細多孔質体を製造する溶剤蒸気による抽出装置図
例 :熱可塑性重合体−溶媒混練吐出体 :微細多孔
質体 :抽出用溶剤 :抽出塔 ,:冷却機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01D 1/02 D01D 1/02 5/24 5/24 Z (56)参考文献 特開 昭62−199812(JP,A) 特開 昭61−239007(JP,A) 特開 平3−185185(JP,A) 実開 昭49−162(JP,U) 特公 昭41−19910(JP,B1) 「知りたい射出成形」日精樹脂インジ ェクション研究会著株式会社ジャパンマ シニスト社(1986年4月)初版発行 「プラスチック成形読本」桜内雄二郎 編著株式会社工業調査会(1985年3月) 初版発行

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高温時に熱可塑性重合体と相溶し、均一且
    つ安定な溶融溶液又はゾルを形成し、成型過程で冷却さ
    れたとき固化し安定なゲルを形成する熱可塑性重合体−
    溶媒系の、熱可塑性重合体と溶媒の混合比が[熱可塑性
    重合体75〜20部]/[溶媒25〜80部]となる如
    く、混練機能を有するスクリュウ混練押出し機構に熱可
    塑性重合体と該溶媒を定常的に供給して溶融混練し、均
    一な溶融構成物を迅速に形成せしめ、該スクリュウ混練
    押出し機構に接続した中空糸紡出用ノズルを通して押出
    し、中空糸を紡出し冷却固化した後、該中空糸中に包含
    される該溶媒を重合体の非溶剤で且つ該溶媒の溶剤によ
    り抽出して製造する事を特徴とする微細多孔質中空糸の
    製造方法。
  2. 【請求項2】高温時に熱可塑性重合体と相溶し、均一且
    つ安定な溶融溶液又はゾルを形成し、成型過程で冷却さ
    れたとき固化し安定なゲルを形成する熱可塑性重合体−
    溶媒系の、熱可塑性重合体と溶媒の混合比が[熱可塑性
    重合体75〜20部]/[溶媒25〜80部]となる如
    く、混練機能を有するスクリュウ混練押出し機構に熱可
    塑性重合体と該溶媒を定常的に供給して溶融混練し、均
    一な溶融構成物を迅速に形成せしめ、該スクリュウ混練
    押出し機構に接続したフィルム・シート紡出用口金を通
    して押出し、フィルム・シート状物を紡出し冷却固化し
    た後、該フィルム・シート中に包含される該溶媒を重合
    体の非溶剤で且つ該溶媒の溶剤により抽出して製造する
    事を特徴とする、微細多孔質フィルム・シートの製造方
    法。
  3. 【請求項3】(請求項1)〜(請求項2)に記載した微
    細多孔質重合体成型物製造法に於いて、所定混合比の熱
    可塑性重合体と溶媒よりなる溶融溶液を形成せしめる方
    法として、混練機能を有する加熱されたスクリュウ混練
    押出機に熱可塑性重合体を連続的且つ定量的に供給して
    移送し溶融し、更に該スクリュウ混練押出機の計量部に
    設けた溶媒供給孔より該溶媒を連続的且つ定量的に供給
    し両者を合し、計量部に続く混練ゾーンにて均一に混練
    ・溶解し、定常的に所定混合比の熱可塑性重合体と溶媒
    よりなる溶融溶液を迅速に形成せしめ、該スクリュウ混
    練押出し機構に接続した所望の形状の成型用口金を通し
    て押出し、冷却固化し所定形状の成型物を形成せしめ、
    次いで該成型体より該成型物中に包含される該溶媒を、
    重合体の非溶剤で且つ該溶媒の溶剤により抽出・除去し
    て製造する事を特徴とする微細多孔質重合体成物体の製
    造方法。
  4. 【請求項4】(請求項1)〜(請求項2)に記載した微
    細多孔質重合体成型物製造法に於いて、所定混合比の熱
    可塑性重合体と溶媒よりなる溶融溶液を形成せしめる方
    法として、混練機能を有するする加熱されたスクリュウ
    押出機に熱可塑性重合体を連続的且つ定量的に供給して
    移送し溶融し、更に該スクリュウ押出機に接続した混練
    用スクリュウ押出機に連続的・定量的に押出し、該混練
    用スクリュウ押出機に別に設けた溶媒供給孔より該溶媒
    を連続的且つ定量的に供給し両者を合し、その混練ゾー
    ンにて混練し定常的に均一な所定混合比の熱可塑性重合
    体と溶媒よりなる溶融溶液を迅速に形成せしめ、該スク
    リュウ混練押出し機構に接続した所望の形状の成型用口
    金を通して押出し、冷却固化し所定形状の成型物を形成
    せしめ、次いで該成型物中に包含される該溶媒を、重合
    体の非溶剤で且つ該溶媒の溶剤により抽出・除去して製
    造する事を特徴とする、微細多孔質重合体成型物の製造
    方法。
  5. 【請求項5】高温時に熱可塑性重合体と相溶し、均一且
    つ安定な溶融溶液又はゾルを形成し、成型過程で冷却さ
    れたとき固化し安定なゲルを形成する熱可塑性重合体−
    溶媒系の、熱可塑性重合体と溶媒の混合比が[熱可塑性
    重合体75〜20部]/[溶媒25〜80部]となる如
    く、熱可塑性重合体を混練機能を有する加熱されたスク
    リュウ式射出成型機に連続的且つ定量的に供給し移送・
    溶融し、又該溶媒を該スクリュウ式射出成型機の計量部
    に設けた溶媒供給孔より連続的且つ定量的に供給し、両
    者を合しその混練ゾーンにて混練し定常的に均一な所定
    混合比の熱可塑性重合体と溶媒よりなる溶融構成物を迅
    速に形成せしめ、該スクリュウ式射出成型機に接続した
    所望の形状の成型金型内に射出し成型し、冷却固化して
    所定形状の成型物を形成せしめ、次いで該成型物中に包
    含される該溶媒を、重合体の非溶剤で且つ該溶媒の溶剤
    により抽出・除去して製造する事を特徴とする微細多孔
    質重合体成型物の製造方法。
  6. 【請求項6】高温時に熱可塑性重合体と相溶し、均一且
    つ安定な溶融溶液又はゾルを形成し、成型過程で冷却さ
    れたとき固化し安定なゲルを形成する熱可塑性重合体−
    溶媒系の、熱可塑性重合体と溶媒の混合比が[熱可塑性
    重合体75〜20部]/[溶媒25〜80部]となる如
    く、混練機能を有するスクリュウ混練押出し機構に熱可
    塑性重合体と該溶媒を定常的に供給して溶融混練し均一
    な溶融構成物を迅速に形成せしめ、該スクリュウ混練押
    出し機構に接続した射出成型用プランジャーに供給し、
    該射出成型用プランジャーに接続された所望の形状の成
    型金型内に射出し成型し、冷却固化して所定形状の成型
    物を形成せしめ、次いで該成型物中に包含される該溶媒
    を、重合体の非溶剤で且つ該溶媒の溶剤により抽出・除
    去して製造する事を特徴とする微細多孔質重合体成型物
    の製造方法。
  7. 【請求項7】(請求項2)〜(請求項4)に記載した微
    細多孔質重合体成型物製造法に於いて、Tダイより押出
    される熱可塑性重合体と溶媒の所定混合比よりなり迅速
    且つ定常的に形成された均一なフィルム状溶融構成物
    を、編織布或は不織布よりなる補強体にラミネートし冷
    却固化したる後、該積層成型物中に包含される該溶媒
    を、重合体の非溶剤で且つ該溶媒の溶剤により抽出・除
    去して製造する事を特徴とする、補強された微細多孔質
    フィルム積層体の製造方法。
  8. 【請求項8】(請求項1)〜(請求項7)に記載した方
    法に基づき製造される微細多孔質濾材。
  9. 【請求項9】(請求項1)〜(請求項7)に記載した方
    法に基づき製造される微細多孔質分離膜。
  10. 【請求項10】(請求項1)〜(請求項4)及び(請求
    項7)に記載した方法に基づき製造される透気性微細多
    孔質重合体成型物。
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