JP2651876B2 - インク供給方法およびその装置 - Google Patents

インク供給方法およびその装置

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JP2651876B2
JP2651876B2 JP3103182A JP10318291A JP2651876B2 JP 2651876 B2 JP2651876 B2 JP 2651876B2 JP 3103182 A JP3103182 A JP 3103182A JP 10318291 A JP10318291 A JP 10318291A JP 2651876 B2 JP2651876 B2 JP 2651876B2
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正行 武藤
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SHIRUBAA SEIKO KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は連続噴射型インクジェッ
ト記録装置に使用されるインク供給装置に関し、さらに
詳しくは交換可能なインクボトルとピストンポンプとを
含むインク供給系においてインクボトルの交換時にイン
ク供給経路への空気の混入を防止するインク供給方法お
よびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のインク供給装置としては、例え
ば、Kent Bladh,“Thethree−co
lor ink jet plotter,a new
device for the presentat
ion of geophysical data”,
Report 1/1982,Dept.Elect
r.Meas.,Lund Inst.Tech.,
p.70〜83に開示されているものがよく知られてい
る。
【0003】従来、この種のインク供給装置は、例えば
図4に示すように、交換可能なインクボトル41と、イ
ンクボトル41とシリンダ43とを連通する逆止弁42
と、インクボトル41から逆止弁42を介してインクを
吸引するシリンダ43およびシリンダ43内を往復動す
るピストン44からなるピストンポンプと、シリンダ4
3から吐出されるインクを導くインクチューブ45と、
インクチューブ45により導かれたインクをジェットと
して噴射させるノズル46と、シリンダ43内のインク
の圧力を測定する圧力センサ47と、ピストン44をシ
リンダ43内で往復動させるピストン駆動機構48と、
連続噴射型インクジェット記録装置の中央処理装置(図
示せず。以下、CPUと略記する)からの指令および圧
力センサ47の出力に基づいてピストン駆動機構48を
制御するポンプ制御装置49とから構成されていた。
【0004】このような従来のインク供給装置では、イ
ンクの吸引時に、CPUからの指令に応じて、ポンプ制
御装置49が、ピストン駆動機構48によりピストン4
4を後退させる。すると、シリンダ43内の圧力が負圧
となって逆止弁42が開となり、インクボトル41から
シリンダ43内にインクが注入される。なお、インクボ
トル43内の液面は大気圧に保たれている(上記文献
p.71下から2行目〜p.74第4行目まで参照)。
【0005】インクの加圧時(記録時)には、ポンプ制
御装置49が、CPUからの指令でピストン駆動機構4
8によりピストン44を前進させる。すると、シリンダ
43内の圧力は正となって逆止弁42が閉となり、加圧
されたインクはインクチューブ45を通ってノズル46
に導かれ、そのオリフィスからジェットとなって噴射さ
れる。ポンプ制御装置49は、圧力センサ47からの出
力に基づいて加圧時のシリンダ43内のインクの圧力を
検出して、圧力が一定または流量が一定となるようにピ
ストン駆動機構48を制御する。
【0006】連続噴射型インクジェット記録装置のオペ
レータは、インクボトル41が空になった場合には、イ
ンクエンプティ状態を目視で確認し、インク供給経路に
空気が混入しないように新しいインクボトル41と交換
する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のインク
供給装置では、インクボトル41のインクエンプティの
検出を目視で行っているので、インクエンプティ状態が
近づいたときには常に監視している必要があり、きわめ
て不便であるという問題点があった。
【0008】また、インクボトル41のインクエンプテ
ィを見過ごした場合には、シリンダ43を含むインク供
給経路に空気が混入することになるが、シリンダ43内
に空気が混入すると、次の記録工程において、加圧時に
短時間でシリンダ43内のインクの圧力が立ち上がらず
に記録が不可能になるという問題点があった。
【0009】本発明の目的は、上述の点に鑑み、インク
ボトルの交換後にインク供給経路に混入した空気を追い
出す工程を設けて、混入した空気のために記録が不可能
になるという不具合を除去するようにしたインク供給方
法を提供することにある。
【0010】また、本発明の他の目的は、インクエンプ
ティをきわめて容易かつ確実な既存技術で自動的に検出
するようにして、インクエンプティの検出を目視で行う
必要がないとともに信頼性が高くかつ安価なインク供給
装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のインク供給方法
は、交換可能なインクボトルと、ポンプ制御装置によっ
て動作が制御されるピストンポンプとを備え、前記ポン
プ制御装置の制御の下に前記インクボトルから前記ピス
トンポンプ内にインクを吸引し、吸引したインクを前記
ピストンポンプによって加圧しながらノズルに導いてジ
ェットを形成するインク供給装置のインク供給方法にお
いて、前記インク供給装置が、前記ピストンポンプの容
量よりも大きな容量を有し前記インクボトルが着脱自在
に装着されるインク溜と、このインク溜内のインクが一
定量以下に低下したことを検出して前記ポンプ制御装置
に通知するインク検出センサと、前記インク溜と前記ピ
ストンポンプとの間に挿入され前記ポンプ制御装置によ
って開閉が制御される電磁弁とを有し、前記インク検出
センサにより前記インク溜内のインクが一定量以下に低
下したことが検出されて前記インク溜に対して新たなイ
ンクボトルが装着されたときに、前記インク検出センサ
により前記インク溜内のインクが一定量以下であること
を確認するエンプティ判定工程と、このエンプティ判定
工程で前記インク溜内のインクが一定量以下であること
が確認されたときに前記電磁弁を開にする電磁弁開工程
と、この電磁弁開工程で前記電磁弁が開にされた後に前
記インクポンプによるインクの加圧動作に入るとともに
前記インク検出センサにより前記インク溜内のインクが
一定量以下であるかどうかを検出し続ける加圧動作イン
ク検出工程と、この加圧動作インク検出工程で前記イン
ク溜内のインクが一定量以下でなくなったことが検出さ
れた後も一定時間加圧動作を継続する加圧動作工程とを
含み、前記インクポンプのインクを前記電磁弁および前
記インク溜を介して前記インクボトルに逆流させてやる
ことにより前記インク溜に混入した空気を前記インクボ
トル内の大気中に放出する空気抜き工程を行うことを特
徴とする。
【0012】また、本発明のインク供給装置は、交換可
能なインクボトルと、ポンプ制御装置によって動作が制
御されるピストンポンプとを備え、前記ポンプ制御装置
の制御の下に前記インクボトルから前記ピストンポンプ
内にインクを吸引し、吸引したインクを前記ピストンポ
ンプによって加圧しながらノズルに導いてジェットを形
成するインク供給装置において、前記ピストンポンプの
容量よりも大きな容量を有し、前記インクボトルが着脱
自在に装着されるインク溜と、このインク溜内のインク
一定量以下に低下したことを検出して前記ポンプ制御
装置に通知するインク検出センサと、前記インク溜と
ピストンポンプとの間に挿入され前記ポンプ制御装置
によって開閉が制御される電磁弁とを有することを特徴
とする。
【0013】本発明のインク供給方法では、インク検出
センサによりインク溜内のインクが一定量以下に低下し
たことが検出されてインク溜に対して新たなインクボト
ルが装着されたときに、インク検出センサによりインク
溜内のインクが一定量以下であることを確認し、インク
溜内のインクが一定量以下であることが確認されたとき
に電磁弁を開にし、電磁弁が開にされた後にインクポン
プによるインクの加圧動作に入るとともにインク検出セ
ンサによりインク溜内のインクが一定量以下であるかど
うかを検出し続け、インク溜内のインクが一定量以下で
なくなったことが検出された後も一定時間加圧動作を継
続して、インクポンプのシリンダ内のインクを電磁弁お
よびインク溜を介してインクボトルに逆流させてやるこ
とによりインク溜に混入した空気をインクボトル内の大
気中に放出する。
【0014】また、本発明のインク供給装置では、ピス
トンポンプの容量よりも大きな容量を有するインク溜に
インクボトルが着脱自在に装着され、インク溜がインク
ボトルからのインクを一時的に貯留し、インク検出セン
サがインク溜に貯留されたインクが一定量以下に低下し
たことを検出してポンプ制御装置に通知し、ポンプ制御
装置がインク溜とピストンポンプのシリンダとの間に挿
入された電磁弁の開閉を制御する。
【0015】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して詳細に
説明する。
【0016】図1は、本発明の一実施例に係るインク供
給装置の要部を示す構成図である。本実施例のインク供
給装置は、交換可能なインクボトル1と、インクボトル
1のインクを一時的に貯溜するインク溜2と、インク溜
2に設けられたインク検出センサ3と、インク溜2とシ
リンダ5とを開閉自在に連通する電磁弁4と、インクボ
トル1からインク溜2および電磁弁4を介してインクを
吸引するシリンダ5およびシリンダ5内を往復動するピ
ストン6からなるピストンポンプと、シリンダ5から吐
出されるインクを導くインクチューブ7と、インクチュ
ーブ7により導かれたインクをジェットとして噴射させ
るノズル8と、シリンダ5内のインクの圧力を測定する
圧力センサ9と、ピストン6をシリンダ5内で往復動さ
せるピストン駆動機構10と、CPUからの指令,圧力
センサ9の出力およびインク検出センサ3の出力に基づ
いて電磁弁4およびピストン駆動機構10を制御するポ
ンプ制御装置11とを含んで構成されている。
【0017】シリンダ5におけるピストン6の1ストロ
ーク分の容積(シリンダ容積)は、プリント1枚分のイ
ンクを吐出するのに十分な容積となっている。
【0018】図2は、インクボトル1およびインク溜2
のさらに詳しい構成を示す拡大断面図である。インクボ
トル1自体は市販されている周知のものであり、一端が
インクボトル1の開口部に固着されたゴム栓13に固定
されて大気に開放され、他端がインクボトル1の底部
(図2において上部)に対向して開放された細い空気管
12が内部に設けられている。この空気管12は、図2
に示すように、インクボトル1をインクボトル受22に
装着したときに、インクボトル1内の大気と外部の大気
とを連通させて、インクボトル1内のインクの液面が大
気圧に保持されるようにする。
【0019】インクボトル1は、開口部を下にしてイン
クボトル受22に装着され、装着された状態でインクボ
トル受22のインク導入管21がゴム栓13を貫通して
インクボトル1内に挿入され、インク導入管21によっ
てインクボトル1内とインク溜22とが気密的に連通さ
れる。インク導入管21は、インクボトル1の取外し時
にインク供給経路にごみ等が入らないようにできるだけ
細く作られている。
【0020】インク溜2は、有底の円筒体状に形成さ
れ、上部にO−リング23を介してインクボトル受22
が気密的に螺着されている。インク溜2の下部は、電磁
弁4に連通されている。
【0021】また、インク溜2には、インクエンプティ
を検出するためにインク検出電極3aおよび3bからな
るインク検出センサ3が設けられている。インク検出電
極3aおよび3bは、一端がインク溜2の内部に、他端
がインク溜2の外部に露呈するようにインク溜2の側壁
を貫通して配設された一対の導電体で構成され、インク
検出電極3aが上位に、インク検出電極3bが下位に位
置するように配置されている。インク検出センサ3は、
インクボトル1が空になってインク溜2内のインクが上
位のインク検出電極3aの下面位置の液面Bからさらに
下の液面Aまで下がったときに、導電性のインクによる
インク検出電極3aおよび3b間の導通が断たれたこと
を検知して、インクエンプティを検出する。
【0022】インク溜2における底面から上位のインク
検出電極3aの下面位置の液面Bまでの間の容積は、ピ
ストンポンプのシリンダ容積(ピストン6のフルストロ
ーク)より大きくなっている。したがって、ピストンポ
ンプの吸引動作後にインクエンプティが検出されたとき
には、液面Aは必ずインク溜2の底面と上部のインク検
出電極3aの下面位置の液面Bとの間にあり、シリンダ
5内に空気が入り込むことはない。ちなみに、シリンダ
5内に空気が入ってしまうと、構造が単純でないため、
その除去は面倒である。なお、ピストンポンプの吸引動
作(ピストン6の後退動作)は1ストロークを単位とし
て行われ、1ストロークの途中でインクエンプティが検
出されても、ピストン6の後退動作は停止することはな
い。
【0023】本実施例のインク供給装置で用いられるイ
ンクは導電性を有するものであるので、インク検出電極
3aおよび3b間に電圧を印加し、そのときにインク検
出電極3aおよび3b間に流れる電流の有無を測定し
て、簡単にインクエンプティを検出することができる。
ただし、導電性のインクは電解質を含んでいるので、電
圧を長時間印加すると組成分解を起こすため、本実施例
のインク供給装置では、インクエンプティの検出が必要
なときにのみインク検出電極3aおよび3b間にパルス
電圧を印加して、そのときに生じるパルス電流によって
インクエンプティを検出するようにしている。
【0024】ところで、インク検出センサ3は、導通方
式のインク検出センサに限られるものではない。例え
ば、インク溜2をアクリル樹脂などの透明樹脂で製作
し、発光素子と受光素子とを水平に対向させて配置する
ことにより、インクによる遮光の有無という光学的な方
法でインクエンプティを検出することもできる。この場
合は、インクの組成分離を生じることがないので、イン
クエンプティを連続的に検出するようにしても問題はな
い。また、インク溜2の内部または外部に一対の電極を
対向させて配置し、インクの有無による静電容量の変化
を測定して、インクエンプティを検出するようにしても
よい。
【0025】図3は、本発明の一実施例に係るインク供
給方法における空気抜き工程の処理を示す流れ図であ
る。この空気抜き工程の処理は、インク検出工程S1
と、エンプティ判定工程S2と、動作回数チェック工程
S3と、規定回数判定工程S4と、電磁弁開工程S5
と、加圧動作インク検出工程S6と、エンプティ判定工
程S7と、加圧動作工程S8と、インク吸引工程S9
と、電磁弁閉工程S10とからなる。
【0026】次に、このように構成された本実施例のイ
ンク供給方法およびその装置の動作について説明する。
【0027】インクの吸引時には、CPUからの指令に
応じて、ポンプ制御装置11は、電磁弁4を開にしてピ
ストン駆動機構10によりピストン6を後退させる。す
ると、シリンダ5内の圧力が負圧となって、インクボト
ル41からインク溜2および電磁弁4を介してシリンダ
5内にインクが注入される。このとき、インクボトル1
内の液面は、空気管12により大気圧に保たれる。
【0028】インクの加圧時(記録時)には、CPUか
らの指令に応じて、ポンプ制御装置11は、電磁弁4を
閉にしてピストン駆動機構10によりピストン6を前進
させる。すると、シリンダ5内の圧力は正となって、加
圧されたインクはインクチューブ7を通ってノズル8に
導かれ、そのオリフィスからジェットとなって噴射され
る。ポンプ制御装置11は、圧力センサ9からの出力に
基づいて加圧時のシリンダ5内のインクの圧力を検出し
て、圧力が一定または流量が一定となるようにピストン
駆動機構10を制御する。
【0029】連続噴射型インクジェット記録装置による
記録が終了し、次の記録のためにインクポンプの吸引動
作を完了した後、ポンプ制御装置11は、インク検出セ
ンサ3のインク検出電極3aおよび3b間にパルス電圧
を印加して、そのときに生じるパルス電流の有無によっ
て導電性のインクの検出を行い、インクエンプティをチ
ェックする。このとき、インクエンプティが検出された
とすると、インクボトル1内は空でインクの液面はかな
らずインク溜2内の液面Aの位置にある。ポンプ制御装
置11は、インクエンプティを検出するとCPUにその
旨を伝え、CPUは連続噴射型インクジェット記録装置
の表示装置(図示せず)にインクエンプティである旨を
表示する。
【0030】連続噴射型インクジェット記録装置のオペ
レータは、インクエンプティの表示を見て、インクボト
ル1を新しいものと交換する。このとき、インクボトル
1を交換してもインク導入管21が細いため、インク溜
2内の空気はインクボトル1内のインクと置換せずにイ
ンク溜2内にそのまま残ってしまう。もし、このような
インク溜2内に空気が混入した状態から、インクポンプ
が次の記録動作のために吸引動作を行うと、吸引した分
だけインクはインクボトル1から吸引されるが、インク
溜2内の液面Aの位置は変化しない。すなわち、インク
溜2内の空気は追い出されることがないので、インクエ
ンプティは解除されない。
【0031】そこで、インクボトル1が交換されたなら
ば、インクボトル1が交換されたという信号を図示しな
い伝達手段を介してCPUに通知する。例えば、連続噴
射型インクジェット記録装置には、通常、カバー(図示
せず)が設けられており、カバーの開閉を検知する安全
スイッチが取り付けられているので、このカバーを開に
してインクボトル1を交換する構造にしておけば、カバ
ーを開から閉にしたときの信号をインクボトル1が交換
されたという信号に置き換えて使用することができる。
【0032】インクボトル1が交換されたという信号を
受けると、CPUは、ポンプ制御装置11に空気抜き指
令を出力する。
【0033】空気抜き指令を受けると、ポンプ制御装置
11は、図3に示す空気抜き工程の処理を行う。
【0034】(1) ポンプ制御装置11は、まずイン
ク検出センサ3のインク検出電極3aおよび3b間にパ
ルス電圧を印加してインク検出電極3aおよび3b間に
流れるパルス電流の有無を検知することによってインク
の検出を行い(工程S1)、インクエンプティ状態を確
認する(工程S2)。
【0035】(2) このとき、インクの液面は液面A
にあるので、ポンプ制御装置11は、インクエンプティ
状態と判定し、空気抜き動作が規定回数以上行われたか
どうかをチェックする(工程S3およびS4)。規定回
数は、空気抜きに失敗した場合またはインク供給装置に
故障が生じた場合等に、工程S1〜S10の処理ループ
から抜け出せるように設定されている。規定回数は、2
〜3回が適当である。規定回数に達しても、インクエン
プティが解除されなければ、ポンプ制御装置11は、故
障とみなしてエラー処理を行う。
【0036】(3) 空気抜き動作の回数が規定回数に
達していなれば、ポンプ制御装置11は、電磁弁4を開
にして(工程S5)、ピストン駆動機構10によりピス
トン6を前進させてインクの加圧動作に入る(工程S
6)。このとき、シリンダ5の出力側(ノズル8)の流
体抵抗は大きいので、加圧されたインクは電磁弁4を通
ってインク溜2に逆流し、液面Aは押し上げられる。す
ると、インク溜2およびインクボトル受22のインク導
入管21内の空気はインクボトル1内に入り、気泡とな
ってインクボトル1内の大気中に放出される。なお、こ
の加圧工程で、ピストン6の加圧速度(シリンダ5内の
圧力)は、加圧されたインクがインク溜2に逆流するが
ノズル8からは吐出しない値に設定される。また、この
加圧工程では、ポンプ制御装置11は、一定周期でイン
クエンプティを検出し続ける(工程S7)。
【0037】(4) 液面Aが液面Bまで押し上げられ
ると、ポンプ制御装置11は、インク検出電極3aおよ
び3b間に流れるパルス電流を検知して、インクエンプ
ティが解除されたことを検出する。ポンプ制御装置11
は、インクエンプティが解除された後も、一定時間加圧
を継続する(工程S8)。この一定時間は、液面Bが液
面Cまで移動する時間、すなわちインク溜2およびイン
ク導入管21内の空気が完全にインクボトル1内に追い
出されるまでの時間に設定されている。
【0038】(5) 一定時間の加圧動作が終了したな
らば、ポンプ制御装置11は、インクを吸引し(工程S
9)、電磁弁4を閉にして(工程S10)、制御を工程
S1に戻す。
【0039】(6) そして、ポンプ制御装置11は、
インクを再度検出して(工程S1)、インクエンプティ
が解除されていなければ、規定回数だけ空気抜き動作を
繰り返す。インクエンプティが解除されていれば、これ
によって、インク溜2およびインク導入管21内は完全
にインクで満たされたことになるので、ポンプ制御装置
11は、空気抜き工程を終了する。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインク供
給方法によれば、インクボトルの交換後に電磁弁を開に
してシリンダ内のインクを加圧しインクをシリンダ内か
ら電磁弁を介してインクボトルに逆流させてインク供給
経路に混入した空気をインクボトル内の大気中に放出す
る空気抜き工程を設けることにより、インクボトルの交
換時にインク供給経路への空気の混入があっても完全に
除去することができ、信頼性の高いインクの供給が可能
になり、混入した空気のために記録が不可能になる不具
合がなくなるという効果がある。
【0041】また、空気が混入しても自動的に除去して
くれるので、インクボトルの交換操作がきわめて簡便に
なるという効果がある。
【0042】さらに、本発明のインク供給装置によれ
ば、インク検出センサを有するインク溜を設けたので、
インクエンプティを目視で監視する必要がなくなるとと
もに、インク溜がバッファとなってインクポンプのシリ
ンダに空気が入り込むことがなくなり、またインクボト
ルのインクをほぼ使い切ることができるという効果があ
る。
【0043】さらにまた、容易かつ確実な既存技術のみ
を用いるので、信頼性が高くかつ安価なインク供給装置
が実現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るインク供給装置の要部
を示す構成図である。
【図2】図1中のインクボトルおよびインク溜の拡大断
面図である。
【図3】本発明の一実施例に係るインク供給方法におけ
る空気抜き工程の処理を示す流れ図である。
【図4】従来のインク供給装置の要部を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
1 インクボトル 2 インク溜 3 インク検出センサ 3a,3b インク検出電極 4 電磁弁 5 シリンダ 6 ピストン 7 インクチューブ 8 ノズル 9 圧力センサ 10 ピストン駆動機構 11 ポンプ制御装置 12 空気管 13 ゴム栓 21 インク導入管 22 インクボトル受 23 O−リング S1 インク検出工程 S2 エンプティ判定工程 S3 動作回数チェック工程 S4 規定回数判定工程 S5 電磁弁開工程 S6 加圧動作インク検出工程 S7 エンプティ判定工程 S8 加圧動作工程 S9 インク吸引工程 S10 電磁弁閉工程

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交換可能なインクボトルと、ポンプ制御
    装置によって動作が制御されるピストンポンプとを備
    え、前記ポンプ制御装置の制御の下に前記インクボトル
    から前記ピストンポンプ内にインクを吸引し、吸引した
    インクを前記ピストンポンプによって加圧しながらノズ
    ルに導いてジェットを形成するインク供給装置のインク
    供給方法において、前記インク供給装置が、前記ピストンポンプの容量より
    も大きな容量を有し前記インクボトルが着脱自在に装着
    されるインク溜と、このインク溜内のインクが一定量以
    下に低下したことを検出して前記ポンプ制御装置に通知
    するインク検出センサと、前記インク溜と前記ピストン
    ポンプとの間に挿入され前記ポンプ制御装置によって開
    閉が制御される電磁弁とを有し、 前記インク検出センサにより前記インク溜内のインクが
    一定量以下に低下したことが検出されて前記インク溜に
    対して新たなインクボトルが装着されたときに、前記イ
    ンク検出センサにより前記インク溜内のインクが一定量
    以下であることを確認するエンプティ判定工程と、この
    エンプティ判定工程で前記インク溜内のインクが一定量
    以下であることが確認されたときに前記電磁弁を開にす
    る電磁弁開工程と、この電磁弁開工程で前記電磁弁が開
    にされた後に前記インクポンプによるインクの加圧動作
    に入るとともに前記インク検出センサにより前記インク
    溜内のインクが一定量以下であるかどうかを検出し続け
    る加圧動作インク検出工程と、この加圧動作インク検出
    工程で前記インク溜内のインクが一定量以下でなくなっ
    たことが検出された後も一定時間加圧動作を継続する加
    圧動作工程とを含み、前記インクポンプのインクを前記
    電磁弁および前記インク溜を介して前記インクボトルに
    逆流させてやることにより前記インク溜に混入した空気
    前記インクボトル内の大気中に放出する空気抜き工程
    行うことを特徴とするインク供給方法。
  2. 【請求項2】 前記請求項1記載のインク供給方法にお
    いて、前記空気抜き工程が、前記加圧動作工程の後に前
    記インクボトル内のインクを前記インク溜および前記電
    磁弁を介して前記インクポンプ内に吸引するインク吸引
    工程と、このインク吸引工程の後に前記電磁弁を閉にす
    る電磁弁閉工程と、前記エンプティ判 定工程の後に動作
    回数をチェックして規定回数かどうかを判定し、規定回
    数未満であれば前記電磁弁開工程に移行し、規定回数以
    上であればエラー処理を行う動作回数チェック工程を含
    むことを特徴とするインク供給方法。
  3. 【請求項3】 交換可能なインクボトルと、ポンプ制御
    装置によって動作が制御されるピストンポンプとを備
    え、前記ポンプ制御装置の制御の下に前記インクボトル
    から前記ピストンポンプ内にインクを吸引し、吸引した
    インクを前記ピストンポンプによって加圧しながらノズ
    ルに導いてジェットを形成するインク供給装置におい
    て、前記ピストンポンプの容量よりも大きな容量を有し、前
    インクボトルが着脱自在に装着されるインク溜と、 このインク溜内のインクが一定量以下に低下したこと
    検出して前記ポンプ制御装置に通知するインク検出セン
    サと、 前記インク溜と前記ピストンポンプとの間に挿入され
    ポンプ制御装置によって開閉が制御される電磁弁とを
    有することを特徴とするインク供給装置。
  4. 【請求項4】 前記インク検出センサが、1対のインク
    検出電極間にパルス電圧を印加し、そのときに生じるパ
    ルス電流の有無によって導電性のインクの有無を検出す
    ることを特徴とする請求項記載のインク供給装置。
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