JP2651610B2 - 高純度ガス精製方法および装置 - Google Patents

高純度ガス精製方法および装置

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JP2651610B2 JP63286745A JP28674588A JP2651610B2 JP 2651610 B2 JP2651610 B2 JP 2651610B2 JP 63286745 A JP63286745 A JP 63286745A JP 28674588 A JP28674588 A JP 28674588A JP 2651610 B2 JP2651610 B2 JP 2651610B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高純度ガスの精製方法および装置に関し、さ
らに詳細には配管系に存在するガスの滞留空間からの不
純ガスの混入を防止しうる高純度ガスの精製方法および
装置に関する。
半導体製造工業などの発展にともない、これらの分野
で使用されるガスの種類および量が増加するとともにそ
の高純度化に対する要望が益々高まりつつある。
〔従来の技術〕
ガス中に含有される不純物を除去し、精製ガスを得る
方法としては膜分離方式、触媒やゲッターなどによる反
応方式、物理吸着、化学吸着などによる吸着方式および
これらを組合わせたものなど種々なものが知られてい
る。例えば、Pd合金水素透過膜を用いた高純度水素精製
装置、Ni、Cuなどの触媒および合成ゼオライトなどの吸
着剤を組合わせた不活性ガスまたは水素の精製装置、P
t、Pdなど不純物の転換触媒と合成ゼオライトなどを組
合わせた酸素の精製装置、金属ゲッターを用いた希ガス
の精製装置ならびに深冷吸着法による水素、不活性ガス
および酸素の精製装置などが比較的多く使用されてい
る。
これらの装置はいずれも透過分離膜、触媒、ゲッター
および吸着剤を内蔵した反応筒、精製筒などガスの精製
部、原料ガスの供給路および精製ガスの抜出路を基本構
成とし、これに装置の種類に応じて再生ガスおよび再生
自己ガスなどの供給路、再生排ガスまたは濃縮不純ガス
の排出路、ガスの循環路など種々の流路を形成した配管
が設けられている。このため配管系には分岐または接続
部が多く存在するとともに各種弁類、計器類および分析
計なども介在している。
〔発明が解決しようとする課題〕
このような精製装置を用いて例えば不純物濃度が1ppb
以下というような高純度ガスを得るためには、ガスの精
製部がこれに対応しうる不純物除去性能を有する必要が
あるばかりでなく、ガスの精製部から装置の出口に至る
精製ガスの配管系で不純物の混入があってはならない。
配管系における不純物混入の原因としては継手類、弁
類、計器類などでの外気とのシール部において拡散、透
過などによる大気成分の侵入や各弁類のシートリークな
どにより再生系列側からの脱着ガスの侵入などがある。
さらには、装置の組立時に封じ込まれる大気成分の影響
も無視できないことがあり、通常はこれらを除去するた
めに真空排気や精製対象ガスによる置換などがおこなわ
れるが筒および配管内面の金属表面に吸着した大気成分
などは容易に除去されず、その影響は装置の使用開始後
数百時間にまで及ぶこともある。
このような不純物の混入による悪影響を防止するため
継手部の溶接化や気密度の優れた高級な継手、弁類およ
び計器類が使用され、また、不純物の吸着面積を少なく
するために配管を極力短くする試みや接ガス部となる金
属表面を研磨処理して滑らかにする試みなどがおこなわ
れているが未だ不純物の混入を完全に防止しうるに至っ
ていない。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、長期にわたってこれらの装置に及ぼす
純度低下の原因の究明を続けた結果、精製ガス流路と交
わる分岐路などガスの滞留部に残留する不純ガスが精製
ガスの純度に影響していることを見いだし、これらの残
留ガスが精製ガスの流路に入らないよう対策を構ずるこ
とにより本発明を完成した。
すなわち本発明は、(1)ガスを精製部に通すことに
よって該ガス中に含有される不純物を除去し該精製部よ
り精製ガス流路を経由して精製ガスを抜出す高純度ガス
の精製方法において、該精製ガス流路に存在するガスの
滞留部から精製ガスの一部をパージせしめることを特徴
とする高純度ガスの精製方法、および (2)原料ガスの入口および精製ガスの出口を有するガ
スの精製部と、該原料ガスの入口に接続された原料ガス
供給側の配管系と、該精製ガスの出口に接続された精製
ガス抜出し側の配管系とを有する高純度ガスの精製装置
において、該精製ガス抜出し側の配管系の精製ガス流路
におけるガスの滞留部に精製ガスのパージ機構を設けて
なることを特徴とする高純度ガスの精製装置である。
本発明はガスの滞留部のある精製装置、特に触媒、吸
着剤の再生工程を伴う装置のように分岐部など滞留部の
多いガスの精製装置に適用される。
本発明を不活性ガスの精製装置を例に取り、図面によ
って具体的に説明する。
第1図は不活性ガスの高純度精製装置のフローシート
である。
第1図においてNi、Cuなどの触媒が充填された触媒筒
1と合成ゼオライトなどの吸着剤が充填された吸着筒2
とが直列に接続され、かつ、それぞれの筒にヒーターが
配設されてなる2系列のガスの精製部AおよびBそれぞ
れの触媒筒1および1は流路3aおよび3bと接続され、流
路3aおよび3bの他端は弁V1aおよびV1bを介して原料ガス
の供給路4に接続され、かつ、流路3aおよび3bから分岐
した流路はそれぞれV2aおよびV2bを介してそれぞれ再生
排ガスの排出路5に接続されている。また、ガスの精製
部AおよびBそれぞれの吸着筒2および2は流路6aおよ
び6bと接続され、流路6aおよび6bは弁V3aおよびV3bを介
してフィルターS、流量計F1および流量調節弁CV1を備
えた精製ガスの抜出し路7にそれぞれ接続され、かつ、
流路6aおよび6bから分岐した流路8aおよび8bは弁V4aお
よびV4bを介して再生用ガスの供給路9にそれぞれ接続
されている。さらに、再生用ガスの供給路9の他端は分
岐してその一方は弁V5を介して流量調節弁CV2および流
量計F2が設けられた再生用水素ガスの供給路10に、他方
は、精製ガスの抜出し路7から分岐し、かつ、圧力計
P、流量調節弁CV3および流量計F3が設けられた精製自
己ガスの供給路11に弁V6を介して接続されている。
精製ガス抜出系の流路から分岐する各流路、すなわ
ち、流路6aと6bとの分岐部から弁V4aおよびV4bまでの間
(R1aおよびR1b)、弁V3aおよびV3bから精製ガスの抜出
し路7との接続部までの間(R2aおよびR2b)ならびに再
生用自己ガスの供給路11(R3)の5箇所がそれぞれ滞留
部となっている。
ガスの滞留部R1aならびにR1bのそれぞれには流量調節
弁CV4aおよび弁V7aならびに流量調節弁CV4bおよび弁V7b
をを備えたパージ管L1aならびにL1bがそれぞれ接続され
ている。また滞留部R2a、R2bおよびR3のそれぞれには流
量調節弁CV5a、CV5bおよびCV6を備えたパージ管L2a、L2
bおよびL3がそれぞれ接続され、それぞれのパージ管の
他端は水分計Wおよび弁V8を備えたパージ主管Lの一端
に接続され、パージ主管Lの他端は再生排ガスの排出路
5に接続されている。さらにパージ管L1aおよびL1bのそ
れぞれの他端もパージ主管Lに接続されている。
〔作 用〕
ガスの精製は精製部AおよびBを交互に切替えて使用
することにより連続的におこなわれる。例えば精製部A
が精製工程のときには弁V1aおよびV3aが開かれることに
よって窒素ガスなどの原料ガスは供給路4から流路3aを
経て触媒筒1に入り、Niなどの触媒と接触して主にガス
中に含有される酸素が捕捉され、次いで吸着筒2に入
り、合成ゼオライトなどの吸着剤と接触して炭酸ガスお
よび水分などが吸着除去され、高純度に精製される。精
製部Aから出た精製ガスは流路6a、弁V3a、フイルター
Sおよび精製ガスの抜出し路7を経由して流量調節弁CV
1で流量を調節しながら抜出され半導体製造装置などに
供給される。この間、精製ガスの流路から分岐した流路
のガスの滞留部R1a、R2bおよびR3には再生時の残留水素
ガスや管壁などから徐々に離脱する不純ガスが滞留し、
これらが拡散して精製ガスの流路に侵入するので、これ
を防止するため滞留部から精製ガスの一部がパージされ
る。パージ管L1aの弁V7aおよびパージ主管Lの弁V8を開
くことにより、滞留部R1aについてはパージ管L1a、滞留
部R2bについてはパージ管L2b、滞留部R3についてはパー
ジ管L3を経てそれぞれ精製ガスが抜出されるが、この場
合にはパージ管L2aにもガスが滞留するためL2a内のパー
ジも同時におこなわれ、それぞれパージ主管Lを経由し
て排出路5から排出される。パージ量は流量調節弁CV4
a、CV5a、CV5bおよびCV6によってそれぞれ調節される。
このようにパージをおこなうことによって各滞留部の
不純ガスは系外に排出され、精製ガス流路への不純ガス
の侵入が確実に防止される。精製部Aでガスの精製がお
こなわれる間に精製部Bでは触媒および吸着剤の再生が
行われる。精製部Bの触媒筒1および吸着筒2をヒータ
ーで加熱しながら再生排ガスの排出路5に通ずる弁V2
b、流路8bの弁V4b、再生用水素ガスの供給路10の弁V5お
よび再生用精製自己ガスのの供給路11の弁V6を開き、流
量調節弁CV2およびCV3によって流量を調節することによ
り水素ガスおよび精製自己ガスは供給路9から流路6b、
精製部Bの吸着筒2、触媒筒1、流路3bおよび弁2bを経
由して流し、排出路5から排出することにより吸着剤お
よび触媒に吸着または捕捉されていた不純ガスが脱着除
去され吸着剤および触媒は再生される。
次に精製部Bで精製がおこなわれるときには弁V1bお
よびV3bを開くことによりガスは精製部B、流路6bおよ
び精製ガスの抜出し路7を経由して精製されるが、この
場合には精製部Aにおける精製でパージ管L1aからパー
ジをおこなう代わりにパージ管L1bからパージをおこな
う他は精製部Aでの精製におけると同様のパージ管から
の精製ガスのパージをおこなう。
本発明において精製ガスのパージ方法としては、連続
的パージであってもよく、また、間欠的パージであって
もよいが、滞留部からの不純ガスの拡散などによる精製
ガス中への混入を確実に防止する観点からは連続的パー
ジが好ましい。パージ量は滞留部となる分岐配管の口径
などその大きさおよび形状などによって異なり一概に特
定はできないが、滞留部からの不純ガスの精製ガス流路
への拡散速度よりも大きいことが必要であり、例えば滞
留部となる配管の内径が5cm以下で、かつ、連続的パー
ジをおこなう場合のパージ量は線速度で0.5〜200cm/se
c、好ましくは5〜80cm/sec程度である。また、パージ
ガス量を低減するためパージ管の精製ガス流路への接続
部付近で分岐配管の口径を絞ることによってガスの線速
度を大きくすることも有効である。
本発明において精製ガス流路からの分岐路などガスの
滞留部に設けられるパージ機構としては通常のパージ管
およびパージ用の弁類またはオリフィスなどを組合わせ
たものであり、パージ用の弁には各種の開閉弁、流量調
節弁およびニードル弁などが一般的に使用される。パー
ジ機構はそれぞれの滞留部毎に設けてパージガスをそれ
ぞれ個々に外部に排出させる形態でもよいが、水素ガス
や有害ガスが存在するような場合には、これらのパージ
管は例えば第1図で示したようにパージ主管に集約し、
再生排ガスのなどとともに合わせて排出させるような形
態とすることが好ましい。
また、ガスの種類などによってはパージによるガスの
ロスをより減少させるためにポンプなどを介してパージ
ガスを原料ガスの供給系にリサイクルすることもでき
る。さらに、定常状態で連続的にパージされているガス
中の水分などは精製ガスと実質的に変わりはないため、
これらをサンプルガスとして水分計に導き、露点の監視
に利用することもできる。
〔発明の効果〕
本発明はガスの滞留部から少量の精製ガスをパージせ
しめるものであり、これによって従来排除し得なかった
極微量の不純物の精製ガス中への混入を確実に防止する
ことができる。従ってサブミクロン級のような集積度の
高い半導体製造用などとして要求される種々の高純度ガ
スを得ることが可能となった。
〔実施例〕
第1図で示したと同様の構成の不活性ガスの精製装置
でNi系触媒600cc(充填長410mm)、吸着剤としてモレキ
ュラーシーブ5A600cc(充填長410mm)が充填された精製
部と、ステンレス製で精製ガスの流路が内径6mm、再生
用ガスの供給路が内径4mmおよびパージ管が内径2mmのチ
ューブでそれぞれ配管された装置を用いて窒素ガスの精
製をおこなった。先ず、装置の系内を精製窒素ガスで置
換した後、各系列の精製部についてそれぞれ一回づつ再
生処理をおこなった。また、原料ガスとしては液化窒素
ガスを蒸発させて室温としたものにマスフローコントロ
ーラーを用いて酸素、一酸化炭素および二酸化炭素の各
不純成分を添加し、酸素2.7ppm、一酸化炭素1.1ppm、二
酸化炭素0.9ppmで露点が−71〜−73℃のものを用いた。
圧力5Kgf/cm2・Gで原料窒素ガスを精製部Aに供給
し、精製ガスの抜出し路から精製ガスを1500Nl/hで抜出
すと同時にパージ管L1aおよびL3からはそれぞれ13.5Nl/
h、パージ管L2aおよびL2bからはそれぞれ31.2Nl/hで精
製ガスをパージしながら精製をおこない、精製ガス中の
不純物および露点の測定をおこなった。露点については
第1図のパージ主管LのW部にセットした静電容量式水
分分析計(パナメトリックス社製)で測定し、不純物に
ついては生成ガスの抜出し路7から出たガスの一部を分
析計に導き、酸素についてはハーシェ微量酸素分析計
(大阪酸素工業(株)製)、その他の成分についてはFI
Dガスクロマトグラフを用い、一酸化炭素、炭酸ガスは
水素の存在下に600℃でNi触媒と接蝕させてメタンに転
換した後FID(水素炎イオン化検出器)に導いて分析し
た。
精製部AおよびBの切替えは24時間毎とし、精製と再
生とを交互に繰返しながら80時間窒素ガスの精製を続け
るとともに精製ガスの分析をおこなった。結果を第1表
に示す。
〔比較例〕 パージ機構が全く設けられていない他は実施例におけ
ると同じ装置を用い、かつ、パージを全くおこなわない
他は実施例と同様にして窒素ガスの精製をおこなった。
なお、この場合にはパージ管がないため、水分計は精製
ガスの抜出し路に改めて設けたサンプリング管にセット
した。得られた結果を第2表に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の高純度ガスの精製装置の一例を示すフ
ローシートである。 図面の各番号は以下の通りである。 1……触媒筒、2……吸着筒 3a,3b,6a,6b,8aおよび8b……流路 4,9,10および11……供給路、5……排出路 7……抜出し部、AおよびB……精製部 L1a,L1b,L2a,L2bおよびL3……パージ管 L……パージ主管

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガスを精製部に通すことによって該ガス中
    に含有される不純物を除去し該精製部より精製ガス流路
    を経由して精製ガスを抜出す高純度ガスの精製方法にお
    いて、該精製ガス流路に存在するガスの滞留部から精製
    ガスの一部をパージせしめることを特徴とする高純度ガ
    スの精製方法。
  2. 【請求項2】原料ガスの入口および精製ガスの出口を有
    するガスの精製部と、該原料ガスの入口に接続された原
    料ガス供給側の配管系と、該精製ガスの出口に接続され
    た精製ガス抜出し側の配管系とを有する高純度ガスの精
    製装置において、該精製ガス抜出し側の配管系の精製ガ
    ス流路におけるガスの滞留部に精製ガスのパージ機構を
    設けてなることを特徴とする高純度ガスの精製装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102247315B1 (ko) * 2020-12-14 2021-05-04 주식회사 하이퓨리티 고압 이산화탄소 가스 정제장치

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