JP2649551B2 - 筆記具用クリップの装飾片取付方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は筆記具用クリップの挾持部に装飾片を確実に
取り付けるための取付方法に係るものである。

［従来の技術］ 筆記具用クリップにおける装飾片は、主に、外観意匠
的効果の向上や使用インキの色表示、そしてメーカー
名、商品名等を宣伝すること等を目的としてその挾持部
に取り付けられているが、通常この種の装飾片は合成樹
脂等の成形体よりなるため、接着、溶着、凹凸嵌合等適
宜の手段を用いることにより筆記具用クリップに対して
容易に取り付けられる。

この装飾片素材については上記したもの以外にシリコ
ンゴム等のゴム状の弾性素材よりなるものもあるが、こ
の場合その取り付けにあたっては上記手段を用いると、
以下のような種々の不具合が生じるものであった。

［発明が解決しようとする問題点］ 即ち、接着については接着剤はみ出しによる見映え低
下や、経時的な接着強度の低下などの問題があり、また
溶着についてはクリップ素材の融点が装飾片素材の融点
よりも高いことが要求されるためこれによって使用する
クリップの素材に制約を受けたり、そして単純な凹凸に
よる嵌め込み法では、この装飾片がゴム状の弾性を有し
ているがために、取付け強度を向上させるとその取付作
業が至極困難となるなどの別の問題を生じるもので、何
れにしても弾性素材よりなる装飾片の取り付け法につい
て改善の余地があった。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は上記した事情に基づきなされたもので、使用
するクリップ素材に特段の制約を受けることなく、その
取付作業が簡便であり、しかも確実に取り付け得る筆記
具用クリップの装飾片取付方法を提供することを目的と
するものである。

即ち本発明は、装飾部と、該装飾部の裏面の膨大部を
有する取付用突起と、該突起先部の細径の案内部とより
なり、少なくとも前記取付用突起と案内部が弾性素材よ
りなる装飾片と；取付小孔と、装飾片の取付用突起にお
ける膨大部を係止するための係止段部を有する取付大孔
をその挾持部に穿設した筆記具用クリップとから成り、
前記装飾片の案内部を筆記具用クリップの取付小孔およ
び取付大孔に挿入して該案内部を引くことにより前記装
飾片の膨大部を取付大孔の係止段部に係止せしめ、この
後該案内部を膨大部より切除することを特徴とする筆記
具用クリップの装飾片取付方法を要旨とするものであ
る。

［作 用］ 装飾片の案内部を筆記具用クリップの取付小孔および
取付大孔に挿入して、この案内部を引くことにより案内
部と連接した取付用突起の膨大部を取付大孔の係止段部
にこれを通過せしめてから係止し、この後案内部を切除
するから、接着、溶着等を行なうことなく、確実、且
つ、容易に筆記具用クリップに対して装飾片を取り付け
得る。

［実施例］ 以下、本発明の筆記具用クリップの装飾片取付方法に
ついて添付図面に基づき詳述する。

第１図〜第５図は本発明の第１実施例であって、参照
符号Ａはシリコンゴム、NBR（ニトリロプロジェンラバ
ー）等の弾性素材よりなる装飾片で、この装飾片Ａは、
装飾部１と該装飾部１の裏面に膨大部２を有する取付用
突起３を複数個設けており、（図中は２個）更にこの取
付用突起３先部には適宜長さを有する細径の案内部４を
一体に連設している。Ｂは樹脂、金属等より形成され衣
服等に挟持するための挟持部５を有する筆記具用クリッ
プで、このクリップＢの挟持部５には前記装飾片Ａを取
り付けるための取付小孔６と該取付小孔に連設した取付
大孔７が取付用突起３の位置及び数に夫々対応して穿設
されており、そしてこの取付大孔７の上部には、膨大部
２を係止するための環状の係止段部８が穿設されてい
る。

而して、装飾片Ａを筆記具用クリップＢに取り付ける
にあたっては、第１図に示すように装飾部１裏面の案内
部４を取付小孔６および取付大孔７内に挿入し、この案
内部４を矢印の方向に引く。このとき、直ちに膨大部２
が取付大孔７上部の係止段部８に衝接することになるが
（第３図参照）、膨大部２が適度の弾性を有しているゆ
え、更にこの案内部４を強く引けば膨大部２は縮径化さ
れて（第４図参照）、第５図に示すように膨大部２が取
付大孔７の係止段部８を通過し、この後この膨大部２は
元の形状に復元して係止段部８に係止されることにな
る。次いで、膨大部２より突出している案内部４をカッ
ター等によって切除すれば、所望の筆記具用クリップが
得られるものである。（第２図参照） 第６図は本発明の第２実施例を示すもので、第１実施
例と異なる点は、装飾片Ａであって、装飾部１と、膨大
部２を有する取付用突起３および案内部４とを別部材で
構成し、案内部２を有する取付用突起３および案内部４
を弾性素材で形成した点と、最終工程で膨大部２より突
出している案内部４の切除を容易にするため、膨大部２
と案内部４との境界部に切り込み4aを設けた点である
が、この切り込み部4aに代えて該部分を薄肉にするなど
の手段も採用できる。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明によれば、装飾片を種々
の素材よりなる筆記具用クリップに確実且つ容易に取り
付けることが可能となり、クリップとしての外観意匠的
効果を極力向上せしめることができるなど優れた利点を
有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は本発明の第１実施例を示すもので、
第１図及び第２図は筆記具用クリップの縦断面図であ
り、第３図〜第５図は第１図Ｘ部に相当する拡大組立説
明図であり、第６図は、本発明の第２実施例を示す筆記
具用クリップの縦断面図である。 Ａ……装飾片、１……装飾部、２……膨大部、３……取
付用突起、４……案内部、Ｂ……筆記具用クリップ、５
……挟持部、６……取付小孔、７……取付大孔、８……
係止段部。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】装飾部と、該装飾部の裏面の膨大部を有す
   る取付用突起と、該突起先部の細径の案内部とよりな
   り、少なくとも前記取付用突起と案内部が弾性素材より
   なる装飾片と；取付小孔と、装飾片の取付用突起におけ
   る膨大部を係止するための係止段部を有する取付大孔を
   その挾持部に穿設した筆記具用クリップとから成り、前
   記装飾片の案内部を筆記具用クリップの取付小孔および
   取付大孔に挿入して該案内部を引くことにより前記装飾
   片の膨大部を取付大孔の係止段部に係止せしめ、この後
   該案内部を膨大部より切除することを特徴とする筆記具
   用クリップの装飾片取付方法。