JP2649416B2 - コレステロールの製造法 - Google Patents

コレステロールの製造法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はコレステロールの製造法に関し、更に詳細に
は魚油中より簡便な操作で効率よくコレステロールを製
造する方法に関する。
〔従来の技術〕
コレステロールはリポタンパク、生体膜の構成成分と
して必須であるため、ほとんどすべての動物組織中に認
められる。そしてその用途は、飼料添加物、香粧品原
料、液晶原料、医薬原料など多岐にわたっている。この
うち香粧品原料、液晶原料、医薬原料として用いられる
場合は、特に純度の高いコレステロールが要求される。
かかるコレステロールの製造法としては、従来 羊毛脂の不ケン化物を原料として、繰返し結晶化を
行う方法; 主として牛、豚の脳脊髄から有機溶剤抽出し、繰返
し結晶化を行う方法; 魚油由来のアルカリ油滓を酸分解して得られたダー
ク油をメチルエステル化したのち分子蒸留に供してメチ
ルエステルを除き、さらに結晶化を行う方法; 魚油あるいは油滓をケン化した後トリクロルメチレ
ンにより不ケン化物を抽出し、アセトン−メタノール混
液中で結晶化する方法(ソ連特許第950393号)などが知
られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし前記の方法においては、他のステロールとの
分離が難しいため、高純度のコレステロールは得にく
く、の方法においては、大量の原料の確保が難しいた
め工業規模上の生産は困難である。の方法において
は、分子蒸留装置を必要とすることに加え、工程数が多
く操作が煩雑である。さらに、アルカリ油滓中に混入し
ている食用油として有用なトリグリセライドが失われ
る。またの方法においても、ケン化工程を必要とする
ことから食用として有用なトリグリセライドが失われ
る。
従って、安価な魚油を原料とし、簡便な操作で高純度
のコレステロールを得ることのできる製造法が望まれて
いた。
〔課題を解決するための手段〕
かかる実状に鑑み本発明者は、上記課題を解決すべく
種々検討してきたところ、魚油のアルカリ油滓を原料と
し、有機溶剤による抽出とシリカゲル、アルミナまたは
フロリジル等の吸着剤による吸着を組み合せることによ
り、簡便な操作で高純度のコレステロールの結晶が得ら
れることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は魚油由来のアルカリ油滓より有機
溶剤にてコレステロール含有画分を抽出し、該抽出液を
吸着剤と接触させることによりコレステロールを該吸着
剤に吸着させ、かつトリグリセライドを通過させ、次い
で、吸着したコレステロールを熱有機溶剤で溶出し、こ
の溶出液を冷却してコレステロールを析出させることを
特徴とするコレステロールの製造法を提供するものであ
る。
原料となる魚油由来のアルカリ油滓は、通常魚油の精
製工程として欠くことのできない脱酸工程において魚油
にアルカリを添加して遊離脂肪酸をセッケンとして分離
したものをいう。具体的には、例えばイワシ、サバ、サ
ンマ、タラ、スケトウダラ、イカ肝臓等の魚油に水酸化
ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液を添加混合し
た後のセッケン層が使用される。
このアルカリ油滓には通常、コレステロール、トリグ
リセリド、脂肪酸アルカリ塩、水などが含まれている。
原料アルカリ油滓よりコレステロール含有画分を抽出
する有機溶剤としては、n−ヘキサン、シクロヘキサン
などが挙げられる。
有機溶剤による抽出に先立ってアルカリ油滓にメタノ
ールなどの脂肪酸セッケンを溶解する溶剤を添加してお
くのが好ましい。
当該抽出によってn−ヘキサン、シクロヘキサンなど
の有機溶剤層(以下、単に「有機溶剤層」という)には
コレステロール及びトリグリセライドが抽出され、残渣
であるメタノール−水層には脂肪酸セッケンが残存する
こととなる。従って、メタノール−水層より、溶媒を留
去し、酸分解すれば高純度の脂肪酸が回収される。
有機溶剤層は、そのまま吸着剤と接触させる。吸着剤
としては、シリカゲル、アルミナまたはフロリジルが好
ましく、就中シリカゲルが特に好ましい。有機溶剤層を
吸着剤と接触させるには、当該吸着剤を吸着カラムとし
たカラムクロマトグラフィーに付すことが好ましい。
抽出に用いた有機溶剤をカラムに通液すれば、トリグ
リセライドを含む画分が得られ、コレステロールは吸着
カラムに残存する。
カラムに吸着したコレステロールは、熱有機溶剤にて
溶出される。かかる溶出溶剤は特に限定されるものでは
ないが、炭素数1〜3のアルコール、炭素数3〜5のケ
トン、炭素数2〜4のエーテルおよび炭素数1〜2の塩
素化炭化水素から選ばれる一種または二種以上を用いる
ことが好ましい。具体的にはメタノール、アセトン等が
挙げられるが、就中アセトンが特に好ましい。コレステ
ロールは加熱したアセトン等の熱有機溶剤には充分溶解
するが、該溶液を冷却すればコレステロールの結晶が容
易に析出するからである。従って溶出された有機溶剤溶
液を所望により濃縮し、冷却すればコレステロールの結
晶が析出する。
また、カラムより有機溶剤にて溶出したトリグリセラ
イド画分から有機溶剤を留去すれば、高純度のトリグリ
セライドが得られる。
本発明においては、脂肪酸を回収した後のメタノー
ル、トリグリセライドを回収した後のn−ヘキサン、
シクロヘキサン等の有機溶剤、コレステロールを回収
した後のアセトン等の溶出溶剤は、回収して再利用する
ことができる。
〔作用及び発明の効果〕
本発明方法によれば、特殊な装置を必要とせず、簡便
な操作で、しかもコレステロールを他の成分回収後の残
渣からではなく直接抽出するため高純度のコレステロー
ルが効率よく得られる。また本発明においては、アルカ
リ油滓中に多量に含まれる遊離脂肪酸及びトリグリセラ
イドも高純度で、効率よく回収され、さらに使用した抽
出溶剤、溶出溶剤等を回収再利用することもできる。
〔実施例〕
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
実施例1 沿岸魚油の脱酸処理において派生したアルカリ油滓
(表1に成分組成を示す)300gにメタノール300mlを加
えて撹拌溶解した。これにシクロヘキサン450mlを加え
激しく振とうしたのち3000rpmで5分間遠心分離した。
上層のシクロヘキサン層を、20gのシリカゲル60をシク
ロヘキサンとともに充填した内径2cm、長さ13cmのカラ
ムに通液し、次いでシクロヘキサン60mlを通液した。両
溶出液を合し、減圧下で溶剤を留去して、トリグリセラ
イドを98.6重量%(以下、単に「%」で示す)含む油分
56.1gを得た。カラムにはさらに50℃のアセトン80mlを
通液し、先端のシクロヘキサン溶液約20mlは除きアセト
ン溶出液を分取した。これを減圧下で40mlまで溶剤を留
去したのち、還流加熱し次に−20℃まで除冷して析出し
た白色結晶を濾別、真空デシケーター中で一晩乾燥し、
3.4gのコレステロール結晶を得た。得られたコレステロ
ール結晶は薄層クロマトグラフィーで単一スポットとし
て、ガスクロマトグラフィーで単一ピークとして検出さ
れた。
また、遠心分離下層を2N塩酸にて中和後遠心分離して
浮上油分を回収し、減圧下で溶剤を留去して脂肪酸95.4
%を含む油分88.7gを得た。 表1 アルカリ油滓の組成 コレステロール 1.6% トリグリセリド 19.2% 脂肪酸ナトリウム塩 34.2% 水分 40.5% その他 4.7% 実施例2 実施例1で用いたものと同じアルカリ油滓20kgにメタ
ノール16および水8を加えて45℃で撹拌溶解した。
この液を45℃に保った向流液々分配抽出器に10/時の
流速で連続的に送液し、7.5/時の45℃のn−ヘキサ
ンにて抽出した。n−ヘキサン層を1.2kgのマイクロビ
ーズシリカゲルをn−ヘキサンとともに充填した内径10
cm、長さ30cmのカラムを通液し、次いでn−ヘキサン4
を通液した。両溶出液を合し、減圧下で溶剤を留去し
てトリグリセライドを98.9%含む油分3.79kgを得た。カ
ラムにはさらに50℃のアセトン5を通液し、先端のn
−ヘキサン溶液約1.2は除きアセトン溶出液を分取し
た。これを減圧下で2まで溶剤を留去したのち、還流
加熱し、次に−20℃まで除冷して析出した白色結晶を濾
別、真空デシケーター中で一晩乾燥し、269gのコレステ
ロール結晶を得た。得られたコレステロール結晶は薄層
クロマトグラフィーで単一スポットといて、ガスクロマ
トグラフィーで単一ピークとして検出された。
また、抽出における水−メタノール層を2N塩酸にて中
和後遠心分離して浮上油分を回収し、減圧下で溶剤を留
去して、脂肪酸96.1%を含む油分6.00kgを得た。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】魚油由来のアルカリ油滓より有機溶剤にて
    コレステロール含有画分を抽出し、該抽出液を吸着剤と
    接触させることによりコレステロールを該吸着剤に吸着
    させ、かつトリグリセライドを通過させ、次いで、吸着
    したコレステロールを熱有機溶剤で溶出し、この溶出液
    を冷却してコレステロールを析出させることを特徴とす
    るコレステロールの製造法。
  2. 【請求項2】アルカリ油滓からの抽出有機溶剤が炭素数
    5〜9の直鎖または脂環式炭化水素から選ばれる一種ま
    たは二種以上であり、吸着剤がシリカゲル、アルミナま
    たはフロリジルであり、コレステロールの溶出溶剤が炭
    素数1〜3のアルコール、炭素数3〜5のケトン、炭素
    数2〜4のエーテルおよび炭素数1〜2の塩素化炭化水
    素から選ばれる一種または二種以上である請求項1記載
    のコレステロールの製造法。
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