JP2649313B2 - 昇降装置 - Google Patents

昇降装置

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JP2649313B2
JP2649313B2 JP25410993A JP25410993A JP2649313B2 JP 2649313 B2 JP2649313 B2 JP 2649313B2 JP 25410993 A JP25410993 A JP 25410993A JP 25410993 A JP25410993 A JP 25410993A JP 2649313 B2 JP2649313 B2 JP 2649313B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工場などで各種被昇降
物を昇降させるために使用される昇降装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種昇降装置は、図6で示すよ
うに、基台A及び昇降台Bと、これら両者間に介装さ
れ、長さ方向中間部位が枢軸C1を介して交差状に連結
された一対の第1及び第2リフトアームD,Eとを備
え、これら両リフトアームD,Eの長さ方向一端側を、
それぞれ前記基台A及び昇降台Bの長さ方向一端側に枢
軸C2,C3を介して揺動可能に支持すると共に、前記
両リフトアームD,Eの長さ方向他端側には、前記昇降
台Bと基台Aに沿って転動される転動輪F,Gを支持さ
せている。また、前記第1リフトアームDと前記第2リ
フトアームEにおける転動輪Gの支持部位との間には、
これら両リフトアームD,Eを前記枢軸C1を支点とし
て上下揺動させるピストンロッドH1を備えた油圧式の
シリンダ装置Hを設けている。
【0003】そして、前記シリンダ装置Hのピストンロ
ッドH1を出退動作させて、この出退動作に伴い前記第
1リフトアームDを枢軸C2を中心に上下揺動させ、ま
た、これに連動して前記第2リフトアームEを枢軸C3
を中心に上下揺動させることにより、前記各転動輪F,
Gをそれぞれ前記昇降台Bと基台Aに沿って転動させな
がら、該基台Aに対し前記昇降台Bを昇降させるのであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、以上のよう
な従来の昇降装置によれば、前記シリンダ装置Hのピス
トンロッドH1を介して前記昇降台Bが基台Aに対し折
畳み位置から所定高さ以上に上昇されたときには、前記
ピストンロッドH1による比較的小さなリフト力で前記
昇降台Bを上昇させることができるのに対し、この昇降
台Bが折畳み位置近くにあって、該位置から上昇させる
ときには、非常に大きなリフト力を必要としたのであ
る。
【0005】つまり、図6の実線で示したように、前記
昇降台Bが基台Aに対し一定高さ以上に上昇されている
場合に、前記ピストンロッドH1が進出動作されて、こ
のピストンロッドH1と同方向の押圧力Pが前記第1リ
フトアームDに付与されたときには、該第1リフトアー
ムDの傾斜角度が大とされていることから、前記押圧力
Pの分力として前記第1リフトアームDを上方側に押し
上げる垂直方向上方に向かう大きなリフト力L1が発生
する。一方、同図の仮想線で示したように、前記昇降台
Bが折畳み位置近くに位置されている場合には、前記ピ
ストンロッドH1の進出動作によって前記場合と同一の
押圧力Pが第1リフトアームDに付与されるが、このと
き、該第1リフトアームDの傾斜角度は小となっている
ため、前記押圧力Pの分力によるリフト力L2は、前記
場合のリフト力L1に対し小となるのである。従って、
前記昇降台Bを折畳み位置近くから上昇させるべく、前
記ピストンロッドH1による非常に大きなリフト力を必
要とし、このため前記シリンダ装置Hとして大型のもの
を用いる必要があった。
【0006】また、以上の昇降装置を折畳んだときの全
体大きさを小さくするためには、前記第1及び第2リフ
トアームD,Eやシリンダ装置Hを水平状に倒伏させ
て、前記昇降台Bを基台Aに対し直線状に折り畳めば良
いのであるが、斯くする場合には、前記昇降台Bを折畳
み状態から上昇させるとき、前記ピストンロッドH1の
進出動作により、その進出方向と同方向の押圧力Pが前
記第1リフトアームDに付与されたとき、該第1リフト
アームDは水平状に折り畳まれているため、前記押圧力
Pによるリフト力が発生することなく、前記昇降台Bを
上昇させることができなくなるのである。従って、前記
昇降台Bを基台Aに対し直線状に折り畳んで小さくする
ことはできず、折畳み時に装置全体が大形化するのであ
り、このため、運搬などに不便であり、しかも、例えば
工場などで前記昇降装置の全体を地面に埋設状にセット
するとき、その埋設穴を大きくする必要があるなどの問
題があった。
【0007】さらに、以上の昇降装置では、前記ピスト
ンロッドH1の出退速度は一定であるのに対し、前記リ
フトアームDを折畳み位置と起立位置との範囲で揺動さ
せるとき、その範囲の各部における前記リフトアームD
による昇降台Bのリフト量が異なり、特に、前記折畳み
位置においては起立位置に対しリフト量が大となり、こ
のため、前記昇降台Bが上昇位置から前記折畳み位置へ
と下降されるとき、この折畳み位置近くにおいて、前記
昇降台Bの移動速度が大となって、該昇降台Bが前記基
台Aに衝突したりする問題もあった。
【0008】本発明は以上の問題に鑑みてなしたもの
で、その目的は、昇降台を基台に対し直線状に小さくコ
ンパクトに折り畳むことができて運搬などに便利とな
り、また、小形のシリンダ装置を用いながら前記昇降台
の昇降を行うことができ、しかも、前記昇降台が上昇位
置から折畳み位置へと下降されるとき、この昇降台が前
記基台に衝突したりするのも確実に阻止することができ
る昇降装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、基台1と昇降台2との間に介装する交差
状に枢着した一対の第1リフトアーム3及び第2リフト
アーム4と、これら両リフトアーム3,4をその枢着部
を支点にして揺動させるシリンダ装置7とを備え、該シ
リンダ装置7の出退動作で前記両リフトアーム3,4を
介して前記昇降台2を昇降させるようにした昇降装置に
おいて、前記両リフトアーム3,4の枢着部に、これら
リフトアーム3,4の一方と連動するカム板6を回転可
能に設けて、該カム板6に回転軸心からの距離を異にし
たカム面61を設け、このカム板6に、一端を前記シリ
ンダ装置7の可動側に結合した牽引帯8の他端を連結し
て、この牽引帯8を前記カム面61に掛設し、前記シリ
ンダ装置7の出退動作で前記牽引帯8を介して前記カム
体6を回転させて、前記リフトアーム3・4を揺動可能
とすると共に、前記カム面61の形状を、前記リフトア
ーム3・4の折畳み位置から起立位置に至る揺動に伴
い、これらリフトアーム3・4の揺動角度が前記シリン
ダ装置7の移動量に対して増大して、前記昇降台2のリ
フト量が一定となるように設定していることを特徴とす
るものである。
【0010】
【作用】前記基台1に対し昇降台2を上下昇降させると
きには、前記シリンダ装置7が出退動作されて、その可
動側に結合された牽引帯8が緊張・弛緩されることによ
り、前記両リフトアーム3,4の枢着部に支持されたカ
ム板6が回転され、このカム板6の回転に伴い前記両リ
フトアーム3,4の一方側が上下揺動されるのであり、
このとき、これら両リフトアーム3,4は前記カム板6
を介して互いに連動されていることから、前記両リフト
アーム3,4の一方側が上下揺動されるのに追従して他
方側も上下揺動され、これら両リフトアーム3,4の揺
動により前記昇降台2が基台1に対し上昇・下降される
のである。
【0011】即ち、前記昇降台2を基台1に対し上昇さ
せるときには、前記シリンダ装置7の進出動作に伴い前
記牽引帯8でカム板6が回転され、この回転力が前記両
リフトアーム3,4の一方側に伝達されて上方側へと揺
動され、これに伴い両リフトアーム3,4を介して前記
昇降台2の上昇が行われるのであるが、このとき、前記
牽引帯8は前記カム板6のカム面61に掛設され、しか
も前記カム面61の形状が、前記リフトアーム3・4の
折畳み位置から起立位置に至る揺動に伴い、これらリフ
トアーム3・4の揺動角度が前記シリンダ装置7の移動
量に対して増大して、前記昇降台2のリフト量が一定と
なるように設定されていることから、該昇降台2が折畳
み位置にあって、この位置から上昇される場合は勿論の
こと、前記昇降台2が如何なる位置にある場合でも、前
記シリンダ装置7により前記昇降台2に対し常に一定の
リフト力を付与することができるのである。つまり、前
記昇降台2が基台1に対し直線状に折り畳まれていて、
この位置から上昇される場合においても、前記牽引帯8
が前記カム面61に掛設された状態で、該カム面61に
沿って前記牽引帯8が前記シリンダ装置7の進出動作で
牽引され、これに伴い前記カム板6の回転が行われるこ
とにより、これらカム板6及び緊張帯8を介して前記昇
降台2に一定のリフト量でもって充分なリフト力を付与
することができるのであり、従って、前記昇降台2を基
台1に対し直線状にコンパクトに折り畳むことが可能と
なって運搬などに便利となり、しかも、従来のように、
折畳み位置近くにおいて大きなリフト力を必要とするこ
となく、一定のリフト力で前記昇降台2を上昇させるこ
とができることから、該昇降台2の昇降用として小形の
シリンダ装置7を用いることができるのである。
【0012】また、前記昇降台2を上昇位置から下降さ
せるときには、前述した場合とは逆に、前記シリンダ装
置7の後退動作に伴い前記牽引帯8が弛緩され、この牽
引帯8の弛緩により前記カム板6が前記昇降台2の荷重
で逆方向に回転され、このとき前記牽引帯8を前記カム
面61に順次掛設しながら回転されるのである。ところ
で、前記カム板6のカム面61は、前記シリンダ装置7
の移動量に対する前記昇降台2のリフト量が一定となる
ように設定され、この昇降台2が一定速度でもって下降
されることから、該昇降台2が前記基台1に衝突したり
するのを確実に阻止することができるのである。
【0013】
【実施例】図1,図2に示した昇降装置は、上方側が開
口された矩形箱状の基台1と、該基台1に対し上下昇降
される下方側が開口された矩形箱状の昇降台2と、内外
両側に配設され、長さ方向中間部が枢軸91を介して交
差状に連結された第1及び第2リフトアーム3,4の2
組とを備え、これら各組のリフトアーム3,4をそれぞ
れ前記基台1と昇降台2との左右両側に介装させてい
る。
【0014】また、前記各組第1リフトアーム3の下部
側は、左右方向に延びる連結部材51により連結一体化
させて、該連結部材51の左右両側を前記基台1の長さ
方向一側で内方左右両側に固定したブラケット11に回
転ピン12を介して揺動可能に支持させ、かつ、前記各
組第1リフトアーム3の上端側を平板状の連結板52に
より連結一体化すると共に、前記各組第1リフトアーム
3における連結板52の下部側には、長さ方向に延びる
長孔31をそれぞれ形成して、これら各長孔31間にシ
リンダ装置連結用シャフト32を、ベアリング33を介
装させた状態で固定ボルト34により上下移動可能に支
持させる一方、前記各組第1リフトアーム3の上端部に
は、外方に向けて突出する支持軸35を設け、該支持軸
35に転動輪36を回転可能に支持させ、この転動輪3
6を前記昇降台2の内部で左右両側に配設したレール2
1に沿って転動させるようにしている。
【0015】さらに、前記各組第2リフトアーム4は、
その上部側を前記昇降台2の長さ方向一側で内方左右両
側に固定したブラケット22に回転ピン23を介して揺
動可能に支持させると共に、前記各組第2リフトアーム
4の下端部には、外方に向けて突出する支持軸41を設
け、該支持軸41に転動輪42を回転可能に支持させ、
この転動輪42を前記基台1の左右両側で底面側に形成
したレール13に沿って転動させるようにしている。
【0016】そして、前記各組のリフトアーム3,4の
中間位置に、それぞれアームメタル92を貫通状に設け
て、これらメタル92に前記各枢軸91を挿通支持させ
ることにより、この各枢軸91を中心に前記各組リフト
アーム3,4を互いに揺動可能に連結させると共に、前
記各枢軸91を前記各組第1リフトアーム3の内方側に
突出させて、その先端側にそれぞれカム板6を回転可能
に支持させる一方、前記各組第2リフトアーム4におけ
る枢軸91の下部側位置には、これら各組第2リフトア
ーム4間を連結し、かつ、前記各カム板6が当接される
連動板53を設けるのである。
【0017】また、前記各第1リフトアーム3の下部側
に配設された前記連結部材51の中央位置で上部側に
は、シリンダ装置支持用ブラケット54を設けて、この
ブラケット54に前記カム板6を回転させるためのシリ
ンダ装置7を回転ピン55を介して揺動可能に支持させ
ると共に、前記シリンダ装置7から延びる作動杆71の
先端側には支持パイプ72を結合して、このパイプ72
を前記シャフト32に回動可能に挿嵌させる一方、この
シャフト32と前記各カム板6との間をそれぞれ牽引帯
8を介して連結させるのである。更に詳しくは、図3で
も明らかなように、前記各牽引帯8として例えばチエン
を使用し、これら各チエン8の長さ方向一端側にそれぞ
れ連結具81を結合して、該各連結具81を前記シャフ
ト32の長さ方向両側に貫通させ、その貫通端部にナッ
ト82を螺締することにより前記各チエン8の一端側を
前記シャフト32側に固定し、一方、前記チエン8の他
端側は前記カム板6の外周一側部にジョイント83を介
して結合させる。
【0018】さらに、前記カム板6の外周面には、その
枢軸91の軸心Oからの距離が異なるカム面61を形成
し、該カム面61に沿って前記チエン8を掛設させるの
であって、つまり、このカム面61は、図1,図3で明
らかなように、前記第1リフトアーム3が起立位置近く
に位置されたとき、前記チエン8が当接されるカム板6
の外周部位と前記枢軸91の軸心Oまでの距離D1を最
小となし、また、前記第1リフトアーム3が折畳み位置
近くに位置されたとき、前記チエン8が当接されるカム
板6の外周部位と前記枢軸91の軸心Oまでの距離D2
を最大として、前記最小距離D1の外周部位から前記最
大距離D2の外周部位にかけて距離を徐々に連続状に増
加させて、このときの増加率が、前記リフトアーム
(3)(4)の折畳み位置から起立位置に至る揺動に伴
い、これらリフトアーム(3)(4)の揺動角度が前記
作動杆71の進出量に対して増大して、前記昇降台
(2)のリフト量が一定となるように設定しているので
ある。
【0019】即ち、図4で明らかにしたように、前記作
動杆71の進出に伴う前記第1リフトアーム3の先端側
の揺動位置をY1〜Y4とし、この揺動位置Y1〜Y2
の範囲におけるリフト量をZ1とし、Y2〜Y3の範囲
におけるリフト量をZ2とし、Y3〜Y4の範囲におけ
るリフト量をZ3としたとき、前記各揺動位置Y2〜Y
4間におけるリフトアームの揺動角度X1〜X3を前記
作動杆71の進出に伴い順次増大させて、前記各リフト
量Z1〜Z3がそれぞれ一定となるように前記カム面6
1を形成するのである。尚、図3においては、前記カム
板6の外周部で最大距離D2となる部位の一側外方側
に、前記連動板53に当接される押当部62を一体に設
け、また、前記カム板6の外周部で最小距離D1となる
部位の他側外方側には、前記チエン8が結合される前記
ジョイント83を設けている。
【0020】また、前記シリンダ装置7としては、例え
ばねじ式シリンダタイプのものを使用するのであり、つ
まり、図5で示したように、ギヤケース73をもつシリ
ンダ本体74とモータ75とを備え、前記ギヤケース7
3とシリンダ本体74との内部に、外周一側部にねじ部
76aが形成された回転軸76を支持すると共に、前記
シリンダ本体74の内部に、前記ねじ部76aに螺合す
る内ねじをもった筒状とされ、先端側に前記支持パイプ
72が結合された作動杆71を移動自由に設ける一方、
前記回転軸76におけるねじ部76aの形成側とは反対
側部分と、前記モータ75から前記ギヤケース74内に
突入されたモータ軸77との間に減速歯車機構78を設
けている。尚、前記モータ75には電磁ブレーキ79を
設けている。そして、前記モータ75の駆動に伴うモー
タ軸77の回転により、前記減速歯車機構78を介して
前記回転軸76を回転させ、この回転軸76の回転に伴
いそのねじ部76aに螺合された前記作動杆71を回転
させながら、該作動杆71を前記シリンダ本体74に対
し進退移動させるようにしている。
【0021】以上のようなねじ式シリンダタイプのシリ
ンダ装置7を使用する場合には、高価な油圧式シリンダ
装置を用いる場合に較べて装置全体を安価にでき、ま
た、油圧式のものを用いる場合のように油漏れによる前
記昇降台2の自然降下を招いたりするのを防止できる。
【0022】次に、以上の構成による作用について説明
する。先ず、前記基台1に対し昇降台2を折畳み位置か
ら上昇させるときには、前記シリンダ装置7の作動杆7
1がモータ75の駆動により進出動作されて、この作動
杆71の進出動作に伴い前記シャフト32が前記第1リ
フトアーム3に形成された長孔31に沿って上方に移動
され、前記シャフト32に結合された前記チエン8が緊
張される。また、このチエン8の緊張により前記第1リ
フトアーム3の枢軸91に支持された前記カム板6が強
制的に回転され、このカム板6の回転力が前記押当部6
2と連動板53とを介して前記第2リフトアーム4側に
伝達され、該第2リフトアーム4が前記枢軸23を中心
として上方に起立状に揺動されるのであり、このとき、
この第2リフトアーム4は前記枢軸91を介して第1リ
フトアーム3に連結されていることから、前記第2リフ
トアーム4が揺動されるのに追従して第1リフトアーム
3側も前記枢軸12を中心に上方側へと揺動され、これ
ら両リフトアーム3,4の上方側への揺動により、その
上端側に支持された転動輪36,42がそれぞれ前記昇
降台2と基台1に設けたレール21,13に沿って転動
されながら、前記昇降台2が基台1に対し上昇されるの
である。
【0023】そして、前記昇降台2が折畳み位置から上
昇されるとき、図3で示すように、前記チエン8が前記
カム板6におけるカム面61の全面に掛設され、また、
このカム面61は、前記両リフトアーム3,4が折畳み
位置にあるとき、前記枢軸91の軸心Oからの距離が最
大距離D2で、前記両リフトアーム3,4が起立位置に
あるとき、前記枢軸91の軸心Oからの距離が最小距離
D1となり、これら最大距離D2から最小距離D1にか
けての距離が徐々に連続状に減少し、このときの減少率
が、図4で示したように、前記シリンダ装置7における
作動杆71の出退量に対し、前記昇降台2の各部におけ
るリフト量Z1〜Z3を一定ならしめるように設定され
ているため、該昇降台2が折畳み位置から上昇される場
合は勿論のこと、この昇降台2が如何なる位置から上昇
される場合でも、前記シリンダ装置7の作動杆71によ
り前記カム板6とチエン8を介して昇降台2に対し常に
一定のリフト力を付与することができるのである。つま
り、前記昇降台2が基台1に対し直線状に折り畳まれて
いて、この位置から上昇される場合においても、前記カ
ム板6とチエン8を介して前記昇降台2に一定のリフト
量でもって充分なリフト力を付与することができるので
あり、従って、図1の仮想線で示すように、前記昇降台
2を基台1に対し直線状にコンパクトに折り畳むことが
可能となって運搬などに便利となり、しかも、従来のよ
うに、折畳み位置近くにおいて大きなリフト力を必要と
することなく、一定のリフト力で前記昇降台2を上昇さ
せることができることから、該昇降台2の昇降用として
小形のシリンダ装置7を用いることができるのである。
【0024】また、前記昇降台2が上昇位置から折畳み
位置へと下降されるときには、前述した場合とは逆に、
前記シリンダ装置7の作動杆71が後退動作されて前記
チエン8が弛緩され、このチエン8の弛緩により前記カ
ム板6が前記昇降台2の荷重により逆方向に回転され、
このとき前記チエン8は前記カム面61の最小距離D1
位置から最大距離D2位置側へと掛設されながら回転さ
れるのである。ところで、前記カム板6のカム面61
は、前記作動杆71の出退量に対する前記昇降台2のリ
フト量が一定となるように設定され、つまり、前述した
ように、前記作動杆71の出退量に対して前記昇降台2
の各部におけるリフト量Z1〜Z3を一定ならしめるよ
うに設定されているため、前記昇降台2を一定速度でも
って下降させることができ、該昇降台2が前記基台1に
衝突したりするのを確実に阻止することができる。
【0025】以上の実施例では、前記シリンダ装置7と
してねじ式シリンダタイプのものを使用したが、本発明
では、油圧式のものを用いることも可能であり、また、
前記牽引帯8としては、チエン以外に例えば紐体などを
使用することも可能である。さらに、以上の実施例にお
いては、前記カム板6を第1リフトアーム3の枢軸91
に支持させ、このカム板6の押当部62を前記第2リフ
トアーム4側に架設した連動板53に当接させるように
したが、本発明では、前記カム板6を第2リフトアーム
4側に支持させ、かつ、前記第1リフトアーム3側に連
動板53を設けて、該連動板53に前記カム板6の押当
部62を当接させるようにしてもよいのである。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、基台1
と昇降台2との間に介装する交差状に枢着された一対の
第1及び第2リフトアーム3,4と、この両リフトアー
ム3,4をその枢着部を支点にして揺動させるシリンダ
装置7とを備え、該シリンダ装置7の出退動作で前記両
リフトアーム3,4を介して前記昇降台2を昇降させる
ようにした昇降装置において、前記両リフトアーム3,
4の枢着部に、これらリフトアーム3,4の一方と連動
するカム板6を回転可能に設けて、該カム板6に回転軸
心からの距離を異にしたカム面61を設け、このカム板
6に、一端を前記シリンダ装置7の可動側に結合した牽
引帯8の他端を連結して、この牽引帯8を前記カム面6
1に掛設し、前記シリンダ装置7の出退動作で前記牽引
帯8を介して前記カム体6を回転させて、前記リフトア
ーム3・4を揺動可能とすると共に、前記カム面61の
形状を、前記リフトアーム3・4の折畳み位置から起立
位置に至る揺動に伴い、これらリフトアーム3・4の揺
動角度が前記シリンダ装置7の移動量に対して増大し
て、前記昇降台2のリフト量が一定となるように設定し
たから、該昇降台2が折畳み位置にあって、この位置か
ら上昇される場合は勿論のこと、前記昇降台2が如何な
る位置にある場合でも、前記シリンダ装置7により前記
昇降台2に対し常に一定のリフト力を付与できるのであ
る。つまり、前記昇降台2が基台1に対し直線状に折り
畳まれていて、この位置から上昇される場合において
も、前記シリンダ装置7の出退動作に連動するカム板6
及び緊張帯8により前記昇降台2に常に一定のリフト量
でもって充分なリフト力を付与することができ、このた
め、前記昇降台2を基台1に対し直線状にコンパクトに
折り畳むことが可能となって、運搬などに便利ならしめ
ることができ、また、従来のように、折畳み位置近くに
おいて大きなリフト力を必要とすることなく、一定のリ
フト力で前記昇降台2を上昇させることができることか
ら、該昇降台2の昇降用として小形のシリンダ装置7を
使用することができる。しかも、前記昇降台2は、前記
カム板6のカム面61を介してリフト量が一定となるよ
うに設定され、前記昇降台2が一定速度でもって下降さ
れることから、この昇降台2が前記基台1に衝突したり
するのも確実に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる昇降装置を一部切欠いて示す側
面図である。
【図2】同昇降装置の分解斜視図である。
【図3】カム板の拡大正面図である。
【図4】本発明による昇降台のリフト量を説明する説明
図である。
【図5】ねじ式シリンダタイプのシリンダ装置を示す断
面図である。
【図6】従来の昇降装置を模式的に示す図面である。
【符号の説明】
1 基台 2 昇降台 3 第1リフトアーム 4 第2リフトアーム 6 カム板 61 カム面 7 シリンダ装置 8 牽引帯

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基台(1)と昇降台(2)との間に介装
    する交差状に枢着した一対の第1リフトアーム(3)及
    び第2リフトアーム(4)と、これら両リフトアーム
    (3)(4)をその枢着部を支点にして揺動させるシリ
    ンダ装置(7)とを備え、該シリンダ装置(7)の出退
    動作で前記両リフトアーム(3)(4)を介して前記昇
    降台(2)を昇降させるようにした昇降装置において、 前記両リフトアーム(3)(4)の枢着部に、このリフ
    トアーム(3)(4)の一方と連動するカム板(6)を
    回転可能に設けて、該カム板(6)に回転軸心からの距
    離を異にしたカム面(61)を設け、このカム板(6)
    に、一端を前記シリンダ装置(7)の可動側に結合した
    牽引帯(8)の他端を連結して、この牽引帯(8)を前
    記カム面(61)に掛設し、前記シリンダ装置(7)の
    出退動作で前記牽引帯(8)を介して前記カム体(6)
    を回転させて、前記リフトアーム(3)(4)を揺動可
    能とすると共に、前記カム面(61)の形状を、前記リ
    フトアーム(3)(4)の折畳み位置から起立位置に至
    る揺動に伴い、これらリフトアーム(3)(4)の揺動
    角度が前記シリンダ装置(7)の移動量に対して増大し
    て、前記昇降台(2)のリフト量が一定となるように設
    定していることを特徴とする昇降装置。
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