JPS6250399B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の詳細な説明〕 本発明は、車両によりけん引されて運搬される
運搬型のクレーンに関するものである。

実開昭51−102166号公報、実公昭46−8193号公
報等に示される従来の運搬型のクレーンは、クレ
ーン使用時も運搬用車輪が接地し、該車輪を通じ
て荷重が地面へ伝達されるから、クレーンの安定
が悪く、車輪の強度も荷役荷重に耐え得るもので
なければならない。従来、クレーンの安定をはか
り、かつ、運搬用車輪に荷役荷重が掛らないよう
にするには、ジヤツキアツプ等の面倒な作業が必
要であつた。

本発明はこのような従来技術の欠点を解消する
ことを目的とし、けん引車に連結するための連結
部材を一端に有するほぼ水平なフレームと、該フ
レームにほぼ垂直な軸線まわりに旋回可能に支持
されたマストとを備え、該マストは、それぞれほ
ぼ水平な枢軸線をもつて互に枢動可能に直列に連
結された一連の複数のビームから成り、下端の該
ビームは上記フレームにほぼ水平な枢軸線をもつ
て枢着され、上記マストを伸展し、かつ、折りた
たむための上記フレームと上記マストの上記下端
のビームとの間、および隣接する上記ビームの間
にそれぞれ連結された複数のアクチユエータを備
え、上記下端のビームに運搬用車輪が取りつけら
れ、該下端のビームが上記フレームにほぼ平行な
位置まで折りたたまれた時、上記運搬用車輪が上
記フレームの下方で接地してクレーンの運搬が可
能となり、上記下端のビームが上記フレームから
立上がることにより、上記運搬用車輪が上記フレ
ームの上方へ移動して上記マストおよび運搬用車
輪が上記フレームに妨げられることなく上記ほぼ
垂直な軸線まわりに旋回可能となる、運搬型のク
レーンを提供する。

本発明の運搬型クレーンは、クレーン使用時に
は運搬用車輪が接地しないから、クレーンが安定
するとともに、運搬用車輪が荷役荷重を受けな
い。

本発明の運搬型クレーンは、運搬用車輪の運搬
時と荷役時との間の位置変換が、荷役用マストの
ビームの位置変換に伴つて自動的に行われるか
ら、構造が単純化されるとともに、クレーンの運
搬および荷役のための準備作業が簡略化される。

本発明の実施例を添付の図面を参照して説明す
る。

図面、特に第１図及び第２図を参照すると、フ
レーム即ちベース１１、ターンテーブル組立体１
２（第９図）、マスト１３（第５図）及び安定用
はね出し部材１４によつて基本構造が出来ている
運搬型のクレーン１０が図示されており、各部材
のそれぞれは主に鋼で出来ている。

図に示されたフレーム１１は横断面が中空にな
つた細長い矩形状のビームから構成されている。
前方端には延長部材１６を有し、小穴状の引つか
け部材１７の構造をした結合部材を含んでいる。
延長部材１６は調整用のハンドホイール１８を回
転させることによつてフレーム１１の本体に関し
て垂直方向に調整可能であるが、このホイール１
８は塔１９の内部においてよく知られた態様で延
長部材上に支えられたナツト（図示してない）を
操作することによつて動かされる。第９図を参照
すると、フレームの後方端はターンテーブル組立
体１２の中に受入れられ又適当に溶接される。

ターンテーブル組立体１２は固定ベース２１と
テーブル２２とから構成された一対のほぼ円形の
溶接物から成る。テーブル２２は、該テーブルに
固定されベース内で回転可能なキングピン２４に
よつて形成された中央の垂直軸２３のまわりを回
転すべく、ベース２１の上に支持されている。テ
ーブル２２はその上面とこれから垂れ下る円筒形
状の垂れ部材２７とを形成している円形のプレー
ト２６を含む、垂れ部材２７の周囲には３組のロ
ーラ２８が（第９図には１組のみの断面が示され
ている）120゜間隔をもつて周方向に間隔をあけ
られており、このローラがベース２１の上側面上
の円形プレート２９の縁部の対向した面に係合す
ることによりテーブル２２を垂直方向に支持す
る。

マスト１３はその基部において、水平な中心軸
を形成しているトラニオン・マウント３１（第６
図及び７図）上でテーブル２２に対して枢動が可
能である。マスト１３は複数の関節によつてつな
がれたビームから成り、これらトラニオン３１に
よつてテーブル２２上に取付けられた第１のビー
ム３２を含んでいる。これに続いてビーム３３及
び３４が平行な枢軸３６及び３７（第５図）にお
いて共にリンク結合されている。各ビーム３２，
３３，３４は平行な側方部片３２ａ及びｂ；３３
ａ及びｂ；３４ａ及びｂ（第１図）を備えたはし
ご形の構造をしている。交叉部片３２ｃ，３３ｃ
及び３４ｃはこれらに連結する側方部片を固く結
合する。第２及び第３のビーム３３及び３４はそ
れぞれビーム３２及び３３（順不同）よりも幾分
狭くできており、互いに装着し合う側方部片はそ
れよりも一つ先のビームの側方部片の中へと重な
つて嵌り込むようになつている。マスト１３の各
ビームは、アクチユエータ３２ｄ，３３ｄ及び３
４ｄの手段によつて個々に分離して操作される。
第１のビーム３２は一対の横方向に間隔をあけら
れた運搬用車輪４１を有している。車輪は、円筒
形のハウジング４３の内部でトーシヨンバネに取
付けられたけん引アーム４２によつて個々に懸架
されている。

はね出し部材１４は矩形の横断面をしたチユー
ブ５２の内部に入れ子式に挿入された一対のビー
ム５１から成る。チユーブ５２はそれぞれターン
テーブル・ベース２１内に連結された垂直なヒン
ジピン５３に枢着されている。はね出しビーム５
１の外側に伸びた端部即ち自由端は手動ホイール
で操作される高さ調節ねじ即ちジヤツク５４に装
着される。チユーブ５２は地面に平行な水平面内
においてピン５３上で枢動を行うよう制限される
ため、それによつて支持されたはね出しビーム５
１もまたこの平面内で枢動を行うように制限され
る。第８図中に示してあるように安定部材即ちは
ね出しビーム５１はチユーブ５２を通つてフレー
ム１１の中へと引込むことができ、その際フレー
ムの中でチユーブ５２は当該フレームに対して平
行に整列する。

テーブル２２の角度位置はカム５６及び５７に
よつてはね出し部材１４の角度位置に対し固定さ
れる。中央のカム５６はキングピン２４に固定さ
れ、他のカム５７は案内用のチユーブ５２と一体
的に形成される。第８図に図示されているカム５
６の角度位置はマスト１３がフレーム１１と平行
な整列関係にある時に相当し、このためマストの
重心はフレームに重なつた位置にあることにな
る。第８図を見ると、両チユーブ５２が図示の隣
接した位置から約45゜の角度だけ横向き外方向へ
互に逆方向に回転するまで、テーブル２２はこの
休止位置から動くことはできないことがわかるで
あろう。はね出しビーム５１は、当該両はね出し
ビームは、フレーム１１の外へ完全に引出された
後、第２図に示す様な横方向に間隔をあけた位置
へ展開され得る。さらに、テーブル２２と組合さ
れたカム５６は両はね出し部材１４が横方向に間
隔をあけられた第２図の位置から第８図に示され
た引込み位置まで戻るのを防止するが、この作用
は、マスト１３がフレーム上方の休止位置から外
れ大円形部分５８又は小円形部分５９のいずれか
がカム５７の縁部６０に抵触する時は常に行わ
れ。

第３図及び７図には運搬及び格納をしようとす
る状態にある運搬型のクレーンが示してある。引
つかけ部材１７は、通常の引つかけ部の付いたト
ラツクの様な適当な車両の後部にある連結部６１
につながつている。この形態においては、連結が
行われている延長部材１６はフレーム１１と同一
平面上にあり、また第１のビーム３２はフレーム
にまたがつて重なり、運搬用の車輪が地面６３に
接しフレームが路面（地面）との間に適当な間隔
をもつようにするため幾分か持上げられる様にし
ている。この位置においては、末端のピボツト点
３１及び３６の間の直線で示された第１のビーム
はフレーム１１に対してほぼ平行である。第３の
ビーム３４は第２のビーム３３の中へ折畳まれ、
またこれらビームの双方は第１のビーム３２の中
へ畳み込まれる。フレーム１１上には解除可能な
ラツチ（図示してない）が設けられ、引込みけん
引位置にビームピボツト点３６があり運搬中はマ
ストのこの部分をフレームに固定する。

クレーン１０は仕事場と仕事場との間をこの様
な態様で引き動かされる。クレーンが必要な場所
に置かれると、先ず手動ホイール１８を操作し延
長部材１６に対してフレーム１１を押下げること
によつてクレーン自体を立上らせる。第１のビー
ム３２に組合されているアクチユエータ３２ｄ
は、第１のビームを起上らせ、これにより車輪４
１をフレーム１１に対して持上げ、そしてこのフ
レームを地面近くまで押下げる。第５図中におけ
るこの状態の下ではね出しビーム５１をフレーム
１１の内部から引出しこれを横方向へ旋回させる
ことによつてはね出し部材１４は展開される。第
１のビーム３２はフレームを地面に到達させるた
めにさらに持上げられ、またジヤツキ５４がクレ
ーンが置かれた場所の地形に合わせるために手動
調整される。

図に示された実施例においては、ビームアクチ
ユエータ３２ｄ，３３ｄ，３４ｄは流体作動方式
による、通常の構成をした往復ピストンやシリン
ダユニツトを含んでいる。これらのアクチユエー
タ３２ｄ，３３ｄ，３４ｄは、第６図中において
符号３２ｅ，３３ｅ，３４ｅで図式的に示された
個々の制御バルブによつて選択的に操作される。
各ビームに対になつて設けられたアクチユエータ
３２ｄ，３３ｄ，３４ｄは適当な流体導管系によ
つてそれぞれの制御バルブに平行に結合される。
これらのアクチユエータのための加圧液体は、手
動ポンプ又は動力駆動方式による流体ポンプによ
つて生成供給される。個々のバルブ３２ｅ，３３
ｅ，３４ｅを用いる代りに、アクチユエータ３２
ｄ，３３ｄ及び３４ｄは適当な制御回路によつて
操作されてもよい。

第２及び第３のビーム３３及び３４は、第１図
において鎖線で表わされている様にマストが完全
に延長する必要がある時に、それらビームが折畳
まれている状態から実質的に180゜の角度でそれ
ぞれのピボツト点３６及び３７を中心として旋回
運動できる様に構成される。この180゜の回転運
動は一組のピボツトリンク７２，７３及び７４，
７５にアクチユエータ３３ｄ及び３４ｄがそれぞ
れ作用することによつて行われる。第５図は数個
のビーム３２乃至３４の運動経路を円弧状の鎖線
で示したものである。ビーム３２及び３４が垂直
面内でピボツト運動するのに加えて、マスト１３
はキングピン２４の中心軸２３のまわりを360゜
回転（方角を変える回転）を行うことができる。
ターンテーブル・ベース２２に対して固定された
プレート６８上に取付けられたキアボツクス（図
示してない）を駆動する手動ハンドル６７（第６
図及び７図）は適当なスプロケツト及びチエーン
駆動部材又は他の部材によつてテーブル２２に連
結され、テーブル従つてマストを中心軸２３のま
わりに回転させる。

このマスト１３によつて作業するには多くのや
り方があり、最も外方にあるビーム３４（第１
図）の自由端（符号６９で示す）にチエーン又は
ケーブルを通して荷を吊り、マストを操作するこ
とによつて荷を動かすというやり方もある。また
この自由端に手動操作できるホイスト７１を取付
けたり、或は固定板６８上の動力作動ウインチか
らマストの自由端６９を経由して伸びるケーブル
（図示してない）をビーム３２，３３，３４に沿
つて適当な方法で配置したりして荷を動かすこと
もできる。

第５図中に示されている様に、マストが延長さ
れた時の長さはフレーム１１と引かけ用の延長部
材１６との長さをつなぎ合わせたものよりも大き
く、例えばフレームと延長部材の約２倍の長さに
なる。その結果、マストがフレームの後端部近く
に枢着されているにもかかわらず、マストは引つ
かけ部材を楽に超えて前方に伸びることができ、
マストがこれをけん引する車両に荷の積みおろし
を行うことができる。ターンテーブル組立体１２
とマスト１３とは、この様な荷の積みおろし作業
の間に、通常第５図に示された向きからターンテ
ーブルの中心軸２３のまわりを180゜回転され
る。それぞれのビームに組合わされたアクチユエ
ータにより屈伸される枢軸３１，３６及び３７に
おけるマスト１３の複数の関節によつて、マスト
を垂直方向に或は水平方向に最大限に引伸ばされ
た形態や、マストと持上げられるべき荷との間に
ある障害物を避けることの可能な折畳み形態等
に、マストの形態を容易に変えることができる。
さらに、外側のビーム３３及び３４がそれよりも
一つ前にあるビーム３２及び３３のそれぞれの上
に折畳むようになつた複数の関節構造から成るマ
ストは、コンパクトであり且つ又重心が低い、け
ん引したり格納したりするのに理想的な状態のユ
ニツトを提供している。作動中のクレーンにけん
引車６２が連結されたままであるという場合に
は、横方向の最大の安定を得るためにははね出し
部材１４はそれぞれフレーム１１の長手方向から
90゜の角度をもつて引き伸ばされていてもよく、
この場合けん引車が安定を図る役割を果たす。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による運搬型クレーンの斜視
図である。第２図は、第１図のクレーンの平面図
である。第３図は、マストが完全に折りたたまれ
た状態にありけん引車に連結されたクレーンの側
面図である。第４図は、マストが途中まで立上つ
たクレーンを示す第３図と同様の図である。第５
図は、マストが引伸ばされたクレーンを示す側面
図である。第６図は、マストが折りたたまれた状
態にあるクレーンの比較的詳細な平面図である。
第７図は、第６図に相当する立面図である。第８
図は、一対のはね出し部材とターンテーブル部材
とを一部断面図で示す平面図である。第９図は、
マストを垂直軸線まわりに回転可能に支持するタ
ーンテーブルの横断面図である。 符号の説明、１１……フレーム、１２……ター
ンテーブル組立体、１３……マスト、１４……は
ね出し部材、２２……ターンテーブル、３２，３
３，３４……ビーム。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ けん引車に連結するための連結部材を一端に
   有するほぼ水平なフレームと、該フレームにほぼ
   垂直な軸線まわりに旋回可能に支持されたマスト
   とを備え、該マストは、それぞれほぼ水平な枢軸
   線をもつて互に枢動可能に直列に連結された一連
   の複数のビームから成り、下端の該ビームは上記
   フレームにほぼ水平な枢軸線をもつて枢着され、
   上記マストを伸展し、かつ、折りたたむため上記
   フレームと上記マストの上記下端のビームとの
   間、および隣接する上記ビームの間にそれぞれ連
   結された複数のアクチユエータを備え、上記下端
   のビームに運搬用車輪が取りつけられ、該下端の
   ビームが上記フレームにほぼ平行な位置まで折り
   たたまれた時、上記運搬用車輪が上記フレームの
   下方で接地してクレーンの運搬が可能となり、上
   記下端のビームが上記フレームから立上がること
   により、上記運搬用車輪が上記フレームの上方へ
   移動して上記マストおよび運搬用車輪が上記フレ
   ームに妨げられることなく上記ほぼ垂直な軸線ま
   わりに旋回可能となる、運搬型のクレーン。