JP2647749B2 - 作業車の旋回装置 - Google Patents

作業車の旋回装置

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JP2647749B2
JP2647749B2 JP3055401A JP5540191A JP2647749B2 JP 2647749 B2 JP2647749 B2 JP 2647749B2 JP 3055401 A JP3055401 A JP 3055401A JP 5540191 A JP5540191 A JP 5540191A JP 2647749 B2 JP2647749 B2 JP 2647749B2
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田中  滋
正昭 西中
弘 鈴木
勝美 伊藤
良三 黒岩
一夫 打越
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一対の走行装置と、前
記走行装置を浮上させるように下降する下降状態と、前
記走行装置を接地させるように上昇する上昇状態とに昇
降自在で、且つ、前記下降状態において前記旋回中心を
形成する一対の昇降式接地体とが設けられている作業車
の旋回装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような作業車の旋回装置は、例え
ば、芝刈りや清掃等の作業を自動的に行うときに用いら
れる。つまり、作業地の一端側から他端側に向かって走
行を繰り返す、いわゆる往復走行を行うときに、隣接す
る次の作業行程に作業車を移動するために作業車を旋回
させる場合などに用いられる。ところで、旋回の方向は
左右両側の2通りあるので昇降式接地体は一対必要とな
る。この種の作業車の旋回装置において、従来では、例
えば、実開平1‐87083号公報に示されるように、
車体の左右両側の各走行装置が、夫々複数の車輪を前後
方向に並列配置させて構成され、且つ、前記各昇降式接
地体が、車体の前後中間位置の左右各走行装置の車体内
方側に位置する状態で設けられるものがあった。又、前
記従来例では、昇降式接地体を下降状態と上昇状態とに
切り換えるための機構やアクチュエータは、昇降式接地
体夫々に別個に設けられる構成となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例において
は、車体重心位置に近い略中央位置に昇降式接地体が配
置されている為、旋回中心側の走行装置を浮上させた際
に、昇降式接地体による車体の支持荷重が大きくなり、
旋回走行時に例えば芝面等の接地面を傷めてしまうとい
う不利があり、しかも、上記したように走行装置が多輪
式で構成される結果、昇降式接地体を接地させて旋回す
る際に、接地側の走行装置における各車輪が地面上を横
滑りしながら旋回するものとなり、更に、接地面を傷め
てしまうという欠点がある。しかも、上記従来技術で
は、昇降式接地体を下降状態と上昇状態とに切り換える
ための機構やアクチュエータが左右の昇降式接地体に対
して各別に2組必要なので構成が複雑となる欠点もあっ
た。本発明の目的は、上記従来欠点を解消して、車体の
旋回にともなう接地面の傷みを抑制できるようにしなが
ら、しかも、作業車の旋回装置の構成を簡素化すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明による作業車の旋回装置の特徴構成は、前記一対
の走行装置が夫々車輪で構成されるとともに、各走行装
置の車体前方側に操舵用の1つの前輪が備えられ、前記
各昇降式接地体が、前記一対の走行装置のうちの一つを
昇降させるように、前記一対の走行装置どうしの間にお
ける昇降させる走行装置の横側方に近接した箇所で、か
つ、その走行装置の回転軸芯よりも後方側の位置に配置
され、且つ、前記一対の昇降式接地体の夫々を前記上昇
状態に付勢する付勢手段が設けられ、前記一対の昇降式
接地体の夫々に接当する回転式のカムが設けられ、前記
カムの回転に伴って前記一対の昇降式接地体の一方を選
択して前記下降状態に切り換えるように構成されている
ことである。
【0005】
【作用】複数の走行装置を操舵用の一つの前輪と左右二
つの後輪とを設けて構成し、その二つの後輪のうちの一
つを昇降させるように、二つの後輪どうしの間における
昇降させる後輪の横側方に近接した箇所に昇降式接地体
を配置したので、後進時にその昇降式接地体が他物に衝
突して損傷するおそれが少なく、また、二つの後輪どう
しの間のうちの二つの後輪の回転軸芯よりも後方側の位
置に昇降式接地体を配置したので、昇降式接地体を下降
させると、その昇降式接地体と操舵用の一個の前輪と駆
動用の一個の後輪との3点で車体が必ず支持され、前輪
の操舵と後輪の駆動でその車体を確実に旋回させること
ができ、車輪の横滑り等の生じない状態で円滑が旋回走
行が可能となる。しかも、二つの後輪の回転軸芯よりも
後方側の、車体重心位置から遠い位置に昇降式接地体を
配置したので、昇降式接地体による支持荷重が減少し
て、それだけ、旋回時に接地面を傷めるおそれが少ない
ものになる。
【0006】そして、左右いずれの側に作業車を旋回さ
せるときは、1つの回転式のカムを回転させることによ
って、一対の昇降式接地体が選択的に下降状態に切り換
えられて、下降した昇降式接地体により旋回中心が形成
され、走行装置を駆動すれば希望の方向に旋回できる。
尚、作業車を走行させるときは、昇降式接地体が共に上
昇状態になるようにカムを回転させればよい。
【0007】
【発明の効果】従って、3点支持状態で車体の姿勢が安
定した状態で旋回走行を行えるとともに、旋回時におい
て昇降式接地体により接地面を傷めるおそれが少なく、
車体の旋回にともなう走行装置の接地面に対するスリッ
プを少なくすることができるので、車体の旋回にともな
う接地面の傷みを抑制できる。しかも、左右いずれの側
に作業車を旋回させるときも同一のカムを回転させれば
よく、一対の昇降式接地体のいずれかを選択的に下降さ
せて旋回させるための機構やアクチュエータを共通化さ
せることで、それらが各別に設けられる従来構成に較べ
て、簡素な構成で済ませることができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明を小型の芝刈り用の作業車に適
用した場合における実施例を図面に基づいて説明する。
図3及び図4に示すように、車体Vの前部に、電動モー
タM1によって操向操作される単一の前輪1Fが取り付
けられ、車体Vの後部に、左右一対の駆動後輪1L,1
Rが取り付けられている。
【0009】車体Vの略中央下部に、エンジンEによっ
て回転駆動される芝刈り用の回転刃体2が取り付けられ
ている。尚、詳述はしないが、前記エンジンEは、駆動
ケース3を介して左右一対の駆動後輪1L,1Rを駆動
するようになっている。又、前記左右一対の駆動後輪1
L,1Rは、差動装置を備えず左右を同時に回転駆動さ
れるようになっている。
【0010】車体Vの前部には、未刈り芝の有無を検出
する三個の倣いセンサS1,S2,S3が機体横幅方向
に並ぶ状態で取り付けられている。但し、左右両端のセ
ンサS1,S3は前輪1Fの後方側に位置し、中央のセ
ンサS2は前輪1Fよりも前方に位置するように配置さ
れている。倣いセンサS1,S2,S3について説明を
加えれば、いわゆるフォトインタラプタ式に構成されて
いるものであって、左右方向に間隔を隔てて対向配置さ
れた光源と受光器との間を透過する光が未刈り芝によっ
て遮断されるか否かに基づいて、センサが取り付けられ
た箇所が未刈り地Aであるか既刈り地Bであるかを判別
できるようにしているのである。そして、センサを車体
横幅方向に三個並べてあるのは、未刈り地Aと既刈り地
Bとの境界L(図5参照)に沿って自動走行させるため
に、前記境界Lに対して左右何れの方向にずれているか
を判別したり、車体Vを自動走行させる際に、作業行程
の端部に達したか否かの判別をも行えるようにするため
である。又、車体Vの後部には、地磁気センサS0が取
り付けられている。
【0011】図5に示すように、上述の芝刈り用作業車
は、周囲を既刈り地Bで囲まれた未刈り地Aを作業範囲
として、未刈り地Aと既刈り地Bとの境界Lに沿って、
作業地の一端側から他端側に向かって走行し、端部に達
するに伴って未刈り側に旋回して隣接する次の作業行程
を逆行することを繰り返して、いわゆる往復走行を行う
ことにより、所定範囲の芝刈り作業を自動的に行うよう
に構成されている。ところで、基本的に境界Lは直線で
あり、その直線が地磁気の向きJとなす角度が作業車の
走行の基準方位角θsとなる(以下、角度は右回りを正
とする)。又、未刈り地Aと既刈り地Bとの境界Lに沿
って作業範囲の一端側から他端側に向かって走行して作
業範囲の端部に達すると周囲が既刈り地Bになっている
ことから、前記三個の倣いセンサS1,S2,S3の全
部が既刈り地Bを検出することになる。そこで、三個の
倣いセンサS1,S2,S3の全部が既刈り地Bを検出
すると一つの作業行程の端部に達したと判別させて、次
の隣接する作業行程に移動するために未刈り地側に旋回
させるようにしているのである。このとき、作業車の向
きが基準方位角θsとなるように地磁気センサS0の情
報に基づいて作業車を旋回させる。
【0012】ところで、作業行程の端部に達して次の作
業行程に向かって旋回するときに、旋回中心側の駆動後
輪を浮上させて旋回外側の駆動後輪のみを接地させる状
態で旋回させるようにしてある。つまり、左右一対の駆
動後輪1L,1Rが、一対の走行装置に対応することに
なる。説明を加えれば、図1及び図2に示すように、左
右一対の駆動後輪1L,1Rの車体内側部分に、旋回中
心側に位置する後輪を浮上させるように下降する下降状
態と、その後輪を接地させるように上昇する上昇状態と
に昇降自在で、且つ、下降状態において旋回中心を形成
する一対の昇降式接地体4,4が夫々支点P1,P2回
りに揺動自在に変速装置3に取り付けられている。そし
て、一対の昇降式接地体4,4の夫々を上昇状態に付勢
する付勢手段としてのスプリング5,5と、一対の昇降
式接地体4,4の一方を選択して下降状態に切り換える
ための回転式のカム6とが設けられている。尚、前記各
昇降式接地体4,4は、図3に示すように、一対の駆動
後輪1L,1Rどうしの間における昇降させる後輪の横
側方に近接した箇所で、かつ、走行後輪の回転軸芯より
も後方側の位置に配置されている。ところで、カム6は
ギア7を介してモータ8と連結されて一方向に回転され
るようになっており、90度回転する毎に一対の昇降式
接地体4,4の両方が上昇状態となる状態(図1参照)
と、昇降式接地体4,4の一方が下降状態で且つ他方が
上昇状態となる状態(図2参照)とを繰り返すことにな
る。又、180度回転する毎に昇降式接地体4,4が交
互に下降状態となるように構成されている。又、ギア7
の回転角度検出用の近接スイッチS4が4個設けられ、
ギア7の近接スイッチS4に近接する部分に一部に長孔
が形成され、その長孔に対向する状態でOFFでその他
の状態でONとなるギア7の回転角度検出用の近接スイ
ッチS4が4個設けられている。もって、カム6が90
度回転するのを検出できるようになっている。尚、接地
部9が、平行リンク機構15を介して昇降式接地体4、
4の先端に取り付けられ、上昇状態と下降状態のいずれ
においてもスパイク16の取り付け面が水平状態を維持
できるようになっている。
【0013】〔別実施例〕 上記実施例では、接地部9が平行リンク機構15を介し
て昇降式接地体4,4の先端に取り付けられていたが、
下降状態においてスパイク16の取り付け面が水平状態
となるように昇降式接地体4,4に固着してもよい。
又、接地部9を昇降式接地体4,4に揺動自在に取り付
けて上昇状態においてスパイク16の取り付け面が水平
状態となるように規制する押さえ板を設けてもよい。さ
らに、接地面を球状に形成する等、各部の具体構成は各
種変更できる。上記実施例では、地磁気センサS0の情
報に基づいて作業車を旋回させていたが、旋回中心と前
輪1Fとの距離から予め180度旋回したときの走行距
離を設定すると共に、設定走行距離になるように走行距
離センサの情報に基づいて旋回するようにしてもよい。
尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にする為
に符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成
に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】昇降式接地体の背面図
【図2】昇降式接地体の背面図
【図3】車体の平面図
【図4】車体の側面図
【図5】作業形態の説明図
【符号の説明】
1F 前輪 1L,1R 走行装置 4 昇降式接地体 5 付勢手段 6 カム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 弘 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社ク ボタ 堺製造所内 (72)発明者 伊藤 勝美 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社ク ボタ 堺製造所内 (72)発明者 黒岩 良三 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社ク ボタ 堺製造所内 (72)発明者 打越 一夫 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社ク ボタ 堺製造所内 (56)参考文献 特開 平4−110257(JP,A) 実開 平1−87083(JP,U) 芦葉清三郎著「機械運動機構」第1 版、昭32.10.15、株式会社技報堂, P.34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の走行装置(1L),(1R)と、
    前記走行装置(1L),(1R)を浮上させるように下
    降する下降状態と、前記走行装置(1L),(1R)を
    接地させるように上昇する上昇状態とに昇降自在で、且
    つ、前記下降状態において旋回中心を形成する一対の昇
    降式接地体(4),(4)とが設けられている作業車の
    旋回装置であって、前記一対の走行装置(1L),(1R)が夫々車輪で構
    成されるとともに、各走行装置(1L),(1R)の車
    体前方側に操舵用の1つの前輪(1F)が備えられ、 前記各昇降式接地体(3) が、前記一対の走行装置(1
    L),(1R)のうちの一つを昇降させるように、前記
    一対の走行装置(1L),(1R)どうしの間における
    昇降させる走行装置の横側方に近接した箇所で、かつ、
    その走行装置の回転軸芯よりも後方側の位置に配置さ
    且つ 、前記一対の昇降式接地体(4),(4)の夫々を
    前記上昇状態に付勢する付勢手段(5),(5)が設け
    られ、前記一対の昇降式接地体(4),(4)の夫々に
    接当する回転式のカム(6)が設けられ、前記カム
    (6)の回転に伴って前記一対の昇降式接地体(4),
    (4)の一方を選択して前記下降状態に切り換えるよう
    に構成されている作業車の旋回装置。
JP3055401A 1991-03-20 1991-03-20 作業車の旋回装置 Expired - Lifetime JP2647749B2 (ja)

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JPH04292267A JPH04292267A (ja) 1992-10-16
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0187083U (ja) * 1987-11-30 1989-06-08

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
芦葉清三郎著「機械運動機構」第1版、昭32.10.15、株式会社技報堂,P.34

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