JPH0966855A - クローラ式走行車 - Google Patents

クローラ式走行車

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JPH0966855A
JPH0966855A JP22633895A JP22633895A JPH0966855A JP H0966855 A JPH0966855 A JP H0966855A JP 22633895 A JP22633895 A JP 22633895A JP 22633895 A JP22633895 A JP 22633895A JP H0966855 A JPH0966855 A JP H0966855A
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crawler belt
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Hideaki Nakanishi
秀明 中西
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 旋回時の運動効率を上げ、履帯の摩耗や走行
面の損傷が少なく、かつデッドレコニングの誤差の少な
いクローラ式走行車を提供する。 【解決手段】 図(a)に示される通常走行時(直進な
ど)においては、クローラ部2の履帯8は従動輪6と7
との間の面11aにより、走行面30と接する。一方、
旋回時においては、図(b)に示されるように走行部2
は、従動輪6の回転軸を中心として図面に対して時計方
向に一定角度回転する。これに伴い、クローラ式走行車
はキャスタ輪10と、左右の履帯8の履帯接地部11b
により走行面30と接するようになる。この状態から左
右の履帯が異なる方向に移動することにより、旋回動作
は実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はクローラ形移動機
構を有するクローラ式走行車に関し、特に、移動式マニ
ピュレータや作業ロボットなどに用いられるクローラ式
走行車に関する。
【0002】
【従来の技術】クローラ(crawler )方式は、別名無限
軌道方式とも呼ばれる。クローラ方式においては円環状
の無限軌道履帯(crawler belt)が複数の車輪に巻きか
けられることによって、車輪が路面に対し直接接しない
ことを特徴としている。路面の凹凸が履帯により緩和さ
れるため、クローラ式走行車はさまざまな状況下での走
行が可能である。
【0003】従来の技術として、たとえば、(1)走行
面(走行対象物)と履帯とが面により接触するクローラ
機構、(2)たとえば特公平4−55913号公報に示
されるように、4個のクローラを用い、履帯が操舵回転
中心付近の略一点にて走行面と接する操舵可能なクロー
ラ機構、(3)特公昭62−34587号公報および特
公昭63−270号公報に示されるように、4個のクロ
ーラを用い、その各々が本体に対して独立して回転駆動
されるようなクローラ機構が知られている。一般的なク
ローラ機構においては、上記(1)のように履帯と走行
面とは面により接触する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
面接触、略一点接触のクローラ機構においては以下の問
題点を有していた。
【0005】(1) 走行面と履帯とが面接触するクロ
ーラ機構の問題点 通常クローラ式走行車においては、左右1対のクローラ
機構が用いられる。この左右1対のクローラ機構に含ま
れる履帯の接地面積(走行面と履帯とが接触する面積)
は車輪に比べて大きい。したがってたとえば左右で履帯
の移動する速度を変えたり、左右で履帯が移動する方向
を逆にするなどして、クローラ式走行車の旋回動作を行
なうときには、履帯と走行面との間で滑りが生じる。そ
のためこのようなクローラ式走行車においては、旋回に
要するエネルギ損失が大きい上、履帯の摩耗や走行面の
損傷を引起こすことが生じている。また走行面と履帯と
の間で滑りが生じるため、車輪の回転数を計測して走行
車自身の位置を計算する、いわゆるデッドレコニングを
行なう際、大きな誤差を生じるという問題がある。
【0006】(2) 履帯と走行面とが略一点にて接触
するクローラ機構の問題点 このようなクローラ機構においては、その構成上小型軽
量化が困難である。また走行面と履帯とが略一点にて接
触しているため、クローラ機構の利点の1つである接地
面積の広さと接地面圧の低さとを活かすことができな
い。そのため床面に対するグリップ力が弱くなることが
避けられないという問題点を有していた。
【0007】(3) 4個のクローラが独立に回転駆動
されるクローラ機構の問題点 このようなクローラ機構においては、多くのアクチュエ
ータが必要で機構が複雑である。さらに小型軽量化が困
難である。また、旋回時においてはいかにクローラを変
形させようとも、ステアリングなしで相互の回転速度差
を利用して旋回するため、滑りが大きい。
【0008】そこで本発明は、複雑な機構を用いること
なく、クローラ機構の持つ利点をそのままに、旋回時の
運動効率を上げ、履帯の摩耗や走行面の損傷が少なく、
かつデッドレコニングの誤差の少ないクローラ式走行車
を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載のクローラ式走行車は、対象物に
接触する左右1対のクローラ部と、キャスタ輪とを有
し、通常走行時には、クローラ部は対象物に対して第1
の接触面積で接触し、旋回動作時にはクローラ部は対象
物に対して第1の接触面積より小さい第2の接触面積で
接触するとともに、キャスタ輪が対象物に接触するよう
に構成されている。
【0010】すなわち請求項1に記載のクローラ式走行
車においては、通常走行時と旋回動作時とでクローラ部
と対象物との接触面積が変わり、旋回動作時には通常走
行時における接触面積よりも小さい面積で、クローラ部
と対象物とが接し、旋回動作時にはキャスタ輪が対象物
に接触する。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の実施の形態
におけるクローラ式走行車の側面図であり、図2は図1
(a)のクローラ式走行車の走行部2をXI−XIの視
点から見た図である。
【0012】なお図1において、(a)はクローラ式走
行車の通常走行時を示しており、(b)はクローラ式走
行車の旋回動作時を示している。なおここに「通常走
行」とは、前進、後進といった直線走行を示し、「旋回
動作」とはクローラ式走行車が走行面(床面)30に対
して直交する軸により回転することにより、その向きを
変える動作を言う。
【0013】図を参照して、クローラ式走行車はたとえ
ば清掃作業などを行なう作業部1と、走行を行なう走行
部2とから構成される。
【0014】走行部2は、左右1対のクローラ装置3
(3a,3b)と、左と右とのクローラ装置の中間部分
であり、クローラ式走行車の前部(図1に対して左側)
に配設されたキャスタ部9とから構成される。
【0015】クローラ装置3は、モータなどの原動機に
より回転駆動される駆動輪4と、クローラ装置3の最前
部に取付けられた従動輪5と、クローラ装置3の最下部
に取付けられ、サスペンションを備えた後部従動輪6お
よび前部従動輪7と、内側に噛み合歯を有し、駆動輪4
と噛み合って回転することにより、走行面(走行対象物
であり、単に「対象物」とも言う。)30に対して駆動
力を伝える履帯8(8a,8b)とを含む。
【0016】キャスタ部9は、走行面30に対して垂直
な軸回りに回動自在に走行部2に取付けられる。またキ
ャスタ部9はキャスタ輪10を含む。キャスタ輪10は
走行面に対して平行な軸回りに360°回動自在となる
ようにキャスタ部9に取付けられる。
【0017】すなわち、図2に示される状態において
は、キャスタ輪10はクローラ式走行車の直進および後
進時における進行方向と直交する軸を中心として回動自
在である。
【0018】図2に示される状態から、走行面に対して
垂直な軸回りに、90°キャスタ部9が回動することに
より、図4に示される状態となる。すなわちこの状態で
は、キャスタ輪10はクローラ式走行車の直進および後
進時における進行方向に平行な軸を中心として回動自在
である。
【0019】通常走行時において、キャスタ輪10は走
行面30に接するか、またはわずかな隙間をもって走行
面30から離れた状態となるように走行部2に対して取
付けられる。
【0020】図1(a)に示されるように、通常走行時
においては履帯8は従動輪6,7の位置によって決定さ
れる所定の長さ分で走行面30に対して接する。そのた
め、左右の履帯接地部11a,11bの面積(第1の面
積)を広く取ることができるため、従来技術どおり強い
グリップ力を得ることができ、直進性、走行安定性にお
いて、クローラ装置の利点を活かすことができる。
【0021】一方、旋回動作が始まると、図1(b)に
示されるように、左右のクローラ装置3は、従動輪6の
回転軸を中心として、図面に対して所定の角度だけ時計
回りに回転する。これにより従動輪7は走行面30から
一定の高さまで上昇した後、その高さを一定に保たれ
る。従動輪6の回転軸を中心としたクローラ装置3の回
転動作に伴いキャスタ部9のキャスタ輪10は走行面3
0に接することとなる。
【0022】すなわち、旋回動作時においてはクローラ
式走行車はキャスタ輪接地部12と、左の履帯接地部1
1bと右の履帯接地部11aとの3箇所により走行面に
接する。
【0023】この状態で、左右の駆動輪4が同じ回転数
でそれぞれ逆方向に、つまり一方が車体を前進させる方
向に、他方が車体を後進させる方向に回転することによ
り、車体は走行面30に直交する軸であって、左側の従
動輪6aと右側の従動輪6bとの中間を通る軸回りに旋
回動作を行なうことになる。
【0024】つまり左右の履帯は、第1の面積より小さ
い第2の面積によって走行面30と略点接触または略線
接触する。このとき従動輪6と履帯8とは車輪と同様の
機能を有する。つまり従来技術と比較して旋回時におけ
る左右の履帯接地部の面積は小さくなり、これにより履
帯接地部と走行面との間に生じる滑りを抑えることがで
きる。これにより本発明の目的とするところとである、
(1)旋回時の運動効率を上げること、(2)履帯の摩
耗や走行面の損傷を少なくすること、(3)デッドレコ
ニングの誤差を少なくすることが実現できる。
【0025】上述の動作を行なうために、本実施の形態
におけるクローラ式走行車はその内部に図5に示される
制御装置を有する。すなわちクローラ式走行車は、クロ
ーラ式走行車全体の制御を行なうためのCPU(中央処
理装置)101と、通常走行時と旋回動作時とで走行部
2の形状を変化させる走行部形状制御部103と、左右
の履帯8を各々別個に駆動することにより、直進、後
進、旋回などの動作を行なうための走行制御部105
と、障害物などの検知を行なうセンサ107とを備え
る。
【0026】より具体的には、走行制御部105は、図
6に示される装置により構成される。図6は、図1のク
ローラ式走行車の有する走行制御部105の具体的構成
を示した平面図である。
【0027】図を参照して、進行方向に対して右の履帯
8aと、左側の履帯8bとは、各々駆動輪4a,4bに
より独立に駆動される。履帯が掛け渡される従動輪5
a,5b,6a,6b,7a,7bも、左右で独立に回
転自在に設けられている。
【0028】走行部2の内部には、右側駆動輪4aを駆
動するための右側モータ25aおよび右側モータ25a
の駆動力を駆動輪4aに伝達するギア26a,26c、
ならびに左側駆動輪4bを駆動するための左側モータ2
5bおよび左側モータ25bの駆動力を駆動輪4bに伝
達するギア26b,26dとが含まれる。
【0029】左右のモータ25a,25bはCPU10
1からの信号に基づいて駆動される。
【0030】前述のとおり、左右のモータ25a,25
bが両者ともに履帯を同じ方向に移動させるように回転
したときには、通常走行が実現される。一方、左右の履
帯が異なる方向に移動するようにモータ25a,25b
が回転したときには、旋回動作が実現される。たとえ
ば、図6において、履帯8bがクローラ式走行車を前進
させる方向に移動し、履帯8aがクローラ式走行車を後
進させる方向に駆動されたときには、時計まわりの旋回
動作が実現される。履帯の駆動が逆の場合は、反時計ま
わりの旋回動作が実現される。
【0031】また図7および図8は走行部形状制御部1
03の具体的な構成を示す側面図である。
【0032】図7は走行部形状制御部の通常走行時を示
しており、図8は走行部形状制御部の旋回動作時を示し
ている。
【0033】図を参照して、走行部形状制御部103
は、リンク15〜18からなるリンク機構と、リンクを
移動させるための昇降用モータ14とから構成される。
【0034】キャスタ輪10を含むキャスタ部9は、リ
ンク16に回動自在に取付けられる。リンク18の一端
には、昇降用モータ14の回転軸に取付けられた歯車と
噛み合う歯車が一体形成されている。リンク15の一端
とリンク16の一端とが係合する部分において、従動輪
6が取付けられている。作業部1はリンク16に取付け
られる。
【0035】またクローラ部3とモータ14はリンク1
5に取付けられており、リンク15の移動に伴って移動
する。図7に示されるように、リンク18の歯車と昇降
用モータ14の歯車とが、リンク18の歯車と符号27
aに示される位置で係合するときには、クローラ部3は
通常走行時における位置(図7における点線で示される
位置)に固定される。
【0036】旋回動作が行なわれるときには、図7に示
される状態から、昇降用モータ14の軸心が図面に対し
時計方向に回転する。この回転はCPU101からの信
号に基づいて行なわれる。昇降用モータ14の軸心の回
転に伴い、リンク15は従動輪6の回転軸を軸心として
図面に対し時計方向に回動する。クローラ部3と昇降用
モータ14とはリンク15に取付けられているため、リ
ンク15の移動に伴い移動する。
【0037】昇降用モータ14の回転は、リンク18に
設けられた歯車と昇降用モータ14の軸心に固定された
歯車とが、符号27bの位置で噛み合うまで駆動され
る。すなわち、旋回動作が行なわれるときには、走行部
形状制御部は図8に示される形状となる。この状態にお
いては、リンク18に設けられた歯車と昇降用モータ1
4の歯車とは、符号27bに示される位置で噛み合う。
この状態において、クローラ部3は、履帯接地部11
a,11bにおいて走行面30に接する。これによりク
ローラ式走行車は、キャスタ輪10と、進行方向に対し
て左側の履帯の履帯接地部11bと、右側の履帯接地部
11aとの3箇所により走行面30に接することとな
る。
【0038】図3は本発明の第2の実施の形態における
クローラ式走行車の側面図である。なお図3はクローラ
式走行車の旋回動作時を示している。
【0039】第2の実施の形態において、クローラ式走
行車の装置構成は第1の実施の形態と実質的にほぼ同一
である。ただし、第2の実施の形態においては、図7お
よび図8のリンク15に作業部1とクローラ装置3と昇
降用モータ14とが取付けられる。これにより、図3に
示されるように、旋回動作時には作業部1も、クローラ
部3に伴って移動する。この実施の形態においては、第
1の実施の形態における効果とほぼ同様の効果を有する
が、図3に示されるように、旋回動作時には作業部1が
作業面(ここでは走行面30を示す)から離れるという
特徴を有している。このような旋回動作時に作業部1が
作業面から離れる特徴を有するクローラ式走行車におい
ては、たとえば障害物の乗り越えを行なうとき作業部と
障害物とが接することが防止される。これにより障害物
の乗り越えを容易に行なうことができる。
【0040】図9は本発明の第3の実施の形態における
クローラ式走行車の走行部を示す側面図である。
【0041】なお図9においては、クローラ式走行車の
旋回動作時を示している。図を参照して、第3の実施の
形態におけるクローラ式走行車の走行部は、駆動輪4
と、従動輪5,6,7と、キャスタ輪10を備えるキャ
スタ部9と、駆動輪4と従動輪5,6,7の各々に掛け
渡される履帯8とを含む。
【0042】通常走行時および旋回動作時において、駆
動輪4と従動輪6とはその位置を変えない。これに対し
て従動輪7は図面に対して上下方向に移動することがで
きる。通常走行時においては従動輪7は図面に対して下
側に位置し、このとき履帯8は、従動輪6と従動輪7と
の間の位置において、面により走行面と接する。
【0043】旋回動作時においては、リンク機構によ
り、従動輪7が図面の上方向へ移動するのと同期して履
帯8が緩まないよう従動輪5が図面の左上方向へ移動す
る。併わせて従動輪6,7の各々にはサスペンション機
構が備えられているため、履帯8の弛みが生ずることは
防止される。すなわち旋回動作時においては、図9に示
されるようにクローラ式走行車はキャスタ輪10と、左
の履帯接地部11bと右の履帯接地部11aとの3箇所
により走行面に接する。これにより、上述の第1および
第2の実施の形態における走行車と同様の効果を得るこ
とができる。
【0044】図10および図11は本発明の第4の実施
の形態におけるクローラ式走行車の走行部の側面図であ
る。
【0045】図10は通常走行時における走行部を、図
11は旋回動作時における走行部をそれぞれ示してい
る。
【0046】図を参照して、第4の実施の形態における
クローラ式走行車は、駆動輪4と、従動輪5〜7と、張
り車13と、駆動輪4および従動輪5〜7に掛け渡され
る履帯8とから構成される。ここで張り車13は通常走
行時において履帯8と接するようにしてもよいし、離れ
るようにしてもよい。
【0047】第4の実施の形態におけるクローラ式走行
車において、駆動輪4と、従動輪5,6は通常走行時お
よび旋回動作時においてはその位置を変えない。図11
に示されるように、旋回動作時においては、張り車13
と従動輪7とはリンク機構により同期して履帯8の張り
を保ちつつ図面に対して上方向に移動する。併わせて履
帯8は従動輪6,7の各々にサスペンションが設けられ
ているため、常時緩むことなく形状が変化する。
【0048】なお履帯8の緩みをさらに少なくするため
に、張り車13にも履帯8を押す方向に力が働くように
ばねを設置してもよい。
【0049】図11に示されるように、旋回動作時にお
いて、クローラ式走行車の車体は、キャスタ輪10と、
左の履帯接地部11bと右の履帯接地部11aとにより
支持されるため、上述の第1から第3の実施の形態にお
けるクローラ式走行車と同質の効果を有する。
【0050】なお、上述の第1〜第4の実施の形態にお
いては、旋回動作時における車体を支持する機構として
キャスタ輪10を用いることとしたが、キャスタ輪10
に代えて任意の方向に転動自在の球を用いるようにして
もよい。このように球を用いることにより、キャスタ部
9における回転軸をなくし、旋回軸は固定とすることが
できる。またこの場合には、球の部分における摩擦を小
さくするために、当該球より直径の小さい球である転動
体を介して、キャスタ部9に当該球を任意の方向に回転
自在に取付けることが可能である。
【0051】あるいは悪路での走破性を高めるため、キ
ャスタ輪10に代えてごく小型のクローラを用いるよう
にしてもよい。同様の理由から、キャスタ輪を複数とし
てもよい。
【0052】また、キャスタ部9にアクチュエータを備
えるようにし、車のステアリングのように車体の進行方
向に応じてキャスタ輪10の向きを能動的に変えること
ができるようにしてもよい。これにより、通常走行時お
よび旋回動作時においても、常時キャスタ部9を進行方
向を決めるための案内輪として用いることができる。
【0053】さらに上述の第1から第3の実施の形態に
おいて、図1(b)、図3および図9から明らかなよう
に、走行部2の変形に伴い、車体の進行方向側に位置す
る従動輪5の高さは、旋回動作時には通常走行時におけ
る従動輪5の高さよりも高くなる。これを利用すること
により、通常走行時においてクローラ装置のみでは乗り
越えが不可能な段差が進行方向に存在する場合にも、従
動輪5の高さを高くすることにより、従動輪5の上昇分
だけ高い段差を乗り越えることが可能になる。
【0054】たとえば図12を参照して、(a)におい
て、矢印で示される車体の進行方向側に従動輪5の高さ
と同じ程度の段差を有する走行面30が存在したとき
に、クローラ式走行車はその進行方向に備えられている
障害物を検知するセンサにより進行方向にある段差が通
常走行時におけるクローラ装置の形態では乗り越え不可
能であると判定する。
【0055】乗り越え不可能であると判定されたときに
は、図12(b)に示されるように、走行部2の変形に
より、従動輪5の高さを通常走行時より高くするように
走行部2の制御が行なわれる。この状態で、駆動輪4は
クローラ式走行車を進行方向に進めるように回転する。
【0056】これにより図12(c)に示されるよう
に、従動輪5と従動輪7とが進行方向に存在する段差の
上に位置する状態になったところで、走行部2の形状は
通常走行時における形状に戻り、キャスタ輪10はクロ
ーラ部3の影に隠れる形となる。
【0057】その後、駆動輪4はさらにクローラ式走行
車の車体を前進させる側に回転し、これにより図12
(d)に示されるように、クローラ式走行車は段差を乗
り越えることができる。
【0058】なお、図12(a)に示される前方の段差
の有無の判断として、段差に衝突したことを検知するセ
ンサを用いてもよいし、段差に接近したことを検知する
センサを用いてもよい。また(c)に示される場合にお
いて、キャスタ部の収納は、キャスタ輪10が段差に衝
突する前に行なわれることが望ましい。
【0059】段差の高さを検出するために、センサはク
ローラ式走行車の上下2箇所以上に設けられることが望
ましい。たとえば上下に設けられたセンサの各々が障害
物を検出したときには障害物の乗り越えが不可能である
と判定され、上下に設けられたセンサの下だけのセンサ
が障害物を検出し、上に設けられたセンサは障害物を検
出しなかった場合には、走行部2の変形により段差の乗
り越えが可能と判定される。さらに上下に設けられたセ
ンサの各々が段差や障害物を検出しなかったときにはそ
のまま前進できると判定される。
【0060】図13は障害物の乗り越え時において走行
部2を変化させる処理を説明するためのフローチャート
である。
【0061】図を参照して、ステップ♯1において通常
走行が行なわれる。ステップ♯2により、進行方向に通
常走行では乗り上げられない程度の段差が存在するか否
か判定される。ステップ♯2においてNOであれば、ス
テップ♯1からの通常走行が繰返し行なわれる。
【0062】ステップ♯2においてYESであれば、ス
テップ♯3において、進行方向に存在する段差に対し
て、走行部を変形させることにより車体を乗り上げるこ
とが可能であるか否かが判定される。この判定は、具体
的には段差の高さに基づいて行なわれる。これは前述の
上下2つ以上設けられたセンサにより判定される。
【0063】ステップ♯3でYESであれば、ステップ
♯5で走行部2の変形を行なう処理がなされる。これに
より、進行方向に設けられている従動輪の高さが上昇す
る。その後、ステップ♯6で走行車は所定距離前進す
る。
【0064】ステップ♯7で、走行部2は通常走行にお
ける形状に変化される。その後、ステップ♯1からの通
常走行が再び行なわれる。なおステップ♯3においてN
Oであれば、ステップ♯4において、段差の回避が行な
われ、ステップ♯1から通常走行が行なわれる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によると、通常走行時にクローラ部は対象物に対し
て第1の接触面積で接触し、旋回動作時にはクローラ部
は対象物に対して第1の面積より小さい第2の接触面積
で接触し、かつキャスタ輪が対象物に接触するため、旋
回時の運動効率を上げることができ、履帯の摩耗や走行
面の損傷を少なくすることができ、かつデッドレコニン
グの誤差の少ないクローラ式走行車を提供することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるクローラ式
走行車の側面図である。
【図2】図1におけるクローラ式走行車の走行部2をX
I−XIの方向から見た図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態におけるクローラ式
走行車の側面図である。
【図4】図2の状態からキャスタ部9がその取付位置に
対して、90°回転した状態を示した図である。
【図5】図1に示されるクローラ式走行車の有する制御
装置の構成を示すブロック図である。
【図6】図1のクローラ式走行車の有する走行制御部の
具体的構成を示す平面図である。
【図7】図1に示されるクローラ式走行車の有する走行
部形状制御部の具体的構成を示す側面図である。
【図8】図7から走行部の形状が変化した状態を示す側
面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態におけるクローラ式
走行車の走行部を示した側面図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態におけるクローラ
式走行車の走行部の側面図である。
【図11】図10の状態から、走行部が変形した状態を
示した図である。
【図12】本発明の第1から第3の実施の形態における
クローラ式走行車の有する機能を説明するための図であ
る。
【図13】図12に示される機能を実現するためのフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1 作業部 2 走行部 3 クローラ部(クローラ装置) 4 駆動輪 5〜7 従動輪 8 履帯 9 キャスタ部 10 キャスタ輪 11 履帯接地部 12 キャスタ輪設置部 13 張り車 14 昇降用モータ 15〜18 リンク 25 走行用モータ 30 走行面(対象物)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象物に接触する左右1対のクローラ部
    と、 キャスタ輪とを有し、 通常走行時には、前記クローラ部は前記対象物に対して
    第1の接触面積で接触し、 旋回動作時には、前記クローラ部は前記対象物に対して
    前記第1の接触面積より小さい第2の接触面積で接触す
    るとともに、前記キャスタ輪が対象物に接触する、クロ
    ーラ式走行車。
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