JP2645446B2 - 変換光コネクタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は光通信において光ファイバを接続するところ
の光コネクタに関し、特に単心光コネクタと多心光コネ
クタを接続する変換光コネクタに関するものである。

（従来の技術） 光コネクタの１種として、単心光コネクタと多心光コ
ネクタを接続する変換光コネクタがある。この変換光コ
ネクタは通常内部に１個に多心光コネクタフェルールと
複数個の単心光コネクタフェルールを具え、その間を単
心光ファイバで結合している。そして、単心側及び多心
側はそれぞれ着脱が容易なようにプッシュ−オンタイプ
の光コネクタが結合できるようになっている。

第１図はこうな変換光コネクタの１例の説明図で、同
図（イ）は外観図、同図（ロ）は（イ）図において上ケ
ースを除去した状態の上面図、同図（ハ）は上下ケース
を除去した内部の外観図である。

図面において、（Ａ）は変換光コネクタで、その両端
にはそれぞれプッシュ−オンタイプの単心光コネクタ及
び多心光コネクタを結合する単心コネクタ用アダプタ
（Ｂ）及び多心コネクタ用アダプタ（Ｃ）を具えてい
る。又（Ｄ）は単心側光コネクタフェルール、（Ｅ）は
多心側光コネクタフェルールで、その間は光ファイバ
（３）により接続されている。これらは上ケース（１）
及び下ケース（２）内に収納されて変換光コネクタ
（Ａ）を構成している。

このような変換光コネクタは、接続損失の低減、着脱
再現性の向上、各種環境への耐候性を考慮するとき、変
換光コネクタ内の単心光コネクタフェルールも固定式よ
りは加圧スプリングを用いて軸方向へ押圧する浮動式が
望まれる。

従来、この種の加圧スプリングの把持固定方式として
は、ネジ嵌合方式、ケースの溝に落し込む方式及び内ヅ
メ方式等がある。

第４図は従来のケース溝への落し込み方式の部分上面
図で、光コネクタフェルール（４）及びその後部に装着
した加圧スプリング（５）は下ケース（２）に設けた溝
（32）内に落し込まれて位置し、加圧スプリング（５）
は光コネクタフェルール（４）をアダプタ（31）の方向
に押圧している。

第５図は内ヅメ方式の縦断面図である。光コネクタフ
ェルール（４）を軸方向に押圧する加圧スプリング
（５）はスプリングホルダー（34）内に収納されてい
る。スプリングホルダー（34）の先端部には外方に突出
したツメ部（35）が形成されており、該ツメ部（35）は
アダプタ（33）の溝に内部から係合している。（これを
内ヅメ方式という。）これらは上下ケース（１）（２）
内に収納され保持されている。

（解決しようとする課題） 交換光コネクタは光通信の普及に伴ない一層の高密度
化が要求されてきており、最短、最薄であり、しかも高
信頼性、低価格のものが求められている。このような観
点から従来のこの種の技術を検討するとき、以下のよう
な問題点のあることがわかる。

従来のネジ嵌合方式では加圧スプリングの把持は確実
だが、大きすぎて、特に実装の際、横方向のピッチを小
さくすることが困難である。又第４図に示す溝への落し
込みは、大きさの小型化は可能であるが、組立てが困難
で、低価格化を実現し難い。さらに、第５図に示す内ヅ
メ方式は小型化及び組立て作業性の向上は可能である
が、ツメ幅がとりにくいことと相まって、スプリングの
撓み量の確保のためには全長を長くする必要がある他、
固定を強化するために、ツメ部に接着剤を併用する際
に、光コネクタフェノール及び光ファイバ等に接着剤が
付着するおそれがあるという問題点があった。

（課題を解決するための手段） 本発明は上述の問題点を解決した変換光コネクタを提
供するとので、その特徴は、単心側光コネクタフェルー
ルを軸方向に押圧する加圧スプリングを保持するスプリ
ングホルダーが内に向って突出したツメ部を具え、該ツ
メ部が前記光コネクタフェルールを収納するアダプタの
外面に設けた外溝と結合し、かつ、前記スプリングホル
ダーの外面がこれらを収納するケース内面に平面で接し
ていることにある。

第２図は本発明の変換コネクタにおけるアダプタ（イ
図）及びスプリングホルダー（ロ図）の外観図である。

図面に示すように、アダプタ（イ図）は図の左側にプ
ッシュ−オンタイプの単心光コネクタを結合する単心コ
ネクタ用アダプタ（Ｂ）と、右側に変換用の単心光コネ
クタフェルールを収納する穴部（12）を具え、上下面
に、後述するスプリングホルダー（20）のツメ部（22
a）（22b）を案内するガイドウエイ（11）及び、その奥
に上記ツメ部（22a）（22b）が結合する外溝（13）を形
成したアダプタ（10）が一体に形成されている。

又スプリングホルダー（20）は第２図（ロ）に示すよ
うに、内部に光ファイバ（３）挿通中（21）を有し、外
側には前記アダプタ（10）の外溝（13）と外方より結合
する内に向って突出してツメ部（22a）（22b）を具えて
いる。

第３図は上記したアダプタ（10）に光コネクタフェル
ールを挿入し位置決め固定した状態の説明図で、同図
（イ）は縦断断面図、同図（ロ）はケースを除去した状
態の部分的上面図である。

光コネクタフェルール（４）はアダプタ（10）内に設
けられた割りスリーブ（14）内に挿入されて位置決めさ
れており、上記コネクタフェルール（４）を軸方向に押
圧する加圧スプリング（５）はスプリングホルダー（2
0）により把持されている。スプリングホルダー（20）
の先端部に形成されている内に突出したツメ部（22a）
（22b）はアダプタ（10）外面のガイドウェイ（11）に
従って挿入され、その奥にある外溝（13）に外側から結
合している。これを外ヅメ方式という。これによりツメ
部（22a）（22b）は左右に動かないように位置決めされ
ている。これらの上下にはケース（１）（２）があり、
前記スプリングホルダー（20）の上下面と上下ケース
（１）（２）の内面は平面（23）で接している。

（作用） 上述した外ヅメ方式によれば、前述した第５図の内ヅ
メ方式よりもツメ部の長さも長大化することが可能とな
って把持が確実となるばかりでなく、ツメがアダプタの
外溝に落ち込んで結合したことを目視で容易に確認でき
る。又スプリングホルダーの外面を上下ケースに挟み平
面で接せしめることにより、落下、振動によってツメが
アダプタの外溝より外れるのを防止することができる。

さらに、ツメ部は外方からアダプタの外溝に結合して
いるので、ツメの固定を一層強化するために接着剤を併
用する場合にも、接着剤が光コネクタフェレールや光フ
ァイバ等に付着するおそれがなく、安全に実施できる。

（実施例） 第３図に示すような外ヅメ方式の変換コネクタを試作
し評価した。割りスリーブ及びスプリング以外はすべて
プラスチックで製作した。

接続損失は平均0.4db（単心接続部と多心接続部の合
計）で、従来の変換コネクタと同等で良好であった。又
温度特性（−30℃〜＋60℃、３日）、湿熱特性（60℃、
95％）、高温特性（80℃、３日）、低温特性（−30℃、
３日）の各試験でも、最大変動幅は0.1db以下と良好で
あった。

さらに、3mの落下試験（下は土）においても破損、接
続損失の変化は見られなかった。

第６図は本発明の交換光コネクタの他の実施例の縦断
面図で、スプリングホルダー（20）は内外に向って突出
したツメ部（22′ａ）（22′ｂ）を有し、外に向ったツ
メ部は上下ケース（１）（２）の内面に設けた溝部（1
a）（2a）に結合している。このような変換光コネクタ
はさらに安定した特性が得られることが確認された。

（発明の効果） 以上説明したように、本発明の変換光コネクタによれ
ば、光コネクタフェルールを軸方向に押圧する加圧スプ
リングの把持固定が確実で小型化が可能となり、単心光
コネクタフェルールの高密度実装化、高信頼性を実現す
る効果がある。

従って、今後光通信の普及に伴なうよい一層の高密度
化の要求に対して広く利用されることが期待できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は交換光コネクタの１例の説明図で、同図（イ）
は外観図、同図（ロ）は（イ）図において上ケースを除
去した状態の上面図、同図（ハ）は上下ケースを除去し
た内部の外観図である。 第２図は本発明の交換光コネクタにおけるアダプタ（同
図イ）及びスプリングホルダー（同図ロ）のそれぞれ外
観図である。 第３図は第２図のアダプタ（10）に光コネクタフェルー
ルを挿入して位置決め固定した状態の説明図で、同図
（イ）は部分的縦断面図、同図（ロ）は（イ）図のケー
スを除去した状態の部分的平面図である。 第４図及び第５図はいずれも従来の加圧スプリング把持
固定方式の説明図である。 第６図は本発明の他の実施例の第３図（イ）と同様の部
分的縦断面図である。 １……上ケース、２……下ケース、３……光ファイバ、
４……光コネクタフェルール、５……加圧スプリング、 10……アダプタ、11……ガイドウエイ、12……フェルー
ル挿入穴、13……アダプタ外溝、14……割りスリーブ、 20……スプリングホルダー、21……光ファイバ挿通孔、
22a、22b、22′ａ、22′ｂ……ツメ部、23……平面接
触。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 修三 神奈川県横浜市栄区田谷町１番地 住友 電気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 長沢 真二 東京都千代田区内幸町１丁目１番６号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−111222（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−90607（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−217008（ＪＰ，Ａ)

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】単心光コネクタと多心光コネクタを接続す
   る変換光コネクタにおいて、単心側光コネクタフェルー
   ルを軸方向に押圧する加圧スプリングを保持するスプリ
   ングホルダーが内に向って突出したツメ部を具え、該ツ
   メ部が前記光コネクタフェルールを収納するアダプタの
   外面に設けた外溝と結合し、かつ、前記スプリングホル
   ダーの外面がこれらを収納するケース内面に平面で接し
   ていることを特徴とする変換光コネクタ。
2. 【請求項２】スプリングホルダーが内外に突出したツメ
   部を具えており、外に向って突出したツメ部がケース内
   面に設けた溝部と結合することを特徴とする請求項第１
   項記載の変換光コネクタ。