JP2645022B2 - 加入者回路 - Google Patents

加入者回路

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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04MTELEPHONIC COMMUNICATION
    • H04M19/00Current supply arrangements for telephone systems
    • H04M19/001Current supply source at the exchanger providing current to substations
    • H04M19/005Feeding arrangements without the use of line transformers

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  • Power Engineering (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Interface Circuits In Exchanges (AREA)
  • Devices For Supply Of Signal Current (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、電子交換システムに使用される加入者回路
(subscriber line interface circuit(SLIC))に関
する。
(従来の技術) 加入者端末、典型的には電話機と交換機(電子交換
機、特にディジタル交換機)とを結合するために加入者
回路が使用される。
加入者回路は、電話機(加入者端末)と交換機とにそ
れぞれ接続され、直流給電(battery feed or current
feed(B)、加入者監視(supervision)(S)、及び
ハイブリッド(hybrid)(H)の機能を有している。加
入者監視機能は、加入者回線である電話回線に接続され
る電話機に直流電流を供給して、電話機の受信器の状
態、すなわちオンフックかオフフックかを監視する機能
である。直流給電機能は、通話用、すなわち音響変換器
を駆動するための直流電流を電話機に供給する機能であ
る。ハイブリッド機能は、いわゆる2線→4線/4線→2
線変換機能であり、電話回線の線路インピーダンスに整
合した複素インピーダンスで電話回線を終端し、且つ電
話機から出力される通話信号を取出し交換機に出力し、
さらに交換機のスイッチング装置から与えられる通話信
号を通話回線を介して電話機に供給する機能である。こ
れらの機能を備えた加入者回路は、「BSH回路」と称さ
れることもある。
上述のように電話機には電話回線を通じて直流定電流
を流す必要があり、また同時に同じ電話回線上を音声信
号が流れる。このため、ハイブリッドコイルやスイッチ
回路などを有して構成されていた在来の加入者回路で
は、上述の直流定電流と音声信号電流とを分離し、交流
成分である音声信号が漏れ込まないようにするため、直
流電源に直列に大きなインダクタンス素子が設けられ、
このインダクタンス素子を介して直流電流により直流給
電を行なっている。また、上記直流電流が電話回線側へ
漏れ、交流分である音声信号に直流成分が重畳するのを
防止するために、一対の電話回線にそれぞれ直列に2μ
F程度の大きなキャパシタが設けられており、音声信号
はこのキャパシタを介して取出されて2線→4線→/4線
→2線変換のためのハイブリッド回路に供給される。
しかしながら、このような加入者回路は、比較的大き
なインダクタンス素子やキャパシタを必要とするため
に、電子交換機を小型化、経済化、さらにはLSI化を達
成するのには適さない。
(回路計算あるいは設計に際して)電話回線の線路イ
ンピーダンスは、一般に600Ωであるとして取扱われ
る。標準電話機は、回線損失が5dBとなるような線路長
を介して加入者回路に接続されるときに、最も良好な側
音特性が得られるように設計されている。しかし、構内
交換機(private branch exchange(PBX))の場合、電
話回線の長さは比較的短く、且つ許容される線路損失も
2dB程度またはそれ以下と小さい。加入者回路はこのよ
うな構内交換機にも用いられるため、終端インピーダン
ス及び/またはバランスネットワークインピーダンスと
しては、線路のケーブル特性を含む複雑な特性が要求さ
れる。
既に述べたように在来の回路では、所定のインピーダ
ンスを得るために大きなインダクタンス及び/またはキ
ャパシタが必要となり、加入者回路自体を小型化するこ
とができない。このことは、交換機全体の小型化のため
の大きな障害となる。また、この問題を緩和するため、
古典的な加入者線路と等価な機能を電子回路で達成する
ことが以前より試みられているが、在来のこの種の回路
では多くの回路素子が必要であり、小型化、低廉化に有
効ではない。
例えば、特開昭58−104558号公報には、電子化された
加入者回路の一例が示されている。例えば、この公報の
第3図には、加入者端末側から測定される加入者回路の
インピーダンスが所定値となるように、加入者回線の終
端用の抵抗(31)とキャパシタ(32)との直列回路が設
けられた構成が示されている。しかしながら、このよう
な直列回路を用いた構成では、容量の大きな、従って寸
法の大きなキャパシタ(32)が必要となり、そのため装
置(回路)を小型化することは不可能であった。さらに
このような回路においては、上記公報の第3図の参照符
号(52)あるいは第4図の参照符号(68)で示されるよ
うな抵抗として、絶対値が非常に正確な抵抗が必要とな
り、必要な精度を確保するためには、ディスクリート素
子で構成する必要がある。このため、公報のような構成
では、仮に他の部分がIC化されたとしても、上述のキャ
パシタや抵抗にディスクリート部品を付設することによ
り、装置全体の規模は大形化してしまう。
加入者回路は、交換機の取扱う回線の数に応じて多数
設けられる。このため加入者回路が実質的に小型化、低
廉化されないかぎり、交換機システム全体を小型化、低
廉化することは不可能である。
上述のように、加入者回路に必要な終端インピーダン
ス及び/または各種機能、例えば直流給電機能、回線監
視機能、ハイブリッド機能を、在来の電子回路により達
成するためには、大きな素子、多数の素子及び複雑な抑
制が必要であった。
(発明が解決しようとする問題点) 上述の如く、終端インピーダンス、ハイブリッド機能
を達成するためには、大きな容量、多くの端子数、複雑
な制御が必要であった。このようなことは、交換機の取
り扱う回線数と同数必要とされる加入者回路において
は、交換機等の小型化に寄与する所が少なく頗ぶる問題
であった。
そこで本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、
その目的は小型化、LSI化を達成し得る加入者回路を提
供することを目的とする。
〔発明の構成〕
(問題点を解決するための手段) 本発明は、2端子L1、L2間に接続される加入者端末を
単方向受信線路及び単方向送信線路によって交換機に接
続するための加入者回路であって、前記2端子間の出力
VOと前記単方向受信線路の端子の供給される出力VRX
を加算する第1の加算回路と、第1の加算回路の出力電
圧VPが入力され、加入者端末側から加入者回路側を見た
インピーダンスZTの実数倍(N倍)に等しい第1のイン
ピーダンス回路と、第1のインピーダンス回路の出力が
反転入力端子に入力される第1のバッファ増幅回路と、
この第1のバッファ増幅回路の帰還路に挿入され、加入
者回路側から加入者端末側を見たインピーダンスZBの実
数倍(M倍)に等しい第2のインピーダンス回路と、第
2のインピーダンス回路に流れる電流(i)の定数倍
(H倍)の電流を前記加入者端末に給電するための給電
回路と、前記第1のバッファ増幅回路の出力と前記第1
の加算回路の出力と前記単方向受信線路の端子に供給さ
れる出力とを加算し、前記単方向送信線路の端子に供給
する第2の加算回路を具備したことを特徴とする加入者
回路である。
(作用) 上述した如く負荷電流の検出位置をバッファアンプの
帰還路にすることにより、回路素子数を大幅に削減で
き、また、負荷電流を一旦電圧に変換することなく、直
接電流そのものとして検出、帰還しているため、IC化し
た場合に外付けをせざるを得ない絶対値の正確な抵抗を
必要としない。従ってLSI化等を達成し得る。さらに上
述した如く構成することによりインピーダンスに含まれ
る容量より小さい容量を用いて達成できる。
(実施例) 以下、本発明に係る一実施例を図面を参照して詳述す
る。
本発明に係る加入者回路の第1の実施例を説明する。
最初に、加入者回路におけるハイブリッド機能とイン
ピーダンス整合について概略を説明する。
第8図(A)を参照して、4線→2線変換を説明す
る。
4線→2線変換は、音声帯域(0.3kHz〜3.4kHz)にお
いて、(a)加入者側(図で破線より左側)から計測さ
れる加入者回路(図で破線より右側)の(見掛けの)イ
ンピーダンスがZTとなり、(b)交換機のコーデックか
ら与えられる受信信号VRXが{ZB′/(ZT+ZB′)}VRX
なるレベルとして加入者側へ伝送され、そして(c)受
信信号VRXから送信信号VTXへの混入(まわり込み)がな
いように(すなわち、送信端子においてVRX=0となる
ように)する機能である。
次に、第8図(B)を参照して、2線→4線変換を説
明する。
2線→4線変換は、上記音声帯域において、(d)加
入者側から計測される加入者回路の(見掛けの)インピ
ーダンスが、所定の、外部から設定可能なインピーダン
スZTとなり、且つ(e)加入者端末からの、例えば加入
者の音声により生じた信号電圧VRがそのまま送信信号V
TXとして交換機のコーデックへ送出されるようにする機
能である。
これら(a)〜(e)の条件を満たす本発明による加
入者回路の第1の実施例の原理を第1図を参照して説明
する。
第1図に示される加入者回路は、電流源1,2、バッフ
ァ増幅器3〜8、加算器9,10、及びインピーダンス要素
11,12を備えている。
加入者電話機のような加入者端末は、加入者端子L1,L
2に加入者回線を介して接続される。第1図において、
加入者端子L1,L2より左側が加入者(加入者回線及び加
入者端末)側、右側が加入者回路である。加入者端子
L1,L2間に生ずる交流電圧をVOとし、端子L1,L2から計測
される加入者側の等価インピーダンス(負荷)をZB′と
する。また、加入者端末で生ずる(加入者の音声によ
る)音声信号のような交流電圧をVRとする。出力電流を
制御し得る電流源1及び2から第1図の矢印の向きに生
成される電流の交流分H・iが加入者回線を流れる。電
流H・iは、後に詳述されるMZBなるインピーダンス要
素12、すなわちM倍(Mは実数)のバランシングインピ
ーダンス要素、を流れる交流電流iのH倍に設定され
る。重み付け回路であるバッファ増幅器3〜8の増幅率
(重み付け係数となる)を各々A1〜A5とする。また、受
信端子RX及び送信端子TXは、図示されていないがそれぞ
れ単方向受信線及び単方向送信線を介して交換機に接続
される。受信端子RXには、交換機からの受信電圧VRX
入力され、送信端子TXからは、交換機への送信電圧VTX
が出力される。
加入者端子L1,L2間の電圧VOは、増幅率A1のバッファ
増幅器3を介して加算回路9に与えられる。加算回路9
には、受信端子RXで受信された電圧VRXが増幅率A2のバ
ッファ増幅器4を介して与えられる。したがって、加算
回路9では、電圧VOと電圧VRXとが加重加算(または減
算)、すなわちバッファ増幅器3,4の増幅率によって重
み付けされた電圧VOと電圧VRXとが加算(または減算)
され、電圧VPを得る。この電圧VPは、加入者端末側から
計測される加入者回路のインピーダンスZTのN倍(Nは
実数)に等しい複素インピーダンスNZTを有するインピ
ーダンス要素11を介してバッファ増幅器8の反転入力端
に印加される。バッファ増幅器8の出力端と反転入力端
子との間に、加入者端末側のインピーダンスZBのM倍に
等しい複素インピーダンスMZBを有するインピーダンス
素子12が設けられ、帰還路を構成する。このインピーダ
ンス要素12に流れる電流iは、電流源1及び2にフィー
ドバックされ、該電流iに応じて電流源1及び2が制御
されて、電流iのH倍の電流が加入者端末に給電され
る。バッファ増幅器8の出力は増幅率A5のバッファ増幅
器7を介して加算回路10に与えられる。加算回路10に
は、上記電圧VRXが増幅率A3のバッファ増幅器5を介し
て与えられるとともに、上記電圧VPが増幅率A4のバッフ
ァ増幅器6を介して与えられる。したがって、加算回路
10では、バッファ増幅器8の出力、電圧VRX及び電圧VP
がバッファ増幅器7,5及び6で加重されて加算(または
減算)され、その結果が送信電圧VTXとして送信端子TX
に供給される。
このように構成される加入者回路には、負荷電流iを
バッファ増幅器8の帰還路で検出するという特徴があ
る。この点についてさらに詳しく述べる。
(I)[4線−2線変換/伝送] 先ず、受信端子RXにおける端方向受信電圧VRXから加
入者端子L1,L2(電圧VO)への伝達について検討する。
但し、加入者側で生成される信号電圧VR=0とする。
電圧VO及び電流iに着目すると、加入者側の実際の交
流インピーダンスZB′を用いて次式が得られる。
VO=−H・i・ZB′ …(1) (ZB′:加入者側の交流インピーダンス) (1)式から次式が得られる。
i=−VO/H・ZB′ …(2) また、終端複素インピーダンスZTを用いて次式が得ら
れる。
A1VO+A2VRX=i・NZT …(3) (2)、(3)式から、 A1VO+A2VRX=−(VO/H・ZB′)・NZT よって、次式が成立つ。
ここで、A1=−A2,A1H=Nに設定すれば、 となり、加入者端子L1,L2から計測される加入者側のイ
ンピーダンスはZTとなる。(したがって、上述された
(a),(b)の条件が満たされる。) 次に、受信端子RXにおける単方向受信電圧VRXから送
信端子TXにおける単方向送信電圧VTXへの伝達について
検討する。
送信電圧VTXは、次式で表わされる。
(5)、(6)式から、 となる。上記(5)式を得るための条件よりA2=−A1
すると次式が得られる。
この(7)式に、 A4=−A5 A1・A4=A3 ……(8) なる条件を与えると次式が得られる。
ここで、M=Nで且つインピーダンス整合がとれた状
態、すなわち端末側の公称インピーダンスZBが実際の端
末側のインピーダンスZB′に等しい場合、ZB=ZB′とす
れば、 VTX=0 すなわち送信電圧VTXへの受信電圧VRXの回り込みを抑
圧することができる。(上述した(c)の条件が満たさ
れる。) (II)[2線−4線変換/整合] 先ず、加入者端末からの出力である信号電圧VRの送信
端子TXの送信電圧VTXへの伝達について検討する。
(6)式においてVRX=0とすれば、次式が得られる。
また、次式が成立する。
(11)式からiを消去しVOについて解くと次式が得ら
れる。
(12)式と(4)式から、次式が得られる。
したがって、送信時における加入者側から計測される
加入者回路の入力インピーダンスもZTとすることができ
る。(上述された(d)の条件が満たされる。)(12)
式と(10)式から次式が得られる。
ここで、VTX=VRとなるように(4)式、(8)式及
び A1・A4=A3=1 …(16) の条件を与えると、もしもZO≠ZTであったとしても次式
が成立つ。
したがって、インピーダンス整合がとれたとき、すな
わちZB=ZB′のとき、VTX=VRとなって加入者からの例
えば音声信号は、線形歪みを伴うことなく、そのまま送
信端子TXから単方向送信線に送出される。
ZBはZB′に等しい事を意図して作られてはいるが、必
ずしも0.3〜3.4kHzの全範囲内でZB=ZB′にできるとは
限らない。ここでは実際の端末のインピーダンスを
ZB′,作ったつもりのインピーダンスをZBと記して、両
者が必ずしも同一ではない事を考慮している。(上述さ
れた(e)の条件が満たされる。)もしも、このような
インピーダンスの整合による歪み補償を行なわない場
合、仮想的にZB=0としたことに相当する(実際の回路
ではZBを0とすることはできない)から となって、通常の整合回路と同様にZT=ZB′のとき線形
歪みは生じないが信号の伝送損失を生じる。また、ZT
ZB′であれば線形歪みが生じる。
上述のように、第1図の回路では、本来必要な終端イ
ンピーダンス及びバランシングインピーダンスのN倍の
インピーダンスを使用し、増幅率すなわち重み係数A1
A5を上述のように設定することによって、これらのイン
ピーダンスに含まれるキャパシタンスとして1/Nの値を
使用することができ、且つ加入者回路に必要な複素終端
インピーダンス及びハイブリッド機能が得られる。ま
た、インピーダンスMZBのインピーダンス要素12を流れ
る電流iを制御電流として電流源1及び2にフィードバ
ックしているため、上記複素終端インピーダンス及びハ
イブリッド機能を同時に達成することができる。
上述の原理に基づいて具体的に構成される本発明の第
1の実施例による加入者回路について第2図を参照して
説明する。
第2図において、第1図と実質的に同様の部分には同
一の参照符号を付して示している。第1図におけるバッ
ファ増幅器3,4及び加算回路9からなる部分は、第2図
では、バッファ増幅器21、抵抗22〜27及びキャパシタ28
により構成される。第1図におけるバッファ増幅器5,6,
7及び加算回路10からなる部分は、第2図では、バッフ
ァ増幅器31、及び抵抗32〜36により構成される。
第1図におけるバッファ増幅器3〜7の増幅率A1〜A5
を、上述の(4)式、(8)式、及び(16)式の条件を
満足して、しかも、なるべく実際に必要なバッファ増幅
器の数が少なくなるようにするためには、例えばA1=A3
=A4=1、A2=A5=−1と設定すればよい。バッファ増
幅器の数をさらに減らすために、送信電圧VTXの位相は
機能の上でさほど重要ではないので、電圧VTXに代えて
逆位相の電圧−VTXを出力させるようにすれば、A3=A4
=−1、A5=1とすることができる。このようにして構
成したのがFig.3に示す加入者であり、抵抗22〜27、32
〜34及び36の抵抗値をR、抵抗35の抵抗値を2Rとする。
そして、重み係数となる増幅率A1〜A5の符号に合せるた
め図示のように構成されている。さらに、H=M=N=
100、ZB=ZB′とする。バッファ増幅器21の出力側に挿
入されたキャパシタ28は、実際の加入者回線には直流電
流も流れているので、その直流成分を除去するために設
けられている。このような目的では、第2図のキャパシ
タ28に代えて、例えば抵抗22,23と加入者端子L1,L2との
間にそれぞれキャパシタを挿入するようにしてもよい
が、高耐圧のキャパシタは大形になるので、なるべく少
ないことが望ましく、この回路では、回路構成の工夫に
より図に示された個所にのみ設けるようにした。加入者
端子L1,L2は、電流制御電流源1,2に接続される。端子L1
は、抵抗22を介してバッファ増幅器21の非反転入力端に
接続される。バッファ増幅器21の上記非反転入力端には
抵抗24及び26の各一端が共通に接続され、抵抗24の他端
はコモン電位(接地)、抵抗26の他端は所定の固定電位
に接続される。端子L2は、抵抗23を介してバッファ増幅
器21の反転入力端に接続される。バッファ増幅器21の出
力端と上記反転入力端との間には抵抗25が接続され、バ
ッファ増幅器21の上記反転入力端と受信端子RXとの間に
は、抵抗27が接続される。バッファ増幅器21の出力端
は、キャパシタ28を介してN倍の終端インピーダンス
(NZT)である第1のインピーダンス要素11の一端に接
続される。この第1のインピーダンス要素11の他端はバ
ッファ増幅器8の反転入力端に接続されている。バッフ
ァ増幅器8の出力端と反転入力端との間には、M倍のバ
ランシングインピーダンス(MZB)である第2のインピ
ーダンス要素12が接続される。バッファ増幅器8の非反
転入力端はコモン電位(接地)に接続される。
単方向受信端子RXは、抵抗32を介してバッファ増幅器
31の反転入力端に接続される。バッファ増幅器31の出力
端は、単方向送信端子TXに接続される。バッファ増幅器
31の反転入力端は、抵抗33を介して、キャパシタ28と第
1のインピーダンス要素11との接続点に接続される。バ
ッファ増幅器31の出力端と反転入力端との間には抵抗36
が接続される。バッファ増幅器31の非反転入力端は、抵
抗35を介してバッファ増幅器8の出力端に接続される。
バッファ増幅器31の非反転入力端は、抵抗34を介して共
通電位(接地)に接続される。
次にこの第2図の加入者回路が、上述された原理に従
った動作をすることを確認する。
先ず、上述した(a),(b)の条件について検討す
る。
今、VR=0として、加入者端子L1,L2間の電圧VOへの
単方向受信電圧VRXの伝達を検討する。第2図から次の
2つの式が得られる。
VO=−ZB・100・i …(19) これら(18),(19)式からVOを求める。
したがって、加入者側から計測される加入者回路のイ
ンピーダンスはZTとなる。
次に、上述した(c)の条件について検討する。
単方向送信端子TXへの単方向受信電圧VRXの回り込み
を検討するため、送信端子TXにおける送信電圧−VTX
求める。
(21)式と(20)式から、 となり、信号電圧VTXにおける信号電圧VRXのまわり込み
(混入)はない。
次に、上述した(d),(e)の条件について検討す
る。
加入者端末で発生した信号電圧VRの送信端子TXへの伝
達を検討する。第2図から次の2つの式が得られる。
VO=100ZT/i …(22) VO=VR−ZB・100・i …(23) (22)式及び(23)式からVOを求める。
したがって、加入者側から計測される加入者回路のイ
ンピーダンスをZTとすることができる。このとき、第2
図より送信端子TXの電圧−VTXは次式であらわされる。
(24)式と(25)式から となり、加入者端末で発生した信号電圧VRは、(位相関
係を除けば)そのまま送信電圧VTXとして伝達される。
このように、第2図の加入者回路では、終端インピー
ダンスZTを任意に設定することができ、しかもハイブリ
ッド機能を実現することができる。また、一般に終端イ
ンピーダンスZTおよびZB′は、抵抗(R1とする)とキャ
パシタンスとが直列接続されたものである。しかし、M
倍のバランシングインピーダンスMZBは、バッファ増幅
器8の帰還路に挿入されるため、抵抗とキャパシタンス
との直列回路による帰還だけでは直流的な帰還がかから
なくなってしまうため、実際にはMZBに並列に高抵抗
(すなわち、この抵抗をR2とすればR2≫MR1)が設けら
れる。
第2図の実施例では、H=N=M=100、すなわちイ
ンピーダンスZBの100倍のインピーダンスを用いること
により、キャパシタンスを100分の1とすることがで
き、加入者回路全体の小型化、特にLSI化による小型化
に非常に有効な加入者回路が提供される。
第3図を参照して、本発明による加入者回路の第2の
実施例を説明する。
第3図に示す構成では、バッファ増幅器の増幅率が、
A1=1/2,A2=−2,A3=−1,A4=−2,A5=2となっている
点でのみ、第2図とは異なっている。(利得A1〜A5
(4)式,(8)式及び(16)式の条件が満たされる限
り任意に設定することができる。)したがって、第3図
では、利得A1〜A5の変更に応じて、第2図における抵抗
25,26及び33の値がR/2に、抵抗35の値がRに変更される
だけであるので、参照符号は第2図と同一の符号を付し
て示す。第3図の構成では、増幅率A1が第2図の場合よ
りも小さくなっている。これは、加入者端子L1〜L2間に
与えられる電圧が比較的高いことから、後続の回線また
は回路のダイナミックレンジを配慮したためである。
なお、以上の実施例では、抵抗は全て単一の標準値R
の整数倍または整数分の1としている。これはIC化した
場合には、複数の抵抗に同じ抵抗値を用いるほうが高精
度を得るのが容易であるからである。したがって、実際
上、この回路で用いる複数の抵抗の値が必ずしも整数比
である必要はなく、増幅率A1〜A5が必要な精度で得られ
ればどのような抵抗値を選定してもよい。
次に、本発明による加入者回路における直流電流供給
機能について説明する。
この給電機能を第4図を参照して説明する。
加入者回路SLは、この第4図に示されていない給電回
路を含んでいる。この給電回路は、加入者端子L1,L2
加入者回線を介して接続される加入者端末として通常使
用される電話機TPに、該電話機において用いられるカー
ボンマイクのような音響変換器を動作されるための定電
流を供給するために設けられる。また、加入者回線に流
れる電流ILは抵抗Rfを介して加入者回路SLに供給される
基準電圧Vrefによって任意に設定され得る。
第5図を参照して上記給電回路の具体的な構成の一例
を説明する。
第5図の給電回路は、増幅器51〜54、電流検出用イン
ピーダンス素子55,56及び抵抗57〜62を有している。給
電用の増幅器52は、電流を検出するためのインピーダン
ス素子55を介して一方の加入者端子L1に接続される。加
入者端子L1には、負荷である加入者端末のインピーダン
スZB′の一端が接続される。上記給電用の増幅器52とは
逆向きの電流を出力する給電用の増幅器53は、電流を検
出するためのインピーダンス素子56を介して他方の加入
者端子L2に接続される。加入者端子L2には、負荷である
加入者端末のインピーダンスZB′の他端が接続される。
増幅器52の出力端と加入者端子L2との間には、抵抗59と
58との直列回路が図示のように接続され、加入者端子L1
と増幅器53の出力端との間には、抵抗57と60との直列回
路が図示のように接続される。抵抗59と58との接続点
は、電流検出用の増幅器54の非反転入力端に接続され、
抵抗57と60との接続点は、電流検出用の増幅器54の反転
入力端に接続される。電流検出用の増幅器54の出力端は
抵抗62を介して、給電用の増幅器51の反転入力端に接続
される。増幅器51の反転入力端には、抵抗Rfを介して外
部基準電圧Vrefが接続される。すなわち増幅器51の反転
入力端には、抵抗Rfを介して外部基準電圧Vrefからの直
流信号Iが入力される。増幅器51の出力端子と反転入力
端子との間には帰還抵抗61が接続される。増幅器51の出
力端は増幅器52の入力端と増幅器53の入力端との両方に
接続される。
この回路では、基準電圧Vrefより与えられる直流入力
Iが増幅器51を通り、互いに逆位相の電流を出力する増
幅器52及び53に与えられ、これら増幅器52及び53の出力
はそれぞれインピーダンス素子55及び56を介して加入者
側、すなわちインピーダンスZB′に給電される。このと
きインピーダンス素子55及び56における電圧降下が合成
されて増幅器54で検出され、増幅器51に帰還される。す
なわち、増幅器54の出力と基準信号I(直流)とが加算
された信号が増幅器52,53へ帰還され、インピーダンスZ
B′に信号Iに比例した電流が給電される。第5図にお
いて、例えば抵抗57〜60を等しい値に選定し、且つイン
ピーダンス素子55及び56の両端の電位を図示のようにそ
れぞれVaとVb及びVcとVdとすれば、増幅器54の出力電圧
Veは、インピーダンス素子55及び56のインピーダンスを
それぞれRM1及びRM2として Ve=(Va−Vb)+(Vc−Vd) =RM1・IL+RM2・IL となり、RM1=RM2=RMであれば Ve=2RM・IL となる。
この電圧Veが増幅器51へ帰還され、帰還ループの利得
が充分に大きければ 2RM・IL=Vref 満足するように制御されて、負荷インピーダンスZB′に
対する出力電流ILが一定となり、定電流特性が維持され
る。
また、負荷、すなわち加入者側にコモンモードの外乱
が生じた場合、負荷側から計測されるコモンモードに対
するインピーダンスがインピーダンスRM1とRM2との並列
インピーダンスとなり、加入者回線が並列インピーダン
スで終端されていることになる。この場合、インピーダ
ンスRM1,RM2は、数十Ω程度の低抵抗となるため、コモ
ンモードの帰還のために特別の回路を必要とせずに、外
乱による影響を受けにくい給電回路が達成される。
第5図の給電回路を、第2図に示される第1の実施例
による回路に組込む場合の具体的な構成を第6図を参照
して具体的に説明する。
第6図に示される信号線L1及びL2が第2図の抵抗22及
び23にそれぞれ接続され、この第6図の給電回路が第2
図の電流制御電流源1,2として機能する。
第2図のバッファ増幅器8の帰還電流に相当する電流
i(交流)は、信号線L3を介して入力され上述した直流
電流Iと加算される。なお、バッファ増幅器8の帰還電
流に相当する電流iは、後述する電流検出回路(第7
図)で生成される。したがって、負荷インピーダンス
ZB′に流れる電流は、H・(i+I)となる。
なお、第6図に示される給電回路は、帰還抵抗や入力
抵抗が必要に応じて適宜付加された増幅器52〜54を用い
ているが、原理を示した第5図の回路と実質的に変わる
ところはない。
このようにして、付加インピーダンスZB′に流れる電
流の検出及び供給が行われる。
なお、第6図の給電回路は、本発明の第2の実施例で
ある第3図の加入者回路にもそのま適用することができ
る。
次に、バッファ増幅器8の帰還インピーダンスMZB
流れる電流iを検出し、第6図の給電回路に信号線L3
介してフィードバックするための具体的な回路を第7図
に示す。
バッファ増幅器8の出力側に電流増幅回路CAを含む出
力回路が構成される。この出力回路は、バッファ増幅器
8の出力電圧を抵抗35を介してバッファ増幅器31に与
え、且つこのバッファ増幅器8の出力電圧を帰還路とな
るインピーダンス要素12の一端に与えるとともに、これ
らの機能に影響を与えずにインピーダンス要素12に流れ
る電流に応じた電流信号を端子Toから出力する。
電流増幅回路CAは、一対のトランジスタQ1,Q2と、一
対のカレントミラー回路CM1,CM2とで構成される。カレ
ントミラー回路CM1,CM2は、それぞれ、入力側、すなわ
ちトランジスタQ1,Q2に流れる電流のn倍の電流を出力
側に流す回路である。出力回路には、さらに一対のトラ
ンジスタQ3,Q4、ダイオード接続された他の一対のトラ
ンジスタQ5,Q6、バッファ増幅器8の出力がベースに与
えられるトランジスタQ7及び電流源CSを有する。トラン
ジスタQ1,Q3及びQ5のベースは互いに共通に接続され、
トランジスタQ2,Q4及びQ6のベースは互いに共通に接続
されている。トランジスタQ3,Q4は、エミッタ同士が接
続されそれぞれのコレクタは電源電位VP及びVNに接続さ
れている。トランジスタQ3,Q4は、バッファ増幅器8の
出力端に生じた電圧に応じた電圧を両者のエミッタの接
続点に生じ抵抗35を介してバッファ増幅器31に供給す
る。電流源CS、ダイオード接続されたトランジスタQ5,Q
6、及びトランジスタQ7のコレクタ−エミッタ回路は、
電源電位VP及びVN間に直列に設けられ、電流増幅器CAの
トランジスタQ1,Q2のベースにそれぞれバイアス電位を
与える。トランジスタQ1,Q2は、エミッタ同士が接続さ
れそれぞれのコレクタはカレントミラー回路CM1,CM2
入力側に接続されている。トランジスタQ1,Q2のエミッ
タ同士の接続点には、インピーダンス要素12の一端が接
続されている。カレントミラー回路CM1,CM2の出力側は
互いに共通に接続され、端子TOから給電回路の増幅器51
の反転入力端に電流信号iOを出力する。
インピーダンス要素12から、インピーダンス要素11に
流れる電流に等しい電流iがトランジスタQ1,Q2のエミ
ッタ同士の接続点に流れ込むと、電流増幅回路CAは、端
子TOにiO=n・iの電流を引き込み、電流iがトランジ
スタQ1,Q2のエミッタ同士の接続点から引き出される
と、電流増幅回路CAは、端子TOからiO=n・iの電流を
流出する。つまり、加入者側から計測されるインピーダ
ンスZTに流れる電流iがカレントミラー回路CM1,CM2
電流比nの電流増幅回路CAに与えられると端子TOには、
電流iO=n・iが制御信号として給電回路の増幅器51に
与えられる。
第7図の出力回路も、第3図に示される本発明の第2
の実施例による加入者回路に適用することができる。
〔発明の効果〕
以上、本発明によれば、終端インピーダンスやバラン
シングインピーダンスに含まれる容量よりも小さい容量
を用いて、これらの機能を達成しえる。またMZBに流れ
る単一の電流で、終端複素インピーダンス,ハイブリッ
ド機能を制御するので、回路素子を削減できる。又、さ
らに外付けせざるを得なかった絶対値の正確な抵抗を必
要としない故、小型化,経済化,LSI化を達成しえる加入
者回路を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による加入者回路の第1の実施例の原理
を説明するためのブロック図、第2図は第1図の原理に
基づいた本発明による加入者回路の第1の実施例の構成
を示すブロック図、第3図は本発明による加入者回路の
第2の実施例の構成を示すブロック図、第4図は加入者
回路における直流給電機能を説明するための図、第5図
は本発明による加入者回路に使用される給電回路の構成
の一例を示すブロック図、第6図は本発明による加入者
回路の第2図の実施例に適用される給電回路の構成を示
すブロック図、第7図は本発明による加入者回路の第2
図の実施例に適用される電流検出回路の構成を示すブロ
ック図、第8図は加入者回路におけるハイブリッド機能
を説明するための図である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2端子間に接続される加入者端末を単方向
    受信線路及び単方向送信線路によって交換機に接続する
    ための加入者回路であって、前記2端子間の出力と前記
    単方向受信線路の端子に供給される出力とを加算する第
    1の加算回路と、第1の加算回路の出力電圧が入力さ
    れ、加入者端末側から加入者回路側を見たインピーダン
    スの実数倍に等しい第1のインピーダンス回路と、第1
    のインピーダンス回路の出力が反転入力端子に入力され
    る第1のバッファ増幅回路と、この第1のバッファ増幅
    回路の帰還路に挿入され、加入者回路側から加入者端末
    側を見たインピーダンスの実数倍に等しい第2のインピ
    ーダンス回路と、第2のインピーダンス回路に流れる電
    流の定数倍の電流を前記加入者端末に給電するための給
    電回路と、前記第1のバッファ増幅回路の出力と前記第
    1の加算回路の出力と前記単方向受信線路の端子に供給
    される出力とを加算し、前記単方向送信線路の端子に供
    給する第2の加算回路を具備したことを特徴とする加入
    者回路。
  2. 【請求項2】前記第1の加算回路は、前記2端子の一方
    の出力と単方向受信線路の端子に供給される出力とが抵
    抗を介して反転入力端子に入力され、前記2端子の他方
    の出力が抵抗を介して非反転入力端子に入力される第2
    のバッファ増幅回路からなることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の加入者回路。
  3. 【請求項3】前記第2の加算回路は、前記第1のバッフ
    ァ増幅回路の出力と前記第1の加算回路の出力と前記単
    方向受信線路の端子に供給される出力とを加算する重み
    付け加算回路からなることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載の加入者回路。
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