JP2642366B2 - 部品ストッカー - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、部品を収容する棚板が複数引き出し可能に
重積され、所要の部品を収容している棚板を引き出し
て、その部品をロボット等の組立機械を提供する部品ス
トッカーの改良に関する。

〔従来の技術〕

従来のこの種の部品ストッカーは、部品を収容する棚
板が横方向に引き出されるようにして、縦方向に複数重
積されている。

そして、各棚板には、これを横方向に引き出したり、
戻したりするアクチュエータが設けられ、所要の部品が
収容されている棚板のアクチュエータを動作させ、その
棚板を引き出して、その上にならべて載置されている部
品を組立機械のロボット等に供給していた。

この供給が終ると、アクチュエータが逆方向に動作し
て棚板を戻し、次の所要の部品が載置されている棚板が
引き出されるように構成されていた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

従来のこの種の部品ストッカーにおいては、アクチュ
エータは棚板の数だけ必要となり、その外形の太さから
して棚板間の寸法を小さくすることができなかった。

そのため、ICやチップ部品のような厚さの薄い部品を
収容する棚でも、必要以上に部品ストッカーの厚さが厚
くなり、そのためロボット等が部品をつかむためのスト
ロークが長くなってしまう。

又、棚板を引き出す長さと略同じストロークのアクチ
ュエータが必要となり、個々のアクチュエータが高価で
あるばかりでなく、棚板の数だけアクチュエータが必要
となるため、装置全体が高価なものになってしまう欠点
があった。

〔発明の目的〕

本発明は、従来の部品ストッカーの前述の問題点を解
消するなめに、１個のアクチュエータで全部の棚板を選
択して引き出せるようにして全体としての厚さを薄形化
すると共に、装置全体を安価なものにし、しかも剛性の
高い部品ストッカーを提供することを目的とする。

〔発明の概要〕

本発明は前述の目的を達成するために、最下段の棚板
にのみアクチュエータのような移動手段を設け、隣接す
る棚板とは係合手段で係合させ、その係合を離脱手段で
外すことにより、外された棚板の下部の棚板全部を移動
手段で引き出し、引き出された最下段の棚板の部品のみ
が上面に露呈するようにしたことを要旨とする。

〔発明の実施例〕

本発明の実施の一例を、図面について以下に説明す
る。

第１図において、１は棚板で、その一側には第２図の
ガイドバー２をスライドするスライダ３が取付けられ、
反対側はガイド壁４の溝4aをスライドすることによって
前方へ引き出し可能となっている。

この棚板１のスライダ３の取付側と前面とには支壁1a
が立設され、棚板１の上面に取付けられたストッパ1bと
の間に、IC、LSI等の部品が平面的に列べられているト
レイＡが載置される。

又、棚板１の上面の後面近くには係合ピン５が立設さ
れると共に、下面には、この係合ピン５の位置と係合窪
部6aを一致させて係合片６が軸７で枢着され、この係合
片６には係合窪部6aを係合ピン５に係合させる方向に付
勢するバネ８が装架され、且つ係合片６をこの係合位置
に保つストッパピン９が係合片６に立設されている。

第２図のように、前記のガイドバー２が５本縦方向に
列設されると共に、このガイドバー２と対向して設けら
れたガイド壁４には溝4aが５本刻設されており、各ガイ
ドバー２にはそれぞれの棚板１のスライダ３が溝4aに棚
板１の側部がスライド可能に挿入されることによって、
５枚の棚板１が引き出し可能に重積されている。

そして、最下段の棚板１の係合ピン５は、そのすぐ上
側の棚板１の係合片６の係合窪部6aに係合し、その棚板
１の係合ピン５がその上の棚板１の係合片６に係合する
ようにして、全部の棚板１は連動して引き出すことがで
きるようになっている。

前記ガイドバー２、ガイド壁４が設けられている固定
フレーム10には、前記と同様な係合片６が最下段の棚板
１の係合ピン５を係止するように取付けられている。

従って、この係合によって、全部の棚板１の前方への
引き出しは阻止されている。

又、固定フレーム10のガイドバー２の側方に棚板１を
前方に引き出すのに必要なストロークを有するエアシリ
ンダ等のアクチュエータ11が取付られ、その作動片が最
下段の棚板１の前面に連結板12で連結されている。

更に、固定フレーム10には、係合片６に対して各１個
のソレノイド13（エアシリンダであっても良い）が取付
けられ、該ソレノイド13が動作すると、係合片６の作動
部6bがこれに押されてバネ８に抗して回動し、係合ピン
５と係合窪部6aの係合を離脱するようになっている。

第３図において、14,15は夫々上下に２段に形成さ
れ、かつ夫々がスライダ３の背面に対向して設けられた
センサにして、各スライダ３が引き出されているか否か
を検出するものである。

又、16は最下段の棚板１の下方に設けられた底板で、
固定フレーム10に取付けられており、これにもストッパ
16aでトレイＡが載置されるようになっているものであ
る。

従って、各棚板１が第２図のように引込み位置にある
時は、底板16の上のトレイＡが上面に露呈しているの
で、これに列べられている部品をロボット等の動作アー
ムが掴むことができる。

しかし、前記５段の棚板１に収容されている部品が必
要となった時には、その上の段の棚板１の係合片６を動
作させるソレノイド13に電流を流し、これを動作させ
る。

すると、係合片６はこれに押され、バネ８に抗して回
動し、その係合窪部6aが解除される。

この状態でアクチュエータ11を動作させると、最下段
の棚板１は引き出される方向に移動しようとするが、前
記係合が離脱された棚板１よりも下方の棚板１は係合状
態を保つため、最下段の棚板１と共に前方に引き出され
る。

しかし、それよりも上方の棚板１は、最上段の棚板１
が固定フレーム10の係合片６に係合して引き出されるの
を阻止されているため、一緒に引き出されない状態を保
っている。

従って、所要の棚板１よりも下方の棚板１が全て引き
出されるため、所要の棚板１のトレイＡが露呈し、その
部品の取り出しができる。

このようにして、棚板１が引き出される方向に移動し
始めると、ソレノイド13の励磁は解除され、係合片６は
バネ８の付勢でストッパピン９が停止されるまで戻され
ている。

そして、引き出されていた棚板１から部品が取り出さ
れ、棚板１が戻って来た場合には、係合ピン５が係合片
６をバネ８に抗して押しながら係合窪部6aに係合し、離
脱していた係合が係合状態に戻るものである。

〔発明の効果〕

本発明は叙上のように、複数の棚板を係合状態として
いる係合手段の中から１つを選択して、離脱手段で離脱
させ、最下段の棚板を移動手段で引き出すことにより、
係合手段が離脱された棚板までの棚板を引き出し、この
棚板の上面を露呈してそこに載置されている部品を取り
出すことができるものである。

従って、アクチュエータのような移動手段は１個で足
り、長ストロークで高価なアクチュエータの数が減少す
ることによって、安価に提供できるようになる。

又、アクチュエータのような移動手段は外形が大き
く、各棚板毎に設けると棚板のピッチが大きくなり、全
体としての厚さが厚くなってしまう。

これに対して、本発明は１個の移動手段で足りるた
め、ピッチを小さくして全体の厚さを薄形化にすること
ができ、従って部品を掴んで取り出すロボットアーム等
の昇降ストロークを小さくすることができる。

更に、所要の棚板より下方の棚板全体が引き出される
ため、ロボットによるパーツハンドリングの際の押下力
に対し、剛性のあるものとすることができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の棚板の斜面図、 第２図は全体の斜面図、 第３図は同平面図、 第４図は同側面図、 第５図は同正面図、 第６図は一部の縦断正面図、 第７図は係合部の平面図、 第８図はその側面図、 第９図はガイド溝の正面図、 第10図は最下段の棚板のみ引き出した側面図、 第11図はその上の棚板も引き出した側面図である。 １……棚板、２……ガイドバー、３……スライダ、５…
…係合ピン、６……係合片、6a……係合窪部、８……バ
ネ、11……アクチュエータ、13……ソレノイド。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】部品を収容すべく、重積方向に設けられ、
   且つ重積方向とは直角方向に引き出し可能な複数の棚板
   と、重積方向の上下方向の何れかにおいて隣接する棚板
   が連動して引き出されるように係合する複数の係合手段
   と、該係合手段のうちの１つを選択してその係合を離脱
   させる離脱手段と、最下段の棚板を引き出し方向に移動
   させる移動手段とを備えたことを特徴とする部品ストッ
   カー。