JP2642157B2 - コーティング溶液 - Google Patents

コーティング溶液

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【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、ホ
ウ酸および、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物(以
下、EVOHという)を溶媒を主体としたEVOH系コーティン
グ溶液に関する。
B.従来技術 熱可塑性樹脂成形物は包装用フィルム、シート、積層
物、中空容器などとして広く使われており、多くの好ま
しい性質をもっているが、なお改善すべき点も多くあ
る。例えば、内容物の酸化防止あるいは香りの保持が必
要とされる食品分野などにおいてはハイガスバリア性が
要求されている。また、軟質塩化ビニルからなる塩ビ壁
紙、塩ビレザー等では可塑剤のブリードに起因する臭い
や、汚れ易く、汚れが落ちにくいという欠点がある。そ
こで、透明性が良好であり、しかもガスバリア性、保香
性、および耐油性に優れたEVOHを外層あるいは中間層に
設けることによって上記欠点を改良する方法が広く実施
されている。
熱可塑性樹脂成形物に新たにEVOH層を形成する方法と
して、基材にEVOHフィルムをラミネートする方法やEVOH
溶液を基材に塗布し乾燥することによってEVOH被膜層を
形成する方法等が実施可能であるが、比較的膜厚の薄い
被膜が形成できる点、中空容器等の複雑な形の基材に対
しても容易に被膜を形成できる点、及び比較的簡単な装
置で塗工操作ができる点から、EVOHを溶媒に溶解した溶
液を基材に塗布する溶液コーティング法が注目されてい
る。
かかる方法において、EVOHの溶媒としてこれまでに多
数のものが提案されているが、特公昭46−23911号公報
や特公昭47−48489号公報に記載される含水プロピルア
ルコールや含水ブチルアルコールが透明な皮膜が得られ
るという点で有望視されている。
しかしながら、本発明者等が検討したところ、かかる
含水アルコール系での塗膜形成の場合、EVOH溶液の貯蔵
安全性や放置安全性が悪いためにEVOHの沈殿物が析出
し、使用時に高温で再溶解する必要がある等の欠点があ
ることが判明した。このような欠点を解消するために含
水アルコール系の溶媒に蟻酸あるいは酢酸を2〜85重量
%添加するという方法が特開昭60−124661号公報および
特開昭60−124662号公報で提案されている。しかしなが
ら、蟻酸あるいは酢酸は毒性が強いこと、さらに蟻酸あ
るいは酢酸を多量使用すると、コーティング装置あるい
は乾燥機等を腐食させてしまうという欠点がある。
C.発明が解決しようとする課題 本発明は、上記のような従来技術の欠点を解消するた
めに創案されたものであり、溶液をの貯蔵安定性や放置
安定性が著しく改善されたEVOH系コーティング溶液を提
供することを目的とする。
D.課題を解決するための手段 上記目的は、EVOH、ホウ酸および水−アルコール混合
溶媒からなり、かつホウ酸の含有量がEVOに対し0.5〜20
重量%であるコーティング溶液を提供することによって
達成される。
本発明の最大の特長は、EVOH系コーティング溶液の貯
蔵安定性及び放置安定性が著しく改善されることにあ
る。
さらにこのEVOH系コーティング溶液から得た塗膜はホ
ウ酸を添加しないものと比較して、ガスバリア性、保香
性および耐油性において遜色ないものである。
EVOH溶液に配合されるホウ酸の添加量はエチレン−酢
酸ビニル共重合体鹸化物に対して0.5〜20重量%である
ことが重要で、最適には1〜10重量%である。ホウ酸の
添加量が0.5重量%以下では、後述する比較例2および
4からも明らかなように、コーティング溶液の貯蔵安定
性及び放置安全性の改善効果が小さい。一方、20重量%
以上では、ホウ酸を添加したことによる溶液粘度の上昇
が大きいために、塗布操作が非常に困難になるばかりで
なく、塗布乾燥後のEVO塗膜が吸湿しやすくなるという
欠点がある。
本発明で用いるEVOHは、エチレン含量20〜60モル%、
好ましくは25〜55モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度が90
%以上、好ましくは95%以上である。エチレン含量が20
モル%以下では高湿時のガスバリア性が低下するか、ま
たは耐水性が低下する。一方、60モル%以上では充分な
ガスバリア性が得られない。また、鹸化度が90%以下で
はガスバリア性や耐湿性が低下する。
また、EVOHは更に小量のプロピレン、イソブテン、α
−オクテン等のα−オレフィン、不飽和カルボン酸また
はその塩、その部分アルキルエステル、その完全アルキ
ルエステル、そのニトリル、そのアミド、その無水物、
不飽和スルホン酸またはその塩等のコモノマー単位を含
んでも差し支えない。
本発明で用いるEVOHの溶媒としては、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルア
ルコール等の1価アルコール、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール等の2価アルコール、グリセリン等
の3価アルコール、と水との混合溶媒が使用される。
特に好適に使用される水−アルコール系の混合溶媒と
しては、水−ノルマルプロピルアルコール、水−イソプ
ロピルアルコール、水−メチルアルコールがあげられ
る。水−アルコールの混合割合は、アルコールの種類、
溶解するEVOHの種類により適宣選択される。アルコール
単独系溶媒を使用したのでは、後述する比較例5〜6か
らも明らかなように、満足できるEVOH系コーティング溶
液が得られない。
本発明のコーティング溶液には、蟻酸、酢酸等の酸類
を本発明の目的が阻害されない範囲で添加しても差し支
えない。
EVOH系コーティング溶液の濃度は、混合溶媒とEVOHと
の合計量に対して2〜20重量%であることが、塗工性の
点から好ましい。
EVOH系コーティング溶液を塗布する方法としては、ロ
ーラーコーティング法、スプレーコーティング法、デイ
ップコーティング法等の任意の公的方法が適用できる。
基材の塗布面は1面、2面あるいは全面何れでもよい。
EVOH系コーティング溶液を基材に塗布した後、乾燥が
行われる。乾燥温度は30〜200℃、好ましくは50〜150℃
程度の温度で、10秒〜10分程度加熱すばよい。被膜の乾
燥は揮発分がほとんどなくなるまで行うこともできる
が、被膜にクラッキングが発生するのを防止したり、被
膜の透明性や層間接着力を長期間にわたって維持できる
ように揮発分を被膜中に0.5〜5重量%残存させるのが
有利である。
本発明のEVOH系コーティング溶液には耐候性安定剤、
酸化防止剤、フィラー、補強剤(ガラス繊維など)、着
色剤、界面活性剤、可溶性無機塩などの添加剤を適宣配
合することができる。
本発明において、基材に塗布されたEVOH層の膜厚(溶
媒を蒸発させた後の厚さ)は0.5〜20μ程度が実用的で
ある。0.5μ以下では充分なガスバリア性が得られず、
一方20μ以上では目的とする膜厚の被膜を得るために塗
布回数を増す等の操作が必要となり、生産性が著しく低
下するという問題が生じてくる。
本発明のEVOH系コーティング溶液は、各種基材に塗布
されて、EVOHのガスバリア性、保香性および耐油性を利
用した各種分野に広く使用される。ここで基材としては
食品、飲料、薬品、医薬品などの熱可塑性樹脂製の包装
材料、あるいは容器(ボトル、カップなど)が代表例と
してあげられる。熱可塑性樹脂としては熱可塑性ポリエ
ステル樹脂(ポリエチレンテレフタレートなど)、ポリ
オレフィン樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポ
リ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリカーボネート樹脂などがあげられる。また基材
の他の例としては可塑剤を含有する軟質ポリ塩化ビニル
樹脂からなる壁紙、カードケース、デスクマットなどが
あげられ、このような基材に本発明の樹脂組成物を適用
した場合、可塑剤のブリードを防ぐことができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく
説明する。%、部とあるのは、特にことわりのない限り
いずれも重量基準である。
F.実施例 比較例1 水35%、ノルマルプロピルアルコール65%を含む混合
溶媒90部にEVOH(エチレン含有率32モル%、鹸化度99.5
%)10部を加え、80℃で2時間撹拌し、透明な溶液を調
整した。この溶液を20℃まで冷却した後、20℃の恒温室
に放置して溶液の放置安定性を評価した。
測定法は、溶液の400nmにおける透過率を経時的に測
定し、透過率の減少をもって溶液の放置安定性を評価し
た(測定には、日立製作所製スペクトロフオトメーター
228Aを使用した)。実際は、透過率が0%になるまでの
日数で放置安定性を比較した。上記の溶液は10日後に透
過率が0%になった。
実施例1〜4および比較例2 水35%、ノルマルプロピルアルコール65%を含む混合
溶媒90部にEVOH(エチレン含有率32モル%、鹸化度99.5
%)10部を加え、さらにホウ酸EVOHに対して0.2重量%
(比較例2)、1重量%(実施例1)、3重量%(実施
例2、5重量%(実施例3)、10重量%(実施例4)加
えた後、80℃で2時間撹拌し、透明な溶液を調整した。
この溶液を20℃まで冷却した後、20℃の恒温室に放置し
て溶液の放置安定性を評価した。これらの溶液の透過率
が0%になるまでの日数を表1に示した。
比較例3 水35%、イソプロピルアルコール25%、ノルマリプロ
ピルアルコール40%を含む混合溶媒90部にEVOH(エチレ
ン含有率32モル%、鹸化度99.5%)10部を加え、80℃で
2時間撹拌し、透明な溶液を調整した。この溶液を20℃
まで冷却した後、20℃の恒温室に放置して溶液の放置安
定性を評価した。これらの溶液の透過率が0%になるま
での日数を表2に示した。
実施例5〜6および比較例4 水34%、イソプロピルアルコール25%、ノルマルプロ
ピルアルコール40%を含む混合溶媒90部にEVOH(エチレ
ン含有率32モル%、鹸化度99.5%)10部を加え、さらに
ホウ酸をEVOHに対して0.2重量%(比較例4)、3重量
%(実施例5)および重量%(実施例6)加えた後、80
℃で2時間撹拌し、透明な溶液を調整した。この溶液を
20℃まで冷却した後、20℃の恒温室に放置して溶液の放
置安定性を評価した。これらの溶液の透過率が0%にな
るまでの日数を表2に示した。
比較例5〜6 実施例1において、混合溶媒の代わりにメタノール
(比較例5)およびノルマルプロピルアルコール(比較
例6)を使用した以外は、実施例1と同様にして、80℃
で、2時間撹拌したが、EVOHが溶解しなかった。
なお、上記実施例により得られたEVOH塗膜のガスバリ
ア性、保香性および耐油性も検討したが、いずれも満足
すべきものであった。
F.発明の効果 本発明のEVOH系コーティング溶液は、貯蔵安定性及び
放置安定性が極めて優れている。
さらに、得られたEVOH塗膜はホウ酸を添加しないもの
と比較してガスバリア性、保香性及び耐油性において遜
色ないものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、ホ
    ウ酸および水−アルコール混合溶媒からなり、かつホウ
    酸の含有量がエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物に対
    し0.5〜20重量%であるコーティング溶液。
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