JP2641498B2 - 差動制限トルク制御装置 - Google Patents

差動制限トルク制御装置

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JP2641498B2
JP2641498B2 JP12902688A JP12902688A JP2641498B2 JP 2641498 B2 JP2641498 B2 JP 2641498B2 JP 12902688 A JP12902688 A JP 12902688A JP 12902688 A JP12902688 A JP 12902688A JP 2641498 B2 JP2641498 B2 JP 2641498B2
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torque
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清孝 尾崎
裕二 小張
隆志 今関
誠 萩原
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、外部からのクラッチ締結力制御により、左
右駆動輪間の差動制限トルクを可変に制御する差動制限
トルク制御装置に関する。
(従来の技術) 従来、差動装置に内蔵された多板摩擦クラッチ(差動
制限クラッチ)が車両進行方向に対し左右の一方に片寄
って配設されると共に、該多板摩擦クラッチへのON−OF
F的な締結油圧付与と締結油圧解放によりデフロック状
態とアンロック状態との切換が可能なデフロック装置と
しては、例えば、特公昭57−4536号公報に記載のものが
知られている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、このような従来のデフロック装置にあ
っては、旋回方向にかかわらず、デフロック時には同じ
圧力レベルの締結油圧が付与される構成となっていた
為、従来例のように、多板摩擦クラッチが車両進行方向
に対し左側に片寄って配設されている場合、スラスト力
により発生する差動制限トルクの関係で、右旋回時には
差動制限トルク合計値が高く所望するデフロック効果を
実現出来たとしても、左旋回時には差動制限トルク合計
値が低めとなり、所望するデフロック効果を望めないと
いう課題があった。
即ち、第6図及び第7図は、多板摩擦クラッチに、外
部からの制御圧により同じ差動制限トルクΔTを付与さ
せた場合の左旋回時と右旋回時とにおけるトルク配分状
況を示しており、理論値としては、トルク入力値TIN
対し左右輪への配分値は、旋回時の内外輪同士でそれぞ
れ一致する。
しかし、差動制限トルクはピニオンギヤやサイドギヤ
への差動ギヤ入力トルクT1、T2に応じ、スラストワッシ
ャに作用するスラスト力(ギヤの圧力角等による)によ
っても発生する。
そこで、前記差動ギヤ入力トルクT1,T2を比較する
と、差動制限トルクΔTを発生させての旋回時には、回
転の速い外輪側から回転の遅い内輪側へ差動制限トルク
ΔTが伝達される為、図面からも明らかなように、T1
T2の関係になり、スラスト力等によって発生する差動制
限トルクΔTS1,ΔTS2は右旋回時の場合に大きなトルク
値となり、左旋回時の場合に小さなトルク値となる。
従って、差動装置に内蔵された差動制限クラッチが車
両進行方向に対し左側に片寄って配設されている場合、
差動制限トルク合計値の関係は、 ΔT1+ΔTS1(左旋回)<ΔT2+ΔTS2(右旋回) の関係になり、旋回方向によって差動制限トルク合計値
が異なってしまう。
尚、従来例のようなデフロック装置の場合は、旋回方
向による差動制限トルク合計値の差異が大して問題とな
らないが、車両状態や走行状態に応じて差動制限トルク
を可変に制御する差動制限トルク制御装置の場合には、
最適の差動制限トルクが得られるように差動制限トルク
目標値を設定していても、右旋回時は差動制限トルクが
高めとなり、初期アンダーステア傾向が強まったり、ま
た、左旋回時は初期アンダーステアは弱いが、限界時に
内輪の空転が大きく加速性に欠けてしまう。
(課題を解決するための手段) 本発明は、差動制限クラッチが車両進行方向に対し左
右の一方に片寄って配設された差動装置では、差動装置
のスラスト力により発生する差動制限トルクが旋回方向
によって異なる点に着目した制御を行なうことで、差動
制限クラッチの配設位置や旋回方向にかかわらず同じ車
両特性が得られる差動制限トルク制御装置を提供するこ
とを目的としてなされた。
上述の目的達成のために本発明の差動制限トルク制御
装置は、第1図のクレーム概念図に示すように、差動装
置1に設けられた差動制限クラッチ2が車両進行方向に
対し左右の一方に片寄って配設されると共に、該差動制
限クラッチ2の締結力制御により左右駆動輪3,4間の差
動制限トルクを可変に制御出来る差動制限トルク制御手
段5を備えた車両において、前記車両の旋回方向を検出
する旋回方向検出手段6を設け、前記差動制限トルク制
御手段5は、差動制限クラッチ2が車両進行方向に対し
左側に配設されている場合、右旋回時の締結力指令値よ
り左旋回時の締結力指令値を高めとし、差動制限クラッ
チ2が車両進行方向に対し右側に配設されている場合、
左旋回時の締結力指令値より右旋回時の締結力指令値を
高めとする制御を行なう手段である事を特徴とする。
(作 用) 差動制限クラッチ2が車両進行方向に対し左側にある
場合、旋回時に、差動制限トルク制御手段4において、
右旋回時より左旋回時に締結力指令値を高める制御が行
なわれる。
また、差動制限クラッチ2が車両進行方向に対し右側
にある場合、旋回時に、差動制限トルク制御手段4にお
いて、左旋回時より右旋回時に締結力指令値を高める制
御が行なわれる。
従って、差動装置1のスラスト力により発生する差動
制限トルクの差異が、外部からの締結力により発生する
差動制限クラッチ2での差動制限トルクの差異によって
相殺され、差動制限クラッチ2の配設位置や旋回方向に
かかわらず一定の差動制限トルク合計値が得られること
になる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
実施例の差動制限トルク制御装置が適応される後輪駆
動車は、第2図に示すように、エンジン10、トランスミ
ッション11、リヤプロペラシャフト12、リヤディファレ
ンシャル13、リヤドライブシャフト14,15、後輪16,17、
前輪18,19を備えている。
尚、前記リヤディファレンシャル13には、外部からの
制御圧Pcにより締結される湿式多板摩擦クラッチ構造に
よる差動制限クラッチ20が、車両進行方向に対し左側に
片寄った位置に内蔵状態で配設されている。
前記リヤディファレンシャル13は、第3図に示すよう
に、入力部材として、リヤプロペラシャフト12からの駆
動力をドライブピニオンギヤ30及びリングギヤ31を介し
て入力するデフケース32が設けられ、差動ギヤトレーン
として、ピニオンシャフト33に支持されたピニオンギヤ
34と、該ピニオンギヤ34に噛合するサイドギヤ35,36と
が設けられ、左右の両サイドギヤ35,36の夫々にリヤド
ライブシャフト14,15が連結されている。
尚、前記デフケース32は、デフキャリア37に対しベア
リング38を介して回転可能に支持されていて、このデフ
ケース32と前記サイドギヤ35,36との間には、ギヤの圧
力角等によって発生するスラスト力を受けるスラストワ
ッシャ39が介装されている。
前記差動制限クラッチ20は、前記デフケース32と一方
のサイドギヤ36との間に介装されたクラッチプレートを
有し、該クラッチプレートの一端部側には装置レイアウ
トを考慮して押圧手段21が設けられている。
そして、この差動制限クラッチ20の締結力制御による
左右後輪17,18の差動制限トルク制御は、外部油圧源40
からの加圧油を油圧制御バルブ41を介して所定の制御圧
Pcとし、この制御圧Pcを押圧手段21のピストン室22に導
くことで行なわれる。
尚、リヤディファレンシャル13の詳しい構成に関して
は、本出願人が先に出願した特願昭62−245685号の明細
書及び図面を参照することで、ここでは詳しい説明を省
略する。
前記油圧制御バルブ41に所定の駆動指令信号(i)を
出力するコントローラ42は、記憶回路(RAM,ROM)や演
算処理回路(CPU)等を含む電子制御回路構成であっ
て、このコントローラ42には、右前輪速センサ43、左前
輪速センサ44等からの検出信号NFR,NFLが入力される。
尚、コントローラ42には、例えば、アクセル開度センサ
や右後輪速センサや左後輪速センサ等、他のセンサ類45
からの検出信号も入力される。
次に、作用を説明する。
まず、第4図に示すフローチャート図に基づきコント
ローラ42での差動制限制御作動の流れを述べる。
ステップ100では、右前輪速NFRと左前輪速NFLとが
読み込まれる。
ステップ101では、前記右前輪速NFRと左前輪速NFL
とによって旋回半径Rが演算により求められる。尚、演
算式は、次の通りである。
但し、tr;トレッド幅 ΔV;左右回転速度差 ΔV=|NFR−NFL| V;車速 V=(NFR+NFL)/2 ステップ102では、前記右前輪速NFRと左前輪速NFL
とによって横加速度Ygが演算による求められる。尚、演
算式は、次の通りである。
ステップ103で、前記旋回半径Rと横加速度Ygと、予
め設定されている差動制限トルク目標値マップとによっ
て、差動制限トルク目標値ΔTが演算により求められ
る。
尚、差動制限トルク目標値マップは、第4図のステッ
プ103の枠内に記載されているように、旋回半径Rが大
きい程、また横加速度Ygが大きい程、高い差動制限トル
ク目標値ΔTが得られるように設定されている。
ステップ104では、右前輪速NFRと左前輪速NFLとの
差が所定値K以上かどうか、即ち、左旋回時かどうかが
判断される。
そして、NFR−NFL≧Kの場合には、ステップ105へ
進み、第5図に示すΔT−Pc特性の中から制御圧目
標値Pcが高めの特性である左旋回特性が選択され、前
記ステップ103で得られた差動制限トルク目標値ΔT
に応じた制御圧目標値Pcが求められ、この制御圧目標
値Pcが得られるバルブ駆動指令信号(i)が油圧制御
バルブ41に出力される。
また、NFR−NFL<Kの場合には、ステップ106へ進
み、ステップ106では、左前輪速NFLと右前輪速NFRと
の差が所定値K以上かどうか、即ち、右旋回時かどうか
が判断される。
そして、NFL−NFR≧Kの場合には、ステップ107へ
進み、第5図に示すΔT−Pc特性の中から制御圧目
標値Pcが低めの特性である左旋回特性が選択され、前
記ステップ103で得られた差動制限トルク目標値ΔT
に応じた制御圧目標値Pcが求められ、この制御圧目標
値Pcが得られるバルブ駆動指令信号(i)が油圧制御
バルブ41に出力される。
また、NFL−NFR<Kの場合には、ステップ108へ進
み、第5図に示すΔT−Pc特性の中から制御圧目標
値Pcが通常の特性である直進特性が選択され、前記ス
テップ103で得られた差動制限トルク目標値ΔTに応
じた制御圧目標値Pcが求められ、この制御圧目標値Pc
が得られるバルブ駆動指令信号(i)が油圧制御バル
ブ41に出力される。
次に、旋回走行時における作用を説明する。
旋回走行のうち左旋回時には、ステップ105へと進む
差動制限制御作動の流れとなり、コントローラ42から
は、相対的に高めの制御圧目標値Pcが得られるバルブ
駆動指令信号(i)が油圧制御バルブ41に出力される。
旋回走行のうち右旋回時には、ステップ107へと進む
差動制限制御作動の流れとなり、コントローラ42から
は、相対的に低めの制御圧目標値Pcが得られるバルブ
駆動指令信号(i)が油圧制御バルブ41に出力される。
一方、実施例の差動制限クラッチ20は、車両の進行方
向に対して左側に配置されている為、第6図及び第7図
に示すように、理論値としては、トルク入力値TINに対
し左右輪への配分値は、旋回時の内外輪同士でそれぞれ
一致するが、ピニオンギヤ34やサイドギヤ35,36への差
動ギヤ入力トルクT1,T2に応じ、フラストワッシャ39に
作用するスラスト力によって発生する差動制限トルクΔ
TSは、T1<T2の関係に対応し ΔTs1(左旋回)<ΔTS2 … の関係になる。
しかし、前述のように、外部からの制御圧Pcにより差
動制限クラッチ20で発生する差動制限トルクΔTついて
は、旋回方向により発生するトルクを異ならせている
為、 ΔT1(左旋回)>ΔT2(右旋回) … の関係になる。
従って、前記式と式とにより出力トルク合計値を
求めた場合には、リヤディファレンシャル13のスラスト
力により発生する差動制限トルクΔTS1,ΔTS2の差異
が、外部からの制御圧Pcにより発生する差動制限クラッ
チ20での差動制限トルクΔT1,ΔT2の差異によって相殺
され、左旋回時にも右旋回時にもほぼ同じの差動制限ト
ルク合計値が得られることになる。
以上説明してきたように、実施例の差動制限トルク制
御装置にあっては、以下に述べる効果が得られる。
差動制限クラッチ20の左側配設に対応して、左旋回
時に差動制限クラッチ20に、外部からの制御圧で得られ
る差動制限トルクΔT1を高めとし、右旋回時に差動制限
クラッチ20に、外部からの制御圧で得られる差動制限ト
クルΔT2を低めとする制御を行なう装置とした為、旋回
方向にかかわらず一定の差動制限トルク合計値が得るこ
とが出来る。
そして、この効果により、最適の差動制限トルク合計
値が得られるように差動制限トルク目標値ΔTを設定
した場合、旋回方向にかかわらず、この設定に応じた同
じ車両特性が得られる。
即ち、右旋回時に差動制限トルクが高めとなり、初期
アンダーステア傾向が強まったり、また、左旋回時に初
期アンダーステアは弱いが、限界時に内輪の空転が大き
く加速性に欠けてしまうというような事態の発生が防止
される。
センサとして、右前輪速センサ43と左前輪速センサ
44の2つのセンサだけを用いて、旋回方向検出及び差動
制限制御の入力情報である旋回半径R及び横加速度Ygの
検出を行なう装置とした為、多数のセンサ類を用いる制
御に比べ制御信頼性が高まる。
尚、車輪速センサを用いるアンチロックブレーキング
システムを搭載した車両では、車輪速センサを共用する
ことで、装置コストの面でも有利となる。
以上、実施例を図面に基づいて説明してきたが、具体
的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲における変更等があっても本発
明に含まれる。
例えば、実施例では、旋回半径R及び横加速度Ygによ
る差動制限制御の例を示したが、制御内容としては、こ
の制御の限ることなく様々な制御内容のものにも適応出
来る。
また、旋回方向の検出を左右前輪速の速度差を監視す
ることで検出する例を示したが、操舵角センサ等を用い
て検出しても良い。
また、実施例では、差動制限トルク目標値マップを1
つ設定しておいて、旋回方向に応じて制御圧目標値を補
正制御する例を示したが、旋回方向に対応して複数の差
動制限トルク目標値マップを設定し、旋回方向に検出に
基づいて複数の差動制限トルク目標値マップから1つの
マップを選択する制御により行なうようにしても良い。
(発明の効果) 以上説明してきたように、本発明の差動制限トルク制
御装置にあっては、差動制限トルク制御手段を、差動制
限クラッチが車両進行方向に対し左側に配設されている
場合、右旋回時の締結力指令値より左旋回時の締結力指
令値を高めとし、差動制限クラッチが車両進行方向に対
し右側に配設されている場合、左旋回時の締結力指令値
より右旋回時の締結力指令値を高めとする制御を行なう
手段とした為、差動制限クラッチの配設位置や旋回方向
にかかわらず一定の差動制限トルク合計値により同じ車
両特性を得ことが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の差動制限トルク制御装置を示すクレー
ム概念図、第2図は実施例の差動制限トルク制御装置が
適応された後輪駆動車を示す全体図、第3図はリヤディ
ファレンシャルを示す断面図、第4図は実施例のコント
ローラでの差動制限作動の流れを示すフローチャート
図、第5図は差動制限トルク目標値に対する制御圧目標
値特性図、第6図は左旋回時におけるトルク配分状態を
示す作用説明図、第7図は右旋回時におけるトルク配分
状態を示す作用説明図である。 1……差動装置 2……差動制限クラッチ 3……右駆動輪 4……左駆動輪 5……差動制限トルク制御手段 6……旋回方向検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今関 隆志 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (72)発明者 萩原 誠 栃木県栃木市大宮町2388番地 栃木富士 産業株式会社内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】差動装置に設けられた差動制限クラッチが
    車両進行方向に対し左右の一方に片寄って配設されると
    共に、該差動制限クラッチの締結力制御により左右駆動
    輪間の差動制限トルクを可変に制御出来る差動制限トル
    ク制御手段を備えた車両において、 前記車両の旋回方向を検出する旋回方向検出手段を設
    け、 前記差動制限トルク制御手段は、差動制限クラッチが車
    両進行方向に対し左側に配設されている場合、右旋回時
    の締結力指令値より左旋回時の締結力指令値を高めと
    し、差動制限クラッチが車両進行方向に対し右側に配設
    されている場合、左旋回時の締結力指令値より右旋回時
    の締結力指令値を高めとする制御を行なう手段である事
    を特徴とする差動制限トルク制御装置。
JP12902688A 1988-05-26 1988-05-26 差動制限トルク制御装置 Expired - Lifetime JP2641498B2 (ja)

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