JP2641305B2 - 芳香族ポリエステルカーボネートの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリエステルカーボネートの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は芳香族ポリエステルカーボネートの改良され
た製造方法に関する。さらに詳しくはエンジニアリング
プラスチックスとして有用な液晶形成能を有する芳香族
ポリエステルカーボネートの耐熱性を改良する方法に関
するものである。
<従来の技術> ヒドロキシ芳香族カルボン酸残基を分子構造に含む芳
香族ポリエステルの一部には、溶融時に光学異方性を示
す所謂液晶ポリエステルが存在するが、近年その特異な
機械物性、耐熱性、耐溶剤性および流動特性などに着目
して繊維、フィルム、樹脂等への用途開発が進められて
いる。
これらの液晶ポリエステルを製造するに際して、成形
条件をより穏和なものにする目的で屈曲性に富んだ分子
構造を有する成分を共重合せしめる方法が一般的におこ
なわれている。例えば、芳香族ポリエステルカーボネー
トは分子鎖にカーボネート結合を導入することによっ
て、溶融成形性の改良を達成したものである(特公昭59
−30727、特公昭59−30728、特公昭63−61334、特開昭6
4−69624、特開平1−153720。)。
<発明が解決しようとする問題点> これらの芳香族ポリエステルカーボネートを製造する
に際して、アルカリの存在により重縮合反応が促進され
ることが報告されている(特公昭61−59619、特開昭64
−69624。)。
しかしながら、このようにして得られた芳香族ポリエ
ステルカーボネートは耐熱性、特に乾熱劣化特性が十分
でなく、成形品としてその使用上に問題が残されてい
た。
本発明の目的は、芳香族ポリエステルカーボネートを
製造するに際して、アルカリの存在による重縮合反応の
促進という利点で維持しながら、耐熱性に優れた重合物
を製造する技術を提供することにある。
<問題を解決するための手段> 本発明者らはかかる問題点を解決して上述の目的を達
成すべく、芳香族ポリエステルカーボネートの製造方法
について鋭意検討した結果、重縮合反応時に存在するア
ルカリに対して、特定の酸性化合物を特定割合で添加す
ることにより、良好な耐熱性を有する芳香族ポリエステ
ルカーボネートが得られる事実を見い出し、本発明を完
成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記式(A),(B),(C)
で表わされる残基より構成される芳香族ポリエステルカ
ーボネートを製造する方法であって、 O−Ar−CO ……(A) O−Ar′−O ……(B) [但し、Ar、Ar′はそれぞれ炭素数6〜20の芳香族2価
ラジカルを示し、芳香環上に置換基を有するものを含
む。] 重縮合反応をアルカリの存在下でおこなわせしめたの
ち酸性化合物を該アルカリに対しモル比で0.5〜3.0倍量
添加することを特徴とする芳香族ポリエステルカーボネ
ートの製造方法である。
本発明の芳香族ポリエステルカーボネートを構成する
成分は、(A)成分としてp−ヒドロキシ安息香酸残
基、m−ヒドロキシ安息香酸残基、6−ヒドロキシ−2
−ナフトエ酸残基、p−ヒドロキシビフェニルカルボン
酸残基などがあげられ、(B)成分としてハイドロキノ
ン残基、4,4′−ジヒドロキビフェニル残基、2,6−ジヒ
ドロキシナフタレン残基、レゾルシン残基、フェニルハ
イドロキノン残基および4,4′−ジヒドロキシビフェニ
ルエーテル残基などがあげられる。また(A),(B)
および(C)の構成比としては液晶成形能を有する組成
であれば特に限定されないが、苛酷な成形条件を回避す
るためには、各々のモル比として30/70≦(A)/
(B)≦90/10、0.8/1.2≦(B)/(C)≦1.2/0.8を
同時満足することが好ましい。また本発明では上記の
(A),(B)および(C)成分に加えて他のテルフタ
ル酸、イソフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン
酸などに代表される芳香族ジカルボン酸残基を従成分と
して共重合せしめることも可能であるが、この場合には
対応するモル数の(B)成分を増加せしめることが必要
である。
これらの構成成分の使用形態として、酸成分としては
遊離のカルボン酸またはアリールエステル、一方アルコ
ール成分としては遊離の芳香族アルコールまたは低級脂
肪酸エステルが用いられる。更にカーボネート結合の供
給源としてはホスゲンの如きクロロホルメートも使用可
能であるが、炭酸ジフェニルに代表されるジリアールカ
ーボネートが取扱う上で好適である。
次に本発明におけるアルカリは、反応促進の目的で重
縮合に際して新たに添加する場合の他に重合原料と共に
系内に持ち込まれる場合も同様に扱われ、アルカリの種
類としてはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属また
はカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の水
酸化物および弱酸塩が一般的であるが、トリエチルアミ
ン等の有機アミン類、イミダゾール等の含窒素複素環化
合物も重縮合反応を促進する。
さらに本発明における酸性化合物は上記アルカリの活
性を抑制しうるものであれば、有機または無機化合物の
いずれの形態であっても使用できるが、重合物の耐熱性
を改良する効果の大きいものとしてはリン酸、亜リン酸
およびそのエステル誘導体、ならびに硫酸、亜硫酸およ
び有機スルホン酸類などがあげられる。
本発明は、重縮合反応の促進剤としてのアルカリの活
性が、得られた重合物の耐熱性を低下させているという
知見にもとづくものである。従ってアルカリに対する酸
性化合物の添加割合は極めて重要であり、好ましい結果
を得るにはアルカリに対してモル比で0.5〜3倍の酸性
化合物を用いることが必要である。添加量が少な過ぎる
場合は充分な耐熱性の改善効果が得られず、また多過ぎ
る場合は酸性化合物による分解活性のために逆に耐熱性
の低下が生じる。
さらに酸性化合物の添加方法としては、重縮合反応の
末期に添加する方式、または重縮合反応が終了した重合
物を再溶融して混合添加する方式が好ましい。即ち重縮
合反応の初期に添加する方式では重合度の上昇が著しく
遅くなり、効率的に機械特性の優れた重合物を得ること
が難しくなることから本発明の目的と合致しなくなる。
<発明の効果> 液晶形成能を有する芳香族ポリエステルカーボネート
は優れた機械物性、流動特性および耐溶剤性を示すが、
本発明により乾熱劣化特性が大巾に改善され、エンジニ
アリングプラスチックスとして更に広範な使用が可能な
った。
<実施例> 以下に参考例および実施例をあげて本発明をより具体
的に説明する。なお実施例中の「部」は重量部を意味す
る。また融点はDSCを用いて昇温速度20℃/分で測定し
た値であり、固有粘度はp−クロルフェノール/1,1,2,2
−テトラクロルエタン混合溶媒を用いて35℃にて測定し
たものである。さらに重合物中のアルカリ金属イオンの
定量は原子吸光光度計を用いて測定した値である。
参考例1 撹拌機および窒素ガスの導入口と留出口を供えた三つ
口フラスコに、p−ヒドロキシ安息香酸フェニル60部、
ハイドロキノン13.2部、炭酸ジフェニル34.3部および三
酸化アンチモン0.035部を仕込み、系内を窒素ガスで置
換した後、撹拌下に加熱した。内温が240℃に達した時
点でフェノールの留出が始まった。この状態で50分間保
持した後、約100分間で内温を280℃まで昇温した。続い
て系内を徐々に減圧し、約45分間で絶対圧0.3mmHgとし
て、さらに60分間反応せしめた。
得られた芳香族ポリエステルカーボネートは融点270
℃の不透明ポリマーであり、融点以上で光学異方性を示
した。但し固有粘度は1.65dl/gと低い値であった。
参考例2 参考例1と同様にp−ヒドロキシ安息香酸フェニル、
ハイドロキノン、炭酸ジフェニル、三酸化アンチモンを
仕込み、さらに水酸化カリウム0.0043部を添加した。参
考例1と同一の操作で重合をおこなったところ、絶対圧
0.3mmHg到達後18分間で固有粘度2.57dl/gの芳香族ポリ
エステルカーボネートが得られ、アルカリ添加による重
合反応の促進効果が明瞭にあらわれた。
参考例3 撹拌機、留出管および熱媒ジャケットを備えたSUS−3
16製の重合釜に、p−ヒドロキシ安息香酸フェニル2000
部、ハイドロキノン331部、炭酸ジフェニル1143部、三
酸化アンチモン1.17部および水酸カリウム0.086部を仕
込み、窒素ガス雰囲気下で徐々に昇温した。内温が200
℃に達した時点で撹拌を開始し、更に昇温を継続したと
ころ、約235℃付近からフェノールの留出による温度上
昇の鈍化がみられた。約3時間かけて内温を280℃とし
たのち、系内を徐々に減圧し、45分間で絶対圧0.5mmHg
以下とした。撹拌電力値が所定の値に到達した時点で反
応終了として釜底より生成物を取り出した。ここで得ら
れた芳香族ポリエステルカーボネートは273℃に弱い吸
熱ピークを有し、固有粘度は2.22dl/gであった。また、
ポリマー中のアルカリ金属イオンの定量をおこなったと
ころ、ナトリウムイオンが14ppm、カリウムイオンが42p
pm検出され、水酸化カリウムの添加量から計算される値
よりも大きくなった。この差は重合原料に用いたp−ヒ
ドロキシ安息香酸フェニルから持ち込まれたものであ
る。
比較例1 参考例3で作成したポリマー100部を撹拌機および窒
素ガス導入口を備えた三つ口フラスコに仕込み、窒素ガ
ス雰囲気下300℃にて10分間溶融撹拌した。ここで得ら
れたポリマーを粉砕したのち、更に150℃の加熱空気中
で120時間処理して固有粘度の変化を測定した。結果は
第1表に示したように、溶融による固有粘度の低下は小
さかったが、著しい乾熱劣化が観察された。
実施例1 比較例1と同様の装置に参考例3のポリマー100部と
正リン酸0.0116部を仕込み、比較例1と同様の処理をお
こなった。結果は第1表に示したように乾熱劣化の大巾
な改善が認められた。
実施例2 実施例1の正リン酸の量を0.0084部とした以外は同様
の処理をおこない、結果第1表に示した。
実施例3 実施例1の正リン酸を代えてp−トルエンスルホン酸
1水和物0.0225部とした以外は同様の処理をおこない、
結果を第1表に示した。
比較例2 実施例1の正リン酸の量を0.0032部とした以外は同様
の処理をおこない、結果を第1表に示した。
実施例4 実施例1の正リン酸の量を0.0211部とした以外は同様
の処理をおこない、結果を第1表に示した。
比較例3 実施例1の正リン酸の量を0.0422部とした以外は同様
の処理をおこない、結果を第1表に示した。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(A),(B),(C)で表わされ
    る残基より構成される芳香族ポリエステルカーボネート
    を製造する方法であって、 O−Ar−CO ……(A) O−Ar′−O ……(B) [但し、Ar、Ar′はそれぞれ炭素数6〜20の芳香族2価
    ラジカルを示し、芳香環上に置換基を有するものを含
    む。] 重縮合反応をアルカリの存在下でおこなわせしめたのち
    酸性化合物を該アルカリに対しモル比で0.5〜3.0倍量添
    加することを特徴とする芳香族ポリエステルカーボネー
    トの製造方法。
  2. 【請求項2】アルカリがアルカル金属塩、アルアリ土類
    金属塩、アミン化合物および含窒素複素環式化合物の群
    より選ばれた少くとも1種の化合物である請求項1に記
    載の芳香族ポリエステルカーボネートの製造方法。
  3. 【請求項3】酸性化合物がリン酸、亜リン酸およびその
    エステル誘導体ならびに硫酸、亜硫酸および有機スルホ
    ン酸である請求項1に記載の芳香族ポリエステルカーボ
    ネートの製造方法。
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