JP2640976B2 - 電子部品封止用樹脂組成物 - Google Patents

電子部品封止用樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば、CCD用及びオートフォーカス用等
の透光性蓋体を有する電子部品の封止に適した樹脂組成
物てあって、気密性及び耐湿性に優れた電子部品封止用
樹脂組成物に関するものである。
〔従来の技術〕 従来、この種電子部品を熱硬化性樹脂を用いて封止す
る場合、その樹脂にアルミナ、酸化マグネシウム、シリ
カ、ガラス繊維、溶融石英等の無機質充填剤を添加し
て、樹脂の封止特性を向上させることが試みられている
(例えば、特願昭58−60929、特願昭58−20583、特願昭
61−163805)。
〔本発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、近年特に小型ビデオカメラ、スチルカ
ネラ等に使用されるCCD装置においては、基体とガラス
蓋体との封止特性、特により優れた気密性及び耐湿性が
要求されるが、上記従来の樹脂組成物においては未だ充
分ではなかった。
〔課題を解決するための手段〕
そこで本発明によれば、多官能性エポキシ化合物に、
亜鉛華とSi、Al、Ti、Sn、Pb、Zrの酸化物から選ばれる
少なくとも1種との合量が前記多官能性エポキシ化合物
の100重量部に対し20〜160重量部を充填剤として混合
し、かつ前記亜鉛華に対する無機酸化物の重量比が70%
以下(0%を含まず)、好ましくは20〜60%であること
により、上記課題を解消した。
本発明においては、各種電子部品の封止用樹脂とし
て、その気密性及び耐湿性に優れた樹脂組成物を提供す
る。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を説明する。第1図はCCD用半
導体パッケージの縦断面図であり、このパッケージ1は
アルミナ基体2のキャビティー3内部にIC素子4を搭載
し、このIC素子4を基体2のキャビテキー3内に収納し
て、このガラス蓋体5をキャビティー3上部から封止用
樹脂6により封着するようにしている。
このようなCCD用半導体パッケージに用いる上記封止
用樹脂6として、多官能性エポキシ樹脂100重量部に対
して、第1表に示す試料No.1〜54の亜鉛華(ZnO)と無
機酸化物(SiO2:、Al2O3、TiO2、SnO2、PbO2、ZrO2)と
の各種組成物比からなる0.2〜0.8ミクロンの粒径の充填
剤を添加し、さらにそれにアミン系硬化剤30重量部と、
シランカップリング剤1重量部(それぞれ多官能エポキ
シ樹脂100重量部に対する重量部)を混合してなる封止
用樹脂組成物を使用し、第2図に示すように、ガラス蓋
体5の表面周囲の接着面に夫々スクリーン印刷により幅
1.65mm、厚み70μmで一様に塗布した。その後、粘性が
無くなるまで各々エージング処理を行い、しかる後、第
1図に示すCCD用半導体パッケージの基体2のキャビテ
ィー3上部から上記各種樹脂組成からなる封止用樹脂6
を塗布した各ガラス蓋体5をそれぞれ組み込んで、約15
0℃×2時間で熱処理することにより封着した。
この場合、封止用樹脂6を塗布した面積、すなわち接
着面積は約60mm2とした。
得られた封止後の各半導体パッケージの耐湿性につい
て、プレッシャー・クッカー・テスト(121℃、2.1気
圧、100%RH雰囲気)後のグロスリークテストを行い、
その良品率を評価した。評価方法として、30個中28個以
上良品と認られるものに○印を、それ以下のものにx印
を付して第1表に示した。また、気密性についてはヘリ
ウムリークテストにおいて、リーク量が1x10-8以下のも
のに○印を、それ以上のものにx印を、1x10-8前後でバ
ラツキが多少あるが使用可能なものに△印を付して同様
に第1表に示した。
第1表から明らかなように、本発明の範囲内である試
料No.1、10、19、28、37、46は亜鉛華と無機酸化物とか
らなる充填剤の合量が20重量部未満で、多官能性エポキ
シ樹脂に対する亜鉛華の混合量が全体的に少なくなるた
め、耐湿性が劣っていた。試料No.9、18、27、36、45、
54は充填剤の量が160重量部を越え、多官能性エポキシ
樹脂に対する無機酸化物の量が多くなりすぎるため、封
止用樹脂としては硬くなってスクリーン印刷時の流れ性
が悪くペーストとして使用が困難となる。試料No.3、1
2、21、30、39、48は亜鉛華に対する無機酸化物が無添
加の場合で充分な気密性が得られていない。この場合、
ガラス蓋体と封止用樹脂および上記各充填剤と封止用樹
脂との反応が充分に促進せず密着性が劣るためと考えら
れる。更に、試料No.7、16、25、34、43、52は亜鉛華な
対する無機酸化物の混合比が70%を越えているため、耐
湿性に劣っている。この場合、多官能エポキシ樹脂に対
する亜鉛華の混合量が少なく、かつ無機酸化物の含有量
が多くなるため、封止用樹脂自体の耐湿性が悪化するた
めと考えられる。
これに対し、本発明の範囲内である試料No.2、4、
5、6、8、11、13、14、15、17、20、22、23、24、2
6、29、31、32、33、35、38、40、41、42、44、47、4
9、50、51、及び53は耐湿性および、気密性の何れにお
いても良好であることが判明した。
尚、上記実施例においては亜鉛華と無機酸化物とをそ
れぞれ別個に混合したが、これらの複合酸化物、例え
ば、Zn2SiO4、Zn2SiO3、等のケイ酸系化合物、ZnTiO3
Zn2SiO4等のチタン酸系化合物、ZnO・Al2O3等の亜鉛ス
ピネル(アルミナ系)及びZn2SnO4等のスズ系化合物等
の亜鉛華(ZnO)と無機酸化物との複合酸化物(SiO2、Z
nO、TiO2、Al2O3、SnO2)としてであっても、上記組成
範囲内であれば同様の効果がある。さらに、上記添加物
の他、鉄、バナジウム、ニッケル、クロム、モリブデ
ン、タングステン、マンガン等の鉄族金属を上記樹脂組
成物に若干量の着色剤として添加しても本発明の効果に
影響は生じない。
〔発明の効果〕
上述の如く本発明においては、多官能性エポキシ化合
物に、亜鉛華(ZnO)とSi、Al、Ti、Sn、Pb、Zrの無機
酸化物から選ばれる少なくとも1種の酸化物との合量が
前記多官能性エポキシ化合物の100重量部に対し20〜160
重量部混合し、かつ前記亜鉛華(ZnO)に対する無機酸
化物の重量比が70%以下(0%を含まず)である充填剤
を混合したことにより、例えばCCD用等の電子部品の封
止用樹脂として優れた気密性及び耐湿性を有する樹脂組
成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例による電子部品封止用樹脂組成
物を適用したCCD用半導体パッケージの縦断面図、第2
図はガラス蓋体の封止面(封止用樹脂をスクリーン印刷
した面)を示す説明図である。 1……CCD用半導体パッケージ 2……アルミナ基体 3……キャビティー 4……IC素子 5……ガラス蓋体 6……封止用樹脂

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多官能性エポキシ化合物に、亜鉛華とSi、
    Al、Ti、Sn、Pb、Zrの無機酸化物から選ばれる少なくと
    も1種の酸化物との合量が前記多官能性エポキシ化合物
    の100重量部に対し20〜160重量部を充填剤として混合
    し、かつ前記亜鉛華に対する無機酸化物の重量比が70%
    以下(0%を含まず)であることを特徴とする電子部品
    封止用樹脂組成物。
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