JP2639628B2 - プラスチック製クリップ - Google Patents

プラスチック製クリップ

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JP2639628B2
JP2639628B2 JP15517094A JP15517094A JP2639628B2 JP 2639628 B2 JP2639628 B2 JP 2639628B2 JP 15517094 A JP15517094 A JP 15517094A JP 15517094 A JP15517094 A JP 15517094A JP 2639628 B2 JP2639628 B2 JP 2639628B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サスペンダーの留め
具、女性用着物の下締め具の先端に取り付けるクリップ
のように主として人の身体に衣服を介して着用されるク
リップ、あるいは、洗濯ばさみ、その他これに類似のプ
ラスチック製クリップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記用途のプラスチック製クリップの代
表的なものとして、本発明者の発明に係る特公昭56−
37801号及び特公昭56−29525号公報に開示
されたものがある。
【0003】前者は、これまで一対の挟持体を回動可能
に支持していた金属製ピンに代えて、プラスチック製の
軸を挟持体と一体に形成すると共に、この軸を他方の挟
持体に形成した軸孔にプラスチックの材質特性を利用し
て回動可能に嵌め込み、ピン後部の両挟持体の間に介在
させた作動部材の回動操作により、挟持体の先端部を開
口させるようにしたもので、金属製のピンを省略したこ
とを大きな特徴とするものである。
【0004】又、後者は、前記の軸を省略し、枢動連結
部の構造として、一対の挟持体の後部を揺動可能にクロ
スさせて組み、後部の両挟持体の間に介在させた作動部
材の回動により挟持体の先端部を開口させるようにした
ことを大きな特徴とするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記のいずれ
の形態のクリップにおいても、一対の挟持体の先端開口
部に金属製の鋏形ばねを設け、この鋏形ばねの作用によ
り挟持体の先端部が常に開口するように付勢されてい
た。この金属製ばねの存在による影響は下記の通り種々
ある。 (1)ばねがクリップから外れる可能性がある。 (2)ステンレス製のばねでも錆が出る可能性がある。 (3)クリップ内にばねを装着固定するための構造とス
ペースが必要である。 (4)部品点数が増え、組み立て工数も増える。 (5)衣料品に針が残っているか否かをチェックする検
針器に反応するため、他の衣料品と同時に検針器にかけ
られない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来必須とし
ていたばねを省略したもので、一対の挟持板の組み付け
構造を、後半部において側面視X状に組み込むと共にプ
ラスチック自体の材質特性を利用して、ばねを用いるこ
となく常時クリップ先端部が開口するように付勢し、一
対の挟持板の間に配置したカムの回動操作によりクリッ
プの先端部を閉じるようにしたことを特徴とするもので
ある。
【0007】すなわち、本発明は、下部挟持板1と上部
挟持板10の先端部が操作板20の回動操作により開閉
するプラスチック製クリップであって、下部挟持板1に
は後方に角窓5を設けると共にその前縁下方に支持棚6
を設け、上部挟持板10には後方に側面視凹状の補助板
12を設けてその後方内面に前記支持棚6と対応する引
掛肩14を設けると共に後方外面に突起15を設け、操
作板20には横断面横長の作動カム24を設け、下部挟
持板1と上部挟持板10の後半部をX状にクロスさせて
組み合せると共にクロス部と後端部との間に操作板20
の作動カム24を横長状にて挟み込み、上部挟持板10
の突起15と下部挟持板1の角窓5の後方下部とを圧接
状態として引掛肩14を支持棚6の上面に係合させるこ
とによりプラスチック自体の弾力にて下部挟持板1と上
部挟持板10の先端部が開口するようにすると共に、作
動カム24の向きを変えることにより下部挟持板1と上
部挟持板10の先端部を閉じるように構成したことを特
徴とするプラスチック製クリップである。
【0008】なお、より詳しく説明すると、本発明は、
下部挟持板1と上部挟持板10の先端部が操作板20の
回動操作により開閉するプラスチック製のクリップであ
って、
【0009】下部挟持板1は、基板2の後端両側部に垂
直状の側壁3、3を延長状に設けると共にこの両側壁
3、3の上面を跨いで架橋板4を側壁3、3の後方に延
長させて設け、この架橋板4の後方に角窓5を設けると
共にこの角窓5の前縁部下方に所定幅の支持棚6を後方
に向けて設け、該角窓5の後縁部下方には垂下部7を設
けたものとし、
【0010】上部挟持板10は、基板11の後端中央に
前記両側壁3、3の間に嵌る幅の側面視凹状の補助板1
2を設け、その後方上部13が前記角窓5に下方から嵌
る大きさで、その内面下方に前記支持棚6と対応する引
掛肩14を設けると共に外面には下方に突起15を設け
たものとし、
【0011】操作板20は、上部挟持板10後部の補助
板12の両側面を跨いで挟む幅の左右のアーム21、2
1の上端部を、横断面が横長状の作動カム24、24を
前記支持棚6を挟む間隔にて設けたカム軸26にて架橋
したものとし、
【0012】上部挟持板10後部の補助板の後端部を下
部挟持板1後部の架橋板4の下の空隙部9に前方からX
状にクロスさせて差し込み、操作板20のアーム21、
21を垂直にして作動カム24を下部挟持板1の後方か
ら補助板12の上部に嵌め込んだ状態で補助板12の後
方上端部を角窓5に下方から押し込み、引掛肩14の下
面を支持棚6の上部に乗せて、垂下部7の内面と突起1
5との間をプラスチック自体の弾力にて圧接状態とする
ことにより、上部挟持板10と下部挟持板1の先端部を
開口させた状態にて組み合せ、操作板20の回動操作に
より作動カム24の向きを変えて上部挟持板10と下部
挟持板1の先端部を閉じるように構成したことを特徴と
するプラスチック製クリップである。
【0013】なお、前記における角窓5は必ずしも貫通
状である必要はなく、上部が塞がれているものであって
もよい。
【0014】
【作用】本発明に係るクリップは、前記構成を採ること
によって、下部挟持板1後部の支持棚6上に上部挟持板
10後部の引掛肩14が、プラスチック自体の有する可
撓性を利用して無理に乗せるように押し込まれた際、図
4、図8に示すように突起15が垂下部7の下部内面と
圧接状態となるから、ばねがなくても上下両挟持板の先
端部が、あたかもばねが存在しているかのように開口状
態を保つ。この状態においては、開口しているクリップ
の先端を指でつまむと開口状態は容易に閉じ、指を離す
とあたかもばねにて開くように元の開口状態に戻る。な
お、上記作用については、後出各実施例においても「作
用」の項を設けて説明している。
【0015】
【実施例】次に、本発明の代表的な実施例を挙げる。 実施例1 図1は本発明に係るクリップを構成するプラスチック製
の下部挟持板を示す斜視図で、この下部挟持板1は、先
端角部を円弧状に形成した長方形状の基板2の後端両側
部に垂直状の側壁3、3が設けられ、この両側壁3、3
の上面を跨いでその後部に延長させた架橋板4が一体的
に設けられており、架橋板4の後方に幅方向に長い角窓
5を設けると共にこの角窓5の前縁部下方に角窓5の幅
より少し幅の狭い支持棚6が後方に向けて設けられ、一
方、角窓5の後縁部下方には垂下部7が前記支持棚6よ
り下方に延長させて設けられている。
【0016】なお、前記支持棚6は図示のように中央部
に1ケ所のみでもよいが、左右に分けて一対設けてもよ
く、又、垂下部7についても、必ずしも支持棚6より下
方に延長させて設けなくてもよく、さらに、角窓5につ
いても、上部が塞がれている形態でもよい。従って、側
壁3、3の上部前方は切欠部8を呈し、架橋板4の下部
は空隙部9となっている。なお、18は基板2の前方上
面に設けられた挟持用ゴム板である。
【0017】図2は本発明に係るクリップを構成するプ
ラスチック製の上部挟持板を示す斜視図で、この上部挟
持板10は、先端角部を円弧状に形成した前記下部挟持
板1と同形の基板11の後端中央に、前記下部挟持板1
の両側壁3、3の間に嵌る幅で側面視凹状の補助板12
の前方上端部を一体的に接続して設け、その後方上部1
3が前記角窓5に嵌る大きさで、その内面下方に前記支
持棚6と対応する引掛肩14(図4参照)を設けると共
に、外面には後下方に向けた斜面状の突起15が前記垂
下部7と対応させて一体的に設けられている。
【0018】前記下部挟持板1の角窓5、支持棚6、垂
下部7等と、上部挟持板10の後方上部13、引掛肩1
4、斜面状の突起15等との寸法関係は下記のとおりで
ある。 即ち、図5に示すように、支持棚6から架橋板
4の上面までの寸法は引掛肩14から補助板12の後方
上部13までの寸法とほぼ等しく、この後方上部13の
幅は角窓5の幅と等しく、その長さ(前後方向の寸法)
は角窓5の長さより小さく、上部挟持板10の後方上部
13の内面から斜面状の突起15の最外端までの寸法は
角窓5の長さに対し、自然状態において少し(約1.5
mm)長くして挿入時に干渉するようになっている。従っ
て、後方上部13を角窓5の下方から力を入れて押し込
めば、引掛肩14と斜面状の突起15との間が狭まるよ
うに撓むと同時に垂下部7の下方も図9の二点鎖線にて
示すように後方に広がるように撓んで引掛肩14が支持
棚6の上面まで嵌め込める寸法となっている。
【0019】従って、上部挟持板10の後方上部13を
下部挟持板1の架橋板4の前方下方からくぐらせて角窓
5の下方から押し込みながら図4のように引掛肩14の
下面を支持棚6の上面に乗せるように組み込んだ状態に
おいては、斜面状の突起15の下部16が垂下部7の内
面下部に一定圧力にて圧接し、斜面状の突起15の下部
16には引掛肩14を支点として前方下方、即ち、時計
回り方向の回転モーメントが生じるため、上部挟持板1
0はその先端部が上昇し、クリップは開口状態となる。
なお、19は基板11の前方下面に設けられた挟持用ゴ
ム板である。
【0020】前記の図示例においては、上下の基板2、
11の前方内面に挟持用ゴム板18、19を用いたもの
を示したが、この挟持用ゴム板に代えて相互に噛みあう
挟持歯を各基板に形成してもよい。
【0021】図3は本発明に係るクリップを構成するプ
ラスチック製の操作板の斜視図で、この操作板20は、
前記上部挟持板10後部の側面視凹状の補助板12の両
側面を挟むように跨ぎ外側部が前記架橋板4と同じ幅の
左右のアーム21、21の上部を、横断面が横長で前方
上部から後方上部に向けた前下り斜面22を備え前後面
をほぼ垂直面とし上面後端部を円弧状23に形成した細
幅状の作動カム24、24を前記支持棚6を挟む間隔に
て左右に設けると共に両作動カム24、24のほぼ中間
部を横棧25にて連結したカム軸26にて架橋され、ア
ーム21、21の下方にスリット状のベルト通し27が
左右に張り出した状態にて設けられているものである。
【0022】なお、前記カム軸26の形態については図
示のものに限定されるものではなく、横断面横長状のも
のであればよい。要は、作動カム24が側面視横長状の
場合にクリップ先端が開口状態となり、側面視縦長状に
向きを変えた場合にクリップの先端が閉じるものであれ
ばよい。
【0023】そして、操作板20は、上部のカム軸26
が図4、図7に示すように下部挟持板1後方の架橋板4
と、上部挟持板10後方の側面視凹状の補助板12の上
部との間に挟み込まれた状態において約90°回動可能
になっている。なお、本発明に係るクリップの挟持板の
大きさは、幅約14mm、長さ約42mmで、図6のように
閉じた状態における後半部の厚さは約8mmである。ま
た、本発明のクリップに用いる上記各部材のプラスチッ
クの材質は特に限定するものではないが、ポリカーボネ
ートが弾力性、耐久性の面で望ましい。
【0024】(組立手順)上部挟持板10後部の補助板
12の後方上部13を下部挟持板1の架橋板4の下の空
隙部9に前方から差し込み、操作板20のアーム21、
21を垂直にしてカム軸26を上部挟持板10の後方の
補助板12の凹状部に引掛け、図4に示すように補助板
12と架橋板4の間にカム軸26を挟み込むようにし
て、下部挟持板1と上部挟持板10の後半部を側面視X
状にクロスさせ、上部挟持板10の後方上部13を下部
挟持板1の角窓5の下方から上方へ押し込み、引掛肩1
4を支持棚6の上部に乗せるように嵌め込む。上記の嵌
め込み時には、前記のように角窓5と補助板12後部の
長さ寸法が干渉するように形成されているため少し抵抗
があるが、プラスチック自体の弾力により引掛肩14と
斜面状の突起15が狭まるように撓むと同時に垂下部7
の下方も後方に撓むためこの嵌め込みは容易に可能であ
る。
【0025】この際、上部挟持板10後部の斜面状の突
起15の下部16が、前記支持棚6より下方の垂下部7
の内面下部に圧接している状態となり、上部挟持板10
の先端部は図4のように開口状態を維持することにな
る。
【0026】なお、上記の上部挟持板10先端部の開口
状態は、操作板20のアーム21が図4、図7に示すよ
うにほぼ垂直状態、即ち、アーム21上端の作動カム2
4は側面視横長の状態で、下部挟持板1の架橋板4下方
の空隙部9にあって、上部挟持板10後部の側面視凹状
の補助板12の内部後方とその前方に形成された三角状
の空間に挟まれた状態にあり、下部挟持板1の先端下部
と上部挟持板10の先端上部を指先でつまめば開口は容
易に図5、図8の状態まで閉じるが、指を離すと自動的
に元の図4の状態に戻る状態である。
【0027】(作用)図4の上部挟持板10が開口して
いる状態から、操作板20の下部を後方に回動すると、
図5、図8に示す状態、即ち、上下部の両挟持板1と1
0の内面前方に設けられた各ゴム板18と19が軽く当
接する状態までは容易に開口を閉じる。次いで、操作板
20の下部を図5、図8の状態から図6に示す水平状態
まで回動すると、側面視横長状になっている作動カム2
4も90°回転して縦長状になり、架橋板4と補助板1
2との上下間隔を強制的に広げるため上部挟持板10の
先端部はより強く下部挟持板1の先端部と圧接すると同
時に、補助板12後方外面の突起15も垂下部7の内面
により強く圧接するので、この圧接部の反力も大きくな
りクリップ開口の際の圧力を強くすることになる。
【0028】この過程では、操作板20の水平方向への
回動により、引掛肩14の下端と支持棚6との接触点を
支点として、作動カム24、24により上部挟持板10
後部の補助板12を図5、図8において反時計回りに強
制的に押し下げることになるが、この押圧力は上部挟持
板10の後部が補助板12と共にプラスチック自体の弾
力により図6のように下方に撓んで受けることになる。
これにより、上下両挟持板先端部の対向する両ゴム板1
8、19間に強力な挟持力が発生する。
【0029】図6の状態から操作板20を90°回転さ
せて垂直にすると、図5、図8の中間状態を経て、図
4、図7に示すように、作動カム24は横長状に戻るの
で、前記上部挟持板10後部の斜面状の突起15と下部
挟持板1後部の垂下部7との圧接による反力の作用によ
り上部挟持板10の先端部は再び開口状態となる。
【0030】実施例2 図9は本発明に係るクリップの別の実施例における開口
状態を示す中央縦断部分断面図で、基本的な構成は実施
例1と同じであるが、操作板20上部のカム軸26の形
態が異るものである。
【0031】即ち、図9においては、上部挟持板10後
部の補助板12を跨ぐように配置される操作板20上部
のカム軸26の形態を、横断面が横長で、前方下部から
後方下部に向けた後下りの斜面22aを備え、前後面を
ほぼ垂直面とした1本の横棧状の作動カム24aとした
ものである。
【0032】(作用)この操作板20においては横棧状
の作動カム24aを、下部挟持板1の架橋板4の下方で
支持棚6の前方と、上部挟持部10後方の補助板12の
上面との間に配置することにより、この作動カム24a
が図9のように横長状の場合は、前記実施例1の図4と
同様に上部挟持板10は開口状態となり、この作動カム
24aが90°回転して二点鎖線にて示すように縦長状
になった場合には、前記図6と同様に上部挟持板10の
先端部は下って開口が閉じられる。
【0033】実施例3 図10は本発明に係るクリップの補助板12の後端部と
角窓5の後縁部下方との圧接部分の別の形態を示す中央
縦断部分断面図である。即ち、この図10に示す形態
は、補助板12の後方外面に膨出状の突起15aを設
け、角窓5の後縁部下方に前上りの切欠斜面7aを設
け、この突起15aと切欠斜面7aとが一定の圧力にて
圧接(干渉)する状態にて、下部挟持板1の支持棚6に
上部挟持板10の引掛肩14を下方から押し込んで係止
させたものである。
【0034】(作用)この形態においては、膨出状の突
起15aと前上りの切欠斜面7aとの圧接により、圧接
点において突起15aに対し時計回り方向、即ち、下方
への回転モーメントが生じているので、上部挟持板10
の先端部は図4と同様に、上方に開くことになる。
【0035】そして、作動カム24を横長状の状態から
回動させて縦長状にして補助板12の中央部を下方に押
し下げると、突起15aは切欠斜面7aに沿って上方に
せり上り、両者はより強い圧接状態となるため、この圧
接力の反力が作動カム24を横長状の状態に戻した際ク
リップの先端を開くばね圧の役割を果たす。。
【0036】上記クリップの下部挟持板1と上部挟持板
10との圧接位置や形態は、実施例1又は実施例3に記
載した位置や形態に限定されるものではなく、引掛肩1
4下端を中心として上部挟持板10の先端部が開口する
方向、すなわち、図4、図10における引掛肩14の下
端を中心とする任意の同心円上において、上部挟持板後
部の補助板12の外面に設けた突起15と下部挟持板後
部の角窓5の後縁部下方とを接触させ、この接触点にお
いて突起15の外面を、引掛肩14が支持棚6から外れ
ないように時計回りの方向に回転モーメントを加えて押
圧するようにすればよい。前記の方式を採ることによ
り、プラスチックによる小さいばね作用により大きな開
口動作を生み出すことができる。
【0037】
【発明の効果】本発明においては、前述の通り、下部挟
持板1と上部挟持板10とを後半部にてX状にクロスさ
せると共に、引掛肩の支点をクリップの後端近くに位置
させたため、クリップ全長に対し開口を比較的大きくす
ることができる。
【0038】また、本発明においては、クリップの先端
を開くための金属製ばねをなくした構造としたため、ば
ねが外れたり錆びたりする心配はなく、又、両挟持板に
おいてはばねを装着固定するための手段を考慮しなくて
もよいため、構造が簡単となり、さらには、部品点数が
少なくなるため、コストはもとより組み立て工数も減少
するので経済的なメリットも大きい。
【0039】また、下部挟持板後方の架橋板の外周部に
凹凸部がないため、手ざわりがよく、全体に薄型化でき
るのでデザイン的にもスマートなものとなった。さら
に、検針器にかけても反応しないため、他の衣料品と同
時に検針作業が可能となり、製品管理上のメリットもあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】下部挟持板の斜視図
【図2】上部挟持板の斜視図
【図3】操作板の斜視図
【図4】クリップ開口状態の中央縦断組立断面図
【図5】クリップ閉口状態の中央縦断組立断面図
【図6】クリップ作動(挟圧)状態の中央縦断組立断面
【図7】図4のA−A断面図
【図8】クリップ閉口状態の作動カム部分の状態を示す
縦断組立部分断面図
【図9】別の実施例におけるクリップ開口状態の中央縦
断組立部分断面図
【図10】別の実施例における上部挟持板と下部挟持板
後部の圧接状態の中央縦断組立部分断面図
【符号の説明】
1 下部挟持板 2 基板
3 側壁 4 架橋板 5 角窓
6 支持棚 7 垂下部 8 切欠部
9 空隙部 10 上部挟持板 11 基板
12 補助板 13 後方上部 14 引掛肩
15 突起 16 下部 20 操作板
21 アーム 22 前下り斜面 23 円弧状
24 作動カム 25 横棧 26 カム軸
27 ベルト通し

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部挟持板1と上部挟持板10の先端部
    が操作板20の回動操作により開閉するプラスチック製
    クリップであって、 下部挟持板1には後方に角窓5を設けると共にその前縁
    下方に支持棚6を設け、上部挟持板10には後方に側面
    視凹状の補助板12を設けてその後方内面に前記支持棚
    6と対応する引掛肩14を設けると共に後方外面に突起
    15を設け、操作板20には横断面横長の作動カム24
    を設け、下部挟持板1と上部挟持板10の後半部をX状
    にクロスさせて組み合せると共にクロス部と後端部との
    間に操作板20の作動カム24を横長状にて挟み込み、
    上部挟持板10の突起15と下部挟持板1の角窓5の後
    方下部とを圧接状態として引掛肩14を支持棚6の上面
    に係合させることによりプラスチック自体の弾力にて下
    部挟持板1と上部挟持板10の先端部が開口するように
    すると共に、作動カム24の向きを変えることにより下
    部挟持板1と上部挟持板10の先端部を閉じるように構
    成したことを特徴とするプラスチック製クリップ。
  2. 【請求項2】 下部挟持板1と上部挟持板10の先端部
    が操作板20の回動操作により開閉するプラスチック製
    のクリップであって、 下部挟持板1は、基板2の後端両側部に垂直状の側壁
    3、3を延長状に設けると共にこの両側壁3、3の上面
    を跨いで架橋板4を側壁3、3の後方に延長させて設
    け、この架橋板4の後方に角窓5を設けると共にこの角
    窓5の前縁部下方に所定幅の支持棚6を後方に向けて設
    け、該角窓5の後縁部下方には垂下部7を設けたものと
    し、 上部挟持板10は、基板11の後端中央に前記両側壁
    3、3の間に嵌る幅の側面視凹状の補助板12を設け、
    その後方上部13が前記角窓5に下方から嵌る大きさ
    で、その内面下方に前記支持棚6と対応する引掛肩14
    を設けると共に外面には下方に突起15を設けたものと
    し、 操作板20は、上部挟持板10後部の補助板12の両側
    面を跨いで挟む幅の左右のアーム21、21の上端部
    を、横断面が横長状の作動カム24、24を前記支持棚
    6を挟む間隔にて設けたカム軸26にて架橋したものと
    し、 上部挟持板10後部の補助板12の後端部を下部挟持板
    1後部の架橋板4の下の空隙部9に前方からX状にクロ
    スさせて差し込み、操作板20のアーム21、21を垂
    直にして作動カム24を下部挟持板1の後方から補助板
    12の上部に嵌め込んだ状態で補助板12の後方上部1
    3を角窓5に下方から押し込み、引掛肩14の下面を支
    持棚6の上部に乗せて、垂下部7の内面と突起15との
    間をプラスチック自体の弾力にて圧接状態とすることに
    より、上部挟持板10と下部挟持板1の先端部を開口さ
    せた状態にて組み合せ、操作板20の回動操作により作
    動カム24の向きを変えて上部挟持板10と下部挟持板
    1の先端部を閉じるように構成したことを特徴とするプ
    ラスチック製クリップ。
  3. 【請求項3】 下部挟持板1と上部挟持板10の先端部
    が操作板20の回動操作により開閉するプラスチック製
    のクリップであって、 下部挟持板1は、基板2の後端両側部に垂直状の側壁
    3、3を延長状に設けると共にこの両側壁3、3の上面
    を跨いで架橋板4を側壁3、3の後方に延長させて設
    け、この架橋板4の後方に角窓5を設けると共にこの角
    窓5の前縁部下方に所定幅の支持棚6を後方に向けて設
    け、該角窓5の後縁部下方には垂下部7を設けたものと
    し、 上部挟持板10は、基板11の後端中央に前記両側壁
    3、3の間に嵌る幅の側面視凹状の補助板12を設け、
    その後方上部13が前記角窓5に下方から嵌る大きさ
    で、その内面下方に前記支持棚6と対応する引掛肩14
    を設けると共に外面には下方に突起15を設けたものと
    し、 操作板20は、上部挟持板10後部の補助板12の両側
    面を跨いで挟む幅の左右のアーム21、21の上端部
    を、横断面が横長状の作動カム24aにて架橋したもの
    とし、 上部挟持板10後部の補助板12の後端部を下部挟持板
    1後部の架橋板4の下の空隙部9に前方からX状にクロ
    スさせて差し込み、操作板20のアーム21、21を垂
    直にして作動カム24aを下部挟持板1の後方から補助
    板12の上部に嵌め込んだ状態で補助板12の後方上部
    13を角窓5に下方から押し込み、引掛肩14の下面を
    支持棚6の上部に乗せて、垂下部7の内面と突起15と
    の間をプラスチック自体の弾力にて圧接状態とすること
    により、上部挟持板10と下部挟持板1の先端部を開口
    させた状態にて組み合せ、操作板20の回動操作により
    作動カム24の向きを変えて上部挟持板10と下部挟持
    板1の先端部を閉じるように構成したことを特徴とする
    プラスチック製クリップ。
  4. 【請求項4】 角窓5の上部が塞がれているものである
    請求項1、2、3のいずれかに記載のプラスチック製ク
    リップ。
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