JP2638968B2 - 置換ピラゾールカルボン酸誘導体、それを有効成分とする農園芸用殺菌剤および中間体 - Google Patents

置換ピラゾールカルボン酸誘導体、それを有効成分とする農園芸用殺菌剤および中間体

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、置換ピラゾールカルボン酸誘導体、それを
有効成分とする農園芸用殺菌剤および中間体に関する。
<従来の技術> 或る種のピラゾールカルボン酸アニリド誘導体に殺菌
活性が認められることは、特開昭52−87168(USP−4134
987)号公報、特開昭60−34949号公報等に記載されてい
る。
<発明が解決しようとする課題> しかしながら、これらの文献に例示されている化合物
は効力等の点で不充分であり、必ずしも満足すべきもの
とは言い難く、かかる欠点の少ない薬剤の開発が望まれ
ている。
<課題を解決するための手段> 本発明者らは、このような状況に鑑み、優れた殺菌活
性を有する化合物を開発すべく種々検討した結果、下記
一般式〔I〕および〔II〕で示される置換ピラゾールカ
ルボン酸誘導体が、上述のような欠点の少ない優れた殺
菌活性を有することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、一般式 〔式中、R1はメチル基、エチル基またはトリフルオロメ
チル基を表わし、R2はメチル基、ハロゲン原子または水
素原子を表わし、R3はメチル基またはエチル基を表わ
す。〕 もしくは、一般式 〔式中、R1、R2およびR3は前記と同じ意味を表わす。〕 で示される置換ピラゾールカルボン酸誘導体(以下、本
発明化合物と称する。)、それを有効成分とする農園芸
用殺菌剤および中間体を提供するものである。
本発明化合物が優れた効力を有する植物病害として
は、たとえばイネの紋枯病(Rhizoctonia solani)、疑
似紋枯病(Rhizoctonia oryzae、R.solani III B型)、
ムギ類のさび病(Puccinia striiformis、P.graminis、
P.recondita、P.hordei)、雪腐病(Typhula incarnat
a、T.ishikariensis)、裸黒穂病(Ustilago tritici,
U.nuda)、各種作物の立枯病(Rhizoctonia solani)、
白絹病(Corticium rolfsii)、ジャガイモ、ビートの
リゾクトニア病(Rhizoctonia solani)、ナシの赤星病
(Gymnosporangium haraeanum)、リンゴの黒星病(Ven
turia inaequalis)、牧草、芝生等の葉腐病(Rhizocto
nia solani)、白絹病(Corticium rolfsii)、葉さび
病(Uromyces trifolii)、雪腐病(Typhula incarnat
a、T.ishikariensis)等が挙げられる。
次に本発明化合物の製造法について詳しく説明する。
本発明化合物は、例えば一般式 〔式中、R1およびR2は前記と同じ意味を表わす。〕 で示される置換チアゾールカルボン酸またはその反応性
誘導体と一般式 〔式中、R3は前記と同じ意味を表わす。〕 または一般式 〔式中、R3は前記と同じ意味を表わす。〕 で示される置換アミノオキサインダンとを反応させるこ
とによって製造することができる。
上記反応に於いて、溶媒は必ずしも必要ではないが、
用いられる溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、
キシレン等の炭化水素類、クロロベンゼン、塩化メチレ
ン、クロルホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素
類、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケト
ン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、アセトニ
トリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド、ジメチ
ルホルムアミド、水等が挙げられ、好ましくは、テトラ
ヒドロフランが挙げられる。
上記反応に用いられる試剤の量は、一般式〔IV〕また
は〔V〕で示される置換アミノオキサインダン1当量に
対して、一般式〔III〕で示される置換ピラゾールカル
ボン酸またはその反応性誘導体は、0.4〜1.5当量、好ま
しくは、0.5〜1.1当量の範囲である。
上記反応温度は任意にとりうるが通常0℃から反応液
の還流温度が好ましい。
使用する一般式〔III〕で示される置換ピラゾールカ
ルボン酸あるいはその反応性誘導体としては、対応する
カルボン酸、酸無水物、酸塩化物、酸臭化物、カルボン
酸エステル等をあげることができ、使用する一般式〔II
I〕で示される置換ピラゾールカルボン酸またはその反
応性誘導体に応じて適当な反応助剤の存在下に反応させ
ることができる。たとえば、カルボン酸を使用する場合
には、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチ
ルカルボジイミドメチオダイド、ジシクロヘキシルカル
ボジイミド等が使用でき、またカルボン酸エステルを使
用する場合には、水素化ナトリウム、ナトリウムメチラ
ート、ナトリウムエチラート等が使用できる。さらに酸
ハロゲン化物または酸無水物を使用する場合には、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、N
−メチルモルホリン、ピリジン等を使用することができ
る。
これら反応助剤は通常触媒量から2当量の範囲で使用
されるが、好ましくは0.95〜1.1当量で反応を行なうこ
とができる。
反応終了後は、反応助剤あるいはその反応生成物をろ
過あるいは水洗等により除去し、溶媒を留去すれば一般
式〔I〕または〔II〕で示される置換ピラゾールカルボ
ン酸誘導体を得ることができ、必要に応じて、クロマト
グラフィー、再結晶等の操作に付すことによりさらに精
製することもできる。
また、上記反応によって得られる一般式〔I〕で示さ
れる置換ピラゾールカルボン酸誘導体をスミパックOA−
4100のような光学活性カラムを用いて分離することによ
り、一般式〔II〕で示される置換ピラゾールカルボン酸
誘導体を製造することもできる。
尚、本発明化合物の原料である一般式〔IV〕で示され
る置換アミノオキサインダンは、たとえば、Jean Vene
and Jean Tirouflet Compt rend231,911〜12(1950)に
記載されている4−アセトアミノフタライドから出発し
て、次のような経路で合成することができる。
〔式中、R3は前記と同じ意味を表わす。〕 即ち、4−アセトアミノフタライドをジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等のエーテル類溶媒中、−10℃
から室温で、4〜12当量のヨウ化メチルマグネシウム等
のメチルグリニャール試薬と反応させて、ジオール体
(a)を得る。次いで、ジオール体(a)をジオキサ
ン、テトラヒドロフラン等のエーテル類溶媒またはクロ
ロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類溶
媒中、還流温度で、5〜20当量の活性二酸化マンガンと
反応させて、ラクトン体(b)を得る。
次いで、ラクトン体(b)をジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン等のエーテル類溶媒中、−30℃から室温
で、2〜4当量のメチルリチウムまたはエチルリチウム
と反応させて、アセタール体(c)を得る。
次いで、アセタール体(c)をメタノール、エタノー
ル等のアルコール類溶媒中、触媒量のパラジウムカーボ
ンおよび濃塩酸の存在下、室温で水素と反応させてアニ
リド体(d)を得る。
さらに、アニリド体(d)をエチレングリコールおよ
び水溶媒中還流温度で5〜20当量の水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物と反応させて
置換アミノオキサインダン〔IV〕を得る。
また、一般式〔V〕で示される置換アミノオキサイン
ダンは、たとえば以下の方法により得ることができる。
i) 一般式〔IV〕で示される置換アミノオキサインダ
ンを光学活性なカルボン酸を用いて光学分割する方法。
ii) 一般式〔IV〕で示される置換アミノオキサインダ
ンを光学活性カラムを用いて光学分割する方法。
本発明化合物を殺菌剤の有効成分として用いる場合
は、他の何らの成分も加えずそのまま用いてもよいが、
通常は、固体担体、液体担体、界面活性剤その他の製剤
用補助剤と混合して、乳剤、水和剤、懸濁剤、粒剤、粉
剤、液剤等に製剤して用いる。
これらの製剤には有効成分として本発明化合物を、重
量比で0.1〜99.9%、好ましくは0.2〜80%含有する。
固体担体としては、カオリンクレー、アッタパルジャ
イトクレー、ベントナイト、酸性白土、パイロフィライ
ト、タルク、珪藻土、方解石、トウモロコシ穂軸粉、ク
ルミ殻粉、尿素、硫酸アンモニウム、合成含水酸化珪素
等の微粉末あるいは粒状物があげられ、液体担体として
は、キシレン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素
類、イソプロパノール、エチレングリコール、セロソル
ブ等のアルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、イ
ソホロン等のケトン類、大豆油、綿実油等の植物油、ジ
メチルスルホキシド、アセトニトリル、水等が挙げられ
る。
乳化、分散、湿展等のために用いられる界面活性剤と
しては、アルキル硫酸エステル塩、アルキル(アリー
ル)スルホン酸塩、ジアルキルスルホこはく酸塩、ポリ
オキシエチレンアルキルアリールエーテルりん酸エステ
ル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物等の陰イ
オン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック
コポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性
剤等があげられる。製剤用補助剤としては、リグニンス
ルホン酸塩、アルギン酸塩、ポリビニルアルコール、ア
ラビアゴム、CMC(カルボキシメチルセルロース)、PAP
(酸性りん酸イソプロピル)等があげられる。
これらの製剤は、希釈せずそのまま、または例えば水
で希釈して植物体に直接施用するか、あるいは土壌に施
用する。
さらに詳しくは、上記製剤を植物体へ散布または散粉
するか、土壌表面へ散布、散粉または散粒するか、ある
いは必要に応じてその後さらに土壌と混和するなどの種
々の形態で使用できる。
また、種子処理剤として用いる場合には、種子粉衣処
理、種子浸漬処理等して用いることができる。また、他
の殺菌剤と混合して用いることにより、殺菌効力の増強
をも期待できる。さらに、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫
剤、除草剤、植物生長調節剤、肥料、土壌改良剤と混合
して用いることもできる。
なお、本発明化合物は、水田、畑地、果樹園、牧草
地、芝生地等の殺菌剤の有効成分として用いることがで
きる。
本発明化合物を殺菌剤の有効成分として用いる場合、
その施用量は、気象条件、製剤形態、施用時期、方法、
場所、対象病害、対象作物等によっても異なるが、通常
1アールあたり0.5g〜100g、好ましくは、1g〜50gであ
り、乳剤、水和剤、懸濁剤、液剤等を水で希釈して施用
する場合、その施用濃度は、0.0001〜1%、好ましく
は、0.0005〜0.5%であり、粒剤、粉剤等は、なんら希
釈することなくそのまま施用する。
<発明の効果> 本発明化合物は、種々の植物病原菌、特に担子菌類に
属する微生物による植物病害に対して卓効を示すことか
ら、殺菌剤の有効成分として種々の用途に用いることが
できる。
<実施例> 以下に、本発明を製造例、参考例、製剤例および試験
例によりさらに詳しく説明する。
まず、製造例を示す。
製造例1 (本発明化合物(2)の合成) 1,1,3−トリメチル−2−オキサ−4−アミノインダ
ン80mgおよびトリエチルアミン50mgをテトラヒドロフラ
ン5mlに溶解させ、氷冷下、内温5℃以下で撹拌しなが
ら5−クロロ−1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボ
ン酸クロリド89mgをテトラヒドロフラン2mlに溶解させ
た液を滴下した。滴下後、室温で一晩撹拌し、次いで水
およびクロロホルムを加えて抽出した。有機層は水で洗
浄した後、乾燥、濃縮した。さらに、シリカゲル薄層ク
ロマトグラフィーで精製することにより、N−(1,1,3
−トリメチル−2−オキサ−4−インダニル)−5−ク
ロロ−1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボン酸アミ
ド119mgを得た。
上記のような製造法によって製造できる本発明化合物
のいくつかを第1表に示す。
製造例2 (本発明化合物(12)の合成) (3S)−1,1,3−トリメチル−2−オキサ−4−アミ
ノインダン160mgおよびピリジン79mgをテトラヒドロフ
ラン10mlに溶解させ、氷冷下、内温5℃以下で撹拌しな
がら5−クロロ−1,3−ジメチルピラゾール−4−カル
ボン酸クロリド178mgをテトラヒドロフラン4mlに溶解さ
せた液を滴下した。滴下後、室温で一晩撹拌し、次いで
水およびクロロホルムを加えて抽出した。有機層は1%
塩酸水で洗浄した後、乾燥、濃縮した。さらに、シリカ
ゲル薄層クロマトグラフィーで精製することにより、N
−〔(3S)−1,1,3−トリメチル−2−オキサ−4−イ
ンダニル〕−5−クロロ−1,3−ジメチルピラゾール−
4−カルボン酸アミド262mgを得た。(収率87%)。
製造例3 (本発明化合物(12)の合成) N−(1,1,3−トリメチル−2−オキサ−4−インダ
ニル)−5−クロロ−1,3−ジメチルピラゾール−4−
カルボン酸アミドをスミパックOA−4100光学活性カラム
を用い、移動相;ヘキサン:1,2−ジクロロエタン:エタ
ノール(500:150:1.5)により両鏡像体に分離した。所
望のN−〔(3S)−1,1,3−トリメチル−2−オキサ−
4−インダニル〕−5−クロロ−1,3−ジメチルピラゾ
ール−4−カルボン酸アミドは前ピークとして溶出した
(収率38%)。
上記製造例によって得られた本発明化合物(12)は次
のような物性を示した。
m.p. 169.1℃ ▲〔α〕24.0 D▼=−74.3゜(CHCl3,c1.0) 次に一般式〔IV〕で示される置換アミノオキサインダ
ンの製造例を示す。
参考例1 α,α−ジメチル−2−ヒドロキシメチル−
3−アセトアミノベンジルアルコールの合成 金属マグネシウム9.5gとジエチルエーテル60mlの混合
物中へ、撹拌しながら、ヨウ化メチル56gをジエチルエ
ーテル120mlに溶かした液をゆっくり滴下した。滴下終
了後、混合液を15分間、加熱還流した後、放冷した。こ
のようにして調製したヨウ化メチルマグネシウムのエー
テル溶液を、4−アセトアミノフタライド7.5gをテトラ
ヒドロフラン120mlに溶かした液に撹拌しながら10℃以
下でゆっくり滴下した。滴下終了後さらに室温にて1晩
撹拌した。反応終了後、反応混合物を飽和塩化アンモニ
ウム水へ氷冷下注ぎ込み、酢酸エチル400mlで2回抽出
した。抽出液を乾燥後、濃縮することによって得られた
油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製
することにより、α,α−ジメチル−2−ヒドロキシメ
チル−3−アセトアミノベンジルアルコールの白色結晶
7.2gを得た。m.p. 137.9℃1 H−NMR(CDCl3) δppm 1.6(6H,s)、2.1(3H,s)、3.7(2H,br,s)、5.0(2H,
s)、7.2〜7.8(3H,m)、8.7(1H,br,s) 参考例2 3,3−ジメチル−7−アセトアミノフタライ
ドの合成 α,α−ジメチル−2−ヒドロキシメチル−3−アセ
トアミノ−ベンジルアルコール7.2gをクロロホルム300m
lに溶かし、活性二酸化マンガン28gを加え、6時間加熱
還流した。反応終了後、反応混合物を放冷後セライトを
敷いたグラスフィルターにて過し、残渣をクロロホル
ム100mlにて洗浄した。液と洗浄液とを合わせて濃縮
し得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーにて精製することにより、3,3−ジメチル−7−アセ
トアミノフタライドの白色結晶4.4gを得た。m.p. 124.
1℃1 H−NMR δppm 1.6(6H,s)、2.2(3H,s)、7.0(1H,d,J=8.0Hz)、7.
6(1H,t,J=8.0Hz)、8.5(1H,d,J=8.0Hz)、9.7(1H,
br,s) 参考例3 1,1,3−トリメチル−3−ヒドロキシ−2−
オキサ−4−アセトアミノインダンの合成 3,3−ジメチル−7−アセトアミノフタライド4.4gを
テトラヒドロフラン80mlに溶かした溶液に、−20℃に
て、メチルリチウムのエーテル溶液(1.4M)43mlをゆっ
くり滴下した。滴下終了後、同温でさらに20分間撹拌し
た。反応終了後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水
へ氷冷下注ぎ込み、酢酸エチル200mlで2回抽出した。
抽出液を乾燥後、濃縮することにより1,1,3−トリメチ
ル−3−ヒドロキシ−2−オキサ−4−アセトアミノイ
ンダンの油状物4.7gを得た。1 H−NMR δppm 1.5(6H,s)、1.7(3H,s)、2.1(3H,s)、4.7(1H,
s)、6.85(1H,d,J=8.0Hz)、7.3(1H,t,J=8.0Hz)、
7.9(1H,d,J=8.0Hz)、8.0(1H,s) 参考例4 1,1,3−トリメチル−2−オキサ−4−アセ
トアミノインダンの合成 1,1,3−トリメチル−3−ヒドロキシ−2−オキサ−
4−アセトアミノインダン4.7gをエタノール120mlに溶
かし、濃塩酸およびパラジウムカーボンを触媒量加え、
水素雰囲気下室温にて6時間はげしく撹拌した。反応終
了後反応混合物をセライトを敷いたグラスフィルターに
て過し、残渣をエタノール60mlにて洗浄した。液と
洗浄液とを合わせて濃縮することにより1,1,3−トリメ
チル−2−オキサ−4−アセトアミノインダンの油状物
4.3を得た。1 H−NMR δppm 1.4(3H,s)、1.4(3H,d,J=6.0Hz)、1.5(3H,s)、2.
1(3H,s)、5.4(1H,q,J=6.0Hz)、6.8〜7.4(3H,
m)、8.1(1H,s) 製造例4 1,1,3−トリメチル−2−オキサ−4−アミ
ノインダンの合成 1,1,3−トリメチル−2−オキサ−4−アセトアミノ
インダン4.3gをエチレングリコール60mlおよび水30mlに
溶かし、水酸化カリウム11gを加え、窒素雰囲気下で8
時間、加熱還流した。反応終了後、反応混合物を放冷
し、水60mlで希釈し、クロロホルム60mlで4回抽出し
た。抽出液を合わせて水で3回洗浄後、乾燥し、濃縮し
た。得られた油状物をシリカゲル薄層クロマトグラフィ
ーにて精製することにより、1,1,3−トリメチル−2−
オキサ−4−アミノインダンの白色結晶2.0gが得られ
た。mp75.5℃1 H−NMR δppm 1.4(3H,s)、1.5(3H,d,J=6.0Hz)、1.5(3H,s)、3.
6(2H,br,s)、5.25(1H,q,J=6.0Hz)、6.2〜6.7(2H,
m)、7.1(1H,dd,各々J=6.0Hz) 製造例5 製造例4と同様の製法により1,1−ジメチル−3−エ
チル−2−オキサ−4−アミノインダンが得られた。1 H−NMR δppm 1.0(3H,t,J=6.0Hz)、1.45(3H,s)、1.55(3H,s)、
1.4〜2.1(2H,m)、3.5(2H,br,s)、5.15(1H,dd,J=
6.0Hz、4.0Hz)、6.45(2H,br,d)、7.0(1H,dd,J=8.0
Hz、J=6.0Hz) 次に製剤例を示す。なお、本発明化合物は第1表およ
び製造例の化合物番号で示す。部は重量部である。
製剤例1 本発明化合物(1)〜(12)の各々50部、リグニンス
ルホン酸カルシウム3部、ラウリル硫酸ナトリウム2部
および合成含水酸化珪素45部をよく粉砕混合して有効成
分50%の水和剤各々を得る。
製剤例2 本発明化合物(1)〜(12)の各々10部、ポリオキシ
エチレンスチリルフェニルエーテル14部、ドデシルベン
ゼンスルホン酸カルシウム6部、キシレン70部をよく混
合して有効成分10%の乳剤各々を得る。
製剤例3 本発明化合物(1)〜(12)の各々2部、合成含水酸
化珪素1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベン
トナイト30部およびカオリンクレー65部をよく粉砕混合
し、水を加えてよく練り合せた後、造粒乾燥して有効成
分2%の粒剤各々を得る。
製剤例4 本発明化合物(1)〜(12)の各々25部、ポリオキシ
エチレンソルビタンモノオレエート3部、CMC3部、水69
部を混合し、粒度が5ミクロン以下になるまで湿式粉砕
して有効成分25%の懸濁剤各々を得る。
製剤例5 本発明化合物(1)〜(12)の各々2部、カオリンク
レー88部およびタルク10部をよく粉砕混合して有効成分
2%の粉剤各々を得る。
製剤例6 本発明化合物(1)〜(12)の各々10部、ポリオキシ
エチレンスチリルフェニルエーテル1部、水89部を混合
し、有効成分10%の液剤各々を得る。
次に本発明化合物が殺菌剤の有効成分として有用であ
ることを試験例で示す。なお、本発明化合物は、第1表
および製造例の化合物番号で示し、比較対照に用いた化
合物は第2表の化合物記号で示す。
また防除効力は、調査時の供試植物の発病状態すなわ
ち葉、茎等の菌叢、病斑の程度を肉眼観察し、菌叢、病
斑が全く認められなければ「5」、10%程度認められれ
ば「4」、30%程度認められれば「3」、50%程度認め
られれば「2」、70%程度認められれば「1」、それ以
上で化合物を供試していない場合の発病状態と差が認め
られなければ「0」として、0〜5の6段階に評価し、
0、1、2、3、4、5で示す。
試験例1 イネ紋枯病予防効果試験 プラスチックポットに砂壌土を詰め、イネ(近畿33
号)を播種し、温室内で20日間育成した。4〜5葉が展
開したイネの幼苗に、製剤例2に準じて乳剤にした供試
化合物を、水で希釈して所定濃度にし、それを葉面に充
分付着するように茎葉散布した。散布4時間後、イネ紋
枯病菌の含菌寒天片を貼付接種した。接種後28℃、多湿
下で4日間育成し、防除効力を調査した。その結果を第
3表に示す。
試験例2 イネ紋枯病浸透移行効果試験 プラスチックポットに砂壌土を詰め、イネ(近畿33
号)を播種し、温室内で3週間育成した。4〜5葉が展
開したイネに、製剤例1に準じて水和剤にした供試化合
物を、水で希釈し、その所定量を土壌に潅注後7日間温
室内で育成し、イネ紋枯病菌含菌寒天片を貼付接種し
た。接種後28℃、多湿下で4日間育成し、防除効力を調
査した。その結果を第4表に示す。
試験例3 インゲン白絹病予防効果試験 プラスチックポットにあらかじめふすま培地で培養し
た白絹病原菌を砂壌土とよく混合し詰めた。その上にイ
ンゲン(大正金時)を播種した。製剤例1に準じて水和
剤にした供試化合物を水で希釈し、その所定量を土壌に
潅注した。潅注後3週間温室内で育成し、地際部の茎の
発病程度により防除効力を調査した。その結果を第5表
に示す。
試験例4 コムギ赤さび病治療効果試験 プラスチックポットに砂壌土を詰め、コムギ(農林73
号)を播種し、温室内で10日間育成した。第2〜3葉が
展開したコムギの幼苗にコムギ赤さび病菌の胞子を接種
した。接種後23℃多湿下で1日育成し、製剤例2に準じ
て乳剤にした供試化合物を、水で希釈して所定濃度に
し、それを葉面に充分付着するように茎葉散布した。散
布後23℃照明下で7日間育成し、防除効力を調査した。
その結果を第6表に示す。
フロントページの続き (72)発明者 中村 茂雄 兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友 化学工業株式会社内 (72)発明者 前田 清人 兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友 化学工業株式会社内 (72)発明者 高野 仁孝 兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友 化学工業株式会社内

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔式中、R1はメチル基、エチル基またはトリフルオロメ
    チル基を表わし、R2はメチル基、ハロゲン原子または水
    素原子を表わし、R3はメチル基またはエチル基を表わ
    す。〕 で示される置換ピラゾールカルボン酸誘導体。
  2. 【請求項2】R1がメチル基であり、R2が塩素原子であ
    り、R3がメチル基である請求項1記載の置換ピラゾール
    カルボン酸誘導体。
  3. 【請求項3】一般式 〔式中、R1はメチル基、エチル基またはトリフルオロメ
    チル基を表わし、R2はメチル基、ハロゲン原子または水
    素原子を表わし、R3はメチル基またはエチル基を表わ
    す。〕 で示される置換ピラゾールカルボン酸誘導体。
  4. 【請求項4】請求項1または2記載の置換ピラゾールカ
    ルボン酸誘導体を有効成分として含有することを特徴と
    する農園芸用殺菌剤。
  5. 【請求項5】一般式 〔式中、R3はメチル基またはエチル基を表わす。〕 で示される置換アミノオキサインダン。
JP19359888A 1987-07-29 1988-08-02 置換ピラゾールカルボン酸誘導体、それを有効成分とする農園芸用殺菌剤および中間体 Expired - Lifetime JP2638968B2 (ja)

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