JP2638173B2 - コポリ(アリーレンスルフィド)及びそれらの製造方法 - Google Patents

コポリ(アリーレンスルフィド)及びそれらの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、コポリ(アリーレンスルフィド)及び元素
硫黄の存在下におけるジヨード芳香族化合物の加熱によ
るそれらの製造方法に関する。
ポリ(アリーレンスルフィド)(PAS)樹脂は、良好
な耐熱性、特異な不溶性、化学環境に対する抵抗性及び
固有耐燃性を有する熱硬化性−熱可塑性高分子物質であ
る。PAS樹脂はさらに、良好な電気絶縁性を有し、その
ため電気及び電子用途についてそれらを理想的なものと
する。化学崩壊に対するそれらの優れた抵抗性により、
パイプ、タンク、ポンプ及び他の装置用の塗膜のよう
な、有機溶媒及び強鉱酸を含む化学環境の下で使用する
のに理想的になる。
ポリ(フェニレンスルフィド)(PPS)は、p−ジク
ロロベンゼンを硫化ナトリウムと極性有機溶媒中で反応
させてPPSと副生成物塩化ナトリウムとを生成すること
によって一般的に製造される製品である。この方法はMa
callum重合法として知られており、基本法は米国特許第
2,513,188号及び第2,583,941号に開示されている。Maca
llum重合法の改良はこの方法において触媒としてN−ハ
ロアミドを加えることを含む(米国特許第3,285,882
号)。Macallum重合はクロロ芳香族化合物のみを使用す
る。
Macallum法において形成されるPPSは、10,000〜40,00
0のオーダーのあまり大きくない分子量のみを有し、溶
融粘度が比較的低い。より高分子量のものは、PPSを酸
素の存在下で加熱することによって得られうる。加熱の
間に、酸化、架橋及び連鎖延長を伴う種々の化学反応に
よってPPSの分子量は増大する。これらの硬化反応によ
って、分子量はあまり増加させずに固有脆性及び低下し
た延伸能を有するポリマーを生ずる。さらに、硫化ナト
リウム及び硫化水素ナトリウムのような硫化物及び/ま
たは硫化水素塩の存在下における重合によって製造され
るPPSはポリマー中に無機塩が残存する。これらの残留
塩は、たとえば、出発原料からの塩素または硫化物とナ
トリウムカチオンとの組合せから生じる塩化ナトリウム
及び硫化ナトリウムである。ポリマー中にこれらの残留
塩が存在するため、ポリマーの腐食性が増し、ポリマー
の延伸または紡糸特性が劣化する可能性がある。残留塩
はまた、延伸繊維を破壊し、さらに紡糸口金孔の閉塞及
び目詰まりの原因となる可能性がある。
Macallum法によって製造されるポリ(アリーレンスル
フィド)に関する別の問題は、電気的性質に対する残留
塩の作用である。残留塩の存在によって、高絶縁特性を
必要とする用途には有害となる増大した水分吸収及び電
気活性を有するポリマーが生じる。広範な抽出が、Maca
llum法によって製造されるPPSの塩量を減じるが、これ
らの塩の完全な除去は商業的には実行不可能である。
Macallum法によって製造されるPPSに関する別の問題
はこれらのポリマーの結晶化速度が速いことである。い
くつかの用途は速い結晶化速度を必要とするが、多くの
用途ははるかに遅い結晶化速度を必要とする。これらの
ポリマーはジスルフィド単位をほとんど含まない。
米国特許第4,645,826号は、最初に5〜3,000ポアズの
溶融粘度を有するプレポリマーを製造し、次いで液液二
相重合を行うことによって「超高分子量」線状PASを製
造する方法を開示している。ジクロロ芳香族化合物のみ
が開示され、プレポリマーは通常のアルカリ金属硫化物
を用いて形成される。「超高分子量」ポリマーは僅か数
万ポアズの溶融粘度を有する。プレポリマーはアルカリ
金属硫化物の存在下における標準Macallum法によって形
成される。従って、生成されるポリマーには、前述の残
留塩分に関する課題が存在するであろう。これらのポリ
マーはまた、ジスルフィド単位をほとんど含まないとも
考えられる。
米国特許第4,645,825号はまた、ジクロロ芳香族また
はジブロモ芳香族化合物を用い且つ通常のアルカリ金属
硫化物またはヒドロスルフィドの存在下で重合させるこ
とによって製造されるポリ(アリーレンスルフィド)を
開示している。この方法では比較的高い分子量及び溶融
粘度を有するポリマーが製造できるが、ポリマー中に残
留無機塩が存在するため、腐食特性が劣り、紡糸及び延
伸能が低い。これらのポリマーはまた、ジスルフィド単
位をほとんど有さないと考えられる。
我々は、アルカリ金属をほとんど含まず且つ調整可能
な結晶化速度を有するポリ(アリーレンスルフィド)の
製造に使用できる方法を見い出した。この発明の方法を
用いて製造されるポリマーは、その工程においてポリマ
ーの製造に使用されるアルカリ金属が全く使用されない
ので、事実上アルカリ金属をほとんど含まない。出願者
らは特定の理論に限定されたくないが、この方法を用い
て製造されるコポリマーの可変的な結晶化速度はポリマ
ー鎖中の少量の(−A−S−S−)またはジスルフィド
構造単位の存在によると考えられる。従って、この方法
によって製造されるポリマーはコポリマーであると考え
られる。コポリマー中におけるこれらのジスルフィドの
存在は、ガラス転移温度、耐溶剤性、耐熱性及び酸化安
定性のようなポリマーの他の重要な特性にあまり影響を
与えない。
本発明の方法によって製造されるコポリマー中の構造
単位の主要な部分は(−A−S−)単位であり、(−A
−S−S−)またはジスルフィド構造単位の数は(−A
−S−)構造単位の数に比較して少ない。一般に、(−
A−S−S−)単位の数は(−A−S−)単位と(−A
−S−S−)単位の数の総数を基準として0.5〜0.001の
範囲にある。従って、本発明の方法によって製造される
コポリマーは (−A−S−)1-x(−A−S−S−) (上式中、xは0.5〜0.001の範囲にある)として示すこ
とができる。(−A−S−)及び(−A−S−S−)構
造単位の配列順は、分子鎖全体にわたってランダムであ
ると考えられる。xが0.5〜0.2の範囲にある場合には、
Aがp−フェニレンであるときに得られるポリマーは非
晶質で容易には結晶化できない。xが0.2〜0.1の範囲に
ある場合には、得られるポリマーは熱的に結晶化でき、
230〜260℃の結晶融点を有する。xが0.1〜0.05の範囲
にある場合には、得られるポリマーは中程度の結晶化速
度を有し、結晶化されたポリマーは高結晶融点(280〜2
90℃)までアニールすることができ、各々、ますます低
温のTch(加熱時結晶化温度)及びますます高温のTcc
(冷却時結晶化温度)を示すが、このことは結晶化速度
の増加を表すものである。xが0.05〜0.001の範囲にあ
る場合には、xの減少と共に結晶化速度が急速に増加す
る。
以下の表は、ポリ(フェニレンスルフィド)の結晶化
速度に対するジスルフィド構造単位の影響をより明白に
示す: ポリマー鎖の大きさは便宜上、鎖中の各種の構造単位
の総数として表すことができる。従って、本発明の方法
によって製造されるコポリ(アリーレンスルフィド)
は、より具体的には構造 [(−A−S−)1-x(−A−S−S−) (上式中、重合度nは、300℃における溶融粘度測定に
よって測定される場合には少なくとも200、好ましくは
少なくとも400、より好ましくは500〜5,000の範囲内に
ある)に対応するものとして示すことができる。Aがp
−フェニレンである場合の重合度は、関係式log(n)
=1.473+0.2873×log(溶融粘度)[溶融粘度はポアズ
で測定]を用いて計算できる。
本発明の方法においては、構造 I−A−I (上式中、Aは二価のアリーレン基である)に対応する
ジヨードアリーレン化合物を元素状硫黄と、塩基性物質
の不存在下で175℃を超える温度において反応させて
(−A−S−)構造単位および(−A−S−S−)構造
単位を有する実質的に線状のコポリ(アリーレンスルフ
ィド)を生成する。
本方法において使用できるジヨード芳香族化合物とし
ては、2個のヨウ素置換基を有する未置換または置換芳
香族炭化水素が挙げられる。適当なジヨード芳香族化合
物としては炭化水素芳香族類、窒素含有芳香族類、硫黄
含有芳香族類及び酸素含有芳香族類が挙げられる。代表
的な炭化水素芳香族類としては、ベンゼン及びビフェニ
ルならびにナフタレン及びアントラセンのような縮合環
芳香族類が挙げられる。代表的な硫黄含有芳香族類とし
ては、たとえば、チオフェン及びベンゾチオフェンが挙
げられる。代表的な窒素含有芳香族類としてはピリジン
及びキノリンが挙げられる。適当な酸素含有芳香族類
は、たとえば、フラン、ジベンゾフランなどである。本
発明に使用するのに適当な置換ジヨード芳香族化合物と
しては、芳香族スルホン、ジアリールエーテル、ジアリ
ールカルボニル、ジアリールスルフィドなどが挙げられ
る。
芳香族出発原料は1以上のアルキル基、好ましくは炭
素原子数1〜6のアルキル基で置換されていてよい。特
に好ましいアルキル基は、メチル、エチル、プロピル及
びブチル基である。置換基の立体配置に制限はない、た
とえば、置換基はヨウ素保持炭素に隣接した炭素上にあ
ってもよいし、またはヨウ素を担持する炭素からさらに
離れた炭素上にあてっもよい。
芳香族化合物上の別の置換基としては、フェニル、ハ
ロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、C1-6アルコキ
シ、ならびにカルボキシレート及びカルボン酸置換基、
ならびにアリールスルホン及びアリールケトンが挙げら
れる。
好ましいジヨード芳香族化合物は、未置換であるかま
たは前記置換基のいずれかで置換されることのできるジ
ヨードベンゼン、ジヨードナフタレン、ジヨードビフェ
ニル、ジヨードジフェニルエーテル及びジヨードトルエ
ンである。
本発明に適当な特定のジヨード芳香族化合物として
は、p−ジヨードベンゼン、m−ジヨードベンゼン、p,
p′−ジヨードビフェニル、m,p′−ジヨードビフェニ
ル、p,p′−ジヨードフェニルスルホン、p,p′ジヨード
ジフェニルエーテル、2,6−ジヨードナフタレン及びp,
p′−ジヨードベンゾフェノンが挙げられる。p−ジヨ
ードベンゼン、p,p′−ジヨードビフェニル及びp,p′−
ジヨードジフェニルエーテルが最も好ましい。
本発明のジヨード芳香族出発原料は、任意の適当な方
法によって製造できる。たとえば、ジヨード芳香族化合
物は、標準的な液相または気相ヨウ素化反応によって製
造できる。
硫黄は、元素硫黄として反応させ、元素硫黄にとって
可能な標準型のいずれかから成ることができる。すなわ
ち、硫黄はその同素変態のいずれか、たとえば、正斜方
系シクロオクタ硫黄(S8)または任意の他の環状元素硫
黄、たとえば、6〜12個の硫黄原子を有するシクロ硫黄
種のいずれかの形で存在できる。さらに、任意の結晶型
の硫黄がこの反応に使用できる。意外にも、元素硫黄中
の不純物はこの重合反応の効率または選択性に影響を与
えるようではない。98%より純度の低い硫黄を使用して
もよいが、硫黄は、98%〜100%の純度を有するのが好
ましい。硫黄中の不純物の存在に対する感受性のこのよ
うな欠如は、高純度の硫黄を必要とせず且つそれに伴う
経費が不要であるため、商業的方法として使用する場合
にはこの方法にとって有利である。
本発明の方法において、硫黄はジヨード芳香族化合物
と反応して、元素ヨウ素を排除し、そして以下に示すよ
うにPASを形成する。
nArI2+nS→(−Ar−S−)+nI2 ポリマーの形成は、ジヨード芳香族化合物及び硫黄の
相対化学量論には感受性ではない。従って、過剰の硫黄
または過剰のジヨード芳香族化合物がこの重合方法にお
いて使用できる。過剰の硫黄を使用する場合にはポリマ
ー中にいくつかのジスルフィド結合が観察される。硫黄
の量が減少すると最終ポリマー中のジスルフィド結合の
量が減少する。ジヨード芳香族化合物が過剰に存在する
場合には、過剰のジヨード芳香族化合物が最終重合の間
に除去される場合には、高重合体への重合がさらに起こ
り得る。
重合反応は、好ましくは溶媒の不存在下において硫黄
とジヨード芳香族化合物とを単に加熱して反応させるこ
とによって実施する。これらの条件下において、ジヨー
ド芳香族化合物自体は溶融した硫黄に対する溶媒として
作用するため、容易且つ完全な反応を可能にする、実質
的に均質な溶液を形成する。
別の実施態様において、ジヨード芳香族化合物は反応
条件に不活性な、すなわち、ヨウ素及び硫黄との反応に
不活性な有機溶媒中に溶解させることができる。たとえ
ば、芳香族炭化水素、ジアリールスルフィド、ジアリー
ルエーテル及びジアリールスルホンのような高沸点不活
性芳香族溶媒が好ましい。重合されるジヨード芳香族化
合物に対応する溶媒を用いるのが好ましい。すなわち、
たとえば、ジヨードベンゼンと硫黄との重合においては
溶媒としてベンゼン、トルエンまたはナフタレンを使用
できる。
本発明の重合反応を固相重合によって行うこともでき
る。固相重合によってきわめて高い分子量及び溶融粘度
が達成できる。初期溶融重合(または溶液重合)を行っ
た後、生成物を固体状態に冷却する。減圧下または不活
性ガス流下において固体状態でさらに加熱して重合する
ことによって分子量が驚異的に増大し、100,000を越え
る重量平均分子量が達成できる。固相重合または溶融重
合プロセスの間には、実質的に架橋が起こらないことに
注目することが重要である。固相重合後に生成される分
子量が極めて高いコポリマーは、なお実質的に線状であ
って、優れたフィルム及び繊維形成能を有する。
ジヨード芳香族化合物と硫黄との重合反応を通じて元
素ヨウ素が生成され、反応溶融液もしくは溶液または固
体から発生する。元素ヨウ素の除去は重合反応の完結の
ための促進力を提供する。大気圧もしくは過圧において
反応塊上または反応塊中に窒素もしくはアルゴンのよう
な不活性ガスまたは空気流を通過させることによって、
または反応装置に減圧を適用することによってヨウ素を
除去できる。元素ヨウ素は回収して、商品としてまたは
別の化学的方法の反応体として使用できる。PAS及び元
素ヨウ素は共に有用な商業的化学製品であるので、従っ
て、この反応は無駄な反応生成物をもたらさない。
重合反応は、一般に175℃より高温において行う。反
応は175℃より低温において行うことができるが、重合
反応ははるかに遅い。重合反応に温度の特定の上限はな
く、ジヨード芳香族化合物の分解温度より低い任意の温
度において行うことができる。特定のジヨード芳香族化
合物の場合には400℃より高温を使用できるが、ほとん
どの重合反応の場合、175〜400℃の範囲の温度が適当で
ある。特に好ましい温度範囲は180〜350℃である。
反応は、一般に少なくとも30分間行い、10時間までま
たはそれ以上続け、理論的には無限大に近い反応時間が
可能である。正確な反応時間はジヨード芳香族化合物、
方法の工学的要件ならびに目的生成物の特定の分子量、
粘度及び物理学的性質によって決まるであろう。
重合反応は、回分反応容器中で実施してもよいし、ま
たは半連続法もしくは連続法で実施してもよい。反応混
合物の撹拌は任意であるが、撹拌は重合物の生成及び収
率に役立つ。反応混合物の撹拌は、任意の公知の方法、
たとえば、機械的撹拌によって、または反応混合物に不
活性ガス流を通過させることによって実施できる。
好ましい実施態様では、重合反応はジヨード芳香族化
合物及び硫黄を連続段階反応器中で合し、連続式に実施
して反応溶融液を形成する。窒素またはアルゴンのよう
な不活性ガスを好ましくは向流方向で溶融液に通過さ
せ、これによって、反応溶融液の撹拌及び混合を行い、
同時に、発生する元素ヨウ素を除去し且つそれを反応器
から洗い流す。あるいは、反応器に減圧を適用して、元
素ヨウ素が発生するにつれてそれを除去する。反応は回
分条件下でも同様によく進行し、また、回分法と連続法
との組合せも本発明の範囲内で良好であると考えられる
ことに注意されたい。
本発明の方法によって製造されるコポリマーは、ペレ
ット、繊維及び成形品のような種々の造形品の製造に有
用である。ポリマーは射出成形及び溶融紡糸のような常
法によってこれらの造形品に製造できる。
反応中にはアルカリ金属含有材料がないので、ポリマ
ーマトリックス中にはアルカリ金属がほとんど存在しな
い。典型的には、コポリ(アリーレンスルフィド)の重
量に基づき100万当たり100重量部未満、好ましくは100
万当たり10重量部未満のアルカリ金属が存在する。アル
カリ金属がほとんど存在しないことにより、ポリマーの
溶融加工能、特に繊維への溶融紡糸能が増大する。
本発明の方法によって製造されるコポリ(アリーレン
スルフィド)、特にコポリ(フェニレンスルフィド)
は、ジスルフィド結合の存在により、結晶化速度が調整
できる。ジスルフィド結合の濃度は、広範囲に変化させ
ることができ、ポリマーの他の望ましい特性を不当に犠
牲にすることはなく結晶化速度は技術的な応用に適する
ように容易に調整できる。さらに、極めて速い結晶化速
度が望ましい用途の場合には、結晶化速度は通常の核形
成剤、たとえば、タルク、テレフタル酸、シリカなどを
添加することによって一層増大できる。
発明の他の特徴は、以下の代表的な実施態様の説明に
沿って明白になるものであり、それらの実施態様は発明
の説明のために記載するものであって、発明を限定する
ものではない。
例 例1〜17に記載した反応は、ドライアイス中で冷却さ
れた受け器及び減圧ジャケット付きVigreuxカラムを具
備した撹拌フラスコ中で実施した。使用した温度/圧力
分布は230℃/120トルで3時間、230℃/4トルでさらに1
時間、次いで1時間温度を250℃に上げ、最後に最後の
1〜3時間温度を280〜300℃に上げる。これらのポリマ
ーの繊維形成能はポリマー溶融液からストランドを延伸
することによって確かめた。いくつかのポリマーを試験
して、xの値またはポリマー鎖中の(−A−S−)構造
単位及び(−A−S−S−)構造単位の数を求めた。い
くつかの場合、百万当たりのアルカリ金属の重量部及び
結晶化速度を測定した。
ポリ(アリーレンスルフィド)の重量に基づく百万当
たりのアルカリ金属の重量部を原子吸光分析によって測
定した。
結晶化速度は、示差走査熱量計によってハーフタイム
を、または問題のポリマーのTcc及びTchをポリフェニレ
ンスルフィドホモポリマーのTcc及びTchと比較すること
によって求めた。DSC分析は全て、N2下で20℃/分の走
査速度で行った。
重合度(n)は、溶融粘度を測定して関係式log
(n)=1.473+0.2873×log(溶融粘度)を適用するこ
とによって求めた。
溶融粘度はRheometrics Mechanical Spectrometer(M
odel RMS−7220)上で300℃及び25ラジアン/秒におい
て測定した。サンプルは全て真空オープン中で予備乾燥
し、空気下で行った。
x値が中位のx値では、元素分析及び存在する過剰の
硫黄に基づく計算によって求めた。x値が低位の値で
は、全てのスルフィド結合をスルホン酸に酸化する濃硝
酸によるポリマーの消化によって測定できる。スルホン
酸の滴定によって存在するジスルフィドの量が求められ
る。
例1 p−ジヨードベンゼン200.0グラムと元素硫黄20.0グ
ラム(3.0%過剰)とを前述のようにして反応させた。
硬質のガラス状ポリマーが得られ、これは硬質の折り目
形成性フィルムに成形できた。得られた繊維は切断する
ことなく節取りできた。この物質は100℃において1,2,4
−トリクロロベンゼン中に不溶であり、210℃において
クロロナフタレン中に2時間にわたってゆっくり溶解さ
せた。成形したフィルムの赤外スペクトルは基準ポリ
(フェニレンスルフィド)の赤外スペクトルと同一であ
った。ポリマーの元素分析は実験式(C6H4S1.10)と一
致した。ポリマーの収量は60グラムであった。アルカリ
金属含量は<5ppmであった。ポリマーは熱的に結晶化可
能であり、Tmが243℃であり、Tgが91.4℃であり且つTch
が168℃であった(第1サイクル)。x値は0.10であっ
た。溶融粘度は20,000Pであって、551のn値を生じた。
非晶質成形フィルムは、1.331g/ccの密度を有し、890pp
mの総ヨウ化物を含んでいた。熱重量分析法による475℃
の減量は、5%であることが示された(空気及びN2中、
10℃/分で走査)。
例2 2,6−ジヨードナフタレン50.0グラムと元素硫黄4.35
グラム(3.0%過剰)とを前述のようにして反応させ
た。硬質でガラス状の脆いポリマーが得られた。DSCか
らTgが182℃であることがわかった。アルカリ金属含量
は<5ppmであった。
例3 4,4′−ジヨードビフェニル50.0グラムと元素硫黄4.0
6グラム(3.0%過剰)とを前述のようにして反応させ
た。2時間後、反応混合物は固体になった。反応を250
℃においてさらに2時間続け、次いで生成物を除去し、
そして粉化した。次いで、粉末を250℃において24時
間、固相重合した。この粉末は、450℃において溶融成
形した時に折り目形成性フィルムを生じた。
例4 p−ジヨードベンゼン205.0グラムと硫黄20.0グラム
(0.25%過剰)とを前述のようにして反応させた。得ら
れたポリマーは、長い繊維に延伸したり、折り目形成性
フィルムに成形できた。この物質は測定されたTgが88〜
91℃であった。
例5 4,4′−ジヨードジフェニルエーテル211.0グラムと硫
黄16.0グラム(硫黄の理論量)とを例1に記載したよう
にして反応させた。非常に強靭なガラス状のポリマー98
グラムが得られた。この物質の測定されたTgは100℃で
あった。
例6 p−ジヨードベンゼン205.0グラム、ヨードニトロベ
ンゼン0.10グラム及び硫黄10.0グラム(理論値の50%)
を、最終真空が<1トルである以外は前述のようにして
反応させた。重合条件下で多量のp−ジヨードベンゼン
が留去された。最終ポリマーは極めて粘稠であって、折
り目形成性成形フィルムを生成した。ポリマー収量は3
1.9グラムであった。DSCからTgが94℃であることがわか
り;非晶質フィルムの密度は1.34グラム/ccであった。
例7 p−ジヨードベンゼン153.7グラム(0.466モル)、4,
4′−ジヨードビフェニル63.1グラム(0.155モル)、硫
黄20.0グラム及びp−ヨードニトロベンゼン0.10グラム
を例6と同様にして重合させた。この物質は、強靭で折
り目形成性のフィルムを生じ、測定されたTgは125℃で
あった。最終ポリマーは400ppmの総ヨウ化物を含んでい
た。
例8 p−ジヨードベンゼン102.5グラム(0.31モル)、4,
4′−ジヨードビフェニル126.14グラム(0.31モル)、
硫黄20.0グラム(0.62モル)及びp−ヨードニトロベン
ゼン0.1グラムを例6と同様にして重合させた。この物
質は、折り目形成性フィルムを生成し、測定されたTgは
152℃であった。このポリマーに関して予想される元素
分析はC=73.95%、H=4.11%であった。実測値C=7
2.26%、H=4.05%。
例9 p−ジヨードベンゼン51.25グラム(0.155モル)、m
−ジヨードベンゼン51.25グラム(0.155モル)硫黄10.0
グラム(0.311モル)及びp−ヨードニトロベンゼン0.1
グラムを例6と同様にして重合した。この物質は、脆い
フィルムを生成し、測定されたTgは68℃であった。これ
らのフィルムの赤外分析はメタ置換ベンゼン独特の777
及び876cm-1のピーク及びパラ置換ベンゼン独特の812cm
-1のピークを示した。
例10 p−ジヨードベンゼン205.0グラム、硫黄19.0グラム
(理論値の95%)及びp−ヨードニトロベンゼン0.10グ
ラムを例6と同様にして重合させた。最終ポリマーは強
靭な折り目形成性フィルムを生成した。成形されたフィ
ルムの赤外分析はパラ置換ベンゼン特有の、812cm-1
特徴的な強いピークを示し、メタ置換ベンゼン特有の77
7及び876cm-1のピークは検出されなかった。赤外スペク
トルは、Ryton(商品名)p−6の成形されたフィルム
の赤外スペクトルと区別できなかった。このことから、
重合の間に芳香族化合物の実質的に位置の定まらない異
性化が起こることが示される。
例11 p−ジヨードベンゼン200.0グラム、硫黄19.5グラム
(0.3%過剰)及び1,3−ジヨード−5−ニトロベンゼン
0.4グラムを例6と同様にして重合した。溶融液から長
い繊維を引っ張ることができ、成形されたフィルムは、
強靭で折り目形成性であり、熱的に結晶化可能であっ
た。DSC分析によってTgが94℃で、Tmが255℃であること
がわかった(第1サイクル)。300℃における溶融粘度
は、70,000Pであり、733の重合度(n)を生じた。ガラ
スからの結晶化のハーフタイムは120℃において135秒、
130℃において132秒、140℃において130秒、160℃にお
いて120秒であった。DSCからTccまたはTchがないことが
わかった。元素分析からC=64.30%、H=3.68%、I
=646ppm、Cr=9ppm、Ni=14ppm、Fe=110ppmであるこ
とがわかった。このポリマーに関する実験式は、C8H4S
1.12であり、x=0.12である。
例12 市販Ryton P−6のサンプルを分析した。300℃におけ
る溶融粘度は770Pであった。DSC分析からTgが91.0℃、T
m(第2サイクル)が278℃、Tm(第1サイクル)が282
℃、Tch=126℃、Tcc=242℃であることがわかった。ガ
ラスからの結晶化のハーフタイムは120℃において24
秒、130℃において12秒であった。Ryton P−4のサンプ
ルは300℃において3500Pの溶融粘度を有しており、DSC
の挙動はRyton P−6と同様であった。熱重量分析法は5
00℃において5%の減量を示した。(空気及び窒素中で
10℃/分において走査)。元素分析から、C=66.37
%、H=3.70%、Cl=0.20%、Na=0.13%、K=48pp
m、Ca=326ppm、Mg=149ppm、Fe=40ppm、Ni=11ppm、C
r=6ppmであり、灰を含まない場合の実験式C6H4S1.00
対応することがわかった。ジスルフィド構造単位(x)
のモルフラクションは0.000である。
例13 p−ジヨードベンゼン410.0グラム(1.24モル)、硫
黄38.0グラム(1.19モル)及びp−ヨードニトロベンゼ
ン0.2グラムを、最終反応温度が250℃である以外は例6
と同様にして重合させた。得られたポリマーは脆いフィ
ルムに成形できた。DSCからTgが85℃であることが示さ
れた。
例14 例13で得られたポリマー80グラムを粗砕し、トルエン
と接触させることによって結晶化した。乾燥後、固体ポ
リマーを4つの部分に分け、210℃において3,6,12及び2
4時間減圧下で固相重合した。これらのサンプルについ
て300℃において溶融粘度を測定した。結果を以下の表
に示す: これらのポリマーはDSC条件下においてTccまたはTch
を示さず、結晶化が困難なポリマーと一致していた。
例15 p−ジヨードベンゼン410.0グラム(1.24モル)、硫
黄38.0グラム(1.19モル)及びp−ヨードニトロベンゼ
ン0.2グラムを、最終温度が275℃である以外は例6と同
様にして重合させた。得られたポリマーは、溶融粘度が
300℃において11,450ポアズであった。ポリマーは175℃
において熱的に結晶化し、次いで、210℃において21時
間固相重合させた。得られたポリマーは300℃における
溶融粘度が40,180ポアズであり、n値が625であった。
ポリマーはTgが90.2℃、Tmが251℃で、第2DSCサイクル
においてはTccまたはTchを示さなかった。元素分析か
ら、C=64.00%、H=3.65%であることがわかり、式C
6H4S1.14と一致し;従って、このポリマー中においてx
=0.14であった。
例16 p−ジヨードベンゼン410.0グラム(1.24モル)、硫
黄38.0グラム(1.19モル)及びp−ヨードニトロベンゼ
ン0.2グラムを、例6と同様にして重合させた(最終温
度300℃)。ポリマーは測定された溶融粘度が300℃にお
いて48,830ポアズであった。例15と同様な固相重合によ
って、300℃における溶融粘度が130,900ポアズで、且つ
n値が877であるポリマーが得られた。最終ポリマーはT
gが89.1℃、Tmが250℃であり、第2DSCサイクルにおいて
はTchまたはTccを有さなかった。元素分析から、C=6
3.97、H=3.69であり;従って、ポリマーに関してx=
0.135であることがわかった。
例17 p−ジヨードベンゼン410.0グラム、硫黄38.0グラム
及びジヨードニトロベンゼン0.8グラムを、最終反応温
度が250℃である以外は例6と同様にして重合させた。
冷却時に低分子量のポリマーが結晶化した。このプレポ
リマーのDSC分析から、Tgが73℃、Tmが248℃、Tch(加
熱時結晶化温度)が175℃であることがわかった。プレ
ポリマーを粉砕して、260℃において16時間固相重合し
た。得られた固相重合PPSは、測定されたTgが94℃、Tm
が288℃、300℃における溶融粘度が69,080ポアズ、n値
が730であった。
例18 p−ジヨードベンゼン410.0グラム(1.24モル)、硫
黄34.00グラム(1.06モル)及びジヨードニトロベンゼ
ン0.80グラムを、最終重合温度が250℃である以外は例
と同様にして重合させた。冷却時に低分子量のポリマー
が結晶化し、第2サイクルのTgが84.5℃、Tchが162.6
℃、Tmが272℃、Tccが197℃であった。このポリマー10
グラムを粉砕して3mmの篩を通過させ、次いで減圧下で2
40℃において23時間、固相重合させた。得られたポリマ
ーは第1サイクルのTmが285.3℃であり、第2サイクル
のTgが94.7℃、Tchが170.5℃、Tmが267.3℃及びTccが17
7.8℃であった。元素分析から、C=65.58%、H=3.56
%、であることがわかり、これは式C6H4S1.057と一致し
ていた。このポリマーに関して、x=0.057。
例19 例18のプレポリマー10グラムを減圧下、260℃におい
て25時間、固相重合させた。得られたポリマーは第1サ
イクルのTgが101℃、Tmが288℃、第2サイクルのTgが9
8.5℃、Tchが145.4、Tmが265.4℃及びTccが198.8℃であ
った。
例20 p−ジヨードベンゼン410.0グラム、硫黄36.0グラム
及びジヨードニトロベンゼン0.80グラムを、最終重合温
度が250℃である以外は例6と同様にして反応させた。
冷却時に急速に結晶化するこのポリマーは、第2サイク
ルのTgが78℃、Tchが135℃、Tmが271℃、Tccが212℃で
あった。粉砕したポリマーを240℃において20時間固相
重合させることによって、第1サイクルのTmが284℃、
第2サイクルのTgが95.4℃、Tchが171.6℃、Tmが271℃
及びTccが189℃のポリマーが得られた。300℃における
溶融粘度は107,900ポアズであり、分子量179,270及び重
合度(n)830に対応していた。
例21 p−ジヨードベンゼン410.0グラム、硫黄36.00グラム
及びジヨードニトロベンゼン0.80グラムを、最終重合温
度300℃を用いて例6と同様にして反応させた。得られ
た高分子量のポリマーは冷却時に結晶化した。減圧下、
240℃において20時間固相重合することによって、Tg98.
1℃及びTm280℃のポリマーを得た。300℃における溶融
粘度は410,069ポアズであり、分子量263,000及び重合度
(n)1,218に対応していた。
例22 p−ジヨードベンゼン410.0グラム、硫黄32.00グラム
及びジヨードニトロベンゼン0.80グラムを、最終重合温
度が250℃である以外は例6と同様にして反応させた。
粉砕後、プレポリマーを減圧下で260℃において24時間
固相重合させた。得られたポリマーは、第1サイクルの
Tmが291.8℃、第2サイクルのTgが94℃、Tchが126℃、T
mが279.5℃、Tccが240.0℃であった。元素分析によっ
て、C=65.73%、H=3.57%であることがわかり、こ
れは実験式C6H4S1.049及びx0.049に対応していた。
例23 p−ジヨードベンゼン410.0グラム、硫黄32.00グラム
及びジヨードニトロベンゼン0.80グラムを、最終重合温
度が300℃を用いて例6と同様にして反応させた。冷却
時に高粘度のポリマーが急速に結晶化し、強靭な成形フ
ィルムが得られた。このポリマーのDSCから、第1サイ
クルのTmが278℃、第2サイクルのTgが94.1℃、Tchが14
2.1℃、Tmが279.8℃、Tccが230.9℃であることがわかっ
た。元素分析から、C=65.46%、H=3.53%であるこ
とがわかったが、これは実験式C6H4S1.064に対応し、x
は0.064である。
例24 例22からの粉砕したポリマー10グラムを減圧下、260
℃において24時間、固相重合させた。得られたポリマー
は第1サイクルのTmが284.2℃であり、第2サイクルのT
gが95.0℃、Tchが140.3℃、Tmが278.3℃、Tccが226.2℃
であった。元素分析によってCが65.66%、Hが3.49%
であることがわかったが、これは実験式C6H4S1.055に対
応し、xは0.055である。
前記の教示に鑑みて本発明の多くの改良及び変更が可
能なことは明白である。従って、添付した請求の範囲の
範囲内ならば、ここに特に記載した以外の方法で発明を
実施できることが理解される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ワトキンス,ジョーゼフ ジョン アメリカ合衆国,テネシー 37664,キ ングスポート,ピー.オー.ボックス 3379 (72)発明者 フォーバー,ジェリー スティーブン アメリカ合衆国,テネシー 37617,ブ ラウントビル,ボックス 160,ルート 6 (56)参考文献 特開 昭50−84698(JP,A) 特開 昭58−69227(JP,A) 特開 昭61−111329(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジヨード芳香族化合物と元素状硫黄との混
    合物を、塩基性物質の不存在下、175℃を超える温度に
    おいて反応させることを含んでなる、構造: 〔(−A−S−)1-x(−A−S−S−) (上式中、Aは二価の置換または未置換芳香族基であ
    り、xは0.5〜0.001の範囲にあり、そしてnは少なくと
    も200である)に対応するコポリ(アリーレンスルフィ
    ド)の製造方法。
  2. 【請求項2】p−ジヨードベンゼンと元素状硫黄との混
    合物を、塩基性物質の不存在下、180〜350℃の範囲の温
    度において反応させることを含んでなる、構造: 〔(−A−S−)1-x(−A−S−S−) (上式中、Aは二価の未置換フェニレン基であり、xは
    0.5〜0.001の範囲にあり、そしてnは少なくとも400で
    ある)に対応するコポリ(フェニレンスルフィド)の製
    造方法。
  3. 【請求項3】元素状ヨウ素および構造: 〔(−A−S−)1-x(−A−S−S−) (上式中、Aは二価の置換または未置換芳香族基であ
    り、xは0.5〜0.001の範囲にあり、そしてnは少なくと
    も200である)に対応するコポリ(アリーレンスルフィ
    ド)の製造方法であって、 (1)ジヨード芳香族化合物と元素状硫黄との混合物
    を、塩基性物質の不存在下、175℃を超える温度におい
    て反応させて元素状ヨウ素および前記コポリ(アリーレ
    ンスルフィド)を製造する工程、ならびに (2)元素状ヨウ素を回収する工程、 を含んでなる製造方法。
  4. 【請求項4】元素状ヨウ素および構造: 〔(−A−S−)1-x(−A−S−S−) (上式中、Aは二価の未置換フェニレン基であり、xは
    0.5〜0.001の範囲にあり、そしてnは少なくとも400で
    ある)に対応するコポリ(フェニレンスルフィド)の製
    造方法であって、 (1)p−ジヨードベンゼンと元素状硫黄との混合物
    を、塩基性物質の不存在下、180〜350℃の範囲の温度に
    おいて反応させて、元素状ヨウ素および前記コポリ(フ
    ェニレンスルフィド)を製造する工程、ならびに (2)元素状ヨウ素を回収する工程、 を含んでなる製造方法。
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