JP2637820B2 - 光学式膜厚測定装置 - Google Patents
光学式膜厚測定装置Info
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- G01B—MEASURING LENGTH, THICKNESS OR SIMILAR LINEAR DIMENSIONS; MEASURING ANGLES; MEASURING AREAS; MEASURING IRREGULARITIES OF SURFACES OR CONTOURS
- G01B11/00—Measuring arrangements characterised by the use of optical techniques
- G01B11/02—Measuring arrangements characterised by the use of optical techniques for measuring length, width or thickness
- G01B11/06—Measuring arrangements characterised by the use of optical techniques for measuring length, width or thickness for measuring thickness ; e.g. of sheet material
- G01B11/0616—Measuring arrangements characterised by the use of optical techniques for measuring length, width or thickness for measuring thickness ; e.g. of sheet material of coating
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、非破壊,非接触の膜厚測定を行うための光
学式膜厚測定装置に関する。
学式膜厚測定装置に関する。
分光反射率測定装置を用いて単層の透明薄膜の分光反
射率を測定すると、薄膜の表裏面の反射光の干渉効果に
より、第5図に示すように、反射率Rは測定光の波長λ
の変化につれて、膜厚に応じた周期的な変化を示す。単
層膜では反射率Rが二つ以上の極大又は極小をもつ場
合、一つの極大又は極小を与える波長λaと他の極大又
は極小を与える波長λbとの間に存在する極大又は極小
の数をNとし、薄膜を構成する物質の屈折列をλaにお
いてnf(λa)とし、またλbにおいてnf(λb)とす
ると、垂直入射の場合、膜厚dは で与えられることが知られている。
射率を測定すると、薄膜の表裏面の反射光の干渉効果に
より、第5図に示すように、反射率Rは測定光の波長λ
の変化につれて、膜厚に応じた周期的な変化を示す。単
層膜では反射率Rが二つ以上の極大又は極小をもつ場
合、一つの極大又は極小を与える波長λaと他の極大又
は極小を与える波長λbとの間に存在する極大又は極小
の数をNとし、薄膜を構成する物質の屈折列をλaにお
いてnf(λa)とし、またλbにおいてnf(λb)とす
ると、垂直入射の場合、膜厚dは で与えられることが知られている。
しかしながら、基板上に積層された複数の層から成る
多層膜では各層内での干渉の総和として反射率が観測さ
れるので、反射率の極大又は極小となる波長を検出する
方法では、各層の膜厚を同時に独立に求めることができ
ない。
多層膜では各層内での干渉の総和として反射率が観測さ
れるので、反射率の極大又は極小となる波長を検出する
方法では、各層の膜厚を同時に独立に求めることができ
ない。
そこで、複数の反射率を測定した波長毎に、測定光の
入射角と入射側媒質,基板及び各層の屈折率とを既知と
して多層膜の反射率を膜厚のみを変数とする関数として
計算し、反射率の測定値と計算値との各波長毎の差の総
体的な大きさを示す評価関数を設定して、この評価関数
値が最小となる膜厚の組合わせを求めることにより、多
層膜各層の膜厚が得られる。
入射角と入射側媒質,基板及び各層の屈折率とを既知と
して多層膜の反射率を膜厚のみを変数とする関数として
計算し、反射率の測定値と計算値との各波長毎の差の総
体的な大きさを示す評価関数を設定して、この評価関数
値が最小となる膜厚の組合わせを求めることにより、多
層膜各層の膜厚が得られる。
しかし、このような関数系では一般に複数の局所的な
解が存在するため、このような局所解に収束するのを避
け大域的な解を探さなければならない。このため複数の
局所解が存在しても大域的な解を見つけることができる
大域最適化手法を用いることにより、多層膜各層の膜厚
を同時に得ることができる(特開昭63−32307号公報参
照)。
解が存在するため、このような局所解に収束するのを避
け大域的な解を探さなければならない。このため複数の
局所解が存在しても大域的な解を見つけることができる
大域最適化手法を用いることにより、多層膜各層の膜厚
を同時に得ることができる(特開昭63−32307号公報参
照)。
しかしながら、大域最適化法は、多くの局所的な解が
存在するような関数系で大域的な解を求めることができ
る方法ではあるが、一旦大域的な解の近傍に到達したあ
ともさらに評価関数が最小になるまでこの方法を適用し
つづけると演算に多大な時間を要するという問題があっ
た。
存在するような関数系で大域的な解を求めることができ
る方法ではあるが、一旦大域的な解の近傍に到達したあ
ともさらに評価関数が最小になるまでこの方法を適用し
つづけると演算に多大な時間を要するという問題があっ
た。
本発明は、上記問題点に鑑み、より高速で正確に多層
膜の各層の膜厚を同時に測定することができる光学式膜
厚測定装置を提供することを目的とするものである。
膜の各層の膜厚を同時に測定することができる光学式膜
厚測定装置を提供することを目的とするものである。
大域最適化法は、複数の局所的解が存在する中から大
域的な解を求めることができるが、一般的に莫大な演算
量が必要なため、演算時間が長い。
域的な解を求めることができるが、一般的に莫大な演算
量が必要なため、演算時間が長い。
一方、局所最適化法は、関数系が複数の極小値をもつ
場合には与える初期値により何れかの極小値に収束し、
必ずしも最小値に収束するとは限らないという性質があ
るが、大域最適化法に比べ比較的短時間で収束できる。
場合には与える初期値により何れかの極小値に収束し、
必ずしも最小値に収束するとは限らないという性質があ
るが、大域最適化法に比べ比較的短時間で収束できる。
従って、大域最適化法と局所最適化法を適宜に組み合
わせることにより演算時間を大幅に短縮できる。
わせることにより演算時間を大幅に短縮できる。
本発明はこの点に着目して成されたものである。
本発明に係る光学式膜厚測定装置は、第1図に示すよ
うに、分光反射率測定手段1と膜厚決定手段2とを備え
ている。膜厚を求める場合には、まず分光反射率測定手
段1により、各層を構成する物質と基板の屈折率が既知
であり且つ屈折率が既知である媒質中におかれた光学薄
膜について、所定の波長域において測定光で分光反射率
を測定する。そして、この中から幾つかの波長を適宜選
択し、この波長に対する反射率の値を以後の処理のため
に選定しておく。一方、膜厚決定手段2においては、既
知の各屈折率,測定光の入射角及び上記選択した波長を
反射率を求める公式に代入し、膜厚のみを変数とする関
数として各波長における反射率を反射率演算手段3にお
いて計算により求め、上記の測定値と計算値の各波長毎
の差の総体の大小を判定するために定めた評価関数値を
評価関数演算手段4により求め、この評価関数数値が最
も小さくなるような膜厚の組を大域最適化手段5による
大域最適化法と局所最適化手段6による局所最適化の手
法を用いて決定する。
うに、分光反射率測定手段1と膜厚決定手段2とを備え
ている。膜厚を求める場合には、まず分光反射率測定手
段1により、各層を構成する物質と基板の屈折率が既知
であり且つ屈折率が既知である媒質中におかれた光学薄
膜について、所定の波長域において測定光で分光反射率
を測定する。そして、この中から幾つかの波長を適宜選
択し、この波長に対する反射率の値を以後の処理のため
に選定しておく。一方、膜厚決定手段2においては、既
知の各屈折率,測定光の入射角及び上記選択した波長を
反射率を求める公式に代入し、膜厚のみを変数とする関
数として各波長における反射率を反射率演算手段3にお
いて計算により求め、上記の測定値と計算値の各波長毎
の差の総体の大小を判定するために定めた評価関数値を
評価関数演算手段4により求め、この評価関数数値が最
も小さくなるような膜厚の組を大域最適化手段5による
大域最適化法と局所最適化手段6による局所最適化の手
法を用いて決定する。
このように、本発明装置においては、所定の波長域内
の複数点において測定により求めた分光反射率の値を良
く表わすように各層の膜厚を決定するという手法を利用
することにより、多層膜の各層の膜厚を同時に求めるこ
とができるものである。そして、膜厚の決定に大域最適
化法と局所最適化法を適宜に組み合わせたものを用いる
ことにより、より高速で正確に膜厚を決定することがで
きるものである。
の複数点において測定により求めた分光反射率の値を良
く表わすように各層の膜厚を決定するという手法を利用
することにより、多層膜の各層の膜厚を同時に求めるこ
とができるものである。そして、膜厚の決定に大域最適
化法と局所最適化法を適宜に組み合わせたものを用いる
ことにより、より高速で正確に膜厚を決定することがで
きるものである。
以下、図示した実施例に基づき本発明を詳細に説明す
る。
る。
第2図は本発明による光学式膜厚測定装置の一実施例
を示すブロック図、第3図は上記実施例の膜厚決定手段
におけるデータ処理のフローチャートである。
を示すブロック図、第3図は上記実施例の膜厚決定手段
におけるデータ処理のフローチャートである。
第2図において、分光反射率測定手段1は分光器11及
び光電変換手段12を備えている。又、膜厚決定手段2
は、反射率演算手段13と評価関数演算手段14と大域最適
化手段15と局所最適化手段16とを備えており、大域最適
化手段15及び局所最適化手段16には夫々収束判定手段17
及び18が付加されている。更に、分光反射率測定手段1
と膜厚決定手段2との間にはデータ選定手段19が設けら
れている。
び光電変換手段12を備えている。又、膜厚決定手段2
は、反射率演算手段13と評価関数演算手段14と大域最適
化手段15と局所最適化手段16とを備えており、大域最適
化手段15及び局所最適化手段16には夫々収束判定手段17
及び18が付加されている。更に、分光反射率測定手段1
と膜厚決定手段2との間にはデータ選定手段19が設けら
れている。
分光反射率測定手段1においては、屈折率nsの基材上
に設けられた屈折率n1,n2,‥‥,nNの物質から成るN層
多層膜20が屈折率n0の媒質中に置かれている。この多層
膜20に図示しない光源から所定の波長域に及ぶスペクト
ル分布を有する測定光を、所定の入射角φ0で入射さ
せ、その反射光を分光器11を介して光電変換手段12で受
けて所定の波長範囲における分光反射率を連続的に測定
する。この測定値から、データ選定手段19においてM個
の波長λ1,λ2,‥‥,λMに対応する反射率データR1 m,
R2 m,‥‥,RM mが選定される。ここでMを大きくすると膜
厚決定の精度が高まるが、データ処理に時間がかかるの
で、精度と時間の関係で適当な値を選べばよい。尚、予
め定めたM個の波長についてのみ反射率測定を行う場合
にはデータ選定手段19は不要である。
に設けられた屈折率n1,n2,‥‥,nNの物質から成るN層
多層膜20が屈折率n0の媒質中に置かれている。この多層
膜20に図示しない光源から所定の波長域に及ぶスペクト
ル分布を有する測定光を、所定の入射角φ0で入射さ
せ、その反射光を分光器11を介して光電変換手段12で受
けて所定の波長範囲における分光反射率を連続的に測定
する。この測定値から、データ選定手段19においてM個
の波長λ1,λ2,‥‥,λMに対応する反射率データR1 m,
R2 m,‥‥,RM mが選定される。ここでMを大きくすると膜
厚決定の精度が高まるが、データ処理に時間がかかるの
で、精度と時間の関係で適当な値を選べばよい。尚、予
め定めたM個の波長についてのみ反射率測定を行う場合
にはデータ選定手段19は不要である。
一方、反射率演算手段13においては、反射率を求める
公式にしたがい既知の屈折率n0,n1,‥‥,nN,nS及び入射
角φ0並びに選定した波長λ1,‥‥,λMを用いて、膜
厚を変数とするM個の反射率R1 C,‥‥,RM Cを計算する。
公式にしたがい既知の屈折率n0,n1,‥‥,nN,nS及び入射
角φ0並びに選定した波長λ1,‥‥,λMを用いて、膜
厚を変数とするM個の反射率R1 C,‥‥,RM Cを計算する。
多層膜系の反射率を求める公式は、例えば光工学ハン
ドブック(朝倉書店)P.160−169等で詳しく解説されて
いるので、ここでは省略する。以上の測定された反射率
データと計算された反射率関数とに基づいて膜厚の決定
が行われる。
ドブック(朝倉書店)P.160−169等で詳しく解説されて
いるので、ここでは省略する。以上の測定された反射率
データと計算された反射率関数とに基づいて膜厚の決定
が行われる。
まず、評価関数演算手段14において、測定データと計
算データの総体的な差の大きさを評価するための評価関
数にR1 m,‥‥,RM m,R1 C,‥‥,RM Cを代入して、評価関数
値を求める。これは膜厚d1,‥‥,dNの関数となる。評価
関数としては例えば のようなものが考えられる。ここでWiは式(1)の個々
の評価関数の重みである。
算データの総体的な差の大きさを評価するための評価関
数にR1 m,‥‥,RM m,R1 C,‥‥,RM Cを代入して、評価関数
値を求める。これは膜厚d1,‥‥,dNの関数となる。評価
関数としては例えば のようなものが考えられる。ここでWiは式(1)の個々
の評価関数の重みである。
この関数が最小値をとる点ではRi mとRi cとの差が全体
的にみて最も小さくなっているから、この点における
d1,‥‥,dNの値を被測定多層膜の各層の膜厚と考えてよ
い。
的にみて最も小さくなっているから、この点における
d1,‥‥,dNの値を被測定多層膜の各層の膜厚と考えてよ
い。
本発明においては、まず大域最適化法を用いて評価関
数Eの最小値を与えるd1,‥‥,dNの夫々のおおよその値
を求め、次にこの点を出発点として、局所最適化法を用
いてd1,‥‥,dNの正確な値を得る。ここでまず、本実施
例に用いる大域最適化法の概念を第4図を用いて説明す
る。一変数xの関数x=f(x)の最小値を求める場
合、まず最小値を含む変数の変動区間H0を指定する。そ
してこの区間H0内において適当な数のサンプリング点
x1,‥‥,xLを求め、これらに対応するf(x)の数の平
均値 を求めると、F1は必ずF0より小さい。そこでy=f
(x)とy=F1の交点で決まる新たな変数xの区間H1を
求め、この区間内で再び適当な数のサンプリング点をと
り、f(x)の平均値を求める。この手順を繰り返すと
その度毎に平均値は小さくなって行き局所的な極小値の
有無に拘らずFl,Hlに示すようにf(x)の最小値及び
それを与えるxの値に向って収束して行く。平均値F1又
は二つの平均値の差Fl−Fl-1がある設定値以下になれ
ば、実質的に最小値Xmin.に到達したとみなして良い。
数Eの最小値を与えるd1,‥‥,dNの夫々のおおよその値
を求め、次にこの点を出発点として、局所最適化法を用
いてd1,‥‥,dNの正確な値を得る。ここでまず、本実施
例に用いる大域最適化法の概念を第4図を用いて説明す
る。一変数xの関数x=f(x)の最小値を求める場
合、まず最小値を含む変数の変動区間H0を指定する。そ
してこの区間H0内において適当な数のサンプリング点
x1,‥‥,xLを求め、これらに対応するf(x)の数の平
均値 を求めると、F1は必ずF0より小さい。そこでy=f
(x)とy=F1の交点で決まる新たな変数xの区間H1を
求め、この区間内で再び適当な数のサンプリング点をと
り、f(x)の平均値を求める。この手順を繰り返すと
その度毎に平均値は小さくなって行き局所的な極小値の
有無に拘らずFl,Hlに示すようにf(x)の最小値及び
それを与えるxの値に向って収束して行く。平均値F1又
は二つの平均値の差Fl−Fl-1がある設定値以下になれ
ば、実質的に最小値Xmin.に到達したとみなして良い。
この方法を膜厚計算に適用するには、第3図に示した
如く、まずN個からなる多層膜の各層の膜厚を変動させ
るべき区間の初期値〔d1〕0,〔d2〕0,‥‥,〔dN〕0を
与える。これは、被測定多層膜20の設計値及び製作時の
条件等を考慮して決定するが、それらがわからない場合
は求めるべき膜厚値を含むと推定される区間を与える。
次に評価関数演算手段14では、まず上記の区間内におい
て適当な数の(d1,‥‥,dN)の組 をサンプリング点として指定する。そして、各組の値を
評価関数に代入して、 を計算し、それらの平均値 を求める。サンプリング点の数,サンプリング点同志の
間隔は任意でよい。
如く、まずN個からなる多層膜の各層の膜厚を変動させ
るべき区間の初期値〔d1〕0,〔d2〕0,‥‥,〔dN〕0を
与える。これは、被測定多層膜20の設計値及び製作時の
条件等を考慮して決定するが、それらがわからない場合
は求めるべき膜厚値を含むと推定される区間を与える。
次に評価関数演算手段14では、まず上記の区間内におい
て適当な数の(d1,‥‥,dN)の組 をサンプリング点として指定する。そして、各組の値を
評価関数に代入して、 を計算し、それらの平均値 を求める。サンプリング点の数,サンプリング点同志の
間隔は任意でよい。
ここで収束判定手段17により、1の値又はその変化
率が予め定めた設定値より大きければ再び大域最適化法
を繰り返す。この場合には、平均値1よりも評価関数
が小さい領域を新たな膜厚変動区間として、〔d1〕1,
〔d2〕1,‥‥,〔dN〕1を求め、区間の初期値〔d1〕0,
‥‥,〔dN〕0を新たな膜厚変動区間で置き替えると共
に0を1で置き替えて再び新しい膜厚変動区間内に
おいて、サンプリング点を指定し、評価関数を計算す
る。これをu回繰り返して、平均値u又はuとu−
1目の平均値u-1との差が予め設定した等以下になっ
た時ほぼ最小値の近傍に収束したものとして、このとき
得られた〔d1〕u,‥‥,〔dN〕uの中から適当に定めた
(d1,‥‥,dN)の組を各層の膜厚の概略値として出力す
る。ここで収束判定を厳しくとると時間がかかり、緩く
すると局所解に落ちてしまうので、適当な値を選ぶ必要
がある。
率が予め定めた設定値より大きければ再び大域最適化法
を繰り返す。この場合には、平均値1よりも評価関数
が小さい領域を新たな膜厚変動区間として、〔d1〕1,
〔d2〕1,‥‥,〔dN〕1を求め、区間の初期値〔d1〕0,
‥‥,〔dN〕0を新たな膜厚変動区間で置き替えると共
に0を1で置き替えて再び新しい膜厚変動区間内に
おいて、サンプリング点を指定し、評価関数を計算す
る。これをu回繰り返して、平均値u又はuとu−
1目の平均値u-1との差が予め設定した等以下になっ
た時ほぼ最小値の近傍に収束したものとして、このとき
得られた〔d1〕u,‥‥,〔dN〕uの中から適当に定めた
(d1,‥‥,dN)の組を各層の膜厚の概略値として出力す
る。ここで収束判定を厳しくとると時間がかかり、緩く
すると局所解に落ちてしまうので、適当な値を選ぶ必要
がある。
次に、こうして得られた各層の膜厚の概略値
(Xmin.′)を初期値として局所最適化法を用いて、評
価関数の最小値(Xmin.)を求める。ここではそのよう
な局所最適化法の例として最小自乗法を取り上げて説明
する。
(Xmin.′)を初期値として局所最適化法を用いて、評
価関数の最小値(Xmin.)を求める。ここではそのよう
な局所最適化法の例として最小自乗法を取り上げて説明
する。
即ち、N層の多層膜各層の膜厚を夫々変数d1,‥‥,dN
とし、これを用いて計算した各波長での反射率を 各波長における実測値を として、実測値を目標としてこれに最も一致する反射率
を与える膜厚d1,‥‥,dNを求める。
とし、これを用いて計算した各波長での反射率を 各波長における実測値を として、実測値を目標としてこれに最も一致する反射率
を与える膜厚d1,‥‥,dNを求める。
最小自乗法では、目標値への接近度を示す単一評価尺
度として再び式(1)のような評価関数を用いる。
度として再び式(1)のような評価関数を用いる。
ここでWiは上式の個々の評価関数の重みであり、ここ
では簡単のためWi=1とする。上式(3)ではE≧0で
あるので、Eが最小値をとるd1,‥‥,dNの組を解として
求める。ここで、 とすると、 となるので、Eの最小を求めるためにEを各変数につい
て偏微分する。
では簡単のためWi=1とする。上式(3)ではE≧0で
あるので、Eが最小値をとるd1,‥‥,dNの組を解として
求める。ここで、 とすると、 となるので、Eの最小を求めるためにEを各変数につい
て偏微分する。
但し、 とする。また、 を大域最適化法により得られた結果の膜厚の組合わせ を各層の膜厚値の変化量とし、膜厚 に対する 厚を変化させたときの反射率 で表わされる領域間で局所最適化を行なうと仮定する
(Δdiは小さい値しかとらないので、これは十分良い近
似となる。)と、式(5)は、 故に となり、変数d1,‥‥,dNが互いに独立であり、M≧Nの
とき である。従って、最小自乗法を1回経たあとの結果の膜
厚は で与えられる。
(Δdiは小さい値しかとらないので、これは十分良い近
似となる。)と、式(5)は、 故に となり、変数d1,‥‥,dNが互いに独立であり、M≧Nの
とき である。従って、最小自乗法を1回経たあとの結果の膜
厚は で与えられる。
次に、上記の で置き換えて同様の計算を繰り返す。
に対する評価関数値又は膜厚が に変わった際の評価関数値の変化率が予め設定した値よ
り小さくなるまでこれを繰り返し、最終的に収束した値
が求めるべき多層膜の各層の膜厚値となる。
り小さくなるまでこれを繰り返し、最終的に収束した値
が求めるべき多層膜の各層の膜厚値となる。
実験例 ここでは、基板上の2層膜について予め各層の屈折
率,膜厚が分かっているものについて、上で述べた方法
を用いて予め膜厚を求めてみた。そして同一性能のコン
ピューターのもとで従来例との比較を行った。各層の構
成は、入射側媒質は空気(n0=1)、上層は窒化シリコ
ン(n1=2.0)、下層はシリコン酸化膜(n2=1.46)、
基板はシリコン(s=ns−iks)、上層の膜厚d1=100
0Å、下層の膜厚d2=2000Åである。シリコンの屈折率
は文献(Handbook of Optical Constants of Solids Ac
ademic Pross)所載の金とシリコンのデータに基づき補
間したものを用いた。そして測定光を垂直入射(φ0=
0゜)とし、波長400nmから780nmの範囲内で77波長を選
択した。又、各層の膜厚の変動範囲は上層について900
Åから1100Å、下層について1900Åから2100Åである。
まず、従来例のように大域最適化法のみで膜厚を求めた
ところ、d1=1000Å,d2=2000Åで演算に要した時間は
約500秒であった。次に大域最適化法と局所最適化法は
組み合わせたものについては、d1=1000Å,d2=2000Å
で演算時間は約200秒であった。
率,膜厚が分かっているものについて、上で述べた方法
を用いて予め膜厚を求めてみた。そして同一性能のコン
ピューターのもとで従来例との比較を行った。各層の構
成は、入射側媒質は空気(n0=1)、上層は窒化シリコ
ン(n1=2.0)、下層はシリコン酸化膜(n2=1.46)、
基板はシリコン(s=ns−iks)、上層の膜厚d1=100
0Å、下層の膜厚d2=2000Åである。シリコンの屈折率
は文献(Handbook of Optical Constants of Solids Ac
ademic Pross)所載の金とシリコンのデータに基づき補
間したものを用いた。そして測定光を垂直入射(φ0=
0゜)とし、波長400nmから780nmの範囲内で77波長を選
択した。又、各層の膜厚の変動範囲は上層について900
Åから1100Å、下層について1900Åから2100Åである。
まず、従来例のように大域最適化法のみで膜厚を求めた
ところ、d1=1000Å,d2=2000Åで演算に要した時間は
約500秒であった。次に大域最適化法と局所最適化法は
組み合わせたものについては、d1=1000Å,d2=2000Å
で演算時間は約200秒であった。
この例で明らかなように、多層膜各層の膜厚を同時に
求める際、大域最適化法のみを用いたものよりも、大域
最適化法と局所最適化法を組み合わせたものの方が演算
時間が短くて済む。
求める際、大域最適化法のみを用いたものよりも、大域
最適化法と局所最適化法を組み合わせたものの方が演算
時間が短くて済む。
尚、本実験例においては大域最適化法として、J.Opt.
Soc.Am.,Vol.72.1982 PP1522〜PP1528に開示された方法
を示したが、他にも幾つかの例が知られている。又局所
最適化法として、最小自乗法を取り上げたが、その他の
例として、勾配法,共役勾配法,減衰最小自乗法,シン
プレックス法などを適宜組み合わせてもよい。
Soc.Am.,Vol.72.1982 PP1522〜PP1528に開示された方法
を示したが、他にも幾つかの例が知られている。又局所
最適化法として、最小自乗法を取り上げたが、その他の
例として、勾配法,共役勾配法,減衰最小自乗法,シン
プレックス法などを適宜組み合わせてもよい。
上述の如く、本発明による光学式膜厚測定装置は、よ
り高速で正確に多層膜の各層の膜厚を同時に測定するこ
とができるという実用上重要な利点を有している。
り高速で正確に多層膜の各層の膜厚を同時に測定するこ
とができるという実用上重要な利点を有している。
第1図は本発明による光学式膜厚測定装置の概念図、第
2図は一実施例のブロック図、第3図は上記実施例の膜
厚決定手段におけるデータ処理のフローチャート、第4
図は上記実施例に用いる大域最適化法の概念図、第5図
は単層の透明薄膜の測定光波長に対する分光反射率分布
を示す図である。 1……分光反射率測定手段、2……膜厚決定手段、11…
…分光器、12……光電変換手段、13……反射率演算手
段、14……評価関数演算手段、15……大域最適化手段、
16……局所最適化手段、17,18……収束判定手段、19…
…データ選定手段、20……多層膜。
2図は一実施例のブロック図、第3図は上記実施例の膜
厚決定手段におけるデータ処理のフローチャート、第4
図は上記実施例に用いる大域最適化法の概念図、第5図
は単層の透明薄膜の測定光波長に対する分光反射率分布
を示す図である。 1……分光反射率測定手段、2……膜厚決定手段、11…
…分光器、12……光電変換手段、13……反射率演算手
段、14……評価関数演算手段、15……大域最適化手段、
16……局所最適化手段、17,18……収束判定手段、19…
…データ選定手段、20……多層膜。
Claims (1)
- 【請求項1】基材上に積層された複数の層から成り且つ
該基材,各層の屈折率が既知の光学薄膜の、屈折率が既
知の媒質中における所定の波長毎の分光反射率を測定光
を用いて測定する分光反射率測定手段と、前記既知の屈
折率に基づき前記所定の波長毎の前記光学薄膜の反射率
を膜厚のみの関数として算出する反射率演算手段と、前
記所定の波長毎の前記分光反射率測定手段により得られ
た分光反射率と前記反射率演算手段により得られた反射
率との差の総体的な大きさを示す評価関数を膜厚のみの
関数として算出する評価関数演算手段と、前記評価関数
の最小値近傍での膜厚を大域最適化法により求める大域
最適化手段と、前記最小値近傍での膜厚を初期値として
局所最適化法を用いて前記評価関数の最小値での膜厚を
求める局所最適化手段とを具備して成る光学式膜厚測定
装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1074411A JP2637820B2 (ja) | 1989-03-27 | 1989-03-27 | 光学式膜厚測定装置 |
US07/498,893 US4999509A (en) | 1989-03-27 | 1990-03-26 | Optical measuring device of film thickness |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1074411A JP2637820B2 (ja) | 1989-03-27 | 1989-03-27 | 光学式膜厚測定装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02251711A JPH02251711A (ja) | 1990-10-09 |
JP2637820B2 true JP2637820B2 (ja) | 1997-08-06 |
Family
ID=13546424
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1074411A Expired - Fee Related JP2637820B2 (ja) | 1989-03-27 | 1989-03-27 | 光学式膜厚測定装置 |
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US6614529B1 (en) * | 1992-12-28 | 2003-09-02 | Applied Materials, Inc. | In-situ real-time monitoring technique and apparatus for endpoint detection of thin films during chemical/mechanical polishing planarization |
JP2840181B2 (ja) * | 1993-08-20 | 1998-12-24 | 大日本スクリーン製造株式会社 | 多層膜試料の膜厚測定方法 |
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US6091485A (en) * | 1999-12-15 | 2000-07-18 | N & K Technology, Inc. | Method and apparatus for optically determining physical parameters of underlayers |
US6532076B1 (en) * | 2000-04-04 | 2003-03-11 | Therma-Wave, Inc. | Method and apparatus for multidomain data analysis |
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WO2003023373A1 (fr) * | 2001-09-06 | 2003-03-20 | Horiba, Ltd. | Procede pour analyser une structure stratifiee en film mince au moyen d'un ellipsometre spectroscopique |
WO2003025497A1 (en) * | 2001-09-21 | 2003-03-27 | Kmac | Apparatus for measuring thickness profile and refractive index distribution of multiple layers of thin films by means of two-dimensional reflectometry and method of measuring the same |
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US9140542B2 (en) | 2012-02-08 | 2015-09-22 | Honeywell Asca Inc. | Caliper coating measurement on continuous non-uniform web using THz sensor |
US10600699B2 (en) * | 2017-08-24 | 2020-03-24 | Intel Corporation | Apparatus for inspection of a package assembly with a thermal solution |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3869211A (en) * | 1972-06-29 | 1975-03-04 | Canon Kk | Instrument for measuring thickness of thin film |
JPS6175203A (ja) * | 1984-09-20 | 1986-04-17 | Oak Seisakusho:Kk | 膜厚測定装置 |
US4787749A (en) * | 1985-11-28 | 1988-11-29 | Canon Kabushiki Kaisha | Method and apparatus for measuring the thickness of a thin film using the spectral reflection factor of the film |
-
1989
- 1989-03-27 JP JP1074411A patent/JP2637820B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1990
- 1990-03-26 US US07/498,893 patent/US4999509A/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02251711A (ja) | 1990-10-09 |
US4999509A (en) | 1991-03-12 |
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