JP2636991B2 - 位相差板固定構造物 - Google Patents

位相差板固定構造物

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JP2636991B2 JP27246591A JP27246591A JP2636991B2 JP 2636991 B2 JP2636991 B2 JP 2636991B2 JP 27246591 A JP27246591 A JP 27246591A JP 27246591 A JP27246591 A JP 27246591A JP 2636991 B2 JP2636991 B2 JP 2636991B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、位相差板を粘着剤層を
介してガラス等の透光性の支持体に固定してなる位相差
板固定構造物に関し、特に、高温あるいは高湿環境下に
おいて粘着剤層の発泡や剥離が生じ難い位相差板固定構
造物に関する。
【0002】
【従来の技術】複屈折性液晶表示装置における表示の着
色を防止するために、偏光板と液晶セルのガラス面との
間に位相差板を配置した構成が提案されている(例え
ば、特開平2−247602号等)。すなわち、位相差
板の複屈折性を利用して、偏光フィルムと位相差板とに
より楕円偏光板を構成し、それによって複屈折性液晶表
示装置の表示の着色を防止するものである。従来、上記
位相差板は、液晶表示装置のセル面すなわちガラス面
に、アクリル系粘着剤層を介して貼り合わされていた。
【0003】他方、位相差板は、複屈折性フィルムより
なるが、一般的には、ポリカーボネート系樹脂を主原料
としているが、ポリカーボネート系樹脂は、難接着性材
料であるため、接着の信頼性の点で問題があった。ま
た、汎用のアクリル系粘着剤を使用してガラス板等に上
記位相差板を貼り合わせた場合、高温高湿下では、粘着
剤層の剥がれや発泡といった現象が生じがちであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高温
高湿下においても、位相差板がガラス等の透光性の支持
体に対して確実に貼り合わされた状態を維持することが
でき、かつ粘着剤層の剥がれや発泡の生じ難い位相差板
固定構造物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、上記課
題を達成すべく鋭意検討した結果、位相差板と透光性の
支持体とを貼り合わせる粘着剤層として、特定のアクリ
ル系粘着剤組成物からなるものを用いれば、上記課題を
達成し得ることを見出し、本発明をなすに至った。すな
わち、請求項1,2に記載の発明は、位相差板を粘着剤
層を介して透光性の支持体に固定してなる位相差板固定
構造物において、上記粘着剤層が下記の特定のアクリル
系粘着剤組成物により構成されていることを特徴とす
る。請求項1に記載の発明では、上記粘着剤層は、少な
くとも、アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アク
リル酸アルキルエステル50〜98重量%、不飽和カル
ボン酸1〜10重量%、不飽和酸無水物1〜10重量
%、及びこれらのモノマーと共重合可能な他のモノマー
0〜30重量%とをラジカル共重合してなる共重合体を
含むアクリル系粘着剤組成物よりなり、上記共重合体の
重量平均分子量(Mw)が50万以上であり、重量平均
分子量と数平均分子量(Mn)との比、すなわち分散比
Mw/Mnが4.0以下であることを特徴とする。
【0006】また、請求項2に記載の発明では、上記ア
クリル系粘着剤組成物は、少なくとも、アルキル基の炭
素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステル
40〜98重量%、不飽和カルボン酸1〜10重量%、
N−ビニルピロリドン1〜20重量%及びこれらのモノ
マーと共重合可能な他のモノマー0〜30重量%とをラ
ジカル共重合してなる共重合体を含むアクリル系粘着剤
組成物であり、上記共重合体の重量平均分子量(Mw)
が50万以上であり、重量平均分子量と数平均分子量
(Mn)との比、すなわち分散比Mw/Mnが4.0以
下であることを特徴とする。以下、請求項1,2に記載
の発明にかかる位相差板固定構造物の詳細を説明する。
【0007】請求項1,2に記載の位相差板固定構造物
では、上記アクリル系粘着剤組成物の主成分として、ア
ルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アル
キルエステルが用いられる。このような(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸ブ
チル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソ
ノニル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリ
ル酸デシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)ア
クリル酸2−ヒドロキシエチル等が好適に用いられる。
【0008】また、上記アクリル系粘着剤組成物では、
不飽和カルボン酸が上記のように1〜10重量%の割合
でラジカル共重合される。使用し得る不飽和カルボン酸
としては、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
この不飽和カルボン酸の重合比が1重量%未満では、十
分な接着力及び耐熱性を得ることができない。他方、重
合比が10重量%を超えるとアクリル系粘着剤のガラス
転移点Tgが高くなり、被着体である透光性の支持体の
凹凸に対する追従性が悪くなり、透光性の支持体、例え
ばガラスへの貼付に際し、空気を巻き込み易くなり、発
泡を生じる原因となる。従って、不飽和カルボン酸の重
合割合は、上記のように1〜10重量%の範囲とするこ
とが必要である。
【0009】請求項1に記載の発明では、上記(メタ)
アクリル酸アルキルエステル及び不飽和カルボン酸に加
えて、接着性を高めるために、不飽和酸無水物が1〜1
0重量%の範囲でラジカル共重合される。不飽和酸無水
物としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸等を用いることができる。不飽和
酸無水物の重合割合が、1重量%未満では位相差板に対
する接着性を高める効果が十分でなく、他方、10重量
%を超えると不飽和カルボン酸の場合と同様にアクリル
系粘着剤組成物のガラス転移点Tgが高くなり、透光性
の支持体の表面の凹凸に対する追従性が低下し、貼付時
に空気を巻き込み、発泡の原因となる。従って、不飽和
酸無水物の重合割合は、上記のように1〜10重量%と
することが必要である。
【0010】他方、請求項2に記載の発明では、上記不
飽和酸無水物に代えて、N−ビニルピロリドンが1〜2
0重量%の割合でラジカル共重合されている。N−ビニ
ルピロリドンは、位相差板に対する接着性を高めるため
に共重合されているものであり、共重合割合が1重量%
未満では、該位相差板に対する接着性を高める効果が十
分でなく、他方、共重合比が20重量%を超えると不飽
和カルボン酸の場合と同様にアクリル系粘着剤組成物の
ガラス転移点Tgが高くなり、透光性の支持体の表面の
凹凸に対する追従性が低下し、貼付時に空気を巻き込
み、発泡の原因となる。従って、N−ビニルピロリドン
の共重合割合は、上記のように1〜20重量%とするこ
とが必要である。
【0011】請求項1,2に記載の発明で用いられる上
記アクリル系粘着剤組成物において、上記各モノマーを
ラジカル共重合して得られた共重合体は、重量平均分子
量Mwが50万以上であり、分散比Mw/Mnが4.0
以下であることが必要である。重量平均分子量Mwが5
0万未満の場合、あるいは分散比Mw/Mnが4.0を
超えた場合には、耐熱性が低下する。また、請求項1,
2に記載の発明における共重合可能な他のモノマーとし
てはエチレン性不飽和基含有モノマーが挙げられ、該エ
チレン性不飽和基含有モノマーを共重合させることによ
ってアクリル系粘着剤組成物の凝集力をより一層高める
ことができる。使用し得るエチレン性不飽和基含有モノ
マーとしては、例えば、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化
ビニリデン、アクリロニトリル、スチレン等を挙げるこ
とができる。もっとも、エチレン性不飽和基含有モノマ
ーの共重合割合が高くなると粘着性が損なわれるため、
上記エチレン性不飽和基含有モノマーの共重合割合は3
0重量%以下とすることが必要である。
【0012】請求項1,2に記載の発明において用いら
れる上記ラジカル共重合体の製法については、特に限定
されず、上記各モノマーを、例えば、溶液重合、塊状重
合または乳化重合等の任意の方法によって重合させるこ
とにより得ることができる。重合開始剤としては、過酸
化ベンゾイル等の過酸化物あるいはアゾビスイソブチロ
ニトリル等のアゾ系化合物等の従来より公知の重合開始
剤を適宜使用することができる。また、光あるいは放射
線等を照射することにより重合を開始してもよい。
【0013】さらに、請求項1,2に記載の発明におい
て、各アクリル系粘着剤組成物には、凝集力及び耐熱性
を高めるために、得られた共重合体に架橋剤を配合して
もよく、このような架橋剤としては、ポリイソシアネー
ト、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、多価金属塩、金属キ
レートまたはアジリジン化合物等を用いることができ
る。また、分子量を調整するために、ラジカル重合時に
適当な連鎖移動剤、例えばラウリルメルカプタン等を配
合してもよい。さらに、上記アクリル系粘着剤組成物に
は、幅広い粘着物性を得るために、必要に応じて、可塑
剤、粘着付与剤、劣化防止剤等を添加してもよい。
【0014】請求項1,2に記載の発明では、上記特定
のアクリル系粘着剤組成物により粘着剤層が構成されて
おり、該粘着剤層を介して位相差板と透光性の支持体と
が貼り合わされている。使用し得る位相差板について
は、特に限定はされない。もっとも、位相差板が難接着
性材料であるポリカーボネート樹脂を材料とするもので
構成されている場合には、請求項1,2に記載の発明で
はアクリル系粘着剤層が優れた接着性を示すため、請求
項1,2に記載の発明を好適に利用することができる。
【0015】また、透光性の支持体についても、その材
料は特に限定されないが、例えばガラスあるいはポリエ
チレンテレフタレートやポリエーテルサルフォンのよう
な樹脂からなるものが用いられる。この透光性支持体
は、液晶表示装置の表面に露出しているガラス板等のよ
うに光学機器または電子機器等の一部を構成する部材で
あってもよい。すなわち、本発明にかかる位相差板固定
構造物は、光学機器や電子機器に一体に組み込まれてい
る透光性の支持体を利用して構成されたものであっても
よい。
【0016】
【作用】請求項1に記載の発明にかかる位相差板固定構
造物では、上記特定の(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル、不飽和カルボン酸及び不飽和酸無水物等が上記特
定の割合でラジカル共重合されており、かつその重量平
均分子量が50万以上であり、分散比が4.0以下とさ
れた共重合体を含むアクリル系粘着剤組成物を用いてい
るため、該粘着剤層の位相差板に対する接着性が高めら
れており、かつ高温高湿下における粘着剤層の発泡や剥
がれが生じ難い。
【0017】同様に、請求項2に記載の発明にかかる位
相差板固定構造物においても、(メタ)アクリル酸アル
キルエステル、不飽和カルボン酸、及びN−ビニルピロ
リドン等が上記特定の割合でラジカル共重合されてお
り、かつ重量平均分子量が50万以上、分散比が4.0
以下とされた共重合体を含むアクリル系粘着剤を用いて
いるため、粘着剤層の位相差板に対する接着性が高めら
れており、かつ高温高湿下における粘着剤層の発泡や剥
がれが生じ難い。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を挙げるこ
とにより、本発明を明らかにする。実施例1〜3及び比較例1,2 請求項1に記載の発明についての実施例1〜3及び比較
例1,2について説明する。(1)アクリル系共重合体溶液の調製 還流器及び攪拌器が取り付けられたフラスコ中に、下記
の表1に示す所定量のアクリル酸n−ブチル(BA)、
アクリル酸エチル(EA)、アクリル酸(AAc)、無
水マレイン酸(AMAc)及び酢酸エチル(EtAc)
を投入して、均一に混合した。しかる後、窒素気流中で
攪拌しつつ、上記モノマー量100重量部に対し、重合
開始剤としてのアゾビスイゾブチロニトリル(AIB
N)0.01重量部を添加し、70℃で10時間ラジカ
ル共重合を行い、実施例1〜3及び比較例1,2の各ア
クリル系共重合体溶液を調製した。
【0019】
【表1】
【0020】(2)アクリル系粘着剤組成物の調製 上記各アクリル系共重合体溶液を、固形分で25重量%
となるように酢酸エチルで希釈した後、該共重合体の固
形分100重量部に対し、アジリジン系架橋剤(N,N
´−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカ
ルボキシアミド))を0.15重量部添加し、攪拌し、
実施例1〜3及び比較例1,2の各アクリル系粘着剤組
成物を調製した。
【0021】(3)アクリル粘着剤ラミネート体の作成 (2)で調製された実施例1〜3及び比較例1,2の各
アクリル系粘着剤組成物を、シリコンで表面処理された
38μm厚のポリエステルフィルム上に、乾燥後の粘着
剤層の厚みが25μmとなるようにアプリケーターで塗
工し、オーブン中で4分間乾燥させた。しかる後、上記
ポリエステルフィルムに、85μm厚の位相差板をラミ
ネーターで貼り合わせ、アクリル粘着剤ラミネート体
(a)を作成した。また、上記位相差板の代わりにコロ
ナ放電処理された38μm厚のポリエステルフィルムを
ラミネーターで上記ポリエステルフィルムに貼り合わ
せ、アクリル粘着剤ラミネート体(b)を作成した。
【0022】(4)物性の測定 高温下における耐発泡性及び耐剥離性についての外観
試験;(3)で調製した実施例1〜3及び比較例1,2
の各アクリル系粘着剤ラミネート体(a)を40℃の温
度下で一週間放置した後、75×150mmの大きさに
切断し、シリコン処理した上記ポリエステルフィルムを
剥離した後、粘着面に100×200mmのガラス板を
気泡が入らないようにラミネーターで貼り合わせて試験
片とした。
【0023】耐発泡性の評価は、上記試験片をガラスス
タンドに立て、80℃の恒温槽中に500時間放置した
後、発泡による外観の変化を肉眼で観察することにより
行った。また、耐剥離性についての評価は、上記試験片
を60℃、相対湿度90%の恒温・恒湿槽中に500時
間放置した後、剥離による外観の変化を肉眼で観察する
ことにより行った。上記発泡及び剥離による外観の変化
の評価を、下記の表2及び表3に基づく評価基準に従っ
て、後述の表4に示す。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】80℃定荷重試験;(3)で調製された
実施例1〜3及び比較例1,2の各アクリル粘着剤ラミ
ネート体(b)を40℃の温度下で一週間放置した後、
20×150mmの大きさに切断し、コロナ放電処理し
た上記ポリエステルフィルムを剥離した後、位相差板を
両面粘着テープにて固定したガラス板に、気泡が入らな
いようにして、アクリル粘着剤ラミネート体(b)の粘
着面と位相差板とを接着させ、重さ2kgのローラーを
一往復させて圧着し、試験片とした。上記試験片を80
℃の恒温槽に20分以上放置した後、アクリル粘着剤ラ
ミネート体(b)が下になるように該試験片を水平に保
ち、アクリル粘着剤ラミネート体(b)の一端に50g
の懸垂荷重をかけ、単位時間あたりに剥離する距離(剥
離速度)を測定した。結果を、下記の表4に示す。
【0027】
【表4】
【0028】なお、表4における80℃定荷重剥離の単
位は、mm/時間である。表4から明らかなように、耐
発泡性試験において、実施例1〜3では、いずれも20
μm以上の気泡が認められなかったのに対し、比較例
1,2では、20〜40μmの気泡が発生していた。ま
た、耐剥離性試験においては、実施例1〜3では剥離が
認められなかったのに対し、比較例1,2では、0.5
〜1mmの大きさの剥離が認められた。さらに、80℃
定荷重剥離試験では、実施例1〜3は、比較例1,2に
比べて剥離速度がかなり小さく、従って、高温下におけ
る位相差板に対する接着性が高いことがわかる。
【0029】実施例4〜6及び比較例3,4 請求項2の発明にかかる実施例4〜6及び比較例3,4
について説明する。(1)アクリル系共重合体の調製 還流器及び攪拌器が取り付けられたフラスコ中に、下記
の表5に示す所定量のアクリル酸n−ブチル(BA)、
アクリル酸エチル(EA)、アクリル酸(AAc)、N
−ビニルピロリドン(Vp)及び酢酸エチル(EtA
c)を投入して、均一に混合した。しかる後、窒素気流
中で上記モノマー溶液を攪拌しつつ、上記モノマー量1
00重量部に対し、重合開始剤としてのアゾビスイゾブ
チロニトリル(AIBN)0.01重量部を添加し、7
0℃で10時間ラジカル共重合を行い、実施例4〜6及
び比較例3,4の各アクリル系共重合体溶液を調製し
た。
【0030】
【表5】
【0031】(2)アクリル系粘着剤組成物の調製 上記のようにして得た実施例4〜6及び比較例3,4の
各アクリル系共重合体溶液を、実施例1〜3及び比較例
1,2の場合と同様に処理して、実施例4〜6及び比較
例4,5の各アクリル系粘着剤組成物を調製した。(3)アクリル粘着剤ラミネート体の作成 (2)で調製された実施例4〜6及び比較例3,4の各
アクリル系粘着剤組成物を、実施例1〜3及び比較例
1,2の(3)で作成したのと同様にして、アクリル粘
着剤ラミネート体(a)及び(b)を作成した。
【0032】(4)物性の測定 高湿下における耐発泡性及び耐剥離性についての外観
試験;(3)で調製した実施例4〜6及び比較例3,4
の各アクリル系粘着剤ラミネート体(a)を用い、実施
例1〜3及び比較例1,2の(4)で行った耐発泡性及
び耐剥離性についての外観試験と同様にして試験し、高
温下における発泡による外観の変化並びに剥離による外
観の変化を観察した。結果を、表2及び表3に示した評
価基準に従って、下記の表6に示す。
【0033】80℃定荷重試験;(3)で調製された
実施例4〜6及び比較例3,4の各アクリル粘着剤ラミ
ネート体(b)を用い、実施例1〜3及び比較例1,2
の(4)の80℃定荷重試験と同様にして、位相差板に
対する80℃における接着性を評価した。結果を、下記
の表6に示す。
【0034】
【表6】
【0035】表6から明らかなように、耐発泡性試験に
おいて、実施例4〜6では、20μm以上の気泡が全く
認められなかったのに対し、比較例3,4では、それぞ
れ、20〜40μmの気泡が少数及び多数認められた。
また、耐剥離性試験では、実施例4〜6では剥離が認め
られなかったのに対し、比較例3,4では0.5mm〜
1mmの剥離が認められた。さらに、80℃定荷重剥離
試験の結果、実施例4〜6では剥離速度が比較例3,4
に比べてかなり小さかった。すなわち、実施例4〜6の
アクリル粘着剤ラミネート体(b)では、比較例3,4
に比べて、高温下における位相差板に対する接着性が非
常に高いことがわかる。
【0036】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明で
は、アクリル系粘着剤組成物が、(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル、不飽和カルボン酸、不飽和酸無水物及
びこれらのモノマーと共重合可能な他のモノマーを上記
特定の割合でラジカル共重合してなり、該共重合体の重
量平均分子量が50万以上、分散比が4.0以下とされ
ているため、並びに請求項2に記載の発明では、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル、不飽和カルボン酸、
N−ビニルピロリドン及びこれらのモノマーと共重合可
能な他のモノマーが上記特定の範囲で共重合されてお
り、かつ該共重合体の重量平均分子量が50万以上、分
散比が4.0以下とされているため、位相差板と透光性
の支持体との接着性、該接着部分の耐熱性及び耐湿性が
高められており、かつ高温・高湿下における粘着剤層の
発泡や剥離が生じ難い位相差板固定構造物を提供するこ
とが可能となる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位相差板を粘着剤層を介して透光性の支
    持体に固定してなる位相差板固定構造物であって、 前記粘着剤層が、少なくとも、アルキル基の炭素数が1
    〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜9
    8重量%と、不飽和カルボン酸1〜10重量%と、不飽
    和酸無水物1〜10重量%と、これらのモノマーと共重
    合可能な他のモノマー0〜30重量%とをラジカル共重
    合してなる共重合体を含むアクリル系粘着剤組成物から
    なり、 前記共重合体の重量平均分子量(Mw)が50万以上で
    あり、重量平均分子量と数平均分子量(Mn)との比M
    w/Mnが4.0以下であることを特徴とする、位相差
    板固定構造物。
  2. 【請求項2】 位相差板を粘着剤層を介して透光性の支
    持体に固定してなる位相差板固定構造物であって、 前記粘着剤層が、少なくとも、アルキル基の炭素数が1
    〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステル40〜9
    8重量%と、不飽和カルボン酸1〜10重量%と、N−
    ビニルピロリドン1〜20重量%と、これらのモノマー
    と共重合可能な他のモノマー0〜30重量%とをラジカ
    ル共重合してなる共重合体を含むアクリル系粘着剤組成
    物からなり、 前記共重合体の重量平均分子量(Mw)が50万以上で
    あり、重量平均分子量と数平均分子量(Mn)との比M
    w/Mnが4.0以下であることを特徴とする、位相差
    板固定構造物。
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