JP2636825B2 - テープカセット - Google Patents

テープカセット

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JP2636825B2
JP2636825B2 JP8169172A JP16917296A JP2636825B2 JP 2636825 B2 JP2636825 B2 JP 2636825B2 JP 8169172 A JP8169172 A JP 8169172A JP 16917296 A JP16917296 A JP 16917296A JP 2636825 B2 JP2636825 B2 JP 2636825B2
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修 財津
秀人 曽我
薫 梶田
良則 塩見
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録再生装置に使
用されるテープカセットの記録再生装置への位置決めに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁気記録再生装置において、
長時間記録化のニーズと、小型化,軽量化のニーズの両
立のため、同じ記録フォーマットでありながら、カセッ
トサイズの異なるシステムがある。例えば放送用のVT
Rとしては、「D3フォーマット規格」がそのシステム
に相当する。この「D3フォーマット規格」では、3種
類の大きさの異なるカセット(S,M,L)が規格化さ
れている。
【0003】図50に最も記録時間の短いSカセット
と、中間の記録時間を有するMカセットとを記録再生装
置に装着した場合の平面図を示す。Mカセット101
は、供給リール102と巻き取りリール103を有し、
カセットに植立したガイドポスト104,105によっ
て磁気テープ107を開口部106の空間で前面に架張
している。供給リール102のテープ最大巻径とリール
ハブ108の外径から延びる接線109,110で表さ
れる三角領域は、磁気テープ107がMカセット101
の上下カセットハーフに非接触でカセット空間外へ導く
ことができるテープ案内領域111である。
【0004】そのため、カセットから出た磁気テープ1
07を案内する第1のポストは磁気テープ107がこの
テープ案内領域111に存在するように配置しなければ
ならない。接線109の位置は上下ハーフの側壁の構成
で決まる。一方接線110は、ガイドポスト104とリ
ールハブ108を結ぶ接線で決まる。
【0005】Sカセット112は、開口部106の大き
さ、ガイドポスト104,105の位置共にMカセット
101と共通である。また、その他の構造もMカセット
101とほぼ同じであるが、カセットサイズの制限と、
リールハブ113の位置関係から、Sカセットのテープ
案内領域119は、Mカセット101のテープ案内領域
111に比べ小さくなり、Mカセット101のテープ案
内領域111に包含される。
【0006】次にこの様な2つのカセットを選択的に記
録再生装置に装着し、記録再生を行うためのテープ走行
系を説明する。回転ヘッドシリンダ115は、磁気テー
プ107が180度巻回し、高速回転する。116はキ
ャプスタンモータで、117はピンチローラである。供
給リール102を出た磁気テープ107はSカセット1
12のテープ案内領域119内でポスト118に巻回さ
れるため、Sカセット112の供給リール120を出た
磁気テープ107も上下ハーフ含めて非接触でS1ポス
ト118まで案内される。同様に、ポスト121の配置
も巻取リール103,巻取リール122とポスト121
間の磁気テープ107が他の全ての物に対し非接触に案
内されるように考慮されている。
【0007】前面に架張した磁気テープ107は図48
に示すように、前面蓋123と裏蓋124とで覆われ外
部から容易に触れないように保護されている。この前面
蓋123は弾性部材で閉じる方向に付勢され、かつ図示
しないロック部材によりこの位置に保持されている。記
録再生装置に装着すると、ロック部材によるロックを解
除し、弾性部材に抗して前面蓋123は図49の様に回
動させられ、磁気テープ107を露出させる。この前面
蓋123の開放動作は、裏蓋124の一部が開放部材1
25に当接しMカセット101が下降する事によって裏
蓋124を開放させ、この裏蓋124に連動する前面蓋
123が共に開放される。
【0008】この様に、複数種類のテープカセットを同
一の記録再生装置に装着して記録再生するシステムで
は、それぞれのカセットに相互に様々な工夫がなされて
いる。例えば、カセットを高精度に装置に位置決めする
ための位置決め部材を挿入する位置決め孔を図50の様
に配置したとき共通な位置となるようになされている。
【0009】図51にLカセット130とSカセット1
12を開口部を共通位置にして配置したときの裏面図を
示す。開口部106を挟んで位置決め孔135、136
がLカセット130、Sカセット112にそれぞれ設け
られている。位置決め孔は135が真円の孔で、136
が長孔となっている。この位置決め孔135、136の
周囲に示すハッチングエリアはカセットの高さ受けが可
能なエリアを示すものである。これもL、Sカセットで
共通である。Lカセット130には、後方に幅広なハッ
チングエリア131、132がある。これも高さ受けエ
リアである。同様にSカセット112には137、13
8の高さ受けエリアがある。
【0010】この様な構成なので、Sカセット112、
Lカセット130を装着可能な装置では、位置決め孔1
35、136に相当する位置に位置決め部材を配置す
る。なおこの位置決め部材は高さ受けエリア133、1
34に相当するツバを形成してカセットの高さも受ける
ようになしている。Sカセット112が装着された場合
には137、138に相当する位置に高さ受けピンを配
置し、Lカセット130が装着された場合には131、
132に相当する位置に高さ受けピンを配置するもので
ある。Sカセット112とLカセット130について説
明したが、Sカセット112とMカセット101の組み
合わせ、Mカセット101とLカセット130の組み合
わせでも基本的には同じである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】Sカセット112、M
カセット101、Lカセット130は記録時間が異なる
ため、図に示すようにカセットサイズも異なる。しかし
カセットの厚さは記録時間に関係なくどのカセットも同
一である。記録時間が長くなれば、テープリールに巻回
される磁気テープの量も異なる。ゆえにテープ両端に設
けられたテープリールに構成されるフランジの強度を考
慮すると巻回される磁気テープの量が増加すれば当然厚
くして強度アップを図らなければならない。
【0012】またリールのフランジが大径化すれば同じ
リールの傾き角度に対してフランジ最外周での上下触れ
量は比例して大きくなるためカセットハーフと干渉しな
いように隙間を大きく取らなければならない。これらの
ことから記録時間が長くなれば相対的にカセット厚もそ
れに比例して大きくしなければならない。つまり、それ
ぞれのカセットを最適化設計すれば同じテープ幅のテー
プを収納するカセットであっても記録時間によってカセ
ット厚が異なるのである。
【0013】しかるに従来例に見るように過去のこの種
のカセットはいずれも同じ厚さのカセットであった。同
じ厚さであるという事は、SカセットをLカセットの必
要厚さに合わせて厚くしているのである。これは、カセ
ットを記録再生装置に位置決めする構成が難しくなるか
らである。
【0014】図52にカセットサイズが異なる場合の位
置決めの例を示す。装置のシャーシ141に先端が尖っ
た位置決めピン140を植設している。(a)はSカセ
ット112をこの位置決めピン140にて位置決めした
ものである。この位置決めピン140は実線で示す様に
位置決め孔の径を最大外径とする形状を成しておりSカ
セット112の底面を受けてSカセット112の高さを
支持することはできない。よってSカセット112の底
面はシャーシ141からK1の高さに図示しない高さ受
け手段により支持されている。
【0015】一方Lカセット130はシャーシ141に
K2の高さで、位置決めピン140と図示しない高さ受
け手段で図(b)の位置に支持されている。こうして位
置決めされたSカセット112は位置決めピン140で
長さK3の範囲で位置決めされているが、Lカセット1
30は位置決めピン140で長さK4の範囲で位置決め
される。位置決めピン140による位置決め長さは可能
な限り小さい方がよい。それは、位置決めピン140に
位置決め孔が嵌合するとカセットの姿勢を水平に保って
降下、上昇させないとコジが発生してカセットが位置決
めピンに完全に挿入されない、位置決めピンから抜けな
いなどのトラブルが生じるためである。
【0016】そうして考えると、Lカセット130はS
カセット112とLカセット130の高さ差K+Sカセ
ット112の位置決め長さK3の長さを位置決め長さK
4としなければならず、Sカセット112、Lカセット
130の高さ差はそのままLカセット130の位置決め
を困難にする。また、(a)の想像線で示す位置決めピ
ン140の様にカセット底面に接する位置にカセット高
さ受け部を構成して、カセットの高さ受けを構成するこ
とは、(b)の図でわかるようにLカセットと干渉して
不可能である。
【0017】本発明の第1の課題は、この様に小型のカ
セットを大型のカセットよりも薄型に構成したときの位
置決め方法に関し、その小型のカセットを位置決めする
位置決め部材による大型カセットの位置決めが困難とな
ることである。本発明の第1の目的は、そのような条件
での大型カセットの位置決めであっても小型カセットと
同様、確実にしかもスムーズな位置決めができるカセッ
トを提供するものである。
【0018】本発明の第2の課題は、Sカセットの位置
決めと高さ決めを兼用する位置決め部材であっても、L
カセットの位置決めが確実にしかもスムーズに行われる
カセットを提供するものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の第1の手段は、大型カセットに小型カセット
の2つの位置決め孔の相対位置関係と等しい2つの位置
決め孔を設け、その位置決め孔をカセット底面に窪みと
して設けたもので、この窪みにより大型カセットと小型
カセットの高さ差を解消し、位置決め部材と大型カセッ
トの位置決め孔の嵌合長さを小型カセットの場合の勘合
長さとほぼ同じの最小長さにしてカセットの装着、取り
出しを容易にするものである。
【0020】本発明の第2の手段は、大型カセットの位
置決め孔部を開口部に構成することで、位置決め孔部に
おける窪みを他の構成に全く影響を与えることなく単独
で最適な高さに構成することができる。本発明の第3の
手段は、小型カセットに設けられた位置決め孔を高さ受
けエリア内に構成したので、小型カセットを位置決めと
高さ受けを兼用する位置決め部材で位置決めと高さ決め
を行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、小型のカセットが装着される記録再生装置に同様に
装着でき、前記記録再生装置に位置決めされたときカセ
ット底面が前記小型カセットのカセット底面よりも低い
位置である大型のカセットであって、前記記録再生装置
に設けられたカセット位置決め部材が挿入される2つの
位置決め孔を有し、該2つの位置決め孔はその相対位置
関係を前記小型カセットに設けられた2つの位置決め孔
の相対位置関係と等しくかつ、カセット底面より窪ませ
て構成したテープカセットであり、大型カセットに設け
られた窪みによって、装置に位置決めされた大型カセッ
ト、小型カセットの位置決め孔部における高さ差を解消
することができる。
【0022】そのため、小型カセットにおける位置決め
孔と位置決め部材との嵌合位置と同じ位置に大型のカセ
ットの位置決め孔と位置決め部材との嵌合位置を構成で
きる。よって、大型カセットの位置決め部材と位置決め
孔との嵌合長さも小型カセットの長さとほぼ同じにする
ことができ、位置決めに必要な最小の嵌合長さとするこ
とができる。よって、大型カセットの装着、取り出し動
作を確実でかつスムーズな動作とすることができるとい
う作用を有する。
【0023】本発明の請求項2に記載の発明は、前面に
架張した磁気テープを引き出すための部材が挿入される
カセット底面に開放された開口部を有し、前記記録再生
装置に設けられたカセット位置決め部材が挿入される位
置決め孔を前記開口部空間内にカセット底面よりも窪ま
せて構成したテープカセットであり、開口部空間は、磁
気テープ引き出し部材を挿入する空間であるため、カセ
ット底面に開放された空間はカセットハーフ上面部まで
連通している。よって、その位置に位置決め部を位置さ
せれば、高さ方向に任意の位置にその位置決め部を構成
できる。
【0024】またその位置決め部材の高さを任意に設け
ても他のカセット構成に何等影響をすることがなくカセ
ットの構造としてもまたサイズにしても最適なカセット
とすることができる。またこのカセットと互換性を有す
る小型カセットの厚さはこのカセットに悪影響を及ぼす
ことなく任意に設定することができるという作用を有す
る。
【0025】本発明の請求項3に記載の発明は、小型の
カセットが装着される記録再生装置に同様に装着でき、
前記記録再生装置のカセット高さ受け部材による高さ支
持が可能な小型カセットの高さ受けエリア内に設けられ
た2つの位置決め孔と相対位置関係を等しくする2つの
位置決め孔を有する大型のカセットであって、前記記録
再生装置に前記小型カセットよりも低い位置に位置決め
され、前記位置決め孔をカセット底面より窪ませて構成
したテープカセットであり、小型カセットの位置決め部
材が挿入される位置決め孔を高さ受けエリア内に構成し
たので、位置決め部材は小型カセットの底面に接する高
さ受け部を構成することで小型カセットの位置決めと高
さ決めを単一の部材で構成ができる。
【0026】その高さ決めをするための高さ受け部は、
大型カセットに設けられた窪みによって干渉が回避され
るため大型カセットの装着であってもこの位置決め部材
を装置に固定で設けることができるという作用を有す
る。
【0027】
【0028】
【0029】以下、本発明の実施形態について、図面を
用いて説明する。(実施の形態1)以下、本発明の実施
の形態について図を参照しながら説明する。なお記録時
間の長いテープカセット(以下Lカセットと称する。)
及び記録時間の短い小型テープカセット(以下Sカセッ
トと称する。)共に、左右一方しか図示していないが、
ことわりのない限り左右対称の構成である。
【0030】図2(a)、(b)、(c)はLカセット
1の外観平面図である。Lカセット1は主に上ハーフ2
と下ハーフ3と前面蓋4と天蓋5とから構成される。図
3は、図2の裏面図である。下ハーフ3には、リールが
露出するリール孔3a、リールロック孔3b、位置決め
孔3c〜3f、始終端LED用孔3gが構成されてい
る。
【0031】またハッチング部3h〜3kは、カセット
高さ基準となる高さ受けエリア(以下サポート部と称す
る)でLカセット1の四隅近傍にそれぞれ独立で4カ所
設けられている。
【0032】この4つのサポート部3h〜3kは記録再
生装置に設けるカセット高さ決めピンを配置可能な範囲
を示す。前方にある位置決め孔3e、3fは開口部3p
の空間の両サイドに設けられ4つのサポート部から離間
した位置にあるが、後方にある位置決め孔3c、3d
は、前述の4つのサポート部の中の2つのサポート部3
h、3iの範囲内にある。しかもカセット両側面部に極
めて近い位置に設けてある。
【0033】図10は図3と同様下ハーフ3の裏面図、
そして図11(a)は図10におけるA−A断面図、図
11(b)は図10におけるB−B断面図、図11
(c)は図10におけるC−C断面図である。位置決め
孔3cと3dは図11(b)に示すようにサポート部と
なる最下面部(一点鎖線で示すライン)に構成されてい
るが、位置決め孔3eと3fは図11(a)に示すよう
にそれよりd1だけ窪んだ位置に、始終端LED用孔3
gは、d1よりさらに窪みの大きいd2窪んだ位置に構
成されている。
【0034】開口部3pは詳細は後述するが、図15の
蓋開放図でもわかるようにカセット下ハーフ3の底面に
開放された空間が、上ハーフ2の上面部まで連通してい
る。図13は蓋が閉じた状態だが、この状態でも裏蓋1
3の後方(カム溝3rが形成されている方の空間)で
は、同じように上ハーフ2の上面近傍まで空間が形成さ
れている。
【0035】ゆえにこの開口部空間3pにある位置決め
孔3e、3fが、図11の(a)に示すようにd1だけ
窪んで構成しても問題はない。また同様に始終端LED
用孔3gが図11の(c)に示すようにd2だけ窪ませ
ても他には何等影響を与えない。また図10に示すよう
に、位置決め孔3e、3fの存在する窪みは、その位置
決め孔3e、3fの孔径よりも十分大きな面を形成して
いる。これは、後述するが、Sカセットの高さ決め部を
有する位置決め部材の大径部との干渉を避けるために若
干大きな面で窪みを構成しているのである。
【0036】位置決め孔3dと3fは真円の孔だが、3
cと3eは長孔形状となっている。図16に示すように
供給リール8と巻き取りリール10に始端及び終端を係
止された磁気テープ14は、下ハーフ3の前面に構成さ
れたテープ案内部3mに巻回されて案内されている。
【0037】図1に、Lカセット1の走行系との対応を
示す。ハッチングで表示しているテープ案内部55は磁
気テープを案内する領域で、入出する磁気テープ14が
この領域に入るように記録再生装置のポスト51を配置
しなければならない。そうすると、磁気テープ14は供
給リール8、巻き取りリール10からカセットのどの部
品にも接触せずに、走行系のポスト51に至るため非常
に高精度にテープ走行をさせる事ができる。
【0038】図5から図7にはリールロック機構を示
す。図5の左半分はリールロック爪7が供給リール8か
ら離間したブレーキoff状態を、右半分はリールロッ
ク爪7が巻き取りリール10の爪部10aに係合したブ
レーキon状態を示す。図6は、ブレーキon状態の断
面図、図7は、ブレーキoff状態の断面図を示す。リ
ールロック爪7はバネ9によってリール方向に付勢され
ているため、通常は、図5右半分に示すように先端の爪
部7aが巻き取りリール10の爪部10aに係合して巻
き取りリール10の回転を禁止している。
【0039】なお巻き取りリール10は、時計方向に回
転するときテープを巻き取る機構のため反時計方向には
回転しにくく時計方向には回転し易い構成となってい
る。供給リール8の場合はその逆となる。
【0040】リールロック爪7は図3に示すカセットの
下ハーフ3に設けられたリールロック孔3b位置にて下
方に開放した凹部7bが設けられている。この凹部7b
に記録再生装置の軸11が進入する事により、図7に示
すようにバネ9に抗してリールロック爪7が後退してリ
ールロック爪7の爪部7aは、供給リール8の爪部8a
や巻き取りリール10の爪部10aから離間し、それぞ
れのリールは回転が可能となる。
【0041】次に、図8、図9で供給リール8の構造を
説明する。供給リール8には、上下フランジが一体構成
され、下側のフランジ外周部に前述の爪部8aが設けら
れている。リール中央上部の凸部8bには、上ハーフ2
に設けられたリール押さえバネ(図示せず)により、下
方に付勢されている。図8は供給リール8と記録再生装
置に設けられたリールテーブル12との係合状態を示
す。リールテーブル12の先端部に設けられた、外方に
開く複数の羽根部12aは供給リール8に同様に設けら
れた羽根部8cと係合して、リールテーブル12と一体
に回転する構成となっている。
【0042】図9に示すように、供給リール8の羽根部
8cの下部には円筒部8dが、その下方には円錐部8e
が構成されている。円筒部8dはリールテーブル12と
係合したとき、リールテーブル12とのセンタリングを
行うもので、供給リール8が回転する時に回転振れを最
小にするものである。また、円錐部8eは供給リール8
とリールテーブル12の係合をスムーズにするための案
内部である。供給リール8の下面部にはリールテーブル
12に当接する環状の突起のリール受け部8fと、同心
円構成で下ハーフ3に設けられたリール孔3aよりもわ
ずかに小さい環状のリングからなるリール保持部8gが
構成されている。リールテーブル12との非係合状態で
は、供給リール8の位置はこの下ハーフ3のリール孔3
aと供給リール8のリール保持部8gとの嵌合により規
制される。
【0043】図16に示す前面に架張された磁気テープ
14aを覆う蓋構成は図13に示すように、天蓋5と裏
蓋13と前面蓋4からなる。図23に示すそれぞれの蓋
の外観斜視図を参照しながら各々の構成を説明する。前
面蓋4は側面4dに設けられた軸4aが図22に示す上
ハーフ2の切り欠き部2bと下ハーフ3の切り欠き部3
nに挟まれて回動自在に支持され、図示しないバネによ
り反時計方向(蓋を閉じる方向)に付勢されている。そ
の前面蓋4の両端の係合孔4bには天蓋5の側面5bに
設けられた軸5aが回動自在に支持されている。さら
に、天蓋5の中央よりに支持孔5cが形成されており、
この支持孔5cで裏蓋13の軸13aが係合して裏蓋1
3が回動自在となっている。
【0044】天蓋5の他方の軸5dは、図22、図13
に示す上ハーフ2の側面部2cに形成されたガイド溝2
aに係合案内される。また、裏蓋13のガイド軸13b
は、下ハーフ3の開口部3p側面に形成されたカム溝3
rに係合案内される。
【0045】以上説明したように天蓋5と裏蓋13と前
面蓋4は連動しかつ、上ハーフ、2下ハーフ3に案内さ
れる構成であるため、前面蓋4を回動させるとそれに連
なって天蓋5及び裏蓋13はカム溝3r、ガイド溝2a
に案内され後方に移動する。
【0046】図13から図15でこの蓋機構の開閉動作
を説明する。前面蓋4の側面部4dの一部に記録再生装
置の蓋開放部材(図示せず)を当接させ相対的にテープ
カセットを下降させる事により、前面蓋4は軸4aを中
心に時計方向に回動する。それにつれて、天蓋5はガイ
ド溝2aに沿って後方で上ハーフの上部へ移動する。ま
た裏蓋13もカム溝3rに沿って上方へ移動する。前面
蓋4が略90度回動すると、図15の様に前面に架張し
た磁気テープ14aは露出される。
【0047】図10に示す下ハーフ3のD−D断面を図
12に蓋機構も含めて示す。下ハーフ3は、この部分で
他の部分よりもd3だけ窪んだくぼみ3sを設けてい
る。前面蓋4では図23に示すように磁気テープ14a
を覆う前面部4fと両側面部4dに加え前記くぼみ3s
に対応して、下ハーフ3と同一高さで平行な平面である
突起部4eを設けている。よってこのくぼみ3sは前面
蓋4の突起部4eによって覆われているため密閉性を損
う事はない。図16に示すようにこのくぼみ3sは供給
リール8から巻き取りリール10に至る磁気テープ経路
外にあり直接的に外気が磁気テープに触れる事も少な
い。
【0048】図4は、蓋ロック機構を表す図である。
(b)は平面図で、前面蓋4を想像線で示す。(a)は
側面図である。下ハーフ3の側面に軸6dを中心として
回動自在に設けられた蓋ロック爪6は図示しないバネに
より時計方向に付勢されている。そのため、前面蓋4の
突起4cと蓋ロック爪6の爪部6aが係合し、前面蓋4
の時計方向の回動は禁止されている。
【0049】この蓋ロック爪6の突起6bは下ハーフ3
の一部から露出するように構成され、かつ下ハーフ3の
この突起6bの前方は切り欠かれているため、図に示す
ハッチング部6cの範囲内で記録再生装置から解除部材
(図示せず)を進入させればカセットと干渉することな
く、この蓋ロック爪6の突起6bに当接し、蓋ロック爪
6をバネに抗して反時計方向に回動させる事が出来る。
その結果、前面蓋4はロックが解除され、軸4aを中心
に時計方向に回動させる事が出来る。
【0050】図16には、テープ始端及び終端を検出す
るための検出光路15を表す。下ハーフ3の始終端LE
D用孔3gに記録再生装置に設けられた発光素子を挿入
し、光路上のカセット外の位置に受光素子をそれぞれ配
置する事によりテープの始端、終端が検出できる。図1
7は蓋開放状態であるが、下ハーフ3の側面部に光路孔
16を設けて受光素子と発光素子間に光路を形成する。
この光路孔16は、前面蓋4が開放したときのみ図17
の様に露出し、前面蓋4が閉じている状態では前面蓋4
の側面4dが光路孔16を塞ぐため密閉性が考慮できて
いる。
【0051】次にテープに記録した情報を記録再生装置
とカセット間で授受する機能について説明する。図16
のE−E断面を図18の(b)に、図16のF矢視図を
図18(a)に示す。17はメモリP板で、半導体メモ
リと外部との信号の授受を行う4本の端子17aを備え
ている。このメモリP板17は図16、図22に示す下
ハーフ3に設けられたスリット部3tに上方から挿入さ
れて保持され上ハーフ2で抜け防止を構成している。こ
のスリット部3tは開口部3p側で開放しており、前述
の端子17aがこの開口部3p側に露出している。
【0052】メモリP板17の後方には始終端LED用
孔3gが構成されている。図19〜図21は、記録再生
装置に設けられた信号授受用コネクタとメモリP板17
のコンタクト状況を表す。コネクタ18は、図40にそ
の外観を示すが、発光素子19と4本の板バネ状のコネ
クタ端子20から成り、記録再生装置に固定して設けら
れている。4本のコネクタ端子20は図19で時計方向
の付勢力を有しており、メモリP板17の端子17aに
それぞれ一定の接圧で接触している。よって、この端子
17aを通じてメモリP板の半導体メモリへの情報の書
き込み、読みだしが可能となる。
【0053】端子17aの位置をメモリP板17の下方
に位置させ、コネクタ端子20の屈曲部20aと端子1
7aとの接点20bの距離を大きくとることで、端子1
7aのバネ定数は小さくしてある。つまり、カセットと
コネクタ18の相対位置のばらつきによっても、メモリ
P板17に対するコネクタ端子20の接圧の変化が少な
く、安定した接圧で高信頼性の接点構成を確保できるも
のである。
【0054】コネクタ端子20をU字型に構成し、屈曲
部20aを上方にしたのは、カセットが装着、取り出し
操作で、コネクタ端子20に無理な力が加わって、コネ
クタ端子が変形をおこさないように保護するためであ
る。
【0055】以上説明したLカセット1と互換性を有す
るSカセットについて説明する。図24(a)、
(b)、(c)、はSカセット31の外観平面図であ
る。Sカセット31はLカセット1と同様、主に上ハー
フ32と下ハーフ33と前面蓋34と天蓋35とから構
成される。また、Sカセット31はLカセット1よりも
記録時間が短く、カセットの平面サイズも小さい。厚さ
においても、Lカセット1の厚さH2に対し、Sカセッ
ト31の厚さH4は、H2>H4という関係にある。
【0056】図25は、図24の裏面図である。下ハー
フ33には、リール孔33a、リールロック孔33b、
位置決め孔33c〜33f、始終端LED用孔33gが
構成されている。またハッチング部33h〜33kは、
カセット高さ基準となる高さ受けエリア(以下サポート
部と称する)でSカセット31の四隅近傍にそれぞれ独
立で4カ所設けられている。この4つのサポート部33
h〜33kは記録再生装置に設けるカセット高さ決めピ
ンを配置可能な範囲を示す。
【0057】前方にある位置決め孔33e、33fは開
口部33pの両サイドに設けられサポート部33j、3
3kの範囲内にある。一方後方にある位置決め孔33
c、33dもまたサポート部33h、33iの範囲内に
ある。この位置決め孔33c、33dはLカセット1の
位置決め孔3c、3dと同様Sカセット31の両側面部
に極めて近い位置に設けてある。
【0058】図26(a)は図25におけるG−G断
面、図26(b)は図25におけるH−H断面図であ
る。位置決め孔33c〜33fはサポート部となる最下
面部(一点鎖線で示すライン)に構成されているが、始
終端LED用孔33gは、d4だけ窪んだ位置に構成さ
れている。
【0059】図8、図35に示すLカセット1の下ハー
フ3の最下面部からのテープ中心高さH1とSカセット
31の下ハーフ33の最下面部からのテープ中心高さH
3は、テープ最大巻き径が異なる理由からH1>H3と
いうようにカセット全体厚さと共にLカセット1の方が
大きくなっている。そういう構成の中で、Lカセット1
とSカセット31のカセット厚み方向の寸法関係は次の
ようになる。
【0060】 H1−d1=H3………………(1) H1−d2=H3−d4………(2) (1)式は、2つのカセットをテープ中心を基準に考え
たとき、Lカセット1の位置決め孔3eと3fの存在す
る平面は、Sカセット31の位置決め孔33c〜33f
及びハッチング部33h〜33kの存在する平面いわゆ
る下ハーフ33の最下面部と同一高さの平面である事を
示す。図41に示すように厚さの異なるSカセット31
とLカセット1はテープ中心が同一高さとなるように位
置決め支持される。その時、下ハーフ3に構成されたL
カセット1の位置決め孔3c、3dの存在する平面つま
り窪みの高さは丁度Sカセット31の下ハーフ33の最
下面部と等しいということである。
【0061】図53を用いてさらに詳細に説明する。図
53(a)はSカセット31の位置決め孔33f(無論
33eも同様である)に位置決めピン142が係合して
いる図である。位置決めピン142はシャーシ143に
植設されており、位置決め孔33fの直径と同じ直径で
ある位置決め部142bとその径よりも大径なカセット
受け部142aとからなる。カセット受け部142aは
Sカセット31の下ハーフ33に当接しており、このカ
セット受け部142aにてSカセット31の高さを規定
している。この位置決め孔33fはサポート部33kの
範囲内に存在するため、このカセット受け部142aは
サポート部33kに接してSカセット31を正しく保持
していることとなる。
【0062】一方図53(b)は同一位置決め部材14
2にLカセット1が位置決めされている図である。Lカ
セット142は前述したように、テープ中心を基準に考
えるとH1−H3=d1だけカセット底面が低い位置あ
る。Lカセット1の位置決め孔33f、33eの窪みも
カセット下ハーフ33よりもd1だけ窪んで構成してい
るため、この位置決め孔33fに位置決めピン142を
係合させると図53(b)のようにカセット受け部14
2aはその上面が窪み面に当接してLカセット1の高さ
を規定することとなる。カセット受け部142aはその
外径部が窪みの側壁に干渉しないように径を設定すれば
よい。
【0063】(2)式は、2つのカセットをテープ中心
を基準に考えたとき、Lカセット1の始終端LED用孔
3gの存在する平面とSカセット31の始終端LED用
孔33gの存在する平面は同一高さの平面である事を示
す。
【0064】図34で示すテープ案内部53の領域は図
1で示す55と同じであるため、磁気テープがこの領域
に案内される様にポスト54を設けなければならない。
供給リール38と巻き取りリール40に始端及び終端を
係止された磁気テープ44は、下ハーフ33の前面に構
成されたテープ案内部33mに巻回されて案内されてい
る。このテープ案内部33m間に架張された磁気テープ
44aと前述の位置決め孔33eと33f間距離L1と
図16に示すLカセット1の同様の距離L3は同じであ
る。
【0065】また、Sカセット31の位置決め孔33e
と33f間距離L2もLカセット1の位置決め孔3eと
3f間距離L4と同じである。この事は、記録再生装置
側の位置決めピンを、Lカセット1とSカセット31で
共用できるということになる。その結果、図38の如く
前面に架張する磁気テープ4aと44aは同一位置とな
る。
【0066】この時、Lカセット1の後方に設けられた
位置決め孔3c、3dそしてSカセット31の後方に設
けられた位置決め孔33c、33dは当然位置が異な
る。またそれぞれカセットの側面部近傍に設けているの
でカセットのサイズも異なることから両者の位置決め孔
の相対位置関係は等しいものとはならない。
【0067】図27から図29にはリールロック機構を
示すが、基本的には、Lカセット1のリールロック機構
と同じ構成であるので、構成の説明は割愛する。ここで
Sカセット31のリールロック孔33bとLカセット1
のリールロック孔3bは図38の如く配置した場合、そ
の位置が異なるため、記録再生装置に固定した部材で両
カセットに対応することはできないが、同一形状の部材
で解除出来るように構成してあるので、Lカセット1の
リールロック解除部材である軸11を可動式とし、Sカ
セット31のリールロックも解除し得る構成とした。
【0068】図35に供給リール38の構造を表してい
るが、リール構造も基本的には、Lカセット1の供給リ
ール8と同じであるので、異なる部分のみ説明をする。
供給リール38の下面部にはリールテーブル42に当接
する環状の突起のリール受け部38fが設けられてい
る。Lカセット1では、リール受け部8fと、同心円構
成でリール保持部8gが構成されていたが、Sカセット
31では、このリール受け部38fのみとしてリール受
け部38fよりわずかに大きいリール孔33aを構成す
る事で、供給リール38の位置はこの下ハーフ33のリ
ール孔33aと供給リール38のリール受け部38fと
の嵌合により規制している。
【0069】図41にLカセット1とSカセット31を
同一リールテーブル50に装着した図を示す。図41に
おいて右側にSカセット31とリールテーブル50との
係合状態、左側はLカセット1とリールテーブル50と
の係合状態を示す。羽根部8c、円筒部8d、円錐部8
eは、Sカセット31とLカセット1は同一構成であ
り、リールテーブル50と係合し、回転力を伝達する事
ができる。
【0070】Lカセット1とSカセット31では、前述
したようにテープ中心から下ハーフまでの高さが異なる
ため、それぞれのカセットのリール受け部38f、8f
も図に示すように異なる。しかしSカセット31のリー
ル受け部38fは、Lカセット1のリール受け部8fよ
りも小径としていること、さらにLカセット1のリール
受け部8fの高さをSカセット31の下ハーフ33の最
下面部よりも低くしているので、リールテーブル50を
リール受け部38f、8fにそれぞれ当接して、それぞ
れのリールの高さを保証するリール支え部50a、50
bと独立に構成できる。
【0071】蓋構成と蓋開閉動作を図31〜図33に示
すが、Lカセット1と同様、天蓋35と裏蓋43と前面
蓋34からなる。外観構成も図23に示すLカセット1
と同じであるが、唯一異なるのは図12に示す構造であ
る。Lカセット1では下ハーフ3に窪み3sを設け、さ
らにそれに対応して、前面蓋4に一部突起4eを設けて
いたが、Sカセット31では、前面蓋34と下ハーフ3
3の突き合わせ部はLカセット1に見られるような突起
部4eはなく、前面蓋34は磁気テープ44aを覆う前
面部44fと側面部44d(図示しないが、Lカセット
1の前面蓋4の側面部4dと同じ)からなる略コの字形
状である。
【0072】図30は、蓋ロック機構を表す図である。
(a)は平面図で、(b)は側面図である。蓋ロック機
構もLカセット1と同じ構成なので、詳細な説明は割愛
する。
【0073】図34には、テープ始端及び終端を検出す
るための検出光路45を表す。下ハーフ33の始終端L
ED用孔33gに記録再生装置に設けられた発光素子を
挿入し、光路上のカセット外の位置に受光素子をそれぞ
れ配置する事によりテープの始端、終端が検出できる。
図17でLカセット1の蓋開閉と光路孔16の開閉につ
いて説明したが、Sカセット31も同様の構成である。
【0074】図36、図37、図39は、メモリP板1
7の保持機構を示す。(2)式で説明した様に、2つの
カセットをテープ中心を基準に考えたとき、Lカセット
1の始終端LED用孔3gの存在する平面とSカセット
31の始終端LED用孔33gの存在する平面は同一高
さの平面である。この始終端LED用孔3g、33gの
上方に設けてあるメモリP板17の位置も同様の理由か
ら2つのカセットのテープ中心からの高さ関係は同一で
ある。
【0075】また図38の様に配置した時、Lカセット
1とSカセット31のそれぞれのメモリP板17は共通
な位置となる。つまり2つのカセットを装着可能な記録
再生装置では、一つのコネクタ18で両カセットに対応
できるのである。
【0076】図38の様にSカセット31とLカセット
1を配置した時の、記録再生装置へのカセットの位置決
めについて説明する。まず、位置決めは、両カセット共
にカセットの前方の位置と後方の位置にそれぞれ2つず
つ計4カ所あるが、この様に配置した場合は、前方の位
置決め孔3e、3f、33e、33fが共通になるた
め、Lカセット1の3e、3f、Sカセット31の33
e、33fに対して位置決めピンを設ける。それに対応
して、カセットの高さを保証するための高さ決めピンの
配置は、Lカセット1では、後方にある3h、3iにそ
れぞれ配置し、Sカセット31では、同じく後方にある
33h、33iにそれぞれ配置する事となる。
【0077】3h、3iはSカセット31とは干渉しな
いので、Lカセット1用の高さ決めピンは適当な位置を
選択できる。Sカセット31用の高さ決めピン52は図
45(a)の位置に設ける。この位置は、(b)の図に
示すように、リール8のリール保持部8gとリール受け
部8fの中間となる。Sカセット31はLカセット1よ
りもd1だけ高い位置にあるため、Sカセット31の高
さ決めピン52はd1だけ干渉するが、この位置では、
リール保持部8gとリール受け部8f間の窪みとなり、
干渉を避ける事ができる。
【0078】図38の様にカセットを配置したとき、L
カセット1の開口部3pの横幅G1はSカセット31の
開口部33pの横幅G2よりも広くなっているが、テー
プ案内部53は大部分が55と重なっている。故に、こ
の共通部分にいずれのカセットのテープも案内できるよ
うに共通のポストを配置する事ができる。Sカセット3
1の前面蓋34の左側面部34aの位置には、Lカセッ
ト1の下ハーフ3の窪み3sがある。この部分を拡大
し、記録再生装置にカセット蓋開放部材56を設けた時
の関係図が図42である。
【0079】図42において、Lカセット1の蓋開閉の
ため、前面蓋4の側面部4dに当接する位置に開放ピン
(L)58が設けられ、同様にSカセット31の側面部
34の左側面部34aの位置に開放ピン(S)57が開
放ピン(L)58よりも若干低い位置に設けられてい
る。この2本の開放ピンは略コの字形状のカセット蓋開
放部材56に取付けられ、開放ピン(S)57とカセッ
ト蓋開放部材56はLカセット1の下ハーフ3のくぼみ
3s部分に位置し、下ハーフ3との干渉を避けている。
【0080】次に、図44には蓋開放ピン(S)57に
よる前面蓋44の蓋開放軌跡を示す。(a)〜(f)に
ついては、蓋開放ピン(S)57の位置を共通にしてカ
セット位置を表示している。Sカセット31の場合には
前面蓋34の左側面部34aに当接して蓋開放を行い、
蓋開放ピン(L)58とは干渉しないため、問題はな
い。図43は蓋開放ピン(L)58による前面蓋4の蓋
開放軌跡を示し、蓋開放ピン(L)58による前面蓋4
の左側面部4aとの当接及び蓋開放、また蓋開閉軌跡に
おける蓋開放ピン(S)57と前面蓋4、下ハーフ3と
の位置関係を表している。ここで、蓋開放ピン(S)5
7はLカセット1の下ハーフ3のくぼみ3sの位置、つ
まり前面蓋4の突起部4eの位置にあるが、各軌跡位置
の図で明らかなように、突起部4eと蓋開放ピン(S)
57はどの位置においても干渉していない。
【0081】次にこのようなカセットサイズの異なるテ
ープカセットの記録再生装置への装着例を説明する。図
46はLカセット1を記録再生装置に装着した図を、図
47はSカセット31を同じ記録再生装置に装着した図
を示す。磁気テープ14、及び44はガイドポスト6
6、61、62、65と、回転ヘッドシリンダー60と
キャプスタン64、ピンチローラー63によって案内さ
れる。供給リール8及び巻取りリール10と係合するリ
ールテーブル50は中継ギア67の回転中心を回動軸と
して回動可能に支持されている。
【0082】図46ではLカセット1のリールの位置
に、図47ではSカセット31のリールの位置にそれぞ
れ移動して位置決めされる。キャプスタン64の駆動力
をベルト70によってセンターギア69に伝えそれに転
接する駆動ギア68で中継ギア67を選択的に駆動す
る。以上のように、リール位置が異なってもメカニズム
の負担を少なく構成できる。
【0083】実施の形態では、Lカセット1の位置決め
を前方の位置決め孔3e、3fとして、その位置で高さ
も受けるようにしたため、後方のサポート部3h、3i
に高さ受けピンを配置すればよいと論じたが、Lカセッ
トには、前方にもさらに高さ受けのサポート部3j、3
kがあるので、位置決め孔3e、3fでは位置決めだけ
行い、高さは4つのサポート部3h〜3kにそれぞれカ
セット高さ受けピンを配置する構成もとれる。
【0084】その為には、位置決め孔3e、3fの存在
する窪みをSカセット、Lカセットの高さ差d1よりも
若干大きく構成すればよい。そうすれば、カセット受け
部142aはSカセットの下ハーフには当設するものの
Lカセットの窪みには当設せず位置決め部142bのみ
位置決め孔3e、3fに係合することとなる。
【0085】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、記録時間
の異なる複数のカセットをそれぞれ最適化設計して、カ
セットの厚みがそれぞれ異なったとしてもその位置決め
を確実にしかもスムーズに行うことができるものであ
る。
【0086】つまり大型カセットに設けられた窪みによ
って、装置に位置決めされた大型カセット、小型カセッ
トの位置決め孔部における高さ差を解消することができ
るため、小型カセットにおける位置決め孔と位置決め部
材との嵌合位置と同じ位置に大型のカセットの位置決め
孔と位置決め部材との嵌合位置を構成できる。
【0087】従って、大型カセットの位置決め部材と位
置決め孔との嵌合長さも小型カセットの長さとほぼ同じ
にすることができ、位置決めに必要な最小の嵌合長さと
することができる。
【0088】つまり、大型カセットの装着、取り出し動
作を確実でかつスムーズな動作とすることができるとい
う効果を有するものである。
【0089】また、本発明によれば、磁気テープ引き出
し部材を挿入する、カセット底面に開放された開口部空
間はカセットハーフ上面部まで連通している。よって、
その位置に位置決め部を位置させれば、高さ方向に任意
の位置にその位置決め部を構成できる。またその位置決
め部の高さを任意に設けても他のカセット構成に何等影
響をすることがなくカセットの構造としてもまたサイズ
にしても最適なカセットとすることができる。
【0090】従って、このカセットを大型カセットとし
て互換性を有する小型カセットのカセット厚が大型カセ
ットに比べて相当に薄い構成であっても小型カセットの
カセット底面と同じ高さかそれ以上に高い位置に位置決
め部を構成することは非常に容易である。
【0091】また、本発明によれば、位置決め部材が挿
入される位置決め孔を高さ受けエリア内に構成した小型
カセットと位置決め孔の相対位置関係を同じにし、カセ
ット底面に窪みを構成したので、この位置決め孔に挿入
する位置決め部材は、位置決めだけでなく、高さ決めの
ためのカセット高さ受け部を構成して、小型カセットの
高さ支持をなすことができる。しかもその高さ受け部
は、大型カセットに設けられた窪みによって干渉が回避
されるため大型カセットを装着する場合であってもこの
位置決め部材を逃がしたりすることなく装置に固定で設
けることができる。
【0092】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるLカセットの平面
【図2】同Lカセットの外観平面、側面、正面図
【図3】同Lカセットの裏面図
【図4】同Lカセットの蓋ロック機構側面図、平面図
【図5】同Lカセットのリールロック平面図
【図6】同Lカセットのリールロック動作時の断面図
【図7】同Lカセットのリールロック非動作時の断面図
【図8】同Lカセットのリールのリールテーブルへの係
合時の側面図
【図9】同Lカセットのリールの側面図
【図10】同Lカセットの下ハーフの裏面図
【図11】図10の断面A−A、B−B、C−Cを示す
【図12】図10の断面D−Dを示す図
【図13】本発明の実施の形態におけるLカセットの蓋
機構の側面図
【図14】同Lカセットの蓋機構の側面図
【図15】同Lカセットの蓋機構の側面図
【図16】同Lカセットの平面図
【図17】同Lカセットの蓋開放時の側面図
【図18】同Lカセットの半導体メモリ部の平面図及び
側面図
【図19】同Lカセットのメモリ呼出、書込みのコネク
タ装着の側面図
【図20】図19の正面図
【図21】図19の平面図
【図22】本発明の実施の形態におけるLカセットの
上、下ハーフの斜視図
【図23】同Lカセットの蓋機構の斜視図
【図24】同Sカセットの外観平面図、側面図及び正面
【図25】同Sカセットの裏面図
【図26】図25の断面G−G、H−Hを示す図
【図27】本発明の実施の形態におけるSカセットのリ
ールロック平面図
【図28】同Sカセットのリールロック動作時の断面図
【図29】同Sカセットのリールロック非動作時の断面
【図30】同Sカセットの蓋ロック機構平面、側面図
【図31】同Sカセットの蓋機構の側面図
【図32】同Sカセットの蓋機構の側面図
【図33】同Sカセットの蓋機構の側面図
【図34】同Sカセットの平面図
【図35】同Sカセットのリールのリールテーブルへの
係合時の側面図
【図36】同Sカセットの半導体メモリ部の正面図
【図37】図36の側面図
【図38】本発明の実施の形態におけるS、Lカセット
の平面図
【図39】同Sカセットの半導体メモリ部の斜視図
【図40】本発明の実施の形態におけるコネクタの斜視
【図41】本発明の実施の形態におけるS、Lカセット
のリールテーブルへの係合の側面図
【図42】同S、Lカセットの蓋開放機構平面図
【図43】同Lカセットの蓋開放軌跡の側面図
【図44】同Sカセットの蓋開放機構の側面図
【図45】同Sカセットの高さ位置決め機構の平面、側
面図
【図46】同Lカセットの記録再生装置への適用の平面
【図47】同Sカセットの記録再生装置への適用の平面
【図48】従来のテープカセットにおける蓋開閉部の側
面図
【図49】従来のテープカセットにおける蓋開放完了の
側面図
【図50】従来の大きさの異なる2つのテープカセット
の記録再生装置への適用の平面図
【図51】図50の時のS、Lカセット配置裏面図
【図52】従来の厚さの異なる2つのテープカセットの
記録再生装置への位置決め構成図
【図53】本発明の厚さの異なる2つのテープカセット
の記録再生装置への位置決め構成図
【符号の説明】
1 Lカセット 2 上ハーフ 3 下ハーフ 3c、3d、3e、3f 位置決め孔 3h、3i、3j、3k 高さ受けエリア(サポート
部) 31 Sカセット 33 下ハーフ 33c、33d、33e、33f 位置決め孔 33h、33i、33j、33k 高さ受けエリア(サ
ポート部) 142 位置決めピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩見 良則 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 西村 彰洋 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−32282(JP,A) 特開 平5−182323(JP,A) 特開 平2−21080(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小型カセットが装着される記録再生装置
    に同様に装着でき、前記記録再生装置に位置決めされた
    ときカセット底面が前記小型カセットのカセット底面よ
    りも低い位置である大型カセットであって、前記記録再
    生装置に設けられたカセット位置決め部材が挿入される
    2つの位置決め孔を有し、該2つの位置決め孔はその相
    対位置関係を前記小型カセットに設けられた2つの位置
    決め孔の相対位置関係と等しくかつ、前記カセット底面
    より窪ませて構成したことを特徴とするテープカセッ
    ト。
  2. 【請求項2】 前面に架張した磁気テープを引き出すた
    めの部材が挿入されるカセット底面に開放された開口部
    を有し、前記記録再生装置に設けられたカセット位置決
    め部材が挿入される位置決め孔を前記開口部空間内にカ
    セット底面よりも窪ませて構成した請求項1記載のテー
    プカセット。
  3. 【請求項3】 小型カセットが装着される記録再生装置
    に同様に装着でき、前記記録再生装置のカセット高さ受
    け部材による高さ支持が可能な小型カセットの高さ受け
    エリア内に設けられた2つの位置決め孔と相対位置関係
    を等しくする2つの位置決め孔を有する大型カセット
    あって、前記記録再生装置に前記小型カセットよりも低
    い位置に位置決めされ、前記位置決め孔をカセット底面
    より窪ませて構成したことを特徴とする請求項1記載の
    テープカセット。
JP8169172A 1996-06-28 1996-06-28 テープカセット Expired - Lifetime JP2636825B2 (ja)

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