JP2636663B2 - 抗菌機能を有する寝具 - Google Patents
抗菌機能を有する寝具Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗菌成分を内包した無機
多孔質微粒子を用いた抗菌機能を有する寝具に関するも
のである。
多孔質微粒子を用いた抗菌機能を有する寝具に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より特に傷病患者が用いる寝具、即
ち病院における布団、シーツ、夜着、枕カバー等の寝具
には、床擦れを生じた時の化膿防止等の衛生上の要請か
ら、抗菌機能を付与したものが用いられる場合がある。
この寝具への抗菌機能の付与には、寝具を構成する合成
繊維内に抗菌性物質を練り込んだり、抗菌性物質を寝具
表面にコーティングする方法が用いられている。このよ
うな従来の抗菌性処理には、例えば特開平01−139
805号や特開平03−213568号や実開平02−
11112号等に記載されているものがある。これらは
抗菌性材料として金属銅や銅合金または沸石の粉末を練
り込んだ合成繊維糸を用いて布帛としたり、布帛や寝具
の表面にイオンプレーティング法やスパッタリング法に
よって抗菌性を有する金属化合物薄膜を形成したりする
ものである。そしてこのような抗菌性布帛を、上記各種
寝具に応用することが提案されている。
ち病院における布団、シーツ、夜着、枕カバー等の寝具
には、床擦れを生じた時の化膿防止等の衛生上の要請か
ら、抗菌機能を付与したものが用いられる場合がある。
この寝具への抗菌機能の付与には、寝具を構成する合成
繊維内に抗菌性物質を練り込んだり、抗菌性物質を寝具
表面にコーティングする方法が用いられている。このよ
うな従来の抗菌性処理には、例えば特開平01−139
805号や特開平03−213568号や実開平02−
11112号等に記載されているものがある。これらは
抗菌性材料として金属銅や銅合金または沸石の粉末を練
り込んだ合成繊維糸を用いて布帛としたり、布帛や寝具
の表面にイオンプレーティング法やスパッタリング法に
よって抗菌性を有する金属化合物薄膜を形成したりする
ものである。そしてこのような抗菌性布帛を、上記各種
寝具に応用することが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述のよ
うな従来技術によって抗菌機能を付与した寝具には、以
下に示すように衛生上の問題点や、寝具の製造コスト上
の問題点があった。即ち、金属や沸石等の抗菌性材料を
合成繊維糸中に練り込む場合、糸の強度がどうしても低
下してしまう。そして特に傷病患者が着用する夜着は衛
生上の要請からも頻繁に洗濯される結果、合繊糸が切れ
ることによる綻びが生じやすく、短期間の内に充分な抗
菌性が得られなくなるという問題点となっていた。ま
た、合成繊維中に練り込んであるために抗菌力も比較的
弱いものとなっていた。そしてこれらは言うまでもなく
木綿、絹、羊毛等の天然繊維には使用できないという欠
点にもなっている。さらに患者によっては金属カブレと
称されるような肌あれを生じるという懸念もあった。
うな従来技術によって抗菌機能を付与した寝具には、以
下に示すように衛生上の問題点や、寝具の製造コスト上
の問題点があった。即ち、金属や沸石等の抗菌性材料を
合成繊維糸中に練り込む場合、糸の強度がどうしても低
下してしまう。そして特に傷病患者が着用する夜着は衛
生上の要請からも頻繁に洗濯される結果、合繊糸が切れ
ることによる綻びが生じやすく、短期間の内に充分な抗
菌性が得られなくなるという問題点となっていた。ま
た、合成繊維中に練り込んであるために抗菌力も比較的
弱いものとなっていた。そしてこれらは言うまでもなく
木綿、絹、羊毛等の天然繊維には使用できないという欠
点にもなっている。さらに患者によっては金属カブレと
称されるような肌あれを生じるという懸念もあった。
【0004】また表面にイオンプレーティング法やスパ
ッタリング法によって抗菌性を有する金属化合物薄膜を
形成する場合には、布帛や寝具の製造コストが嵩んでし
まうという問題点があった。即ち、イオンプレーティン
グ法やスパッタリング法は高真空装置が必要であり、バ
ッチ処理になる上に大面積にわたる薄膜の形成処理が困
難でありことに加え、真空を維持するための真空ポンプ
等の付帯設備も多く、製造コストや装置の維持コストが
極めて大きくなってしまう結果、安価な寝具が得られな
いという問題点となっていた。
ッタリング法によって抗菌性を有する金属化合物薄膜を
形成する場合には、布帛や寝具の製造コストが嵩んでし
まうという問題点があった。即ち、イオンプレーティン
グ法やスパッタリング法は高真空装置が必要であり、バ
ッチ処理になる上に大面積にわたる薄膜の形成処理が困
難でありことに加え、真空を維持するための真空ポンプ
等の付帯設備も多く、製造コストや装置の維持コストが
極めて大きくなってしまう結果、安価な寝具が得られな
いという問題点となっていた。
【0005】以上のように、従来技術による抗菌機能を
有する寝具においては、強い抗菌作用が得にくく、また
その抗菌作用が長期にわたって持続せず、加えて肌あれ
等の懸念が有るという衛生上の問題点と、イオンプレー
ティング法やスパッタリング法を用いる結果として製造
コストが嵩んでしまい、安価な寝具が供給できないとい
う価格上の問題点とを有していた。
有する寝具においては、強い抗菌作用が得にくく、また
その抗菌作用が長期にわたって持続せず、加えて肌あれ
等の懸念が有るという衛生上の問題点と、イオンプレー
ティング法やスパッタリング法を用いる結果として製造
コストが嵩んでしまい、安価な寝具が供給できないとい
う価格上の問題点とを有していた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる現況に
鑑みてなされたものであり、抗菌性成分を含んだ無機多
孔質微粒子をコーティング樹脂に分散したコーティング
組成物を寝具表面に形成することにより、安価で衛生的
にも優れ、且つ良好な抗菌性が長期に渡って持続可能な
抗菌機能を有する寝具を提供せんとするものである。
鑑みてなされたものであり、抗菌性成分を含んだ無機多
孔質微粒子をコーティング樹脂に分散したコーティング
組成物を寝具表面に形成することにより、安価で衛生的
にも優れ、且つ良好な抗菌性が長期に渡って持続可能な
抗菌機能を有する寝具を提供せんとするものである。
【0007】そして上記課題を解決した本発明は、ヨモ
ギ属植物から分離された精油または該精油成分を多孔質
無機化合物に内包または含浸した無機多孔質微粒子を分
散したコーティング組成物を、表裏面の少なくとも片面
に形成したことを特徴としている。
ギ属植物から分離された精油または該精油成分を多孔質
無機化合物に内包または含浸した無機多孔質微粒子を分
散したコーティング組成物を、表裏面の少なくとも片面
に形成したことを特徴としている。
【0008】
【作用】本発明に用いられる無機多孔質微粒子には、抗
菌性を有するヨモギ属植物からの精油や同精油成分が含
まれているので、多孔質微粒子の微小孔より、抗菌性成
分がほどよく長期にわたって蒸散し続けるのである。そ
してこの無機多孔質微粒子がコーティング樹脂中に分散
され、寝具類の表面に例えば塗布によってコーティング
組成物として形成されるのである。
菌性を有するヨモギ属植物からの精油や同精油成分が含
まれているので、多孔質微粒子の微小孔より、抗菌性成
分がほどよく長期にわたって蒸散し続けるのである。そ
してこの無機多孔質微粒子がコーティング樹脂中に分散
され、寝具類の表面に例えば塗布によってコーティング
組成物として形成されるのである。
【0009】
【実施例】本発明は、抗菌機能を有する寝具を提供する
ものであり、以下に具体的実施例とともにその詳細が説
明されるのである。
ものであり、以下に具体的実施例とともにその詳細が説
明されるのである。
【0010】ヨモギ属植物は世界中いたるところに分布
し、その種数は約250にも及び、古くから薬用として
利用され、中でも精油中に含まれる成分には良好な抗菌
性が確認されている。本発明において用いられるヨモギ
属植物は、抗菌性を示す薬効成分を有していれば特に限
定されるものではないが、特に優れた抗菌性を有するも
のとしてカワラヨモギを用いることが好適である。カワ
ラヨモギの精油には、カピリン、カピレン、カピロン、
カピラリン、ノルカピレン、カピラノール等の成分が含
まれており、特にカピラリン等のアセチレン化合物はそ
の中でも特に優れた抗菌性を有しており、本発明におい
て最も好適な成分のひとつである。
し、その種数は約250にも及び、古くから薬用として
利用され、中でも精油中に含まれる成分には良好な抗菌
性が確認されている。本発明において用いられるヨモギ
属植物は、抗菌性を示す薬効成分を有していれば特に限
定されるものではないが、特に優れた抗菌性を有するも
のとしてカワラヨモギを用いることが好適である。カワ
ラヨモギの精油には、カピリン、カピレン、カピロン、
カピラリン、ノルカピレン、カピラノール等の成分が含
まれており、特にカピラリン等のアセチレン化合物はそ
の中でも特に優れた抗菌性を有しており、本発明におい
て最も好適な成分のひとつである。
【0011】本発明において用いられるヨモギ精油は、
従来から用いられている水蒸気蒸留法、圧搾法、抽出法
によって得られ、例えば水蒸気蒸留法によって特定の精
油成分を分離して用いたり、圧搾法により精油中の全成
分を用いても良いし、前記カピラリンのみを抽出して用
いることもできる。また、精油中の成分を人工的に合成
したものを用いても良い。
従来から用いられている水蒸気蒸留法、圧搾法、抽出法
によって得られ、例えば水蒸気蒸留法によって特定の精
油成分を分離して用いたり、圧搾法により精油中の全成
分を用いても良いし、前記カピラリンのみを抽出して用
いることもできる。また、精油中の成分を人工的に合成
したものを用いても良い。
【0012】そしてこのようなヨモギ精油または精油成
分が、多孔質微粒子に内包されるのである。多孔質微粒
子は耐熱、耐水、耐食性に優れたものが望ましく、本発
明においては無機多孔質微粒子の使用が好適である。こ
の無機多孔質微粒子を形成する無機化合物としては、ア
ルカリ土類金属の炭酸塩、珪酸塩、燐酸塩、硫酸塩や金
属酸化物、金属水酸化物、その他の金属珪酸塩、あるい
はその他の金属炭酸塩等が使用可能である。
分が、多孔質微粒子に内包されるのである。多孔質微粒
子は耐熱、耐水、耐食性に優れたものが望ましく、本発
明においては無機多孔質微粒子の使用が好適である。こ
の無機多孔質微粒子を形成する無機化合物としては、ア
ルカリ土類金属の炭酸塩、珪酸塩、燐酸塩、硫酸塩や金
属酸化物、金属水酸化物、その他の金属珪酸塩、あるい
はその他の金属炭酸塩等が使用可能である。
【0013】具体的には、アルカリ土類金属の炭酸塩と
しては炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネウム
等が、アルカリ土類金属の珪酸塩としては珪酸カルシウ
ム、珪酸バリウム、珪酸マグネシウム等が、またアルカ
リ土類金属の燐酸塩としては燐酸カルシウム、燐酸バリ
ウム、燐酸マグネシウム等が、そしてまたアルカリ土類
金属の硫酸塩としては硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
硫酸マグネシウム等がそれぞれ挙げられる。
しては炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネウム
等が、アルカリ土類金属の珪酸塩としては珪酸カルシウ
ム、珪酸バリウム、珪酸マグネシウム等が、またアルカ
リ土類金属の燐酸塩としては燐酸カルシウム、燐酸バリ
ウム、燐酸マグネシウム等が、そしてまたアルカリ土類
金属の硫酸塩としては硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
硫酸マグネシウム等がそれぞれ挙げられる。
【0014】さらに金属酸化物としてはシリカ、酸化チ
タン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化亜鉛、酸化ニッケ
ル、酸化マンガン、酸化アルミニウム等が、金属水酸化
物としては水酸化鉄、水酸化ニッケル、水酸化アルミニ
ウム、水酸化カルシウム、水酸化クロム等がそれぞれ挙
げられる。
タン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化亜鉛、酸化ニッケ
ル、酸化マンガン、酸化アルミニウム等が、金属水酸化
物としては水酸化鉄、水酸化ニッケル、水酸化アルミニ
ウム、水酸化カルシウム、水酸化クロム等がそれぞれ挙
げられる。
【0015】そしてその他の金属珪酸塩としては珪酸亜
鉛、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等が、その他
の金属炭酸塩としては炭酸亜鉛、炭酸アルミニウム、炭
酸銅、炭酸マグネシウム等がそれぞれ挙げられる。
鉛、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等が、その他
の金属炭酸塩としては炭酸亜鉛、炭酸アルミニウム、炭
酸銅、炭酸マグネシウム等がそれぞれ挙げられる。
【0016】この無機多孔質微粒子は、既に本出願人が
提案している界面反応法によって製造される。この界面
反応法は無機化合物水溶液の中で、有機溶媒と界面活性
剤により油中水滴型乳濁液(エマルション)を作り、こ
れを別の水溶液と混合することにより、水滴界面で沈殿
反応を起こさせ、無機質殻を形成した後、副生物や界面
活性剤等を除去することにより、中空または中実の無機
多孔質微粒子を得るものである。
提案している界面反応法によって製造される。この界面
反応法は無機化合物水溶液の中で、有機溶媒と界面活性
剤により油中水滴型乳濁液(エマルション)を作り、こ
れを別の水溶液と混合することにより、水滴界面で沈殿
反応を起こさせ、無機質殻を形成した後、副生物や界面
活性剤等を除去することにより、中空または中実の無機
多孔質微粒子を得るものである。
【0017】即ち、無機化合物としてシリカを用いる場
合、一例としてまず水ガラス溶液をソルビタンモノステ
アレートとポリオキシエチレンソルビタンモノオレエー
ト混合物の局方流動パラフィン溶液と共に乳化し、油中
水滴型乳濁液を調整し、さらに硫酸アンモニウム溶液に
加えて反応させて放置する。続いて濾過、洗浄、乾燥を
行うことにより、壁物質が無水珪酸からなる中空の無機
多孔質微粒子が得られるのである。
合、一例としてまず水ガラス溶液をソルビタンモノステ
アレートとポリオキシエチレンソルビタンモノオレエー
ト混合物の局方流動パラフィン溶液と共に乳化し、油中
水滴型乳濁液を調整し、さらに硫酸アンモニウム溶液に
加えて反応させて放置する。続いて濾過、洗浄、乾燥を
行うことにより、壁物質が無水珪酸からなる中空の無機
多孔質微粒子が得られるのである。
【0018】次いで、図1に示す如き機器構成のもと
で、前記工程により得られた無機多孔質微粒子の中空部
に、カワラヨモギから圧搾法により分離したヨモギ精油
を導入した。本装置は、排気バルブ2とリークバルブ3
を設けた真空チャンバー1と精油タンク4とが、導入バ
ルブ5を介して接続されているものであり、真空チャン
バー1内で無機多孔質微粒子を減圧することによって、
常圧状態下にある精油を圧力差を利用して中空部に導入
するものである。そしてその概略工程の一例が以下に示
されるのである。
で、前記工程により得られた無機多孔質微粒子の中空部
に、カワラヨモギから圧搾法により分離したヨモギ精油
を導入した。本装置は、排気バルブ2とリークバルブ3
を設けた真空チャンバー1と精油タンク4とが、導入バ
ルブ5を介して接続されているものであり、真空チャン
バー1内で無機多孔質微粒子を減圧することによって、
常圧状態下にある精油を圧力差を利用して中空部に導入
するものである。そしてその概略工程の一例が以下に示
されるのである。
【0019】まず無機多孔質微粒子6を真空チャンバー
1内にセットし、リークバルブ3、導入バルブ5を閉じ
るとももに排気バルブ2を開いて、真空チャンバー1内
を10〜10-3torrに減圧する。つぎに排気バルブ
2を閉じて真空チャンバー1内の排気を終了し、導入バ
ルブ5を開く。この時精油タンク4内は大気圧であるた
め、圧力差によって精油7が真空チャンバー1内に導入
される。真空チャンバー1内の排気によって無機多孔質
微粒子6の中空部も減圧状態にあるので、真空チャンバ
ー1内に導入された精油7は無機多孔質微粒子6内部の
中空部に浸透する。続いてリークバルブ3を開いて真空
チャンバー1を大気圧に戻した後に濾過等によって過剰
の精油を分離し、精油を内包した無機多孔質微粒子が得
られるのである。ここで用いられうる無機多孔質微粒子
は、例えば粒径で0.1〜300μm、壁厚で0.05
〜150μm、空孔径で2nm〜2μm、そして嵩密度
で0.1〜5cc/g程度のものであり、内包後におけ
るヨモギ精油の重量比は10%〜80%程度とすること
が好ましい。こうして作製されたヨモギ精油を内包した
無機多孔質微粒子の概略断面構造が図2として示され
る。図例のものは壁物質が無水珪酸からなる中空の無機
多孔質微粒子6内に、ヨモギ精油7が内包されているも
のであり、壁面に存在する無数の空孔8・・・より精油
成分が徐々に蒸散し、ヨモギ精油の持つ抗菌作用を、長
時間にわたって持続させることができるのである。尚、
図3に示しているような、中実の無機多孔質微粒子9の
空隙部10に前記ヨモギ精油7を含浸させることもでき
る。
1内にセットし、リークバルブ3、導入バルブ5を閉じ
るとももに排気バルブ2を開いて、真空チャンバー1内
を10〜10-3torrに減圧する。つぎに排気バルブ
2を閉じて真空チャンバー1内の排気を終了し、導入バ
ルブ5を開く。この時精油タンク4内は大気圧であるた
め、圧力差によって精油7が真空チャンバー1内に導入
される。真空チャンバー1内の排気によって無機多孔質
微粒子6の中空部も減圧状態にあるので、真空チャンバ
ー1内に導入された精油7は無機多孔質微粒子6内部の
中空部に浸透する。続いてリークバルブ3を開いて真空
チャンバー1を大気圧に戻した後に濾過等によって過剰
の精油を分離し、精油を内包した無機多孔質微粒子が得
られるのである。ここで用いられうる無機多孔質微粒子
は、例えば粒径で0.1〜300μm、壁厚で0.05
〜150μm、空孔径で2nm〜2μm、そして嵩密度
で0.1〜5cc/g程度のものであり、内包後におけ
るヨモギ精油の重量比は10%〜80%程度とすること
が好ましい。こうして作製されたヨモギ精油を内包した
無機多孔質微粒子の概略断面構造が図2として示され
る。図例のものは壁物質が無水珪酸からなる中空の無機
多孔質微粒子6内に、ヨモギ精油7が内包されているも
のであり、壁面に存在する無数の空孔8・・・より精油
成分が徐々に蒸散し、ヨモギ精油の持つ抗菌作用を、長
時間にわたって持続させることができるのである。尚、
図3に示しているような、中実の無機多孔質微粒子9の
空隙部10に前記ヨモギ精油7を含浸させることもでき
る。
【0020】ここで用いたヨモギ精油はカワラヨモギか
ら分離したものであり、この精油中にはカピリン、カピ
レン、カピロン、カピラリン、ノルカピレン、カピラノ
ール等が含まれている。従って本例は特に特定成分のみ
を抽出分離しない例として説明したものであり、例えば
カピラリン等の特定成分のみを抽出したり、同成分を人
工的に合成したものを用いることもでき、また他のヨモ
ギを用いることも可能であり、本実施例に限られるもの
ではない。
ら分離したものであり、この精油中にはカピリン、カピ
レン、カピロン、カピラリン、ノルカピレン、カピラノ
ール等が含まれている。従って本例は特に特定成分のみ
を抽出分離しない例として説明したものであり、例えば
カピラリン等の特定成分のみを抽出したり、同成分を人
工的に合成したものを用いることもでき、また他のヨモ
ギを用いることも可能であり、本実施例に限られるもの
ではない。
【0021】そして、こうして得られたヨモギ精油を内
包した無機多孔質微粒子をコーティング樹脂中に分散し
たコーティング組成物を、表裏面の少なくとも片面に形
成し、抗菌機能を有する寝具とするのである。そしてこ
のコーティング樹脂としてはポリウレタンや、シリコー
ン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹
脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、その他ポリエステ
ル系やアクリル系の樹脂等が使用可能であり、空気との
接触面積を大きくしてより抗菌性を高めるため、多孔質
の樹脂膜が得られるコーティング樹脂及び形成方法がよ
り好ましいのである。この多孔質の樹脂膜を得るために
は、前記コーティング樹脂中にペンタン、フレオン(11)
等の物理的発泡剤、重炭酸ナトリウム、アゾジカルボン
アミド等の分解型発泡剤を添加すればよい。またこれら
の他にも、ポリケイ皮ビニル等に代表される光架橋型感
光性樹脂や、不飽和ポリマーやビニルモノマーを主成分
とする光重合型感光性樹脂等のいわゆる紫外線硬化樹脂
と呼ばれるものも使用可能である。
包した無機多孔質微粒子をコーティング樹脂中に分散し
たコーティング組成物を、表裏面の少なくとも片面に形
成し、抗菌機能を有する寝具とするのである。そしてこ
のコーティング樹脂としてはポリウレタンや、シリコー
ン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹
脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、その他ポリエステ
ル系やアクリル系の樹脂等が使用可能であり、空気との
接触面積を大きくしてより抗菌性を高めるため、多孔質
の樹脂膜が得られるコーティング樹脂及び形成方法がよ
り好ましいのである。この多孔質の樹脂膜を得るために
は、前記コーティング樹脂中にペンタン、フレオン(11)
等の物理的発泡剤、重炭酸ナトリウム、アゾジカルボン
アミド等の分解型発泡剤を添加すればよい。またこれら
の他にも、ポリケイ皮ビニル等に代表される光架橋型感
光性樹脂や、不飽和ポリマーやビニルモノマーを主成分
とする光重合型感光性樹脂等のいわゆる紫外線硬化樹脂
と呼ばれるものも使用可能である。
【0022】本発明では前記ヨモギ精油を内包した無機
多孔質微粒子を、前記コーティング樹脂に混合してコー
ティング組成物とし、少なくともシーツや夜着等の寝具
の片面、望ましくは皮膚と接触する面に形成するわけで
あるが、作業性の点からは液状のコーティング組成物を
塗布形成することが望ましい。また、この場合のコーテ
ィング樹脂に対する無機多孔質微粒子の添加量として
は、コーティング樹脂固形物100に対して1%〜50
%が良く、特に5%〜20%の範囲が好適である。少な
い場合は抗菌効果が弱くなり、また多い場合は抗菌効果
は強いものの、塗布膜の強度が弱くなってしまう。
多孔質微粒子を、前記コーティング樹脂に混合してコー
ティング組成物とし、少なくともシーツや夜着等の寝具
の片面、望ましくは皮膚と接触する面に形成するわけで
あるが、作業性の点からは液状のコーティング組成物を
塗布形成することが望ましい。また、この場合のコーテ
ィング樹脂に対する無機多孔質微粒子の添加量として
は、コーティング樹脂固形物100に対して1%〜50
%が良く、特に5%〜20%の範囲が好適である。少な
い場合は抗菌効果が弱くなり、また多い場合は抗菌効果
は強いものの、塗布膜の強度が弱くなってしまう。
【0023】液状のコーティング組成物を得るために
は、コーティング樹脂を有機溶剤に溶解させたり、乳濁
液や水溶液としたり、加熱硬化型の樹脂を用いたり、ま
たは加熱溶融によって熱可塑性樹脂を液状化し、さらに
は紫外線硬化型の樹脂を用い、これに前記無機多孔質微
粒子を添加して攪拌機や3本ロールミル等で混練すれば
良い。有機溶剤等に溶解する場合のコーティング組成物
の濃度としては、1%〜40%が良く、特に5%〜20
%の範囲とすることが好ましい。また粘度については1
00cps〜200,000cpsが良く、用いる塗布
方法によって適宜最適値が設定される。
は、コーティング樹脂を有機溶剤に溶解させたり、乳濁
液や水溶液としたり、加熱硬化型の樹脂を用いたり、ま
たは加熱溶融によって熱可塑性樹脂を液状化し、さらに
は紫外線硬化型の樹脂を用い、これに前記無機多孔質微
粒子を添加して攪拌機や3本ロールミル等で混練すれば
良い。有機溶剤等に溶解する場合のコーティング組成物
の濃度としては、1%〜40%が良く、特に5%〜20
%の範囲とすることが好ましい。また粘度については1
00cps〜200,000cpsが良く、用いる塗布
方法によって適宜最適値が設定される。
【0024】コーティング組成物の塗布方法としては、
粘性流体を塗布できるものであれば使用可能であり、特
に限定されるものではない。一般的にはエアナイフコー
ター、カーテンコーター、キスロールコーター、キャス
トコーター、グラビアロールコーター、コンマダイレク
トコーター、コンマリバースコーター、スリットコータ
ー、ナイフオーバーロールコーター、ニップロールコー
ター、フローティングナイフコーター、リバースロール
コーター、ロールドクターコーター、スプレー方式等の
塗布方法が使用可能である。しかしながら一方で、本発
明の目的の一つである傷病患者用の寝具という観点から
は、特に通気性と抗菌性とをバランス良く両立させるこ
とが必要であり、全面に塗布するよりも例えば格子状や
島状に、即ち、塗布されない面を残しうる塗布方法が好
ましい。このような塗布方法としては特に印刷方法が適
しており、必要に応じて個々の印刷方法を適宜選択すれ
ば良いが、その中でも特にスクリーン印刷法が好適であ
る。
粘性流体を塗布できるものであれば使用可能であり、特
に限定されるものではない。一般的にはエアナイフコー
ター、カーテンコーター、キスロールコーター、キャス
トコーター、グラビアロールコーター、コンマダイレク
トコーター、コンマリバースコーター、スリットコータ
ー、ナイフオーバーロールコーター、ニップロールコー
ター、フローティングナイフコーター、リバースロール
コーター、ロールドクターコーター、スプレー方式等の
塗布方法が使用可能である。しかしながら一方で、本発
明の目的の一つである傷病患者用の寝具という観点から
は、特に通気性と抗菌性とをバランス良く両立させるこ
とが必要であり、全面に塗布するよりも例えば格子状や
島状に、即ち、塗布されない面を残しうる塗布方法が好
ましい。このような塗布方法としては特に印刷方法が適
しており、必要に応じて個々の印刷方法を適宜選択すれ
ば良いが、その中でも特にスクリーン印刷法が好適であ
る。
【0025】また印刷以外の塗布方法においても、塗布
せんとする寝具上に適当なマスキングを施して塗布する
ことにより、上述のように格子状や島状に形成すること
が可能となる。このマスキングは、コーティング組成物
を遮蔽できるものであれば特別に限定されるものではな
く、例えばネット等を用いることにより、木目細かく塗
布することが可能となる。
せんとする寝具上に適当なマスキングを施して塗布する
ことにより、上述のように格子状や島状に形成すること
が可能となる。このマスキングは、コーティング組成物
を遮蔽できるものであれば特別に限定されるものではな
く、例えばネット等を用いることにより、木目細かく塗
布することが可能となる。
【0026】さらに適当な塗布用布帛の全面に前述の塗
布方法によりコーティング組成物を塗布し、目的の寝具
上に転写することもできる。このようにすることによ
り、塗布用布帛の布目に対応した極めて木目細かい塗布
面が実現可能となるのである。またこの時、転写に用い
る塗布用布帛を回転可能なローラー面上に設け、該ロー
ラーを回転させることによって転写させることも一考で
ある。
布方法によりコーティング組成物を塗布し、目的の寝具
上に転写することもできる。このようにすることによ
り、塗布用布帛の布目に対応した極めて木目細かい塗布
面が実現可能となるのである。またこの時、転写に用い
る塗布用布帛を回転可能なローラー面上に設け、該ロー
ラーを回転させることによって転写させることも一考で
ある。
【0027】またさらには、表面に微小凹凸や細条溝を
設けた金属製ローラー等を用いて転写することも可能で
ある。そしてこのローラーに中空のものを用い、表面に
前記微小凹凸や細条溝とともに微小な吐出孔を設け、中
空部にコーティング組成物を連続供給することによって
前記吐出孔よりコーティング組成物を吐出させ、連続的
に転写させることも作業性向上の一助となるのである。
図4にはこのような金属ローラーを用いた塗布方法の概
略を示している。図中20は表面に微小凸部21を設け
た中空の金属ローラーであり、中空部に充填し、且つ連
続供給されるコーティング組成物22を、前記微小凸部
21に設けた吐出孔23より吐出させながら、金属ロー
ラー20の回転とともに寝具24上に、コーティング組
成物層25を形成するものである。この際ローラーにヒ
ーターを内蔵しておき、コーティング組成物を加熱しな
がら塗布作業を行うことにより、加熱溶融型のコーティ
ング樹脂の使用がより容易となる。この時の加熱温度
を、無機多孔質微粒子内の精油が活発に蒸散しうる温度
に設定しておけば、コーティング組成物の硬化ととも
に、速やかに良好な抗菌効果を発揮することができる。
また有機溶剤に溶解したるコーティング組成物において
は、ローラー温度を調節することにより、コーティング
組成物の粘度を制御することができ、これによっても作
業性を向上させることができるのである。そして図5
(イ)の断面図および(ロ)の平面図に示すように、寝
具24上にコーティング組成物層25が形成されるので
ある。図例のものは、格子状の微少凸部21を有する金
属ローラー20によって塗布された場合の形成態様であ
る。このコーティング組成物層25の形成態様は、ここ
での例に限られるものではなく、様々のパターンや模様
で形成可能である。
設けた金属製ローラー等を用いて転写することも可能で
ある。そしてこのローラーに中空のものを用い、表面に
前記微小凹凸や細条溝とともに微小な吐出孔を設け、中
空部にコーティング組成物を連続供給することによって
前記吐出孔よりコーティング組成物を吐出させ、連続的
に転写させることも作業性向上の一助となるのである。
図4にはこのような金属ローラーを用いた塗布方法の概
略を示している。図中20は表面に微小凸部21を設け
た中空の金属ローラーであり、中空部に充填し、且つ連
続供給されるコーティング組成物22を、前記微小凸部
21に設けた吐出孔23より吐出させながら、金属ロー
ラー20の回転とともに寝具24上に、コーティング組
成物層25を形成するものである。この際ローラーにヒ
ーターを内蔵しておき、コーティング組成物を加熱しな
がら塗布作業を行うことにより、加熱溶融型のコーティ
ング樹脂の使用がより容易となる。この時の加熱温度
を、無機多孔質微粒子内の精油が活発に蒸散しうる温度
に設定しておけば、コーティング組成物の硬化ととも
に、速やかに良好な抗菌効果を発揮することができる。
また有機溶剤に溶解したるコーティング組成物において
は、ローラー温度を調節することにより、コーティング
組成物の粘度を制御することができ、これによっても作
業性を向上させることができるのである。そして図5
(イ)の断面図および(ロ)の平面図に示すように、寝
具24上にコーティング組成物層25が形成されるので
ある。図例のものは、格子状の微少凸部21を有する金
属ローラー20によって塗布された場合の形成態様であ
る。このコーティング組成物層25の形成態様は、ここ
での例に限られるものではなく、様々のパターンや模様
で形成可能である。
【0028】そしてコーティング組成物を塗布する面積
の比率は、微粒子の添加比率や精油成分、或いは寝具の
種類等によって適宜設定すれば良い。これはネット等の
マスキングや転写用布帛の目の粗さを変えたり、転写用
ローラーの微小凹凸や細条溝の形成態様を変えることに
より容易に変更することができる。また逆に全面に形成
しても良い。この場合にはマスキングを用いずに塗布し
たり、転写においてはローラー表面に微小凹凸や細条溝
を設けなければ良い。
の比率は、微粒子の添加比率や精油成分、或いは寝具の
種類等によって適宜設定すれば良い。これはネット等の
マスキングや転写用布帛の目の粗さを変えたり、転写用
ローラーの微小凹凸や細条溝の形成態様を変えることに
より容易に変更することができる。また逆に全面に形成
しても良い。この場合にはマスキングを用いずに塗布し
たり、転写においてはローラー表面に微小凹凸や細条溝
を設けなければ良い。
【0029】こうして塗布されたコーティング組成物層
は、乾式法または湿式法によって硬化されるのである。
このうち乾式法については、塗布後に適当な熱処理を施
せば良い。この熱処理を施す際には、コーティング組成
物の硬化時におけるクラック等を防止するため、低温域
から高温域まで徐々に昇温することや、寝具面からのみ
熱を加えてコーティング組成物層の表層部が先に硬化し
ないようにすることも一考である。そしてここでも加熱
温度を、無機多孔質微粒子内の精油が活発に蒸散しうる
温度に設定しておけば、コーティング組成物の硬化とと
もに、速やかに良好な抗菌効果を発揮することができ
る。熱処理の熱源としては熱風乾燥やスチーム、赤外線
や電子線の照射等の方法が利用可能であり、コーティン
グ樹脂として前述の紫外線硬化樹脂等の光反応性のもの
を用いる場合は、水銀ランプやメタルハライドランプに
よる紫外線照射を施すと良い。
は、乾式法または湿式法によって硬化されるのである。
このうち乾式法については、塗布後に適当な熱処理を施
せば良い。この熱処理を施す際には、コーティング組成
物の硬化時におけるクラック等を防止するため、低温域
から高温域まで徐々に昇温することや、寝具面からのみ
熱を加えてコーティング組成物層の表層部が先に硬化し
ないようにすることも一考である。そしてここでも加熱
温度を、無機多孔質微粒子内の精油が活発に蒸散しうる
温度に設定しておけば、コーティング組成物の硬化とと
もに、速やかに良好な抗菌効果を発揮することができ
る。熱処理の熱源としては熱風乾燥やスチーム、赤外線
や電子線の照射等の方法が利用可能であり、コーティン
グ樹脂として前述の紫外線硬化樹脂等の光反応性のもの
を用いる場合は、水銀ランプやメタルハライドランプに
よる紫外線照射を施すと良い。
【0030】一方、湿式法については、凝固浴として水
や水と有機溶媒からなる水溶液等が用いられる。
や水と有機溶媒からなる水溶液等が用いられる。
【0031】このようにして作製された寝具は、その表
面にコーティング樹脂によってヨモギ精油を内包した無
機多孔質微粒子が担持されているため、前記微粒子の微
小孔より内包したるヨモギ精油中の抗菌成分が徐々に蒸
散し、長時間にわたって抗菌機能を有する寝具となるの
である。
面にコーティング樹脂によってヨモギ精油を内包した無
機多孔質微粒子が担持されているため、前記微粒子の微
小孔より内包したるヨモギ精油中の抗菌成分が徐々に蒸
散し、長時間にわたって抗菌機能を有する寝具となるの
である。
【0032】そして例えば病院用のシーツに応用する場
合には、床擦れ時の化膿防止の観点から、患者の横臥時
における背中部分にのみ形成したりすることも有効であ
る。そして図6はシーツへの応用例を示したものであ
り、シーツ30の表面のうち患者の横臥時における背中
部分にのみ格子状の前記コーティング組成物層25を形
成したものである。また夜着等においてその内面に前記
コーティング層が塗布しにくい場合には、別途コーティ
ング樹脂層を形成した抗菌性布帛を、寝具表面に縫製加
工によって取り付けることもできる。また、この抗菌性
布帛をボタン、ファスナー、マジックテープ等の着脱手
段によって、寝具本体に対して取り替え自在としておく
ことも衛生面においてより有効である。そして図7に
は、このような着脱自在の抗菌性布帛をシーツに応用し
た例が示されている。図例のものは前述の例と同様、シ
ーツ30の表面のうち患者の横臥時における背中部分に
のみ、格子状のコーティング組成物層25を形成した抗
菌性布帛31をファスナー32によって着脱自在に取り
付けたものである。このようにすることによって優れた
抗菌効果と経済性とを両立することができるのである。
そしてこれらはシーツの他にも夜着や下着あるいは枕カ
バー等、特に傷病患者用の寝具全般に幅広く応用可能で
ある。
合には、床擦れ時の化膿防止の観点から、患者の横臥時
における背中部分にのみ形成したりすることも有効であ
る。そして図6はシーツへの応用例を示したものであ
り、シーツ30の表面のうち患者の横臥時における背中
部分にのみ格子状の前記コーティング組成物層25を形
成したものである。また夜着等においてその内面に前記
コーティング層が塗布しにくい場合には、別途コーティ
ング樹脂層を形成した抗菌性布帛を、寝具表面に縫製加
工によって取り付けることもできる。また、この抗菌性
布帛をボタン、ファスナー、マジックテープ等の着脱手
段によって、寝具本体に対して取り替え自在としておく
ことも衛生面においてより有効である。そして図7に
は、このような着脱自在の抗菌性布帛をシーツに応用し
た例が示されている。図例のものは前述の例と同様、シ
ーツ30の表面のうち患者の横臥時における背中部分に
のみ、格子状のコーティング組成物層25を形成した抗
菌性布帛31をファスナー32によって着脱自在に取り
付けたものである。このようにすることによって優れた
抗菌効果と経済性とを両立することができるのである。
そしてこれらはシーツの他にも夜着や下着あるいは枕カ
バー等、特に傷病患者用の寝具全般に幅広く応用可能で
ある。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の抗菌機能
を有する寝具は、内部に抗菌性を有するヨモギ精油や同
精油成分を含む無機多孔質微粒子を、コーティング組成
物とともにその表面に形成しているので、その微小孔よ
り抗菌性成分がほどよく長期にわたって蒸散し続け、抗
菌作用を長期にわたって維持することができる。また、
内部に含まれるヨモギ精油や同精油成分は、ヨモギが食
用であることからも人体に対してカブレ等の悪影響を与
えないのである。さらにこの無機多孔質微粒子も無機化
合物で構成されているため、人体に対する影響もなく、
また高い信頼性を有するものである。従って本発明の寝
具は、特に傷病患者用の抗菌性あるいは痒み止め機能を
有する寝具として極めて好適である。
を有する寝具は、内部に抗菌性を有するヨモギ精油や同
精油成分を含む無機多孔質微粒子を、コーティング組成
物とともにその表面に形成しているので、その微小孔よ
り抗菌性成分がほどよく長期にわたって蒸散し続け、抗
菌作用を長期にわたって維持することができる。また、
内部に含まれるヨモギ精油や同精油成分は、ヨモギが食
用であることからも人体に対してカブレ等の悪影響を与
えないのである。さらにこの無機多孔質微粒子も無機化
合物で構成されているため、人体に対する影響もなく、
また高い信頼性を有するものである。従って本発明の寝
具は、特に傷病患者用の抗菌性あるいは痒み止め機能を
有する寝具として極めて好適である。
【0034】また本発明の前記寝具は、前述のようにそ
の製造時において無機多孔質微粒子とコーティング樹脂
とからなるコーティング組成物を表面に形成するため、
塗布等の極めて経済的な方法で形成することができるの
である。
の製造時において無機多孔質微粒子とコーティング樹脂
とからなるコーティング組成物を表面に形成するため、
塗布等の極めて経済的な方法で形成することができるの
である。
【図1】本発明に用いられる無機多孔質微粒子へのヨモ
ギ精油注入方法の一例を表す説明図
ギ精油注入方法の一例を表す説明図
【図2】本発明に用いられるヨモギ精油を内包した無機
多孔質微粒子の一例を表す断面説明図
多孔質微粒子の一例を表す断面説明図
【図3】本発明に用いられるヨモギ精油を含浸した無機
多孔質微粒子の一例を表す断面説明図
多孔質微粒子の一例を表す断面説明図
【図4】本発明における寝具表面へのコーティング組成
物の塗布方法の一例を表す説明図
物の塗布方法の一例を表す説明図
【図5】コーティング組成物の塗布態様の一例を表す説
明図で、(イ)は要部断面図、(ロ)は要部平面図
明図で、(イ)は要部断面図、(ロ)は要部平面図
【図6】本発明の一実施例を表す説明用平面図
【図7】本発明の一実施例を表す説明用平面図
1 真空チャンバー 2 排気バルブ 3 リークバルブ 4 精油タンク 5 導入バルブ 6、9 無機多孔質微粒子 7 精油 8 空孔 10 空隙部 20 金属ローラー 21 微少凸部 22 コーティング組成物 23 吐出孔 24 寝具 25 コーティング組成物層 30 シーツ 31 抗菌性布帛 32 ファスナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−137553(JP,A) 実開 昭61−182723(JP,U) 実開 平3−70142(JP,U) 実開 昭52−103918(JP,U)
Claims (1)
- 【請求項1】ヨモギ属植物から分離された精油または該
精油成分を多孔質無機化合物に内包または含浸した無機
多孔質微粒子をコーティング樹脂に分散してなるコーテ
ィング組成物を、表裏面の少なくとも片面に形成したこ
とを特徴とする抗菌機能を有する寝具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5045796A JP2636663B2 (ja) | 1993-02-10 | 1993-02-10 | 抗菌機能を有する寝具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5045796A JP2636663B2 (ja) | 1993-02-10 | 1993-02-10 | 抗菌機能を有する寝具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06233718A JPH06233718A (ja) | 1994-08-23 |
JP2636663B2 true JP2636663B2 (ja) | 1997-07-30 |
Family
ID=12729244
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5045796A Expired - Fee Related JP2636663B2 (ja) | 1993-02-10 | 1993-02-10 | 抗菌機能を有する寝具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2636663B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20020034795A (ko) * | 2000-11-03 | 2002-05-09 | 안정오 | 약초에 금이나 은 , 또는 동금속의 함유제법 |
-
1993
- 1993-02-10 JP JP5045796A patent/JP2636663B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06233718A (ja) | 1994-08-23 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
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