JP2636104B2 - 強靱球状黒鉛鋳鉄 - Google Patents
強靱球状黒鉛鋳鉄Info
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Description
性に優れた球状黒鉛鋳鉄に関する。
さ等の機械的強度に優れていることから、従来、鋳鉄・
可鍛鋳鉄・鍛鋼などで造られていた、例えば自動車用部
材や、土木建設用部材等が、経済性及び品質の点からダ
クタイル鋳鉄へ転換する傾向が加速されていることは周
知のことである。
(引張り強さ:41〜43kg/mm2、伸び:19〜28%)、FC
D60(引張り強さ:67〜85kg/mm2、伸び:2.2 〜7.3
%)、FCD70(引張り強さ:76〜95kg/mm2、伸び:
2.1 〜5.5 %)が適宜各部材に適用されている。前記F
CD40は焼なましを行い完全なフエライト組織とな
り、FCD60は一般的に鋳放しでパーライト組織を
得、FCD70は焼なましを行いソルビティックパーラ
イト組織が得られる。
性であるが強度が低く、FCD60,70はいずれも高
強度であるが靱性が低い。ところが、部品よっては高強
度、高靱性を要求されるものがあり、上記強靱球状黒鉛
鋳鉄以外に組成を変更したものが提案されているが、こ
れらは鋳造品に焼鈍、焼準などの熱処理が施されてい
た。
格が高くなるという欠点があった。そこで、これまで鋳
放しで高強度、高靱性を得ようとする試みが多くなされ
てきたが、JIS規格を満足する域を出ず、鋳放しで引
張り強さが60kg/mm2以上、伸びが10%以上のような高強
度、高靱性を有する球状黒鉛鋳鉄が得られなかった。な
お、上記従来技術の他に、化学組成にCr,Mo等の元
素を特定数値条件値のもとに添加することにより、鋳放
しで引張り強度が60kg/mm 2 以上、伸びが10%以上のよう
な高強度、強靱性を有する球状黒鉛鋳鉄が特開昭59−
193242号として公知であるが、これは特に高価な
Moが使用されている上に、CrとMoを特定数値条件
のもとに添加しなければならないという大きな制約があ
った。
靱性の球状黒鉛鋳鉄を安価に提供することを目的とす
る。
に講じられた本発明の特徴とするところは、化学組成が
重量%で、 C : 2.6〜 3.3%、 Si:3.7 〜4.5 %、 Mn: 0.2〜0.7 %、 P : 0.06 %以下、 S :0.01%以下、 Mg:0.03〜0.06%、 Cr: 0.07 〜0.15%但し、上記組成以外にMoを添加せず( 不可避的に混入
してくる不純物としてのMo量はこの限りでない) 、 残部
実質的にFeからなり、鋳放しで引張り強さが60kg/mm2
以上、伸びが10%以上である強靱球状黒鉛鋳鉄であり
(請求項1)、また化学組成が重量%で、 C : 2.6〜 3.3%、 Si:3.7 〜4.5 %、 Mn: 0.2〜0.7 %、 P : 0.06 %以下、 S :0.01%以下、 Mg:0.03〜0.06%、 Cu: 0.2〜0.5 % 残部実質的にFeからなり、鋳放しで引張り強さが60kg
/mm 2 以上、伸びが10%以上である強靱球状黒鉛鋳鉄であ
り(請求項2)、 また、化学組成が重量%で、 C : 2.6〜 3.3%、 Si:3.7 〜4.5 %、 Mn: 0.2〜0.7 %、 P : 0.06 %以下、 S :0.01%以下、 Mg:0.03〜0.06%、 Cr+Cu: 0.2〜0.5 %(但し、Crは0.13%以下) 残部実質的にFeからなり、鋳放しで引張り強さが60kg
/mm 2 以上、伸びが10%以上である強靱球状黒鉛鋳鉄であ
る(請求項3)。
基本組成は、 C : 2.6〜 3.3%、 Si:3.7 〜4.5 %、 Mn: 0.2〜0.7 %、 P : 0.06 %以下、 S :0.01%以下、 Mg:0.03〜0.06%、 であり、従来のFCD40,60,70等と比較して低
C、高Si、低Pであり、基本組成を面積率90%以上の
フエライト組織の靱性を維持するため微量のCr: 0.0
7 〜0.15%、又はCu: 0.2〜0.5 %、又はCr+C
u: 0.2〜0.5%(但し、Crは0.13%以下)を添加す
るのである。なお、残部は実質的にFeである。
なお、Mn,S,Mgは通常のダクタイル鋳鉄と比べて
別段の特色がないので、限定理由の記載は省略する。C
は,2.6 %未満であるとチル化傾向が強くなり、Si量
を4 %以上に増加させても高い伸びが得られない。一
方、Cが, 3.3 %超では、Siが4 %を超えると黒鉛の
析出が多くなり、高い引張り強さが得られない。以上の
理由からCを,2.6 〜 3.3%に限定した。
満ではパーライトの析出が多くなり、高い伸びが得られ
ない。一方、Siが4.5 %超では、シリコフエライト析
出により伸びが低下する。以上の理由からSiを,3.7〜
4.5 %に限定した。Pは,0.06%を超えると伸びが急激
に低下するので、Pを,0.06 %以下に限定した。
0.07%未満では高い引張り強さが得られず、0.15%超で
は高い伸びが得られないので、Crを 0.07 〜0.15%に
限定した。Cuは, 本発明の上記基本組成において、0.
2 %未満では高い引張り強さが得られず、0.5 %超では
高い伸びが得られないので、Cuを 0.2〜0.5 %に限定
した。
合と同様、本発明の上記基本組成において、0.2 %未満
では高い引張り強さが得られず、0.5 %超では高い伸び
が得られないので、Cr+Cuを 0.2〜0.5 %(但し、
Crは0.13%以下)に限定した。なお、上記組成中にお
いて、Moについては言及していないが、特に請求項1
の発明においては、C,Si,Mn,P,S,Mg,C
rの特定組成において不可避的に混入してくるMoはと
も角、Moを積極的に加えない。なお、請求項2の発明
については特定組成中にCrは存在しないが、前記同様
に不可避的に混入してくるMoはとも角、Moを積極的
に加えないことが好ましい。また、請求項3の発明につ
いては請求項1の上記の記載と同様である。
例鋳鉄を示す。
に記載の球状黒鉛鋳鉄の供試材No. は次の通りであり、
他は比較例供試材No. である。 請求項1 No. 2,3,4,9,10,11,13,14,15,23,24 請求項2 No. 18,19,20 請求項3 No. 27,28,30,32,33,34,35,37,38,39 これらはいずれも鋳放しで、引張り強さが60kg/mm2以
上、伸びが10%以上の数値を示しており、高強度、高靱
性の物性を備えていることが判る。
たNo.42 を除き、鋳放しのままの機械的性質を示した。
入してくる不純物としてのMo以外は高価なMoを積極
的に添加しなくても、鋳放しのままで引張り強さが60kg
/mm2以上、伸びが10%以上の如く、高強度、高靱性の機
械的強度を備えたものが得られ、しかも、熱処理が必要
でなく、安価に生産できる。従って高強度、高靱性を要
求される自動車用部材、土木建設用部材等に使用でき
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 化学組成が重量%で、 C : 2.6〜 3.3%、 Si:3.7 〜4.5 %、 Mn: 0.2〜0.7 %、 P : 0.06 %以下、 S :0.01%以下、 Mg:0.03〜0.06%、 Cr: 0.07 〜0.15%但し、上記組成以外にMoを添加せず( 不可避的に混入
してくる不純物としてのMo量はこの限りでない) 、 残部
実質的にFeからなり、鋳放しで引張り強さが60kg/mm2
以上、伸びが10%以上であることを特徴とする強靱球状
黒鉛鋳鉄。 - 【請求項2】 化学組成が重量%で、 C : 2.6〜 3.3%、 Si:3.7 〜4.5 %、 Mn: 0.2〜0.7 %、 P : 0.06 %以下、 S :0.01%以下、 Mg:0.03〜0.06%、 Cu: 0.2〜0.5 % 残部実質的にFeからなり、鋳放しで引張り強さが60kg
/mm2以上、伸びが10%以上であることを特徴とする強靱
球状黒鉛鋳鉄。 - 【請求項3】 化学組成が重量%で、 C : 2.6〜 3.3%、 Si:3.7 〜4.5 %、 Mn: 0.2〜0.7 %、 P : 0.06 %以下、 S :0.01%以下、 Mg:0.03〜0.06%、 Cr+Cu: 0.2〜0.5 %(但し、Crは0.13%以下) 残部実質的にFeからなり、鋳放しで引張り強さが60kg
/mm2以上、伸びが10%以上であることを特徴とする強靱
球状黒鉛鋳鉄。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3288877A JP2636104B2 (ja) | 1991-11-05 | 1991-11-05 | 強靱球状黒鉛鋳鉄 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3288877A JP2636104B2 (ja) | 1991-11-05 | 1991-11-05 | 強靱球状黒鉛鋳鉄 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05125480A JPH05125480A (ja) | 1993-05-21 |
JP2636104B2 true JP2636104B2 (ja) | 1997-07-30 |
Family
ID=17735924
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3288877A Expired - Lifetime JP2636104B2 (ja) | 1991-11-05 | 1991-11-05 | 強靱球状黒鉛鋳鉄 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2636104B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
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JP4698098B2 (ja) * | 2001-09-28 | 2011-06-08 | 株式会社クボタ | 高強度高耐食性ダクタイル鋳鉄 |
JP5839461B2 (ja) * | 2011-10-07 | 2016-01-06 | 曙ブレーキ工業株式会社 | 球状黒鉛鋳鉄の製造方法、および、球状黒鉛鋳鉄を用いた車両用部品の製造方法 |
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JP5875538B2 (ja) * | 2013-02-01 | 2016-03-02 | 株式会社リケン | 鋳鉄及びブレーキ部品 |
JP6670779B2 (ja) * | 2017-03-16 | 2020-03-25 | 株式会社Ijtt | 球状黒鉛鋳鉄及び排気系部品 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS59193242A (ja) * | 1983-04-19 | 1984-11-01 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 高珪素球状黒鉛鋳鉄 |
-
1991
- 1991-11-05 JP JP3288877A patent/JP2636104B2/ja not_active Expired - Lifetime
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