JP2635520B2 - リグノセルロース系軽量成形物 - Google Patents

リグノセルロース系軽量成形物

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JP2635520B2 JP6221475A JP22147594A JP2635520B2 JP 2635520 B2 JP2635520 B2 JP 2635520B2 JP 6221475 A JP6221475 A JP 6221475A JP 22147594 A JP22147594 A JP 22147594A JP 2635520 B2 JP2635520 B2 JP 2635520B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維状リグノセルロー
スに限定せず、あらゆる形状のリグノセルロースを主体
とする断熱材、緩衝材、吸音材などとして有用なリグノ
セルロース系軽量成形物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の木質軽量成形物としてはリグノセ
ルロースの繊維を原料としたファイバーボード(インシ
ュレイションボード、中質繊維板(MDF)、ハードボー
ド)や、故紙や綿屑(リンター)などを利用した成形物の
みで、これらはアスペクト比の非常に大きな繊維状物の
絡み合う性質を利用して作られたものである。
【0003】また、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂にフィ
ラーとして木粉をブレンドし、発泡剤を加えて射出、あ
るいは押出して得られる成形物もあるが、これも木粉の
添加量は成形上制約され、成形物中のリグノセルロース
含有量は約40重量%以下であり、あくまでプラスチック
主体の成形物で真の木質系軽量成形物とはいえない。
【0004】このように、従来は、木材の中から約50%
を占めるセルロースを主体に取り出し、それを原料とし
て軽量成形物を製造し、他の部分は廃棄している。ま
た、木材の加工屑も燃料や堆肥などとして利用されてい
るにすぎない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、繊維状に限
定することなく、あらゆる形状すなわち粉状、粒状、針
状、鱗片状など絡み合うことのない形状のリグノセルロ
ースをも原料として製造し得る発泡成形物を得る目的で
リグノセルロースに加えるべき各種化合物の物性や成分
配合比について検討を加えたものである。
【0006】均質な発泡構造をもち、かつ機械的強度の
優れたリグノセルロースの成形物、特に、リグノセルロ
ースの含有量が50重量%以上の木質系の発泡体の製造
は、乾式法よりも水などの溶媒を用いる湿式法の方が好
ましい。しかし、その製造に際し、水に可溶性あるいは
乳化している接着剤を用いる場合、成形時に加熱し水分
を蒸発させるときこれら接着剤が水の移動と共に移行し
表面に薄い皮膜を作り、成形物の構造を著しく不均一に
し、そのうえ乾燥に非常に時間を要するようになる。こ
の接着剤の移行を抑制しなければ湿式法は採用できな
い。特に気泡が存在する場合は、その移行を助長するこ
とになる。また、リグノセルロースのようにそれ自身が
自重またはそれ以上の量の吸水をする場合、スラリーの
添加水量を減少するには限度があり、いっそう接着剤の
移行防止は重要である。
【0007】また、発泡体を得るには、リグノセルロー
スのスラリー中に空気を吹き込み、そのスラリー中に細
かく分散された気泡を保持したまま加熱乾燥することが
要求される。通常、加熱することによりスラリーまたは
高分子化合物は熱運動が盛んになり、また気泡も大きく
なる傾向にあるため、気泡の合体を防止しなければ均質
な発泡構造は得られない。
【0008】本発明は以上の問題点を課題とし、廃板や
廃材などを粉砕して粉状、粒状にしたもの、鋸屑、プレ
ナー屑、あるいはまだ利用されていないリグノセルロー
スの廃物などより発泡構造を有する成形物を製造し、断
熱材、緩衝材、吸音材、制振材、吸収材、吸着材、フィ
ルター材、他の材料との積層複合用材などに利用するこ
と、及び使用後は、燃料等として利用し、いわゆるリサ
イクルチェインを作ることを可能として地球環境の維
持、改善を最終目的に検討を加えたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成させる
ために次の手段を採用した。すなわち、リグノセルロ
ース、皮膜の引張強さ10MPa(メガパスカル)以上、好
ましくは30〜300MPa、かつ20℃における濃度0.4重量%
水溶液の表面張力65mN/m(ミリニュートン/メートル)
以下30mN/mで、1分子中に水酸基(以下OH基と略
記)2個以上を有する水溶性の高分子化合物を好ましく
は、リグノセルロースに対し10重量%以下0.5重量%の
範囲で、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有す
る水溶性の高分子化合物または/及びアニオン性界面活
性剤を好ましくは、リグノセルロースに対し20重量%以
下1重量%の範囲で、皮膜の引張強さ10MPa以下0.1
MPa、破断伸び率2000%以下200%、2次転移温度(以下
Tgと略記)30乃至−40℃、かつ凝集エネルギー密度20乃
至200(cal/cc)である高分子化合物を好ましくはリグノ
セルロースに対し5〜150重量%の範囲でそれぞれ配合
した、少なくとも4成分よりなる主として連続気泡を有
するリグノセルロース系軽量成形物である。
【0010】ここに云う成形物とは、上記組成物をシー
ト状に成形もしくは型枠内に注入して成型して得られる
ものである。上記成形物中のリグノセルロースの含有量
が50重量%以上で、見掛け密度が0.25(g/cm3)以下のリ
グノセルロース系成形物が好ましい態様として挙げられ
る。従来の技術の項にも述べたように、リグノセルロー
ス含有量50重量%以下の木質系の発泡体は、例えばポリ
エチレン,ポリプロピレン,ポリウレタン,ポリ塩化ビ
ニル,ポリスチレンのような熱可塑性樹脂とリグノセル
ロース,アゾビスイソブチロニトリルのような発泡剤を
混練しブレンドして加熱成形することにより乾式法で製
造することは可能であり、公知である。しかし、このよ
うな乾式法では、発泡体は独立気泡構造であり、リグノ
セルロース含有量が50重量%以上になると加熱成形時の
流動性は失われ押出機よりの押出しが困難または不能と
なり均一な発泡構造体は得られない。ところが本願発明
のような構成からなる組成物はリグノセルロース含有量
50重量%以下では勿論、50重量%以上であっても0.6g/c
m3以下の均一な組織構造をもった主として連続気泡構造
の発泡体が得られる。特にリグノセルロース含有量が50
重量%以上で見掛け密度が0.25g/cm3以下の軽量成形物
として良好な物性を具備したものが得られるのは本発明
の特長である。前述のように、リグノセルロースの形状
には限定されないので、非繊維状の粉粒状のものに繊維
状リグノセルロースが共存してももちろんよく、また、
各種の繊維状物質(例えば、羊毛、綿、麻等の天然繊
維、金属、ガラス、炭素、ロックウール等の無機質繊
維、各種有機合成繊維など)を混合しても、リグノセル
ロース含有量50重量%以上であれば何ら差支えない。
こでリグノセルロース含有量が90重量%以上になると
スラリーの流動性は悪くなり成形は次第に困難になっ
てくる。したがってリグノセルロースの含有量は成形上
90重量%までが好ましい。
【0011】また、上記リグノセルロース系軽量成形物
の成分中にさらに、OH基またはカルボキシル基と反応
し化学結合し得る官能基を1分子中に2個以上有する化
合物を0.5〜20重量%含有させるとよい。
【0012】リグノセルロースのスラリー中に吹き込ん
だ空気が均一に分散して安定性の良い気泡となるには、
表面張力が低いのみならずその気泡を包んで2分子膜に
なりやすく機械的強度が強い高分子化合物が必要であ
り、種々の検討の結果、20℃における0.4重量%の水溶
液の表面張力が65〜30mN/mであることが必要である
と同時に、分子間配向性があってかつ会合性のあるOH
基を1分子中に2個以上有する水溶性高分子化合物、例
えばポリビニールアルコール(PVAと略記)の誘導体、
セルロース誘導体などである。誘導体としては、アルキ
ル基の炭素数が1乃至8個のアルコールあるいはアルデ
ヒドのエーテル化共重合物、あるいはアセタール化共重
合物である。
【0013】これらの水溶性高分子化合物は気泡の形成
と安定化のために必要最小限の量の添加でよく、通常は
0.5重量%以上10重量%未満であるが、好ましくは2重
量%以上5重量%以下である。過剰に存在すればその会
合性、造膜性と皮膜強度の強さのために成形加熱時に水
分と共に成形物表面に移行して皮膜を作り、かえって発
泡構造の不均一化と成形不能を起こす。その最適の添加
量は、リグノセルロースの粒子径と、目的とする成形物
の見掛け比重によって異なるが、リグノセルロースの10
重量%を越してはならない。
【0014】気泡を抱き込んだスラリーは著しく流動性
が悪くなる、特にリグノセルロースはそれ自体が水を吸
収するので多量の水がなければ流動性は改善されない。
しかし、多量の水の存在は成形時の高分子化合物の表面
への移動を引き起こし、また成形時間の著しい増加とな
る。この流動性の改善に1分子中に2個以上のカルボキ
シル基を有する水溶性の高分子化合物またはアニオン性
界面活性剤の添加が効果的である。しかも、これらは、
水の添加を抑制しての流動性改善のみならず、加熱成形
時の高分子化合物のマイグレイションの防止に寄与する
ことが認められた。そのため、加熱成形時の水の蒸発速
度を上げることが可能となった。ただしこの場合も、最
適添加量があり、それぞれ、あるいは両者併用してもリ
グノセルロースの1〜20重量%、好ましくは2〜10重量
%であって、20重量%を越えてはならない。それ以上の
量が添加されれば、かえって、気泡の構造の不均一と、
スラリーの流動性の低下を示す。
【0015】1分子中に2個以上のカルボキシル基を有
する水溶性の高分子化合物としてはポリアクリル酸およ
びその誘導体、ポリメタアクリル酸およびその誘導体、
マレイン酸の共重合物、カルボキシメチルセルロース
(CMC)、アルギン酸ソーダなどである。アニオン性界
面活性剤としては、脂肪酸ソーダ、高級アルコール硫酸
化エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩などであ
る。
【0016】以上のように気泡を安定に保持しつつ、リ
グノセルロース相互を結合させる接着剤を効率良く均一
に分配して成形物の機械的強度をだす必要がある。前述
のとおり、添加物水量は少ない方が成形に対しては有利
であるので接着剤としてエマルジョンを使用する。しか
し、エマルジョンは乾燥時に水と共に移行しやすいので
それを防止するには、1分子中2個以上のカルボキシル
基を有する水溶性高分子化合物または/およびアニオン
性界面活性剤の添加が極めて有効であることが明らかに
なった。
【0017】また、接着剤としてはTgが30〜−40℃、
好ましくは10〜−20℃で、かつ、皮膜の引張強さ10〜0.
1MPa、好ましくは6〜0.5MPa、破断伸び率200〜2000
%、好ましくは300〜1800%であることと、リグノセル
ロースに対し親和性をもち同時に成形時にリグノセルロ
ース同士を相互に接着させるには、凝集エネルギー密度
が30〜200、好ましくは60〜120(cal/cc)である高分子化
合物が有効であることがわかった。このような範囲に適
合する高分子化合物としては、例えばブタジエン含有量
が35重量%以上のスチレン−ブタジエン共重合物(SB
R)、メタアクリル酸メチル−ブタジエン系共重合物、
エチレン含有量5乃至50重量%のエチレン−酢酸ビニル
共重合物(EVAC)、酢酸ビニル含有量80重量%以下の
酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合物、酢酸ビニル
−ビニルエステル共重合物および酢酸ビニル−ビニルエ
ーテル共重合物、等である。これら接着剤となる高分子
化合物をリグノセルロースに対して5〜150重量%、好
ましくは10〜120重量%添加する。この範囲でもって均
一な安定した気泡構造と外力を加えても、それを除けば
容易に復元し得る弾性が付与される。
【0018】以上のような少なくとも4成分の各々の成
分を添加し良く混合した後、そのスラリー中に空気を分
散させ泡立てる。スラリーの水分量、粘度はもちろん同
一スラリーでも、空気吹き込み時のスラリーの撹拌速度
により気泡の大きさ、分散状態は変化するが、これらの
条件を一定にしておけば、前述の各成分の作用により一
定の気泡構造の成形物を得ることができる。
【0019】気泡を抱えたスラリーは乾燥機中で水を蒸
発して成形する。その際に、テフロンシートあるいはテ
フロンで表面加工したシートあるいはベルト上で、また
は離型剤を塗布した金型で乾燥すれば成形物の取り出し
は容易になる。またエンドレスのシート上に連続的に気
泡を有するスラリーを吐出し、乾燥、取り出せば、連続
発泡主体のシートを得ることができる。またスラリーに
よく濡れる素材のシートやフィルム、例えば紙、織布、
不織布モルタル、ガラス繊維マット、木の板、プラスチ
ック板又はシート、アルミニウム板、鋼板などの金属
板、アルミニウムなどの金属箔などの上で成形すればリ
グノセルロース発泡体が積層された一体型も可能であ
る。
【0020】本発明により得られるリグノセルロース発
泡体は見掛け密度0.6(g/cm3)以下のものが得られるが、
特に5cm以下の任意の厚さにおいて見掛け密度0.25乃至
0.1(g/cm3)の発泡体が容易に得られる特徴がある。厚さ
1cm以下の場合は0.1(g/cm3)以下の見掛け密度の発泡体
が精度良く得られる。また得られた発泡体の気泡構造は
主として連続気泡で見掛け密度0.3乃至0.1(g/cm3)で自
重の2乃至8倍の吸水をすることができる。
【0021】このリグノセルロース発泡体は上記主要な
4成分をもって常温の水に対し十分耐水性を有している
が、さらに高温水への耐水性を向上するには、OH基や
カルボキシル基と反応し得る官能基を1分子中に2個以
上有する有機化合物、無機化合物をさらに添加し成形す
ればよい。このような有機化合物としては、例えばグリ
オキザール、トリメチロールメラミン、トリス(2−ヒ
ドロキシエチル)−イソシアヌレイトなど、無機化合物
としてはカルシウム、アルミニウム、鉄などの酸化物、
カオリン、パイロフィライト、モンモリトナイト、加水
ハロイサイトなどの粘土鉱物などである。これらは発泡
体の気泡構造を変更することなく耐水性の向上と共に成
形物の硬さを増大することができる。その添加量は耐水
性、硬さの必要度により組成物の固形分100部に対し、
外掛けで0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜20重量%の範
囲である。40重量%以上の添加量になると、スラリーの
流動性の低下と共に安定な発泡構造が得られなくなる。
【0022】また、本発明のリグノセルロース発泡体の
表面をフッ素樹脂などにより撥水加工すると、防水性の
吸放湿材とすることもできるし、他に必要に応じて種々
の添加剤、例えば難燃剤、芳香剤、防カビ剤、防菌剤、
着色剤等適宜上記性質を損なわない範囲内で添加するこ
とができる。
【0023】
【作用】リグノセルロースは発泡軽量成形物の骨格をな
すものである。これを皮膜の引張強さ10MPa以下0.1ま
でで、破断伸び率2000%以下200程度までの比較的弾力
性があり、かつTg=30〜−40℃の常温でゴム状性質を
有し、かつ凝集エネルギー密度30〜200cal/ccの接着性
良好な高分子化合物、例えばSBR,EVACなどで接
着、一体化させるのである。水溶液系で発泡させるのに
はエマルジョンまたはラテックスが良好に作用する。
【0024】分子中にOH基を有する例えばPVAのよ
うな水溶性高分子化合物は、10重量%以下〜0.5重量%
の範囲内での添加で発泡過程における気泡の安定化と機
械的強度の増大に寄与する。そのためには皮膜の引張強
さは少なくとも10MPa以上であることが必要であり、気
泡を安定化するためには、高分子化合物の0.4重量%水
溶液の表面張力は水よりも小さい65mN/m以下で小さ
ければ小さいほどよい結果が得られるが30℃以上の水中
で水溶性高分子が出するものは気泡安定性が失われ
る。
【0025】高分子成分として、これら接着剤としての
高分子と気泡の安定化剤としての高分子成分のほかに、
成形前の流動性を調節、改善し、接着剤や気泡の安定化
剤のマイグレイションを防止する作用をするのが、水溶
性高分子であって分子中にCOOH基2個以上を有する
もの、例えばポリアクリル酸、CMCなどである。ま
た、アニオン性界面活性剤も同様に作用し、かつ、ポリ
アクリル酸等の高分子と混合しても、流動性改善やマイ
グレイション防止に役立つ。
【0026】本発明のリグノセルロース系軽量成形物
は、以上の4成分を必須条件とし、更に必要により添加
する材料としてのグリオキザールやトリメチロールメラ
ミンなどはOH基やCOOH基を有する上記高分子と化
学結合による架橋を形成して成形物の耐水性を一層向上
させる。カオリン、ベントナイトなどの粘土鉱物も難燃
化や硬度の調節に有用である。前述のようにフッ素系や
シリコーン系の樹脂コーティングは表面の撥水性、耐水
性を付与するのに貢献する。
【0027】以上のような構成からなる組成物は、リグ
ノセルロース含有量が50重量%以上であっも、見掛け密
度が0.25g/cm3以下の軽量成形物として良好な物性を具
備したものが得られる。
【0028】
【実施例】以下実施例により本発明を説明するが、本発
明はこれら実施例のみに限定されるものではない。 実施例1 固形分濃度48重量%のスチレン−ブタジエン共重合ラテ
ックス(以下SBRと略記)(共重合体のスチレン含有率
は約56重量%)100g、10重量%のPVA−217−E(株式
会社クラレ製、0.4%の表面張力51mN/m)水溶液50g、
10重量%のイソバン104(株式会社クラレ製、イソブチレ
ン−無水マレイン酸共重合物)水溶液20gを混合した液60
gに、目開き0.5mmの篩下の桧の粉末19.5g、水108gを加
え、家庭用ミキサーで10分間撹拌し泡立てたスラリーを
テフロンシート上、80℃の熱風乾燥機中で乾燥成形し厚
さ5mmの発泡シートを得た。気泡構造は均一で、見掛け
密度は0.17g/cm3であった。30℃の水中に24時間浸漬し
たが、形状変化はまったくなかった。
【0029】実施例2 固形分濃度48重量%メタアクリル酸メチル−ブタジエン
系共重合ラテックス(住友ダウ株式会社製)52g、10重量
%のPVA−420(株式会社クラレ製、0.4%の表面張力4
7mN/m)水溶液5g、10重量%のCMC水溶液3g、水1
00gを混合し、これに目開き0.5mmの篩下の桧の粉末25g
を加え、家庭用ミキサーで10分間撹拌し泡立てた。その
スラリーの見掛け密度は0.61g/cm3であった。このスラ
リーより水を蒸発させると計算上見掛け密度0.28g/cm3
の成形物が得られる筈である。このスラリーをテフロン
シート上、80℃の熱風乾燥機で乾燥し、厚さ7mmの発泡
シートを得た。この発泡シートの見掛け密度を実測した
ところ、0.278g/cm3で計算値とよく一致した。気泡構造
は、予定どおりスラリー状態のものを保持されたまま乾
燥成形されたこととなる。
【0030】このシート3gを30℃の水中に24時間浸漬
したところ、吸水量は11.5gで、シートに対する吸水率
は383%であった。
【0031】実施例3 固形分濃度56重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合エマ
ルジョン(株式会社クラレ製、粒子荷電ノニオン、Tg=
0℃、皮膜の引張り強さ1.7MPa、破断伸び率1500%)50
g、10重量%のPVA−420水溶液5g、10重量%イソバ
ン104水溶液13g、水90gを混合し、それに実施例2に使
用した桧の粉末25gを加え同様に泡立てしたスラリーを8
0℃で乾燥し、厚さ6.5mm、見掛けの密度0.34g/cm3の発
泡シートを得た。
【0032】実施例4 固形分濃度48重量%のSBR16g、10重量%のPVA−4
20水溶液8g、10重量%のイソバン−104水溶液3gを混
合し、それに水57g、目開き0.5mmの篩下の桧の粉末40
g、目開き5.5mmの篩下の桧の粉末20gを加え、家庭用ミ
キサーで10分間撹拌し泡立てたスラリーをテフロンシー
ト上、80℃の熱風乾燥機中で乾燥成形し厚さ4mmの発泡
シートを得た。気泡構造は均一で、見掛け密度は0.21g/
cm3であった。この場合発泡シートのリグノセルロース
含有量は87重量%である。
【0033】実施例5 実施例1で使用した固形分濃度48重量%のSBR100g、
10重量%のPVA−217−E水溶液50g、10重量%のイソ
バン104水溶液20gを混合した液60gに目開き0.5mmの篩下
の桧の粉末19.5g、モンモリロナイト(豊順ベントナイ
ト)7.8g、水100gを加え、家庭用ミキサーで10分間撹拌
し泡立てたスラリーをテフロンシート上、80℃の熱風乾
燥機中で乾燥成形し厚さ5mmの発泡シートを得た。気泡
構造は均一で、見掛け密度は0.28g/cm3であった。30℃
の水中に24時間浸漬したが、形状変化はまったくなかっ
た。
【0034】実施例6 実施例1で使用した固形分濃度48重量%のSBR100g、
10重量%のPVA−217−E水溶液50g、10重量%のイソ
バン104水溶液20gを混合した液60gに目開き0.5mmの篩下
の桧の粉末19.5g、トリメチロールメラミン3.1g、水100
gを加え、家庭用ミキサーで10分間撹拌し泡立てたスラ
リーをテフロンシート上、80℃の熱風乾燥機中で乾燥成
形し厚さ5mmの発泡シートを得た。気泡構造は均一で、
見掛け密度は0.23g/cm3であった。30℃の水中に24時間
浸漬したが、形状変化はまったくなかった。
【0035】比較例1 10重量%イソバン104水溶液を添加せず、それ以外は実
施例3とまったく同様に実施した。この場合は、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合エマルジョンが発泡シート表面に
マイグレイションし薄く皮を張った状態を呈し、乾燥成
形時間も長く掛かり、シートの気泡構造は不均一であっ
た。このことから、1分子中に2個以上のカルボキシル
基を有する水溶性の高分子化合物がマイグレイションの
防止に寄与していることが認められる。
【0036】比較例2 固形分濃度40重量%のアクリル酸メチル−酢酸ビニル共
重合エマルジョン(粒子荷電ノニオン、Tg=0℃)52g、
10重量%PVA−217−E水溶液40g、10重量%イソバン
104水溶液4g、水81gを混合し、これに実施例3に使用
した桧の粉末30gを添加し同様に実施し発泡シートを作
成した。ここで添加したPVAの量は桧の粉末に対し1
3.3%となっている。添加したPVAのシート表面への
マイグレイションが著しく、表面は皮膜化し、内部は未
乾燥状態であった。PVAの添加量が多すぎたためにか
えって発泡構造が得られなかった。
【0037】以上の実施例1、2、3および比較例1、
2で用いた接着剤のラテックス、エマルジョンの高分子
化合物の凝集エネルギー密度は、いずれも50〜150(cal/
cc)の範囲のものである。
【0038】
【発明の効果】本発明に係るリグノセルロース系軽量成
形物は、以上のような特定の組成物からなるため、木工
製品の加工屑や各種木質成形物の廃材等で、かつ、繊維
状セルロースを単離することなく、リグノセルロースの
ままで利用でき、そのため、従来、その半量以上廃棄さ
れていたリグノセルロース系の廃棄物がほぼ全量活用で
き、しかも、発泡軽量組成物として従来品よりも優れた
性質のものが得られる。したがって、断熱材、緩衝材、
吸音材、吸着剤、フィルター材、各種積層複合用材料な
どとして、安価に各種の産業分野で広範囲に利用でき
る。
【0039】組成物が無毒性の有機、無機物からなるの
で、使用後は破砕して再利用可能であるし、成形物とし
て有効に利用した後で、燃料、コンポスト肥料などとし
てリサイクル資源として活用できる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リグノセルロースと、皮膜の引張強さ10
    〜300MPa、かつ20℃における濃度0.4重量%水溶液の表
    面張力65〜30mN/mで、1分子中に水酸基2個以上を
    有する水溶性の高分子化合物と、1分子中に2個以上の
    カルボキシル基を有する水溶性の高分子化合物または/
    及びアニオン性界面活性剤と、皮膜の引張強さ0.1〜10
    MPa、破断伸び率200〜2000%、2次転移温度30〜−40
    ℃、かつ凝集エネルギー密度30〜200cal/ccである高分
    子化合物との少なくとも4成分の組成物よりなるリグノ
    セルロース系軽量成形物。
  2. 【請求項2】 リグノセルロースと、皮膜の引張強さ10
    〜300MPa、かつ20℃における濃度0.4重量%水溶液の表
    面張力65〜30mN/mで、1分子中に水酸基2個以上を
    有する水溶性の高分子化合物をリグノセルロースに対し
    0.5〜10重量%以下と、1分子中に2個以上のカルボキ
    シル基を有する水溶性の高分子化合物または/及びアニ
    オン性界面活性剤をリグノセルロースに対し1〜20重量
    %と、皮膜の引張強さ0.1〜10MPa、破断伸び率200〜20
    00%、2次転移温度30〜−40℃、かつ凝集エネルギー密
    度30〜200cal/ccである高分子化合物をリグノセルロー
    スに対し5〜150重量%との少なくとも4成分の組成物
    よりなるリグノセルロース系軽量成形物。
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