JP3561728B2 - 無機質系軽量発泡成形物 - Google Patents

無機質系軽量発泡成形物 Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどのような水不溶性の炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、セメント、マグネシア、ジルコニア、フェライトなどの水不溶性の酸化物、滑石、ジャモン岩などの岩石、カオリン、モンモリロナイト、パイロフィライトのような粘土鉱物などあらゆる形状の無機化合物を主体とする、連続気泡を有する無機質系軽量発泡成形物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明において使用する無機化合物は、いずれも比重2乃至6であり、その成形物は重く、脆く、とくに曲げに弱い。したがって、有機または無機の繊維状物をブレンドし木片セメント、スレートなどとして商品化されているが、重いという欠点はそのままである。
【0003】
また、これら無機化合物の成形物の特徴は耐熱性、不燃性にあるので、これらの特徴を保持して軽量化と柔軟性を付与することは困難な問題で、これを解決した商品はまだ現れていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、繊維状に限定することなくあらゆる形状、すなわち粉状、粒状、針状、鱗片状など絡み合うことのない形状の無機化合物をも原料として、軽量かつ柔軟性を有する成形物を得る目的で無機化合物に加えるべき各種化合物やその配合比について検討を加えたものである。
【0005】
先に本発明者は、特願平6−221475号において、リグノセルロースの含有量50重量%以上の連続気泡構造をもった軽量発泡成形物が得られることを見出した。同様な方法で気泡構造によって軽量化を試みたが、無機化合物の含有量50重量%以上では見掛け密度0.4g/cm3以下の均一な気泡構造が得られず、目的とする成形物が得られなかった。
【0006】
例えば、セメント粉末(比重3.15)を用いて、セメントの含有量がそれぞれ54重量%、60重量%、70重量%では見掛け密度0.4g/cm3以下では亀裂の入ったシートしか得られず、0.45乃至0.5g/cm3の見掛け密度において初めて綺麗なシートが得られた。またセメント37重量%では、バインダー63重量%の有機ポリマー主体の組成で気泡構造の均一な見掛け密度0.37g/cm3のシートが得られている。
【0007】
しかしながら、これら無機化合物の成形物の用途としては、併用する可能性の有機物の使用量も制限を受けるので、添加するバインダー量を極力少なくする必要がある。したがって、無機化合物の含有量50重量%以上の成形物で見掛け密度0.4/cm3以下のものを得るためには、バインダーに頼らない別の方法が必要である。本発明は、以上の点を課題として検討を加えたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
あらゆる形状の無機化合物の粉粒体を均質な気泡構造を保持しながら、なるべく少量のバインダーで結合させて成形物を作る場合、乾式法よりも無機化合物を濡らす水を溶媒とする湿式法の方が好ましい。その製造に際し、水に可溶性あるいは乳化している接着剤を用いるので、成形時に加熱し水分を蒸発させるときこれら接着剤の表面への移行を防止しなければならない。また、気泡構造を作るには、無機化合物のスラリー中に空気を吹い込み、そのスラリー中に細かく分散された気泡を保持したまま乾燥せねばならないが、その際気泡の合体を防止しなければ均質な気泡構造は得られない。これらの目的の達成には次の手段が採用された。
【0009】
すなわち、(1)皮膜の引張強さ10MPa(メガパスカル)以上、好ましくは30以上300MPa、かつ20℃における濃度0.4重量%水溶液の表面張力65mN/m(ミリニュートン/メートル)以下30mN/mで、1分子中に水酸基(以下OH基と略記)2個以上を有する水溶性の高分子化合物を、無機化合物に対し10重量%以下0.5重量%の範囲で、(2)1分子中に2個以上のカルボキシル基またはスルホン基を有する水溶性の高分子化合物または/及びアニオン性界面活性剤を好ましくは、無機化合物に対し20重量%以下1重量%の範囲で、(3)皮膜の引張強さ10MPa以下0.1MPa、好ましくは6以下0.5MPaの範囲、破断伸び率2,000%以下200%、好ましくは1,800%以下300%の範囲、2次転移温度(以下Tgと略記)30乃至−40℃、好ましくは10乃至−20℃、かつ凝集エネルギー密度20乃至200(cal/cc)、好ましくは60乃至120(cal/cc)である高分子化合物を好ましくは無機化合物に対し、5乃至100重量%の範囲で配合して、水を溶媒としたスラリーを作成し、それに撹拌しながら空気を吹き込んだのちシート状に成形もしくは型枠内に注入して加熱し水を蒸発させ成形する。
【0010】
(1)の水溶性高分子化合物としては、ポリビニールアルコール(PVAと略記)の誘導体、セルロース誘導体などである。誘導体としては、アルキル基の炭素数が1乃至8のアルコールあるいはアルデヒドのエーテル化共重合物、あるいはアセタール化共重合物である。好ましい添加量は無機物化合物に対し1乃至3重量%であるが、過剰に存在すれば気泡構造の不均一化と成形不能を起こすので、いかなる無機化合物に対しても10重量%を越してはならない。
【0011】
(2)の1分子中に2個以上のカルボキシル基またはスルホン基を有する水溶性高分子化合物としてはポリアクリル酸及びその誘導体、ポリメタアクリル酸及びその誘導体、マレイン酸の共重合物、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アルギン酸ソーダ、ポリビニルスルホン酸ソーダなどである。アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸ソーダ、高級アルコール硫酸化エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩などである。これらは気泡を抱き込んだスラリーの流動性を改善し、同時に加熱成形時の高分子化合物の成形物表面へのマイグレイション防止に効果的であることがわかった。そのため、加熱成形時の水の蒸発速度を上げることができ、乾燥時間の短縮が可能となった。この場合も、最適添加量があり、それぞれ、あるいは両者併用しても無機化合物の0.5乃至20重量%、好ましくは0.5乃至10重量%であって、20重量%を越えてはならない。それ以上の量が添加されれば、かえって気泡の構造の不均一とスラリーの流動性の低下を示す。
【0012】
(3)の接着剤となる高分子化合物としては、例えばブタジエン含有量が35重量%以上のスチレン−ブタジエン共重合物(SBR)、メタアクリル酸メチル−ブタジエン系共重合物(MBR)、エチレン含有量5乃至50重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合物(EVAC)、酢酸ビニル含有量80重量%以下の酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合物、酢酸ビニル−ビニルエステル共重合物及び酢酸ビニル−ビニルエーテル共重合物などである。
【0013】
(1)、(2)、(3)の3成分のみを無機化合物に添加しても見掛け密度0.4g/cm3以下の無機化合物の含有量50重量%以上の成形物は得られない。
いろいろ検討した結果、成形物中のすべての無機化合物の容積率を20%以上にすることと、気泡を含有したスラリーを加熱乾燥して成形する際の下記の式で定義される見掛けの容積収縮率(S)が30%以下、好ましくは25%以下にすれば亀裂のない成形物が得られることがわかった。S=0の場合の成形物の密度をC0、実際に成形された成形物の密度をC1とすると、その時のSは、下記のとおりである。
【0014】
S(%)=(1−C0/C1)×100
【0015】
ここでC0は次式によって算出することができる。
0=(気泡を保持したスラリーの密度)×(空気を吹込む前のスラリーの固形分率)
【0016】
この様にして求められるSを30%以下にする方法として、粒径5〜1,000μm、好ましくは10〜500μm、嵩比重0.8以下、好ましくは0.5以下の無機質バルーンを、無機化合物と合計した総容積率が成形物中で20%以上になるような量を添加する。
【0017】
無機質バルーンとしては、ケイ酸系のシラスバルーン、ガラスバルーン、シリカバルーン、フライアッシュバルーン、パーライト、バーミキュライトなど、非ケイ酸系のアルミナ、ジルコニア、カーボンなどのバルーンである。
【0018】
このようにして、無機質化合物と無機質バルーンによる無機質50重量%以上で見掛け密度0.4g/cm3以下の均一な連続気泡を有する成形物が得られる。
【0019】
以上のような少なくとも4つの成分を水中に添加、よく混合した後、そのスラリー中に空気を吹き込み泡立てる。スラリーの水分量、粘度は勿論、同一スラリーでも空気吹き込み時の撹拌速度により気泡の大きさ、分散状態は変化するが、これらの条件を一定にしておけば、前述の各成分の作用により一定の気泡構造の成形物を得ることができる。
【0020】
気泡を保持したスラリーは乾燥機で水を蒸発して成形する。その際に、テフロンシートあるいはテフロンで表面加工したシートはあるいはベルト上で、または離形剤を塗布した金型で乾燥すれば成形物の取り出しは容易になる。またエンドレスのシート上に連続的に気泡を有するスラリーを吐出し、乾燥取り出せば連続発泡主体のシートを得ることができる。またスラリーによく濡れる素材のシートやフィルム、例えば紙、織布、不織布モルタル、ガラス繊維マット、木の板、プラスチック板またはシート、アルミニウム板、鋼板などの金属板、アルミニウムなどの金属箔などの上で成形すればリグノセルロース発泡体が積層された一体成形も可能である。
【0021】
また、無機質50重量%以上であれば、有機質繊維状物質(例えば羊毛、綿、麻などの天然繊維、各種有機合成繊維)、各種形状のリグノセルロース(繊維状、棒状、粉状、鱗片状など)を混合しても差支えない。
【0022】
上記無機質軽量発泡成形物の成分中にさらに、OH基またはカルボキシル基と反応し化学結合し得る官能基を1分子中に2個以上有する化合物を成形物組成中の有機分の0.5〜2.0重量%含有させるとよい。このような有機化合物としては、例えばグリオキザール、トリメチロールメラミン、トリス(2−ヒドロキシエチル)−イソシアヌレイトなどである。
【0023】
さらに本発明の成形物の表面をフッ素樹脂などにより撥水加工すると防水性も付与することができるし、他に必要に応じて種々の添加剤、例えば芳香剤、防カビ剤、防菌剤、着色剤などを適宜成形物の性質を損なわない範囲で添加することができる。
【0024】
【作用】
無機化合物、例えばポルトランドセメント粉末は後述する無機中空体のバルーンと共に成形物の骨格を形成する。無機中空体のバルーンは成形物の軽量化に貢献し、気泡を連行した有機結合剤の乾燥皮膜と共に軽量発泡成形物の機械的性質の向上に寄与する。
【0025】
分子中にOH基を有する例えばPVAのような水溶性高分子化合物は、10重量%以下〜0.5重量%の範囲内での添加で発泡過程における気泡の安定化と機械的強度の増大に寄与する。そのためには皮膜の引張強さは少なくとも10MPa以上であることが必要であり、気泡を安定化するためには、高分子化合物の0.4重量%水溶液の表面張力は水よりも小さい65mN/m以下で小さければ小さいほどよい結果が得られるが、30℃以上の水中で水溶性高分子が析出するものは気泡安定性が失われる。
【0026】
高分子成分として、これら接着剤としての高分子と気泡の安定化剤としての高分子成分のほかに、成形前の流動性を調節、改善し、接着剤や気泡の安定化剤のマイグレイションを防止する作用をするのが、水溶性高分子であって分子中にCOOH基2個以上を有するもの、例えばポリアクリル酸、CMCなどである。また、アニオン性界面活性剤も同様に作用し、かつ、ポリアクリル酸等の高分子と混合しても、流動性改善やマイグレイション防止に役立つ。
【0027】
本発明の無機質系軽量発泡成形物は、上述の無機化合物と無機質バルーン、特定の3種の水溶性高分子化合物から構成するもので、更に必要により添加する材料としてのグリオキザールやトリメチロールメラミンなどは、OH基やCOOH基を有する上記高分子と化学結合による架橋を形成して、成形物の耐水性を一層向上させる。カオリン、ベントナイトなどの粘土鉱物も、難燃化や硬度の調節に有用である。前述のようにフッ素系やシリコーン系の樹脂コーティングは表面の撥水性、耐水性を付与するのに貢献する。
【0028】
以上のような構成からなる組成物は、無機化合物や無機質バルーンが50重量%以上であっても、見掛け密度0.4g/cm3以下の軽量発泡成形物として良好な物性を具備したものが得られる。ここで、無機質総容積率を20%以上にし、加熱乾燥時の見掛けの容積収縮率(S)が30%以下であると、亀裂の発生のない成形物が、非有機溶媒系(水系)で得ることができる。
【0029】
【実施例】
以下実施例により本発明を説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
固形分濃度48重量%のスチレン−ブタジエン共重合ラテックス(以下SBRと略記)(共重合体のスチレン含有率は約56重量%)104g、10重量%のPVA−217E(株式会社クラレ製、0.4%の表面張力51mN/m)水溶液10g、10重量%のイソバン104(株式会社クラレ製、イソブチレン−無水マレイン酸共重合物)水溶液6g、水120gを混合した溶液に、ポルトランドセメント粉末(比重3.15)80g、シラスバルーン(平均粒径0.1mm、嵩比重0.4)40gを加え、家庭用ミキサーで10分間撹拌し泡立てたスラリー(見掛け密度0.65g/cm3)をテフロンシート上、75℃で乾燥成形し厚さ5mmの発泡シートを得た。このものは、気泡構造は均一で、見掛け密度0.34g/cm3の亀裂のない表面性良好なシートであった。シートの成形時の見掛けの容積収縮率は8.8%、成形シートの全無機質量は70重量%、容積率は25%であった。
【0030】
比較例1
シラスバルーンは添加せず、ポルトランドセメント粉末120gを添加する以外は、実施例1とまったく同様に実施した。気泡を保持したスラリー(見掛け密度0.62g/cm3)より成形した発泡シートは、見掛け密度0.55g/cm3で、大小の亀裂を持ったものであった。この場合の成形時の見掛けの容積収縮率は46%と極めて大きく、成形シートの無機質容積率は12%であった。
【0031】
実施例2
固形分濃度が48重量%のSBR78g、10重量%のPVA−420(株式会社クラレ製、0.4%の表面張力47mN/m)水溶液7.5g、10重量%のイソバン104水溶液4.5g、水96gを混合した溶液に、木片セメント板の粉砕粉末(平均粒径300μm)45g、シラスバルーン(平均粒径0.1mm、嵩比重0.3)45gを加え家庭用ミキサーで10分間撹拌し泡立てた。そのスラリーの見掛け密度は0.38g/cm3で、これをテフロンシート上85℃で乾燥し、厚さ5mm、見掛け密度0.22g/cm3の良好な発泡シートを得た。この場合の成形時の見掛けの容積収縮率は21%、成形シートの全無機質量は70重量%、無機質容積率は21%であった。
【0032】
比較例2
シラスバルーンは用いず、木片とセメント粉末90gを添加する以外は実施例2とまったく同様に行なった。気泡を保持したスラリー(見掛け密度0.39g/cm3)より成形したシートは見掛け密度0.43g/cm3で亀裂の多いシートしか得られなかった。この場合の成形時の見掛けの容積収縮率は43%、成形シートの無機質容積率は10%であった。
【0033】
実施例3
固形分濃度が56重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合エマルジョン(株式会社クラレ製、粒子荷電ノニオン、Tg=0℃、皮膜の引張強さ1.7MPa、破断伸び率1,500%)89g、10重量%のPVA−420水溶液10g、10重量%のポリビニルスルホン酸ソーダ水溶液6g、水134gを混合した溶液に、ガラスビーズ(比重2.6平均粒径30μm)120g、バーミキュライト・バルーン(平均粒径0.5mm、嵩比重0.15)40gを加え、実施例1と同様に発泡スラリー(見掛け密度0.56g/cm3)より成形し、厚さ5mm、見掛け密度0.30g/cm3の良好な発泡シートを得た。成形時の見掛けの容積収縮率は11%、成形シートの無機質含有量70重量%、無機質容積率52%の良好なものが得られた。
【0034】
実施例4
固形分45.5%のメチルメタクリレート−ブタジエン共重合ラテックス(以下MBRと略記)(共重合体中のメチルメタクリレート含有率は約30重量%)110gとアニオン性活性剤としてアルキルベンゼンスルポン酸ソーダ1.0gを添加した他は実施例1と同様の組成及び方法で、厚さ5mmの発泡シートとした。このものは、気泡構造が均一で見掛け密度0.31g/cm3の亀裂のない表面性良好なシートであった。なお、シート成形時の見掛け容積収縮率が9.1%、成形シートの全無機質量は69重量%、容積率は24.5%であった。
【0035】
実施例5
固形分濃度が48重量%のSBR78g、15重量%のメチルセルロース水溶液(0.4%の表面張力39mN/m)5g、同じく15重量%のヒドロキシエチルセルロース30g、水96gを混合した溶液にカオリン粉末100gを、パーライトバルーン(平均粒子径0.2mm、嵩比重0.38)40gを加え、実施例1と同様にして厚さ約5mmの発泡シートを得た。このものは気泡構造が均一で、見掛け密度0.35g/cm3の亀裂のない表面性良好な白色シートであった。シート成形時の見掛け容積収縮率は11%、成形シートの全無機質量は76.6重量%、容積率は21%であった。
【0036】
以上の実施例1〜5及び比較例1,2で用いた接着剤のラテックス、エマルジョンの高分子化合物の凝集エネルギー密度は、いずれも50〜150(cal/cc)の範囲のものである。
【0037】
【発明の効果】
本発明に係る無機質系軽量発泡成形物は、以上のような特定の組成物で構成するため、まったく新しい材料のみならず、無機系製品の加工屑や各種無機系成形物の廃材なども粉末状態にして原料として利用することができ、リサイクルによる資源活用となる。また発泡軽量組成物として耐熱性、不燃性を保持した上に軽量かつ柔軟性を有する優れた性質のものが得られるので、断熱材、緩衝材、吸音材、吸着材、フィルター材、各種積層複合用材料などとして、安価に各種の産業分野で広範囲に再利用できる製品となる。
【0038】
本発明による無機質系軽量発泡成形物は、連続気泡による気孔率が30〜80%となるが、中空体であるバルーンを併用するためバルーンに基づく独立気泡も同時に所有することになり、中空無機質と多孔有機質との両者の特徴を兼ね備えることになる。製造方法も湿式法で有機溶媒を使用しないので、極めて安全かつ簡潔安価な方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無機質系軽量発泡成形物の製造工程を示すフローチャートである。

Claims (1)

  1. 無機化合物と、皮膜の引張強さ10〜300MPa、かつ20℃における濃度0.4重量%水溶液の表面張力30〜65mN/mで、1分子中に水酸基2個以上を有する水溶性の高分子化合物を無機化合物に対し0.5〜10重量%と、1分子中に2個以上のカルボキシル基またはスルホン基を有する水溶性の高分子化合物又は/及びアニオン性界面活性剤を無機化合物に対し0.5〜20重量%と、皮膜の引張強さ0.1〜10MPa、破断伸び率200〜2,000%、2次移転温度−45〜30℃、かつ凝集エネルギー密度30〜200cal/ccである高分子化合物を無機化合物に対し5〜100重量%の組成物よりなり、かつ無機化合物の1成分として粒径5〜1,000μm嵩比重0.8以下の無機質バルーンを成形物中の無機質総容積率が20%以上及び成形時の見掛けの容積収縮率が30%以下になるように添加することを特徴とする無機化合物含量50重量%以上、見掛け密度0.4g/cm3以下の無機質系軽量発泡成形物。
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