JP2635378B2 - 非円形切削装置 - Google Patents

非円形切削装置

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JP2635378B2
JP2635378B2 JP63197251A JP19725188A JP2635378B2 JP 2635378 B2 JP2635378 B2 JP 2635378B2 JP 63197251 A JP63197251 A JP 63197251A JP 19725188 A JP19725188 A JP 19725188A JP 2635378 B2 JP2635378 B2 JP 2635378B2
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shaft
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、軸直角断面が非円形状のワークの外周面、
例えば内燃機関用ピストンの外周面などを加工するため
用いられる非円形切削装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、非円形断面を有するワークの加工には、マスタ
ーカムを用いた倣い加工装置が多用されている。
この倣い加工方式ではマスターカムの製作が必要であ
るが、マスターカムの製作には多大の時間とコストを要
し、またマスターカムの形状には種々な制約があり、所
望の形状のカムが常に得られるとは限らないという問題
がある。
更にまた、倣い加工装置には、マスターカムへの追従
性の問題から、主軸の回転数に上限があり、主軸の回転
数を高めることができないため、サイクルタイムの短縮
が難しいという問題がある。
又、NC制御によるマスターカムレス外径切削加工装置
が提案されているが、この装置は極めて高価である上、
現時点では、高速で作動する操作部が得られないため、
低速では高精度の加工が可能であるものの、高速加工が
不可能な状況にある。
即ち、一般に工作機械の制御に用いられる油圧サーボ
方式の操作部では、サーボバルブの応答性が低いため、
油圧シリンダの応答スピードをマスターカム式の倣い加
工装置のカム回転数に匹敵する程高く上げることができ
ない。又、油温の管理が難しいため油温の変動によりシ
リンダの応答性が変化するという問題もある。
一方、サーボモータを利用する方式では、モータの慣
性、ボールネジや送りテーブルの弾性変形などに起因す
る制限があるため、モータの正逆転を高速度で切り換え
ることができず、そのため、周波数応答特性を向上させ
ることが困難である。
〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明は上記の問題を解決するためなされたものであ
り、その目的とするところは、数値制御装置などより遥
かに安価であり、マスターカムを使用する従来の倣い加
工装置のような追従性に関する制約がないためそれより
遥かに高速で切削が可能であり、従って加工所要時間を
大幅に短縮できると共に、加工できる外形形状に特別な
制約がなく、そのためワーク外形形状の変更要求にも容
易に対応でき、然も長期間にわたって高い精度を維持し
得る非円形切削装置を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記本発明の目的は、非円形切削装置、下記(a)な
いし(i)項記載の構成要素から成る工具進退装置、即
ち、 (a) ワークを取り付ける主軸に対して直角に配置さ
れ、その一端に工具が取り付けられる工具取付軸。
(b) 工具取付軸に、その中心軸に沿い且つ一定の平
衡点に向かって常時弾性力を作用させるスプリングを具
備し、工具取付軸をその軸方向には平衡点を中心として
一定の微小範囲内で変位可能に、且つその中心軸の回り
には回転不能なように支持する装置。
(c) 工具取付軸に同軸に固着される可動板。
(d) 可動板を挟んでこれと所望の間隙を介して互い
に対向するよう配置される一対の電磁石。
(e) 主軸の回転角検出装置。
(f) 工具取付軸の平衡点からの移動量を検出する変
位センサ。
(g) 工具取付軸の移動速度を検出する速度センサ。
(h) 電磁石へ交流電流を供給する交流定電流回路。
(i) 回転角検出装置、変位センサ及び速度センサか
らの出力信号に応動し、交流定電流回路の出力電流を制
御する装置。
とから成る工具進退装置を設けることによって達成し得
る。
〔作 用〕
このような構成の工具進退装置を有する非円形切削装
置では、ワークを取り付けた主軸が回転すると、回転角
検出装置が主軸の回転数と回転角を検出するので、これ
らの検出値に基づき制御装置により交流定電流回路の出
力電流の位相などを制御し、電磁石による可動板に対す
る吸引力をコントロールしながら可動板とこれに固定さ
れた工具取付軸を移動させ、その移動状態を変位センサ
と速度センサで検知し、その出力信号に基づいて電磁石
電流のフィードバック制御を行ないつゝ、工具取付軸に
取り付けられた工具をワークに対して進退させることに
より、所望の非円形切削加工を行なうものである。
而して、この装置では、高価な数値制御装置を用いる
必要がなく、又、制御部である交流定電流回路及び電磁
石吸引力の応答速度は、通常の倣い加工装置などの主軸
回転速度より極めて高くできるから、通常の倣い旋盤な
どの最大速度で高精度加工ができ、然も、本発明で用い
るスプリングのバネ定数を適切に定めることにより、制
御のための所要電力を大幅に節減でき、更に一層高精度
の加工を行い得るようになるものである。
〔発明を実施するための最良の態様〕
以下、図面を参照しつゝ本発明の構成の詳細を説明す
る。
第1図は工具進退装置を具備した非円形切削装置の一
般的な構成を示す平面図、第2図は第1図で示した非円
形切削装置で用い得る公知の工具進退装置の一部破断平
面図、第3図はその側面図、第4図は本発明に係る非円
形切削装置で用い得る板バネ形式の支持装置の望ましい
一実施例を示す斜視図、第5図は第4図に示した板バネ
形式の工具取付軸支持装置を用いた工具進退装置の一部
破断平面図、第6図はコイルバネ形式の工具取付軸支持
装置を用いた工具進退装置の一部破断平面図、第7図は
電磁石及びスプリングを用いた工具進退装置の位置決め
制御の原理を示す説明図、第8図は軸支持装置にスプリ
ングを用いない場合、装置の安定化に必要な制御系の伝
達特性を示す図、第9図は軸支持装置にスプリングを付
加した場合の制御系の伝達特性図、第10図は電磁石に流
れる電流と可動板の変位との関係を示すグラフ、第11図
は電磁石に流れる電流の時間的変化を示すグラフであ
る。
而して、第1図ないし第3図中、1はワーク保持具を
備えた主軸、2は主軸1を回転自在に支持する主軸台、
3は主軸回転サーボモータ、4は主軸1の回転角検出装
置、5は主軸と同一方向、即ちX軸方向に移動する送り
テーブル、6は主軸と直角な方向、即ちY軸方向に移動
する送りテーブル、7は送りテーブル5をX軸方向に移
動させるためのサーボモータ、8は送りテーブル6をY
軸方向に移動させるためのサーボモータ、9は送りテー
ブル6上に取り付けられた工具進退装置、10はベッド、
11は取付台、12は可動板、13a、13a及び13b、13bは可動
板12を挟んでこれと所望の間隙を介して互いに対向する
よう配置された電磁石、14は工具取付軸、15は変位測定
板、16は変位センサ、17は速度センサ、18は工具、19は
ボールスプライン、20はリニアブッシュ、21は支持台で
ある。
第1図に示す如く、ワークWを保持するワーク保持具
を備えた主軸1は、主軸台2に回転自在に支承され、サ
ーボモータ3によって回転駆動されるようになってお
り、又、詳細には図示されていないが、主軸台2の後部
に取り付けた回転角検出装置4のコード板などの部品も
ワークWと同期して回転するようになっている。
ベッド10上には、主軸1と同一方向、即ちX軸方向に
加工送りされる送りテーブル5が設けられ、例えば、サ
ーボモータ7を駆動源とするネジ送り機構などによって
送り制御されるようになっている。
更に、送りテーブル5上には送りテーブル6がテーブ
ル5の移動方向と直角な方向、即ちY軸方向に移動可能
に搭載され、サーボモータ8を駆動源とするネジ送り機
構などによりY軸方向に制御送りされるようになってい
る。
又、送りテーブル6上にはワークの中心線に向かって
工具18を進退させる工具進退装置9が設けられている。
而して、第2図及び第3図には公知の工具進退装置9
の詳細が示されている。第2図はその平面図、第3図は
側面図である。
取付台11には、可動板12を挟んで互いに対向するよう
に例えば4個の電磁石13a、13a及び13b、13bが取り付け
られている。可動板12は工具取付軸14に固着されてお
り、工具取付軸14は、ボールスプライン19及びリニアブ
ッシュ20により軸方向には移動自在に、但し回転は不能
なように軸支されている。
一方、第7図に示す如く、4個の電磁石13a、13a及び
13b、13bの励磁コイルには、交流定電流回路28及び29か
ら所定の振幅の交流電流が供給される。この交流電流
は、主軸1の1回転に就き2サイクルの周波数を有す
る。なお、第7図中、27は制御回路、28及び29は交流定
電流回路として用いられる定電流アンプである。
電磁石13a、13a又は13b、13bの励磁コイルに電流を通
じると、可動板12は通電の行なわれた電磁石に吸引され
て、平衡点を中心として振動し、これと共に工具取付軸
14も軸方向に往復移動せしめられることとなる。
工具取付軸14の自由端部には工具18がセットされてお
り、電磁石13a、13a及び/又は13b、13bへの通電によ
り、ワークの取り付けられる主軸1に直角な方向に工具
18が往復進退せしめられ、これによりWの外周面に所望
の非円形加工が施されるようになっている。
即ち、主軸1の回転角検出装置4からの出力信号に基
づき、第7図に示された制御装置27により、電磁石13
a、13a及び13b、13bへの通電電流の位相をワークWの回
転角に応じて制御するようにし、これによりワークの1
回転に就き2往復の割合で、ワークWの回転角度に合わ
せて工具18を微小距離往復進退させるようにする。
然るときは、ワークWの外周面に、その軸直角断面形
状が非円形の切削加工が行なわれるものである。
工具取付軸14の一方の端部には変位測定板15が取り付
けられ、その変位測定板15の変位量は支持台21に取り付
けた変位センサ16で検出されるようになっており、更に
又、工具取付軸14のもう一方の端部には速度センサ17が
取り付けられ、これにより可動板14の移動速度が検出さ
れるようになっている。
変位センサ16及び速度センサ17の測定値は、図示され
ていない制御装置にフィードバックされ、電磁石13a、1
3a及び13b、13bの吸引力の大きさ、位相及び周波数応答
特性をコントロールするために利用される。
このようにしてワークWの工具取付軸に直角な断面を
非円形形状に加工しながら、サーボモータ7及び8の2
軸同時制御によって送りテーブル5及び6を同時に加工
送り制御してワークWの軸方向のプロフィルを加工す
る。
而して、第2図に示した工具進退装置においては、電
磁石13a、13a及び13b、13bへの通電のみによって工具取
付軸14の軸方向への移動が制御されるものであるが、こ
の制御系は不安定であって、後述する如く、安定化のた
めに電磁石に余分な電流を流さなければならず、応答性
や電力浪費等の問題がある。
即ち、この制御系に於いては、電磁石による電磁吸引
力を駆動力として可動板12、即ち、工具18の位置決め制
御を行なうものであるが、この吸引力は、線形近似化で
きる範囲では、可動板12の変位の方向に変位に比例して
生じるものと考えられる。
このような吸引力は負のバネ定数を有するバネによる
力と同様であり、このような力の作用する系は不安定で
ある。このような形を安定化するためには、第8図に示
したように、一般的には可動板14などの位置信号を制御
装置にフィードバックし、付加電流を加えることによっ
て系を安定させる技術が採用されているが、この方式で
は安定化のために電流を余分に流さなければならず、
又、場合に依っては電磁石の応答性や電力消費などにも
問題が生じることも考えられる。
本発明に於いては、この問題を解決するため、第5図
若しくは第6図に示した如く、正のバネ定数を有するバ
ネ力を利用してこの負のバネ力を相殺するものである。
即ち、本発明に於いては、通常の正のバネ定数を持つバ
ネを実際に可動板に取り付け、この不安定な系の原因と
なる負のバネ定数を相殺することにより、問題が解決す
るものである。
又、従来公知の装置では、工具取付軸14の一方の端部
にはボールスプライン19が使用されており、他の一端に
はリニアブッシュ20が使用されているため、長期間の使
用によってボールが摩耗し、加工精度に悪影響を及ぼす
可能性がある。
これらの問題を解決するための工具取付軸14の支持装
置の改良例が、第4図に示してあり、又、これを用いた
工具進退装置が第5図に示してある。
第4図に示した軸支持値24に於いて、工具取付軸14
は、十文字状の可撓性のある薄い板バネ22、22を多数枚
重ね合わせた積層体によりホルダ23に固定されている。
板バネ22、22の中心部が工具取付軸14に固着され、十文
字状に伸びた脚部の外端はホルダ23に固着され、これに
より工具取付軸14が、中心軸方向には移動可能に、その
中心軸の周りには回転不能に支持され、更に、工具取付
軸14がその中心軸方向に微小距離変位したときは、その
中心軸に沿い且つ一定の平衡点に向かって常時弾性力が
作用せしめられることになる。
この軸支持装置24を用いた工具進退装置が第5図に示
してある。本実施例に於いては、第2図に示した実施例
に於けるボールスプライン19及びリニアブッシュ20に替
えて、軸支持装置24により工具取付軸14を支持し、軸支
持装置24のホルダ23を取付台11にネジ止め等の手段によ
り固定するようになっている。
そのため、可動板12が電磁石13a、13a若しくは13b、1
3bに吸引されて工具取付軸14がその軸方向に移動せしめ
られるときには、可撓性の板バネ22、22が曲がって工具
取付軸14の軸方向の動きを許容するが、工具取付軸14は
その中心軸の周りに回転することはできず、これにより
ワーク切削時の切削抵抗に充分耐え得るようになってい
る。
一方、第6図に示した実施例においては、第2図に示
した実施例の工具取付軸14の軸方向への移動を、工具取
付軸14の周囲に装着した一対のコイルバネ25及び26によ
って制動するようになっている。その他の構成要素は第
2図に示した実施例のものと同等である。
尚、この可動板12は、電気工学的には、ケイ素鋼板を
積層して構成する事が望ましいが、そのようにすると切
削装置に必要な剛性が得られない。本発明装置では、こ
の可動板12は、電磁石の吸引力による変形が無視できる
程度の剛性が必要である。
そのため、本実施例に於いては、可動板12の鋼板を使
用しているが、単純な鋼板では電磁石コイル電流に誘導
される渦電流損失が大きく、そのため周波数応答特性が
低下するという問題が生じるので、過電流損失を軽減す
るため、鋼板に過電流を遮断するよう適宜にスリットを
入れることが推奨される。
次に、公知の電磁吸引力制御の問題点について考察し
てみる。
電磁石の吸引物に働く電磁吸引力Fと、電磁石に流す
電流I及び吸引物との距離dとの間には以下に表される
ような関係があるものと仮定する。
但し、ここでKは電磁石によって決まる定数である。
先ず、第7図に示すような制御系を考え、両側にバネ
25、26を取り付けた可動板12が両側の電磁石13a、13bか
ら等距離d0にある位置を平衡点、即ち零点とし、電磁石
13aの方向を正として可動板の変位をx、また可動板の
質量をmとすると、バネがないとき、可動板の運動方程
式は(1)式より、 と表せる。但し、iは制御電流を示す。
(2)式において、d0>>x、i0>>iと仮定し、x
=0、i=0を平衡点として線形近似化を行なうと、
(2)式は、 と表せる。右辺第1項が負のバネ定数による不安定要素
である。
いま、可動板の目標とする運動が x=a・sin ωt で与えられたとき、制御電流の振幅iaは、 と表せる。
右辺第1項は可動板を動かすのに必要な外力を得るた
めの電流であり、第2項は負のバネ定数によって起こる
不安定な力を相殺するのに必要な電流である。
つまり、(3)式右辺第1項のような不安定な要素が
存在することにより、制御電流は目的とする制御に必要
な値以上の電流を必要とすることになる。
特に(4)式第1項で表される電流値が大きく、電磁
石の応答性限界近くで制御しなければならない場合に
は、第2項の電流が問題となる上、可動板の剛性につい
ても問題が生じる。
即ち、(3)式で表される制御系は不安定なので、第
8図に示すように位置のフィードバックなどの行ない安
定な系を構成したとき、可動板の静剛性は、位置のフィ
ードバックゲインf1によって決まり、 で得られる。
(5)式より、電磁石吸引力による制御系の持つ負の
剛性(負のバネ定数)を相殺するだけの余分なゲインが
必要であり、それだけ電流を余分に流さなければならな
いことが判明する。
このように、電磁吸引力を用いた制御系をフィードバ
ックにより安定化しようとすると、不安定な要素を相殺
するため電流を余分に流さねばならず、このことが性能
を低下させることとなり、また安定な制御系を構成する
ことが先決となるため、制御設計の上でも制約が加わる
ことになる。
第7図に示す如く、バネ25、26を取り付けたとする
と、そのときの運動方程式は、 と表せる。
(3)と同様に線形近似化を行なうと、 このとき、(4)式と同様にして制御電流の振幅ia
求めると、 となる。
(8)式において、右辺第2項が零となるようにバネ
定数kを定めると、iaは可動板を動かすのに必要な電流
分だけでよくなり、電流量を抑えることができる。ま
た、このとき(5)式で表わした剛性の式は、 となり、余分なゲインを与える必要がなくなることが判
明する。
バネの付加効果について、各パラメータに具体的な値
を代入し、非線形モデルに基づいたシミュレーションの
結果を第10図、第11図に示す。
制御系は第9図に示すような構成にし、目標入力は、 r(t)=0.25sin200πt(mm) とした。なお、第9図においてκは変位と電流との間の
ゲインを表わすが、この要素に含まれる交流定電流回路
の特性は、このシミュレーションでは理想的に働くもの
と仮定した。
第9図における各パラメータの値は、κ=23,000、k
=5.5×10-4 Nm2/A2、m=10kg、d0=1.5mm、i0=2.0A
である。
第10図及び第11図にシミュレーションの結果を示す。
第10図は可動板の位置決めを示すグラフであり、第11
図は電磁石1に流れる電流の変化を示すグラフである。
両図中、はバネがないときの結果を、または
(8)式で定めたバネ定数を持つバネを取り付けたとき
の結果をそれぞれ示している。
目標入力は、 r(t)=0.25sin200πt(mm) であり、各パラメータの値は、の場合、 k1=0.8 k2=0.005 k=0 N/m であり、の場合、 k1=1 k2=0.01 k=2.6×106 N/m である。
両図から明らかなように、どちらの場合も適当にゲイ
ンk1、k2を定めれば同程度の精度で位置決めが行なえる
が、そのために必要な電流を比べてみるとバネを取り付
けた方が、系が本質的に安定なものとなるという利点が
ある上、電流を約40%低く抑えられるので、バネの効果
があることが知られる。
このように、電磁石による電磁吸引力を駆動力とする
位置決め機構に安定なバネを付加することによって、系
に存在する負のバネ定数を相殺すれば、電磁石に流す電
流を抑えることができ、制御特性を改善し得る。
第5図及び第6図に示した実施例は、このような効果
を利用したものである。
而して、この方法は単に電流を抑えると言う効果だけ
ではなく、安定なより線形に近い系を構成することにな
るため、線形制御が適用し易くなり、位置決め精度の向
上を図ることも可能となる。
又、この機能を用いて加工など一定の外力を外から受
けながら位置決めを行なわなければならない場合など、
バネによって予めその外力に抗し得るだけの力を予圧と
して与えれば、電流の制御は外乱の影響を受けずに行な
うことができるなどの効果も達成し得るものである。
また、軸14を支持するため板バネ22を使用するので、
モータ、ベルト、ベアリング等の回転に伴って発生する
機械的微振動が吸収され、このためワークの加工精度が
大幅に向上し、精密加工を行う上で大きな効果が得られ
る。
〔発明の効果〕
本発明は叙上の如く構成されるから、本発明によると
きは、マスターカムを使用する従来の倣い加工装置のよ
うな追従性の問題が解消され、電磁石の吸引力を利用し
た簡単な機構であるので応答速度に優れ、マスターカム
式の装置より高速回転による切削が可能で、マシンのサ
イクルタイムを大幅に短縮できると共に、加工できるワ
ーク形状に制限が少なく、ワーク形状の変更にも容易に
対応でき、しかも長期間にわたって高い精度を維持し得
る非円形切削装置を提供し得るものである。
なお、本発明の構成は叙上の実施例に限定されるもの
でなく、本発明の目的の範囲内に於ての説明から当業者
が容易に想到し得るすべての変更実施例を包摂するもの
である。
【図面の簡単な説明】
第1図は工具進退装置を具備した非円形切削装置の一実
施例の概略を示す平面図、第2図は公知の工具進退装置
の一部破断平面図、第3図はその側面図、第4図は本発
明に係る非円形切作装置で用いられる板バネ形式の支持
装置の望ましい一実施例を示す斜視図、第5図は第4図
に示した板バネ形式の工具取付軸支持装置を用いた工具
進退装置の一部破断平面図、第6図はコイルバネ形式の
工具取付軸支持装置を用いた工具進退装置の一部破断平
面図、第7図は電磁石及びスプリングを用いた工具進退
装置の位置決め制御の原理を示す説明図、第8図は、軸
支持装置にスプリングを用いない場合、装置の安定化に
必要な制御系の伝達特性を示す図、第9図は軸支持装置
にスプリングを付加した場合の制御系の伝達特性図、第
10図は可動板の位置決めを示すグラフ、第11図は電磁石
に流れる電流の変化を示すグラフである。 1……主軸 2……主軸台 3……主軸回転サーボモータ 4……回転角検出装置 5,6……送りテーブル 7,8……サーボモータ 9……工具進退装置 10……ベッド 11……取付台 12……可動板 13a、13b……電磁石 14……工具取付軸 15……変位測定板 16……変位センサ 17……速度センサ 18……工具 19……ボールスプライン 20……リニアブッシュ 21……支持台 22……板バネ 23……ホルダ 24……軸支持装置 25、26……コイルバネ 27……制御回路 28、29……交流定電流回路

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(a)ないし(i)項記載の構成要素
    から成る工具進退装置(9)を設けたことを特徴とする
    非円形切削装置。 (a) ワークを取り付ける主軸(1)に対して直角に
    配置され、その一端に工具が取り付けられる工具取付軸
    (14)。 (b) 工具取付軸(14)に、その中心軸に沿い且つ一
    定の平衡点に向かって常時弾性力を作用させるスプリン
    グ(22、25、26)を具備し、工具取付軸(14)をその軸
    方向には平衡点を中心として一定の微小範囲内で変位可
    能に且つその中心軸の回りには回転不能なように支持す
    る装置。 (c) 工具取付軸(14)に同軸に固着される可動板
    (12)。 (d) 可動板(12)を挟んでこれと所望の間隙を介し
    て互いに対向するよう配置される一対の電磁石(13a、1
    3b)。 (e) 主軸(1)の回転角検出装置(4)。 (f) 工具取付軸(14)の平衡点からの移動量を検出
    する変位センサ(16)。 (g) 工具取付軸の中心軸方向移動速度を検出する速
    度センサ(17)。 (h) 電磁石(13a、13b)へ交流電流を供給する交流
    定電流回路(28、29)。 (i) 回転角検出装置(4)、変位センサ(16)及び
    速度センサ(17)からの出力信号に応動し、交流定電流
    回路(28、29)の出力電流を制御する装置(27)。
  2. 【請求項2】工具取付軸(14)の支持装置に含まれるス
    プリングのバネ定数が、電磁石(13a、13b)吸引力に依
    る負のバネ定数を相殺する特許請求の範囲第1項に記載
    の非円形切削装置。
  3. 【請求項3】工具取付軸(14)の支持装置に含まれるス
    プリングが、中心部が工具取付軸(14)に固着され、周
    辺部が適宜のホルダ(23)を介して取付台(11)に固定
    される板バネ(22)である特許請求の範囲第1項又は第
    2項に記載の非円形切削装置。
  4. 【請求項4】工具取付軸(14)の支持装置に含まれるス
    プリングが、工具取付軸(14)と取付台(11)との間に
    工具取付軸(14)と同軸に設けられるコイルバネ(25、
    26)であり、工具取付軸(14)をその軸方向には平衡点
    を中心として一定の微小範囲内で変位可能に且つその中
    心軸の回りには回転は不能なように支持する装置が、ボ
    ールスプライン(19)及びリニアブッシュ(20)である
    特許請求の範囲第1項又は第2項に記載の非円形切削装
    置。
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