JP2634836B2 - マイクロカプセルの製造方法 - Google Patents

マイクロカプセルの製造方法

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JP2634836B2 JP63017347A JP1734788A JP2634836B2 JP 2634836 B2 JP2634836 B2 JP 2634836B2 JP 63017347 A JP63017347 A JP 63017347A JP 1734788 A JP1734788 A JP 1734788A JP 2634836 B2 JP2634836 B2 JP 2634836B2
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    • B01J13/02Making microcapsules or microballoons
    • B01J13/06Making microcapsules or microballoons by phase separation
    • B01J13/14Polymerisation; cross-linking
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    • Y10T428/2985Solid-walled microcapsule from synthetic polymer

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はマイクロカプセルの製造方法、特にアミノ樹
脂壁膜を有するマイクロカプセルの製造方法に関するも
のである。
(従来の技術) マイクロカプセルは本来そのままでは不安定な状態に
ある芯物質を一時的に保護することにより安定な状態と
せしめ、必要時に瞬時に又は徐々に放出させる機能を有
していて、1950年代前半に米国NCR社によりノーカーボ
ン用紙として開発され、この分野ではすでに30有余年の
実績がある。近年になってマイクロカプセルの製造技術
は著しく進歩し、医薬品、農薬、香料、化粧品、食品、
染料等への応用が試みられ、現在ではノーカーボン紙は
勿論のこと種々の分野で広く利用されている。
一般にマイクロカプセルの製造方法には、物理的方
法、機械的方法、物理化学的方法、化学的方法が知られ
ていて、用途に応じて適宜選択して使われている。
物理的方法及び機械的方法では、得られるカプセルの
粒径が大きく、壁膜の緻密性が不十分であることから、
これらの方法で製造したマイクロカプセルの用途は限ら
れている。
これに対して物理化学的方法及び化学的方法では、カ
プセル粒径を任意にコントロールし易く、数μ程度の小
さいものも容易に製造でき、壁膜の緻密性の高いカプセ
ルが得られることから、広い範囲の用途に使用されてい
る。
物理化学的方法としてはゼラチンを膜材として用いる
コアセルベーション法が知られていて、現在では最も広
い分野で応用されているが、膜材として天然物のゼラチ
ンを使用する為、価格が高い上に、微生物に攻撃され易
く、生成するカプセルの耐水性が劣り、高濃度のカプセ
ルスラリーが得難く、しかもカプセル化工程が複雑であ
る等の欠点がある。
また、化学的方法としては、疏水性モノマーと親水性
モノマーとを疏水性芯物質と水相との界面で重合せし
め、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリ尿
素等の壁膜を形成させる界面重合法と、疏水性芯物質又
は水相の一方のみにて重合反応させて芯物質の周囲にア
ミノ樹脂等の壁膜を形成させるin−situ重合法とがあ
る。
界面重合法(例えば特開昭49−25822号、特開昭52−4
8599号、特開昭54−91980号、特開昭56−78182号、特開
昭56−88954号等)は、膜材としてイソシアネート、酸
クロライド、エポキシ化合物等反応性が高いものや毒性
が強いものを用いる為、重合反応のコントロールが難し
く、活性水素をもつ物質を芯物質として使えず、また、
膜材自体の価格が高い等の欠点を有している。これに対
しin−situ重合法は、膜材としてアクリル酸エステル樹
脂、アミノ樹脂、ポリエステル樹脂等合成樹脂を形成す
る胎んどのものが利用されており、中でもアミノ樹脂は
価格が安く、入手が容易であること、重合反応時に特別
な触媒を特に必要しないこと、重合反応が比較的短時間
で行なえること等の利点を有している。このようにin−
situ重合法は界面重合法に比べ取扱上容易である為、よ
り実用的であり、例えば特公昭44−3495号、特公昭47−
23165号、特公昭54−16949号、特開昭53−84881号、特
開昭54−49984号等多数の発明が出願されている。然
し、この方法によって得られるプセル壁膜は、耐水性に
優れているものの、緻密性が悪く、芯物質の乳化分散が
十分でき難く、さらに芯物質の周囲に重縮合物を効率良
くしかも安定に堆積させることが難しい等の欠点があ
る。
本発明はin−situ重合法によるカプセル化方法に関す
るものである。膜材としてメラミンホルムアルデヒド樹
脂又は尿素ホルムアルデヒド樹脂を用いる方法は、例え
ば特公昭37−12380号、特公昭44−3495号、特公昭47−2
3165号等に記述されている如く、既に公知である。然
し、これらの方法は前述した如く、疏水性芯物質の周囲
にアミノ樹脂の重縮合物を効率良くしかも安定に堆積さ
せるのが難しく、また、芯物質の乳化分散が十分にでき
難い等の欠点があった。
これらの欠点を改良する為、特公昭54−16949号、特
開昭53−84881号、特開昭53−84882号、特開昭53−8488
3号には、系変性剤として用いるアニオン性高分子電解
質としてエチレン/無水マレイン酸共重合体、メチルビ
ニルエーテル/無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル
酸等を使用する方法が発表されている。この方法により
疏水性芯物質の乳化分散性が改善され、カプセル壁膜の
強度と緻密性は向上し、短時間で高強度のカプセルスラ
リーが得られるようになったが、カプセルスラリーの粘
度が高くなり、また、特に有効なエチレン/無水マレイ
ン酸共重合体、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸
共重合体の溶解に長時間を要する等の欠点がある。
また、特開昭54−49984号、特開昭55−47139号、特開
昭55−15660号には、スチレン/無水マレイン酸共重合
体又はこれと酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体若し
くはエチレン/無水マレイン酸共重合体との併用が発表
されている。この方法では芯物質の乳化分散性はさらに
向上し、安定で低粘度且つ高強度のカプセルスラリーが
得られるが、スチレン/無水マレイン酸共重合体はpHが
低い場合析出が起こる為、低pHで重縮合反応させる場合
の多い尿素ホルムアルデヒド系には使用できない欠点が
あり、また、低pHで未反応の残存ホルムアルデヒドを除
去する残留ホルムアルデヒドの除去方法には使用できな
い欠点がある。
さらに、特開昭56−51238号には、メラミンホルムア
ルデヒド系に、系変性剤としてアニオン性高分子電解質
であるポリスチレンスルホン酸、アクリル酸/スチレン
スルホン酸共重合体等のスチレンスルホン酸系ポリマー
を使用することが発表されている。スチレンスルホン酸
系ポリマーは低いpHでも安定である為、尿素ホルムアル
デヒド系での重縮合反応又は低pHでの残留ホルムアルデ
ヒドの除去処理が可能となったが、スチレンスルホン酸
系ポリマーは電解時に発泡が多く作業性に問題があり、
尿素ホルムアルデヒド系に使用すると反応条件の僅かな
変化でも系全体が凝集してしまう欠点がある。
本発明者は先に新規なマイクロカプセルの製造方法と
して、系変性剤にアクリル酸類/アクリルアミド/アク
リロニトリルを使用することを発表した(特開昭60−23
8140号)。同方法によれば系変性剤としてアクリ酸類/
アクリルアミド/アクリロニトリル三元共重合体を使用
することにより、良好な品質のカプセルスラリーが短時
間の反応で得られるようになった。
(発明が解決しようとする問題点) 然しながら、一そう良好な品質で一そう低粘度且つ高
濃度のマイクロカプセルスラリーの製造方法が要望され
ていた。
(問題点を解決するための手段) 本発明は前述の特開昭60−238140号の改良を目的とす
る。
本発明者等は、(1)疏水性芯物質の乳化分散性が良
く、(2)且つ乳化液の安定性を保ち、(3)カプセル
化工程が簡単で、(4)しかも短時間の反応によって、
(5)無類の強度、緻密性、耐水性、耐湿性に優れたカ
プセルを一そう低粘度で且つ一そう高濃度で得ることが
できるマイクロカプセルの製造方法を確立する為、種々
研究を重ねた結果、系変性剤としてアクリル酸類とアク
リロニトリルとアシッドフォスフォオキシポリエチレン
グリコールメタクリレートとの三元共重合体を使用する
ことにより、上記目的を極めて有効に達成し得ることを
見出だし、本発明を完成するに至った。
本発明のマイクロカプセルの製造方法は、アニオン性
高分子電解質物質の酸性水溶液中に疏水性芯物質を乳化
分散させた後当該芯物質の周囲にアミノ樹脂を壁膜とす
るカプセルを形成させるマイクロカプセルの製造方法に
於て、アニオン性高分子電解質物質としてアクリル酸類
/アクリロニトリル/アシッドフォスフォオキシポリエ
チレングリコールメタクリレート三元共重合体を用いる
ことを特徴とする。この三元共重合体の酸性水溶液中に
疏水性芯物質を乳化分散させた後、この芯物質の周囲に
アミノ樹脂の重縮合物を形成し堆積させてカプセル壁膜
とする。
本発明方法の実施は主として次の工程に従って行な
う。即ち、アクリル酸類/アクリロニトリル/アシッド
フォスフォオキシポリエチレングリコールメタクリレー
ト三元共重合体の酸性水溶液を調製する。必要ならばpH
を酸性の範囲内で調整する。この水溶液中にカプセル化
すべき疏水性芯物質を乳化分散させる。カプセル壁膜形
成材料であるアミノ化合物は、乳化分散の前後どちらで
添加しても差し支えない。アミノ化合物は次に加えよう
とするアルデヒドと初期縮合物を形成させてから用いて
も良い。あらかじめ初期縮合物を形成しているものに
は、例えばメラミン樹脂初期縮合物水溶液(商品名ミル
ベンレジンSM−800、昭和高分子(株)製)、尿素樹脂
初期縮合物水溶液(商品名サーモタイト8HSP、昭和高分
子(株)製)等がある。必要ならばpHを調整する。次
に、撹拌を続けながらアルデヒドを添加し(アミノ樹脂
初期縮合物を用いる場合はアルデヒドの添加は不要)、
昇温後一定時間保持し、カプセル壁膜を形成させる。そ
の後必要に応じて冷却及び/又はpH調整を行ないカプセ
ル化を完了する。
本発明に使用するアクリル酸類/アクリロニトリル/
アシッドフォスフォオキシポリエチレングリコールメタ
クリレート三元共重合体は、その大きさを水溶液の粘度
で表わすと50〜200000cpsのものが良く、好ましくは100
〜10000cpsのものが良い。但しここで云う粘度は、通常
不揮発分15〜25重量%、pHが通常1〜4の酸性で得られ
る本発明に係るアニオン性三元共重合体水溶液を、30℃
でB型粘度計を用いて測定した値である。粘度が50cps
未満では乳化分散力及びカプセル形成中の保護作用が不
足し、200000cpsより大では取扱いが困難となる上、得
られるカプセルスラリーも高粘度となる為、一般に好ま
しくない。また、当該三元共重合体の共重合比は、アク
リル酸類が65〜96モル%、アクリロニトリルが3〜25モ
ル%、アシッドフォスフォオキシポリエチレングリコー
ル(1〜5モル)メタクリレートが0.5〜10モル%が良
く、好ましくはアクリル酸類が77〜92モル%、アクリロ
ニトリルが7〜15モル%、アシッドフォスフォオキシポ
リエチレングリコール(1〜5モル)メタクリレートが
1〜8モル%が良い。アクリル酸類が65モル%未満では
乳化分散力及び乳化粒子の安定性に欠け、96モル%より
大では得られるカプセルスラリーが高粘度となってしま
う。アクリロニトリルが3モル%未満では乳化分散力及
び乳化粒子の安定性に欠け、25モル%より大では三元共
重合体が水に不溶となってしまう。アシッドフォスフォ
オキシポリエチレングリコール(1〜5モル)メタクリ
レートが0.5モル%未満では乳化分散力に欠け、乳化速
度が遅くなる為、カプセル化反応に時間がかかってしま
い、さらに、アミノ樹脂を芯物質の周囲に形成堆積させ
る効率が悪くなり、10モル%より大ではカプセル化工程
中の系が不安定となり易く、凝集等が起り易い。
アクリル酸類は遊離酸のままであっても良く、分子中
のカルボキシル基の一部が塩を形成していても良い。塩
の代表的なものとしては、例えばナトリウム塩、カリウ
ム塩、アンモニウム塩等がある。アクリル酸類の中では
特にアクリル酸が好ましく使用される。
本発明に用いるアクリル酸類/アクリロニトリル/ア
シッドフォスフォオキシポリエチレングリコールメタク
リレート三元共重合体は、例えばこれら3種類の単量体
を水中で、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモ
ン、過酸化ベンゾイル、クメンパーオキサイド、シクロ
ヘキサンパーオキサイド、ジt−ブチルパーオキサイ
ド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、メチルエチル
ケトンパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等
の如き触媒によりラジカル重合させる当業者に公知の方
法で製造される。なお、アクリロニトリルの共重合比が
高いものについては、時には水溶液が白濁しているもの
が得られるが、当該マイクロカプセルの製造には支障な
く使用され、所期の効果が得られる。また、当該三元共
重合体は水と種々の割合で混合溶解可能である。親水性
のカプセル化媒体中における当該三元共重合体の使用量
は、疏水性芯物質100重量部に対して1〜80重量部が一
般的であるが、できあがるカプセルスラリーの濃度、粘
度、カプセルの粒径等によって適宜選択する。然し、使
用量が少ないとカプセル化工程中系内で凝集が起った
り、逆に使用量が多いと得られるカプセルスラリーの粘
度が高くなるなど、良好なカプセルが得難くなる為、使
用量は3〜25重量部が好ましい。
カプセル壁膜を形成するアミノ樹脂は、例えば尿素、
メチロール尿素、チオ尿素、アルキル尿素、エチレン尿
素、メラミン、メチロールメラミン、ベンゾグアナミ
ン、アセトグアナミン等から選択したアミノ化合物と、
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グルタルアルデ
ヒド、パラホルムアルデヒド、クロトンアルデヒド、ベ
ンズアルデヒド等から選択したアルデヒド類とを重縮合
することにより得られる樹脂を意味し、各々の単量体又
は初期縮合物の形で使用する。
カプセル化されるべき疏水性芯物質としては、例えば
魚油、ラード油の如き動物油類、大豆油、胡麻仁油、落
花生油、ひまし油、とうもろこし油等の如き植物油類、
石油、ケロシン、ガソリン、ナフサ、パラフィン油、ト
ルエン、キシレン等の如き鉱物油類、アルキル置換ジフ
ェニルアルカン、アルキル置換ナフタレン、ジフェニル
エタン、フタル酸ジブチル、サリチル酸メチル等の如き
合成油類等の疏水性液体を使用する。これらの疏水性液
体はマイクロカプセルの用途、目的に応じて、医薬、農
薬、香料、食品、染料、触媒等を適宜混合溶解して使用
することができる。
疏水性芯物質をカプセル化親水化媒体中に乳化する時
のpHは、2〜7の酸性範囲にあれば良い。この為に必要
ならば適当な酸又はアルカリを用いてpHを調整する。ま
た、特に規定する必要はないが、温度は一般に高い方が
乳化粒子の粒径が均一になり易いことから、30〜50℃に
調整するのが好ましい。
カプセル化反応はアミノ樹脂の重縮合条件を考慮して
反応温度を30〜100℃に調整することが望ましく、好ま
しくは40〜95℃であり、特に50〜90℃が好ましい。反応
に要する時間は反応容量、反応容器等種々の因子により
異なるが、通常0.5〜6時間程度である。また、系のpH
は酸性であれば良く、好ましくは1〜6.5、特に2〜5.5
に調整することが好ましい。この際系のpHを酸性に維持
する為、例えばギ酸、酢酸、クエン酸、シニウ酸、塩
酸、リン酸、硫酸、硝酸、塩化アンモニウム等アミノ樹
脂製造時に一般に使用される酸触媒が使用できるが、本
発明で用いるアクリル酸類/アクリロニトリル/アシッ
ドフォスフォオキシポリエチレングリコールメタクリレ
ート三元共重合体の酸素を利用することもできる。ま
た、別に所望のpHに調整する為、上記の酸の他、アルカ
リ金属の水酸化物、アンモニア水、トリエタノールアミ
ン等の如き塩基性物質を用いることができる。得られる
カプセル壁膜の性質には前記のカプセル化反応条件、即
ち温度、pH又は昇温速度等が極めて大きな影響を与える
為、カプセル壁膜形成物質の種類とカプセルの用途に応
じて適宜反応条件を設定する。撹拌についても、得られ
るカプセルの品質を損なわないように、発泡を生じない
程度の均一な撹拌を行なうのが好ましい。
一定時間保持し、カプセル化が完了した後、必要に応
じ後処理として、例えば塩基性物質により系のpHを調整
したり、或いは例えば亜硫酸ナトリウム、ホルムアミ
ド、塩酸ヒドロキシルアミン、尿素、エチレン尿素等の
薬品の添加又は水蒸気蒸留等の方法により系中に残存す
る未反応アルデヒドの除去を行なう。
(作 用) 本発明に係るアクリル酸類/アクリロニトリル/アシ
ッドフォスフォオキシポリエチレングリコールメタクリ
レート三元共重合体は、通常水溶液として容易に製造で
きる為、従来のエチレン/無水マレイン酸共重合体、メ
チルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体と異な
り、溶解に長時間を要する欠点がなく、また、スチレン
スルホン酸系ポリマーに見られる発泡もなく、作業性に
優れている。さらに、スチレン/無水マレイン酸共重合
体と異なり、低いpH領域でも析出が起ることはなく、安
定に存在し得る為、スチレン/無水マレイン酸共重合体
では製造し得なかった尿素ホルムアルデヒド樹脂を壁膜
とするマイクロカプセルの製造方法に使用することがで
き、且つ低pHで行なう残留ホルムアルデヒドの除去方法
にも有効である。このような優れた作用が得られる理由
は詳細には不明であるが本発明のアクリル酸類/アクリ
ロニトリル/アシッドフォスフォオキシポリエチレング
リコールメタクリレート三元共重合体自身が高い乳化分
散力を有し、保護コロイド能に優れ、しかもアミノ樹脂
の重縮合物を効率良く芯物質の周囲に形成し堆積させる
能力を有している為であると考えられる。
(実施例) 以下、本発明方法を実施例につきさらに詳細に説明す
る。実施例中では本発明方法をマイクロカプセルの利用
の最も多いノーカーボン紙の場合について説明するが、
本発明は実施例のみに限定されるものではなく、他の用
途のカプセルについても同様に製造することができる。
また特記せぬ限り例中の部及び%はそれぞれ重量基準で
ある。また、pHの調整には10%水酸化ナトリウム水溶液
及び10%塩酸を用いたが、本発明はこれらにのみ限定さ
れるものではない。
実施例1 アニオン性三元共重合体水溶液を以下の手順で製造し
た。
撹拌機、温度計、還流冷却器を具えた4つ口フラスコ
に水608部を入れ、80℃に昇温した。アクリル酸水溶液
(80%)240部、アクリロニトリル24部及びアシッドフ
ォスフォオキシポリエチレングリコール(4モル)メタ
クリレート24部に水256部を加え、均一となした単量体
水溶液の1/4量をフラスコに入れた。続いて過硫酸カリ
ウムの1%水溶液32部を加えた。フラスコの内温の上昇
が起り88℃に至った時点で、前記単量体水溶液の残部
(全体の3/4量)を1.5時間に亘ってフラスコへ連続的に
滴下した。滴下が終了した時点及びその30分後、1時間
後に過硫酸カリウムの1%水溶液をそれぞれ3部づつ計
24部、フラスコに投入した。前述の操作はフラスコ内温
を95〜98℃に保ち、窒素気流中で行なった。その後冷却
した。得られたアクリル酸/アクリロニトリル/アシッ
ドフォスフォオキシポリエチレングリコール(4モル)
メタクリレート三元共重合体水溶液の分析値は、不揮発
分21.7%、pH2.10、粘度558cps(30℃、B型粘度計)で
あった。
上記の方法で得たアクリル酸80部、アクリロニトリル
10部及びアシッドフォスフォオキシポリエチレングリコ
ール(4モル)メタクリレート10部から成る不揮発分2
1.7%の三元共重合体水溶性高分子(共重合比はモル%
で83.6/14.2/2.2)水溶液50部を、水50部に撹拌しなが
ら加え、pHを4.5に調整し、カプセル化親水性媒体を得
た。一方、メラミン10部、37%ホルマリン25部を水65部
に加え、撹拌下でpHを9に調整し、60℃に加温すると約
20分で透明となり、メラミンホルムアルデヒド初期縮合
物を得た。別にクリスタルバイオレットラクトン(CV
L)4部とベンゾイルロイコメチレンブルー(BLMB)2
部をアルキルジフェニルエタン(商品名ハイゾールSAS
−296、日本石油化学(株)製)100部に加え、撹拌下で
90℃で20分間加熱溶解し、常温まで冷却し、疏水性芯物
質とした。この芯物質100部を前記カプセル化親水性媒
体100部に40℃の温度で混合し、ホモミキサー(特殊熱
化工業(株)製)を用いて9000rpmの条件で4分間乳化
したところ、平均粒径4.0μの粒子を含むO/W型乳化液を
得た。先に調製したメラミンホルムアルデヒド初期縮合
物100部をpH4.5に調整した後、40℃に加温し、この乳化
液に加え、撹拌を続けながら60℃に昇温した。2時間保
持した後、系の温度を25℃まで冷却し、pH8.5に調整し
て、平均粒径4.0μ、粘度180cps(30℃、B型粘度計)
の良好なカプセルスラリーを得た。なお、カプセル化親
水性媒体の調製時及びカプセル化工程中に発泡は特にな
く、作業性は良好であった。
実施例2 メラミンホルムアルデヒド初期縮合物として市販の初
期縮合物水溶液(商品名ミルベンレジンSM−800、昭和
高分子(株)製)を用いたこと以外は、実施例1と同様
の方法でカプセル化反応を行ない、カプセルスラリーを
製造した。得られたカプセルスラリーは平均粒径3.8
μ、粘度170cps(30℃、B型粘度計)で良好な品質のも
のであった。
実施例3 実施例1と同様の方法で製造したアクリル酸85部、ア
クリロニトリル5部及びアシッドフォスフォオキシポリ
エチレングリコール(4モル)メタクリレート10部から
成り、不揮発分22.9%、粘度445cps(30℃、B型粘度
計)、pH2.85の三元共重合体水溶性高分子(共重合比は
モル%で90.5/7.2/2.3)水溶液を用いたことと、メラミ
ンホルムアルデヒド初期縮合物として市販の初期縮合物
水溶液(商品名ミルベンレジンSM−800)を用いたこと
以外は実施例1と同様の方法でカプセル化反応を行な
い、カプセルスラリーを製造した。得られたカプセルス
ラリーは平均粒径4.1μ、粘度125cps(30℃、B型粘度
計)で、良好な品質のものであった。
実施例4 実施例1と同様の方法で製造したアクリル酸85部、ア
クリロニトリル10部及びアシッドフォスフォオキシポリ
エチレングリコール(4モル)メタクリレート5部から
成り、不揮発分23.2%、粘度837cps(30℃、B型粘度
計)、pH2.10の三元共重合体水溶性高分子(共重合比は
モル%で85.3/13.6/1.1)水溶液を用いたことと、メラ
ミンホルムアルデヒド初期縮合物として市販の初期縮合
物水溶液(商品名ミルベンレジンSM−800)を用いたこ
と以外は、実施例1と同様の方法でカプセル化反応を行
ない、カプセルスラリーを製造した。得られたカプセル
スラリーは平均粒径4.2μ、粘度190cps(30℃、B型粘
度計)で、良好な品質のものであった。
実施例5 実施例1と同様の方法で製造したアクリル酸90部、ア
クリロニトリル5部及びアシッドフォスフォオキシポリ
エチレングリコール(4モル)メタクリレート5部から
成り、不揮発分22.4%、粘度300cps(30℃、B型粘度
計)、pH2.08の三元共重合体水溶性高分子(共重合比は
モル%で92.0/6.9/1.1)水溶液を用いたことと、メラミ
ンホルムアルデヒド初期縮合物として市販の初期縮合物
水溶液(商品名ミルベンレジンSM−800)を用いたこと
以外は、実施例1と同様の方法でカプセル化反応を行な
い、カプセルスラリーを製造した。得られたカプセルス
ラリーは平均粒径3.9μ、粘度220cps(30℃、B型粘度
計)で、良好な品質のものであった。
実施例6 実施例1と同様の方法で製造したアクリル酸70部、ア
クリロニトリル10部及びアシッドフォスフォオキシポリ
エチレングリコール(4モル)メタクリレート20部から
成り、不揮発分22.7%、粘度644cps(30℃、B型粘度
計)、pH2.05の三元共重合体水溶性高分子(共重合比は
モル%で79.9/15.5/4.8)水溶液を用いたことと、メラ
ミンホルムアルデヒド初期縮合物として市販の初期縮合
物水溶液(商品名ミルベンレジンSM−800)を用いたこ
と以外は、実施例1と同様の方法でカプセル化反応を行
ない、カプセルスラリーを製造した。得られたカプセル
スラリーは平均粒径4.2μ、粘度140cps(30℃、B型粘
度計)で、良好な品質のものであった。
実施例7 実施例1で得た不揮発分21.7%のアクリル酸/アクリ
ロニトリル/アシッドフォスフォオキシポリエチレング
リコール(4モル)メタクリレート三元共重合体水溶性
高分子水溶液50部を、水50部に撹拌しながら加えた。さ
らに尿素10部とレゾルシン1.4部を加え、溶解した。こ
の尿素とレゾルシンを含む水溶性高分子水溶液のpHを3.
5に調整し、カプセル化親水性媒体を得た。別にCVL4部
とBLMB2部をアルキルジフェニルエタン(商品名ハイゾ
ールSAS−296、日本石油化学(株)製)100部に加え、
撹拌下で90℃で20分間加熱溶解し、常温まで冷却し、疏
水性芯物質とした。この芯物質100部を前記カプセル化
親水性媒体100部に45℃の温度で混合し、ホモミキサー
(特殊機化工業(株)製)を用いて9000rpmの条件で4
分間乳化したところ、平均粒径4.1μの粒子を含むO/W型
乳化液を得た。次いで37%ホルマリン27部を加え、撹拌
を続けながら60℃に昇温した。60℃にて2時間カプセル
化反応させた後、系の温度を20℃まで冷却し、pHを8.5
に調整し、カプセルスラリーを製造した。得られたカプ
セルスラリーは平均粒径4.1μ、粘度200cps(30℃、B
型粘度計)で良好な品質のものであった。
実施例8 尿素ホルムアルデヒド初期縮合物として市販の初期縮
合物水溶液(商品名サーモタイト3HSP、昭和高分子
(株)製)を用いたこと以外は、実施例7と同様の方法
でカプセル化反応を行ない、カプセルスラリーを製造し
た。得られたカプセルスラリーは平均粒径3.9μ、粘度9
5cps(30℃、B型粘度計)で良好な品質のものであっ
た。
実施例9 実施例1と同様の方法で製造したアクリル酸70部、ア
クリロニトリル10部及びアシッドフォスフォオキシポリ
エチレングリコール(4モル)メタクリレート20部から
成り、不揮発分22.7%、粘度644cps(30℃、B型粘度
計)、pH2.05の三元共重合体水溶液高分子(共重合比は
モル%で79.9/15.5/4.8)水溶液を用いたことと、メト
キシ化率83%のメラミンホルムアルデヒド初期縮合物を
用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でカプセル反
応を行ない、カプセルスラリーを製造した。得られたカ
プセルスラリーは、平均粒径4.3μ、粘度150cps(30
℃、B型粘度計)で、良好な品質のものであった。
比較例1 実施例1と同様の方法で製造したアクリル酸50部、ア
クリルアミド40部及びアクリロニトリル10部から成り、
不揮発分20.9%、粘度820cps(30℃、B型粘度計)、pH
3.65の三元共重合体水溶性高分子(共重合比はモル%で
48.0/38.9/18.1)水溶液を用いたことと、メラミンホル
ムアルデヒド初期縮合物として市販の初期縮合物水溶液
(商品名ミルベンレジンSM−800)を用いたこと以外
は、実施例1と同様の方法でカプセル化反応を行ない、
カプセルスラリーを製造した。得られたカプセルスラリ
ーは平均粒径4.1μ、粘度430cps(30℃、B型粘度計)
であった。
比較例2 実施例1と同様の方法で製造したアクリル酸90部及び
アクリロニトリル10部から成り、不揮発分19.3%、粘度
900cps(30℃、B型粘度計)、pH2.35の三元共重合体水
溶性高分子(共重合比はモル%で86.9/13.1)水溶液を
用いたことと、メラミンホルムアルデヒド初期縮合物と
して市販の初期縮合物水溶液(商品名ミルベンレジンSM
−800)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で
カプセル化反応を行なおうとしたが、疏水性芯物質の乳
化ができず、カプセルスラリーは製造できなかった。
比較例3 実施例1と同様の方法で製造した不揮発分22.3%、粘
度760cps(30℃、B型粘度計)、pH1.80のポリアクリル
酸水溶液を用いたことと、メラミンホルムアルデヒド初
期縮合物として市販の初期縮合物水溶液(商品名ミルベ
ンレジンSM−800)を用いたこと以外は、実施例1と同
様の方法でカプセル化反応を行なったが、反応中系全体
が凝集し、カプセルは得られなかった。
比較例4 アニオン性高分子電解質物質の水溶液としてエチレン
/無水マレイン酸共重合体(商品名EMA31、モンサント
社製)20部を水80部に溶解して不揮発分20%の水溶液に
したものを用いたことと、メラミンホルムアルデヒド初
期縮合物として市販の初期縮合物水溶液(商品名ミルベ
ンレジンSM−800)を用いたこと以外は、実施例1と同
様の方法でカプセル化反応を行ない、カプセルスラリー
を製造した。得られたカプセルスラリーは平均粒径5.3
μ、粘度2000cps(30℃、B型粘度計)と高粘度のもの
となった。また、エチレン/無水マレイン酸共重合体の
溶解には80℃で3時間もの長時間を要した。
比較例5 アニオン性高分子電解質物質の水溶液としてポリスチ
レンスルホン酸の一部ナトリウム塩(商品名VERSA TL50
0、ナショナルスターチ社製)20部を水80部に溶解して
不揮発分20%の水溶液にしたものを用いたことと、メラ
ミンホルムアルデヒド初期縮合物として市販の初期縮合
物水溶液(商品名ミルベンレジンSM−800)を用いたこ
と以外は、実施例1と同様の方法でカプセル化反応を行
ない、カプセルスラリーを製造した。得られたカプセル
スラリーは平均粒径5.4μ、粘度2500cps(30℃、B型粘
度計)と高粘度のものとなった。また、ポリスチレンス
ルホン酸の一部ナトリウム塩の溶解の際、多量の発泡が
見られたので、泡がなくなるまで約1時間放置した後カ
プセル化を行なった。
比較例6 アニオン性高分子電解質物質の水溶液としてポリスチ
レンスルホン酸の一部ナトリウム塩(商品名VERSA TL50
0)20部を水80部に溶解して不揮発分20%の水溶液にし
たものを用いたこと以外は、実施例7と同様の方法でカ
プセル化反応を行なったが、反応中に系内が凝集し、カ
プセルは得られなかった。
上記実施例及び比較例で得たカプセルスラリーについ
て下記の項目につきその諸特性を評価した。
(1)平均粒径:(コールターエレクトロニクス社製TA
−II型粒度測定機によりカプセルの粒径分布を測定し、
50%体積点の粒径を平均粒径として示した。平均粒径が
小さければ乳化力は強いと考えられる。
(2)粘度:30℃に於けるカプセルスラリーの粘度をB
型粘度計にて60rpmで測定した。
(3)カプセル化率:ここで云うカプセル化率とは、ノ
ーカーボン下用紙(顕色剤塗布面)にカプセルスラリー
を塗布し、乾燥させた後の塗布塩の発色の度合いを評価
したものを意味する。即ち、例えば得られたカプセルス
ラリー50部に水50部を加え、市販のノーカーボン下用紙
(商品名マイクロケミカルペーパーNW40℃、大王製紙
(株)製)に乾燥塗布量が4g/m2になるように塗布し、
乾燥させた後の塗布面の色を比較した。塗布塩がまっ白
(カプセル化率は良好)であれば芯物質はすべてカプセ
ル化されているが、塗布面が青色(カプセル化率は悪
い)になればカプセルスラリー中に乳化分散が不十分な
芯物質やカプセル化されないまま残っている芯物質が存
在していることになる。即ち、カプセル化率は系変性剤
の乳化分散力の尺度の1つとなる。
(4)発色性:カプセルスラリー50部に水50部を加え、
さらにセルロースパウダー5部と10%酸化澱粉水溶液10
部を混合分散し、カプセルカラーを調整した。このカプ
セルカラーを40g/m2の原紙に乾燥塗布量が4g/m2になる
ようにワイヤーバーにて塗布し、乾燥してノーカーボン
上用紙を作成した。この上用紙を市販の下用紙(商品名
マイクロケミカルペーパーNW40C)と重ね合わせてタイ
プライターにて印字し、発色性を評価した。
(5)圧力スマッジ汚れ:発色性試験用と同様の方法で
上用紙を作成し、市販の下用紙(商品名マイクロケミカ
ルペーパーNW40C)と重ね合わせ、約1.5kg/cm2の静圧を
加え、下用紙顕色剤面の発色汚れを比較した。当然のこ
とながらカプセルの膜強度が弱かったり、カプセル粒径
の分布が悪く粗大な粒子があれば、発色汚れは多くな
る。
(6)耐湿性:発色性試験用と同様の方法で上用紙を作
成し、40℃で相対湿度90%の恒温恒湿状態中に1週間放
置後、市販のノーカーボン下用紙(商品名マイクロケミ
カルペーパーNW40C)7と重ね合わせてタイプライター
にて印字し、発色性試験の際に印字したものと比較し
た。耐湿性が悪ければ発色性試験の際に印字したものよ
り発色感度は低下し、両者の差は大きくなるが、耐湿性
が良くなるに伴いその差はなくなり、良好なカプセルと
いえる。
以上の評価の結果を次の第1表に纏めて示す。
前掲の第1表から明らかなように、本発明によるカプ
セルはいずれも平均粒径が3.8〜4.2μと小さく、カプセ
ルスラリーの粘度も220〜440cpsと低く、カプセル化率
に優れており、カプセルの発色性、耐湿性も良く、圧力
による発色汚れも少ない良好な品質のものであった。こ
れに対し、比較例によるカプセルは比較例1を除いて平
均粒径が4.7μ以上と大きく、カプセルスラリーの粘度
が高く、耐湿性に劣り、圧力による発色汚れも多く、良
好な品質のもとはいえなかった。また、比較例2,3及び
6においてはカプセル化工程中に系全体が凝集したり、
疏水性芯物質の乳化ができなかったり等して、マイクロ
カプセルを製造することができなかった。また、比較例
1は特開昭60−238140号に記載の実施例であるが、本発
明の実施例に比べカプセルスラリーの粘度が430cpsと高
いものとなっている。従って、本発明は各特性に亘って
優れたマイクロカプセルを製造することができた。
(効 果) かくて本発明によれば、メラミンホルムアルデヒド系
又は尿素ホルムアルデヒド系のいずれの場合について
も、安定で且つ粒径が小さく揃った疏水性芯物質の乳化
液が得られ、さらに短時間に効率良くしかも緻密性の高
いカプセル壁膜の形成を促し、耐水性等品質の優れたカ
プセルを低粘度且つ高濃度で得ることができる。従っ
て、本発明は産業上、極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井下 光一 愛媛県伊予三島市紙屋町5番1号 大王 製紙株式会社三島工場内 (72)発明者 吉田 省三 愛媛県伊予三島市紙屋町5番1号 大王 製紙株式会社三島工場内 (72)発明者 川鍋 俊明 愛媛県伊予三島市紙屋町5番1号 大王 製紙株式会社三島工場内 (72)発明者 服部 春夫 愛媛県伊予三島市紙屋町5番1号 大王 製紙株式会社三島工場内 (72)発明者 土井 幸夫 兵庫県揖保郡揖保川町片島874―174 (72)発明者 粟野 護 大阪府茨木市大池2丁目6番1号

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アニオン性高分子電解質物質の酸性水溶液
    中に疏水性芯物質を乳化分散させた後、当該芯物質の周
    囲にアミノ樹脂を壁膜とするカプセルを形成させるマイ
    クロカプセルの製造方法に於て、前記アニオン性高分子
    電解質物質がアクリル酸類とアクリロニトリルとアシッ
    ドフォスフォオキシポリエチレングリコールメタクリレ
    ートとから成るアニオン性三元共重合体水溶性高分子で
    あることを特徴とするマイクロカプセルの製造方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲1記載のマイクロカプセル
    の製造方法に於て、アミノ樹脂がメラミンホルムアルデ
    ヒド樹脂である方法。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲1記載のマイクロカプセル
    の製造方法に於て、アミノ樹脂が尿素ホルムアルデヒド
    樹脂である方法。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲1記載のマイクロカプセル
    の製造方法に於て、アニオン性三元共重合体水溶性高分
    子がアクリル酸類を65〜96モル%、アクリロニトリル3
    〜25モル%及びアシッドフォスフォオキシポリエチレン
    グリコール(1〜5モル)メタクリレート0.5〜10モル
    %を含むものである方法。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲1記載のマイクロカプセル
    の製造方法に於て、アニオン性三元共重合体水溶性高分
    子が疏水性芯物質100重量部に対し1〜30重量部である
    方法。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲1記載のマイクロカプセル
    の製造方法に於て、アニオン性三元共重合体水溶性高分
    子の酸性水溶液の粘度が50〜200,000cpsである方法。
  7. 【請求項7】特許請求の範囲6記載のマイクロカプセル
    の製造方法に於て、アニオン性三元共重合体水溶性高分
    子の酸性水溶液の粘度が100〜10,000cpsである方法。
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