JP2634547B2 - 射出成形型 - Google Patents

射出成形型

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、肉厚が変化する樹脂製
の製品を成形する射出成形型において、ヒケ、ソリ等の
成形不良を抑制するようにした射出成形型に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、樹脂製の車両のバンパ等の射出成
形品は、例えば実開昭62―119213号のように一
定肉厚で成形するのが普通である。ところが、最近、燃
費を向上させるため車体の軽量化の必要性がさけばれて
おり、バンパの軽量化もその一環として重要視されてき
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、バンパには衝
突時に他の機能部品を保護する等の本来の目的の他、意
匠部品としての役割も大きく、単に任意の箇所を部分的
に薄肉化するのみでは、例えば衝撃吸収機能、耐熱性等
を損い、或いは成形時に充填不足となって美観を損う等
の問題があった。そこで本出願人はバンパ本来の機能を
損わず、しかも意匠効果を損わないで軽量化するため、
バンパの下部を上部より薄肉とし、上部の比較的肉厚の
厚い厚肉部と下部の薄肉部の間に徐変部を設けて肉厚を
徐々に変化させてヒケ、ソリ、デフォーム等の成形不良
を避けつつ外観品質を保持して、必要な剛性等を確保す
るようなバンパ構造を案出した。ところが、上記のよう
に厚肉部と薄肉部との間に徐変部を設けて肉厚の急激な
変化を避ければ成形不良の発生の抑制に効果的なのであ
るが、ただ単に徐変部を設けるだけでは、成形不良の発
生を抑制する効果を最大限に得ることが出来ず、その抑
制の効果の度合いは、肉厚変化の割合や徐変範囲や樹脂
の注入方向によって異なることが各種実験の結果明らか
となった。
【0004】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は比較
的肉厚の厚い厚肉部を形成する厚肉キャビティ部と、比
較的肉厚の薄い薄肉部を形成する薄肉キャビティ部と、
前記厚肉キャビティ部から薄肉キャビティ部に向けて厚
みが徐々に変化する徐変キャビティ部を備えた射出成形
型において、前記厚肉キャビティ部に樹脂注入用のゲー
ト部を設け、該厚肉キャビティ部と薄肉キャビティ部の
厚み変化率を35%以内とし、且つ徐変キャビティ部の
長さを50mm以上にした。ここで、厚み変化率とは、厚
肉キャビティ部の厚みをaとし、薄肉キャビティ部の厚
みをcとした場合に、{(a−c)/a}×100%で
表わされる値であり、徐変キャビティ部の長さとは、厚
肉キャビティ部と薄肉キャビティ部を結ぶ方向の徐変キ
ャビティ部の長さである。
【0005】
【作用】まず、樹脂の充填方向を厚肉キャビティ部から
薄肉キャビティ部に向けた方向として、圧力不足による
成形不良を防止する。つまり、これとは逆に薄肉キャビ
ティ部から厚肉キャビティ部に向けて充填すれば、薄肉
キャビティ部で樹脂圧力を大きく損失したものが厚肉キ
ャビティ部に入り、樹脂が金型面に充分密着出来ずに成
形不良を招くからである。次に厚み変化率を35%以内
とし、徐変キャビティ部の長さを50mm以上にする程度
に肉厚の変化の度合いを緩めれば成形不良が発生しな
い。
【0006】
【実施例】本発明の射出成形型の実施例について添付し
た図面に基づき説明する。図1は射出成形型の断面図、
図2は成形品の一例であるバンパの斜視図、図3は図2
のA―A線断面図、図4は徐変肉厚方案の原理を説明す
るための説明図であり、(ア)は徐変肉厚方案、(イ)
は階段状肉厚変化を伴う方案を示すものである。
【0007】本発明の射出成形型は、例えば図2、図3
に示すような樹脂製の車両用バンパ1を成形するための
射出型として構成され、このバンパ1は、車体に装着し
た際上方に位置し車体側から外側に向けて略水平に張り
出す上面部1aと、この上面部1aから下方に延出する
垂直面部1bと、この垂直面部1bの下端から車体側に
向けて斜め下方に折り返される下面傾斜部1cと、この
下面傾斜部1cから更に下方に延出した後、再び車体側
に向けて折り返されるコーナ部1dを備えている。
【0008】そして、このバンパ1の肉厚は軽量化のた
め部分的に薄肉化され、つまり上面部1aと垂直面部1
bは相対的に肉厚の厚い厚肉部Aにされるとともに、下
方のコーナ部1dを比較的肉厚の薄い薄肉部Cにし、中
間の目立ちにくい下面傾斜部Bを一定の比率で肉厚が変
化する徐変部Bにしている。そして例えば厚肉部Aの肉
厚は3.8mm程度とし、薄肉部Cは例えば2.8mm
程度としている。因みに、図2の破線部は徐変部Bの中
心線である。
【0009】そして本射出成形型2は、図1に示すよう
に、上記バンパ1形状と同一形状のキャビティ5を形成
する固定型3と可動型4を備え、このキャビティ5はそ
の長手方向を紙面垂直方向に延出させている。
【0010】又、このキャビティ5の一端側には、バン
パ1の長手方向から一斉に樹脂を注入するための薄い帯
状のフィルムゲート6が設けられ、又、このフィルムゲ
ート6に隣接してフィルムゲートランナ7が設けられて
いる。そして、このフィルムゲートランナ7の長手方向
の略中央部にスプル8が接続されてホットランナ9に接
続している。
【0011】又、かかるキャビティ5、又はフィルムゲ
ートランナ7には、型開き後製品を突き出すための押出
しピン11の先端が臨んでおり、この押出しピン11の
基端部は可動型4側に進退動自在に設けられた押出板1
2に固着されている。
【0012】そして、この押出板12には原位置復帰用
のリターンピン13が設けられ、復帰用スプリング14
によって後方に付勢されている。
【0013】キャビティ5は、前記バンパ1の厚肉部A
に対応する厚肉キャビティ部5Aと、徐変部Bに対応す
る徐変キャビティ部5Bと、薄肉部Cに対応する薄肉キ
ャビティ部5Cとを備えている。
【0014】そして、前記フィルムゲート6は上記厚肉
キャビティ部5A側に設けられており、従って樹脂は厚
肉キャビティ部5Aを通って徐変キャビティ部5Bから薄
肉キャビティ部5C内に充填される。因みに、成形した
直後のバンパ1には、図2、図3に示すように、前記フ
ィルムゲート6内の樹脂が固化したフィルムゲート部1
eと、フィルムゲートランナ7内の樹脂が固化したフィ
ルムゲートランナ部1fが一体に成形される。そしてこ
のフィルムゲート部1eとフィルムゲートランナ部1f
はその後カットされて廃棄される。
【0015】ここで徐変キャビティ構造を採用した訳
は、図4の(ロ)に示すような階段状肉厚変化を伴う成
形による場合は、成形体の厚肉部Aと薄肉部Cの最大収
縮量の差が大きく、境界部に大きな応力が発生して変
形、デフォーム等の外観不良が起きやすいのに対して、
(イ)に示す徐変肉厚方案の場合は最大収縮量の差が小
さく、発生応力も小さくなって外観不良も起きにくくな
るからである。
【0016】すなわち、樹脂は冷却固化する間に収縮を
続けるが、肉厚の厚い部分は一般的に固化時間が長くな
って収縮が大きくなりやすく、薄い部分は固化時間が短
くなって収縮が小さくなる傾向がある。従ってこの肉厚
を徐々に変化させることで、局部的な発生応力を低く抑
えることが出来、変形等が少なくなる。
【0017】又、本案の場合は、例えば厚肉キャビティ
部5Aの厚みをaとし、薄肉キャビティ部5Cの厚みをc
とした場合(夫々図4の成形体の肉厚a、cに対応する
厚み)に、{(a−c)/a}×100%で示される厚
み変化率を35%以内とし、又、徐変キャビティ部5B
の長さ(図4(イ)のrに対応する値)を50mm以上と
している。
【0018】これは、図5のような実験結果に基づくも
のである。尚、図5は徐変キャビティ部の長さと厚みの
変化率の組合せを変えて成形した場合のデフォーム等の
発生状況を実験したデータ表であり、縦欄は肉厚変化率
(厚み変化率)%を示し、横欄は徐変長さ(徐変キャビ
ティ部の長さ)mmを示している。
【0019】この実験データから明らかなように、肉厚
変化率(厚み変化率)を35%以上とすれば、たとえ徐
変部B(徐変キャビティ部5B)の長さを80mmとって
も成形不良を起こす虞れがあり、又、徐変部B(徐変キ
ャビティ部5B)の長さを50mm以下にすれば、たとえ
肉厚変化率(厚み変化率)を10%のような僅かな値に
しても成形不良を招く虞れがあることが判る。
【0020】そこで、本案の場合は厚肉キャビティ部5
Aの厚みaを3.8mmとし、薄肉キャビティ部5Cの厚み
cを2.8mmにすることでキャビティ5の厚み変化率を
35%以内とし、又、徐変キャビティ部5Bの長さを5
0mmにしている。そして、かかる構成によってデフォー
ムの少ないバンパ1を成形出来、商品価値を損わないで
軽量化することが出来る。
【0021】ところで、かかる構成によって副次的に次
のような効果が得られることも判明した。
【0022】すなわち、一般的にキャビティ5内の圧力
が不足すると、キャビティのすみずみまで樹脂をゆきわ
たらせることが出来ずに変形等を生じやすくなり、成形
圧を高めると収縮が小さくなるといわれている。一方、
キャビティ5内の圧力はフィルムゲート5eから遠ざか
るにつれて低下し、実施例の場合ではバンパ1の上面部
1a側の圧力が高く、コーナ部1d側程低くなって収縮
率に差が出やすいことになる。
【0023】ところが、本案ではコーナ部1d側を薄肉
部Cとしているため、薄肉にした分だけ収縮率が小さく
なり、圧力低下による影響と薄肉化による影響が相殺さ
れて結果的に図6に示すように収縮率の差が小さくなる
ことが確認された。
【0024】つまり、図6は(イ)に示すような厚肉部
A3.8mm、直線的に肉厚の変化する徐変部B、薄肉部
C2.8mmを有するテストピース20を用いて、(ロ)
表のように徐変部Bの長さrに対応する徐変キャビティ
部5Bの長さを0〜80mmまで変化させて、厚肉部Aの
幅Pの収縮率と、薄肉部Cの幅Qの収縮率を測定し、差
を求めたものである。
【0025】この結果、成形素材X、Y、Zのいずれの
場合も一定肉厚品に較べて収縮率差が小さくなることが
判る。従って、本案によると収縮率差に起因する変形の
影響を小さくする上からも効果があるのである。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明の射出成形型は、厚
肉キャビティ部と薄肉キャビテイ部の厚み変化率を35
%以内とし、且つ徐変キャビティ部の長さを50mm以上
にしてデフォーム等の発生を抑制するようにしたため、
外観品質を低下させないで成形材料を節約した状態で成
形することが出来る。又、ゲートを厚肉キャビティ部に
設け厚肉キャビティ部側から薄肉キャビティ部側に向け
て樹脂を注入することで、その逆の薄肉キャビティ部側
から注入するような不具合、つまり、薄肉キャビティ部
で大きく圧力を損失した樹脂が厚肉キャビティ部に入り
込んで金型に密着出来ないような不具合がなく、充填不
足、圧力不足といった不具合を招きにくい。更に、収縮
率の小さい薄肉部を樹脂充填の下流側とすることで、上
流側と下流側の収縮率差が小さくなり、収縮率差に起因
する変形の度合いを低めることが出来るという副次的な
効果を得ることも出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】射出成形型の断面図
【図2】成形品の一例であるバンパの斜視図
【図3】図2のA―A線断面図
【図4】徐変肉厚方案の原理を説明するための説明図で
あり、(ア)は徐変肉厚方案、(イ)は階段状肉厚変化
を伴う方案を示すもの
【図5】徐変キャビティ部の長さと厚みの変化率の組合
せを変えて成形した場合のデフォーム等の発生状況を実
験したデータ表の一例
【図6】テストピースの厚肉部と薄肉部の収縮率差の実
験データであり、(イ)がテストピース、(ロ)がデー
タ表の一例
【符号の説明】
1 バンパ 2 射出成形型 5 キャビティ 5A 厚肉キャビティ部 5B 徐変キャビティ部 5C 薄肉キャビティ部 6 フィルムゲート

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比較的肉厚の厚い厚肉部を形成する厚肉
    キャビティ部と、比較的肉厚の薄い薄肉部を形成する薄
    肉キャビティ部と、前記厚肉キャビティ部から薄肉キャ
    ビティ部に向けて厚みが徐々に変化する徐変キャビティ
    部を備えた射出成形型において、前記厚肉キャビティ部
    に樹脂注入用のゲート部を設け、該厚肉キャビティ部と
    薄肉キャビティ部の厚み変化率を35%以内とし、且つ
    徐変キャビティ部の長さを50mm以上にしたことを特徴
    とする射出成形型。
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