JP2633640B2 - ダイヤモンドの気相合成方法 - Google Patents

ダイヤモンドの気相合成方法

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【発明の詳細な説明】 〔概要〕 ダイヤモンドの気相合成方法に関し、 均一性に優れたダイヤモンドを高速に成長させる方法
の提供を目的とし、 放電用ガスおよび炭素化合物ガスを放電用ガス流路に
供給する一方、チャンバー内を常時排気してチャンバー
内圧力を30[Torr]以下に保ち、上記放電用ガス流路を
挟んで配置したプラズマ発生用の陽極と陰極との間に直
流電圧を印加して電極間でアーク放電させ、上記放電用
ガスおよび上記炭素化合物ガスをプラズマ化し、プラズ
マ化した上記放電用ガスおよび上記炭素化合物ガスを、
上記放電用ガス流路の下流側に傾けて配置した基板に衝
突させ、水素原子や炭化水素ラジカル等からなる活性種
を基板上に供給して、炭素原子を基板上にダイヤモンド
結晶成長させることを含み構成する。
〔産業上の利用分野〕
本発明は、ダイヤモンドの気相合成方法に関する。
ダイヤモンドは、熱伝導率が2000[W/mK]と銅の4倍
に相当し、さらに硬度および絶縁性にも優れており、半
導体素子のヒートシンク,回路基板の材料として理想的
な材料である。また、広い波長範囲で透光性に優れてお
り、光学材料としても優れている。さらに、ダイヤモン
ドは、バンドギャップが5.45[eV]と広く、キャリヤ移
動度の高い半導体でもあり、高温トランジスタ,高速ト
ランジスタ等の高性能デバイスとしても注目されてい
る。
〔従来の技術〕
ダイヤモンドを高い成長速度で合成する方法として
は、直流アーク放電により発生させた熱プラズマジェッ
トを冷却された基板に衝突させ、熱プラズマを急冷して
基板上にダイヤモンドを成長させる方法(直流アーク放
電熱プラズマジェットCVD法)がある。
第6図は、従来例に係る直流アーク放電熱プラズマジ
ェットCVD法によるダイヤモンド合成の説明図である。
放電用ガス流路に水素と炭素化合物を含むガスを流し
ながら、定電流電源104によりプラズマ発生用の陽極101
と陰極102との間に直流電圧を印加してアーク放電さ
せ、上記ガスを電極間で急激に加熱してプラズマ化す
る。このとき、プラズマ化した上記ガスは急激な温度上
昇で体積が膨張し、ノズル103から減圧下のチャンバー1
05内にプラズマジェットとなって噴射される。
電極下部に配置した冷却用ガス噴射ノズル108で、プ
ラズマジェットに冷却用ガスを吹きつけて急冷し、この
プラズマジェットを冷却した基板106に衝突させて、水
素原子や炭化水素ラジカル等からなる活性種を消滅以前
に基板106に接触させ、活性状態にある炭素原子を基板
上にダイヤモンド結晶成長させてダイヤモンド膜107を
得ている。
ダイヤモンドを気相成長させる際、通常はチャンバー
内圧力を200[Torr]程度に保って行っている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、この方法によるダイヤモンドの気相成長で
は、放電の際のアーク電圧は非常に不安定である。チャ
ンバー内圧力が200[Torr]におけるアーク電圧の時間
的変化図を第3図に示す。このため、基板に水素原子や
炭化水素ラジカル等の活性種を安定して供給できないの
で、滑らかな表面の均一性に優れたダイヤモンド膜を作
製することができないといった問題がある。
本発明は、表面の均一性に優れたダイヤモンド膜を高
速に形成する方法の提供を目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、放電用ガスおよび炭素化合物ガスを放電
用ガス流路に供給する一方、チャンバー内を常時排気し
てチャンバー内圧力を30[Torr]以下に保ち、上記放電
用ガス流路を挟んで配置したプラズマ発生用の陽極と陰
極との間に直流電圧を印加して電極間でアーク放電さ
せ、上記放電用ガスおよび上記炭素化合物ガスをプラズ
マ化し、プラズマ化した上記放電用ガスおよび上記炭素
化合物ガスを、上記放電用ガス流路の下流側に傾けて配
置した基盤に衝突させ、水素原子や炭化水素ラジカル等
からなる活性種を基板上に供給して、炭素原子を基板上
にダイヤモンド結晶成長させることを特徴とするダイヤ
モンドの気相合成方法によって達成される。
〔作用〕
本発明では、アーク放電させる際にチャンバー内圧力
を30[Torr]以下にして行う。チャンバー内圧力を30
[Torr]に保ってアーク放電させた場合におけるアーク
電圧の時間的変化図を第2図に示すように、アークで圧
の平均値は89.82[V],分散は4.70064となり、従来
(第3図)に比べて非常に安定する。この結果、炭化水
素ラジカル等の活性種を安定に供給できるようになる。
また、チャンバー内圧力が200[Torr]および30[Tor
r]におけるプラズマジェットの発光スペクトルを第4
図(a)および(b)に示すように、チャンバー内圧力
が低い方ガCHラジカルの発光強度が強く、活性なCHラジ
カルをプラズマジェット内に多く含む。このようにアー
ク放電させる際にチャンバー内圧力を低くするほど、プ
ラズマ化した炭素化合物ガス(たとえば、メタン,アセ
チレン,アルコール,アセトン等)内におけるCHラジカ
ルの濃度が高くなる。現在、ダイヤモンド結晶成長する
炭素活性種の多くはCHラジカルであると言われており、
チャンバー内圧力を低くしてダイヤモンドを気相成長さ
せるため、その成長速度が向上すると考えられる。な
お、チャンバー内圧力の変化に対するCHおよびC2の相対
強度を第5図に示す。
本発明において、炭素源としては炭素化合物であれ
ば、どのようなものでもよいが、炭化水素や分子中に酸
素,窒素,ハロゲン等を含む炭化水素またはハロゲン化
炭素が好ましい。
放電ガスに、Ar,He等の不活性ガスを混合して、アー
ク放電の安定性を向上させることができる。この場合、
成膜速度は低下するが、より安定したプラズマジェット
が供給されるようになり、ダイヤモンド膜表面の均一性
が高まる利点がある。
放電ガスに、O2,H2O,H2O2,Co等の酸化性ガスを少量混
入して、グラファイト,非晶質炭素といった非ダイヤモ
ンド炭素を除去するエッチング効果を高めることができ
る。
放電ガスにはイオン化ポテンシャルが高く放電しにく
い水素を用いるため、電極材料としては耐熱性が高く、
安定した放電を発生させるものがよい。例えば、酸化ラ
ンタン,酸化イットリウム,酸化セリウム等を添加した
タングステンが電極材料として優れている。
〔実施例〕
第1図、本発明の実施例に係る直流アーク放電熱プラ
ズマジェットCVD法によるダイヤモンド合成の説明図で
ある。
図示しないロータリーポンプで、チャンバー1内の圧
力を1×10-1[Torr]まで排気した後、 2重量%酸化イットリウム添加タングステンからなるプ
ラズマ発生用の陽極および陰極を備えたプラズマトーチ
2に、水素とメタンの混合ガスを、それぞれH2ガスを20
[l/min],CH4ガスを100[cc/min]の流量で供給する一
方、ロータリーポンプで常時排気してチャンバー1内圧
力を30[Torr]に保ち、上記プラズマ発生用の陽極と陰
極との間に直流電圧を印加し、放電出力を2[kW],ア
ーク電圧を110[V]に維持しつつ、電極間でアーク放
電させて上記混合ガスをプラズマ化し、鉛直下方向にプ
ラズマジェットを噴射する。
プラズマトーチ2の鉛直下方向に配置した、水平面に
対して45゜傾いた基板設置面を有する基板ホルダー3に
固定した50[mm]×50[mm]×5[mm]のSi基板4にプ
ラズマジェットを衝突させる際に、プラズマトーチの下
部に配置した冷却用ガス噴射ノズル5にH2ガスを5[l/
min]の流量で供給し、鉛直下方向に噴射するプラズマ
ジェットに、基板4の上部かつ近傍で、水平方向からH2
ガスを吹きつけてプラズマジェットを冷却し、水素原子
や炭化水素ラジカル等からなる活性種を基板4に供給し
て、活性状態の炭素原子を基板4上でダイヤモンド結晶
成長させ、基板4上にダイヤモンド膜6を形成する。
なお、図において、7はプラズマ発生用の電極に直流
電圧を印加する定電流電源、8はプラズマトーチ2の周
部を循環して冷却する冷却水を供給するトーチ冷却水供
給管、9はプラズマトーチ2にH2ガスおよびCH4ガス
を、冷却用ガス噴射ノズル5にH2ガスを流量計10を介し
て供給するガスボンベ、11はプラズマトーチ2を上下お
よび水平に移動させ、さらに向きを変えるトーチマニュ
プレータ、12は基板ホルダー3を上下に移動する基板マ
ニュプレータであり、これら二つのマニュプレータ(ト
ーチマニュプレータ11,基板マニュプレータ12)によっ
て、ノズル−基板間距離,プラズマジェットの照射位
置,ノズルの向きが調整して、大面積の基板や複雑な表
面形状をした被処理物上にも均一なダイヤモンド膜を成
長させることができる。
さらに、プラズマジェットを基板に斜めから照射し、
基板に対して同じ角度で反対方向から冷却用ガスを基板
上で交わるように吹きつけるので、プラズマジェットを
偏心させることなく基板に供給できるようになり、均一
性に優れたダイヤモンドを成長させることができるよう
になる。
形成されたダイヤモンド膜をX線回折,ラマン分光に
より評価したところ、ラマン分光ではダイヤモンドのピ
ークを示す膜が作製された。また、ビッカース硬度は過
重500[g]で約10000を示し、この値は天然ダイヤモン
ドと同等である。このときのダイヤモンドの成膜速度は
300〔μm/h〕を示し、従来の200[μm/h]に比べて50%
向上し、滑らかな表面のダイヤモンド膜が得られた。
〔発明の効果〕
本発明によれば、アーク放電を安定化し、ダイヤモン
ド成長する炭素系活性種を基板に安定かつ大量に供給す
ることができるようになる。これにより、均一性に優れ
たダイヤモンド膜を高速に形成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例に係る直流アーク放電熱プラ
ズマジェットCVD法によるダイヤモンド合成の説明図、 第2図は、チャンバー内圧力が30[Torr]におけるアー
ク電圧の時間的変化図、 第3図は、チャンバー内圧力が200[Torr]におけるア
ーク電圧の時間的変化図、 第4図(a),(b)は、チャンバー内圧力が200[Tor
r]および30[Torr]におけるプラズマジェットの発光
スペクトル図、 第5図は、チャンバー内圧力に対するCHおよびC2の相対
強度図、 第6図は、従来例に係る直流アーク放電熱プラズマジェ
ットCVD法によるダイヤモンド合成の説明図である。 (符号の説明) 1……チャンバー、 2……プラズマトーチ、 3……基板ホルダー、 4……Si基板、 5……冷却用ガス噴射ノズル、 6……ダイヤモンド膜、 7……定電流電源、 8……トーチ冷却水供給管、 9……ガスボンベ、 10……流量計、 11……トーチマニュプレータ、 12……基板マニュプレータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−201097(JP,A) 特開 昭59−35093(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放電用ガスおよび炭素化合物ガスを放電用
    ガス流路に供給する一方、チャンバー内を常時排気して
    チャンバー内圧力を30[Torr]以下に保ち、 上記放電用ガス流路を挟んで配置したプラズマ発生用の
    陽極と陰極との間に直流電圧を印加して電極間でアーク
    放電させ、上記放電用ガスおよび上記炭素化合物ガスを
    プラズマ化し、 プラズマ化した上記放電用ガスおよび上記炭素化合物ガ
    スを、上記放電用ガス流路の下流側に傾けて配置した基
    盤に衝突させ、 水素原子や炭化水素ラジカル等からなる活性種を基板上
    に供給して、炭素原子を基板上にダイヤモンド結晶成長
    させることを特徴とするダイヤモンドの気相合成方法。
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