JP2646439B2 - ダイヤモンドの気相合成方法および装置 - Google Patents

ダイヤモンドの気相合成方法および装置

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【発明の詳細な説明】 〔概 要〕 直流プラズマCVD法によるダイヤモンド膜の気相合成
方法および装置に関し、 ダイヤモンド気相成長中の放電状態を安定に維持しお
よび大面積の基板に厚いダイヤモンド膜を成長させるこ
とを目的とし、 対向電極間に直流電圧を印加し、グローアーク移行領
域の放電をおこし、水素および炭素を含有するガスから
ダイヤモンドを合成する方法において、陽極をメッシュ
状金属電極としてガス通過可能にし、水冷基板ホルダに
搭載された基板を該陽極の外側近傍に配置し、ダイヤモ
ンド膜を該基板上に成長させるように構成する。
〔産業上の利用分野〕
本発明はダイヤモンドの気相合成に関し、より詳しく
は、直流プラズマCVD法によるダイヤモンド膜の気相合
成方法および装置に関する。
ダイヤモンド膜は、熱伝導率が2000W/mkであって、銅
の4倍にも相当し、しかも、硬度および絶縁性もすぐれ
ており、半導体素子用のヒートシンク、回路基板の材料
として、理想的な材料である。また、広い波長範囲にわ
たり透光性にすぐれており、光学材料としてもすぐれて
いる。さらに、ダイヤモンドはバンドギャップか5.45eV
と広く、キャリア移動度の高い半導体であるので、高温
トランジスタ、高速トランジスタなどの高性能デバイス
としても注目されている。
〔従来の技術〕
ダイヤモンド膜を基板上に気相合成する方法として
は、熱フィラメントCVD法、高周波CVD法、マイクロCVD
法、電子衝撃CVD法などがあり、成膜(成長)速度が比
較的高い方法として直流プラズマCVD法がある(例え
ば、K.Suzuki,A.Sawabe,H.Yasuda and T.Inuzuka:Growt
h of diamond thin films by dc plasma chemical vapo
r deposition,Appl.Phys.Lett.50(12),23 March 1987
参照)。
従来の直流プラズマCVD法のダイヤモンド気相合成装
置は、第2図に示すように、真空ポンプなどの排気系に
接続されたチャンバ1と、チャンバ1内に対向して配置
された陰極2および基板ホルダを兼ねた陰極3と、これ
ら電極間にグローアーク移動領域の放電をおこす直流電
源4と、水素ガスおよびメタンなどの炭化水素ガスの反
応ガスをチャンバ内に流入させるガス導入管5とからな
る。陽極である基板ホルダ3は、その上にダイヤモンド
膜を被着させる基板6が搭載されている。そして、陰極
2および陽極3は冷却水7で水冷されている。
このダイヤモンド気相合成装置では、チャンバ1内を
減圧状態にし、ガス導入管5から水素ガスとメチタ(CH
4)ガスを導入し、直流電源4からの電流を陰極2およ
び陽極3(基板6)の対向電極間に流してグローアーク
移行領域の放電を起こし、第2図に示すように、陽光性
8が発生する。この状態で、基板6上にダイヤモンド膜
を成長させるわけである。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述した装置でのダイヤモンド膜形成においては、基
板ホルダ3上に固定されている基板6が陽極3の一部と
なっているために、絶縁体であるダイヤモンド膜が厚く
成長すると、放電状態が変化したり、さらには放電が停
止したりする。また、基板の大型化(すなわち、ダイヤ
マンド膜の面積を大きくすること)は容易ではない。
本発明の課題は、ダイヤモンド気相成長(合成)中の
放電状態を安定(一定)に維持できるようにすることで
ある。
また、本発明の別の課題は、大面積の基板に厚いダイ
ヤモンド膜を成長させることである。
〔課題を解決するための手段〕
上述の課題が、対向電極間に直流電圧を印加し、グロ
ーアーク移行領域の放電をおこし、水素および炭素を含
有するガスからダイヤモンドを合成する方法において、
陽極をメッシュ状金属電極としてガス通過可能にし、水
冷基板ホルダに搭載された基板を該陽極の外側近傍に配
置し、ダイヤモンド膜を該基板上に成長させることを特
徴とするダイヤモンドの気相合成方法によって達成され
る。
また、上述の課題が、排気系に接続されたチャンバ
と、該チャンバ内に対向して配置された陽極および陰極
と、該陽極および陰極間にグローアーク移行領域の放電
をおこす直流電源と、ダイヤモンド膜を被着させること
になる基板と、該基板を搭載する基板ホルダと、反応ガ
スを前記チャンバ内に流入させるガス導入管とからなる
ダイヤモンドの気相合成装置において、前記陽極がメッ
シュ状金属電極であって、前記陰極と前記基板との間で
該基板の近傍に配置されていることを特徴とするダイヤ
モンド気相合成装置によっても達成できる。
〔作 用〕
本発明のダイヤモンド気相合成は直流プラズマCVD法
において陽極を基板と分離しかつメッシュ状金属にして
いるので、基板上に成長したダイヤモンド膜が放電状態
に影響を与えることなく、メッシュ状金属電極を反応ガ
スが通過して基板上のダイヤモンド膜成長が継続進行す
る。さらに、基板を搭載している基板ホルダを可動にす
ることによって、陽極下方で基板を移動させながらダイ
ヤモンド膜成長を行なうことで大面積基板への膜成長が
可能となる。
〔実施例〕
以下、添付図面を参照して本発明の実施態様例によっ
て本発明を詳しく説明する。
第1図は、本発明に係る直流プラズマCVD法ダイヤモ
ンド気相合成装置の概略図である。
この装置は真空ポンプの排気系につなぐ排気管11のつ
いたチャンバ12を備え、その中に水冷陰極13が固定配置
されている。該陰極13に対向して所定間隙でメッシュ状
金属電極の陽極14が固定配置されている。これら陰極13
および陽極14が直流電源15に接続されている。この場合
には、水冷基板ホルダ16がマニュプレータとして少なく
とも前後・左右に可動できるようになっており、ホルダ
16上に搭載した基板17を移動させることができる。そし
て、基板17がメッシュ状陽極14の下側近傍に存在するよ
うになっている。反応ガスである水素ガスと炭化水素ガ
スとをチャンバ12内に流入させるガス導入管18がチャン
バ12に取付けられかつ陰極13および基板ホルダ16が冷却
水19で水冷されている。
陽極のメッシュ状金属電極14はタングステン、モリブ
デンなどでできており、ダイヤモンド膜が成長する基板
17はシリコン、モリブデンなどである。
この合成装置でダイヤモンド膜を形成するには、従来
の合成装置と同様に、チャンバ12内を減圧状態にし、ガ
ス導入管18から反応ガスを導入し、直流電源15からの電
流を陰極13およびメッシュ状陽極14間に流してグローア
ーク移行領域の放電を起こし、第1図に示すように、陽
光柱20を発生させる。この陽光性20の一部は陰極13側だ
けでなく基板17側にも広がって発生し、この状態で基板
17上にダイヤモンド膜を成長させることができる。この
成長時に、基板ホルダ16を前後・左右に移動させてその
上の基板17を移動させるならば、メッシュ状陽極のサイ
ズよりも大きな面積の基板17上にダイヤモンド膜を形成
することができる。
実施例1 第1図に示した構造のダイヤモンド気相合成装置にお
いて、陰極13を水冷モリブデン製円板(直径20mm)と
し、陽極14をダングステンメッシュ(金網)(直径20m
m)とし、これら対向電極間距離を10mmとした。基板ホ
ルダ16はその頂面サイズが50mm×50mmで、前後・左右に
それぞれ±30mmかつ上下に100mm移動できるマニュプレ
ータを用いた。
基板ホルダ16に30mm×30mm×0.5mmのシリコンウェハ
(基板)17を搭載し、チャンバ12内を真空ポンプ(図示
せず)にて2×10-3Torrまで排気した後に、、ガス導入
管18より水素(H2)ガス(100SCCM)およびメタン(C
H4)ガス(2SCCM)の反応ガスを流し、チャンバ12内圧
力を200Torrに保持した。定電流電源15より電圧1.2kVで
5Aの電流を対向電極間に流して放電を起こして陽光柱20
を発生させた。放電が安定してから、基板ホルダ16であ
るマニュプレータによってシリコン基板17をメッシュ状
陽極14に2mmの間隙位置まで近づけ、この状態でシリコ
ン基板17を前後・左右にゆっくり移動させながら10時間
ダイヤモンドの合成を行なった。その結果、30nm角の基
板17全体に厚さ約300μmのダイヤモンド膜が得られ
た。得られたダイヤモンド膜をX線回析、ラマン分光で
調べたところ、ダイヤモンドのみのピークが検出され、
良質のダイヤモンドであることがわかった。
実施例2 実施例1でのダイヤモンド気相合成装置を用いて、15
mm×15mm×0.5mmのシリコンウェハ(基板)を用い、基
板ホルダ16を前後・左右には移動させずに、実施例1で
の製膜条件で24時間ダイヤモンドの合成を行なった。24
時間の合成中、放電の状態が大きく変化することなく、
また、放電が停止することもなかった。得られたダイヤ
モンド膜の厚さは約1.2mmであった。さらに、X線回
析、ラマン分光で調べたところ、良質のダイヤモンドで
あることがわかった。
〔発明の効果〕
本発明によれば、直流プラズマCVD法でメッシュ状陽
極を用い、基板をこの陽極近傍で離して配置することに
よって、従来この方法では300μm厚さまでしか成長し
えなかったものが1.2mmの厚さまで、さらにこれ以上の
膜厚のダイヤモンド膜を合成できる。また、メッシュ状
陽極と基板とは離れているので、基板を移動させること
ができて、従来電極サイズ以上の基板には製膜できなか
ったのに対してより大面積の製膜が可能となった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係るダイヤモンド気相合成装置の概
略図であり、 第2図は、従来のダイヤモンド気相合成装置の概略図で
ある。 12……チャンバ、13……陰極、 14……陽極(メッシュ状金属電極)、 15……電源、16……基板ホルダ、 17……基板、20……陽光柱。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向電極間に直流電圧を印加し、グローア
    ーク移行領域の放電をおこし、水素および炭素を含有す
    るガスからダイヤモンドを合成する方法において、陽極
    をメッシュ状金属電極としてガス通過可能にし、水冷基
    板ホルダに搭載された基板を該陽極の外側近傍に配置
    し、ダイヤモンド膜を該基板上に成長させることを特徴
    とするダイヤモンドの気相合成方法。
  2. 【請求項2】排気系に接続されたチャンバと、該チャン
    バ内に対向して配置された陽極および陰極と、該陽極お
    よび陰極間にグローアーク移行領域の放電をおこす直流
    電源と、ダイヤモンド膜を被着させることになる基板
    と、該基板を搭載する基板ホルダと、反応ガスを前記チ
    ャンバ内に流入させるガス導入管とからなるダイヤモン
    ドの気相合成装置において、前記陽極(14)がメッシュ
    状金属電極であって、前記陰極(13)と前記基板(17)
    との間で該基板(17)の近傍に配置されていることを特
    徴とするダイヤモンド気相合成装置。
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