JP2947036B2 - 気相成長ダイヤモンドの製造装置 - Google Patents

気相成長ダイヤモンドの製造装置

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    • C23C16/52Controlling or regulating the coating process

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、DCアークプラズマ
ジェット法によって特定される基板面上にダイヤモンド
膜を形成する、特にダイヤモンド膜の大面積化を図る気
相成長ダイヤモンドの製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンドの気相合成法として、DC
アーク放電を用いるプラズマジェット法によって、高速
で且つ高品質のダイヤモンド膜が生成されることが知ら
れている。しかし、このようにして得られたダイヤモン
ジ膜は、プラズマジェットの照射された部分において、
直径数10mm以下の限られた面積範囲においてダイヤ
モンド膜が合成されるものであり、しかもその膜厚分布
においては中心部分が厚く周辺部分が薄くなり、合成面
積と平坦度において満足できるものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上記のよう
な点に鑑みなされたもので、充分に大きな面積範囲にお
いてダイヤモンド膜が合成成長されるようにすると共
に、その膜厚分布が全体にわたって均一に設定されるよ
うにした気相成長ダイヤモンドの製造装置を提供しよう
とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明に係る気相成長
ダイヤモンドの製造装置は、所定の真空度に維持された
真空容器内に、正極および負極を互いに対向する状態で
配置し、正極および負極の相互の空間にアーク放電が発
生されるようにアーク放電用電源を接続するもので、こ
のアーク放電部に炭素源ガスを含むガスプラズマを発生
させ、このガスプラズマを特定される方向に吹出させ
る。そして、吹出されるガスプラズマの当たる位置にダ
イヤモンドを気相成長させる基板を設定し、この基板を
同一平面内で移動させると共に、温度計測手段で基板の
前記ガスプラズマの吹付け部の温度を検出するもので、
この温度計測手段による計測温度が特定される温度範囲
とされるようにした。
【0005】またこの発明にあっては、同一平面内で移
動される基板の移動速度が10mm/sec以上に設定
されるようにした。
【0006】
【作用】この様に構成される気相成長ダイヤモンドの製
造装置にあっては、プラスマジェットガン部から吹き出
されるようになるガスプラズマが、例えばXYテーブル
状の基板移動機構によって同一平面上に移動される基板
面に吹付けられ、この基板の面上にダイヤモンド成膜が
されるようになる。この場合、基板が同一平面上で移動
されているものであるため、この基板面に照射されるプ
ラズマの径による成膜面積の限界をカバーできるように
なり、また例えばCH4 ガスとH2 ガスによるプラズマ
中での混合のむら、さらに基板温度の分布に対応するダ
イヤンド膜の膜厚分布が改善され、大面積で膜厚が均一
にされたダイヤモンドの膜が生成されるようになる。
【0007】
【実施例】まずこの発明に係る製造装置において実施さ
れるダイヤモンドの製造方法の概要について説明する
と、ダイヤモンドの低圧気相成長法の一つであるDCア
ークプラズマジェット法において、ダイヤモンド膜の大
面積化が図れるようにしているもので、基本的にはプラ
ズマジェットガンより噴出されるガスプラズマに対し
て、このプラズマの吹付けられる基板を同一平面で移動
させるようにする。ガスプラズマの吹付けによって得ら
れる基板面上のダイヤモンド膜の品質は、この基板の移
動速度に大きく依存されることが実験等によって明らか
となった。この場合、この基板の移動速度は10mm/
secが下限であり、この移動速度の上限は基板の移動
速度に対応した基板温度によって決定される。
【0008】種々の実験によれば、基板上に合成される
ダイヤモンド膜の高品質化並びに大面積化のためには、
基板の移動速度が10mm/secよりも高速であるほ
どよい結果が得られる。この理由は、DCアークプラズ
マジェット法において、プラズマの周辺にはアモルファ
スカーボンを多量に含む品質の悪いダイヤモンド膜が成
膜される。基板の移動速度が遅い場合には、この品質の
悪い膜が厚く堆積されるようになるものであるため、水
素ラジカルのエッチング効果によっても除去することが
できず、高品質のダイヤモンド膜と品質の悪い膜との混
合膜となり、全体的に品質の向上ができない。
【0009】これに対して基板の移動速度を速くする
と、プラズマ周辺の品質の悪い膜の堆積量が非常に薄く
なり、したがって水素ラジカルのエッチング効果によっ
て、この悪い膜が充分に除去できるようになって、全体
的に高品質のタイヤモンド膜が得られるようになる。
【0010】この様に基板の移動速度は速い程有利とな
るものであるが、その高速側においても限界値が存在す
る。ダイヤモンドの低圧気相合成工程において、このダ
イヤモンド膜を成膜する基板温度は品質並びに成膜速度
に大きく影響するパラメータであって、好ましくは70
0〜900℃である。基板の移動速度が遅いとプラズマ
直下の基板温度は充分に上昇されるものであるが、基板
の移動速度か速くなると、基板温度が上昇する前にプラ
ズマ照射位置が移動し、したがって基板温度が最適温度
以下の状態とされる。そして、基板温度が700℃以下
となると、アモルファスカーボン等の混入が多くなり、
ダイヤモンド膜の品質が低下する。
【0011】したがって、基板の移動速度の上限はこの
基板の移動速度によって決定され、実験によれば基板温
度を例えば700℃とする場合基板の移動速度は40m
m/secであったが、この移動速度は基板の冷却効果
によっても変動する。このため基板温度を計測し、この
基板温度が700〜900℃に設定されるように基板移
動速度を可変制御させるようにするもので、基板の移動
速度の上限は計測基板温度によって管理制御されるよう
にする。
【0012】以下、図面を参照してこの発明の一実施例
に係る気相成長ダイヤモンドの製造装置を説明する。図
1はその構成を示すもので、プラズマジェットガン11を
備えており、このプラズマジェットガン11からの噴出さ
れるガスプラズマ12が、基板台13上に載置設定した基板
14の面上に吹付けられるようにする。
【0013】図2はこのプラズマジェットガン11の断面
構造を示すもので、このプラズマジェットガン11は、先
端151 が鋭角に形成されたタングステンを主成分とする
物質により構成された棒状電極15を中心軸部分に備え
る。この棒状電極15部が軸として中心部に設定されるよ
うにして、銅によって構成された電極冷却部16が形成れ
さるもので、この電極冷却部16に隣接してテフロンによ
って構成されたガス導入部17が棒状電極15の周囲を取囲
むように形成される。このガス導入部17には、電極冷却
部16と反対側で棒状電極15の周囲にガス連通孔171 が形
成され、このガス連通孔171 を介してガス導入部17に連
通されるようにしてシリンダ状電極18が形成される。こ
のシリンダ状電極18は棒状電極15の先端151 部を取囲む
ように筒状に構成されるもので、その先端151 に対応し
て径を絞るようにしたプラズマ噴出口19が開口される。
【0014】電極冷却部16およびシリンダ状電極18に
は、それぞれ冷却室161 および181 が形成され、冷却室
161 には冷却水パイプ201 および202 が連通されて冷却
水が循環され、また冷却室181 には冷却水パイプ211 お
よび212 が連通されて冷却水が循環される。そして、こ
の循環される冷却水によって、棒状電極15とシリンダ状
電極18との間に生ずるアーク放電の熱による電極部の消
耗を防ぐようにする。さらに基板台13部にもパイプ221
および222 を介して冷却水が循環される。
【0015】ガス導入部17には原料ガス導入パイプ23が
連通されるものであり、ガス連通孔171 を介して導入ガ
スが棒状電極15の先端151 に送られるようにする。ま
た、プラズマ噴出口19の近傍には、炭化水素ガス導入パ
イプ24が設けられる。そして、棒状電極15とシリンダ状
電極18との間には、アーク放電を起こさせるためのアー
ク放電用直流電源25が接続されるもので、この場合シリ
ンダ状電極18が正極に設定される。
【0016】この様に構成されるプラズマジェットガン
11のプラズマ噴出口19に対向する位置、すなわち噴出プ
ラズマの下流側には基板台13が設置されて基板14を保持
しているもので、この基板14は例えばタングステン板が
用いられる。この場合、基板台13の中空部131 にパイプ
221 および222 を介して冷却水が循環されて、基板14の
プラズマ照射部の温度が、例えば約800℃に維持され
るように冷却されている。プラズマ噴出口19から吹出さ
れるプラズマジェットの気体温度は、数千〜数万度に達
するものであるため、主に基板14の温度をダイヤモンド
の合成域である600〜1000℃にするために、基板
14が冷却されるようにしている。
【0017】基板台13は基板移動機構26によって支持さ
れているもので、この基板移動機構26はXおよびY方向
に向けて設定されたレール261 および262 を備え、ステ
ップモータ271 および272 によってX方向およびY方向
に移動制御されるように構成されている。そして、この
ステップモータ271 および272 は制御回路28からの指令
によって駆動される。
【0018】基板移動機構26を駆動するステップモータ
271 および272 部分を除くプラズマジェットガン11並び
に基板14の支持機構部は、真空容器29内に収納設定され
る。この真空容器29は図示しない真空ポンプによって排
気口291 から吸気されて、例えば5Torr〜5気圧の範囲
内の圧力下で、プラズマジェットガン11が運転されるよ
うにする。
【0019】この真空容器29には石英ガラスによって封
止された窓30を備え、この窓30を介して放射温度計31に
よって基板14のプラズマ放射部の温度を計測している。
この温度計31で計測された温度情報は制御回路28に供給
されて、ステップモータ271および272 の駆動制御のた
めに用いられ、基板14の移動速度が所定速度に設定され
るようにする。
【0020】この様に構成される装置において、プラズ
マジェットガン11からプラズマジェットガスを基板14の
面に吹付けることにより、この基板14の面上にダイヤモ
ンドの膜が析出される。この状態で基板移動機構25によ
って基板14を同一平面内で移動させるもので、その移動
速度は10mm/sec以上でプラズマ照射部の温度が
600〜1000℃の範囲内の特定される設定値とされ
るように、できるだけ高速で移動されるようにする。
【0021】この場合、プラズマ照射部の温度は放射温
度計31によって測定され、制御回路28内に設定されてい
る温度の設定値と比較し、測定温度が設定温度より高い
状態で基板14の移動速度を上昇させるように、ステップ
モータ271 および272 に駆動指令を与える。逆に基板14
の温度が設定値よりも低ければ、ステップモータ271お
よび272 の回転速度を低下させて、基板14の移動速度を
遅くする制御を行なわせる。
【0022】図3は放射温度計31の具体的な構成例を示
すもので、基板14のプラズマ照射部分の表面放射輝度強
度(温度によって変化する)をレンズ311 で集光し、光
フィルタ312 を通過させた後、ダイオードアレイ等のデ
ィテクタ313 でその光強度を測定する。ここで、熱放射
体のスペクトルはプランクの放射式にしたがうものであ
るため、温度上昇によって光強度が強くなり、このため
一定波長の放射輝度の強度測定することにより、基板14
のプラズマ照射部分の温度が測定できるようになる。
【0023】また、プラズマ照射部の基板14の温度の設
定値は、ダイヤモンド合成が600〜1000℃の範囲
で可能であるので、その範囲内の値が選定される。この
場合の所定の設定値はガスの組成、圧力等によって最適
値が異なる。そして、制御温度範囲の余裕値としては、
±20℃以内とした。
【0024】次に、この様に構成される装置を用いてダ
イヤモンド膜を合成する方法について述べる。まず真空
容器29内を10-3Torrまで排気した後、電離度の高い第
0族ガスであるアルゴンを、ガス導入パイプ23からプラ
ズマジェットガン11に導入するものであり、また真空容
器29内の圧力を50Torrに設定する。その後、電源25か
ら棒状電極15のシリンダ状電極18との間に電圧を印加設
定して、この両電極15と18との間にアーク放電を発
生させる。このアーク放電は電圧40V、電流50Aの
条件で発生される。この放電が安定したところで、この
アーク放電にガス導入パイプ23からアルゴンを60vo
l%、H2 を40vol%の混合ガスを15L/min
の流量で流し、ガスプラズマとした。さらに、炭化水素
ガス導入パイプ24より、メタンガスを60cc/min
および水素ガスを200cc/minで導入した。
【0025】ここで、メタンガスに代表される炭化水素
ガスは、ガス導入パイプ23から導入するようにしてもよ
いものであるが、タングステン製の棒状電極15が炭化さ
れ、放電が安定化されないような問題が生ずるため、こ
の炭化水素ガスは実施例で示したように放電部下流のガ
ス導入パイプ24から導入するようにすることが望まし
い。この場合、真空容器29内の圧力は、50Torrに保た
れるように排気速度が調整されている。
【0026】プラズマ噴射口19にガスプラズマを通過さ
せ、プラズマジェットとして噴出させるものであるが、
さらに炭化水素ガス導入パイプ24から導入されるメタン
ガスをこのプラズマジェットに吹付け、プラズマジェッ
トガスとして基板14の面に吹付けられるようにされる。
この場合プラズマの中心部は3000℃以上であり、ま
たプラズマジェットガン11の内部の放電部はそれ以上の
温度に上昇している。この様にして発生されたプラズマ
ジェットガスを基板14の面に吹付けることによって、こ
の基板14の表面にダイヤモンドが析出形成される。ここ
で、基板14の形状は例えば50×50mmで厚さ5mm
のものを使用した。
【0027】この様なダイヤモンドの析出工程におい
て、基板14が基板移動機構26によって移動制御される。
この場合、基板14の移動経路は予め設定されているもの
で、この実施例においては図4に示すように基板14の1
つの辺に平行に往復動されるようにすると共にこれと直
角の方向に移動され、基板14の全面が走査されるような
移動軌跡が形成されるようにしている。
【0028】制御回路28は、アーク放電用電源25の印加
によるアーク放電の開始に応答し、初期基板移動速度1
0mm/minで図4で示す経路に対応して移動する制
御を開始し、図5で示す流れの処理を開始するもので、
アーク放電が行われている間この処理が繰り返し実行さ
れる。
【0029】この制御回路28における処理において、ま
ずステップ100 では放射温度計31によって測定されたプ
ラズマ照射部の基板温度を示す測定データTを入力する
と共に、マイクロコンピュータ等によって構成された制
御回路28に記憶設定された設定値データTo 、さらに許
容偏差データDを読み出す。この設定データTo として
は、例えば800℃、許容偏差データDとしては20℃
に相当する値が設定される。
【0030】次のステップ101 では、測定データTと設
定データTo の差の絶対値が、許容偏差データD以下の
状態であるか否かを判定し、差の絶対値が許容偏差デー
タD以下と判定されたときはステップ100 に戻る。測定
データTと設定データTo との差が許容偏差データDよ
り大きいと判定されたときは、ステップ102 に進んで測
定温度Tと設定温度データTo の大小を判定する。
【0031】このステップ102 で、測定データTが設定
データTo よりも大きいと判定されたときは、ステップ
103 に進んで移動速度増大指令を発生する。すなわち、
ステップモータ271 および272 に移動速度の増大指令に
対応した駆動指令を出力し、基板14の移動速度を増大方
向に制御する。その結果、基板14のプラズマ照射部の温
度が低下して、温度計31によって測定された温度が設定
データTo に近付くようにされる。
【0032】ステップ102 で測定データTが設定データ
To よりも小さいと判定されたときは、ステップ104 に
進んで基板14の移動速度を低下する指令が出力され、ス
テップモータ271 および272 に移動速度の減少指令に対
応した指令を出力し、基板14の移動速度を減少方向に制
御する。その結果、基板14のプラズマ照射部の温度が上
昇して、温度計31によって測定された温度が設定データ
To に近付くようにされる。
【0033】ただし、基板14の移動速度Vが10mm/
min以下となる場合は、これをステップ105 によって
判定し、異常警報を外部に出力するもので、この場合は
アーク放電電力を増加させるか、あるいはプラズマジェ
ットガン11と基板14との間の距離を小さくする処理を行
うことにより、基板14の移動速度が10mm/sec以
上に設定可能とされるようにする。このステップ105 で
基板14の移動速度Vが10mm/sec以上と判定され
たときは、ステップ100 に戻ってこの制御回路28におけ
る処理が繰り返し実行され、基板14のプラズマ照射部の
温度が所定の設定値に近い状態で保持されるように基板
14の移動速度制御が継続される。この実施例において基
板14の移動速度Vはほぼ20mm/ secに設定され、
その成膜時間は5時間連続で行った。
【0034】この実施例によって示されたような成膜条
件によって基板14面上にダイヤモンド膜を成膜した結
果、50×50mmの基板14の面上にほぼ均一な膜厚で
且つ均質なダイヤモンド膜が得られることが確認され
た。図6はこの様にして得られたダイヤモンド膜の膜厚
の分布を示すものであり、また図7の(A)〜(C)
は、それぞれダイヤモンド膜の中心から40mmの場
所、この中心から20mmの場所、および中心部それぞ
れにおけるラマンスペクトルを示している。
【0035】図8は、基板14の中心より20mm離れた
位置におけるダイヤモンド膜のラマンスペクトルを測定
した結果を示すもので、基板14の移動速度Vを0.5m
m/secから40mm/secの間で変化させた場合
のデータを示している。ラマンスペクトルは炭素の同素
体を検出することができ、1333cm-1付近にダイヤ
モンドスペクトルが得られ、1400〜1500cm-1
の間にアモルファスカーボン(i−C)と言われるスペ
クトルが得られる。したがって、この様なラマンスペク
トルにおいて1333cm-1付近にダイヤモンドスペク
トルピークが強く、1400〜1500cm-1の間のi
−Cと言われるスペクトルのピーク強度が小さいか全く
無い程、ダイヤモンドの純度が良いと考えられる。
【0036】この図8より、基板14の移動速度が速くな
るほどダイヤモンド膜の純度が向上されるものであるこ
とが理解できる。また、i−Cのスペクトルピークがほ
とんど測定できないようになる基板14の移動速度として
は10mm/sec以上であり、したがって基板14の移
動速度が10mm/sec以上であることが好ましいこ
とが理解できる。
【0037】ダイヤモンドの低圧下における気相合成法
において、基板14の温度は重要な要因とされるものであ
り、一般に合成温度範囲は600〜1000℃と言われ
ている。基本的に、基板14の温度が低いとアモルファス
カーボン(i−C)と言われる成分の混入が多くなり、
逆に基板14の温度が高いと黒鉛の成分の混入が多くな
る。
【0038】図9は基板14の温度を変えてダイヤモンド
膜を合成した場合のラマンスペクトルを示すもので、基
板温度Ts が600℃ではi−Cを示す1400〜15
00cm-1にピークを持つスペクトルが、ダイヤモンド
を示す1333cm-1付近のスペクトルピークより大き
く出ており、i−Cの混入が多いダイヤモンド膜と言え
る。さらに基板14の温度が600℃以下となると、ダイ
ヤモンドピークは観測されずにi−Cのみの状態とな
る。
【0039】また、基板14の温度Ts が900℃の状態
では、ダイヤモンドのピーク以外に1550〜1600
cm-1付近にピークを持つ黒鉛の混入が増加する。そし
て、さらに基板14の温度が上昇すると黒鉛のピークが増
加し、ダイヤモンドピークが急激に無くなる。したがっ
て、基板14の温度に対応するダイヤモンド合成域は、6
00〜1000℃であり、最も品質が良いものとされる
のは700〜900℃の範囲である。
【0040】
【発明の効果】以上のようにこの発明に係る気相成長ダ
イヤモンドの製造装置によれば、充分に大きな面積範囲
においてダイヤモンド膜が合成成長されるようになるも
のであり、この合成されたダイヤモンドの膜厚分布は全
体にわたって均一に設定するという大きな効果が発揮さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る気相成長ダイヤモン
ドの製造装置を説明するための構成図。
【図2】上記実施例に使用されるプラズマジェットガン
の構成を説明する断面図。
【図3】上記実施例に使用される放射温度計を説明する
構成図。
【図4】同じく基板の移動軌跡を説明する図。
【図5】上記実施例における制御回路における制御の流
れを説明するフローチャート。
【図6】上記装置で基板面上に合成されたダイヤモンド
膜の膜厚分布を示す図。
【図7】(A)〜(C)はそれぞれ中心からの距離別の
ダイヤモンドスペクトルピークを示す図。
【図8】基板移動速度を異ならせた場合のラマンスペク
トルを基板移動速度別に対比して示す図。
【図9】(A)〜(D)はそれぞれプラズマジェット照
射部の基板温度か異なる場合のラマンスペクトルを示す
図。
【符号の説明】
11…プラズマジェットガン、12…ガスプラズマ、13…基
板台、14…基板、15…棒状電極、16…電極冷却部、17…
ガス導入部、18…シリンダ状電極、19…プラズマ噴射
口、23…ガス導入パイプ、24…炭化水素ガス導入パイ
プ、25…アーク放電用電源、261 、262 …レール、271
、272 …ステップモータ、28…制御回路、29…真空容
器、30…窓、31…放射温度計。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C30B 29/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の真空度に維持された真空容器と、 この真空容器内に互いに対向する状態で配置された正極
    および負極と、 前記正極および負極の相互の空間にアーク放電を発生さ
    せるように、前記正極および負極に接続されたアーク放
    電用電源と、 前記アーク放電部に炭素源ガスを含むガスプラズマを発
    生させ、このガスプラズマを特定される方向に吹出させ
    るプラズマ源ガス供給手段と、 前記吹出されるガスプラズマの当たる位置に配置された
    ダイヤモンドを気相成長させる基板と、 この基板を同一平面内で移動させ、前記基板に対する前
    記ガスプラズマ吹付け部が移動走査されるようにした
    板移動機構と 前記基板の前記ガスプラズマの吹付け部の温度を検出す
    る温度計測手段とを具備し、 この温度計測手段による計測温度が特定される温度範囲
    とされるように、前記基板移動機構の移動速度が制御さ
    れる ようにしたことを特徴とする気相成長ダイヤモンド
    の製造装置。
  2. 【請求項2】 前記特定される温度範囲は700〜90
    0℃とされるようにした請求項1記載の気相成長ダイヤ
    モンドの製造装置。
  3. 【請求項3】 所定の真空度に維持された真空容器と、 この真空容器内に互いに対向する状態で配置された正極
    および負極と、 前記正極および負極の相互の空間にアーク放電を発生さ
    せるように、前記正極および負極に接続されたアーク放
    電用電源と、 前記アーク放電部に炭素源ガスを含むガスプラズマを発
    生させ、このガスプラズマを特定される方向に吹出させ
    るプラズマ源ガス供給手段と、 前記吹出されるガスプラズマの当たる位置に配置された
    ダイヤモンドを気相成長させる基板と、 この基板を同一平面内で移動させ、前記基板に対する前
    記ガスプラズマ吹付け部が移動走査されるようにした基
    板移動機構とを具備し、 前記移動機構により移動される前記基板の移動速度が1
    0mm/sec以上に設定されるようにしたことを特徴
    とする気相成長ダイヤモンドの製造装置。
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