JP2632945B2 - カラー画像表示システム - Google Patents

カラー画像表示システム

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JP2632945B2
JP2632945B2 JP63189662A JP18966288A JP2632945B2 JP 2632945 B2 JP2632945 B2 JP 2632945B2 JP 63189662 A JP63189662 A JP 63189662A JP 18966288 A JP18966288 A JP 18966288A JP 2632945 B2 JP2632945 B2 JP 2632945B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はフロッピーディスクや光ディスク、光磁気メ
モリ媒体、コンピュータ等から出力される画像信号ある
いはファクシミリ信号その他の画像信号を受けて画像を
出力表示する画像表示に関し、また多様化するカラー画
像を出力するための画像表示システムに係わる。
〔従来の技術〕
従来よりテレビやVTRによる動画出力やコンピュータ
との対話作業における出力はCRT(ブラウン管)やTN
(ツイステッドネマティック)液晶のディスプレイモニ
タに、また、WP(ワードプロセサ)やファクシミリ等に
よる文書、図形等の高精細画像はプリントアウトされた
ハードコピーとしてペーパーに出力表示されてきた。
ここでCRTは上記の動画出力に対しては美しい画像を
出力するが、長時間静止した画像に対しては、フリッカ
や解像度不足による走査縞等が視認性を低下させる。ま
た上記のTN液相等の従来の液晶ディスプレイにおいては
フラットさを実現してはいるが、ガラス基板に液晶をサ
ンドイッチする等の作製上の手間や、また貸面が暗い等
の問題点があった。またCRTやTN液晶では上記した静止
画像の出力中においても、安定した画像メモリがないた
めに、常にビームや画素電圧をアクセスしていなければ
ならない等の欠点がある。
これに対して、ペーパーに出力された画像は高精細
に、また安定したメモリ画像として得られるが、これを
多く使用すると整理にスペースを要し、また大量に廃棄
することによる資源の無駄使いも馬鹿にならない。
そこで従来ハードコピーとしてのみ得られていた高精
細画像をハードコピーと同等の鮮明さで表現し、また必
要に応じてカラー画像を繰り返し表示・消去できるカラ
ー画像表示方法が求められている。なお、この種のディ
スプレイ送致を実現するために従来より、静電記録、電
子写真記録、感熱記録等の方法を利用したベルト状像担
持体を用いた表示方式が種々提案されている。このう
ち、たとえば特開昭57−171380に示される様に、熱的な
方式においてカラー画像を形成するものも提案されてい
るが、カラー塗料をチドリ状に配置し、このカラー塗料
部分を感熱ヘッドで精密に選択する必要がある。又は、
表示中に保温するための手段が必要であるなどの難点が
あるため、実用化に対し装置の複雑化、高コスト化等の
問題がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
そこで本発明は上記の問題点を解決するもので、簡易
かつ安価に高精細カラー画像を延命に表示することを可
能にするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は加熱後急冷することによって透明化する高分
子液晶を有するシートと、画像情報に従って該シートの
少なくとも一部を加熱後急冷して透明化することにより
暗部と白色部とからなる画像を形成する描画装置と、か
らなる画像装置、および、カラーフィルタを有し、描画
されたシートとカラーフィルタとを重ねることによって
カラー画像を可視化するカラー可視化装置、から少なく
とも構成されるカラー画像表示システムである。
バックライトによる光照射手段を備えたシステムは視
認性が良好であり好ましい。
透明度の差による画像が記録されたシートとカラーフ
ィルタを重ねることによってカラー画像を可視化する装
置であって、カラーフィルタおよび該シートと該カラー
フィルタとの位置合わせ部材と、位置合わせ微調整手段
とを有するカラー画像可視化装置が前記システムの構成
要素となる。
カラーフィルタに対して該シートを固定する手段を有
するカラー画像可視化装置は位置合わせの容易さ確実さ
および安定性に優れ好ましい。
また、位置合わせのための固定指標を形成する手段を
備える描画装置と、その固定指標に対応した固定指標ま
たは位置合わせ部材を備える可視化装置によっても位置
合せが容易かつ確実になる。
固定指標はバンチングやパターンカッティングをシー
トに設けたり、あるいは透明度の差によってシートにマ
ークを書き込んでおく等によって得られる。
また描画を高精度に行うために、カラーフィルタ上の
各色の配置に対応したマークを画像形成媒体であるシー
トに設け、このマークを確認しつつ描画するのも効果的
である。
本発明に用いる透明度が変化するシートとしては、サ
ーモトロピック液晶性を示す高分子液晶(PLC)の層を
持つフィルムが好適である。このようなPLCは温度によ
って透明度が変化し、さらに冷却速度によって常温にお
ける透明度が変わる。
この例としては、メタクリル酸ポリマーやシロキサン
ポリマー等を主鎖とした低分子液晶をペンダント状に付
加した、いわゆる側鎖型高分子液晶、また高強度高弾性
耐熱性繊維や樹脂の分野で用いられているポリエステル
系又はポリアミド系等の主鎖型高分子液晶等である。
また、液晶相においては、スメクチック、ネマチッ
ク、コレステリックをとるもの、またはその他の相をと
るもの、またディスコチィック液晶等も用いうる。
さらに、高分子液晶中に不斉炭素を導入したSmC*を
示す相を有し、強誘電性を示す高分子液晶も好ましく用
いうる。
以下、高分子液晶の具体例を例示するが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
また、これらを塗布成膜するための溶媒としては、ジ
クロロエタン,DMF,シクロヘキサン等の他、テトラヒド
ロフラン(THF),アセトン,エタノールその他の極性
又は非極性溶媒又はこれらの混合溶媒が使用され、これ
らは使用する高分子液晶との溶解性並びにこれを塗工す
る基体の材質または基体の表面に設けた表面層との濡れ
性、成膜性等の要因によって選択しうるのは言うまでも
ない。
以下、高分子液晶の具体的な一例として、前記(I)
式により示される液晶を用いた例を示す。
前記高分子液晶をジクロロエタンにより溶解し、これ
をアルコール洗浄を施したポリエステル系透明基体上に
アプリケータにより塗布した。その後、95℃雰囲気中に
10分間放置したところ、白色の散乱膜が形成された。こ
の膜厚は塗布前における高分子液晶のwt%が20%の場合
において7μm強のものが得られた。
このようにして得られた白色シート上を感熱ヘッドで
走査したところ、文字,図形パターンに従って透明部分
が固定された。このシートを光学濃度が1.2の黒色バッ
クグラウンド上に導くと、白地に黒の透明な表示が得ら
れた。又、これを通常のオーバーヘッドプロジェクタで
投影すると暗部中に白色部の鮮明な投影画像が得られ
た。
次に上記パターンが記録されたシートの全面を約120
℃にまで加熱し、その後約105℃で数秒保ったところ、
元の白色散乱状態に全面が復帰し、このまま常温に戻し
ても安定であり、再度の記録,表示がなされ得た。この
現象は前記高分子液晶が安定したメモリー状態を維持す
るガラス転移点以下におけるフィルム状態、実質的に光
学的散乱状態に推移することのできる液晶フィルム状態
およびこれより高温で等方的分子配列となる等方性フィ
ルム状態の少なくとも3状態をとり得ることに起因して
制御することができる。
次に、第2図を用いて透明基体上に高分子液晶層を設
け、画像表示を行なう場合についての原理的プロセスを
説明する。
図において、前述した散乱状態は図中の状態であ
る。これを例えば感熱ヘッドあるいはレーザー等の加熱
手段によりaのようにT2(Tiso=等方状態移行温度)
以上に加熱した後急冷すると、図中の様にほぼ等方状
態と同様の光透過状態が固定される。この急冷状態は、
特に冷却手段を用いることもなく、基体を空気中に自然
放熱するもので充分である。この等方状態は、T1(Tg=
ガラス転移温度)以下における室温または常温状態にお
いては安定であり、画像メモリーとしても安定な状態で
ある。
一方aのようにT2以上に加熱した後、液晶温度T1
T2間に一例として1秒ないし数秒にかけて保持すると、
bのごとく、この保持時間において散乱強度を再び増
し、常温においては再び元の散乱状態に復帰し、この
状態はT1以下において安定に保持される。
また、図中で示すごとく、液晶温度T1〜T2間に一例
として10ミリ秒〜1秒程度の時間保持する様にすれば、
その部分においては中間の透過状態を常温で保持するこ
とができ、階調表現として使用することも可能である。
すなわち本例では、いったん等方状態に加熱した後、
常温に至るまでに液晶温度でどれ程の時間保持するかで
透過率または散乱強度を制御することができ、またこれ
をT1以下においては安定に保持することができる。さら
に、上記において散乱状態に復帰させる場合の温度は、
液晶温度内でT2に近い方がより早く、また、液晶温度に
比較的長時間放置する様な場合は、いったん等方状態に
加熱しないでも、以前の状態にかかわらずの散乱状態
に戻らしめることは可能である。
本発明の像形成方法においては前記の散乱状態をより
強度にする要因を積極的に付加することにより、より美
しい画像を得ることができる。このためには、前記例示
した高分子液晶が前記したジクロロエタンあるいはDMF
(ジメチルフォルムアミド),シクロヘキサン等の溶媒
に溶解後、基体に塗布し、前記溶媒を揮発せしめる過程
あるいは揮発せしめた後に、液晶温度(75℃〜110℃)
に一定時間保つことにより安定した光学的散乱膜が既に
形成されていることが望ましい。このような膜形成に最
適な条件の1つとしては、高分子液晶の溶媒に対する添
加量が、添加,撹拌後、透明な溶液、または粘稠状態で
得られる様な濃度であることである。例えば、前記構造
式を示した高分子液晶をジクロロエタンに単独で溶解す
る場合、高分子液晶のwt%濃度が10%においては溶液は
白濁したミセル状となっているが、15%〜25%程度の比
較的高濃度においては安定した透明な粘稠溶液が得られ
る。この傾向は、その他の数種の高分子液晶および溶媒
との組み合わせにおいても観測される。この透明な粘稠
溶液をアプリケータ,ワイヤバーまたはディッピング等
の手段により良く洗浄したガラス,ポリエステル等の基
体に塗工した後、前記液晶温度に保持すると、前記ミセ
ル状において同様に塗工した場合に比べ、非常に一様性
の高い光学的散乱膜が得られる。
この時、前記基体に対しては無配向処理であるか、ま
たはエチルアルコール等により複数方向へ抜き取り処理
を行なったものであり、いずれも表面に対する汚れをか
なり排除したものである。
なお、高分子液晶の溶媒としては複数の溶媒の混合溶
媒、または高分子液晶材料以外の混合物、色素材料その
他を、塗工に悪影響を及ぼさない範囲で添加することも
可能である。また、表面にフッ素樹脂をコーティングし
たり、ポリイミド、アラミド等のシートをラミネートし
たりしても良い。
このようなシートに画像を形成するにはサーマルヘッ
ドを用いるのが簡便であり好ましいが、これに限定され
るものではなく、レーザー熱等の応用も可能である。ま
た、サーマルヘッドを備えた装置としてサーマルプリン
タやファクシミリを本発明システムの画像装置に応用す
ることができる。ただし、透明度の差だけしか記録され
ていないシートを用い多色画像を表示するためには後で
述べるような特殊な処置が必要である。
次に画像が形成されたシートをカラーフィルタと重ね
ることでカラー表示を行うことができる。カラーフィル
タは可視化装置に組み込まれている点が本発明の一つの
特徴である。すなわち多数種の画像を表示するときで
も、前記画像装置で得られる多数種の画像を描画したシ
ートさえ作成すればよく、カラーフィルタはカラー可視
化装置に備わる1枚でよい。
カラー可視化装置はカラーフィルタと必要に応じて光
源や反射板、投影手段等を備える。たとえばオーバーヘ
ッドプロジェクター(OHP)の画像載置台にカラーフィ
ルタを備えたものを用いることができる。
さて、透明度の差による画像が形成されたシートとカ
ラーフィルタとで多色の表示が行われる原理について述
べる。
本発明に用いるカラーフィルタには、複数の色が規則
的に配置される。例えばレッド(R)、グリーン
(G)、ブレー(B)の3色がストライプ状に配され
る。もちろん他の色でも良い。カラーフィルタの製法と
しては、たとえば網点印刷等によることができる。
シートにサーマルヘッド等により第3図(a)に示す
ように記録をし、(図では小窓状)透明部を設ける。こ
れを同図(b)に示すようなカラーフィルタに重ねると
同図(c)に示すように、レッドのみによる画像を得る
ことができる。
ここで重要なのはカラーフィルタの各色の配置に合わ
せてシートに記録を行うことである。つまり上のような
場合、G、Bに相当する部分は飛ばしてRに相当する箇
所のみシートに記録を行ない透明部を設ける。2色以上
例えば隣接したRとGに相当する部分を透明にすれば混
色が得られる。
カラーパターンの形状としては上記ストライプだけで
なく規則的に各色が配置されていればモザイク状その他
何でもよい。ただしシートに描画する際あるいは表示の
際の制御性等を考えると、ストライプ状が好ましい。ス
トライプ状にすれば、一方向の制御ですむからである。
たとえば描画の際、ヘッドの打点間隔が、カラーパター
ンのピッチに合っていさえすればシートの送りスピード
が多少不安定でも所望の色を表示することができる。表
示の際も同じで、ストライプならば縦方向のみ位置合わ
せすればよいのに対し、モザイクでは縦横2方向位置合
わせしなければならない。
以上をまとめて図示したのが第1図である。
画像情報はカラースキャナで読んだり、CRT画面上で
作成したりして得られる像の位置、形、色等の情報であ
る。これをカラーフィルタのパターン情報、例えばRGB
ストライプのピッチ、配列等と合わせ、所望の画像が表
示できるように、シートに記録する画像情報を決定す
る。この処理を行うのが画像プロセッサである。
画像プロセッサから出力される情報には、色の概念は
含まれておらず、位置とON−OFF信号または中間調記録
を行える場合は位置と強度で構成される。
この情報がサーマルプリンタ等の描画装置に送られシ
ートに画像が記録される。
その後カラー可視化装置とシートとによってカラー画
像が表示されることになる。カラーフィルタのパターン
が粗ければ別だが、ストライプのピッチを狭くする等の
処置により、表示画像は鮮明なカラー画像となる。
表示した後不要になった画像はシートを熱することで
消去可能であり、シートを繰り返して使用できるので、
経済的である。
カラー可視化装置の形態としては第4図(a)に示す
ようなカラーフィルタ付OHPでもよいし、同(b)に示
すようなカラーパネルでもよい。これらはいずれもバッ
クライトを内蔵しているが、反射光だけでも充分視認で
きる場合はバックライトは不要である。
カラー可視化装置およびシートにはシートとカラーフ
ィルタの位置が正しく対応するように位置合わせ手段を
設けておくとよい。もし位置がずれると赤く表示したい
箇所が青になってしまったり、青が混じってしまったり
し、所望の画像が得られなくなるからである。
以下にはシートとカラーフィルタとを容易に確実に位
置合わせするための手段について例をあげ、図示しつつ
説明する。
位置合わせのために何らかの固定指標、例えばパンチ
穴や切欠きあるいはマークを設けるのが効果的である。
このために描画装置にパンチング手段、パターンカッテ
ィング手段を設けたり、描画に際して透明度の差からな
る画像によって固定指標を形成すると良い。
第4図(a)は位置合わせ部材を有するカラーフィル
タ1付OHP(カラーOHP)である。カラーOHPには突起部1
2が設けられ、これに対応してシートに位置合わせ用穴
をあけておき、シート穴を突起部に差し込むことによ
り、容易に位置合わせができる。
同図(b)はカラーフィルタ1を有し、本体21に内蔵
される光源が内側からカラーフィルタを照らす直視型デ
ィスプレイ装置であるカラーパネルである。本体下部の
突起部23に対応してシートに切欠きを設け、切欠部と突
起部のはめ合いにより位置合わせをする。L字アングル
22は差し込まれたシートを保持するためのものである。
このような手段によって位置合わせが容易になる。
ここでシートに位置合せ用の穴や切欠きを設ける手段
について説明する。穴や切欠きはもともと(未記録状態
のとき)明けられていてもよいが、次のように描画の際
に設けてもよい。
第5図(a)は穴明け手段を備えた描画装置である。
シート2を内蔵し、サーマルヘッド31を有し、その上に
カッター32も有する。ここではカッターが円柱状で、円
形の穴を明ける場合を示すが、カッターは矩形でもV字
形でもよく、可視化装置の突起形状に合っていればよ
い。穴明け箇所もシート先端、後端、側端あるいはこれ
らの近辺のどこに設けてもよい。ただし、シートの先端
に穴を明ける場合にはサーマルヘッドの前にカッターを
配置し、後端の場合にはその反対の配置にすると穴明け
時のシートが受けるショックが少なく好ましい。ここで
は先端からやや内側の所に穴を明けることにする。同
(b)には本例における動作を示す。穴と記録開始位置
との距離lは、カラーフィルタとの関係である程度制御
されるべきである。同(c)には描画時のシートの送り
方向と、表示に際してのカラーパターンのストライプ方
向との関係により、上記lに要求される精度が異ること
を示した。送り方向とストライプ方向が一致する場合、
lが少々ずれても表示に際して支障はないが、両者が直
交する場合(第5図(c)右)lが本来の値からずれる
と、赤を表示するはずが青になったりする可能性があ
り、この場合lを厳密に(ストライプのピッチに対して
誤差を充分小さく)制御することが必要となる。
これまでに、位置合わせを容易にする手段について述
べたが、表示に際してさらに正確に位置合わせができる
ようにするためには、例えば次のようにすると良い。
すなわち、可視化装置に位置合わせ微調整手段を設け
ればよく、例えば第6図に示すように、カラーフィルタ
1を枠41にとり付け、それにネジ等による微調ツマミ42
を設ける。図では雌ネジ部材43が枠41に固定され、雄ネ
ジが微調ツマミの役割を果たし、図示されていないが、
このツマミは表示装置に対して固定(回転は可)されて
いる。ツマミを回すとカラーフィルタが左右に少しずつ
動くようになっている。カラーフィルタとともに、フレ
ネルレンズや保護プレート等も一緒に動かしてもよい。
なお本例において、枠やネジ構造は本質的ではない。カ
ラーフィルタに直接ネジをとり付けてもよいし、またネ
ジを使わなくともよい。さらに手動ではなくモータ等を
使って電動にすることもできる。なおここに述べたよう
な手段は、OHPタイプ、カラーパネルタイプ等、可視化
装置のタイプによらず適用できる。
穴や切欠きによらずに、マーキングによって位置合わ
せを容易確実にすることも可能である。
トンボ等の位置合わせ用マークをシートに設け、これ
と可視化装置に設けられたトンボ等のマークを合わせる
とよい。
第7図に、このような場合に有用な描画装置を示す。
同(a)図は描画装置本体であり、同(b)〜(d)図
はトンボ51をシート2上に打つ過程を示したものであ
る。シートがサーマルヘッド31に送られ、(b)、シー
トの先端から一定の距離をおいた位置にトンボを記録す
る(c)。この一定の距離は、可視化装置に設けられる
トンボの位置に対応させておく。その後トンボからさら
に一定距離おいて画像の記録を始める。トンボはシート
後端や横側にあってもよい。
ここで特筆すべきは、上のように記録されたトンボ等
のマークは消去可能であって、記録画像が不要になった
際はマークを一緒に消去し、新たに再利用できる。
上のような描画装置と対応して用いられる可視化装置
について述べる。このような可視化装置として第8図に
示すような装置が好ましい。すなわち、シート載置部に
カラーフィルタ1を有し、更に拡大レンズ53、シート押
さえ部材54、トンボ52も有する。
この装置の用い方は、まずレジ合わせ用マークの記録
されたシートをカラーOHPのシート載置部に載せ、シー
ト上の位置合わせ用マーク51とシート載置部のカラーフ
ィルタ端部の位置合わせ用マーク52とが一致するように
シートを配置する。ここで、両位置合わせマークが精度
良く一致する必要があるので拡大レンズで確認しながら
調整を行なうと容易に高精度な調整が可能となる。
また、位置を制度良く合わせて配置したシートはシー
ト押え部材54で固定すれば、装置の振動等によって位置
ずれが起こることもなく安定したカラープロジェクショ
ンを行なうことが出来る。
これまでにシートとカラーフィルタの端部における位
置合わせについて述べたが、次には描画に際しての記録
制度を向上させる方法について述べる。カラーフィルタ
はレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)のもの
を用いるとする。
第9(a)図はシートの端部にあらかじめ印刷等の方
法でカラーマーキングを行なったものである。本例では
シートへの画像形成プロセスにおける情報記録の記録ピ
ッチから来る所望のピッチ(本例ではRGBに相当する情
報をライン順次に記録させているのでR情報に対応する
2ラインおきのピッチ)のラインマーキングを行なう。
ラインマーキングはここではR情報記録に対応する部位
にR(赤色)の印刷を行なっている。両色が一致してい
る方がカラーフィルタ上での位置合わせが容易となるが
黒等の他色でもいいし、シートに熱印加を行なって不透
明地に透明部を作成しても良い。
このマーキングされたシートに次のように描画すると
精度よく記録ができる。すなわち第9(b)図に示すよ
うに、発光素子、赤色受光素子の組合せ61で記録媒体上
の赤色マーキングの部位を検知すると、その時点でR情
報ライン記録をサーマルヘッドで行なう。その後記録媒
体の進行に合わせてG、B情報ライン記録を同様にサー
マルヘッドで行なう。次の赤色マーキングの部位で再び
R情報ライン記録を行ない順次カラー情報に相当する情
報記録を行なう。
このようにして情報が記録されたシートを第9(c)
図に示す。
以上説明したようにカラー画像記録媒体に2ラインお
きのマーキングを行なっておくことによりR、G、B3ラ
イン単位で色位置をあわせることができ、色ズレのない
カラー記録を行なうことが出来る。
第9(d)図に変形例を示す。ここでは画像記録媒体
に対応せしめるカラー可視化装置の有するカラーフィル
タの3色に相当するすべてのラインに対応して予めマー
キングを行ない、そのうちの一色のラインマークの長さ
を長くしてある。そして第9(e)図に示すように受光
素子を2列に並べ2本の受光素子がマークを検知した時
には例えばR情報、次に一本の受光素子がマークを検知
した時にはG情報、更に次に一本の受光素子がマークを
検知した時にB情報を記録するようにしたものである。
このように記録することによってライン単位で色位置
を合わせることができ、色ズレの全くないカラー記憶を
行なうことができる。このようにして像情報の記録され
た後のシートを第9(f)図に示す。
以上のように、予めマーキングし、それに合わせて描
画したシートは、やはりマーキングを行ってある可視化
装置のカラーフィルタと共に使用される。その様子を第
9(g)図に示す。カラーOHPやカラーパネルにマーキ
ングしてあるカラーフィルタを適用することは好まし
い。たとえばカラーOHPのシート載置台上のカラーフィ
ルタの端部にラインマーキングのピッチ及びカラーフィ
ルタの色対応位置に相当する部位に透明部を作成し透明
ラインマーキングを配置する。表示時にはシートのカラ
ーラインマーキングとカラーOHPのシート載置台上の透
明ラインマーキングが一致してカラーマーキングの色が
彩やかに見えるように置いた時に色ズレのない画像が得
られる。
記録媒体と媒体載置台の両端部にマーキングをする際
には、カラーフィルタに対する回転方向の色ズレもなく
なり素晴しいカラー表示が可能となる。
さらに、一度位置合わせをしたらシートが容易にずれ
ないようにしておくと実用上非常に有効である。すなわ
ち表示装置にシートを固定する手段を設けると良い。
第10図はその例であって、(a)に示すカラーOHPで
は、シート載置面に小孔があいており、本体内部を負圧
にすることによりシートがシート載置面に吸引されて固
定される。本体内部を負圧にする手段は、従来のOHPも
備えている冷却用ファンを兼用すると無駄がなく好まし
い。
第10(b)図に示すカラーパネルでは、ガラスとびら
72が備わり、シートをガラスとびらの内変にはさみ込ん
でとびらを閉じることによってシートを固定する。この
とき固定部材73,74を設け、73,74のいずれかを加動にし
バネ等によって適当な押圧でシートをおさえるようにし
ておくと良い。
この他静電吸着や磁石等を用いた押さえ部材による手
段等の、シートをカラーフィルタに固定する手段が例と
して挙げられる。
〔実施例〕
ポリエチレンテレフタレートから成る透明フィルム上
をジクロロエタンに溶解して20%溶液とし、ワイヤバー
にて塗布し、これをオーブン中90℃、15分間放置し白色
散乱層としたものをシート状に形成し、透明度の変化す
るシートを作成した。
このシートを1ミリ当り8ドットの密度のサーマルヘ
ッドを有するサーマルプリンタに通した。
この際上記サーマルプリンタには別の画像プロセサに
より、上記サーマルヘッドに対し、2ドット間を開けて
3ドットに1ドットが連続的にONする様なストライプパ
ターンを印字する様なテストパターンを入力した。
上記の様にすると前記シートには白色散乱中に固定さ
れた透明部分によるストライプパターンが形成された。
次に上記形成されたストライプパターンを125μmピ
ッチでR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)を
順次形成したストライプカラーフィルタ上に導き、バッ
クライト、又はフロントライト光源により照射すると、
R、G、Bいずれかのカラー、又はその混色によるカラ
ーがその位置合わせの状況にしたがって鮮明に視認され
た。
[効果] 本発明によって、簡易なカラー画像表示が得られる。
カラーフィルタを画像記録媒体であるシートにではな
く、可視化装置に備えたことで、シートを安価にできる
とともに、従来から普及しているサーマルプリンタやフ
ァクシミリ等のモノクロ用機器を用いてカラー表示を得
ることができる画像を作成できる。また、必要となる位
置合わせも、カラーフィルタをストライプ状パターンに
しておくことにより、記録ピッチさえ合わせれば良いの
で制御も容易である。さらに高分子液晶による記録を行
う場合は、画像を消去し、繰り返しシートを利用できる
ので非常に経済的である。
また位置合わせ部材および微調整手段を設けることに
より、シートとカラーフィルタの位置合わせが用意かつ
確実になる。
さらにシートをカラーフィルタに対して固定すること
により一旦位置合わせをした後は容易に位置がずれず
に、安定して鮮明な表示ができる。
シートに固定指標を形成し、可視化装置にもこれに対
応した固定指標または位置合わせ部材を設けることによ
り、シートとカラーフィルタの位置合わせが容易かつ確
実になる。
また、カラーフィルタにおける各色の配置に対応した
マークをシートに設けておくことにより、描画が高精度
で行えるので、色のにじみやずれ等を抑えることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は画像表示、描画システムの概念図、 第2図は温度による高分子液晶の透明度の変化を示すグ
ラフ、 第3図はカラー表示の原理を説明する図、 第4図はカラー可視化装置の例、 第5図は穴明け手段を備えた描画装置、 第6図は位置合わせ微調機能の構造例、 第7図はマーキング手段を備えた描画装置例、 第8図はマーキングによる位置合わせ手段をもつカラー
可視化装置、 第9図はマーキングの他の形態、 第10図はシート固定手段を備えたカラー可視化装置例で
ある。 1:カラーフィルタ 2:シート 11:カラーOHP本体 12:突起部 21:カラーパネル本体 22:L字アングル 23:突起部 30:描画装置本体 31:サーマルヘッド 32:カッター 33:ロール 34:穴 41:フィルタ枠 42:微調ツマミ 43:ネジ部 51:トンボ(シート側) 52:トンボ(カラーフィルタ側) 53:拡大レンズ 54:シート押さえ部材 61:発光・受光素子 71:小孔

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱後急冷することによって透明化する高
    分子液晶を有するシートと、画像情報に従って該シート
    の少なくとも一部を加熱後急冷して透明化することによ
    り暗部と白色部とからなる画像を形成する描画装置と、
    からなる画像装置、および、カラーフィルタを有し、描
    画されたシートとカラーフィルタとを重ねることによっ
    てカラー画像を可視化するカラー可視化装置、から少な
    くとも構成されるカラー画像表示システム。
  2. 【請求項2】バックライトによる光照射手段を有する請
    求項1に記載のカラー画像表示システム。
  3. 【請求項3】前記高分子液晶をいったん等方状態に加熱
    した後、常温にいたるまでの液晶温度での保持時間を制
    御することによって暗部と白色部とからなる画像を形成
    することを特徴とする請求項1または2に記載のカラー
    画像表示システム。
  4. 【請求項4】透明度の差による画像が記録されたシート
    とカラーフィルタとを重ねることによってカラー画像を
    可視化する装置であって、カラーフィルタおよび該シー
    トと該カラーフィルタとの位置合わせ部材と、位置合わ
    せ微調整手段とを有するカラー画像可視化装置。
  5. 【請求項5】前記カラーフィルタに前記シートを固定す
    る手段を有する請求項4記載のカラー画像可視化装置。
  6. 【請求項6】前記シートが高分子液晶からなる層を有す
    ることを特徴とする請求項4または5に記載のカラー画
    像可視化装置。
  7. 【請求項7】加熱後急冷することによって透明化するシ
    ートの少なくとも一部に、画像情報に従って加熱急冷し
    て透明度の差による画像を形成する描画装置であって、
    該透明度の差からなる固定指標を形成する手段を有する
    描画装置。
  8. 【請求項8】前記シートが高分子液晶からなる層を有す
    ることを特徴とする請求項7記載の描画装置。
  9. 【請求項9】前記高分子液晶をいったん等方状態に加熱
    した後、常温にいたるまでの液晶温度での保持時間を制
    御することによって画像を形成することを特徴とする請
    求項8記載の描画装置。
  10. 【請求項10】請求項1に記載のシステムを構成するシ
    ートであって、該シートの少なくとも一部にカラーフィ
    ルタにおける各色の配置に対応したマークを有し、該マ
    ークは透明度の差によって書き込まれたものであること
    を特徴とする画像形成媒体。
  11. 【請求項11】前記シート中の高分子液晶が、等方状態
    から常温にいたるまでの冷却過程における液相温度での
    保持時間によって透過率の変化する高分子液晶であるこ
    とを特徴とする請求項10記載の画像形成媒体。
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