JP2548021B2 - 像形成媒体、像形成装置、表示装置及びメモリ装置 - Google Patents

像形成媒体、像形成装置、表示装置及びメモリ装置

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JP2548021B2 JP62325392A JP32539287A JP2548021B2 JP 2548021 B2 JP2548021 B2 JP 2548021B2 JP 62325392 A JP62325392 A JP 62325392A JP 32539287 A JP32539287 A JP 32539287A JP 2548021 B2 JP2548021 B2 JP 2548021B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、光学的散乱状態の差異を利用した像を形成
し、これを表示したり、あるいはメモリとして記録す
る、または他の画像形成への中間媒体として使用する像
形成媒体に関し、詳しくは、上記像形成を高コントラス
トに達成し得る像形成媒体に関する。
[従来の技術] 従来より、テレビやVTRによる動画出力や、コンピュ
ーターとの対話作業における出力は、CRTやTN(ツイス
テッドネマティック)液晶等のディスプレイモニターに
表示され、またワードプロセッサーやファクシミリ等に
よる文書,図形等の高精細画像は、プリントアウトされ
たハードコピーとしてペーパーに出力表示されてきた。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、CRTは上記の動画出力に対しては美し
い画像を出力するが、長時間静止した画像に対してはフ
リッカや解像度不足による走査縞等が視認性を低下させ
る。
また、上記のTN液晶等の従来の液晶ディスプレイにお
いては、装置の薄型化を実現してはいるが、ガラス基板
に液晶をサンドイッチする等の作製上の手間や、画面が
暗い等の問題点があった。
さらに、CRTやTN液晶では、上記した静止画像の出力
中においても安定した画像メモリーがないために、常に
ビームや画素電圧をアクセスしていなければならない等
の欠点がある。
これに対してペーパーに出力された画像は、高精細
に、また安定したメモリー画像として得られるが、これ
を多く使用すると整理にスペースを要し、また大量に廃
棄することによる資源の無駄使いも馬鹿にならない。
本発明は、従来、ハードコピーとしてのみ得られてい
た高精細カラー画像をハードコピーと同等の鮮明さで表
現し、また高コントラスト像を必要とするメモリ装置、
その他の装置に適用しうる媒体を提供することを目的と
する。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、散乱状態および透明状態となる光学散乱層
に隣接して光学吸収体を設け、前記光学散乱層の散乱状
態および透明状態の差異を光学吸収体により検出される
像として形成する像形成媒体であって、 前記光学散乱層と光学吸収体との間に低屈折率層を設
けたことを特徴とする像形成媒体である。
また、本発明は、当該像形成媒体と、前記散乱状態お
よび透明状態を熱的に制御する手段とを有することを特
徴とする像形成装置である。
また、本発明は、当該像形成装置を有する表示装置で
あり、さらに、上記像形成媒体を有するメモリ装置であ
る。
本発明に用いることのできる光学散乱層としては、サ
ーモトロピック液晶性を示す材料が好適である。この例
としては、たとえばメタクリル酸ポリマーやシロキサン
ポリマー等を主鎖とした低分子液晶をペンダント状に付
加したいわゆる側鎖型高分子液晶、また、高強度高弾性
耐熱性繊維や樹脂の分野で用いられているポリエステル
系またはポリアミド系等の主鎖型高分子液晶等が挙げら
れる。
また、相としてスメクティック,ネマティック,コレ
ステリック、その他の相をとるもの、またディスコティ
ック液晶等が用いうる。
さらに、高分子液晶中に不斉炭素を導入してSmC*を示
す相を有し、強誘電性を示す高分子液晶も好ましく用い
うる。
以下、高分子液晶の具体例を例示するが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
また、これらを塗布成膜するための溶媒としては、ジ
クロロエタン,DMF,シクロヘキサン等の他、テトラヒド
ロフラン(THF),アセトン,エタノールその他の極性
または非極性溶媒、あるいはこれらの混合溶媒が使用さ
れ、これらは使用する高分子液晶との溶解性並びにこれ
を塗工する基体の材質または基体の表面に設けた表面層
との濡れ性、成膜性等の要因によって選択しうるは言う
までもない。
上記低屈折率層としては、真空層またはエアー層が最
も望ましく、その屈折率は前記光学散乱層として用いた
物質より小さいものが望ましい。通常高分子液晶等を用
いた場合には、屈折率は1〜1.4程度で1.1以下が最適に
用いうる。また、この低屈折率層の層厚は実質白色光波
長よりも広くとれば良い。ここで、例えばエアー層を得
る場合において、前記光学吸収体表面との間に高屈折率
の粘着性層がなければ、これと部分的に接触させた形で
あっても実質上充分な層厚がとれる。これは、前記低屈
折率層を挟持する両面のうち少なくとも一方が、その表
面粗さとしてRz(JIS B0601-1982)で0.8μm程度以
上、望ましくは1μm以上の表面を有する物質で構成す
ることが実現できる。
なお、等方相でほぼ透明に固定された部分は、この透
明部においては光は散乱せずにほぼ直進し透過するた
め、下地の光学吸収体にそのまま吸収され、下地の色が
視認される。
[作用] 以下、高分子液晶の具体的な一例として、前記構造式
(I)により表わされる液晶を用いて、その散乱状態お
よび透明状態を熱的に制御した場合について述べる。
前記高分子液晶をジクロロエタンにより溶解し、これ
をアルコール洗浄を施したポリエステル系透明基板上に
アプリケーターにより塗布した。その後、95℃雰囲気中
に10分間放置したところ、白色の散乱膜が形成された。
この膜厚は塗布前における高分子液晶のwt%が20%の場
合において10μm強のものが得られた。
このようにして得られた白色シート上を感熱ヘッドで
走査したところ、文字,図形パターンに従って透明部分
が固定された。このシートを光学濃度が1.2の黒色バッ
クグラウンド上に導くと、白地に黒の鮮明な表示が得ら
れた。
また、通常のオーバーヘッドプロジェクター上に上記
シートを導いたところ、文字,パターン部が白く投影さ
れる鮮明なネガ投影像が得られた。
次に上記パターンが記録されたシートの全面を約120
℃にまで加熱し、その後約90℃で数秒保ったところ、元
の白色散乱状態に全面が復帰し、このまま常温に戻して
も安定であり、再度の記録,表示がなされ得た。
上記の現象は、前記高分子液晶が安定したメモリー状
態を維持するガラス転移点以下におけるフィルム状態、
実質的に光学的散乱状態に推移することのできる液晶フ
ィルム状態、およびこれより高温で等方的分子配列とな
る等方性フィルム状態の少なくとも3状態をとり得るこ
とに起因して制御することができる。
次に、前記像形成の原理的プロセスを第2図とともに
説明する。
第2図において、前述した散乱状態は図中の状態で
ある。これを例えば感熱ヘッドあるいはレーザー等の加
熱手段によりaのようにT2(Tiso=等方状態移行温
度)以上に加熱した後急冷すると、図中の様にほぼ等
方状態と同様の光透過状態が固定される。この急冷状態
は、特に冷却手段を用いることもなく、基体を空気中に
自然放熱するもので充分である。この等方状態は、T
1(Tg=ガラス転移温度)以下における室温または常温
状態においては安定であり、画像メモリーとして安定な
状態である。
一方aのようにT2以上に加熱した後、液晶温度T1
T2間に一例として1秒ないし数秒にかけて保持すると、
bのようにこの保持時間において散乱強度を再び増
し、常温においては再び元の散乱状態に復帰し、この
状態はT1以下において安定に保持される。
また図中で示すごとく、液晶温度T1〜T2間に一例と
して10ミリ秒〜1秒程度の時間保持する様にすれば、そ
の部分においては中間の透過状態を常温で保持すること
ができ、階調表現として使用することも可能である。
すなわち、本例ではいったん等方状態に加熱した後常
温に至るまでに、液晶温度でどれ程の時間保持するかで
透過率または散乱強度を制御することができ、またこれ
をT1以下においては安定に保持することができるもので
ある。さらに上記において散乱状態に復帰させる場合の
温度は、液晶温度内でT2に近い方がより早く、また、液
晶温度に比較的長時間放置する様な場合は、いったん等
方状態に加熱しないでも、以前の状態にかかわらずの
散乱状態に戻らしめることは可能である。
本発明像形成媒体においては、前記の散乱状態をより
強度にする要因を積極的に付加することにより、より美
しい画像を得る。このためには、前記例示した高分子液
晶が前記したジクロロエタンあるいはDMF(ジメチルフ
ォルムアミド),シクロヘキサン等の溶媒に溶解後、基
体に塗布し、前記溶媒を揮発せしめる過程、あるいは揮
発せしめた後、液晶温度(75℃〜110℃)に一定時間保
つことにより安定した光学的散乱膜が既に形成されてい
ることが望ましい。
上記膜形成に最適な条件の1つとしては、高分子液晶
の溶媒に対する添加量が、添加,攪拌後、透明な溶液、
または粘稠状態で得られる様な濃度であることである。
たとえば、前記構造式を示した高分子液晶をジクロロエ
タンに単独で溶解する場合、高分子液晶のwt%濃度が10
%においては溶液は白濁したミセル状となっているが、
15%〜25%程度の比較的高濃度においては安定した透明
な粘稠溶液が得られる。この傾向は、その他の数種の高
分子液晶および溶媒との組み合わせにおいても観測され
る。この透明な粘稠溶液をアプリケーター,ワイヤバー
またはディッピング等の手段により良く洗浄したガラ
ス,ポリエステル等の基体に塗工した後、前記液晶温度
に保持すると、前記ミセル状において同様に塗工した場
合に比べ、非常に一様性の高い光学的散乱膜が得られ
る。
この時、前記基体に対しては無配向処理であるか、ま
たはエチルアルコール等により複数方向へ抜き取り処理
を行なったものであり、いずれも表面に対する汚れをか
なり排除したものである。
なお、高分子液晶の溶媒としては、複数の溶媒の混合
溶媒、または高分子液晶材料以外の混合物、色素材料そ
の他を、塗工に悪影響を及ぼさない範囲で添加すること
も可能である。
また、前記基体裏面または高分子液晶表面に対するホ
コリの付着や帯電を防止するために、前記裏面、表面に
弱導電処理を施すなどの処置をしてもよい。
次に、前記高分子液晶による光学散乱層と、これに隣
接して設けられた光学吸収体との間に、低屈折率層を設
けた像担持体の作用を第1図(a)〜(d)とともに説
明する。
第1図(a)に示す様に、例えば光学吸収体2を光学
散乱層1に密着積層した場合、光学散乱層1で散乱した
光のうち、前記光学吸収体2に到達した光はそのまま吸
収される。これは例えば光学吸収体2上に直接前記高分
子液晶を溶液にして塗布した場合等に相当する。
ところが第1図(b)に示す様に、光学散乱層1と光
学吸収体2との間に低屈折率層3を設けると、図示の如
く光線は界面5aで屈折し、臨界角を超えて光学散乱層1
中に成分が多くなる。すなわち光学吸収体2に吸収され
る光量は減り、光学散乱層1の散乱強度は見かけ上大き
くなる。例えばこれが白色の場合は背面の光学吸収体2
に対する被覆力が増すため、より白く見えるようにな
る。
一方、第1図(c)に示す様に光学散乱層1と光学吸
収体2との間に屈折率の比較的高い高屈折率層4を設け
ると、前記光学散乱層1と高屈折率層4との界面5bでの
光学散乱層1に対する反射の臨界角は大きくなるため、
前記第1図(b)と比べて散乱度は落ちる。ただし、前
記第1図(a)に比べると界面5bでの散乱層に対する反
射成分も多少は出るので散乱度は幾分向上する。なお第
1図(c)に該当する場合としては、例えば光学吸収体
にバインダ層および前記光学散乱層をコーティング等で
密着積層した場合等である。
しかし、第1図(d)の様に前記第1図(c)で示し
た高屈折率層4の光学吸収体2側に、さらに低屈折率層
3を設けると、再び界面5cでの高屈折率層4側への反射
が増え、結果的に第1図(b)と同様光学吸収体1への
光吸収量は減り、散乱層がより白く見える様になる。
[実施例] 以下、実施例と共に本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1 第3図は、本発明による像形成媒体を用いた表示装置
の構成図である。
表示装置の上部には、ハロゲンランプ14とローラー15
からなるハロゲンローラー32が設けられ、これと対向す
る下部には駆動ローラー17が設けられている。2本のロ
ーラー間には、像担持体ベルト10が張架され、画像の表
示面となる表示部20と対応する裏面にバックグラウンド
12が配置されている。前記ハロゲンローラー32の近傍に
は、画像消去のための面ヒーター13が配置され、温度セ
ンサー16と接続されている。また、駆動ローラー17の近
傍には、画像書き込みのためのサーマルヘッド11が配置
されている。
なお、駆動ローラー17は不図示のモータで駆動される
ほか、その他の手段はいずれも不図示の機械的構成部品
または電気,電子部品にて作動されるものとする。
光学散乱層である像担持体ベルト10は、ポリエチレン
テレフタレート透明基体上に、下記構造式で表わした高
分子液晶 をジクロロエタンに溶解して20%溶液とし、ワイヤバー
にて塗布し、これをオーブン中90℃,15分間放置し白色
散乱層としたものをエンドレス状に形成した。
低屈折率層は、この像担持体ベルト10の背面にわずか
な隙間をもって、あるいは軽く当接した状態でバックグ
ラウンド12を配置することにより形成されるエアー層を
用いる。
まず、像書き込み時において、駆動ローラー17が矢示
方向に駆動されるとともに、サーマルヘッド(マルチヘ
ッド)11に対して、他のファクシミリからのファクシミ
リ信号により画信号を出力すると、像担持体ベルト10上
の加熱された部分に、像状の透明部パターンが形成され
ていく。この動作により、A4版1ページ分の画像状の透
明部パターンを順次形成した後、表示部20で停止すると
白地に背面の有彩色または黒色バックグラウンド12の色
による鮮明な画像が形成される。
本発明者らによる視認性評価においては、このバック
グラウンド12として例えば黒色紙を用いた場合、この光
学濃度がほぼ1.0以上であれば充分高コントラストの画
像が得られることが分った。その他、前記バックグラウ
ンド12として、赤紙,青紙,緑紙等の有彩色の色紙を用
いれば、白地にそれぞれの色による鮮明画像が得られ
る。
なお、バックグラウンド12として、その他の板材,シ
ート材も用いうる。例えば第4図に示す様に表面に粘着
性をもたず、また、その表面粗さがRz=5μm程度以上
となる様に表面を粗した黒色,有彩色のABS樹脂をバッ
クグラウンド12として使用し、これに像担持体ベルト10
を実質接触させた場合においても、白地にこれらの色の
画像が鮮明に表示された。この場合、画面は下地に押し
あてた状態で固定され、画面の揺れなどはなかった。
次に、画像の消去はハロゲンローラー32、および面ヒ
ーター13を用い、所定の画像表示後、再び駆動ローラー
17を矢示方向に駆動を開始して行なう。この時ハロゲン
ローラー32はほぼ115℃に、また面ヒーター13はほぼ95
℃に温度センサー16の検知出力からコントロールしてお
く。この様にして、前記像担持体ベルト10の様子を観察
すると、ハロゲンローラー32通過時にこの部分はほぼ全
面透明となり、また面ヒーター13部分通過時において、
再び全面が白色に散乱していくことがわかる。この動作
により、前記表示画像は全面消去され、再び白色の散乱
状態が得られる。ここで、上記の本構成で用いた面ヒー
ター13のベルト移動方向の巾はほぼ40mmであり、この全
面が少なくとも74℃以上となる様に設定した。
なお、前記白色の散乱状態は、高分子液晶自体に多少
のクラックを形成し、このクラックにおけるエアーギャ
ップを利用して、散乱を大きくしてやることも有効に利
用され得る。したがって、第3図に示す装置において、
ベルトに対し曲げ力を与える手段を像書き込みの前ある
いは直後に設けるなどしても良い。
前記画像の書き込み・消去の動作は、本発明者らの実
験によれば少なくとも200回以上は安定であった。な
お、ベルトの移動速度は、40mm/secにおいても充分鮮明
な画像が得られた。
また、本装置構成は、第5図の部分拡大図で示す様
に、サーマルヘッド11とプラテン19のかわりに通常のシ
リアルヘッドをサーマルヘッド18として用い、不図示の
駆動構成により、像担持体ベルト10の移動方向と垂直方
向にシリアルスキャンする構成であっても良好に動作す
る。
さらに、サーマルヘッド11の各ドットに与える電圧の
強弱、または与える電圧パルス巾を変化させてやること
で階調表示を得ることも可能である。
この装置においては、表示部20に適度な照明を与えて
やることで、より鮮明な画像が視認でき、あるいはまた
前記した像担持体ベルト10とバックグラウンド12との間
に大きくすきまをとり、このすきま部に照明を横から与
えてやることでさらに白地を美しくすることができる。
なお、本装置構成においては、高分子液晶層を直接サ
ーマルヘッド11で摺擦,走査しても、本高分子液晶は充
分耐熱性,皮膜強度が強いものであるので、基本的に繰
り返し画像形成には問題ないが、必要に応じてさらに強
度を増すために、表面にポリイミド,アラミド等の保護
層をラミネート等により設けても良い。
この具体的な実施例としては、3.5μmおよび6μm
のアラミドシートをラミネートにより設けて画像形成を
行なったが、結果はいずれも良好であった。
本例でも、サーマルヘッド11の書き込みによる急冷状
態により透明部分の書き込みを、また面ヒーター13によ
り比較的長時間の液晶温度の保持により白色散乱状態へ
の復帰を行なったが、前述の場合と同様に良好な結果を
得ることができた。
実施例2 第6図は像形成媒体の他の実施態様における像担持体
の層構成の一例である。
本構成においては、バックグラウンド基体24上にブル
ー(B),グリーン(G),レッド(R),ブラック
(BL),あるいはイエロー(Y),マゼンタ(M),シ
アン(C),ブラック(BL)のカラーモザイクまたはス
トライプ状等のカラーパターンをカラーバックグラウン
ド22として設け、このカラーバックグラウンド22上に、
ガラス,樹脂,無機顔料,その他で形成したビーズスペ
ーサー25を配置し、さらに白色散乱層として高分子液晶
層21を透明基体23上にコーティングにより形成した像担
持部20を、ラミネートにより設けたものである。また、
本構成では、ビーズスペーサー25により得られた隙間
が、エアーギャップ層26を形成している。
上記のカラーパターンは、例えば網点印刷等の従来か
ら知られている印刷方法等により、例えば各色あわせて
1mm当り12ライン、またはそれ以上に厚膜または薄膜形
成することが出来る。なお、このカラーパターンは本例
においては基体上に直接印刷したものでも良いし、フィ
ルム状として、基体に貼りつけたものでも良い。
また、前記のビーズスペーサー25の大きさは、このビ
ーズによって得られるエアーギャップ層26が1μm〜20
0μm程度、望ましくは5μm〜10μm程度となる様に
するために、1μm〜10μm程度の粒径であることが望
ましい。
また、前記高分子液晶層21の透明基体23の厚みは、高
分子液晶層21を塗工しうる範囲で薄い方が良く、3μm
〜1mm程度、望ましくは1μm〜50μm程度であり、上
記エアーギャップ層とともに形成するカラー画像に要求
される解像性によって自由度は拡縮される。
前記高分子液晶層21は、例えば前記実施例1における
構造式(I)で示した液晶では、その層厚が1μm程度
以上、最適には5μm〜15μm程度あれば、下部のカラ
ーパターンに対して充分光学的被覆効果が得られる白色
散乱層となる。
次に、第7図を用いて本例におけるカラー像の形成方
法について説明する。第7図においては、カラーパター
ンとしてB,G,R,BLのストライプパターンをカラーバック
グラウンド22とした。
ここで前述の如くこのストライプパターン上にビーズ
スペーサ25を介して透明基体23を配置し、屈折率の低い
エアーギャップ層26を形成した後、この上に高分子液晶
層21を白色散乱状態で設けると、全面が美しい白色と視
認できる。この後、感熱ヘッド、その他の加熱手段によ
り、たとえばGに対応する部分のみ等方状態以上の温度
まで加熱し、加熱手段を取り去ると、このG部分の上層
の高分子液晶層は透明状態で固定され、その他の加熱さ
れなかった部分は白色のままであり、高分子液晶層側か
らは白地にグリーン色の像が視認される。同様にRの
み、Bのみに対応する高分子液晶層を加熱すれば、それ
ぞれレッド色、ブルー色が白地に対して視認される。ま
た、例えばRとG,GとB,BとR、あるいはR,G,B全てに対
応する高分子液晶層を加熱した場合、これらが混色した
色が見られるが、本例においては特に黒色を出したいと
きに、この濃度が上昇する様にBLのストライプパターン
も設けた。
一例として、1mm当り12ドットのサーマルヘッドを用
い、B,G,R,BLがそれぞれ1mm当り3組、すなわち合計で1
mm当り12ラインとなる様に形成した前記像担持体のシー
トを精密に走査し、そのうち前記Bに対応する発熱部と
して3ドットおきに発熱させたところ、全面がほぼブル
ー色に見える画像が形成された。
本例により形成された画像は、白地にカラー画像が見
られるものであり、通常、紙に描かれたカラー画像と同
様の鮮明なものである。
なお、この場合、前面の高分子液晶側から適度な白色
光による照明を行なうことにより、より鮮明な画像が視
認できる。
実施例3 第8図は前記像担持体の層構成の他の例である。
本構成で第6図と異なるところは、高分子液晶層21内
に、レーザーに対して吸収感度を有し、レーザー照射に
よりこの層を発熱させるレーザー吸収層を設けたこと、
およびバックグラウンド基体24,カラーバックグラウン
ド22において、使用するレーザーに対して透明度のある
ものを使用したこと、およびエアーギャップ層26側に高
分子液晶層21を配置したことである。
ここで第8図に示す様に、ビーズスペーサー25を介し
てカラーバックグラウンド22と対峙する位置において、
Bのパターンには一例としてその吸収ピーク波長が750n
m付近にあるレーザー吸収染料(日本化薬(株)製IR-75
0等)、またGのパターンにはその吸収ピーク波長が820
nm付近にあるレーザー吸収染料(同IR-820等)、またR
のパターンには吸収ピーク波長が780nm付近にあるレー
ザー吸収染料(同CY-9等)をそれぞれ含む層をレーザー
吸収層として高分子液晶層21上に印刷等により設ける
か、あるいは高分子液晶層21中にこれらの吸収染料を少
量混入する。
そこで、これらを照射するレーザーとして、B用,G
用,またはR用として発光中心波長がそれぞれ750nm,82
0nmまたは780nm付近である半導体レーザーをB,G,Rそれ
ぞれの選択に応じ変調し、走査することで、それぞれに
対応する高分子液晶部分に熱を伝達し、該部分を透明に
することができる。
なお、第8図におけるBLのパターンに対しては、上記
のレーザーのうちいずれかを用いてこの部分に対応する
高分子液晶を透明化しても良いし、上記すべてのレーザ
ー光を照射する様にしても良く、または他の波長のレー
ザーを用いても良い。
さらにこの場合、各吸収染料がそれぞれ他のカラー照
射用レーザーに対して感度を有さないように設計し得る
場合には、上記カラーパターンはランダムなモザイクパ
ターンでも良い。
第8図の形態で像担持体を構成すれば、カラーバック
グラウンド22と高分子液晶層21との間に透明基体23等が
存在せず、実質的にビーズスペーサー25によるエアーギ
ャップ層26のみとすることが出来るため、解像度が良好
に保持される。
上記実施例においては、各色に対応するレーザー吸収
染料を用いたが、レーザー照射を前記カラーバックグラ
ウンド22のパターンに応じて精密に行ない得る場合に
は、特に色分けせず高分子液晶層21を一例として構造式 で表わされる様なレーザー吸収染料を含む層とし、例え
ば830nmに発光ピークを有する様なレーザーを用いて画
像形成する様にしても良い。
なお、本例または前実施例等においては、高分子液晶
層21を基体上に設けているが、高分子液晶を単独にフィ
ルム化した場合には、前記基体は不要である。
実施例4 第9図は、適度のエアーギャップをもたせるために高
分子液晶層21とバックグラウンド基体24との間に多孔質
層27を設けたものである。
この様な多孔質層27の形成法としては、例えばガラス
または樹脂,金属等で形成されたバックグラウンド基体
24上に、ウレタンやその他樹脂をNaHCO3やN2ガスを発生
するような各種有機発泡剤、その他の発泡剤とともに塗
布すること等で形成し、これを一般的には加熱処理する
ことで作製しうる。または上記ウレタン樹脂を例にとれ
ば、ウレタン樹脂をDMF(ジメチルホルムアミド)に溶
解しこれを前記バックグラウンド基体24上に塗布し、水
に浸沈することで、表面はち密に、また内部に適度な大
きさの気泡をつくることができる。もちろんその他の方
法でも形成しうる。一般的には、1μm〜100μm程度
の気泡の大きさが最適である。
前記の様にして得られた多孔質層27の上に、直接また
は適当な保護層等(図示せず)を中間層として設け、前
記高分子液晶層21を一例として10μm厚に塗布すること
により、像担持体を構成することができる。
以上実施例を説明したが、本発明は上記の実施例に限
定されるものではなく、また、使用する像形成媒体も前
記高分子液晶にかかわらず散乱状態および透明状態のコ
ントラストを利用するものに対してはすべて有効であ
る。また、本例では1つの像形成形態として白地に黒の
画像を形成する例を挙げたが、これが黒地に白の画像で
ある等においても同様の効果を有する。
[発明の効果] 以上説明した様に、本発明によれば、ちらつきのない
高精細なカラー画像を、ハードコピーと同様の鮮明さで
表現することができ、従来、液晶表示装置等で必要であ
った偏光板等も不要とすることができる。このため、カ
ラー画像を提供する表示装置等への適用、または画像を
中間媒体として使用する装置、あるいはこれをメモリ装
置へ適用する等、種々の機器への適用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は像担持体の作用の説明図、第2図は温度と透過
率(散乱強度)との関係を示す図、第3図は表示装置の
構成図、第4図は表示部の断面図、第5図はサーマルヘ
ッドの拡大図、第6図〜第9図は像担持体の層構成図で
ある。 1……光学散乱層 2……光学吸収体 3……低屈折率層 4,7……高屈折率層 8,23……透明基体 9……高分子液晶層 10……像担持体ベルト 21……高分子液晶層 23……カラーバックグラウンド 24……バックグラウンド基体 26……エアーギャップ層 27……多孔質層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉永 和夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 大西 敏一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 倉林 豊 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 江口 岳夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 土志田 嘉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−125247(JP,A)

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】散乱状態および透明状態となる光学散乱層
    に隣接して光学吸収体を設け、前記光学散乱層の散乱状
    態および透明状態の差異を光学吸収体により検出される
    像として形成する像形成媒体であって、 前記光学散乱層と光学吸収体との間に低屈折率層を設け
    たことを特徴とする像形成媒体。
  2. 【請求項2】前記光学散乱層が、高分子液晶層であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の像形成媒
    体。
  3. 【請求項3】散乱状態および透明状態となる光学散乱
    層に隣接して光学吸収体を設け、前記光学散乱層の散乱
    状態および透明状態の差異を光学吸収体により検出され
    る像として形成する像形成媒体であって、前記光学散乱
    層と光学吸収体との間に低屈折率層が設けられた像形成
    媒体と、前記散乱状態および透明状態を熱的に制御す
    る手段とを有することを特徴とする像形成装置。
  4. 【請求項4】前記光学散乱層が、高分子液晶層であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第3項に記載の像形装
    置。
  5. 【請求項5】前記熱的に制御する手段が、サーマルヘッ
    ドを用いた手段であることを特徴とする特許請求の範囲
    第3項又は第4項に記載の像形成装置。
  6. 【請求項6】前記熱的に制御する手段が、半導体レーザ
    ーを用いた手段であることを特徴とする特許請求の範囲
    第3項又は第4項に記載の像形成装置。
  7. 【請求項7】カラーフィルターを有することを特徴とす
    る特許請求の範囲第3項乃至第6項のいずれかに記載の
    像形成装置。
  8. 【請求項8】像形成装置を有する表示装置において、 前記像形成装置が、散乱状態および透明状態となる光
    学散乱層に隣接して光学吸収体を設け、前記光学散乱層
    の散乱状態および透明状態の差異を光学吸収体により検
    出される像として形成する像形成媒体であって、前記光
    学散乱層と光学吸収体との間に低屈折率層が設けられた
    像形成媒体と、前記散乱状態および透明状態を熱的に
    制御する手段とを有するものであることを特徴とする表
    示装置。
  9. 【請求項9】前記光学散乱層が、高分子液晶層であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第8項に記載の表示装
    置。
  10. 【請求項10】前記熱的に制御する手段が、サーマルヘ
    ッドを用いた手段であることを特徴とする特許請求の範
    囲第8項又は第9項に記載の表示装置。
  11. 【請求項11】前記熱的に制御する手段が、半導体レー
    ザーを用いた手段であることを特徴とする特許請求の範
    囲第8項又は第9項に記載の表示装置。
  12. 【請求項12】カラーフィルターを有することを特徴と
    する特許請求の範囲第8項乃至第11項のいずれかに記載
    の表示装置。
  13. 【請求項13】像形成媒体を有するメモリ装置におい
    て、 前記像形成媒体が、散乱状態および透明状態となる光学
    散乱層に隣接して光学吸収体を設け、前記光学散乱層の
    散乱状態および透明状態の差異を光学吸収体により検出
    される像として形成する像形成媒体であって、前記光学
    散乱層と光学吸収体との間に低屈折率層が設けられたも
    のであることを特徴とするメモリ装置。
  14. 【請求項14】前記光学散乱層が、高分子液晶層である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第13項に記載のメモリ
    装置。
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