JP2632649B2 - 展開・折り畳み装置 - Google Patents

展開・折り畳み装置

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JP2632649B2
JP2632649B2 JP6234513A JP23451394A JP2632649B2 JP 2632649 B2 JP2632649 B2 JP 2632649B2 JP 6234513 A JP6234513 A JP 6234513A JP 23451394 A JP23451394 A JP 23451394A JP 2632649 B2 JP2632649 B2 JP 2632649B2
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譲治 桜井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、展開アンテナのアン
テナパネル等の複数のパネルの折り畳み展開部に用いら
れる展開・折り畳み装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、人工衛星に搭載された機器の性
能の向上を図るためには、搭載アンテナの大型化が重要
な要素となるが、アンテナを人工衛星に搭載するために
は、軽量であると共に打ち上げ時にコンパクトでなけれ
ばならない。そのため打ち上げ時には折り畳み、打ち上
げ後衛星軌道上において大きく広げる展開アンテナが用
いられる。かかる展開アンテナには、複数のアンテナパ
ネルを折り畳み展開する展開装置を必要とする。
【0003】次に、かかる展開アンテナのアンテナパネ
ル間の折り畳み展開部等に用いられている展開装置の従
来の構成を、図5及び図6に基づいて説明する。図5
は、展開装置のパネルの展開途中の状態を示す側面図
で、図6は展開を完了した状態を示す側面図である。両
図において、1は円板状の第1のホルダで、該第1のホ
ルダ1には保持部2が突出形成されていて、第1のパネ
ル3の一端を保持するようになっている。また第1のホ
ルダ1の中心部には軸4が回転可能に軸支されており、
該軸4には第2のホルダ5の一端が固着され、該第2の
ホルダ5が第1のホルダ1に対して回転可能に配置され
ている。また第2のホルダ5の他端には保持部6が形成
されていて、該保持部6には第2のパネル7が保持され
ている。また第2のホルダ5の一部には、先端に前記第
1のホルダ1の外周縁に形成されている摺動面8上を摺
動するラッチピン9を備えたラッチ棒10の基部を、軸11
で回動可能に取り付け、同じく第2のホルダ5の一部に
取り付けたばね12の先端を前記ラッチ棒10の側面に当接
し、ラッチピン9を前記第1のホルダ1の摺動面8に押
圧するようになっている。
【0004】また、第1のホルダ1の側面には、一端を
固定治具13で第1のホルダ1の一部に固着し、他端を軸
4に取り付けた展開駆動ばね14を、図5において各ホル
ダ1,5を展開するように付勢させて配置している。ま
た、第1のホルダ1の外周縁摺動面8には、図6に示す
ように、各ホルダ1,5、すなわち各パネル3,7が展
開を完了した状態で、前記ラッチピン9が嵌合するラッ
チ穴15が形成されている。
【0005 】次に、このように構成されている展開装置
の動作について説明する。第1及び第2のパネル3,7
が折り畳まれ鎖錠されている状態において、図示されて
いない鎖錠機構が解除されると、第1及び第2のホルダ
1,5すなわち第1及び第2のパネル3,7は、展開駆
動ばね14のばね力により展開方向に駆動される。この展
開中は、ラッチピン9と第1のホルダ1の摺動面8との
摺動摩擦により、一定の速度で展開動作が続行される。
そして展開完了位置に達したとき、ラッチピン9がラッ
チ穴15に嵌入し、両パネル3,7は、その展開した状態
が保持されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の展開
装置は、上記のように構成されているので、数枚のパネ
ルの折り畳み展開部に用いた場合、展開動作を開始する
と全ての折り畳み展開部が同時に展開し始めるが、展開
速度は第1のホルダの外周縁摺動面とラッチピンの摺動
摩擦力と、展開駆動ばねのばね力により決まるので、展
開速度をコントロールすることができない。また展開駆
動ばね、ラッチピン、外周縁摺動面に不具合がある場合
には、展開動作が不能になったり、また展開動作が途中
で停止してしまうことがあり、また展開動作を途中で停
止させ元の折り畳み状態に復元させることは不可能であ
る等の問題点があった。
【0007】本発明は、従来の展開装置における上記問
題点を解消するためになされたもので、展開速度の制
御、展開動作の停止、折り畳み復元動作などの展開・折
り畳み動作を容易にコントロールすることが可能な展開
・折り畳み装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】上記問題点を解
決するため、本発明は第1のパネルを保持する保持部を
一端に備え、外周縁にラッチ穴を有する摺動面を形成し
た第1のホルダと、第2のパネルを保持する保持部を備
え、前記第1のホルダに回動可能に支持された第2のホ
ルダと、該第2のホルダに回動可能に支持され、一端に
前記第1のホルダの摺動面上を摺動するラッチピンを有
し他端に引掛け溝を有するラッチ棒と、該ラッチ棒のラ
ッチピンを前記第1のホルダの摺動面に押圧するための
ばねと、一端を前記第1のホルダに固着し、他端に前記
ラッチ棒の引掛け溝と係脱可能な爪部を備えた、冷却時
には弯曲し加熱時には伸展する形状記憶合金からなる展
開制御板と、該展開制御板を加熱制御するヒータとで展
開・折り畳み装置を構成するものである。
【0009】このように構成された展開・折り畳み装置
において、冷却時にはラッチピンは摺動面上にあり、展
開制御板は弯曲して、その爪部はラッチ棒の引掛け溝に
係合し、両パネルは折り畳まれた状態になっている。展
開動作を行う際は、ヒータで展開制御板を加熱すること
により展開制御板は伸展し始め、その先端爪部でラッチ
棒を介して第2のホルダを第1のホルダに対して回転駆
動する。そして展開制御板によるパネルの展開動作が進
行し、展開完了位置に達すると、ラッチピンがラッチ穴
に嵌入し、第2のホルダはその位置に保持され、展開制
御板の爪部はラッチ棒の引掛け溝により離脱する。した
がってヒータによる展開制御板の加熱を停止し展開制御
板の弯曲が再開しても、パネルの展開状態は保持され
る。また、パネルの展開速度はヒータによる展開制御板
の加熱をコントロールすることにより制御することがで
きる。また展開動作の途中でヒータによる展開制御板の
加熱を中止することにより、展開動作を中断し再び折り
畳み位置に復元することも可能である。
【0010】
【実施例】次に、実施例について説明する。図1は本発
明に係る展開・折り畳み装置の一実施例の展開途中の状
態を示す側面図、図2は展開完了時の状態を示す側面
図、図3は展開制御板の拡大斜視図である。図1〜図2
において、図5〜図6に示した従来の展開装置と同一又
は対応する部材には、同一符号を付して示し、その説明
は省略する。本発明は、展開駆動源として従来のばねの
代わりに、形状記憶合金よりなる展開制御板21を用いる
もので、該展開制御板21は冷却時には弯曲し、加熱時に
は伸展する特性をもっており、その一端は第1のホルダ
1にネジ22で固着され、他端には爪部23が形成されてい
る。また第2のホルダ5に回転可能に支持されている、
一端にラッチピン9を備えたラッチ棒10の他端には、前
記展開制御板21の爪部23と係脱する引掛け溝24が形成さ
れており、ラッチピン9が第1のホルダ1の摺動面8に
形成されたラッチ穴15に嵌入したときは、爪部23と引掛
け溝24との係合は外れるが、それ以外のラッチピン9が
摺動面8上にあるときは、爪部23と引掛け溝24とは常に
係合するようになっている。そして前記展開制御板21に
沿ってヒータ25が配置されており、該ヒータ25には、リ
ード線26から電力が供給されるようになっている。
【0011】次に、このように構成された展開・折り畳
み装置の動作について説明する。展開制御板21は冷却時
には弯曲しており、その先端の爪部23はラッチ棒12の引
掛け溝24に係合していて、第1のパネル3と第2のパネ
ル7とが折り畳まれた状態になっており、またラッチピ
ン9は第1のホルダ1の摺動面8を押圧している状態に
なっている。このような状態において、展開動作を開始
するには、まずリード線26からヒータ25に電力を供給す
る。ヒータ25の加熱により展開制御板21が加熱されると
伸展し始め、図1に示すように、その爪部23がラッチ棒
10の引掛け溝24を押圧する。引掛け溝24が押圧される
と、ラッチピン9は摺動面8に押圧状態になっているた
め、ラッチ棒10を支持している第2のホルダ5が軸4を
中心にして、第1のホルダ1に対して回動し、第2のパ
ネル7が第1のパネル3に対して展開し始める。この
際、ラッチ棒10のラッチピン9は摺動面8を摺動しなが
ら移動する。
【0012】このような展開制御板21のヒータ25の加熱
による伸展動作によってパネルの展開動作が進行し、展
開完了位置に達すると、摺動面8上を移動したラッチピ
ン9がラッチ穴15に嵌入し、第2のホルダ5はその位置
に保持され、パネルは展開状態となる。そして、ラッチ
ピン9がラッチ穴15に嵌入すると、展開制御板21の爪部
23とラッチ棒10の引掛け溝24との係合が外れ、したがっ
てヒータ25への電力の供給を停止することにより、展開
制御板21は独立して元の弯曲状態に復元することができ
る。
【0013】展開動作の速度は、ヒータ25に供給する電
力により加熱を制御することによってコントロールする
ことができ、また展開動作の途中において展開動作を中
止し、元の折り畳み状態に復元させることもできる。す
なわち、展開完了位置でラッチピン9がラッチ穴15に嵌
入する以前であれば、展開制御板21の爪部23はラッチ棒
10の引掛け溝24と係合状態にあるから、電力の供給を中
断しヒータ25の加熱を中止し、展開制御板21の伸展を中
断して再び弯曲させ始めると、展開制御板21の爪部23で
引掛け溝24を介して第2のホルダ5を第1のホルダ1側
に引き込み、再びパネルを折り畳み状態に復元させるこ
とができる。
【0014】上記実施例においては、第1及び第2の2
つのパネルの折り畳み展開部に本発明を適用したものを
示したが、3枚以上の多数のパネルの折り畳み展開部に
も適用することができ、その概略構成を図4に示す。図
4において、31A,31B,31C,31Dは、それぞれパネ
ルであり、32A,32B,32Cは、それぞれ各パネル間に
設けた展開・折り畳み装置である。
【0015】また、上記実施例では、パネルの展開状態
を保持するようにしたものを示したが、ラッチピンの嵌
入するラッチ穴をパネルの折り畳み状態でラッチピンが
嵌入するように配設することにより、パネルの折り畳み
状態を保持させるように構成することもできる。
【0016】また上記実施例では、展開アンテナのアン
テナパネルの展開・折り畳み装置を想定して説明を行っ
たが、本発明は、これに限らず、太陽電池パネルや、そ
の他の種々のパネルの展開・折り畳み装置に適用するこ
とができるものである。
【0017】
【発明の効果】以上実施例に基づいて説明したように、
本発明によれば、パネルの展開又は折り畳み駆動源とし
て、ヒータで加熱制御される形状記憶合金からなる展開
制御板を用いたので、ヒータの加熱制御により、展開動
作の開始、展開動作の中断、折り畳み復元、展開速度の
制御等の展開・折り畳み動作を容易にコントロールする
ことが可能な展開・折り畳み装置を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る展開・折り畳み装置の一実施例の
展開動作中の状態を示す側面図である。
【図2】図1に示した実施例の展開完了時の状態を示す
側面図である。
【図3】図1及び図2に示した実施例における展開制御
板を示す拡大斜視図である。
【図4】多数のパネルの折り畳み展開部に本発明を適用
した構成例を示す概略図である。
【図5】従来の展開装置の構成例の展開動作中の状態を
示す側面図である。
【図6】図5に示した従来例の展開完了時の状態を示す
側面図である。
【符号の説明】
1 第1のホルダ 2 保持部 3 第1のパネル 4 軸 5 第2のホルダ 6 保持部 7 第2のパネル 8 摺動面 9 ラッチピン 10 ラッチ棒 11 軸 12 ばね 13 固定治具 14 展開駆動ばね 15 ラッチ穴 21 展開制御板 22 ネジ 23 爪部 24 引掛け溝 25 ヒータ 26 リード線

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のパネルを保持する保持部を一端に
    備え、外周縁にラッチ穴を有する摺動面を形成した第1
    のホルダと、第2のパネルを保持する保持部を備え、前
    記第1のホルダに回動可能に支持された第2のホルダ
    と、該第2のホルダに回動可能に支持され、一端に前記
    第1のホルダの摺動面上を摺動するラッチピンを有し他
    端に引掛け溝を有するラッチ棒と、該ラッチ棒のラッチ
    ピンを前記第1のホルダの摺動面に押圧するためのばね
    と、一端を前記第1のホルダに固着し、他端に前記ラッ
    チ棒の引掛け溝と係脱可能な爪部を備えた、冷却時には
    弯曲し加熱時には伸展する形状記憶合金からなる展開制
    御板と、該展開制御板を加熱制御するヒータとを備えて
    いることを特徴とする展開・折り畳み装置。
JP6234513A 1994-09-05 1994-09-05 展開・折り畳み装置 Expired - Lifetime JP2632649B2 (ja)

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JPH0878922A JPH0878922A (ja) 1996-03-22
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